JP3133666B2 - 起き上がり補助装置 - Google Patents

起き上がり補助装置

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JP3133666B2 JP07344549A JP34454995A JP3133666B2 JP 3133666 B2 JP3133666 B2 JP 3133666B2 JP 07344549 A JP07344549 A JP 07344549A JP 34454995 A JP34454995 A JP 34454995A JP 3133666 B2 JP3133666 B2 JP 3133666B2
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稔 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は起き上がり補助装置
に係り、特に畳への直置きが可能な起き上がり補助装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】高齢者社会の到来が次第に近づきつつあ
る現在、高齢者介護の問題は早急に解決されねばならな
い重要なテーマとなっている。具体的な問題の一つに、
臥位からの起き上がりという問題がある。すなわち、加
齢と共に筋力の衰えあるいは組織の柔軟性が低下してく
るため、横になって寝た姿勢(臥位)から起き上がる動
作が困難になってくる。こうしたことは、高齢者に限ら
ず、例えば極度の腰痛に悩む者、身障者等にとっても同
様である。
【0003】従来、臥位からの起き上がりを補助するも
のとしては病院等で使用されている介護用ベッドが知ら
れている。通常の構造は、ベッドの中央部にヒンジ部が
設定してあり、上半身側が所望とする角度位置で傾動保
持されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、介護用
ベッドは設置場所も広いスペースを必要とするものであ
り、またコスト的にも高い等、簡易性に欠ける。例え
ば、普段、畳に布団を敷いて寝ている者にもそのまま利
用できるような簡易なものの出現が望まれていた。本発
明は上記した従来の問題点に鑑みて工夫されたものであ
り、その目的とするところは、簡易な構造の起き上がり
補助装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの請求項1の発明は、上半身部分を支持可能な枠状を
なす背板部材と、この背板部材を床面に沿う状態から起
立方向へ傾動可能に支持する軸受け部材と、前記背板部
材を傾動させる駆動機構とを備えてなり、かつこの駆動
機構は、前記背板部材の枠を構成する辺のうち使用者の
長さ方向に沿う辺の延長線上に配され、さらに前記駆動
機構は軸方向へ移動可能なナット部材を有し、かつナッ
ト部材と前記軸受け部材とは突き当てられた状態にあっ
て前記ナット部材の移動によって前記軸受け部材を押圧
して前記背板部材を傾動可能としていることを特徴とす
るものである。
【0006】また請求項2の発明は、請求項1記載のも
のにおいて、端部に転動輪を備えてなることを特徴とす
るものである
【0007】
【作用】請求項1の発明の作用は以下のようである。床
面に装置全体をセットし背板部材上に上半身を載せる。
そして、駆動機構を駆動させれば背板部材は起立方向へ
傾動するため、使用者は臥位から自動的に起きあがるこ
とができる。
【0008】請求項2の発明では、装置を使用しないと
きには転動輪によって床面上を転動させてゆけば、装置
の運搬が容易になる。
【0009】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、背板部材を布
団の下に潜らせるようにしてセットしておけば、装置全
体を畳の上に直置きした状態で使用できる。このとき、
駆動機構が背板部材の外側に配置されているため、これ
が障害物となるようなことはない。
【0010】また、請求項2の発明によれば、転動輪を
設けたことで持ち運びが容易になるため、使い勝手の一
層の向上が図れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜
図4に基づいて説明する。図1は起き上がり装置全体を
示すものであり、床面に設置可能な支持枠1を備えてい
る。この支持枠1は金属製パイプにより全体はコの字形
状をなして形成され、その内側には高齢者等の上半身を
支承するための背板部材2が配されている。
【0012】背板部材2は金属製パイプにより支持枠1
より若干小さめの方形枠状に形成され、枠間には可撓性
を有するテープ3が複数本格子状に緊張状態で張架さ
れ、上半身を弾性的に支持するようにしている。また、
背板部材2の両端部にはその長手方向に沿って延びる揺
動リンク4が固着されており、次述する駆動機構と連係
して背板部材2全体を床面に沿う水平状態から所定角度
まで起立した状態へ傾動可能としている。
【0013】駆動機構は、支持枠1の両端部に連設され
ており、図3及び図4に示すように、チャンネル材によ
り形成されたフレーム材5上に組み付けられ、またこの
フレーム材5には支持枠1の端部が溶接等によってそれ
ぞれ固着され、かつフレーム材5同士は連結フレーム1
9(必ずしも設けなくてもよい)によって連結されてい
る。さらに、フレーム材5の上面には駆動機構を覆うた
めのカバー6が設けられている。また、このカバー6の
先端側の端面にはキャスター7(転動輪)がそれぞれ遊
転自在に取り付けられ、装置の持ち運びの際に床面上を
転がしてゆくことができるようになっている(図2参
照)。
【0014】一方、両フレーム材5の先端側上面には正
逆回転可能な減速機付きモータ9が取り付けられてい
る。そして、このモータ軸はねじ軸10とカップリング
17によって連結され、ねじ軸10はブラケット8を軸
受けを介して回転可能に貫通し、ナット部材11と嵌合
されている。ナット部材11はほぼ直方体形状をなして
形成され、その両側はフレーム材5の上面に固定された
一対の回り止めプレート12によって挟持され、ナット
部材11の回り止めがなされている。これによって、モ
ータ9が回転するとナット部材11は軸方向に沿って変
位可能となる。
【0015】なお、詳しくは図示しないが、ナット部材
11はその両側面にガイドローラが取り付けられ、これ
らが回り止めプレート12の対向面に長さ方向に沿って
形成されたガイド溝内を転動するようになっており、こ
れによってナット部材11は所定ストローク間を円滑に
直線スライド可能となる。
【0016】また、フレーム材5の両側面において回り
止めプレート12の前方(背板部材2側)には一対の軸
受ブラケット13が固着されている。両ブラケット13
間には回動支持ピン14(具体的には中間にカラー、ワ
ッシャ等を介在させたボルト、ナットによって構成され
ている。)が横架され、前記した揺動リンク4を揺動可
能に支持している。揺動リンク4は図4に示すように、
鈎の手状をなして形成され、その一端側は既述した通り
背板部材2の端部に固定されているが、他端側はナット
部材11の先端面に常に当接されている。したがって、
ナット部材11がスライド変位する間は、ナット部材1
1は揺動リンク4の上面(詳しくは回動支持ピン14よ
り手前側の面)を摺動しながら揺動リンク4に押圧力を
付与し、これによって揺動リンク4全体をスイングさせ
ることができる。
【0017】なお、モータ9にはリード線を介して操作
ボックス15が接続され、操作ボックス15にはモータ
9に対する正転・逆転および動作の停止を行わせるため
の押しボタン16が設けられている。
【0018】次に、上記のように構成された本実施形態
の作用効果を具体的に説明する。まず背板部材2を床面
に沿うような水平状態にしておき、布団の上半身側に潜
り込ませてセットする。そして、布団の上で横になった
まま操作ボックス15の押しボタン16を操作してモー
タ9を例えば正転方向に駆動させる。すると、ねじ軸1
0が緩速回転し、これに伴ってナット部材11が両回り
止めプレート12によって案内されながら前進する。こ
れにより、揺動リンク4が押され回動支持ピン14を中
心として図3に示す反時計回りにスイングするため、背
板部材2は徐々に起立方向に傾動する。かくして、上半
身が自動的に起こされ、所望とする角度になって操作ボ
ックス15の停止ボタンを操作すれば、モータ9が停止
し背板部材2がその角度位置で保持される。
【0019】起き上がり状態から再度、臥位の状態に復
帰する場合には、操作ボックス15の押しボタン16を
操作してモータ9を逆転方向に駆動する。これにより、
上記とは逆順にして背板部材2が水平状態に復帰する。
【0020】以上のように、本実施形態によれば、上半
身部分を支持するだけの背板部材2を主体として構成さ
れるようにしたため、構成が簡単でかつ長さ方向に関し
てほぼ半分の寸法でよいためコンパクトかつ軽量であ
る。したがって、ベッドの使用が困難な狭い部屋でも使
用することができる。また、駆動機構は背板部材2を構
成する辺の延長上に配置されて、外側に突出しない配置
となっているため、この点からも装置のコンパクト性が
図られている。さらに、駆動機構を背板部材2の外側、
つまり使用者の障害とならない領域に配置し、かつベッ
ドのように台座部分を有しないため、そのまま布団の下
に潜り込ませて使用することができる。したがって、介
護用ベッドのように生活様式の変更を伴わず、起き上が
り補助を可能にする。
【0021】また、装置を使用しないときには、背板部
材2を水平状態にしておき、つまり背板部材2を支持枠
1とほぼ同一面をなすようにしておく。そして、この状
態で支持枠1を把持しつつキャスタによって全体を転動
させてゆけば、装置全体を容易に持ち運ぶことができ
る。
【0022】なお、本発明は種々の変更が可能であり、
次のような変形例も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0023】本実施形態では駆動源として電動モータ
9を使用したが、これに代えて例えば油圧シリンダ等を
使用することもできる。
【0024】本実施形態ではねじ嵌合による方式を示
したが、その他の直線運動機構、例えばラック・ピニオ
ン方式としてもよい。
【0025】本実施形態では、揺動リンク4とナット
部材11とは単に当接されているだけであったが、これ
に代えて両者を直結させて駆動力を伝達するようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】起き上がり補助装置の斜視図
【図2】運搬時の状態を示す側面図
【図3】駆動機構の内部を示す側断面図
【図4】同じく平断面図
【符号の説明】
2…背板部材 4…揺動リンク 7…キャスタ 9…電動モータ 10…ねじ軸 11…ナット部材 14…回動支持ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−28356(JP,U) 実開 昭58−80225(JP,U) 実公 平3−5320(JP,Y2) 実公 平2−26496(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61G 7/02 A61G 5/00 502

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上半身部分を支持可能な枠状をなす背板
    部材と、この背板部材を床面に沿う状態から起立方向へ
    傾動可能に支持する軸受け部材と、前記背板部材を傾動
    させる駆動機構とを備えてなり、かつこの駆動機構は、
    前記背板部材の枠を構成する辺のうち使用者の長さ方向
    に沿う辺の延長線上に配され、さらに前記駆動機構は軸
    方向へ移動可能なナット部材を有し、かつナット部材と
    前記軸受け部材とは突き当てられた状態にあって前記ナ
    ット部材の移動によって前記軸受け部材を押圧して前記
    背板部材を傾動可能としていることを特徴とする起き上
    がり補助装置。
  2. 【請求項2】 端部に転動輪を備えてなることを特徴と
    する請求項1記載の起き上がり補助装置。
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