JP3133240B2 - 液状体の撹拌装置及び該装置を用いるポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

液状体の撹拌装置及び該装置を用いるポリカーボネートの製造方法

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  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な撹拌装置に
関するものである。さらに詳しくは、セルフクリーニン
グ機能を有する液状体の撹拌装置であって、従来の装置
における減圧下での撹拌で問題となっているベントアッ
プを防止するようにした撹拌装置に関するものである。
また、本発明は、この撹拌装置を使用して芳香族ポリカ
ーボネートを効率的に方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】一般に、合成ポリマーの製造装置、例え
ば溶融重合の装置として、混合性能、伝熱性能が高く、
さらにポリマーの滞留を積極的に防止する機能、すなわ
ちセルフクリーニング機能を持った撹拌装置が望まれる
ことが多い。
【0003】特に、光学用途で用いられることが多い芳
香族ポリカーボネートを製造するには、ポリマー品質
上、撹拌装置におけるセルフクリーニング機構が極めて
重要である。
【0004】このため、従来から、特に付着性の強い粘
ちょうな物質、例えば芳香族ポリカーボネート溶融物を
処理するためのものとして、セルフクリーニング機能を
持つ撹拌装置が提案されている。
【0005】かかるセルフクリーニング機能を持つ撹拌
装置は、容器内に2軸以上の回転軸を設け、それらに取
り付けられた撹拌ロータ相互及び撹拌ロータと容器内壁
とを僅かな隙間を保ちながら相対移動させることによ
り、機械的に容器内壁等への付着物の生成を可能な限り
防止しようとする装置であり、具体的な装置としては、
例えば、特開昭63−232828号公報に記載の撹拌
装置が知られている。
【0006】すなわち、同公報には、容器内に配設され
て同期して回転駆動される複数の回転軸と前記各回転軸
に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ローター(パド
ル)とを備えてなる撹拌装置において、前記撹拌ロータ
ー(パドル)を軸方向に間隔を空けて取り付けるととも
に、前記撹拌ロータ(パドル)の先端部に前記間隔にほ
ぼ相当する長さを有するスクレーパを前記回転軸と平行
に取り付けたものが開示されている。
【0007】このようなセルフクリーニング機構を有す
る撹拌装置は、とくに光学用途で用いられることが多い
芳香族ポリカーボネートの溶融重合においては、ポリマ
ーの品質上、極めて重要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の撹拌装
置においては、セルフクリーニング機能の一部として、
撹拌ロータが保持した液を容器の内壁面に塗る操作を含
んでいる。ところが、従来の撹拌装置にあっては、前記
容器に真空吸引口を設けて減圧下に撹拌を行おうとする
と、真空吸引口から液(例えば重合反応液等)が上昇し
て真空吸引口部が詰まるとか、真空吸引口に液の膜がで
きて減圧容器内の圧力が一時的ではあるが変動するとい
った「ベントアップ」と呼ばれる現象が起こるために、
高い反応性の撹拌ロータを使用することはできなかっ
た。
【0009】そのため、従来の装置では、ベントアップ
の可能性がほとんどない撹拌能力の比較的低い撹拌ロー
タを使用していたため、セルフクリーニング機能にも問
題を残し、また反応性も劣るため、セルフクリーニング
性に富む撹拌ロータと比較した場合、十分な反応速度を
得ることができず、製品製造のための装置の大型化、及
びコストの増大を招いていた。
【0010】本発明の主たる目的は、このような従来の
装置におけるベントアップ等の問題を解決するものであ
り、真空吸引口の内径、位置を特定の範囲に選定するこ
とによって、ベントアップを防止し、効率よく低運転コ
ストでポリカーボネート等を製品品質の維持を図りなが
ら連続的に製造し得る装置を提供することにあり、ま
た、本発明の他の目的は、芳香族ポリカーボネートをそ
の品質の維持を図りながら連続的に溶融下に重合を進め
高品質のポリカーボネートを効率的に製造する方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の装置は、上述の
課題を達成するもので、(1)実質的に水平に設置され
た減圧容器内に、好ましくは横断面形状が2個の円筒を
側面で繋いだ繭型である減圧容器内に、同期して回転駆
動される複数の回転軸と各回転軸に固定されて撹拌作用
をなす複数の撹拌ロータとを備え、かつ各撹拌ロータを
前記回転軸にその軸方向に間隔を空けて取り付けるとと
もに、各撹拌ロータの先端部に前記間隔にほぼ相当する
寸法を有するスクレーパを前記回転軸と平行に取り付け
てなるセルフクリーニング性を有する液状体の撹拌装置
において、減圧容器に設ける真空吸引口の内径を、一つ
の撹拌ロータが通過するとき該真空吸引口上から見える
撹拌ロータの寸法の115〜250%、好ましくは12
0〜225%の範囲に選定することによって、ベントア
ップを防止するようにした液状体の撹拌装置、(2)実
質的に水平に設置された繭型断面の減圧容器内に、同期
して回転駆動される複数の回転軸と各回転軸に固定され
て撹拌作用をなす複数の撹拌ロータとを備え、かつ各撹
拌ロータを前記回転軸にその軸方向に間隔を空けて取り
付けるとともに、各撹拌ロータの先端部に前記間隔にほ
ぼ相当する長さを有するスクレーパを前記回転軸と平行
に取り付けてなるセルフクリーニング性を有する液状体
の撹拌装置において、減圧容器に設ける真空吸引口の位
置を、減圧容器の液状体供給側の鏡板からみて、回転が
反時計回りのときは該容器の左側の円筒シェル上でかつ
左側の回転の真上から左右に45°の範囲内に、回転が
時計回りのときはその繭型容器の右側の円筒シェル上で
かつ右側の回転軸の真上から左右に45°の範囲内に選
定することによって、ベントアップを防止するようにし
た液状体の撹拌装置、そして、(3)上記(1)と
(2)とを組み合わせた装置、すなわち、前記真空吸引
口の内径を、一つの撹拌ロータが通過するとき該真空吸
引口上から見える撹拌ロータの寸法の115〜250
%、好ましくは120〜225%の範囲にするととも
に、真空吸引口の位置を、減圧容器の液状体供給側の鏡
板からみて、回転が反時計回りのときは該容器の左側の
円筒シェル上でかつ左側の回転の真上から左右に45°
の範囲内に、回転が時計回りのときはその繭型容器の右
側の円筒シェル上でかつ右側の回転軸の真上から左右に
45°の範囲内にすることによって、ベントアップをよ
り効果的に防止するようにした撹拌装置である。
【0012】これらの装置においては、減圧容器への液
供給口を該容器における一方の鏡板に設けたものが好適
であり、また、真空吸引口を減圧容器における液の低粘
度側の円筒シェル上に設けたものが好ましい。
【0013】また、本発明の方法は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重合せしめて得られ
たポリカーボネートを溶融状態で、上述した本発明の撹
拌装置に供給し、該装置において、減圧下に、好ましく
は0.1〜10Torrの減圧下に、撹拌してさらに重
合反応を行わしめることを特徴とするポリカーボネート
の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る液状体(以
下、単に「液」という)の撹拌装置の具体例を図面に従
って詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の撹拌装置の一例を示す断
面図、図2は図1の装置における真空気吸引口付近を真
上から見た拡大図、図3は撹拌ロータの形状の例を示す
見取り図、図4は本発明の撹拌装置の一例を示す液入口
側鏡板から見た横断面図、図5及び図6は本発明で特定
した範囲を外れた撹拌装置の横断面図である。
【0016】図において、減圧容器1は実質的に水平に
設置され、該容器1の内壁は、回転軸2及び回転軸3を
それぞれ中心とする2個の円筒壁を側面で繋げたような
形の繭型断面を有している。
【0017】減圧容器1内には、該容器の長さ方向へほ
ぼ水平に伸びた2本の回転軸2、3が設けられており、
これら2本の回転軸2、3は互いに平行に軸受で支持さ
れ、各々の回転軸2、3は図示しない駆動源によって、
図中矢印のように同一回転方向に同一回転速度で互いに
同期して回転駆動されるようになっている。
【0018】各回転軸2、3には、それぞれ複数の撹拌
ロータが、回転軸と直交する面内に沿って所定間隔を隔
てて固定されている。そして各撹拌ロータは、図3に示
す如く、中央部が膨らみ両端が尖った紡錘形断面を持つ
厚肉板状に形成され、かつその先端にスクレーパを設け
ているが、その形状は適宜選択できる。また、各回転軸
に固定する撹拌ロータの数も適宜選択できるが、各回転
軸の全体にわたってほぼ均等に撹拌ロータを配置するの
が適当である。
【0019】各回転軸に固定した撹拌ロータは、それぞ
れ、図1に示すように、その回転角度位置に応じて僅か
な隙間を隔てて、減圧容器1の円筒内壁あるいは隣接し
て対応する隣接の回転軸に固定した撹拌ロータに対向し
得るようにその寸法が選定されている。
【0020】すなわち、一方の回転軸2には、所定の間
隔を隔てて複数の撹拌ロータ4a,4b,4c,…5h
が固定されている。これらの撹拌ロータは回転軸2に対
してそれと直交する面内に沿って取り付けられている。
また、これらの撹拌ロータはその回転角度位置に応じて
僅かな隙間を隔てて前記容器1の円筒壁あるいは他方の
回転軸3に固定された対応する撹拌ロータに対向し得る
ようにその寸法が選定されている。
【0021】一方、回転軸3にも、同様に、複数の撹拌
ロータ5a,5b,5c,…5hが固定されている。各
撹拌ロータはそれぞれ相対する回転軸2の対応する撹拌
ロータに対応してそれと同じ軸方向位置に位置し、各々
対応する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれた形
で回転軸3に取り付けられている。
【0022】いずれの撹拌ロータも、その各尖端が、回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて容器1の円筒内
壁あるいは各々対応する撹拌ロータに対向し得るように
なっている。さらに、その側面はそれぞれ隣接して対応
する撹拌ロータに対して軸方向に僅かな隙間を隔てて対
向している。そして、回転軸2に固定した撹拌ロータと
回転軸3に固定した撹拌ロータとは、それぞれ相手方の
撹拌ロータに対応してそれと同じ軸方向位置に位置し、
かつ対応する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれ
た形で回転軸に取り付けられている。さらに各撹拌ロー
タの側面はそれぞれ隣接して対応する撹拌ロータに対し
て軸方向に僅かな隙間を隔てて対向している。
【0023】各撹拌ロータの先端にはスクレーパが設け
られている。スクレーパは図4に示すごとき水平バーに
部分を有する掻き上げ効率のよい形態が好ましいが、他
の形状でも差支えない。
【0024】図1の撹拌装置では、減圧容器1への液供
給口8は、一方の鏡板6に設けている。これに対し、液
出口9は、図2では容器1の反対側の鏡板7に設けてい
るが、この位置に限定されない。
【0025】本発明の撹拌装置は、鏡板6に液供給口8
を設けるに当たり、液供給口8の位置を、該鏡板6上へ
両回転軸に固定した撹拌ロータがともに通過する範囲を
該鏡板6上へ投影した区域内に特定することが好まし
い。ここで「両回転軸の撹拌ロータがともに通過する範
囲を投影した区域」とは、鏡板6方向から見て、回転軸
2の撹拌ロータと回転軸3の撹拌ロータの双方がともに
通過する範囲を該鏡板上に投影した区域のことである。
【0026】ところで、従来の撹拌装置において、容器
内を減圧にするため真空吸引口を設ける際、撹拌ロータ
の構成を全て図3、4に示すような効率の良い撹拌ロー
タにすると、真空吸引口の部分に、図中4に示すスクレ
ーパの水平バーの部分に掻き上げられた液(溶融ポリマ
ー)が真空吸引口に上昇し、真空吸引口が詰まるとか、
あるいは液(ポリマー)が真空吸引口に膜を張り撹拌装
置内部の真空度が一時的ではあるが変動するベントアッ
プと呼ばれる現象が懸念されており、従来、このような
ベントアップの可能性のある撹拌装置の使用に際して
は、スクレーパ(水平バー)のない比較的低効率の撹拌
ロータを設置することで、ベントアップを抑制してい
た。
【0027】本発明の撹拌装置は、真空吸引口10の寸
法(内径)及びその取り付け位置を次のように選定し、
それによってベントアップを防ぐことを最大の特徴とす
るもので、図3、4に示す水平バー13を有する撹拌ロ
ータに使用することをも可能にしたものである。
【0028】(A)真空吸引口の寸法(内径) 減圧容器1の真空吸引口10の内径を、一つの撹拌ロー
タが通過するときに該真空吸引口上から見える撹拌ロー
タの寸法の115〜250%、好ましくは120〜22
5%とする。ここで、「真空吸引口上から見える撹拌ロ
ータの寸法」とは、図2に示すように、撹拌ロータにお
いて該真空吸引口真上から見える部分の回転軸方向のロ
ータ(スクレーパを含む)の寸法yを指し、本発明で
は、真空吸引口の内径xを、上記寸法yに対して115
〜250%、好ましくは120〜225%の範囲とす
る。このように、真空吸引口内径と該真空吸引口下に位
置する撹拌ロータとの寸法の比率(x/y)を上記の特
定範囲内に選定することで、ベントアップを防止するこ
とができる。
【0029】すなわち、図2中の真空吸引口の内径を
x、該真空吸引口から見える水平バーの寸法をyとする
と、y=1.00のとき、x≧1.15となるよう装置
の設計を行えばベントアップはほとんど起こらず、x<
1.15の場合はベントアップが起こり易い。
【0030】(B)真空吸引口の位置 減圧容器1の真空吸引口10の位置を、繭型断面の減圧
容器の液状体の供給側の鏡板6からみて、回転が反時計
回りのときは該容器の左側の円筒シェル上でかつ左側の
回転軸の真上から左右に45°の範囲内に、回転が時計
回りのときはその繭型容器の右側の円筒シェル上でかつ
右側の回転軸の真上から左右に45°の範囲内とする。
【0031】図4はこの状態を示すもので、回転軸及び
撹拌ロータの回転方向が時計回りのとき、その繭型容器
の右側の円筒シェル上でかつ右側の回転軸の真上から左
右に45°の範囲内に、好ましくは真上に、真空吸引口
10が開口している。
【0032】すなわち、該容器の供給側の鏡板からみ
て、回転が反時計回りのときはその繭型容器の左側の円
筒、回転が時計回りのときはその繭型容器の右側の円筒
は、ポリマーの滞留量が少ないために、撹拌ロータの水
平バーに保持されるポリマーの量も少なくなるために、
図4に示すように、真空吸引口10の位置は、該容器の
液供給側の鏡板からみて、回転が反時計回りのときはそ
の繭型容器の左側の円筒シェル12上で、左側の回転軸
の真上から左右に45°の範囲内に、回転が時計回りの
ときはその繭型容器の右側の円筒シェル11上で、右側
の回転軸の真上から左右に45°の範囲内に取り付ける
ことが、ベントアップ防止の有効な手段である。
【0033】これに対し、図5に示すように、真空吸引
口を、該容器の液供給側の鏡板からみて回転が時計回り
のとき、その繭型容器の左側の円筒シェル上でかつ左側
の回転軸の真上に設置した場合は、ポリマーの滞留量が
多いために、ベントアップが起きること、また、図6に
示すように、該容器の液供給側の鏡板からみて回転が時
計回りのときにその繭型容器の右側の円筒シェル上でか
つ右側の円筒シェルの垂直接線延長上に設置した場合
は、ベントアップの可能性は低いものの、真空吸引口の
ノズルの縁に反応液が付着するため、ポリマ−等の劣化
物が生成し、製品品質が悪化すること、が確認された。
【0034】(C)両者の組み合わせ 本発明の撹拌装置にあっては、上記(A)と(B)の両
方をともに満足するのが好ましく、両者の組み合わせに
よって、ベントアップをほぼ完全に防止することが可能
となる。
【0035】このように減圧容器に設ける真空吸引口の
位置、内径を特定範囲に選定することによってベントア
ップが減少するという事実は、従来全く知られておら
ず、本発明者により初めて見いだされた新たな知見であ
る。
【0036】本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
酸ジエステルとを溶融重合せしめて得られたポリカーボ
ネートを、上記の撹拌装置よりさらに減圧下に溶融重合
せしめることを特徴とするポリカーボネートの製造方法
を包含する。
【0037】芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例え
ば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニ
ル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン
類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニールエーテル等の
ジヒドロキシアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールス
ルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
キシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のジヒドロキ
シアリールスルホン類等が用いられる。なかでも、2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称、ビス
フェノールA]が好ましい。
【0038】一方、炭酸ジエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニル
カーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフ
ェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジ
ナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネー
ト等が挙げられる。
【0039】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの溶融重合反応は、従来知られているように不活性
ガス雰囲気下で加熱しながら攪拌して生成する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物を溜出させることで行われる。反応
温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期に
は系の減圧度を0.1〜10Torrに高めて生成する
芳香族モノヒドロキシ化合物の溜出を容易にさせて、固
有粘度[η]が0.2〜0.35程度のポリカーボネー
トを得る。ここで、固有粘度[η]は、0.7g/dl
の塩化メチレン溶液でウベローデ粘度計で測定したもの
である。
【0040】本発明方法では、このように製造した溶融
粘度数千ポイズ程度である固有粘度[η]が0.2〜
0.35程度のポリカーボネートを、溶融状態で上記の
撹拌装置に供給し、該装置内でさらに撹拌混合を続けて
連続的に重合反応を進行せしめることによって2万〜3
万ポイズの溶融粘度まで重合度を上昇させ、光学特性の
良好な[η]が0.3〜0.7程度の芳香族ポリカーボ
ネートが製造される。
【0041】この後期重合工程では、反応温度(撹拌容
器内の設定温度)は120〜350℃、好ましくは17
0〜300℃、圧力は0.1〜10Torr、好ましく
は0.1〜1Torrとし、反応時間(装置内の滞留時
間)は30〜120分程度が好適に採用される。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の撹
拌装置によれば、容器全体を効率的にセルフクリーニン
グすることが可能であり、しかも、従来セルフクリーニ
ング性を有する撹拌装置で問題となっていたベントアッ
プを効果的に防止することができる。このため、運転コ
ストを増大させることなく、ポリマー等を品質の維持を
図りながら連続的に安定して製造することができるとい
う顕著な効果を奏する。
【0043】本発明の撹拌装置は、特に芳香族ポリカー
ボネートを溶融重合法により製造する場合に有用であ
り、重合の後期段階の使用に適しているが、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等の他のポリマーの溶融重合にも利用可能である。
【0044】
【実施例】次に本発明の装置を用いて溶融重合法により
ポリカーボネートを製造する例を詳述する。
【0045】[実施例1]ビスフェノールAとジフェニ
ルカーボネートとを溶融重合せしめ、得られた固有粘度
[η]が0.35のポリカーボネートを、溶融状態に
て、図1に示す撹拌ロータ径230mmφの撹拌装置に
供給した。この装置では図1に示すように一方の鏡板6
に液供給口8を両回転軸2、3の軸心を結ぶ線の中点の
位置に設置し、ここから溶融ポリカーボネートを撹拌装
置内に連続的に送液し、圧力1Torr、温度270
℃、滞留時間1時間の条件で、後期溶融重合反応を進行
させた。
【0046】この際、真空吸引口10を図4に示す位置
に設け、その内径(x)を125mmφ、該真空吸引口
下の撹拌ローターの寸法(y)を100mmφとした
(したがってx/y=125%となる)。
【0047】そして、反応終了後のポリマ−液を、反対
側の鏡板7に設けた液出口9から取り出しつつ、連続的
に後期重合反応を行ったところ、最終固有粘度[η]が
0.5であり、かつ色相の良好なポリカーボネートを約
700時間にわたりベントアップを起すことなく、安定
して連続的にポリカーボネートを製造することができ
た。
【0048】上記実験終了後、該撹拌装置の容器内部を
分解点検し、撹拌ロータを確認したところポリマー劣化
物等の汚れは皆無であり良好なセルフクリーニング機能
が維持されていることも確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撹拌装置の具体例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の撹拌装置の真空吸引口付近の拡大図で
ある。
【図3】本発明の撹拌装置の撹拌ロータの例を示す見取
図である。
【図4】本発明の撹拌装置の液供給口側鏡板方向から見
た横断面図である。
【図5】本発明の範囲外(比較例)の撹拌装置の横断面
図である。
【図6】本発明の範囲外(比較例)の撹拌装置の横断面
図である。
【符号の説明】
1:減圧容器 2,3:回転軸 4a〜4h:回転軸2に固定した撹拌ロータ 5a〜5h:回転軸3に固定した撹拌ロータ 6,7:減圧容器の鏡板 8:減圧容器への液供給口 9:減圧容器からの液出口 10:真空吸引口 11:撹拌軸回転方向側の円筒シェル 12:撹拌軸回転方向の逆側の円筒シェル 13:水平バー x:真空吸引口の内径 y:真空吸引口から見える撹拌ロータの寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−235727(JP,A) 実開 平4−65123(JP,U) 特公 平6−18618(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 7/00 - 7/32 B01F 3/00 - 3/22

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に水平に設置された減圧容器内
    に、同期して回転駆動される複数の回転軸と各回転軸に
    固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータとを備え、
    かつ各撹拌ロータを前記回転軸にその軸方向に間隔を空
    けて取り付けるとともに、各撹拌ロータの先端部に前記
    間隔にほぼ相当する寸法を有するスクレーパを前記回転
    軸と平行に取り付けてなるセルフクリーニング性を有す
    る液状体の撹拌装置において、減圧容器に設ける真空吸
    引口の内径を、一つの撹拌ロータが通過するとき該真空
    吸引口上から見える撹拌ロータの寸法の115〜250
    %の範囲にすることにより、ベントアップを防止するよ
    うにした液状体の撹拌装置。
  2. 【請求項2】 減圧容器の横断面形状が2個の円筒を側
    面で繋いだ繭型であることを特徴とする請求項1記載の
    撹拌装置。
  3. 【請求項3】 実質的に水平に設置された繭型断面の減
    圧容器内に、同期して回転駆動される複数の回転軸と各
    回転軸に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータと
    を備え、かつ各撹拌ロータを前記回転軸にその軸方向に
    間隔を空けて取り付けるとともに、各撹拌ロータの先端
    部に前記間隔にほぼ相当する長さを有するスクレーパを
    前記回転軸と平行に取り付けてなるセルフクリーニング
    性を有する液状体の撹拌装置において、減圧容器に設け
    る真空吸引口の位置を、減圧容器の液状体供給側の鏡板
    からみて、回転が反時計回りのときは該容器の左側の円
    筒シェル上でかつ左側の回転の真上から左右に45°の
    範囲内に、回転が時計回りのときはその繭型容器の右側
    の円筒シェル上でかつ右側の回転軸の真上から左右に4
    5°の範囲内にすることにより、ベントアップを防止す
    るようにした液状体の撹拌装置。
  4. 【請求項4】 実質的に水平に設置された繭型断面の減
    圧容器内に、同期して回転駆動される複数の回転軸と各
    回転軸に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータと
    を備え、かつ、各撹拌ロータを前記回転軸にその軸方向
    に間隔を空けて取り付けるとともに、各撹拌ロータの先
    端部に前記間隔にほぼ相当する長さを有するスクレーパ
    を前記回転軸と平行に取り付けてなるセルフクリーニン
    グ性を有する撹拌装置において、減圧容器に設ける真空
    吸引口の位置を、繭型断面の減圧容器の液状体の供給側
    の鏡板からみて、回転が反時計回りのときは該容器の左
    側の円筒シェル上でかつ左側の回転の真上から左右に4
    5°の範囲内に、回転が時計回りのときはその繭型容器
    の右側の円筒シェル上でかつ右側の回転軸の真上から左
    右に45°の範囲内にするとともに、該真空吸引口の内
    径を、一つの撹拌ロータが通過するときに、該真空吸引
    口上から見える撹拌ロータの寸法の115%〜250%
    の範囲にすることにより、ベントアップを防止するよう
    にした液状体の撹拌装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    液状体の撹拌装置において、液状体の供給口を減圧容器
    における一方の鏡板に設けたことを特徴とする液状体の
    撹拌装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液状体の撹拌装置にお
    いて、真空吸引口を液状体供給側の円筒シェル上に設け
    たことを特徴とする液状体の撹拌装置。
  7. 【請求項7】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重合せしめて得られたポリカーボネート
    を、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の撹拌装置に
    供給し、該装置において、減圧下に撹拌して重合反応を
    行わしめることを特徴とするポリカーボネートの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重合せしめて得られたポリカーボネート
    を、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の撹拌装置に
    供給し、該装置において、120〜350℃の温度で減
    圧下に撹拌して重合反応を行わしめることを特徴とする
    ポリカーボネートの製造方法。
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