JP3134507B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP3134507B2
JP3134507B2 JP04164916A JP16491692A JP3134507B2 JP 3134507 B2 JP3134507 B2 JP 3134507B2 JP 04164916 A JP04164916 A JP 04164916A JP 16491692 A JP16491692 A JP 16491692A JP 3134507 B2 JP3134507 B2 JP 3134507B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射装置に関し、特
に噴射時期制御を行う燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの
噴射終了時期(スピル時期)制御をするために、電磁式
のスピル弁を採用しているものがある。スピル時期はデ
ィーゼルエンジンの運転状態、例えば、アクセル開度、
エンジンの回転速度に基づき演算される。
【0003】ところで、エンジンの回転速度は、機関出
力軸あるいは燃料噴射ポンプの駆動軸に備えられた歯車
状の突起を周縁に有するロータの回転を近接して設けら
れたピックアップにより、突起の接近、離間をパルス信
号としてとらえることによって得られている。すなわ
ち、基準信号と、基準信号から所定角度で現れるパルス
信号との時間差をとることによって得られる。一方、こ
のパルス信号のパルス数を基準信号から計数すれば、現
在の回転角度位相が判明し、所望の角度位相に至ったと
きにスピルすることができる。
【0004】ここで、特開昭63─263247号公報
で開示されているディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ
の回転速度センサは、歯車状突起を有するロータの所定
角度毎に、上記基準信号を発する欠歯部が備えられてい
る。そして、このセンサから検出される信号から、エン
ジン回転数とスピル時期との両者が決定される。
【0005】また、この回転速度センサのピックアップ
は、ローラリング上に設けられている。このローラリン
グはタイマの制御量に応じて作動し、エンジンの駆動軸
と駆動軸に対するプランジャの往復運動との位相を変化
させている。このため、ローラリングが移動し燃料噴射
時期が変化したとき、これとともにピックアップも移動
することによって燃料噴射量が変化しないようにされて
いる。このため、エンジン回転速度およびスピル時期を
それぞれ検出するセンサを設ける必要がなくなり、燃料
噴射ポンプの小型化、低コストを図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如くローラリング上にピックアップが設けられているた
め、進角時にピックアップも移動する。また、基準信号
からの所定パルスと、この所定パルスの次のパルスとの
時間間隔によって回転速度が求められるため、進角時の
回転速度と、このときと同様のエンジン状態で進角して
いないときの回転速度とは異なってしまうことがある。
したがって、この回転速度によって燃料噴射量を補正す
る場合、進角時には適切に補正できない場合がある。
【0007】本発明は上記問題に鑑み、進角時の適切な
回転速度を求め、正確に燃料噴射量を決定する燃料噴射
装置を提供すること目的をする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料噴射装置
上記目的を達成するため、図1に示すように、エンジン
回転に同期して回転する回転体100と、噴射時期調整
機構の進角量に応じて変位する変位体101と、前記回
転体と前記変位体との相対位相差に基づき、前記エンジ
ンの1燃料噴射間における爆発行程から次気筒の圧縮行
程までの任意の所定期間におけるエンジン回転速度を算
出する算出手段102とを備え、算出されたエンジン回
転速度に従って燃料噴射を実行する燃料噴射装置におい
て、前記進角量を検出する検出手段103と、前記噴射
時期調整機構が進角しているとき、前記算出手段にて算
出された前記エンジン回転速度を、前記噴射時期調整機
構が進角していないときに前記算出手段にて算出される
前記エンジン回転速度となるよう、前記検出手段にて検
出された進角量に応じて修正する修正手段104とを備
えたことを特徴とするものである
【0009】また、前記算出手段にて、前記エンジンの
1燃料噴射間における爆発行程から次気筒での圧縮行程
までの異なる2つの任意の所定期間におけるエンジン回
転速度をそれぞれ算出し、これら2つのエンジン回転速
度の差を求め、 前記修正手段は、前記噴射時期調整機構
が進角しているときの前記2つのエンジン回転速度の差
を、前記噴射時期調整機構が進角していないときの前記
2つのエンジン回転速度の差となるよう前記検出手段に
て検出された進角量に応じて正するようにしてもよ
い。さらに、アクセル開度を検出するアクセル開度検出
手段を備え、前記修正手段は前記進角量のみならず前記
アクセル開度にも従って前記エンジン回転速度を修正し
てもよい。
【0010】
【作用】本発明の燃料噴射装置は、エンジン回転に同期
して回転する回転体100と、噴射時期調整機構の進角
量に応じて変位する変位体101との相対位相差に従っ
て算出手段102で、エンジンの1燃料噴射間における
爆発行程から次気筒の圧縮行程までの任意の所定期間に
おけるエンジン回転速度を算出する。
【0011】ここで、変位体101が噴射時期調整機構
の進角量に応じて変位するとき、検出手段103で、こ
の進角量は検出される。そして、修正手段104におい
て、噴射時期調整機構が進角しているとき、算出手段1
02にて算出されたエンジン回転速度を、噴射時期調整
機構が進角していないときに算出手段102にて算出さ
れるエンジン回転速度となるよう、上記検出手段103
にて検出された進角量に応じて修正する。
【0012】従って、進角時に変位体101が変位する
ことで、エンジン回転速度が算出される任意の所定期間
が変位体101が変位していない場合に対してずれたと
しても、修正手段により、現在の進角量に応じて、進角
時のエンジン回転速度が、進角していないときのエンジ
ン回転速度となるよう修正される。 これにより、進角時
におけるエンジン回転速度が適切に求められる。
【0013】
【実施例】以下図面を参照して本発明が適用されるディ
ーゼルエンジンについて説明する。図2は電磁スピル式
分配型燃料噴射ポンプを備えたディーゼルエンジンの概
略図である。電磁スピル式分配型燃料噴射ポンプは、シ
リンダ内壁面とプランジャ先端面とで形成される高圧室
とポンプ内の低圧室(ポンプ室)とを連通させる連通路
に、電磁弁を設け、この電磁弁をオンオフ制御すること
により連通路を遮断および連通させ、燃料噴射量を制御
するものである。
【0014】フィルタにより通過された燃料は、ドライ
ブシャフト2で駆動されるベーン式フィードポンプ(9
0°展開して図示)4によって給油口6からプレッシャ
レギュレーティングパルブ8に導かれ、このプレッシャ
レギュレーティングパルブ8により圧力を調整された
後、ポンプハウジング10内の低圧室であるポンプ室1
2内に満たされる。ポンプ室12内に満たされた燃料
は、ポンプ室12内で作動部分の潤滑を行うと同時に、
吸入ポート14を介してプランジャ16の先端部に形成
される高圧室18に送られる。また一部の燃料は過剰燃
料の排出と作動部分の冷却のために、オーバフローバル
ブ20から燃料タンクに戻して循環される。
【0015】プランジャ16の先端部には、気筒数と同
数の吸入グルーブ22が形成され、プランジャ16の尾
端部には、カムプレート28が固定され、このカムプレ
ート28にはローラリング30に嵌合された気筒数と同
数のローラ32が接触されている。このプランジャ16
は、先端側からシリンダ34に挿入され、プランジャ1
6の先端面とシリンダ34の内壁面とにより高圧室18
を形成している。シリンダ34には、吸入ポート14が
形成されるとともにシリンダ内面からデリバリバルブ3
6に連通する気筒数と同数の分配通路38が形成されて
いる。そして、ポンプハウジング10には、連通路40
を連通および遮断する電磁弁44が取り付けられてい
る。この連通路40は高圧室18とポンプ室12とを連
通させるものである。また、電磁弁44は、ソレノイド
46がオンされると弁体42を突出して連通路40を遮
断させ、ソレノイド46がオフされると弁体42を吸引
して連通路40を連通させる。
【0016】ドライブシャフト2は、ポンプ室12方向
へ突出してカップリングを介してカムプレート28に連
結されている。そして、カムプレート28はプランジャ
16に固定されるとともにスプリング50によりローラ
32に押圧されている。したがって、ローラ32とカム
プレート28との接触状態に応じて回転するカムプレー
ト28にカム山にローラ32が乗り上げることによっ
て、プランジャ16は1回転中に気筒数と等しい回数だ
け往復動される。
【0017】燃料噴射ポンプの下部には、燃料送油圧力
の変化を利用してドライブシャフト2とプランジャ16
を駆動するカムプレート28との位相を変化させて燃料
噴射時期を変化させる噴射時期調整機構である油圧式タ
イマ(90°展開して図示)52が設けられている。こ
のタイマ52の油圧室53内には、スプリング54がタ
イマピストン56の一端に設けられ、タイマピストン5
6を噴射遅れの方向へ付勢する。この油圧室53は給油
口6と連通し、タイマピストン56の他端に形成される
油圧室55はポンプ室12と連通する。そして、エンジ
ン回転数が上昇すると送油圧力が上昇するため、油圧室
55の圧力は油圧室53の圧力よりも高くなり、タイマ
ピストン56はスプリング54の付勢力に抗して油圧室
53の方向へ移動する。そして、ロッド58を介してロ
ーラリング30が噴射ポンプの回転方向と逆方向に回転
され、油圧に比例して燃料噴射時期が進められる。さら
に、油圧室53と油圧室55との間には連通路57が形
成され、この連通路57にタイミングコントロールバル
ブ59(以下TCVと記す)が設けられる。TCV59
はデューティ比によって制御され、連通路57を断続し
て、燃料噴射時期を制御する。
【0018】ドライブシャフト2の先端部には、回転体
であるシグナルロータ60がドライブシャフト2と同軸
に固定され、ローラリング30にはシグナルロータ60
の周面に対向するようにピックアップ62が取り付けら
れている。このシグナルロータ60とピックアップ62
とは、エンジン回転速度を検出する回転速度センサとし
て作用する。ピックアップ62はローラリング30上に
設けられているためローラリング30がタイマ52の作
用に従って回動すると、ピックアップ62もともに回動
する。したがって、ピックアップ62は、タイマ52の
進角量に応じて変位する変位体として作用する。
【0019】また、シグナルロータ60には、所定角
(例えば、5.625°)毎に凸状歯が複数個配置され
るとともに、気筒数と同数等間隔に凸状歯が切りかかれ
て欠歯部が形成されている。すなわち、4気筒ディーゼ
ルエンジンの場合には、図3に示すように、5.625
°(11.25°CAに相当する)毎に凸状歯60α、
60β・・・が複数個配置されるとともに、90°(1
80°CAに相当する)毎に欠歯部60a〜60dが形
成されている。
【0020】したがって、シグナルロータ60が回転す
ると凸状歯がピックアップ62に対して接近離反するた
め、電磁誘導によってピックアップ62から図4に示
す、パルス信号が出力される。このパルス信号の幅広の
谷部は基準位置信号として作用し、その他の部分が回転
角信号として作用する。また、ピックアップ62とシグ
ナルロータ60とは、高圧室が縮小される方向にプラン
ジャ16が押動される前すなわちプランジャ16がリフ
トする前に、欠歯部の1つがピックアップ62に接近し
てピックアップ62から基準位置信号が出力されるよ
う、すなわちパルス信号の谷部の幅が広くなるように相
対位置が定められている。
【0021】そして、ピックアップ62から出力される
パルス信号が、後述のマイクロコンピュータ82へ入力
されることによってエンジン平均回転速度Na、瞬時回
転速度Neiが算出される。なお、エンジン平均回転速
度Naは、例えば図3に示す凸状歯60αによって現れ
るパルスから、凸状歯60によって現れるパルスまでの
時間、すなわち本実施例では180°CAに相当する時
間から算出されている。一方、瞬時回転速度Neiは、
基準位置信号が出力されたあとの所定番目の1パルス時
間、すなわち本実施例では11.25°CAに相当する
時間から算出されている。
【0022】上記回転速度センサの構成により、タイマ
52の作動からローラリング30が回動すると、ピック
アップ62もローラリング30と同じ位相だけ回動す
る。このため、ピックアップ62から出力される基準位
置信号も同じ位相だけずれるので、電磁弁44の作動時
期が変わる。すなわち、プランジャ16の往復運動のず
れ分に応じてスピル時期も変化するようになっている。
【0023】また、ポンプハウジング10には吸入ポー
ト14を遮断することによって燃料噴射を停止させる燃
料噴射カットバルブ64が取り付けられている。前記デ
リバリバルブ36は、ディーゼルエンジン66の副燃料
室に突出するように取り付けられた燃料噴射弁68に接
続されている。この副燃料室にはグロープラグ70が取
り付けられている。また、吸気通路には、スロットル弁
88が配置され、このスロットル弁88を含んでベンチ
ュリ90が構成されている。
【0024】なお、74はアクセル開度を検出するアク
セルセンサ、76は吸気管圧力を検出する圧力センサ、
78はエンジン冷却水温を検出する水温センサ、80は
グローリレー、92は車速センサである。また、84は
クランク軸に固定されるとともに特定位置に突起を備え
たシグナルロータ、86は突起の通過に伴って所定クラ
ンク信号を出力するクランク角センサ、94はシフトポ
ジションスイッチである。マイクロコンピュータ82に
は、アクセルセンサ74の他、ピックアップ62、圧力
センサ76、水温センサ78、車速センサ92、シフト
ポジションスイッチ94および上死点センサ86が接続
されている。
【0025】また、マイクロコンピュータ82の出力ポ
ートはグローリレー80を介してグロープラグ70に接
続されるとともに、電磁弁44のソレノイド46および
燃料噴射カットバルブ64のソレノイドに接続されてい
る。さらに、タイマ52に設けられるTCV59へ接続
され、TCV59へデューティ信号を出力する。マイク
ロコンピュータ82はCPU、RAM、ROM、AD変
換器等から構成され、AD変換器はCPUの指示に応じ
てアクセルセンサ74、圧力センサ76および水温セン
サ78からの信号を順次デジタル信号に変換する。ま
た、マイクロコンピュータ82のROMにはアクセル開
度αと平均エンジン回転速度Naとによって計算される
基本噴射量QBと平均エンジン回転速度Naとで定めら
れた燃料噴射時期等が予め記憶されている。
【0026】上記構成の電磁スピル式分配型燃料噴射ポ
ンプを備えたディーゼルエンジンに本発明を適用した第
1実施例の制御を、図5のフローチャートと図7のタイ
ムチャートとを参照して説明する。ここで図7のタイム
チャートは進角時でエンジン状態が定常であるときを示
す。
【0027】ここで、本実施例の制御では、エンジン状
態が定常のときに1燃料噴射間における爆発行程中の瞬
時回転速度(図7のNei-1 )と次気筒における圧縮行
程中の瞬時回転速度(図7のNci )とが等しくなる測
定位置が設定されている。この測定位置は、回転速度セ
ンサの基準位置信号から所定計数される出力パルスによ
ってそれぞれ決定されている。そして、これらの測定位
置での瞬時回転速度の差が生じたときエンジン回転の変
動が発生していると判断し、この瞬時回転速度の差に応
じて算出された補正係数と基本噴射量とから次気筒に対
する燃料噴射量を予測するといった予測制御を実行す
る。以下に述べる第1実施例は、この予測制御に本発明
を適用したものである。
【0028】本制御は、前記マイクロコンピュータ82
のROMに記憶された制御プログラムに従ってCPUに
より実行される。処理がスタートすると、ステップ10
00でエンジン運転状態を示すエンジン瞬時回転速度N
ei、平均回転速度Na、アクセル開度α等を取り込
む。
【0029】次に、ステップ1001で、機関パラメー
タの内、平均回転速度Naとアクセル開度αとから基本
噴射量指令値QB、タイマ目標位置TF、TCV59の
基本デューティ制御量DBを算出する。
【0030】ステップ1002では、クランク角センサ
86からの所定クランク角信号とエンジン回転数を算出
するパルス位置の時間差に基づき、タイマ実位置TRを
算出する。
【0031】ステップ1003では、タイマ目標位置T
Fとタイマ実位置TRとの差に応じてTCVの補正デュ
ーティ値ΔDを算出し、ステップ1004でTCVの出
力デーティ指令値DをDB+ΔDにより算出する。
【0032】次に、ステップ1005で、タイマ進角量
θRをタイマ実位置TRと最遅角時のタイマ位置TRM
との差と、平均回転速度Naとを基に時間−角度変換を
行うことで算出する。
【0033】このθRの値をステップ1006、100
7でパルス位置修正量毎に分類し、その判別結果に応じ
てステップ1008〜1010の処理を行う。本実施例
では、θRMAX≒25°CAを想定しているため、θ
Rが1パルス内(<11.25°CA)か、2パルス内
(<22.5°CA)かを、ステップ1006、100
7で判別する。
【0034】1パルス内の場合(θR≦11.25°C
A)、ステップ1008でパルスNoがn、m(図7で
はn=5、m=1)およびn+1、m+1のときの瞬時
回転速度から補正爆発瞬時回転速度Nei-1 を下記に示
す数式1によって算出する。
【0035】
【数1】 Nei-1 =Nen+1 ×(11.25−θR)/11.25 +Nen ×θR/11.25 また、補正圧縮瞬時回転速度Nci を下記に示す数式2
によって算出する。
【0036】
【数2】 Nci =Ncm+1 ×(11.25−θR)/11.25 +Ncm ×θR/11.25 次に、θRが1パルスより大きく2パルス内の場合(1
1.25°CA≦θR≦22.5°CA)、ステップ1
009でパルスNoがn+1、m+1およびn+2、m
+2のときの瞬時回転速度から補正爆発瞬時回転速度N
i-1 を下記に示す数式3によって算出する。
【0037】
【数3】 Nei-1 =Nen+2 ×(22.5−θR)/11.25 +Nen+1 ×(θR−11.25)/11.25 また、補正圧縮瞬時回転速度Nci を下記に示す数式4
によって算出する。
【0038】
【数4】 Nci =Ncm+2 ×(22.5−θR)/11.25 +Ncm+1 ×(θR−11.25)/11.25 さらに、θRが2パルスより大きい場合(22.5°C
A<θR)、ステップ1010でパルスNoがn+2、
m+2およびn+3、m+3のときの瞬時回転速度から
補正後瞬時回転速度Nei-1 を下記に示す数式5によっ
て算出する。
【0039】
【数5】 Nei-1 =Nen+3 ×(33.75−θR)/11.25 +Nen+2 ×(θR−22.5)/11.25 また、補正圧縮瞬時回転速度Nci を下記に示す数式6
によって算出する。
【0040】
【数6】 Nci =Ncm+3 ×(33.75−θR)/11.25 +Ncm+2 ×(θR−22.5)/11.25 そして、ステップ1011で前記ステップ1008〜1
010で算出した補正瞬時回転速度Nei-1 およびNc
i から瞬時回転速度差ΔN=Nei-1 −Nciを算出
し、ステップ1012でこの回転速度差ΔNに応じて予
測補正係数Kを算出する。その後、ステップ1013
で、この予測補正係数Kとステップ1001で求めた基
本噴射量指令値QBとを乗じて指令噴射量QFIN=Q
B×Kを演算する。これによって、基本噴射量指令値Q
Bを補正する。
【0041】次に、ステップ1014で平均回転速度N
aと上記指令噴射量QFINとから角度変換した指令噴
射角θFINを算出する。ステップ1015では、ステ
ップ1004で算出したTCV指令デューティ値Dとス
テップ1014で算出した指令噴射角θFINとを出力
段にセットする。
【0042】以降、再度ステップ1000以降の制御を
繰り返す。この制御によって、進角時の爆発行程での瞬
時回転速度と連続した次気筒における圧縮行程での瞬時
回転速度とが、進角量θRに応じて補正される。したが
って、進角時、ローラリング30とともにピックアップ
62が回動することによって、進角時の瞬時回転速度が
このときと同様のエンジン状態で進角していないときの
瞬時回転速度からずれても、上記制御によってこのずれ
をなくすように補正することができる。
【0043】すなわち、図7の進角時でエンジン状態が
定常のときに、所定パルスから算出される瞬時回転速度
(Nei-1 ’、Nci ’)が、このときと同様のエンジ
ン状態で進角時でないときに算出される瞬時回転速度
(Nei-1 、Nci )となるように上記制御により補正
される。これにより、進角時における瞬時回転速度を適
切に求めることができる。
【0044】したがって、図7において進角時に算出さ
れる瞬時回転速度(Nei-1 ’、Nci ’)の回転速度
差によって、エンジン状態が定常にもかかわらず、エン
ジン回転変動が発生していると誤認識され燃料噴射量が
補正されることが防止でき、この補正された瞬時回転速
度差ΔN=Nei-1 −Nci によって基本噴射量QBが
補正され、次気筒への燃料噴射量を正確にすることがで
きる。
【0045】さらに、この制御によって、加速時での進
角によって瞬時回転速度のずれが生じても補正が可能で
あり、燃料噴射量を正確に得ることができるため、スモ
ーク等の発生を抑制することができるという効果を有す
る。
【0046】次に、第2実施例について説明する。図6
は、第2実施例を説明するフローチャートである。以下
に述べる第2実施例も、上記第1実施例と同様予測制御
に本発明を適用したものである。
【0047】ステップ1005以前の処理については上
記第1実施例と同様の処理を行う。ステップ1100で
は、平均回転速度Naと進角量θRとから瞬時回転速度
差補正量ΔN1を図8に示す特性図より求め、一方アク
セル開度αと進角量θRとから瞬時回転速度差補正量Δ
N2を図9に示す特性図より取り込む。そして、ステッ
プ1101で、この瞬時回転速度差補正量ΔN1とΔN
2とから、進角量θRに応じた瞬時回転速度差補正量Δ
N3を算出する。
【0048】次に、ステップ1102では、進角量にか
かわらず所定Nei パルスでの瞬時回転速度Nei-1
よびNci を求め、この瞬時回転速度差ΔN’=Ne
i-1 −Nci を算出する。そしてステップ1103で、
ステップ1101で求めたΔN3とステップ1102で
求めたΔN’とから補正瞬時回転速度差ΔN=ΔN3+
ΔN’を求める。次に、ステップ1012で第1実施例
と同様予測補正係数Kを求め、噴射量指令をする。
【0049】この制御は、上記第1実施例とは異なり、
進角した測定位置でNei-1 およびNci を検出し、瞬
時回転速度差ΔN’=Nei-1 −Nci を算出する一方
で、進角量θRに応じた瞬時回転速度差補正量ΔN3を
算出し、この瞬時回転速度差ΔNと瞬時回転速度差補正
量ΔN’とを加えることにより補正瞬時回転速度差ΔN
を求めている。これによって、進角時における瞬時回転
速度差のずれを補正することができる。そして、瞬時回
転速度差ΔNによって基本噴射量QBが補正されるた
め、次気筒への燃料噴射量を正確にすることができる。
したがって、上記第1実施例と同様にタイマ進角時の次
気筒に対する燃料噴射量は改善され、車両の走行安定性
の向上が図られる。
【0050】さらに、この制御によって、加速時におけ
る燃料噴射量を正確に得ることができるため、スモーク
等の発生を抑制することができるという効果を有する。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料噴射装置
は、エンジン回転速度を算出するための変位体が噴射時
期調整機構の進角量に応じて変位しても、修正手段にお
いて、この進角量に従って、進角していないときのエン
ジン回転速度となるようエンジン回転速度は修正され
る。したがって、進角時のエンジン回転速度を適切に求
めることができ、この回転速度により次気筒への燃料噴
射を正確に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図。
【図2】本発明を適用した第1実施例の概略図。
【図3】シグナルロータの平面図。
【図4】ピックアップから出力されるパルス信号波形。
【図5】第1実施例の噴射制御を示すフローチャート。
【図6】第2実施例の噴射制御を示すフローチャート。
【図7】第1実施例の効果を示すタイムチャート。
【図8】第2実施例の瞬時回転速度補正量を算出するた
めの特性図。
【図9】第2実施例の瞬時回転速度補正量を算出するた
めの特性図。
【符号の説明】
30 ローラリング 52 タイマ 60 シグナルロータ 62 ピックアップ 74 アクセルセンサ 82 マイクロコンピュータ 100 回転体 101 変位体 102 算出手段 103 検出手段 104 修正手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−32247(JP,A) 特開 昭62−67246(JP,A) 特開 昭60−135649(JP,A) 特開 昭64−35046(JP,A) 特開 昭62−150038(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/04 335 F02D 41/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン回転に同期して回転する回転体
    と、 噴射時期調整機構の進角量に応じて変位する変位体と、 前記回転体と前記変位体との相対位相差に基づき、前記
    エンジンの1燃料噴射間における爆発行程から次気筒の
    圧縮行程までの任意の所定期間におけるエンジン回転速
    度を算出する算出手段とを備え、算出されたエンジン回
    転速度に従って燃料噴射を実行する燃料噴射装置におい
    て、 前記進角量を検出する検出手段と、前記噴射時期調整機構が進角しているとき、前記算出手
    段にて算出された前記エンジン回転速度を、前記噴射時
    期調整機構が進角していないときに前記算出手段にて算
    出される前記エンジン回転速度となるよう、前記検出手
    段にて検出された進角量に応じて 修正する修正手段とを
    備えたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記算出手段にて、前記エンジンの1燃
    料噴射間における爆発行程から次気筒での圧縮行程まで
    の異なる2つの任意の所定期間におけるエンジン回転速
    度をそれぞれ算出し、これら2つのエンジン回転速度の
    差を求め、 前記修正手段は、前記噴射時期調整機構が進角している
    ときの前記2つのエンジン回転速度の差を、前記噴射時
    期調整機構が進角していないときの前記2つのエンジン
    回転速度の差となるよう前記検出手段にて検出された進
    角量に応じて 修正することを特徴とする請求項1記載の
    燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 アクセル開度を検出するアクセル開度検
    出手段を備え、前記修正手段は前記進角量のみならず前
    記アクセル開度にも従って前記エンジン回転速度を修正
    することを特徴とする請求項1、2記載の燃料噴射装
    置。
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