JP3133828B2 - 光磁気ディスク装置 - Google Patents

光磁気ディスク装置

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JP3133828B2 JP04180898A JP18089892A JP3133828B2 JP 3133828 B2 JP3133828 B2 JP 3133828B2 JP 04180898 A JP04180898 A JP 04180898A JP 18089892 A JP18089892 A JP 18089892A JP 3133828 B2 JP3133828 B2 JP 3133828B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気ディスクに情報を
書き込む際に光磁気ディスクに磁界を作用させる磁界発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大量の情報を記録、再生、消去、
再記録できる光磁気ディスク装置が実用化されている。
しかし、従来の光磁気ディスク装置では情報を記録する
ときには、まずディスク上の情報を記録したい位置にす
でに記録されている情報を消去し、次に新たな情報をそ
こに記録し、最後に今回書き込まれた情報を読み出して
確認するという3段階の手続きを踏んでいたため、直接
新しい情報を書き込めるハードディスク7と比較して情
報書き込みに要する時間が長くなっていた。
【0003】この欠点を解決するためにオーバーライト
と呼ばれる技術が開発された。この技術の一つが磁界変
調方式オーバーライトである。
【0004】磁界変調方式とは、情報記録時にディスク
に作用させる磁界の方向を情報にあわせて変化させる方
法である。
【0005】磁界変調方式は、ディスクの磁性膜構造を
従来のものから大きく変える必要がない利点があるが、
高速に磁界を反転させるため磁界発生装置の周波数特性
を十分に確保する必要があり、そのため発生できる磁界
強度に限界を生じ、磁界発生装置をディスクに十分接近
させる必要がある。
【0006】この磁界変調方式における磁界発生装置を
接触による損傷を避けつつ十分ディスクに接近させる方
法として次の3種類が考えられている。
【0007】一つは、図7に示すようなハードディスク
に用いられている浮上型磁気ヘッド9を磁界発生装置と
して用いる方法である。この浮上型磁気ヘッド9は、デ
ィスク1の回転によって生ずる気流の作用でディスク1
表面を一定の間隔を保って浮上しているため、何ら制御
をすることなく非接触状態を保ったままディスク1に十
分接近させることができる。
【0008】2つ目は、図8に示すようなアクチュエー
タ10を用いる方法である。何らかの方法で磁界発生装
置2とディスク1との距離を測定し、その距離が一定に
なるように磁界発生装置2に接続されたアクチュエータ
10を制御する。この方法は、前述の浮上型磁気ヘッド
が浮上するための十分な気流が発生しないようなディス
ク回転数が低い場合にも非接触状態を保ちつつ磁界発生
装置2をディスク1に十分接近させることができる。
【0009】最後は図9に示すような磁界発生装置2と
ディスク1とのあいだにスペーサ11を設ける方法であ
る。スペーサ11は、磁界発生装置2に固定されてお
り、ディスク1と接触しても摩擦、損害ができるだけ少
ない材質、形状で構成する。スペーサ11がディスク1
と接触したとき、磁界発生装置2とディスク1との距離
は一定に保たれる。この方法は、何ら制御を必要とせ
ず、なおかつディスクの回転数が低い場合にも適用可能
という利点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】磁界変調方式オーバー
ライト機構を採用し、なおかつディスク回転数が低い光
磁気ディスク装置を低価格で作製しようとする場合、磁
界発生装置の構成は前述の3つの方法のうち、専用の制
御機構が不要なスペーサを用いる方法を選択することが
考えられる。
【0011】しかし、この方法ではスペーサと回転する
ディスクがすべり接触しているために、たとえ材質や形
状が考慮してあったとしても、いくらかの摩擦は発生
し、ディスクを回転させるスピンドルモーターの負荷が
大きくなることによって消費電力が増大する欠点があ
る。また、ディスクの損傷やスペーサの摩耗による寿命
などの問題があった。
【0012】本発明は磁界変調方式オーバーライト機構
を備えた光磁気ディスク装置において、磁界発生装置に
スペーサとしての機能をもつ回転体を設けることによ
り、その課題を解決することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁界変調方式
オーバーライト機構を備えた光磁気ディスク装置におい
て、磁界発生装置とディスクとの距離を一定に保つため
のスペーサとしての機能をもつ回転体を磁界発生装置に
設けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は磁界発生装置とディスクとの距離を一
定に保つためのスペーサとしての機能をもつ回転体を磁
界発生装置に設けることによって、浮上型磁気ヘッドを
採用できないようなディスクの回転数が低い磁界変調方
式オーバーライト機構を備えた光磁気ディスク装置にお
いても、何ら特別な制御機構なしに磁界発生装置とディ
スクとの距離を一定に保ちつつ、ディスクと転がり接触
することによって摩擦を最小限にし、装置の消費電力を
減少させ、ディスクの損傷等が発生しないようにするこ
とができる。
【0015】
【実施例】(参考例) 以下、図面を参照して本発明の前提となる参考例を説明
する
【0016】図1に本参考例よりなる光磁気ディスク装
置用磁界発生装置の側面図を示し、図2に磁界変調方式
オーバライト機構を備えた光ディスク装置の概略構成の
側面図を示す。
【0017】磁界変調方式オーバーライト機構を備えた
光磁気ディスク装置は、一般に光磁気ディスク1と光学
ヘッド4とディスク1を回転させるスピンドルモーター
5と磁界発生装置2より構成されている。
【0018】磁界発生装置2は、磁界発生装置保持具6
によって光学ヘッドと接続されており、光学ヘッド4の
移動に伴ってディスク1の半径方向に移動するようにな
っている。
【0019】回転軸を有する回転体3の正面図を図3
(a)、側面図を図3(b)に示す。回転軸を有する回
転体3の外輪31はラウンド形状になっていて、ディス
クとの接触面はディスクとの摩擦係数が小さいPTFE
を含むPPSで構成されており、図1に示すように回転
軸を有する回転体3の中心軸32は磁界発生装置2に接
続されている。また、回転体3の内部には転がり軸受け
が内蔵されていて、スムーズに回転するようになってい
る。
【0020】磁界発生装置2がディスク1に接近する
と、磁界発生装置2に接続されている回転軸を有する回
転体3はディスク1と接触し、磁界発生装置2とディス
ク1の直接接触を阻止するとともに、ディスク1の回転
によって回転し、すべり接触するために発生する摩擦、
損傷を防ぐ。
【0021】磁界発生装置2がディスク1の半径方向に
移動する際には、回転軸を有する回転体3の外輪31の
ラウンド形状であることと、その材質にディスクとの摩
擦係数が小さいものを選ぶことによって実用上問題ない
レベルとなる。
【0022】本参考例において、従来のスペーサを用い
る方法では回転するディスクとの摩擦係数が約0.2程
度であったものが、0.05以下となった。
【0023】さらに、従来のスペーサを用いる方法では
80万回転の接触後にディスク表面に深さ0.3μmの
キズが観察されたが、本参考例ではほとんど損傷は認め
られなかった。なお、条件によっては、回転軸を有する
回転体3の外輪31の形状は必ずしもラウンド形状でな
くても良い。
【0024】また、本参考例では、回転体3に転がり軸
受けを内蔵させてあるが、摺動軸受けであっても良く、
軸受けを内蔵せずに外部に設けても良い。
【0025】また、回転体3のディスク1と接触する面
は、POMやPTFE、グラファイト、ポリイミドなど
を含有する樹脂、含油樹脂、含油金属、あるいは表面粗
さ2μmRmax以下の鋼、ステンレス、エンジニアリ
ングプラスチックなどでもよい。
【0026】(実施例1) 以下に本発明に係る実施例を説明する
【0027】本実施例の構成図を図4に示す。磁界発生
装置2がディスク1に接近すると、磁界発生装置2に接
続されている回転軸を有する回転体3はディスク1と接
触し、磁界発生装置2とディスク1の直接接触を阻止す
るとともに、ディスク1の回転によって回転し、すべり
接触するために発生する摩擦、損傷を防ぐ。
【0028】ここでは、磁界発生装置2がディスク1の
半径方向に移動する際には、回転軸を有する回転体3の
外輪31がラウンド形状であることと、磁界発生装置2
と光学ヘッド4を接続する磁界発生装置保持具6が、磁
界発生装置2がディスク1表面に対し傾くことができる
ように構成されているため、図4に示すように回転軸を
有する回転体3の外輪31とディスク1表面とのあいだ
にすべりを生じないように自動的に磁界発生装置2とそ
れに接続された回転体3が傾く。
【0029】なお、本実施例では、磁界装置2と回転体
3が一緒に傾くように構成されているが回転体3のみが
傾く構成であってもよい。また条件によって回転軸を有
する回転体3の外輪31の形状は必ずしもラウンド形状
でなくても良い。
【0030】(実施例2) 以下に本発明に係る他の実施例を説明する。
【0031】磁界発生装置2は、磁界発生装置保持具6
によって光学ヘッド4と接続されており、光学ヘッド4
の移動に伴ってディスク1の半径方向に移動するように
なっているが、本実施例においては、回転軸を有する回
転体3の中心軸32を図5に示すようにディスク1表面
に対し垂直でなおかつ中心軸32と交わらない軸回りに
も回転可能なように磁界発生装置2に接続されている。
【0032】磁界発生装置2がディスク1の方向に移動
する際には、回転軸を有する回転体3の外輪31がラウ
ンド形状であることと、回転軸を有する回転体3の中心
軸32がディスク1表面に垂直でなおかつ中心軸32と
交わらない軸回りにも回転可能なように磁界発生装置2
と接続されているため、図5に示すように、回転軸を有
する回転体3の外輪31とディスク1表面とのあいだに
すべりを生じないように中心軸32の向きが自動的に変
化する。
【0033】(実施例3) 以下に本発明に係る他の実施例を説明する。
【0034】本実施例の概略構成の断面図を図6に示
す。7は磁界発生装置2に取り付けられた回転球体で、
8はその保持具である。
【0035】回転球体7はは直径2mmのアルミナ製
で、自在に回転するように保持されており、磁界発生装
置2がディスク1に接近するとディスク1と接触して磁
界発生装置2とディスク1との直接接触を阻止するとと
もにディスク1の回転や磁界発生装置2の移動によって
回転し、すべり接触するために発生する摩擦損傷を防
ぐ。
【0036】なお本実施例では、回転球体7に直径2m
mのアルミナ製のものを用いたが、直径はこれに限定す
るものではないし、材質も綱、ステンレス、セラミッ
ク、エンジニアリングプラスチックなどでも良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ディスク
回転数が低いために浮上型磁気ヘッドを用いることがで
きない場合においても、何ら特別な制御機構を設けるこ
となく、スピンドルモータに大きな負担をかけずに磁界
発生装置をディスクに安全に接近させることができるた
め、安価で消費電力の少ない磁界変調方式オーバーライ
ト機構を備えた光磁気ディスク装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例を示す側面図である。
【図2】磁界変調方式オーバーライト機構を備えた光磁
気ディスク装置の概界構成を示す側面図である。
【図3】本発明においての回転軸を有する回転体の正面
図(a)及び側面図(b)である。
【図4】本発明の実施例を示す側面図である。
【図5】この発明の他の実施例を示す側面図である。
【図6】この発明の他の実施例を示す側面図である。
【図7】従来例を示す側面図である。
【図8】他の従来例を示す側面図である。
【図9】他の従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク 2 磁界発生装置 3 回転体 4 光学ヘッド 5 スピンドルモータ 6 磁界発生装置保持具 7 回転球体 8 回転球体保持具 31 回転体の外輪 32 回転体の中心軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−93625(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/02 G11B 11/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光磁気ディスクに磁界を作用させる磁界
    発生装置を有してなる光磁気ディスク装置において、 前記磁界発生装置に接続されており、前記光磁気ディス
    クに接触し、前記磁界発生装置と前記光磁気ディスクと
    の距離を一定保つとともに、前記光磁気ディスクの回転
    方向に回転する回転体を備えてなり、 該回転体は、前記磁界発生装置が前記光磁気ディスクの
    半径方向に移動する際に、回転軸が前記光磁気ディスク
    の表面に対して傾いた状態で、前記光磁気ディスクに接
    触可能に形成されていることを特徴とする光磁気ディス
    ク装置
  2. 【請求項2】 光磁気ディスクに磁界を作用させる磁界
    発生装置を有してなる光磁気ディスク装置において、 前記磁界発生装置に接続されており、前記光磁気ディス
    クに接触し、前記磁界発生装置と前記光磁気ディスクと
    の距離を一定に保つとともに、前記光磁気ディスクの回
    転方向に回転する回転体を備えてなり、 該回転体は、前記光磁気ディスク表面に垂直な軸回りに
    も回転可能に前記磁界発生装置に接続されていることを
    特徴とする光磁気ディスク装置
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の光磁気
    ディスク装置において、 前記回転体は外輪がラウンド形状に形成されていること
    を特徴とする光磁気ディスク装置
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