JP3132173B2 - 可動磁気ヘッド装置 - Google Patents

可動磁気ヘッド装置

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JP3132173B2
JP3132173B2 JP04216734A JP21673492A JP3132173B2 JP 3132173 B2 JP3132173 B2 JP 3132173B2 JP 04216734 A JP04216734 A JP 04216734A JP 21673492 A JP21673492 A JP 21673492A JP 3132173 B2 JP3132173 B2 JP 3132173B2
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープに斜めに信号
を記録再生する回転型磁気記録再生装置の可動磁気ヘッ
ド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、回転型磁気記録再生装置の可動磁
気ヘッド装置は、広帯域のデジタル信号や高精細度なテ
レビジョン信号等、多量の信号を記録再生するため、高
密度記録の方向にある。
【0003】従来の可動磁気ヘッド装置としては、例え
ば特開昭56−26号公報に示されている。
【0004】以下に、従来の可動磁気ヘッド装置につい
て説明する。図8は、この従来の可動磁気ヘッド装置を
組み込んだ回転型磁気記録再生装置の平面図を示すもの
である。同図において、磁気テープ1は螺旋状のガイド
を持つ固定ドラム(図示せず)と回転ドラム2に巻き付
いて走行する。回転ドラム2には先端に記録用磁気ヘッ
ド3a,3bを接着固定してあるベース4a,4bが取
り付けネジ5a,5bで組み込まれている。さらに、回
転ドラム2には、図9に示すごとく2枚の圧電板6a,
6b及び7a,7bを貼り合わせたバイモルフ8,9の
一方が、固定部材10,11,12に挟み込まれた状態
で固定してあり、バイモルフ板8,9の自由端側には先
端をヘッドベース13で連結固定された板バネ14,1
5が接着固定してある。また、ヘッドベース13には再
生用磁気ヘッド16a及び16bが接着固定してあり、
記録用磁気ヘッド3a,3bで記録した信号を再生す
る。なお、再生用磁気ヘッド16b側も16a側と同様
に構成してある。
【0005】以上のように構成された従来の可動磁気ヘ
ッド装置について、以下その動作について説明する。
【0006】まず、回転ドラム2を回転させるとともに
磁気テープ1を走行させ、記録用磁気ヘッド3aに記録
信号を供給すると磁気テープ1に図11のトラック17
を記録する。つぎに記録用磁気ヘッド3bに記録信号を
供給するとトラック18を記録する。以降はこの動作を
繰り返し、連続的に記録する。つぎに再生動作について
説明する。まず、ノーマル再生時の磁気テープ1の速度
は記録時と同一であるから、再生用磁気ヘッド16a,
16bは図11のトラック17,18,19,20,2
1を正確にトレースし、信号を再生する。つぎに特殊再
生時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ1が停止
しているため、再生用磁気ヘッド16aの軌跡は図11
の一点鎖線22となり、トラック全域の再生信号が得ら
れない。そこでこのスチル再生モード時においても正確
にトレースさせるために、バイモルフ8,9に電圧を印
加し、図10のように湾曲させることにより再生用磁気
ヘッド16aが高さ方向に変位して図11の矢印x方向
へ移動する、この動作をトラック17の起点yから終点
zまで可変的に行えばトラック17を正確にトレースし
信号を再生できる。この時、2枚のバイモルフ8,9の
自由端に設けた板バネ14,15が屈曲して再生用磁気
ヘッド16a,16bの傾斜を防止し、湾曲前とほぼ同
等のヘッド当たりを確保できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、バイモルフ8,9間に圧電定数(印加電
圧と機械歪みの関係を示す定数)誤差や板厚誤差、及び
2枚の圧電板の接着誤差があり、電圧印加時に図12に
示すようにバイモルフ8,9間に湾曲差が生じるとバイ
モルフ8,9の先端間にvで示す距離差が生じる。ま
た、板バネ14,15の屈曲状態も異なり、ヘッドベー
ス13に傾きが生じる。ここでヘッドベース13が完全
に平行移動する条件を図13を基に考えると次のように
なる。まず、基準となるポイントはバイモルフ8,9と
板バネ14,15を接着固定してある点a,bであり、
バイモルフ8,9が湾曲した時ポイントa,bの固定面
からの距離cは常に同一でなければならない。また、ポ
イントa,b間の距離dは常にヘッドベース13の高さ
eと同一でなければならない。さらに、接着面の傾き
α,βも常に同一でなければならない。この条件が常時
守られてヘッドベース13は完全に平行移動する。
【0008】しかし、現実的には種々の誤差があり、こ
の条件は崩れてしまう。第1の誤差要因はバイモルフ
8,9間の圧電定数誤差や板厚誤差、2枚の圧電板の接
着誤差であり、同電圧を印加しても図12のように曲率
差が発生する。第2の誤差要因は、バイモルフ8,9を
固定部材10,11,12で挟み込んで固定する際の平
行誤差である。第3の誤差要因は前記挟み込み固定部の
応力変化による自由端の位置変化である。これを詳細に
説明すると、バイモルフ8,9の電極は固定部も含めて
全面に設けてあり、図14の矢印のように圧電板6a,
6bは伸縮する。そして、固定部でも湾曲する力が発生
し、変位開始点が固定端よりfだけ固定部に移動して自
由端の実質変位が増加する。これは共振周波数を低下さ
せずに大振幅を確保する場合の極めて有効な方法であ
る。しかし、固定部で発生した歪み応力が、電圧をゼロ
にしても完全に解除されずに残留し、しかもその状態に
バラツキが発生するため、結果的にバイモルフ8,9の
先端位置のバラツキとなる。第4の誤差要因は、板バネ
14,15間の板厚誤差,幅誤差,ヤング率誤差によ
る、曲げ負荷のバラツキである。これらの誤差が総合さ
れてa,b点の位置誤差及び角度誤差となり、可動時の
ヘッドベース13に傾きが発生して、再生用磁気ヘッド
16a,16bと磁気テープ1との当たりを悪化させ、
良好な再生信号が得られないという問題点を有してい
た。
【0009】特にアナログの約6倍の信号量を持つディ
ジタル信号や、NTSC方式の約6倍と広帯域な高精細
度なテレビジョン信号を多ヘッドで記録再生する装置の
場合、2倍から4倍(前記の信号を記録再生するには、
回転ドラム2を従来の6倍で回転させる方法と、回転は
そのままでヘッド数を6倍にする方法がある。高速回転
はヘッド寿命やテープ浮上に悪影響を及ぼし、多ヘッド
化は構成面から限界がある。よって現実には回転を3倍
程度に設定しヘッド数を2倍から4倍に設計するのが一
般的であり再生用磁気ヘッドの必要移動量も2倍から4
倍となる)の大移動量が必要となり、さらに放送用,業
務用の場合には記録時の同時再生機能と、別情報をミッ
クスしてもとのトラック位置に記録する機能や、デジタ
ル音声のタイミング合わせのための先行再生が必須であ
る。よって、再生用磁気ヘッドの必要移動量は前記2倍
から4倍のさらに数倍に及び、前記誤差も増大して前記
問題点はさらに深刻となる。
【0010】
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、機械的手段でヘッドを高精度に平行移動させ、本体
装置への組み込み時やサービス時の作業性を向上させた
可動磁気ヘッド装置の提供を第1の目的とする。
【0012】さらに、本発明は、電気的手段でヘッドを
高精度に平行移動させるとともに、経時変化をなくして
長期に高精度な可動磁気ヘッド装置の提供を第2の目的
とする。
【0013】
【0014】
【課題を解決するための手段】 この目標を達成するため
に本発明の請求項1 の可動磁気ヘッド装置は、2個のバ
イモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を
平行に固定支持する固定部材と、この固定部材の前記バ
イモルフが突出する側に、それぞれのバイモルフを両面
から押圧的に挟み込むごとく設けた前記固定部材より低
弾性の弾性押圧部材と、この弾性押圧部材の押圧力を可
変する押圧力調整手段と、前記2個のバイモルフの自由
端の延長方向にそれぞれ連結固定した2枚の屈曲部材
と、この屈曲部材の両先端を連結固定する硬質のヘッド
ベースとを有している。
【0015】さらに、本発明の請求項2の可動磁気ヘッ
ド装置は、2個のバイモルフと、この2個のバイモルフ
の長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、そ
れぞれのバイモルフへの印加電圧を制御する制御回路
と、前記2個のバイモルフの自由端の延長方向にそれぞ
れ連結固定した2枚の屈曲部材と、この屈曲部材の両先
端を連結固定する硬質のヘッドベースと、前記2枚の屈
曲部材のそれぞれの屈曲度合を検出する2個の屈曲検出
手段と、この屈曲検出手段のそれぞれの初期データを記
憶させるメモリーとを有している。
【0016】
【0017】
【作用】 本発明は上記した第1の 構成により、2個のバ
イモルフ固定部の固定強度を調整することによって変化
する自由端変位が、2個のバイモルフや屈曲部材の部品
バラツキ、組み立て誤差のトータル誤差によって発生す
るヘッドベースの平行移動誤差を、最小値に押さえるよ
う作用する。
【0018】さらに、本発明は上記した第2の構成によ
り、印加電圧の制御で発生する2個のバイモルフの湾曲
量差が、2個のバイモルフや屈曲部材の部品バラツキ、
組み立て誤差のトータル誤差によって発生するヘッドベ
ースの平行移動誤差を、最小値に押さえるよう作用する
とともに、屈曲検出手段のそれぞれの初期データに、動
作時の前記屈曲検出手段からの検出信号が一致するよ
う、印加電圧の制御回路がさらに作用する。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0020】図1は本発明の参考例における可動磁気ヘ
ッド装置の断面図を示すものである。同図において、回
転ドラム23には2枚の圧電板24a,24b及び25
a,25bを貼り合わせたバイモルフ26,27の一方
が、固定部材28,29,30に挟み込まれた状態で固
定してあり、バイモルフ26,27の自由端側には先端
をヘッドベース31で連結固定された板バネ32,33
が接着固定してある。また、ヘッドベース31には再生
用磁気ヘッド34が接着固定してある。また、バイモル
フ26,27の両面は電気的にグランドに接続してあ
り、中間面はそれぞれ単独でゲイン設定のできる駆動ア
ンプ35と駆動アンプ36に接続してある。そしてこの
駆動アンプ35と駆動アンプ36は同一の駆動電源37
に接続してある。
【0021】つぎに、駆動アンプ35と駆動アンプ36
のゲイン設定方法を説明する。まず、全部品を図1のよ
うに組み立てた後、ユニットを高精度の工具顕微鏡に固
定して図2に示すヘッドベース31のエッジg、hが観
察出来るようセッティングする。つぎに、駆動アンプ3
5と駆動アンプ36を同一ゲインに設定して、バイモル
フ26,27の先端が上方へ湾曲する方向の直流電圧を
印加する。そして、前記g,h点の電圧印加前からの高
さ変化を測定し、差が生じている場合には駆動アンプ3
5か駆動アンプ36のゲインを変化させて、その差が最
小になるよう調整する。つぎに、バイモルフ26,27
に逆方向の直流電圧を印加し、前記g,h点の電圧印加
前からの高さ変化を同様に測定する。そして差が生じて
いる場合には前記の調整方向を考慮したうえで駆動アン
プ35か駆動アンプ36のゲインをさらに変化させてそ
の差が最小になるよう再調整する。この作業を必要数繰
り返し、両方向に移動させた時のg,h点の移動差が最
小値になる駆動アンプ35及び駆動アンプ36のゲイン
値を決定し、以降このユニットはそのゲイン値で駆動す
る。ここで、駆動アンプ35及び駆動アンプ36のゲイ
ンを変化させ、バイモルフ26,27の湾曲量を調整す
ることにより、ヘッドベース31の平行移動誤差を少な
くできることは、従来例の図12の逆であり容易に理解
できる。
【0022】以上の様に構成された参考例の可動磁気ヘ
ッド装置について、以下その動作について説明する。
【0023】磁気テープ(図示せず)に連続的に記録し
てある信号をノーマル再生する時はバイモルフ26,2
7には電圧を印加せずに回転ドラム23を回転させ、再
生用磁気ヘッド34が信号を再生する。つぎに特殊再生
時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ(図示せ
ず)が停止しているため、従来例同様再生用磁気ヘッド
34はトラック全域の信号を再生しない。そこでこのス
チル再生モード時においても正確にトレースさせるため
に、バイモルフ26,27に電圧を印加して湾曲させる
ことにより再生用磁気ヘッド34が高さ方向に変位して
従来例同様トラック(図示せず)を正確にトレースし信
号を再生できる。この時、2枚のバイモルフ26,27
の自由端に設けた板バネ32,33が屈曲してヘッドベ
ース31が平行移動するよう動作し、しかも、バイモル
フ26,27に印加する電圧を前記説明のごとく制御し
ているためヘッドベース31は高精度に平行移動する。
また、記録モード時に同時再生する場合は、記録トラッ
クを後追いする方向に直流電圧を印加し、先行再生の場
合は、それとは逆方向に直流電圧を印加して再生用磁気
ヘッド34を移動させるが、この場合にもヘッドベース
31は高精度に平行移動する。また、再生用磁気ヘッド
34の寿命により、新ユニットに交換した時は、新ユニ
ットのゲイン値に駆動アンプ35及び駆動アンプ36の
ゲイン値を修正すれば、交換前と同様新ユニットも高精
度に平行移動する。
【0024】以上の様に本参考例によれば、バイモルフ
や屈曲部材の部品バラツキと組み立て誤差のトータル誤
差によって発生するヘッドベースの平行移動誤差を、2
個のバイモルフ26,27の印加電圧を制御するという
極めて簡単かつ安価な方法で最小値に押さえることがで
き、再生用磁気ヘッド34は高さ位置に関係なく良好な
ヘッド当たりを確保できる。また、電気的手段で調整で
きるため、作業性が良い。
【0025】図3は本発明の第1の実施例を示す可動磁
気ヘッド装置の断面図である。同図において、回転ドラ
ム38には2枚の圧電板39a,39b及び40a,4
0bを貼り合わせたバイモルフ41,42の一方が、固
定部材43,44,45に挟み込まれた状態で固定して
あり、バイモルフ板41,42の自由端側には先端をヘ
ッドベース46で連結固定された板バネ47,48が接
着固定してある。また、ヘッドベース46には再生用磁
気ヘッド49が接着固定してある。また、固定部材4
3,44,45の端部にはバイモルフ41,42を挟み
込む状態で固定部材43,44,45よりも低弾性の押
圧ブロック50,51,52,53が設けてあり、押圧
調整ネジ54,55,56,57が固定部材43,4
4,45の端部58,59,60,61をたわませて押
圧力を調整する。
【0026】つぎに、押圧力の調整方法について説明す
る。まず、全部品を図3のように組み立てた後、押圧調
整ネジ54,55,56,57を全て同一トルクで締め
付ける。そして、前記参考例と同様ユニットを高精度の
工具顕微鏡に固定して、図3に示すヘッドベース46の
エッジi,jが観察出来るようセッティングする。つぎ
に、バイモルフ41,42の先端が上方へ湾曲する方向
の直流電圧を印加し、前記i,j点の電圧印加前からの
高さ変化を測定する、そして差が生じている場合には、
押圧調整ネジ54,55側か56,57側の締め付けト
ルクを変化させてその差が最小になるよう調整する。つ
ぎに、バイモルフ41,42に逆方向の直流電圧を印加
し、前記i,j点の電圧印加前からの高さ変化を同様に
測定する、そして差が生じている場合には、前記の調整
方向を考慮したうえで押圧調整ネジ54,55側か5
6,57側の締め付けトルクを変化させて、その差が最
小になるよう再調整する。この作業を必要数繰り返し、
両方向に移動させた時のi,j点の移動差が最小値にな
る押圧調整ネジ54,55,56,57の締め付けトル
クに設定する。この時、押圧ブロック50,51,5
2,53の押圧力で、バイモルフ41,42の先端位置
が変位する理由は、従来例説明時の図14と同様である
から容易に理解できる訳だが、簡単に説明すると、図4
のようになる。つまり、バイモルフ41は固定部でも湾
曲しようとする力が発生し、図4のように湾曲した時は
押圧ブロック50を圧縮変形させ、変位を拡大する。よ
って、押圧調整ネジ54で押圧ブロック50のバイモル
フ41への押圧力を変化させるとバイモルフ41のタワ
ミ量が変化し、バイモルフ26の実質変位も変化する。
【0027】上記の様に構成された第1の実施例の可動
磁気ヘッド装置について、以下その動作を説明する。
【0028】磁気テープ(図示せず)に連続的に記録し
てある信号をノーマル再生する時はバイモルフ41,4
2には電圧を印加せずに回転ドラム38を回転させ、再
生用磁気ヘッド49が信号を再生する。つぎに特殊再生
時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ(図示せ
ず)が停止しているため、従来例同様再生用磁気ヘッド
49はトラック全域の信号を再生しない。そこでこのス
チル再生モード時においても正確にトレースさせるため
に、バイモルフ41,42に電圧を印加して湾曲させる
ことにより再生用磁気ヘッド49が高さ方向に変位して
従来例同様トラック(図示せず)を正確にトレースし信
号を再生できる。この時、2枚のバイモルフ41,42
の自由端に設けた板バネ47,48が屈曲してヘッドベ
ース46が平行移動するよう動作し、しかも、バイモル
フ41,42の実質変位量を押圧ブロック50,51,
52,53で調整しているためヘッドベース46は高精
度に平行移動する。また、記録モード時に同時再生する
場合は、記録トラックを後追いする方向に直流電圧を印
加し、先行再生の場合は、それとは逆方向に直流電圧を
印加して、再生用磁気ヘッド49を移動させるが、この
場合にもヘッドベース46は高精度に平行移動する。
【0029】以上の様に本実施例によれば、バイモルフ
や屈曲部材の部品バラツキ、組み立て誤差のトータル誤
差によって発生するヘッドベースの平行移動誤差を、2
個のバイモルフ41,42の実質先端変位量を、押圧的
に挟み込む押圧ブロック50,51,52,53の押圧
力で調整するという機械的手段で最小値に押さえること
ができ、再生用磁気ヘッド49は高さ位置に関係なく良
好なヘッド当たりを確保できる。さらに、機械的手段で
高精度な平行移動を実現しているため、前記参考例のよ
うに、本体装置への組み込み時やサービス時に、バイモ
ルフ41,42の駆動電圧を再設定する必要がなく、作
業性が良い。
【0030】図5は前記第1の実施例に示した押圧ブロ
ック50,51,52,53の他の実施例を示す断面図
である。同図において、圧電板58a,58bは押圧ブ
ロック59,60で挟み込まれており、この押圧ブロッ
ク59,60は固定部材61,62で挟み込まれてい
る。さらに、押圧ブロック59,60と固定部材61,
62の接触面はクサビ状に傾斜させており、図6の矢印
k方向に示すように押圧ブロック59,60を押圧すれ
ば2点鎖線のように奥へ入り込む、それと同時に圧電板
58a,58bへの押圧力も上昇し図4の構成と同様に
作用する。この構成だと調整作業に困難度が増すが図4
より簡単に構成できるため、安価にできる。
【0031】図7は本発明の第2の実施例における可動
磁気ヘッド装置の断面図を示すものである。同図におい
て、回転ドラム63には2枚の圧電板64a,64b及
び65a,65bを貼り合わせたバイモルフ66,67
の一方が、固定部材68,69,70に挟み込まれた状
態で固定してあり、バイモルフ板66,67の自由端側
には先端をヘッドベース71で連結固定された板バネ7
2,73が接着固定してある。また、ヘッドベース71
には再生用磁気ヘッド74が接着固定してある。また、
バイモルフ66,67の両面は電気的にグランドに接続
してあり、中間面はそれぞれ単独でゲイン設定のできる
駆動アンプ75と駆動アンプ76に接続してある。そし
てこの駆動アンプ75と駆動アンプ76は同一の駆動電
源77に接続してある。また、前記板バネ72,73に
はそれぞれ歪みゲージ78,79を接着してあり、歪み
ゲージ78,79は歪み変化検出回路80に接続してあ
る。ここで、駆動アンプ75と駆動アンプ76のゲイン
設定方法は、前記参考例の構成(図1)と同様であるた
め説明を省略する。
【0032】以上の様に構成された第2の実施例の可動
磁気ヘッド装置について、以下その動作について説明す
る。
【0033】磁気テープ(図示せず)に連続的に記録し
てある信号をノーマル再生する時はバイモルフ66,6
7には電圧を印加せずに回転ドラム63を回転させ、再
生用磁気ヘッド74が信号を再生する。つぎに特殊再生
時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ(図示せ
ず)が停止しているため、従来例同様再生用磁気ヘッド
74はトラック全域の信号を再生しない。そこでこのス
チル再生モード時においても正確にトレースさせるため
に、バイモルフ66,67に電圧を供給して湾曲させる
ことにより再生用磁気ヘッド74が高さ方向に変位して
従来例同様トラック(図示せず)を正確にトレースし信
号を再生できる。この時、2枚のバイモルフ66,67
の自由端に設けた板バネ72,73が屈曲してヘッドベ
ース71が平行移動するよう動作し、しかも、バイモル
フ66,67に印加する電圧を参考例と同様に制御して
いるためヘッドベース71は高精度に平行移動する。ま
た、記録モード時に同時再生する場合は、記録トラック
を後追いする方向に直流電圧を印加し、先行再生の場合
は、それとは逆方向に直流電圧を印加して、再生用磁気
ヘッド74を移動させるが、この場合にもヘッドベース
71は高精度に平行移動する。また、参考例と同様にバ
イモルフ66,67を両方向に移動させた時のヘッドベ
ース71のl、m点の移動差が最小値になるよう駆動ア
ンプ75及び駆動アンプ76のゲイン値を決定した後の
歪みゲージ78,79の出力を、歪み変化検出回路80
に初期データとして記憶させ、以降の動作時にこの初期
データと比較して、変化があれば初期データに一致する
よう駆動アンプ75あるいは駆動アンプ76のゲインを
制御すれば、ヘッドベース71は長期に高精度に平行移
動する。
【0034】この構成によりバイモルフ66,67の圧
電定数や接着部の経時変化、及び固定部の応力変化によ
る自由端の位置変化等の初期設定以降に発生する経時変
化も吸収できる。また、再生用磁気ヘッド74の寿命に
より、新ユニットに交換した時は、新ユニットのゲイン
値に駆動アンプ75及び駆動アンプ76のゲイン値を修
正するとともに、歪み変化検出回路80の初期データも
新ユニットのそれに変更すれば、交換前と同様新ユニッ
トも高精度に平行移動する。
【0035】以上の様に本実施例によれば、バイモルフ
や屈曲部材の部品バラツキ、組み立て誤差のトータル誤
差によって発生するヘッドベースの平行移動誤差を、2
個のバイモルフ66,67の印加電圧を制御することに
より最小値に押さえることができ、さらに、アンプゲイ
ン設定後の歪みゲージ78,79の初期データと、動作
時の出力を、歪み変化検出回路80でチェックし、一致
するよう制御することにより、再生用磁気ヘッド74の
寿命まで長期に渡り再生用磁気ヘッド74の高さ位置に
関係なく良好なヘッド当たりを確保できる。
【0036】尚、図7の第2の実施例において、歪みゲ
ージ78,79は板バネ72,73の片面に貼り付けた
が、両面に貼り付けて使用しても良く、その方が温度に
対し安定である。また、歪みゲージ78,79はバイモ
ルフ66,67に貼り付けても良い、しかし、その構成
ではバイモルフ66,67単品の湾曲変化しか検出でき
ず、精度が低下する。さらに、歪みゲージは、板バネ7
2,73或はバイモルフ66,67のいずれかの一箇所
に設けても良く、さらに、一個の歪みゲージでバイモル
フ66,67の両方を制御しても良い。しかし、その構
成では精度がさらに低下する。
【0037】
【発明の効果】以上の様に本発明は、2個のバイモルフ
の実質先端変位量を、押圧的に挟み込む押圧ブロックの
押圧力で機械的に調整し、ヘッドベースを高精度に平行
移動させる第1の構成により、再生用磁気ヘッドの高さ
位置を大移動させても良好なヘッド当たりを確保でき
る。よって、同時再生や先行再生を含む全ての操作モー
ドで最大の再生出力を得ることができ、高画質が実現で
きる。
【0038】また2個のバイモルフの印加電圧を制御し
てヘッドベースを高精度に平行移動させるとともに、ア
ンプゲイン設定後の歪みゲージの初期データと、動作時
の出力を、歪み変化検出回路でチェックし、一致するよ
う制御する第2の構成により、再生用磁気ヘッドの寿命
まで長期に渡り、再生用磁気ヘッドの高さ位置を大移動
させても良好なヘッド当たりを確保できる。よって、ヘ
ッド寿命まで高画質を確保でき、その実用的効果は大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例における可動磁気ヘッド装置の
断面図
【図2】参考例のヘッドベースの断面図
【図3】本発明の第1の実施例における可動磁気ヘッド
装置の断面図
【図4】第1の実施例の固定部の拡大断面図
【図5】第1の実施例の固定部の他の実施例を示す拡大
断面図
【図6】第1の実施例の他の固定部の固定方法を示す拡
大断面図
【図7】本発明の第2の実施例における可動磁気ヘッド
装置の断面図
【図8】従来の可動磁気ヘッド装置を組み込んだ回転ド
ラム内の平面図
【図9】従来の可動磁気ヘッド装置の断面図
【図10】従来の可動磁気ヘッド装置の可動状態を示す
断面図
【図11】従来の可動磁気ヘッド装置で記録したトラッ
クの配置図
【図12】従来の可動磁気ヘッド装置の可動時に発生す
る誤差を示す断面図
【図13】従来の可動磁気ヘッド装置の平行移動条件を
示す断面図
【図14】従来の可動磁気ヘッド装置の固定部を示す拡
大断面図
【符号の説明】
23 回転ドラム 26,27 バイモルフ 28,29,30 固定部材 31 ヘッドベース 32,33 板バネ 34 再生用磁気ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/592

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加
    すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモ
    ルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材
    と、この固定部材の前記バイモルフが突出する側に、そ
    れぞれのバイモルフを両面から押圧的に挟み込むごとく
    設けた前記固定部材より低弾性の弾性押圧部材と、この
    弾性押圧部材の押圧力を可変する押圧力調整手段と、前
    記2個のバイモルフの自由端の延長方向にそれぞれ連結
    固定した2枚の屈曲部材と、この屈曲部材の両先端を連
    結固定する硬質のヘッドベースとを設け、前記2個のバ
    イモルフの湾曲時に前記ヘッドベースの傾きが最小にな
    るよう、それぞれのバイモルフに設けた弾性押圧部材の
    押圧力を調整することを特徴とする可動磁気ヘッド装
    置。
  2. 【請求項2】 2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加
    すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモ
    ルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材
    と、それぞれのバイモルフへの印加電圧を制御する制御
    回路と、前記2個のバイモルフの自由端の延長方向にそ
    れぞれ連結固定した2枚の屈曲部材と、この屈曲部材の
    両先端を連結固定する硬質のヘッドベースと、前記2枚
    の屈曲部材のそれぞれの屈曲度合を検出する2個の屈曲
    検出手段と、この屈曲検出手段のそれぞれの初期データ
    を記憶させるメモリーとを設け、前記2個のバイモルフ
    湾曲時に前記ヘッドベースの傾きが最小になるよう、前
    記2個のバイモルフへの印加電圧を制御するとともに前
    記メモリに初期データを記憶させ、この初期データと動
    作時の前記屈曲検出手段の検出信号とが一致するよう前
    記それぞれのバイモルフへの印加電圧をさらに制御する
    ことを特徴とする可動磁気ヘッド装置。
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