JP3132798U - 花弁保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】満開時頃まで使用しても保護シートの上面に伸長した花弁を傷めることなく容易に取り外すことができ、かつ花弁が輪台の間に侵入してしまうことを防ぐことができ、強い風等で輪台と花弁が擦れて傷むことを防止することができる花弁保護シートを提供する。
【解決手段】ベースシート22と、該ベースシートの中心部に穿設されかつ花卉の軸芯を挿入する中心開口部34と、前記中心開口部から前記ベースシートの外周縁部32aまで切断線によって切断されて形成されかつ該ベースシートを花卉36の軸芯38に装着するための挿通路40と、を有し、前記ベースシートに複数本の切り離し可能な分離線42を形成し、前記分離線を切り離すことによって、前記ベースシートを小部分ずつ取り外すことができるようにした。
【選択図】図1

Description

本考案は、花卉の花弁、特に菊花の花弁を効果的に保護することのできる新規な花弁保護シートに関する。
近年、菊花のうちでも、大菊はその鑑賞価値が高く、各種の競技会が各所で催されているように、愛好者も増えその栽培も年々盛んになってきている。その栽培においては多くの労力と時間が費され、そのうち出来ばえのよいものだけが切り花又は鉢物として出品されるが、出品者にとって開花から出品まで、特に競技会への搬入のための輸送中における開花した花弁の損傷が大きな問題であった。
このような開花した菊花を出品する際は、例えば、図10に示すような植木鉢10等に支柱12を立て菊の茎14が折れたりするのを防いでいる。そして、開花した花弁18のすぐ下に針金等でつくられた輪台20を支柱12に固定しておくことにより花弁18の保護を行なっている。
このような輪台20を利用しても輸送中に花弁が輪台20と接触したときに花弁の損傷が起こって、花腐れの原因となったり、花弁の脱落が起こったりすることにより菊花の価値や品位が著しく低下し、花弁の調整のための手入れに多くの時間を費やすことになり、出品者にとって大きな問題であった。
上記のような不都合を回避することを目的として、図11に示したように、略円形乃至略矩形のベースシート22の略中心に小穴24と、該小穴24より周辺に向かって延びる一条の切れ目26とを設け、かつ該ベースシート22が通気度1.0秒以内でかつ剛軟度100mg以下の不織布から形成されている花弁の保護シート28が既に提案されている(特許文献1)。この提案された保護シート28によれば、花卉を輸送する際等に発生する花弁の損傷を著しく減少する効果があり、出品者から望まれている開花時とほぼ同程度に花卉、特に菊花の花弁の状態及び品位を良好に保ちうるので、出品に際して殆ど手入れを要しないという大きな利点を有しており、広く利用されているのが現状である。
この保護シート28の取り付けは、蕾が開きかけ一番外側の花弁が伸びだした頃、花首の数cm下に輪台20を付け、その上に切れ目26を介して茎14を小穴24に挿通させて保護シート28を載置することによって行われるので、取付け作業については特別の問題は生じない。しかしながら、花弁が保護シート28の上を伸長し十分なる開花状態となって、例えば、菊花の展示会において菊花の花弁を展示する際には、この保護シート28は、一般的には輪台20から取り外す必要がある。ところが、一旦取り付けた保護シート28を取り外すには、再び切れ目26を介して茎14を小穴24から外すことになるが、当該保護シート28の上面に花弁が十分に伸長して配置されているので、保護シート28を取り外す際に伸長した花弁を傷めることが頻繁に発生してしまい、従来の保護シート28の大きな問題点とされていた。この従来の保護シート28を使用する場合には、取り外す際に花弁を傷めることを予め想定して、花弁が満開になる前に保護シート28を取り外して花弁の傷みを少なくするというような対策も講じられるが、この場合には保護シート28の上面を利用した花弁の十分な伸長が行えないという不利が生じる。
実開昭59−156451号公報
本考案は、上記した従来の保護シート28の問題点に鑑みなされたもので、保護シートの上面に伸長した花弁を傷めることなく保護シートの取り外しを簡単な作業で行えるので、花弁の満開時頃まで保護シートを使用してもその取り外しに際して花弁を傷めることなく容易に取り外すことができ、かつ花弁の成長中において花弁が輪台の間に侵入してしまうことを防ぐことができ、また輸送中、強い風等で輪台と花弁が擦れて傷むことを防止することができるようにした新規な花弁保護シートを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する為に、本考案の花弁保護シートは、ベースシートと、該ベースシートの中心部に穿設されかつ花卉の軸芯を挿入する中心開口部と、前記中心開口部から前記ベースシートの外周縁部まで切断線によって切断されて形成されかつ該ベースシートを花卉の軸芯に装着するための挿通路と、を有し、前記ベースシートを小部分ずつ切り離すことができるように前記ベースシートに複数本の切り離し可能な分離線を形成し、前記分離線を切り離すことによって、前記ベースシートを小部分ずつ取り外すことができるようにしたことを特徴とする。
前記分離線が切断線とつなぎ部とを交互に形成することによって構成されるのが好ましく、1本の切断線の両端部につなぎ部を形成する構成とするのがさらに好ましい。
前記分離線が、前記ベースシートの中心開口部から前記ベースシートの外周縁部方向に放射状に形成された複数本の放射状分離線と、前記ベースシートの外周辺部に形成された円弧状分離線とを含む構成とするのが好ましい。
前記分離線を、前記ベースシートの中心開口部から前記ベースシートの外周縁部方向に放射状に形成された複数本の放射状分離線のみの構成、即ち前記円弧状分離線を省略する構成とすることもできる。
本考案の花弁保護シートは、輪台の上に載置することによって花弁の伸長を効果的に補助することができる上、輪台から取り外す時には、切り込みと切り込みの間の繋ぎ部分を手でちぎるか又はカッター等の切断器具によって切断して分離し、この分離された小部分を順次外すことによって、花弁を殆ど傷めることなく、取り外すことができ、従って花弁の満開時頃まで保護シートを使用してもその取り外しに際して花弁を傷めることなく容易に取り外すことができ、また輸送中、強い風等で輪台と花弁が擦れて傷むことを防止することができるという効果を奏するものである。
以下に本考案の実施の形態を添付図面中、図1−図9に基づいて説明するが、本考案の技術思想から逸脱しない限りこれらの実施の形態について種々の変更又は変形が可能なことは言うまでもない。
図1は本考案の花弁保護シートの一つの実施の形態を示す平面図である。図2は本考案の花弁保護シートを花弁に取付けた状態の一例を示す摘示斜視図である。図3は図2の花弁保護シートを花弁に取付けた状態を側面から見た状態を一部に仮想線を用いて示す側面説明図である。図4は輪台に本考案の花弁保護シートを取り付けた状態を示す摘示説明図である。図5は図1の花弁保護シートのつなぎ部分を切り離しこの分離された小部分を外した状態を示す説明図である。図6は本考案の花弁保護シートの他の実施の形態を示す平面図である。図7は図6の花弁保護シートの繋ぎ部分を切り離しこの分離された小部分を外した状態を示す説明図である。図8は本考案の花弁保護シートの別の実施の形態を示す平面図である。図9は本考案の花弁保護シートのさらに別の実施の形態を示す平面図である。
図1において、符号30は本考案に係る花弁保護シートである。前記花弁保護シート30はベースシート32を有している。該ベースシート32の中心部には、中心開口部34が穿設されており、該中心開口部34には花卉36の軸芯38が挿入される。
符号40は挿通路で、前記中心開口部34から前記ベースシート32の外周縁部32aまで切断されることによって形成されかつ該ベースシート32を花卉36の軸芯38に装着する作用を行う。該挿通路40は、図示例では切断端部40a,40bによって形成された扇形状の挿通空間を有する場合を示したが、図11に示した従来の保護シート28の場合における切れ目26のように単なる切断線であっても同様の作用を示すが、後述するように輪台に取り付ける際に花弁保護シート30を傘状に固定して載置する場合には扇形状の幅の広い挿通路40とした方が傘状とし易いという利点がある。
符号42は前記ベースシート32に形成された切り離し可能な複数本の分離線で、前記分離線42を切り離すことによって、前記ベースシート32を複数の扇形状小部分32b及び環状乃至複数の円弧状小部分32cとして取り外し容易に分解することができる。前記扇形状小部分32bの形成個数は複数個であればよいが、2〜10個程度が好ましく、4〜8個がさらに好ましい。
前記分離線42は、前記ベースシート32の中心開口部34から放射状に形成された複数本の放射状分離線42aと、前記ベースシート32の外周縁部32a近傍に形成された円弧状の分離線42bとを含んでいる。
前記分離線42は切り込み線43(43a、43b)とつなぎ部分44(44a、44b、44c)とを交互に形成することによって構成される。前記切り込み線43とつなぎ部分44との配置については特別の限定はないが、花弁保護シート30の使用中には構造的に安定しており、花弁保護シート30を取り外す際には切り離し易い構造とするのが好適である。
例えば、図1に示したように、前記分離線42は、前記ベースシート32の中心開口部34から中心つなぎ部分44bを介して長尺の放射状切り込み線43aを形成しかつ外周縁部つなぎ部分44aを残して形成された複数本の放射状分離線42aと、前記ベースシート32の外周縁部32a近傍に互いに外周縁部つなぎ部分44aを介して位置しかつ前記放射状切り込み線42aと外周縁部つなぎ部分44aを介して位置するように形成された長尺の円弧状切り込み線43bからなる円弧状分離線42bとを含む構成とすることができる。44cは挿通路つなぎ部分で、切断端部40a,40bと円弧状の切り込み線42bとの間に位置している。
前記ベースシート32を構成する材料としては特別の限定はないが、吸水性がないか又は少なく、太陽熱等で温度の急変のない材料によるシート又は不織布シート等を用いるのが適当であり、発泡プラスチック製の柔らかい物質が最もよく、発泡スチロール、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリ塩化ビニル等を使用することが可能である。使用する発泡プラスチックの発泡率は8倍〜30倍が好ましい。ベースシート32のサイズは花弁の大きさに合わせて適宜調整すればよいが、例えば外径が200〜250mmφで、中心開口部34が30〜40mmφ程度であり、厚さは1mm〜4mm程度が好適である。
上記構成により、その作用を説明する。まず、蕾が開きかけた一番外側の弁が伸びだした頃、花首の数cm下に輪台46を取付け、該輪台46の上に花弁保護シート30を載置し、ベースシート32の切断端部40a,40bの部分を適当な寸法で重ね合わせ、その重ね合わせ部分の外周端縁部を固定手段、例えばゼムクリップ48等で固定する。この状態では図2〜図5に示されるように、花弁保護シート30は傘状となり、花弁36aは花弁保護シート30の上面を滑るように伸長する。ここまでの作用は従来の保護シート28の作用とあまり変更はない。
本考案の花弁保護シート30の利点は、花弁保護シート30を輪台46から外すときにある。即ち、本考案の花弁保護シート30を外す場合には、分離線42を切り離せばよいが、図1の花弁保護シート30について言えば、まずゼムクリップ48等の固定手段を取り外し、次に外周縁部つなぎ部分44a、中心つなぎ部分44b及び挿通路つなぎ部分44cを作業者が手で千切るか又はカッター等の刃物で切断し、扇形のベースシート分離部分32bとし同時に環状乃至複数の円弧状のベースシート分離部分32cとする。ついで、環状乃至複数の円弧状のベースシート分離部分32cを取り外し、さらに輪台46の端部を少し下方に傾けながら、前記分離されたベースシート分離部分32b及び32cを斜め下方にゆっくり引き抜くことによってベースシート分離部分32bを外すことができるので、花弁36aを傷める虞は全くない。このベースシート32の分解手順は一例を挙げたもので、作業者の都合によって適宜手順を変更できることはいうまでもない。従って、本考案の花弁保護シートを花弁の満開頃まで使用しても花弁の傷みが生ずることはない。また、本考案の花弁保護シートによれば、輸送中、強い風等で輪台46と花弁36aが擦れたりして傷むことを防止することが可能である。
図1〜図5の例では、分離線42として、放射状分離線42a及び円弧状分離線42bを設けた場合を示したが、円弧状分離線42bを省略することも可能であり、その実施の形態を図6及び図7によって説明する。図6及び図7において、図1〜図5における部材と同一の部材は同一の符号で示した。図6及び図7の構成においては、図1〜図5との相違点は円弧状切り込み線が存在しないだけで、その他の構成は全く同様であり、またその作用効果も円弧状切り込み線に関する作用効果がないだけで同様に扇形のベースシート分離部分32bを取り外す作業だけであるのでそれだけ作業が簡易となるという利点がある。
図1〜図7においては、分離線42の例として、一本の長尺の切り込み線43(43a、43b)の両端につなぎ部分44(44a、44b、44c)を設けた例を示したが、分離線42(42a、42b)としては、切り込み線43とつなぎ部分44とを交互に形成する構成とすればよいもので、例えば、図8や図9に示すように、複数の短尺の切り込み線43(43a、43b)を設け、その間につなぎ部分44(44a、44b)を形成する構成を採用することも可能である。
本考案の花弁保護シートの一つの実施の形態を示す平面図である。 本考案の花弁保護シートを花弁に取付けた状態の一例を示す摘示斜視図である。 図2の花弁保護シートを花弁に取付けた状態を側面から見た状態を一部に仮想線を用いて示す側面説明図である。 輪台に本考案の花弁保護シートを取り付けた状態を示す摘示説明図である。 図1の花弁保護シートのつなぎ部分を切断分離しこの分離された小部分を外した状態を示す説明図である。 本考案の花弁保護シートの他の実施の形態を示す平面図である。 図6の花弁保護シートのつなぎ部分を切断分離しこの分離された小部分を外した状態を示す説明図である。 本考案の花弁保護シートの別の実施の形態を示す平面図である。 本考案の花弁保護シートのさらに別の実施の形態を示す平面図である。 従来の鉢植えの菊花を輪台によって保護した状態を示す説明図である。 従来の花弁保護シートの一例を示す平面図である。
符号の説明
10:植木鉢、12:支柱、14:茎、18:花弁、20:輪台、22:ベースシート、24:小穴、26:切れ目、28:保護シート、30:花弁保護シート、32:ベースシート、32a:外周縁部、32b:扇形状小部分、扇形状ベースシート分離部分、32c:円弧状小部分、円弧状ベースシート周縁部分、34:中心開口部、36:花卉、36a:花弁、38:軸芯、40:挿通路、40a,40b:切断端部、42:分離線、42a:放射状分離線、42b:円弧状分離線、43、43a、43b:切り込み線、44、44a、44b、44c:つなぎ部分、46:輪台、48:ゼムクリップ。

Claims (4)

  1. ベースシートと、
    該ベースシートの中心部に穿設されかつ花卉の軸芯を挿入する中心開口部と、
    前記中心開口部から前記ベースシートの外周縁部まで切断線によって切断されて形成されかつ該ベースシートを花卉の軸芯に装着するための挿通路と、
    を有し、前記ベースシートを小部分ずつ切り離すことができるように前記ベースシートに複数本の切り離し可能な分離線を形成し、前記分離線を切り離すことによって、前記ベースシートを小部分ずつ取り外すことができるようにしたことを特徴とする花弁保護シート。
  2. 前記分離線が切り込み線とつなぎ部とを交互に形成することによって構成されることを特徴とする請求項1記載の花弁保護シート。
  3. 前記分離線が、前記ベースシートの中心開口部から前記ベースシートの外周縁部方向に放射状に形成された複数本の放射状分離線と、前記ベースシートの外周辺部に形成された円弧状分離線とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の花弁保護シート。
  4. 前記分離線が、前記ベースシートの中心開口部から前記ベースシートの外周縁部方向に放射状に形成された複数本の放射状分離線であることを特徴とする請求項1又は2記載の花弁保護シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014217327A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 酒井化学工業株式会社 花弁保護シート

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