JP3135099B2 - カルボン酸の製造方法 - Google Patents
カルボン酸の製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボン酸の製造方法
に関するものである。更に詳しくいえば、本発明は、エ
ンド−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−2−
カルボン酸を選択的にしかも効率よく合成できる方法に
関する。本発明によって得られるエンド−トリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デカン−2−カルボン酸(IV)
に関するものである。更に詳しくいえば、本発明は、エ
ンド−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−2−
カルボン酸を選択的にしかも効率よく合成できる方法に
関する。本発明によって得られるエンド−トリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デカン−2−カルボン酸(IV)
【0002】
【化1】
【0003】は、医薬品等の製造原料として工業上有用
である。
である。
【0004】
【従来の技術】従来、トリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デカン−2−カルボン酸(以下「TCDA」と
言う場合がある。)(V)を製造する方法としては、 ジシクロペンタジエンを水和及び水素化して得られた
8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン(III)に、無機強酸性触媒の存在下で一酸化炭素及
び水を反応させるコッホ反応のCO加圧法
02,6 〕デカン−2−カルボン酸(以下「TCDA」と
言う場合がある。)(V)を製造する方法としては、 ジシクロペンタジエンを水和及び水素化して得られた
8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン(III)に、無機強酸性触媒の存在下で一酸化炭素及
び水を反応させるコッホ反応のCO加圧法
【0005】
【化2】
【0006】上記8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デカン(III)に無機強酸性触媒の存在
下で蟻酸を反応させるコッホ反応の蟻酸法
2.1.02,6 〕デカン(III)に無機強酸性触媒の存在
下で蟻酸を反応させるコッホ反応の蟻酸法
【0007】
【化3】
【0008】が知られている。しかし、これらのコッホ
反応による場合には、TCDAの立体異性体であるエン
ド−TCDAとエキソ−TCDAが通常ほぼ1:1の比
率で生成する(特開昭56−128735号公報)。
反応による場合には、TCDAの立体異性体であるエン
ド−TCDAとエキソ−TCDAが通常ほぼ1:1の比
率で生成する(特開昭56−128735号公報)。
【0009】また、トリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デク−8−イルホメート(VI)を無機強酸性触
媒と接触させる方法(特開昭59−20245号公報)
02,6 〕デク−8−イルホメート(VI)を無機強酸性触
媒と接触させる方法(特開昭59−20245号公報)
【0010】
【化4】
【0011】も知られているが、この方法による場合も
エンド−TCDAとエキソ−TCDAがほぼ1:1の比
率で得られ(同公報の実施例1)、生成する立体異性体
の比率について詳細に検討されているわけではない。
エンド−TCDAとエキソ−TCDAがほぼ1:1の比
率で得られ(同公報の実施例1)、生成する立体異性体
の比率について詳細に検討されているわけではない。
【0012】従って、ファインケミカル等の分野におい
てエンド−TCDA又はエキソ−TCDAの純品を必要
とする場合には、エンド体とエキソ体の混合物をメチル
エステル化し又はせずに精密蒸留を行うなどして、二つ
の立体異性体を分割しなければならないという問題があ
った。更に、分割後に不要の立体異性体が多量に残るた
め無駄が多く、仮に、この不要の立体異性体を利用しよ
うとする場合には、必要とされる立体異性体へと変換す
べく異性化反応を行わなければならないため、工業上好
ましくないという問題もあった。
てエンド−TCDA又はエキソ−TCDAの純品を必要
とする場合には、エンド体とエキソ体の混合物をメチル
エステル化し又はせずに精密蒸留を行うなどして、二つ
の立体異性体を分割しなければならないという問題があ
った。更に、分割後に不要の立体異性体が多量に残るた
め無駄が多く、仮に、この不要の立体異性体を利用しよ
うとする場合には、必要とされる立体異性体へと変換す
べく異性化反応を行わなければならないため、工業上好
ましくないという問題もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、エンド−TCDAを選択的にしかも効率
よく製造できる方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
事情のもとで、エンド−TCDAを選択的にしかも効率
よく製造できる方法を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、コッホ
反応を基礎として反応条件や触媒成分を改変することに
よって(特に反応温度を比較的低温に設定することによ
って)、エンド−TCDAを選択的に合成できることを
見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成され
た。
を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、コッホ
反応を基礎として反応条件や触媒成分を改変することに
よって(特に反応温度を比較的低温に設定することによ
って)、エンド−TCDAを選択的に合成できることを
見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成され
た。
【0015】即ち本発明は、酸触媒及び第一銅化合物の
存在下、8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン(III)を0〜100℃の反応温度で一酸化
炭素及び水と反応させることを特徴とするエンド−トリ
シクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−2−カルボン酸
(IV)の製造方法を提供するものである。
存在下、8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン(III)を0〜100℃の反応温度で一酸化
炭素及び水と反応させることを特徴とするエンド−トリ
シクロ〔5.2.1.02,6〕デカン−2−カルボン酸
(IV)の製造方法を提供するものである。
【0016】
【化5】
【0017】本発明において反応方式は特に制限され
ず、原料を一括供給しまとめて処理しても良いし、原料
を逐次供給し連続して処理しても良い。通常は、オート
クレーブ等の回分式反応器に原料を一括供給し、まとめ
て処理する。連続処理を行う場合には、連続攪拌槽を設
けた流通式槽型反応器を用いても良いし、流通式管型反
応器を用いても良い。原料を逐次供給して連続処理を行
う場合には、重合物の副生を抑制し易いという利点があ
る。ここで原料とは、8−ヒドロキシ−トリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)、一酸化炭素及び
水を意味するが、、触媒を水溶液の形で用いる場合に
は、水の供給量を減らすか又は省略することができる。
ず、原料を一括供給しまとめて処理しても良いし、原料
を逐次供給し連続して処理しても良い。通常は、オート
クレーブ等の回分式反応器に原料を一括供給し、まとめ
て処理する。連続処理を行う場合には、連続攪拌槽を設
けた流通式槽型反応器を用いても良いし、流通式管型反
応器を用いても良い。原料を逐次供給して連続処理を行
う場合には、重合物の副生を抑制し易いという利点があ
る。ここで原料とは、8−ヒドロキシ−トリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)、一酸化炭素及び
水を意味するが、、触媒を水溶液の形で用いる場合に
は、水の供給量を減らすか又は省略することができる。
【0018】原料の一つである8−ヒドロキシ−トリシ
クロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)は、その3、
4及び5位のトリエチレン基がエンド又はエキソのいず
れの配置であっても良く、また両者の混合物であっても
良い。本発明によれば、使用される8−ヒドロキシ−ト
リシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)の立体配
置に関係なく、エンド−TCDAを選択的に製造でき
る。8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デカン(III)は、いかなる方法で製造されたも
のを用いても差し支えない。8−ヒドロキシ−トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)は、例えば、ジ
シクロペンタジエン(I)を酸性条件下で水和すること
によってヒドロキシジシクロペンタジエン(II)とし、
これを更に接触水素化すれば得られる。
クロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)は、その3、
4及び5位のトリエチレン基がエンド又はエキソのいず
れの配置であっても良く、また両者の混合物であっても
良い。本発明によれば、使用される8−ヒドロキシ−ト
リシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)の立体配
置に関係なく、エンド−TCDAを選択的に製造でき
る。8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.
02,6 〕デカン(III)は、いかなる方法で製造されたも
のを用いても差し支えない。8−ヒドロキシ−トリシク
ロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)は、例えば、ジ
シクロペンタジエン(I)を酸性条件下で水和すること
によってヒドロキシジシクロペンタジエン(II)とし、
これを更に接触水素化すれば得られる。
【0019】
【化6】
【0020】上記8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.
2.1.02,6 〕デカン(III)は、そのまま反応器内に
供給しても良いが、通常は溶媒に溶解又は分散した状態
で反応器内に供給する。ここで使用される溶媒は、本発
明の反応条件下において不活性でかつ触媒(又は触媒
液)に不溶性の有機溶媒であれば特に制限を受けない。
そのような溶媒としては、例えば、n−ペンタン,n−
ヘキサン等の直鎖アルカン類、シクロヘキサン等のシク
ロアルカン類等が挙げられる。また溶媒の使用量は、原
料の供給量や供給速度等を考慮して適宜決定される。
2.1.02,6 〕デカン(III)は、そのまま反応器内に
供給しても良いが、通常は溶媒に溶解又は分散した状態
で反応器内に供給する。ここで使用される溶媒は、本発
明の反応条件下において不活性でかつ触媒(又は触媒
液)に不溶性の有機溶媒であれば特に制限を受けない。
そのような溶媒としては、例えば、n−ペンタン,n−
ヘキサン等の直鎖アルカン類、シクロヘキサン等のシク
ロアルカン類等が挙げられる。また溶媒の使用量は、原
料の供給量や供給速度等を考慮して適宜決定される。
【0021】本発明の酸触媒としては、コッホ反応で通
常用いられているものを使用できる。そのような酸触媒
として、例えば、硫酸,リン酸,フッ化水素酸,三フッ
化ホウ素−リン酸,三フッ化ホウ素水和物,三フッ化ホ
ウ素−メタノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
好ましい酸触媒は硫酸を含有する酸触媒であり、特に好
ましい酸触媒は硫酸に加えて更にリン酸を含有する酸触
媒である。硫酸とリン酸を併用する場合の配合比は、重
量比でH2 SO4 :H3 PO4 =50:50〜98:2
の範囲とするのが好ましく、通常は、反応条件を考慮し
てこの範囲内で決定される。
常用いられているものを使用できる。そのような酸触媒
として、例えば、硫酸,リン酸,フッ化水素酸,三フッ
化ホウ素−リン酸,三フッ化ホウ素水和物,三フッ化ホ
ウ素−メタノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
好ましい酸触媒は硫酸を含有する酸触媒であり、特に好
ましい酸触媒は硫酸に加えて更にリン酸を含有する酸触
媒である。硫酸とリン酸を併用する場合の配合比は、重
量比でH2 SO4 :H3 PO4 =50:50〜98:2
の範囲とするのが好ましく、通常は、反応条件を考慮し
てこの範囲内で決定される。
【0022】但し、本発明においては、触媒成分として
第一銅化合物を添加する。本発明においては、後述のよ
うにエンド−TCDA(IV)の選択率を高める観点か
ら、反応温度を比較的低温に設定するが、かかる条件下
においても、第一銅化合物を添加することによってカル
ボニル化反応の活性を高めることができ、ひいては高選
択率と高収率の両立によって本発明の目的を一層効果的
に達成できる。ここで第一銅化合物としては、例えば、
Cu2 O,CuOH,Cu2 S,Cu2 SO3 ・H2 O
又はCu2 Cl2 等が挙げられる。また、その使用量は
特に限定されるわけではないが、触媒の全重量を基準と
して、通常は0〜10重量%の範囲である。
第一銅化合物を添加する。本発明においては、後述のよ
うにエンド−TCDA(IV)の選択率を高める観点か
ら、反応温度を比較的低温に設定するが、かかる条件下
においても、第一銅化合物を添加することによってカル
ボニル化反応の活性を高めることができ、ひいては高選
択率と高収率の両立によって本発明の目的を一層効果的
に達成できる。ここで第一銅化合物としては、例えば、
Cu2 O,CuOH,Cu2 S,Cu2 SO3 ・H2 O
又はCu2 Cl2 等が挙げられる。また、その使用量は
特に限定されるわけではないが、触媒の全重量を基準と
して、通常は0〜10重量%の範囲である。
【0023】酸触媒が二種以上の触媒成分からなる場合
には、各触媒成分を混合し又は溶解して調製する。な
お、酸触媒には所望により水を加えても良く、従って水
溶液の形に調製することができる。
には、各触媒成分を混合し又は溶解して調製する。な
お、酸触媒には所望により水を加えても良く、従って水
溶液の形に調製することができる。
【0024】酸触媒の使用量については、使用量が多い
ほど重合物の副生が少なくなる反面目的物であるエンド
−TCDA(IV)の生産効率が低くなる。従って、エン
ド−TCDA(IV)の収率を落とすことなく不純物の副
生を防止する観点から、酸触媒の使用量は、原料である
8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン(III)に対する重量比(原料:触媒)で、通常1:
2〜1:20、好ましくは1:5〜1:15とする。
ほど重合物の副生が少なくなる反面目的物であるエンド
−TCDA(IV)の生産効率が低くなる。従って、エン
ド−TCDA(IV)の収率を落とすことなく不純物の副
生を防止する観点から、酸触媒の使用量は、原料である
8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン(III)に対する重量比(原料:触媒)で、通常1:
2〜1:20、好ましくは1:5〜1:15とする。
【0025】本発明においては、8−ヒドロキシ−トリ
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)を一酸化炭
素及び水と反応させるに際し、0〜100℃の範囲内で
反応を行う必要があり、好ましくは0〜60℃、更に好
ましくは0〜40℃の範囲内で反応を行う。理由は明ら
かではないが、上記反応の反応温度を低くするほど炭素
環骨格の立体配置がエンド−TCDAに反転する割合が
多くなり、その結果エンド−TCDAの選択率が向上す
る。しかし、反応温度を低くし過ぎると反応速度が遅く
なり収率が低くなる。このため、反応温度が100℃を
越えるとエンド−TCDAを選択的に製造することがで
きず、反応温度が0℃未満ではエンド−TCDAを効率
よく製造することができない。一方、反応温度を0〜1
00℃の範囲内に設定した場合には、選択率を充分に向
上させられると共に満足できる収率を維持することが可
能である。特に反応温度を0〜60℃、更には0〜40
℃の範囲内に限定すれば、優れた選択率と優れた収率を
より高い次元で両立させることが可能となる。
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン(III)を一酸化炭
素及び水と反応させるに際し、0〜100℃の範囲内で
反応を行う必要があり、好ましくは0〜60℃、更に好
ましくは0〜40℃の範囲内で反応を行う。理由は明ら
かではないが、上記反応の反応温度を低くするほど炭素
環骨格の立体配置がエンド−TCDAに反転する割合が
多くなり、その結果エンド−TCDAの選択率が向上す
る。しかし、反応温度を低くし過ぎると反応速度が遅く
なり収率が低くなる。このため、反応温度が100℃を
越えるとエンド−TCDAを選択的に製造することがで
きず、反応温度が0℃未満ではエンド−TCDAを効率
よく製造することができない。一方、反応温度を0〜1
00℃の範囲内に設定した場合には、選択率を充分に向
上させられると共に満足できる収率を維持することが可
能である。特に反応温度を0〜60℃、更には0〜40
℃の範囲内に限定すれば、優れた選択率と優れた収率を
より高い次元で両立させることが可能となる。
【0026】8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン(III)を一酸化炭素及び水と反応さ
せる際の反応圧力については特に制限を受けず、常圧で
反応を行っても良い。反応圧力を上げた場合にはエンド
−TCDAの収率が高くなる。しかし、反応圧力を上げ
過ぎた場合には、圧力の上昇に見合うだけの収率向上が
期待できなくなる。従って、エンド−TCDAの収率を
効果的に高めると言う観点から、反応圧力は、通常、5
〜100MPa、好ましくは30〜70MPaとする。
1.02,6 〕デカン(III)を一酸化炭素及び水と反応さ
せる際の反応圧力については特に制限を受けず、常圧で
反応を行っても良い。反応圧力を上げた場合にはエンド
−TCDAの収率が高くなる。しかし、反応圧力を上げ
過ぎた場合には、圧力の上昇に見合うだけの収率向上が
期待できなくなる。従って、エンド−TCDAの収率を
効果的に高めると言う観点から、反応圧力は、通常、5
〜100MPa、好ましくは30〜70MPaとする。
【0027】反応時間についても特に制限を受けない
が、満足できる収率を確保するために必要かつ充分なだ
け反応を進行させる観点から、通常、0.5〜10時間、
好ましくは1〜8時間反応を行う。
が、満足できる収率を確保するために必要かつ充分なだ
け反応を進行させる観点から、通常、0.5〜10時間、
好ましくは1〜8時間反応を行う。
【0028】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン50gをシクロヘキサン50gに溶解し原料液を調
製した。次いで、98重量%H2 SO4 、85重量%H
3 PO4 、及び酸化第一銅を65:26:9(重量比)
の割合で混合、溶解して触媒液を調製した。原料液10
0gと触媒液1000gを1リットルのオートクレーブ
(耐圧硝子工業(株)製)に一括供給し、バッチ方式に
て反応を行った。反応条件は、圧力40MPa、温度3
08K(29.84℃)で反応時間は3時間とした。ガス
クロマトグラフィー分析による測定結果から、エンド−
TCDAとエキソ−TCDAの合計収率は88重量%、
そしてエンド−TCDAの選択率は74%だった。な
お、合計収率は以下の計算式によって算出した。 合計収率=(エンド−TCDAのモル数+エキソ−TC
DAのモル数)÷(原料モル数) また、選択率は以下の計算式によって算出した。 選択率=(エンド−TCDAの収率)÷(エンド−TC
DAとエキソ−TCDAの合計収率)
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デ
カン50gをシクロヘキサン50gに溶解し原料液を調
製した。次いで、98重量%H2 SO4 、85重量%H
3 PO4 、及び酸化第一銅を65:26:9(重量比)
の割合で混合、溶解して触媒液を調製した。原料液10
0gと触媒液1000gを1リットルのオートクレーブ
(耐圧硝子工業(株)製)に一括供給し、バッチ方式に
て反応を行った。反応条件は、圧力40MPa、温度3
08K(29.84℃)で反応時間は3時間とした。ガス
クロマトグラフィー分析による測定結果から、エンド−
TCDAとエキソ−TCDAの合計収率は88重量%、
そしてエンド−TCDAの選択率は74%だった。な
お、合計収率は以下の計算式によって算出した。 合計収率=(エンド−TCDAのモル数+エキソ−TC
DAのモル数)÷(原料モル数) また、選択率は以下の計算式によって算出した。 選択率=(エンド−TCDAの収率)÷(エンド−TC
DAとエキソ−TCDAの合計収率)
【0029】実施例2〜4及び比較例1〜2 原料の種類と使用量、触媒の種類と使用量、及び反応条
件を第1表に示したように変えて、実施例1と同様に反
応を行った。結果も併せて第1表に示す。
件を第1表に示したように変えて、実施例1と同様に反
応を行った。結果も併せて第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】*1 :8−ヒドロキシ−トリシクロ
〔5.2.1.02,6 〕デカン(III) *2 :ジヒドロジシクロペンタジエン(VII)
〔5.2.1.02,6 〕デカン(III) *2 :ジヒドロジシクロペンタジエン(VII)
【0033】
【化7】
【0034】*3 :シクロヘキサン
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
エキソ−TCDAの生成を抑制しつつ選択的に、しかも
効率よくエンド−TCDAを合成することができる。従
って、8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン(III)を原料としてエンド−TCDA濃度
の高い生成物が得られ、ひいては純度の高い化学原料が
容易に得られる。従って、本発明は、エンド−TCDA
を必要とする医薬品等の製造分野あるいはその他のファ
インケミカル分野で好適に利用される。
エキソ−TCDAの生成を抑制しつつ選択的に、しかも
効率よくエンド−TCDAを合成することができる。従
って、8−ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.0
2,6 〕デカン(III)を原料としてエンド−TCDA濃度
の高い生成物が得られ、ひいては純度の高い化学原料が
容易に得られる。従って、本発明は、エンド−TCDA
を必要とする医薬品等の製造分野あるいはその他のファ
インケミカル分野で好適に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭56−128710(JP,A) 特開 昭56−128735(JP,A) 特公 昭49−3511(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/12 C07C 61/135 CAPLUS(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 酸触媒及び第一銅化合物の存在下、8−
ヒドロキシ−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン
を0〜100℃の反応温度で一酸化炭素及び水と反応さ
せることを特徴とするエンド−トリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン−2−カルボン酸の製造方法。 - 【請求項2】 反応温度を0〜60℃とする請求項1記
載のエンド−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン
−2−カルボン酸の製造方法。 - 【請求項3】 反応温度を0〜40℃とする請求項2記
載のエンド−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン
−2−カルボン酸の製造方法。 - 【請求項4】 酸触媒として硫酸を含有する酸触媒を用
いる請求項1から請求項3のいずれかに記載のエンド−
トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−2−カルボ
ン酸の製造方法。 - 【請求項5】 酸触媒として硫酸及び燐酸を含有する酸
触媒を用いる請求項1から請求項3のいずれかに記載の
エンド−トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン−2
−カルボン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05323650A JP3135099B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | カルボン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05323650A JP3135099B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | カルボン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07179393A JPH07179393A (ja) | 1995-07-18 |
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