JP3134635U - 杭接続冶具 - Google Patents

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一治 横山
博貴 宇治
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Abstract

【課題】 本考案は、杭の接続作業を簡易かつ確実に行うことができる杭接続冶具を提供することを目的とする。
【解決手段】 本考案によれば、長尺管状の杭21,22を互いに接続するための杭接続冶具1であって、前記杭21、22内に収まる外径に形成された管形状の杭本体11の外周に、前記杭21、22の端部を係止する鍔部12を備えている。杭21、22は、杭接続治部1によって位置決めされ、かつ鍔部12を含む凹部において溶接される。
【選択図】 図3

Description

本考案は、家屋、ビル等の建造物を地上に建設する際に、地中に打ち込まれる杭同士を接続するための杭接続冶具(ジョイント)に関する。特に、作業現場において作業効率を向上できる杭接続冶具に関する。
建造物を地上に建設する際には、基礎を安定に形成してから組立て作業を開始することが必要である。しかし、例えば山の斜面にある土地や、以前は沼地或いは田畑であった土地等に、建造物を建設することが必要となる場合もある。このような土地は一般に地盤が脆弱である。このような土地を地均ししただけで建造物を建てると、後に地盤沈下が発生して建造物が傾く、外壁にヒビ割れが発生する等の問題が発生する。
そこで、従来から、比較的小さな建造物である住宅の建設をする場合でも、地盤が脆弱であると判断した場合には、適宜、杭を地中に打込んで基礎固めが行われている。住宅等の比較的小さな建造物の建設にあたり、地盤補強のため一般的に行われる杭打ちでは、直径100〜400mm程度の鋼製の管材が杭として地中に打込まれる。
従来の杭打ち作業では、一つの建設地に複数の杭を打込むことが必要であり、その各々箇所で、4m〜30m程度の長さの杭が地中に打込まれる。現場に持込まれるのは通常1本当たり10m以下の杭を打込む能力を有する杭打ち機である。
よって、例えば1本1.5mから10mを越える長さの杭を打込むことが必要となったときには、先に打込んだ杭の後端部(垂直方向で上端)に他の杭の前端部(垂直方向で下端)を接続(溶接)して必要な長さを確保するようにしている。
実際の杭打ち現場では、1本目の杭を打込んで地上に残る長さが所定となったときに打込み作業を中断する。そして、2本目の杭を1本目の杭の上に吊り上げて、1本目の杭の後端と2本目の杭の前端とを位置合わせしながら、溶接して両者を一体化させる。その後に、打込み作業を再開して所望長さの杭を打込むようにしている。
しかしながら、前述したように杭は、直径100〜400mm程度で、長さが1本10mもある鋼管であるため、相当な重量である。これを吊り下げた状態で、下の杭との位置合わせをしながら溶接するので、複数人が協力して作業を行うことが必要となる。
ところが、上記杭の切り口端部は真っ直ぐ横に切断された状態にあるので、端部同士を突き合わせても動き易く、位置決めしてもズレが生じ易い。よって、位置決めして、溶接するという作業が極めて困難となっている。また、溶接が完了するまでその位置決め状態を保持することが必要であるので、上側の2本目の杭が動かないように作業者が支え続けなければいけない。
さらには、横切断されている鋼管の端部を突き合わせた状態で、その外周を溶接することになるため、管の内側まで十分に溶かして溶接を行うことが困難であり、溶接強度を十分に確保できないという問題もある。
以上のように、従来の杭打ちにおける杭の接続作業は非常に煩瑣であり、非効率であった。また、仮に杭同士を接続できたとしても、その位置合わせや溶接が精度よく実行されていなければ、接続作業のやり直し等の原因ともなり、打込み作業がさらに遅れることにもなった。
したがって、本考案の主な目的は、杭の接続作業を簡易かつ確実に行うことができる杭接続冶具およびそれを用いた接続方法を提供することである。
上記目的は請求項1に記載の如く、長尺管状の杭を互いに接続するための冶具であって、
前記杭内に収まる外径に形成された管形状の本体外周に、前記杭の端部に係止する鍔部を備えている杭接続冶具により達成される。
請求項1記載の考案によれば、一方の杭内に本体を嵌め込み、さらに他方の杭も同本体を収納するように嵌め込むことで、鍔部の前後に2つの杭を位置決めできる。よって、簡易に2つの杭を位置決めすることができる。しかも、従来のように平坦な2つの端部を突き合わせるのではなく、大きな管(杭)を小さな管(杭接続冶具の本体)を収納するように嵌め込むので、一度位置決めした2つの杭は位置ずれを生じない。
このような状態で接続作業を行うことができるので、作業効率が飛躍的に向上する。
なお、前記鍔部は、前記本体外周に連続するリング状に、或いは前記本体外周に不連続なリング状に形成してもよい。鍔部は少なくとも杭を係止させておくことができればよいので、完全な環状(リング状)である必要はなく、実質的に杭の端部を止めることができればよい。よって、不連続な突起がリング状に配置された状態でもよい。
また、前記鍔部は、前記本体を外周に打ち出して一体に形成してもよいし、鍔部用に別体の金属等の部材を溶接等によって付加してもよい。別体とするときには、本体と同じ部材を採用することが望ましい。さらに、鍔部は、スリーブ状の鋼管を削り出すことによって形成することもできる。この場合、ある程度肉厚のスリーブを用意し、鍔部を残すようにその他の部分を削り出し、鍔部を形成する。
また、前記鍔部の半径方向での厚みが、前記杭の肉厚よりも薄く設定されていると、溶接棒等による溶接材との接触面積が増加するのでより確実に杭接続冶具と杭、或いは杭同士を接続することができる。
また、本杭接続冶具は、前記杭と同質の金属製材料で形成されていることが望ましい。杭と同質の材料とすることで溶接等により杭と冶具をより確実に接続できる。すなわち、杭が鋼材である場合には鋼材、アルミニウム材である場合にはアルミニウム材とするのが望ましい。
さらには、前記鍔部の前記杭の軸方向での厚みは、前記杭との溶接に用いる溶接材の幅より広くなるように設定されていることが望ましい。
このように設計しておくとことで、溶接材を杭間に挿入できるので溶接により十分に肉付けできるので、より確実に杭と本杭接続冶具とを接続できる。
そして、前述した杭接続冶具が端部に接続されている杭を予め準備して、この杭接続冶具に他の杭を接続するようにしてもよい。
さらに、本杭接続冶具が色々な杭の接続に有用である。よって、杭が短いような場合には、本杭接続冶具を用いて予め杭を接続して現場に持込むようにしてもよい。
以上、詳述したところから明らかなように、本考案によれば、杭同士を簡易かつ確実に位置決めしながら接続できるので、作業効率を向上させることができる。また、杭接続冶具の本体に設ける鍔部の形状(外表面から突出する量)を接続する杭の肉厚よりも小さくすることで、溶接材との接触面積が増加するのでより確実に杭接続冶具と杭、或いは杭同士を接続することができる。
さらに、杭接続冶具の本体に設ける鍔部の形状を杭の軸方向での厚みを、杭の溶接に用いる溶接材の幅より広くすることにより、十分に肉付けできるのでより確実に杭と本杭接続冶具とを接続できる。
以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
図1は、第1実施例の杭接続冶具1を示した図である。図1(A)は杭接続冶具1の平面、図1(B)は同正面を示した図である。
本杭接続冶具(ジョイント)1の杭本体11はほぼ管形状を成している。この本体11の外径Dは接続しようとする長尺の杭(ここでは図示せず)の内径より僅かに小さくなるように設計されており、使用時には本体11は杭内部に収納される状態となる。しかし、杭本体11の外周には環状の鍔部12が突出した状態に形成されており、この鍔部12は杭の端部(開口端)に係止するようになっている。
すなわち、本杭接続冶具1が杭の接続に使用されるときには、本体11は杭内に収納されるが鍔部12が杭の端部に突き当たって係止するような形態に設計されている。
本杭接続冶具1の材質は、接続しようとする杭と同質の材料を用いることが好ましい。具体的には、杭が鋼材、アルミニウム材であるときには、これらと同様の材料を採用することで、溶接により本杭接続冶具1と杭を確実に接続できる。
図2は、図1におけるY−Yでの断面を示した図である。図2では、杭本体11外周に形成される鍔部12を2つ例示している。
図2(A)では杭本体11をそのまま打ち出して鍔部12Aを形成している。この場合には、鍔部12Aを形成するための材料を準備することなく本杭接続冶具1を形成できる。また、鍔部12Aが杭本体11の一部であるので、溶接等を行うことなく、本体11の外周上に鍔部12Aを形成できる。
図2(B)は、杭本体11の外周に別体のリング状の材料を溶接等で付加して鍔部12Bとした場合について示している。この場合は、打出しをせずに本体11の外周上により簡易に鍔部12Bを形成できる。図2(A)、(B)どちらの構成で鍔部12を成してもよい。
さらに、図3を参照して実際に本杭接続冶具1を用いて杭同士を接続する場合について説明を加えることで、その特徴を明らかにする。
図3は、本杭接続冶具1を用いて、下側の杭21と上側の杭22とが接続される様子を示した図である。作業現場で下側の杭21を地中に打込み、例えば地上に残る長さが1m程度となったときに、本杭接続冶具1を杭21の上端部に嵌め込む。前述した所から明らかなように、接続冶具1の杭本体11は杭21内に収まるが、鍔部12は杭21の端部に係止した状態となる。このときは、鍔部12より上方にある本体11が杭21上に乗った状態となる。
続いて、上側の杭22を被せる様にして杭本体11に嵌め込めば簡単に、下側の杭21に対して杭22を位置決めできる。このとき、杭22の下端部は鍔部12に係止した状態となる。
ところで、本実施例の鍔部12に関して好ましい条件がある。この点について説明する。鍔部12の杭本体11の外径Dによって規定される外表面から半径方向に突出する突出量Wが、杭21、22の肉厚PWより小さくなるように設定されることが望ましい。言い換えれば、杭本体11の鍔部12の外径が、杭21、22の外径よりも小さいということである。また、鍔部12の杭21、22の軸方向(図において上下方向)での厚みHは、接続する際に用いる溶接棒30の幅dより広く設定されていることが望ましい。
上記のように、鍔部12が本体1の外表面から突出する量Wが杭の肉厚PWより小さくなることで、接続部分に凹部が形成され、杭21、22の端部の一部が露出される。よって、溶接棒30を用いてアーク溶接等すると、杭の肉厚方向での溶解を確保できるのでより確実な溶接が実現できる。すなわち、端部が平坦である2つの杭を突き合わせた状態で溶接する従来の場合と比較して、凹部において溶接される面積が増加するのでより確実に溶接ができ、溶接による肉付きも多くすることができるので十分な溶接強度を確保できるようになる。また、鍔部12の軸方向での厚みHを接続する際に用いる溶接棒30の幅dより広く設定することで、溶接棒30を杭21、22の端部間に挿入できる。よって、溶接により杭21、22の端部及び鍔部12に十分肉付けできる。
以上のように本実施例の杭接続冶具1を用いると、一方の杭21に他方の杭22を簡単に位置決めできる。位置決めは、杭21、22の内部に杭接続冶具1の本体11が収納された状態で実現される。よって、従来のように一度、位置決め後において位置がずれないように保持するという動作が必要なくなるので、作業を簡素化して効率が向上する。また、前述したように鍔部12の寸法を所定の範囲に設定することにより、溶接による効果を確実にして、杭21、22の端部及び鍔部12に十分肉付けできる。
図4は、第2実施例の杭接続冶具2について示した図である。本杭接続冶具2では本体11の外周に、鍔部31が不連続なリング状に形成されている。すなわち、前述した第1実施例の鍔部12が連続したリング状に形成されていたので、この点が異なっている。
しかし、本実施例の様に鍔部を不連続に形成しても前述したと同様に2つの杭を簡易に接続することができる。なお、不連続に存在する鍔部31の数、各々の長さ、間隔等を適宜調整することで必要な強度を得ることができる。鍔部31を形成する場合も、第1実施例の場合と同様に、本体11を打ち出すことにより形成してもよいし、別体の金属等の部材を溶接等によって付加するようにしてもよい。
図5は、第3の実施例に係る杭接続治部の要部断面図である。本例は、杭本体11の鍔部12Cを削り出しによって形成したものである。ある程度の肉厚のスリーブ状の鋼管を用意し、鍔部12Cに相当する部分を除きスリーブを削り出し鍔部(フランジ部)12Cを形成する。こうすると、鍔部12Cの肉厚は、上記第1および第2実施例の鍔部よりも厚くなり、鍔部12Cの強度、ひいては杭接続治具としての強度をさらに向上させることができる。削り出しされる鍔部12Cの表面からの突出量Wは、上述したように接続される杭の肉厚よりも小さくなるようにされることが望ましい。
以上、本考案の好ましい実施例について詳述したが、本考案は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上記実施例で説明した杭接続冶具1、2を予め杭21、22の一方に溶接して杭打ち現場に持込むようにしてもよい。また、杭打ち現場で用いる以外にも、本杭接続冶具が短い杭を所望の長さに接続する際に有効であることは言うまでもない。よって、本杭接続冶具で接続済みである杭を現場に持込むようにしてもよい。さらには、本杭接続冶具を2つ以上用いて、2本以上の杭を接続してもよいことは、言うまでもない。
本考案の第1の実施例に係る杭接続冶具を示した図で、図1(A)は杭接続冶具の平面図、図1(B)はその正面図である。 図1(B)のY−Y線断面を示す図である。 第1の実施例に係る杭接続冶具を用いて下側の杭と上側の杭とが接続される様子を示した図である。 第2の実施例に係る杭接続冶具についての平面図である。 第3の実施例に係る杭接続治具の要部断面図である。
符号の説明
1、2 杭接続冶具
11 杭接続冶具の本体
12、12A、12B、12C、31 鍔部
W 鍔部の半径方向での厚さ(本体表面からの突出量)
PW 杭の肉厚
H 鍔部の軸方向での厚さ
d 溶接棒の幅
21 下側の杭
22 上側の杭

Claims (5)

  1. 長尺管状の下側および上側の杭を互いに接続するための冶具であって、
    平坦な端部を有し前記下側および上側の杭内に収まる一様な外径を持つ管形状の本体と、当該本体の外周に形成され前記下側および上側の杭の平坦な端部を係止する鍔部とを有し、
    前記鍔部は、前記本体の外径によって規定される外表面から半径方向に突出量Wで突出する連続するリング状であり、当該突出量Wは、前記下側の杭および上側の杭のそれぞれの肉厚よりも小さく、
    前記鍔部の軸方向の厚さHは、前記下側の杭および上側の杭との溶接に用いる溶接材の幅より広く、
    前記本体を前記下側の杭および前記上側の杭内に挿入したとき、前記本体により前記下側の杭に対して前記上側の杭が位置決めされ、前記下側の杭の平坦な端部の一部、前記上側の杭の平坦な端部の一部、および前記鍔部の一部によって囲まれた凹部が前記下側の杭と前記上側の杭との間に形成されることを特徴とする杭接続冶具。
  2. 請求項1に記載の杭接続冶具において、
    前記鍔部は、前記本体を外周に打ち出して一体に形成されている、ことを特徴とする杭接続冶具。
  3. 請求項1に記載の杭接続冶具において、
    前記鍔部は、前記本体とは別体の部材が外周に付加されて形成されている、ことを特徴とする杭接続冶具。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の杭接続冶具において、
    該杭接続冶具は、前記杭と同質の金属製材料で形成されている、ことを特徴とする杭接続冶具。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の杭接続冶具が、平坦な端部に接続されていることを特徴とする杭。
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