JP3236204B2 - ポリカーボネートの製造方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法及びそれに用いる装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリカーボ
ネート製造用の撹拌装置に関するものである。さらに詳
しくは、セルフクリーニング機能を有するポリカーボネ
ートの撹拌装置に関するものである。また、本発明は、
この撹拌装置を使用して芳香族ポリカーボネートを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリカーボネートの製造装置、
例えば溶融重合の装置として、混合性能、伝熱性能が高
く、さらにポリカーボネートの滞留を積極的に防止する
機能、すなわちセルフクリーニング機能を持った撹拌装
置が望まれることが多い。
【0003】特に、光学用途で用いられることが多い芳
香族ポリカーボネートを製造するには、ポリマー品質
上、撹拌装置におけるセルフクリーニング機構が極めて
重要である。
【0004】このため、従来から、特に付着性の強い粘
ちょうな物質、例えば芳香族ポリカーボネート溶融物を
処理するためのものとして、セルフクリーニング機能を
持つ撹拌装置が提案されている。
【0005】かかるセルフクリーニング機能を持つ撹拌
装置は、容器内に2軸以上の回転軸を設け、それらに取
り付けられた撹拌ロータ相互及び撹拌ロータと容器内壁
とを僅かな隙間を保ちながら相対移動させることによ
り、機械的に容器内壁等への付着物の生成を可能な限り
防止しようとする装置であり、具体的な装置としては、
例えば、特開昭63−232828号公報に記載の撹拌
装置が知られている。
【0006】すなわち、同公報には、容器内に配設され
て同期して回転駆動される複数の回転軸と前記各回転軸
に固定されて撹拌作用をなす複数のパドル(ロータ)と
を備えてなる撹拌装置において、前記パドル(ロータ)
を軸方向に間隔を空けて取り付けるとともに、前記パド
ル(ロータ)の先端部に前記間隔にほぼ相当する長さを
有するスクレーパを前記回転軸と平行に取り付けたもの
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のこの
種の撹拌装置においては、通常、容器の底部に被処理液
の供給口が設けられているが、供給口近傍の撹拌ロータ
はセルフクリーニング性を保持することが困難であっ
た。特に、ポリカーボネート等の高粘度流体を撹拌混和
する場合においてはこの傾向が顕著であり、供給口近傍
で気液の境界が生じ、その界面ではポリカーボネートが
劣化しやすく、セルフクリーニング性が不十分な場合
は、製品(ポリカーボネート)品質の維持のため、装置
の洗浄間隔を短くせざるを得えず、運転コストを増大せ
しめる大きな要因となっていた。
【0008】本発明の主たる目的は、このような従来の
撹拌装置における問題点を解決しようとするものであ
り、セルフクリーニング性を改善し、ポリカーボネート
等を製品品質の維持を図りながら低運転コストで連続的
に製造し得る撹拌装置を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、芳香族ポリカーボネートをその品質
の維持を図りながら連続的に溶融下に重合を進め高品質
のポリカーボネートを効率的に製造する方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するものであって、(1)芳香族ジヒドロキシ化合物
と炭酸ジエステルとを溶融重合せしめて得られた固有粘
度[η]が0.2〜0.35のポリカーボネートを、実
質的に水平に設置した容器内に、同期して同方向に回転
駆動される2本の回転軸を該容器の長さ方向に並設する
とともに、各回転軸に固定されて撹拌作用をなす複数の
撹拌ロータを備えた、液状物の撹拌装置であって、該容
器の鏡板の一方の、該鏡板上へ両回転軸の撹拌ロータが
ともに通過する範囲を投影した区域内に、液供給口を設
置し、該供給口からの液によって撹拌ロータ全面を濡ら
すようにした撹拌装置に供給し、該装置にて減圧下で撹
拌することにより、さらに重合せしめ[η]が0.3〜
0.7の芳香族ポリカーボネートを製造する方法であ
り、また(2)実質的に水平に設置した容器内に、同期
して同方向に回転駆動される2本の回転軸を該容器の長
さ方向に並設するとともに、各回転軸に固定されて撹拌
作用をなす複数の撹拌ロータを備えた、液状物の撹拌装
置であって、該容器の鏡板の一方の、該鏡板上へ両回転
軸の撹拌ロータがともに通過する範囲を投影した区域内
に、液供給口を設置し、該供給口からの液によって撹拌
ロータ全面を濡らすようにしたことを特徴とする、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重合せ
しめて得られた固有粘度[η]が0.2〜0.35のポ
リカーボネートを、さらに重合せしめ[η]が0.3〜
0.7の芳香族ポリカーボネートを製造する方法に用い
られる撹拌装置である。さらに容器が、繭型断面を有す
る前記(2)の攪拌装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の撹拌装置の具体例
を図面に従って詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の撹拌装置の一例を示す断
面図、図2は図1のA−A’断面図である。図3及び図
4はそれぞれ本発明の撹拌装置における液供給口の位置
を説明する模式図である。
【0012】本発明の撹拌装置において、容器1は実質
的に水平に設置され、該容器1の内壁は、回転軸2及び
回転軸3をそれぞれ中心とする2個の円筒壁を繋げたよ
うな形の繭型断面を有している。なお、容器1の断面形
状は図3、図4のような繭型が好適であるが、これに限
定されるものではない。
【0013】容器1内には、該容器の長さ方向へほぼ水
平に伸びた2本の回転軸2、3が設けられており、これ
ら2本の回転軸2、3は互いに平行に軸受で支持され、
各々の回転軸2、3は図示しない駆動源によって、図中
矢印のように同一回転方向に同一回転速度で互いに同期
して回転駆動されるようになっている。
【0014】各回転軸2、3には、それぞれ複数の撹拌
ロータが、回転軸と直交する面内に沿って所定間隔を隔
てて固定されている。そして各撹拌ロータは、図3、4
に示す如く、中央部が膨らみ両端が尖った紡錘形断面を
持つ厚肉板状に形成されているが、その形状は適宜選択
できる。また、各回転軸に固定する撹拌ロータの数も適
宜選択できるが、各回転軸の全体にわたってほぼ均等に
撹拌ロータを配置するのが適当である。
【0015】各回転軸に固定した撹拌ロータは、それぞ
れ、図に示すように、その回転角度位置に応じて僅かな
隙間を隔てて、容器1の円筒内壁あるいは隣接して対応
する隣接の回転軸に固定した撹拌ロータに対向し得るよ
うにその寸法が選定されている。
【0016】すなわち、一方の回転軸2には、所定の間
隔を隔てて複数(図1では18個)の撹拌ロータ4a,
4b,4c,…4sが固定されている。これらの撹拌ロ
ータは回転軸2に対してそれと直交する面内に沿って取
り付けられている。また、これらの撹拌ロータはその回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて前記容器1の円
筒壁あるいは他方の回転軸3に固定された対応する撹拌
ロータ5a〜5sに対向し得るようにその寸法が選定さ
れている。
【0017】一方、回転軸3にも、同様に、複数(図1
では回転軸2の撹拌ロータと同数の18個)の撹拌ロー
タ5a,5b,5c,…5sが固定されている。各撹拌
ロータはそれぞれ相対する回転軸2の対応する撹拌ロー
タに対応してそれと同じ軸方向位置に位置し、各々対応
する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれた形で回
転軸3に取り付けられている。
【0018】いずれの撹拌ロータも、その各尖端が、回
転角度位置に応じて僅かな隙間を隔てて容器1の円筒内
壁あるいは各々対応する撹拌ロータに対向し得るように
なっている。さらに、その側面はそれぞれ隣接して対応
する撹拌ロータに対して軸方向に僅かな隙間を隔てて対
向している。そして、回転軸2に固定した撹拌ロータと
回転軸3に固定した撹拌ロータとは、それぞれ相手方の
撹拌ロータに対応してそれと同じ軸方向位置に位置し、
かつ対応する撹拌ロータに対して各々位相が90度ずれ
た形で回転軸に取り付けられている。さらに各撹拌ロー
タの側面はそれぞれ隣接して対応する撹拌ロータに対し
て軸方向に僅かな隙間を隔てて対向している。
【0019】図示の装置では各撹拌ロータにはスクレー
パを設けていないが、特開昭63−23828号公報に
記載のように各撹拌ロータ先端にスクレーパを備えても
よく、その方が好ましい場合も多い。
【0020】容器1への液供給口8は、一方の鏡板6に
設けられる。これに対し、液出口9は、図2では容器1
の周壁(シェル)でかつ反対側の鏡板7の下方に設けて
いるが、この位置に限定されない。
【0021】本発明の撹拌装置は、上記の如く、従来、
この種の装置では液の出入口が設けられていない、鏡板
6に液供給口8を設け、かつ、その位置を、該鏡板6上
へ、両回転軸に固定した撹拌ロータがともに通過する範
囲を該鏡板6上へ投影した区域内に特定することを最大
の特徴とするものである。
【0022】ここで「両回転軸の撹拌ロータがともに通
過する範囲を投影した区域」とは、図3において斜線部
分で示すように、鏡板6方向から見て、回転軸2の撹拌
ロータと回転軸3の撹拌ロータの双方がともに通過する
範囲を該鏡板上に投影した区域のことであり、具体的に
は、回転軸からの2等分線B−B´を中心とする紡錘状
のゾーンを指す。
【0023】このような本発明の撹拌装置において、被
処理液(例えば溶融ポリカーボネート)は、鏡板6に設
けた液供給口8から、容器1内に導入され、回転軸2、
3が駆動することで各撹拌ロータの移動による撹拌作用
によって十分撹拌された後、液出口9から取り出され
る。
【0024】この装置では、上記撹拌作用と同時にセル
フクリーニング作用が行われる。すなわち、容器1内各
部は、各撹拌ロータの尖端稜線部が近接して移動するこ
とによりセルフクリーニングされる。また、一方の回転
軸の撹拌ロータと他方の回転軸の撹拌ロータの曲面状周
面は相互にそれらの尖端が近接して移動することにより
セルフクリーニングされる。さらに、撹拌ロータ平面状
側面とそれらに対向する撹拌ロータの平面状側面が近接
して相対移動することでも互いにセルフクリーニングさ
れる。
【0025】従来は、このようなセルフクリーニング機
能を意図した撹拌装置にあっても、液供給口近傍の撹拌
ロータは、送液後間もないために十分な混合がなされて
おらず、そのため、ポリカーボネート等の液流れが入り
口付近では安定しないことが主たる原因で、完全にロー
タ全体を液で濡らすことが困難であり、セルフクリーニ
ング性を保つことが出来なかった。このため、従来は液
供給口の近傍に、重合反応性は乏しいが、送液性のある
撹拌ロータを設置し、液の流れを安定させることで対応
してきた。
【0026】しかし、本発明者の研究によれば、液供給
口8を容器1の鏡板6に開口せしめ、かつその位置を上
記のように選定することによって、従来の問題が解決可
能であることが判明した。
【0027】すなわち、液供給口8の位置を、すでに詳
述したように、鏡板6における双方の撹拌ロータが通過
する範囲内(図3の斜線部分W)に選定することによっ
て、液供給口8から供給されるポリカーボネート液等の
全てが鏡板4内面に隣接する撹拌ロータ4a,5aに受
け渡され、これまで濡らすことが困難であったこれらの
撹拌ロータの全面を十分に濡らすことが可能となる。こ
れによって完全なセルフクリーニング性が実現され、気
液の界面が発生しなくなるため、長時間の運転を続けて
もポリカーボネートの劣化、ゲル等の発生が無く、した
がって、装置の洗浄周期を長くすることが可能となる。
【0028】本発明の撹拌装置において、図4に示すよ
うに、液供給口8は回転軸2と回転軸3との中点(すな
わち、2等分線B−B´と両回転軸の軸心を結ぶ線C−
C´との交点)の位置に設置し、撹拌ロータ4a,5a
の両方に液状ポリマー等をスムーズに受け渡すことがで
きる構造にするのが特に効果的である。
【0029】ここで、液供給口8を上記中点から外れた
位置に設置すると、撹拌ロータのどちらか一方が多く他
方が少なく液を保持するために、撹拌ロータに保持する
液(ポリマー)量のバランスが崩れるために、少なく保
持した方の撹拌ロータのセルフクリーニング性が低下す
る。
【0030】本発明の撹拌装置は、溶融ポリカーボネー
ト等の高粘度液体を撹拌するのに適した装置であるが、
とくに、芳香族ポリカーボネートの溶融重合に適用する
と効果的である。したがって、本発明は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重合せしめて得
られたポリカーボネート、好ましくは固有粘度[η]が
0.2〜0.35程度のポリカーボネートを、上記の撹
拌装置により減圧下でさらに溶融重合せしめて、より高
重合度の芳香族ポリカーボネートを製造する方法の発明
でもある。
【0031】ここで使用する芳香族ジヒドロキシ化合物
としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−
ブチルフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリー
ル)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シ
クロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニール
エーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロ
キシアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホ
キシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
等のジヒドロキシアリールスルホン類等が用いられる。
なかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好ましい。
【0032】炭酸ジエステルとしては、置換されていて
もよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基等の
エステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボ
ネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニ
ル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート等
が挙げられる。
【0033】芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの溶融重合反応は、従来知られているように不活性
ガス雰囲気下で加熱しながら撹拌して生成する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物を溜出させることで行われる。反応
温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期に
は系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成する
芳香族モノヒドロキシ化合物の溜出を容易にさせて固有
粘度[η]が0.2〜0.35程度のポリカーボネート
を得る。
【0034】なお、ここで、固有粘度[η]は、0.7
g/dlの塩化メチレン溶液でウベローデ粘度計で測定
したものである。
【0035】本発明方法では、このように製造した溶融
粘度数千ポイズ程度のポリカーボネートを、さらに溶融
状態で上記の撹拌装置に供給し、該装置内で撹拌混合を
続けて連続的に重合せしめることによって2万〜3万ポ
イズの溶融粘度まで重合度を上昇させ、光学特性の良好
な[η]が0.3〜0.7程度の芳香族ポリカーボネー
トが製造される。
【0036】この後期重合工程では、反応温度(容器内
の設定温度)は120〜350℃、好ましくは170〜
300℃、圧力は10〜0.1Torr、好ましくは1
〜0.1Torrとし、反応時間(装置内の滞留時間)
は30〜120分程度が好適に採用される。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の撹
拌装置によれば、液供給側の鏡板に接する撹拌ロータを
液状の被処理物で濡らし、装置の運転によって、容器全
体を十分にセルフクリーニングすることが可能となる。
そして、このようにセルフクリーニングを十分に行うこ
とが可能となるため、従来より問題となっていた当該部
分におけるポリカーボネート等の滞留及び劣化を防止す
ることができ、運転コストを増大させることなく、ポリ
カーボネートを品質の維持を図りながら連続的に安定し
て製造することができるという顕著な効果を奏する。
【0038】本発明の撹拌装置は、特に芳香族ポリカー
ボネートを溶融重合法により製造する場合に有用であ
り、重合の後期段階の使用に適しているが、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト等の他のポリマーの溶融重合にも利用可能である。
【0039】
【実施例】次に、本発明の撹拌装置を使用して芳香族ポ
リカーボネートを製造する例を説明する。なお、例中の
固有粘度[η]の測定は前述の通りである。
【0040】[実施例1] ビスフェノールAとジフェニルカーボネートとを溶融重
合せしめ、得られた固有粘度[η]が0.35のポリカ
ーボネートを、溶融状態にて、水平に設置した図示の繭
型断面の撹拌装置に供給した。この装置では図に示すよ
うに一方の鏡板6に液供給口8を回転軸の二等分線上に
設置し、ここから溶融ポリカーボネートを撹拌装置内に
連続的に送液し、減圧下、温度270℃、反応時間1時
間で溶融重合反応を進行させた。
【0041】そして、反応終了後のポリマ−液を、反対
側の鏡板7の下方の容器外殻(シェル)に設けた液出口
から取り出した。
【0042】このようにして、連続的に後期重合反応を
行ったところ、最終固有粘度[η]が0.5であり、か
つ色相の良好なポリカーボネートを約700時間にわた
り連続的に製造することができた。
【0043】上記実験終了後、該撹拌装置の容器内部を
分解点検し、撹拌ロータを確認したところ、ポリマー劣
化物等の汚れは皆無であり良好なセルフクリーニング機
能が維持されていたことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の撹拌装置の具体例を示す縦断面
図。
【図2】図2は図1の撹拌装置のA−A’断面図。
【図3】図3は本発明の撹拌装置の液供給口付近の模式
図。
【図4】図4は本発明の撹拌装置液の供給口付近の模式
図。
【符号の説明】
1:容器 2、3:回転軸 4a〜4s:一方の回転軸に固定した撹拌ロータ 5a〜5s:他方の回転軸に固定した撹拌ロータ 6、7:容器の鏡板 8:液供給口 9:液出口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 85/00 C08G 85/00 (56)参考文献 特開 昭49−17556(JP,A) 特開 平6−157739(JP,A) 特開 平6−73174(JP,A) 実開 平4−130347(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 3/00 - 3/22 B01F 7/00 - 7/32 B01F 15/00 - 15/06 C08G 64/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとを溶融重合せしめて得られた固有粘度[η]が
    0.2〜0.35のポリカーボネートを、実質的に水平
    に設置した容器内に、同期して同方向に回転駆動される
    2本の回転軸を該容器の長さ方向に並設するとともに、
    各回転軸に固定されて撹拌作用をなす複数の撹拌ロータ
    を備えた、液状物の撹拌装置であって、該容器の鏡板の
    一方の、該鏡板上へ両回転軸の撹拌ロータがともに通過
    する範囲を投影した区域内に、液供給口を設置し、該供
    給口からの液によって撹拌ロータ全面を濡らすようにし
    た撹拌装置に供給し、該装置にて減圧下で撹拌すること
    により、さらに重合せしめ[η]が0.3〜0.7の芳
    香族ポリカーボネートを製造する方法。
  2. 【請求項2】 実質的に水平に設置した容器内に、同期
    して同方向に回転駆動される2本の回転軸を該容器の長
    さ方向に並設するとともに、各回転軸に固定されて撹拌
    作用をなす複数の撹拌ロータを備えた、液状物の撹拌装
    置であって、該容器の鏡板の一方の、該鏡板上へ両回転
    軸の撹拌ロータがともに通過する範囲を投影した区域内
    に、液供給口を設置し、該供給口からの液によって撹拌
    ロータ全面を濡らすようにしたことを特徴とする、芳香
    族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを溶融重合せ
    しめて得られた固有粘度[η]が0.2〜0.35のポ
    リカーボネートを、さらに重合せしめ[η]が0.3〜
    0.7の芳香族ポリカーボネートを製造する方法に用い
    られる撹拌装置。
  3. 【請求項3】 容器が、繭型断面を有することを特徴と
    する請求項2記載の撹拌装置。
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