JP3131923B2 - 指状突起―融合リポソームおよびゲル - Google Patents

指状突起―融合リポソームおよびゲル

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は指状突起融合(interdigitation−fusion)
(IF)リポソームおよびゲルに関するものである。この
リポソームおよびゲルは高い溶質−脂質率を獲得する。
溶質という用語は生物活性物質を含む複数の生物活性物
質を包含する。本発明はまた、IFゲルとリポソームを生
成するための脂質の指状突起鉗合の発見および、本発明
によるリポソームを形成するそのような指状突起鉗合が
大きさに依存することの発見に関するものである。
本発明は、IFリポソームおよびゲル生成の方法に関す
るものである。本発明の方法では、リポソームは、音波
処理、押出しまたはその他、適当な大きさへのホモジナ
イザー処理など、サイズを小さくする処理により、適当
な誘発物質の下で融合される。この処理により、本発明
の組成物がゲルの形で生成される。ゲルそのものは、例
えば、生物活性物質の搬送に使用することもできるし、
IFリポソーム形成にも使用でき、また、IFリポソームは
内部体積が非常に大きいため、大量の溶質を中に包み込
むことができる。
ゲルからIFリポソームを生成するには、ゲルは、必ず
しも必要ではないが、普通は使用する脂質の遷移温度
(Tm)以上でインキュベートしてリポソームを形成す
る。本発明の方法に必要な温度は、与えられた脂質、溶
質、誘発物質の混合物の物質特性に変化を起こすような
温度であり、これにより本発明のIFリポソームが生成さ
れる。IFゲルから形成されたリポソームがIFリポソーム
である。必ずしも必要ではないが、誘発物質はインキュ
ベーションの段階で除去されることが望ましい。この結
果、高い溶質−脂質率を有するリポソームからなる組成
物を得ることができる。
背景技術 薬物をリポソーム内に封入した形で投与することによ
り、多くの薬物の治療特性を劇的に改善することができ
る[例えば、P.N.ShekとR.F.Barber,Mod.Med,Canada,4
1,314−382,(1986)参照]。例えば、アンホテリシン
Bやドキソルビシンの投薬の場合[Lopez−Berestein
ら、J.Infect.Dis.,151,704−710,(1985)。Rahman
ら、Cancer Res.,40,1532(1980)]、毒性は低下し、
効果はそのままか、またはむしろ効果を改善することも
できる。リポソーム内に封入された薬剤から得られる利
点は偶発的なものかもしれず、封入された薬物の薬物動
態や生体内分布が変化したためと考えられるかもしれな
い(Ostroら、Amer.J.Pharm.,Vol,46 Aug 1989)。
現在、リポソームに生物活性物質を「装入する」方法
は多数存在する。例えば、リポソーム薬物搬送システム
では、薬物などの生物活性物質をリポソーム内に捕捉し
たまま、治療を受ける患者に投与される。例えば、Rahm
anら、米国特許No.3,993,754;Sears,米国特許No.4,145,
410;Papahadjopoulosら、米国特許No.4,235,871;Lenk
ら、米国特許No.4,522,803;Fountainら、米国特許No.4,
588,578を参照のこと。生物活性物質を封入するこの基
本的な方法のほかに、生物活性物質が脂肪親和性であれ
ば、脂質二重層と結合させることもできる。しかし、従
来の方法を用いて作られた製剤は、薬物−脂質率が低い
こと、スケールアップの問題、毒性溶剤の使用という問
題を抱えている。
上記の方法の他にも、「遠隔装填」として知られる賦
荷されたプロトンまたはイオン勾配に反応して、多くの
生物活性物質がリポソーム内に蓄積することが知られて
いる。〔例えば、Mayerら、Bicohim.Biophys.Acta,857,
123,(1986);Mayerら、Biochemistry,27,2053,(198
8);M.B.Ballyら,Chgem,Phys.Lipids,47,97,(1988)参
照]この装填技術により、リポソームのどのパラメータ
でも独立して変化させることができるようになった。従
来の技術に比べ、薬物−脂質率をかなり高くすることが
できる〔Mayeら、Chem.Phys.Lipids,40,333,(198
6)〕。遠隔装填のための方法と材料は、1988年12月12
日提出のBallyら、出願番号第284,751号、および1991年
1月3日提出のMayerら(TLC−133B)に開示されている
(後者は、すでに放棄された1988年3月7日提出の出願
番号第164,557号の出願の継続出願である)。遠隔装填
に関するこれらの特許出願の関連部分は、参考のために
本明細書に導入されている。
リポソームは封入された水性物質を含む完全密封され
た脂質二重層膜である。リポソームは単層ラメラ(ユニ
ラメラ、二重層膜が一重)の場合も、多層ラメラ(マル
チラメラ、タマネギ状の構造をした多数の二重層膜で、
個々の層は水様の層で仕切られている)の場合もある。
この二重層は疎水性の「尾」部と親水性の「頭」部をも
つ2つの脂質単層からできている。膜二重層内では、脂
質単層の疎水性(非極性)「尾」部は二重層の中心に向
かって並んでいるが、親水性(極性)の「頭」部は水相
に向かって並んでいる。リポソームの基本構造は、この
分野の様々な技術により作ることができる。
本発明の実施時に使用できるリポソームの一つのクラ
スは、ラメラ−溶質分布が実質的に等しいという性質を
持つものである。このクラスのリポソームは、Lenkらの
米国特許第4,522,803号では安定複層ラメラ小胞(SPLV
安定プルリラメラ小胞)と呼ばれ、Fountainらの米国特
許第4,588,578号では単相小胞と呼ばれ、その小胞が少
なくとも一つの凍結・融解サイクルを経る場合は凍結・
融解多層ラメラ小胞(凍結・融解マルチラメラ小胞FAT
MLV)と呼ばれる。この方法は、1990年の12月4日に公
表されたBallyらの米国特許第4,975,282号(名称:捕捉
効率の高い多層ラメラリポソーム)で述べられており、
参考として本明細書に導入されている。
リポソーム性カプセル化は、幅広い薬物学的物質にと
って潜在的に大きな利点があり、薬物−脂質率が高いこ
とは、リポソーム内に封入された物質の効果を実現する
のに重要である。薬物を投与するためのリポソームの使
用は、薬物のカプセル封入および治療中における薬物放
出という二つの問題を提起する。たとえば、患者に与え
る脂質負荷を最小限に押さえるため、薬物−脂質率を上
げることが引き続き必要である。
脂質の指状突起鉗合という現象は、最近になってJame
s L.SlaterとChing−Hsien Huanによりかなり詳しく研
究された(Progress Lipid Res.,27,325−359,1988)。
一般的に、この技術では、様々な誘発物質および/また
はアシル鎖長非対称象の存在に由来する様々な脂質の指
状突起鉗合が述べられている(図1A、1B参照)。しか
し、文献には、本発明のIFゲルとリポソームを生成する
ための指状突起鉗合中にリポソームを融合させる際のサ
イズへの依存性については報告がない。
発明の目的 本発明の目的は、治療法への応用など、様々な応用分
野において溶質搬送に使用できる指状突起融合ゲルとリ
ポソームを提供することである。
本発明の目的はまた、飽和脂質を含み、さらに追加的
に不飽和脂質を含むことができ、有効濃度の生物活性物
質を含む、ヒトを含む哺乳類に局所または経口投与する
組成物内に組み込むための、指状突起融合ゲルを提供す
ることである。
本発明のいま一つの目的はまた、高い濃度の生物活性
物質を蓄積する指状突起融合リポソームおよびゲルを生
成する方法を提供することである。
本発明はまた、溶質−脂質率が高い指状突起融合リポ
ソームおよびゲルを用いて動物、特にヒトを含む哺乳類
の治療のための治療法を提供することを目的とするもの
である。
本発明はまた、本発明の指状突起融合ゲルとリポソー
ムに基づく薬物組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、指状突起鉗合ゲルと本発明の指状突起
融合リポソームを生成する方法を提供することを目的と
する。
本発明は、また、生物活性物質を捕捉するための新し
い方法を提供することを目的とする。
本発明のこれらの目的およびその他の目的は、以下に
述べる本発明の詳細な説明によりさらに明らかとなる。
発明の要旨 本発明は、溶質を含むことができる指状突起−融合
(IF)リポソームおよびゲルに関するものである。これ
らのリポソームおよびゲルは生物活性物質を含有する高
い溶質−脂質率を獲得することができる。これらのIFゲ
ルおよびリポソームは、化粧品、製薬、農業など、多く
の分野に応用できる。生物活性物質と組み合わせること
により、これらのリポソームおよびゲルは植物や動物、
特にヒトを含む哺乳類に局所的または全身的に投与する
こともできる。上記の応用のほか、本発明のIFゲルとリ
ポソームは樹脂技術、特に塗料技術と組み合わせると有
用である。
本発明の組成は、一定の大きさ、望ましくは直径約0.
4ミクロン以下、さらに望ましくは直径約0.05ミクロン
以下、最も望ましくは直径約0.025ミクロンのリポソー
ムと、例えば生物活性物質などの溶質と、IFゲルを生成
するためのリポソームを融合するのに効果的な指状突起
鉗合誘発物質から構成される。最初のリポソームはFAT
MLVでも代替できる。IFリポソームは本発明のIFゲルか
ら生成できる。本発明のIFリポソームおよびゲルにおい
て、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DP
PC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、
ジ−O−ヘキサデシルホスファチジルコリン、ジステア
ロイルホスファチジルコリンなどの飽和脂質や、トラン
スジエライドイルホスファチジルコリン、ジパルミテラ
イドイル−ホスファチジルコリンなど、トランス配置内
に脂質内のアシル側鎖内に不飽和の炭素−炭素二重結合
がある脂質、またはパルミトイルオレオイルホスファチ
ジルコリン(POPC)、または1−ステアロイル−2−オ
レオイルホスファチジルコリン(SOPO)のような混合脂
肪酸脂質、その他の不飽和脂質も使用することができ
る。
一部の実施態様では、不飽和脂質は本発明の飽和脂質
と組み合わせて用いることもできる。一般に、不飽和脂
質としてDOPCを用いた場合、不飽和脂質の50モルパーセ
ント以下の割合で飽和脂質DPPCを用いるのが望ましい。
生物活性物質含有の有無にかかわらず、望ましくは誘
発物質の下で一定の大きさのリポソームが融合される時
に生成される指状突起融合ゲルは、それ以上加工せずに
使用できる。または、例えば、このゲルは、必ずしも脂
質遷移温度(Tm)以上の温度に温めることは必要でない
が、この混合物の物質特性の変化を引き起こす温度で混
合物をインキュベートし、それにより本発明のIFゲルか
らIFリポソームを形成させ、そこに含まれる指状突起鉗
合誘発物質を望ましくは除去し、さらに加工してIFリポ
ソームを生成することができる。
本発明のIFリポソームは生物活性物質を含有する高い
溶質−脂質率を獲得するために使用することができる。
これらのIFリポソームはこれ以上の加工をせずに使用で
きるが、大きさが様々なおよび/または均質なリポソー
ムを生成するために、この分野で利用可能な技術と方法
を用いてさらに大きさを整えることもでき、それについ
ては以下に述べる。
本発明のIFリポソームを生成するため、本発明の指状
突起鉗合誘発物質として望ましいものは、本発明のIFゲ
ルから除去しやすいように、1〜4個の炭素原子を持つ
短鎖アルコール、望ましくはエタノールである。しか
し、本発明の実施態様では、一定の大きさにしたリポソ
ームから融合IFゲルを生成するものであれば、どのよう
な誘発物質を用いてもよい。
本発明に使用できる典型的な誘発物質としては、グリ
セロール、エチレングリコールなどのポリオール、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノールなどの短鎖アルコール、クロルプロ
マジン、テトラカイン、フェニルエタノール、ベンジル
アルコール、フェニルブタノールなどの麻酔薬、その他
ポリミキシン、ミエリン塩基性たんぱく質、コリン、ア
セチルコリン、トリス緩衝液やチオシアン酸塩などのカ
オトロピック塩(chaotropic salts)が挙げられる。し
かし、除去しやすいこと、薬学的適合性の点から、エタ
ノールが望ましい。本発明に使用される誘発物質の量
は、一定の大きさのリポソームから効果的にIFゲルを生
成できる量である。本発明のある種の実施態様では、本
発明のIFゲルとリポソームを生成するのに用いられる飽
和脂質が自己誘発物質である場合、つまり誘発物質を加
えなくても飽和脂質が本発明のIFゲルとリポソームを生
成する場合があるということに注目すべきである。本発
明のこの点に関して例を挙げると、特に、ジ−0−ヘキ
サデシル−ホスファチジルコリン(DHPC)の使用がこれ
にあたる。また、生物活性物質となりうる溶質も、それ
自身が誘発物質になることもある。
本発明のIFリポソームおよびゲルは、ビタミン、ホル
モン物質、代謝拮抗物質、抗菌物質、抗真菌性物質、局
部麻酔薬、気管拡張薬、ベータ−アドレナリン遮断薬、
抗高血圧薬、抗うつ薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗マ
ラリア薬、鎮痛薬、抗生物質、免疫原性物質(イムノゲ
ン)、免疫モジュレータ、抗原、栄養素、たんぱく質、
ペプチド、ヌクレオシド、オリゴおよびポリヌクレオチ
ド、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、RNA
とDNAの誘導体、抗腫瘍薬、抗ヒスタミン薬、鎮静薬や
催眠薬などの神経薬理学的物質、ステロイド系や非ステ
ロイド系の抗炎症薬、利尿薬、抗不整脈薬、血管拡張
薬、放射線造影剤、核磁気共鳴(NMR)造影剤、抗ウィ
ルス薬など、ほとんどすべての溶質を含むことができ
る。本発明に使用する生物活性物質としてはさらに、た
んぱく質、脂肪酸、炭水化物などの栄養素が挙げられ
る。本発明の望ましい実施例では、放射線造影剤、(NM
R)造影剤、ペプチド、セファロスポリンなどある種の
抗生物質が本発明に用いられる。本発明で用いられる典
型的な放射線造影剤としては、例えば、イオヘキソル、
イオパミドル、イオキソグレート、イオトロラン、イオ
ベルソル、イオタラム酸塩、イオジミド、イオジパミ
ド、イオペントール、イオジキサノール、メトリザミ
ド、これらの混合物および薬物学的に許容し得るこれら
の塩類が挙げられる。生物活性物質は天然でも合成で
も、半合成抗菌物質でもよい。典型的な抗菌物質として
は、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイシンなど
のアミノグリコシドが挙げられる。本発明の望ましい組
成物では、IFゲルおよび/またはリポソームは、高い濃
度の生物活性物質を含んでいる。一般的に、本発明のIF
ゲルとリポソームの生物活性物質/脂質の重量比は、約
1:10から約15:1とかなり高いものである。もちろん、こ
の重量比は典型的な比にすぎず、場合によっては薬物/
脂質重量比をこれ以上または以下にしなくてはならない
こともある。
本発明の一部の実施態様では、溶質や生物活性物質が
誘発物質として機能する場合がある。このような場合
は、本発明の他の実施態様のように、誘発物質/生物活
性物質を除去する必要はない。
本発明の使用に適した生物活性物質は、局所的または
全身的に投与された場合に本発明のリポソームやゲル内
で生物活性を示すものである。本発明のIFゲルには、局
所的または経口搬送が望ましい多数の生物活性物質を封
入することができる。この同じ物質は、局所的投与の場
合、本発明のIFリポソームに封入することができる。
本発明はまた、様々な濃度の生物活性物質を含むIFリ
ポソームおよびゲルを生成する方法に関するものであ
る。本発明の方法では、音波処理、押出し、ホモジナイ
ザー処理またはその他の方法で形成された、一定の大き
さ、望ましくは直径約0.4ミクロン未満、さらに望まし
くは直径約0.05ミクロン未満、最も望ましくは直径約0.
025ミクロンの、リポソームまたはFAT MLVを、エタノー
ルなど適当な誘発物質の存在の下で融合する。本発明の
ゲルとリポソーム内で使用された生物活性物質と脂質の
相互作用に応じて、この物質は、誘発物質を加える前や
加えた後に加える。誘発物質を加えると、本発明のIFゲ
ルになる。生物活性物質を含むゲルは患者に投与するこ
ともできるし、本発明のIFリポソームに転換することも
できる。
本発明のIFリポソームを生成するには、必ずしも必要
ではないが通常は、使用される脂質の遷移温度より高い
温度にIFゲルを保ち、誘発物質を除去する。本発明の方
法に必要な温度は、本発明のIFゲルとIFリポソームの混
合物を形成する脂質、溶質、誘発物質の混合物の物質特
性を変化させる温度である。この結果、生物活性物質を
高い濃度で含むIFリポソームからなる組成物が生成され
る。
この方法で生成されるIFリポソームの大きさは、一般
的に約100ミクロンから約0.025ミクロンの間で、望まし
くは約20umから約0.025umで、生物活性物質を高い濃度
で含むことができる。これらのIFリポソームは、この分
野の利用可能な技術を用いてさらに小さなサイズにする
こともできる。
図面の簡単な説明 図1A、は二重層で可能なアシル鎖の異なる並び方を図
式的に表したものである。Aは、対称性飽和リン脂質C
(16):C(16)ホスファチジルコリンを含むリン脂質か
らなり、指状突起鉗合していない二重層を示す。Bは非
対称性飽和リン脂質C(16):C(10)ホスファチジルコ
リンからなる、一部が指状突起鉗合した二重層を示す。
CはC(16):C(10)ホスファチジルコリンからなる、
混合指状突起鉗合二重層を示す。Dは有効量の誘発物質
と結合したC(16):C(16)ホスファチジルコリンから
なる完全に指状突起鉗合した二重層を示す。
図1Bは、飽和リン脂質の指状突起鉗合に対する温度と
誘発物質(エタノール)の効果を図式的に表したもので
ある。
図2は、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPP
C)リポソームの指状突起鉗合を、リポソームの大きさ
とエタノールの濃度の関数として表したものである。指
状突起鉗合はジフェニルヘキサトリエン(DPH)の蛍光
強度により決定した。DPHは、脂質二重層に組み入れら
れた時蛍光が最大になる。指状突起鉗合の結果、DPHの
方向が変化し、同時に蛍光も減少する。Foはエタノール
が存在しない場合のDPH蛍光。Fはエタノールが存在す
る場合のDPH蛍光。励起は351nm。発光は380−580nmで検
出され、重量測定により定量した。
図3は、リポソームのマーカー母集団内に一緒に組入
れられたNBD−PEとローダミン−PEとの間の共鳴エネル
ギー伝達(RET)により判定された、大きさとエタノー
ル濃度の関数としてDPPCリポソームの脂質混合を表した
ものである。
図4Aは、14Cスクロースのカプセル封入パーセンテー
ジをエタノール濃度の関数として表したものである。図
4Bは、DPPC IFリポソームの内部容積をエタノール濃度
増加の関数として表したものである。黒丸は14Cスクロ
ースのカプセル封入パーセンテージにより決定された内
部容積、白丸はCAT 1 EPR測定値を示す。図4Cは、1.0M
の濃度におけるIFリポソーム形成失敗の結果(うまく遠
心分離されなかったSUVが残ったため)として回収され
たDPPCのパーセンテージを表している。
図5は様々な脂質から形成されたIFリポソームの内部
容積を14Cスクロース(無地棒グラフ)、TEMPONE EPR
(斜線部)、CAT 1 EPR法(網かけ部)を用いて示した
ものである。
図6は、DPPCIFリポソームの内部容積を、エタノール
を加える前のリポソームの初期サイズの関数として表し
たものである。これらのリポソームの内部容積は、14C
スクロースのカプセル封入(無地棒グラフ)、CAT 1 EP
R法(斜線部)、TEMPONE EPR法(網かけ部)により計算
した。
図7はDPPGのDPPG−DPPC IFリポソームへの組込みを
表したものである。IFリポソームの内部容積は、図7Aで
DPPGの分画モルの関数として表されている(白丸は14C
スクロースのカプセル封入により測定した容積、黒丸は
拡張作用物質TEMPONE EPR技術により測定した容積)。
図7Bは、Piの回収パーセント(黒丸)と14C標識のスク
ロース(白丸)をDPPGの関数として表したものである。
図8は、内部容積とカプセル封入をDPPCの初期濃度の
関数として表したもので、図8AではDPPCの初期脂質濃度
とともにスクロースのカプセル封入パーセンテージも上
昇することを示している。図8Bは、14Cスクロース法
(黒丸)およびEPR法(白丸)で測定したDPPCIFリポソ
ームの内部容積を表す。
図9は、脂質が(A)10mg/mlの場合と(B)20mg/ml
の場合におけるIFリポソームのMalvern粒子サイズの分
布を表したものである。
図10は、DPPC IFリポソームの形成に与えるコレステ
ロールの影響を表したものである。図10Aは、IFリポソ
ームの「最終的な」コレステロール濃度(丸)とカプセ
ル封入された14Cスクロースの最終的なパーセンテージ
(四角)を、エタノールを加える前のリポソームのコレ
ステロール初期パーセントの関数として表したものであ
る。図10Bは、DPPC−コレステロールIFリポソームの内
部容積の減少を、コレステロール濃度の関数として表し
たものである(白丸は14Cスクロースカプセル封入法、
白三角はCAT 1 EPR法、黒丸はTEMPONEN EPR法)。
図11は、IFリポソームの形成に与えるジオレオイルホ
スファチジルコリン(DOPC)、(不飽和脂質)の影響を
グラフで表したものである。図11Aは、様々な量のDOPC
を含むIFリポソームの内部容積を、14Cスクロースカプ
セル封入法(白四角)とTEMPONE EPR法(黒四角)によ
り測定したものである。図11Bは、様々な量のDOPCを含
むIFリポソーム形成後の脂質回収率を示したものであ
る。
図12は、DPRCのTm以上および以下の温度における脂質
インキュベーション時間(5、30、60、120分)と、イ
ンキュベーションの方法〔室温(RT)または50℃〕が、
その結果形成されるIFリポソームの内部容積に与える影
響をヒストグラムで表したものである。この場合、特に
断らないかぎり、室温(RM temp)は25℃を指す。
発明の詳細な説明 本発明の説明を理解しやすように、以下に用語の定義
を述べる。
この明細書で用いられる「指状突起鉗合」および「指
状突起鉗合した」という用語は、二重層内の一つの脂質
のアシル鎖部分が、脂質二重層内の別の層に互いに貫通
しあっている脂質二重層を表す。指状突起鉗合という用
語は、完全指状突起鉗合、混合指状突起鉗合、部分指状
突起鉗合を含む。図1Aの(D)に示したように、完全指
状突起鉗合リポソームには、脂質のアシル鎖が、脂質二
重層の幅の全部または一部を貫通している指状突起鉗合
リポソームが含まれる。混合指状突起鉗合リポソームに
は、図1Aの(C)で示したように、非対称性リン脂質の
アシル鎖、一般には長い方のアシル鎖が、二重層の長さ
いっぱいに伸びているのに対し、短い方の鎖は、図1Aの
(C)に示すように二重層の中央面で末端どうしが向き
合っているような指状突起鉗合リポソームが含まれる。
混合指状突起鉗合リポソームのもう一つの例は、リポソ
ームの部分が完全または一部指状突起鉗合しており、か
つ指状突起鉗合していない部分も共存しているリポソー
ムである。部分指状突起鉗合リポソームには、図1Aの
(B)に示したように、非対称性リン脂質のアシル鎖が
対になっていて、一つの二重層の長い方のアシル鎖がも
う一つの二重層の短い方のアシル鎖と対になるような、
指状突起鉗合リポソームが含まれる。
この明細書で用いられる「誘発物質」とは、リポソー
ムの脂質二重層水相の境界部分に位置する限られた大き
さの両親媒性の分子で、本発明の指状突起融合ゲル(場
合によっては液体である)を生成する分子を表す。この
語はまた、「自己誘発物質」として作用する生物活性物
質などの脂質および/または溶質も指す。静水圧もまた
「誘発要因」である。
この明細書で用いられる「指状突起融合ゲル」(IFゲ
ル)とは、一定の大きさにしたリポソームを融合するの
に充分な量の誘発物質と化合した時にできる生成物を表
す。このようにしてできた脂質シートは本発明の目的と
する融合ゲルであり、この生成物の粘性は様々で、液
体、ゲル、または固体に近い非常に高い粘性を持つ場合
もある。
この明細書で用いられる「指状突起融合リポソーム」
(IFリポソーム)とは、必ずしもではないが通常はリポ
ソーム遷移温度(Tm)以上の温度で、またIFリポソーム
を生成する温度でインキュベートしたIFゲルからできた
リポソームを表す。誘発物質は、必ずしもではないが付
随的に、IFゲルから除去する。リポソームに自己誘発性
脂質が含まれる場合、または溶質が誘発物質であるよう
な一部の実施態様では、誘発物質は除去されない。IFリ
ポソームには、生物活性物質:脂質比が約1:10から15:1
であるような生物活性物質などの溶質が高い濃度で含ま
れている。
この明細書で用いられる「溶質」とは、本発明のIFゲ
ルやリポソームに捕捉された緩衝剤や溶媒を含めた化学
物質を示す。溶質には、緩衝剤、塩類、毒物、微生物や
細菌、農薬、殺虫剤、除草剤、殺菌剤、乳化剤、化粧
品、単細胞生物や、とくに生物活性物質などの多数の化
学物質が含まれる。
この明細書で用いられる「生物活性物質」とは、植物
や、特にヒトを含む、哺乳類などの動物など、生体に投
与したときに生物学的活性を示す化学物質などの物質を
表す。生物活性物質には、薬物、栄養素、および上記と
下記に示された物質が含まれる。
この明細書で用いられる「飽和脂質」という語は、本
発明の指状突起融合ゲルとリポソームを生成するために
使われる脂質を表す。飽和脂質には、飽和した、つまり
二重結合を含まない、対称性および/または非対称性の
アシル側鎖、トランス配置内に不飽和の炭素−炭素二重
結合がある不飽和側鎖を有する脂質、およびシス配置内
に不飽和の炭素−炭素二重結合や、例えばSOPCやPOPCな
どの混合脂肪酸脂質がある不飽和側鎖を持つある種の脂
質が含まれるが、これに限定されるものではない。
この明細書で用いられる「指状突起融合脂質を含む組
成物」という語は、本発明のIFゲルとリポソームを表
す。
本発明は、一定の大きさ、望ましくは直径約0.4ミク
ロン未満、さらに望ましくは直径約0.05ミクロン未満、
最も望ましくは直径約0.025ミクロンのリポソームと、
溶質と組合せてリポソームを融合するのに有効な量の誘
発物質から構成される脂質に関するものである。最初の
リポソームはFAT MLVでもよい。一部の実施態様には、
溶質が生物活性物質である場合もある。本発明の組成物
は、例えば、生物活性物質:脂質の比率が約1:10から1
5:1と、高い濃度の生物活性物質を含むことができる。
本発明では、本発明のIFゲルとリポソームを生成す
る、一定の大きさにしたリポソームは、両性イオン性、
陽イオン性、陰イオン性の脂質、12〜35の炭素原子を有
する脂肪アシル鎖からなるリン脂質で、そこに飽和(di
saturatedおよび部分飽和した)および不飽和で、極性
または非極性の脂質とリン脂質を含むものから形成され
るのが望ましい。
例えば、本発明の飽和脂質には、ジミリストイルホス
ファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリ
ン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリスト
イルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチ
ジルセリン、ジステアロイルホスファチジルセリン、ジ
ミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパル
ミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロ
イルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイル
リン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジパルミト
イルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジル
イノシトール、ジステアロイルホスファチジルイノシト
ール、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール、水
素化大豆ホスファチジルコリン、水素化大豆レシチン、
ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジ−O−
ヘキサデシルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホ
スファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチ
ジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリ
セロールが特に挙げられるが、これに限定されるもので
はない。
その他の飽和脂質には、飽和した、つまり二重結合を
含まない、対称性および/または非対称性のアシル側
鎖、脂質トランス配置内に不飽和の炭素−炭素二重結合
がある不飽和側鎖を持つ脂質、およびシス配置内に不飽
和の炭素−炭素二重結合や、例えばSOPCやPOPCなどの混
合脂肪酸脂質がある不飽和側鎖を持つある種の脂質が挙
げられるがこれらに限定されるものではない。
飽和対称性脂質に含まれるその他の脂質には、例えば
特に、単独でまたは化合した、ホスファチジルコリン
(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホス
ファチジルセリン(PS)、ホスファチジルグリセロール
(PG)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノ
シトール(PI)、スフィンゴミエリン(SPM)、カルジ
オリピンなど混合鎖組成物を含む合成または天然のリン
脂質など、例えば、脂質を形成するその他のリポソーム
が挙げられる。
上記の脂質のほかに、例えば、n−オクタデシル−2
−メチルホスファチジルコリン、n−オクタデシルホス
ファチジルコリン、1−ラウリルプロパンジオール−3
−ホスホコリン、エリスロ−N−リグノセロイルスフィ
ンゴホスファチジルコリン、コレステロール、およびそ
の水溶性誘導体、例えばヘミコハク酸コレステロールと
アルファトコフェロール、およびその水溶性誘導体、例
えばヘミコハク酸トコフェロール、ガングリオシド、グ
リコリピド、グリコスフィンゴリピドなど、様々なリゾ
脂質を含む脂質も本発明の組成物に含まれる。当業者に
は、本発明による組成物を生成するための本出願の開示
の範囲内で、本発明の組成物に含まれる脂質には様々な
量と種類があることが理解できると考えられる。
本発明の組成物では、少なくとも一つの飽和脂質をか
なりの量含んでいる一定の大きさのリポソームは、誘発
物質を加えることにより指状突起融合する。一般に一つ
の飽和リン脂質を含む本発明の一定の大きさのリポソー
ムは、有効量の指状突起鉗合誘発物質と化合させること
により、完全、一部または混合指状突起鉗合する。理論
的に限定されることはないが、誘発物質には、ヘッドグ
ループ会合性水分子の一部の置換を起こし、一般に、ヘ
ッドグループの表面積を増加させる機能があると考えら
れている。選ばれた脂質が誘発物質の存在の下で完全な
指状突起鉗合をするのが望ましいが、本発明の範囲に
は、完全指状突起鉗合でない、つまり混合または部分指
状突起鉗合の脂質も含まれている。本発明に用いられる
典型的な指状突起鉗合誘発物質としては、たとえば、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノールなどの短鎖アルコール、グリセロー
ルやエチレングリコールなどのポリオール、クロルプロ
マジン、テトラカイン、フェニルエタノール、ベンジル
アルコール、フェニルブタノールなどの麻酔薬、前述の
物質のほか、とくに、トリスのような緩衝液や、チオシ
アン酸塩SCN−などのカオトロピック塩類も挙げられ
る。
場合によっては、本発明のIFゲルやリポソーム形成に
使用させる飽和脂質が自己誘発物質の場合もある。つま
り、これらの脂質は、溶質の存在の下で様々な温度で脂
質を混合することにより、化学的な誘発物質(例えばDH
PC)を加える必要なしに、指状突起鉗合させてIFゲルと
リポソームを形成する。また、非常な高圧を加えて、誘
発物質を含む必要なしに、指状突起鉗合を起こせる場合
もある。
一般に、本発明の組成物には、一定の大きさにしたリ
ポソームの融合に効果的な量の誘発物質が含まれてい
る。リポソーム融合を起こすために用いられる誘発物質
の量と種類は、使用するリポソームの種類の関数として
変化する。しかし、一般に、使用される誘発物質の量
は、一定の大きさにしたリポソーム、誘発物質、および
溶質の組合せを含有する溶液の総重量の約1.0−50%で
ある。通常の当業者は、本発明の指状突起鉗合ゲルとリ
ポソームを生成するには、技術および本出願の開示の範
囲内で誘発物質には様々な濃度が考えられることが理解
できると思われる。
理論的に限定されることはないが、一定の大きさにし
たリポソームは、小さな曲率半径により二重層に加えら
れた歪を解くため、ある濃度の誘発物質で脂質シート
(ゲル)に融合すると考えられている(例えば、図3参
照)。その結果、生成された指状突起融合ゲルは高濃度
の溶質を捕捉することができる。これには、他の方法で
はリポソームに高い溶質−脂質率で捕捉することができ
ない物質のカプセル封入も含まれる。本発明の方法で
は、IFゲルが、必ずしもではないが通常はそのLベータ
I−Lアルファ遷移温度(Tm)より高い温度で、また
は、IFリポソームが形成されるような混合物の物質特性
を変化させるような温度で、望ましくは(しかし必須で
はない)誘発物質を除去して、捕捉体積の大きいリポソ
ームを生成する。このリポソームの大きさは、溶質、リ
ポソーム、誘発物質の関数として変化するが、一般に
は、約100umから、さらに望ましくは20ミクロンから約
0.025ミクロンの範囲にある。
理論的に限定されることはないが、指状突起融合は、
脂質二重層をリポソーム形成中の摂動の影響から守る働
きがあり、通常なら膜と相互作用して捕捉が難しい物質
を捕捉するのに使用できると考えられている。例えば、
本発明の指状突起融合リポソームは、膜と相互作用する
傾向があるため高い濃度で捕捉するのが非常に難しいア
ミノグリコシドを高い濃度で捕捉するのに使用されてき
た。IFリポソームは、ゲンタマイシンを薬物/脂質率約
1:2(w:w)で捕捉できるが、典型的な処理をした小さな
多層ラメラリポソーム(SPLV)は、薬物/脂質率的1:10
(w:w)でゲンタマイシンを捕捉する。
本発明の指状突起融合ゲルとリポソームの生成には、
一定の大きさ、直径約0.4ミクロン以下、さらに望まし
くは直径約0.05ミクロン以下、最も望ましくは直径0.02
5ミクロン未満のリポソームをまずつくることが含まれ
る。FAT MLVを使用することもあり、場合によってはこ
れより大きいリポソームを使用することもある。すでに
利用可能な技術、および以下に詳細に記す方法を用い
て、一定の大きさのリポソームを生成することができ
る。典型的には、リポソームはまず、例えばクロロホル
ムなどの有機溶媒内で脂質溶液を真空乾燥により、丸底
の、またはその他の適当なフラスコや容器内で薄い膜状
にし、この脂質膜を例えば水性緩衝液や食塩水などの水
性溶剤で水和して行う。または、リポソームは、乾燥脂
質粉と、望ましくは例えば食塩水や水性緩衝剤などの水
性溶剤の混和物から形成することもできる。
次に、音波処理、押出し、ホモジナイザー処理などの
既に知られた技術、および以下に説明する方法によりリ
ポソームを一定の大きさにする。リポソームが一定の大
きさになったら、溶質、望ましくはカプセル封入される
生物活性物質をこの水性溶剤に混合するのが普通であ
る。溶質がリポソームと相互作用をするか否かにより、
溶質を捕捉するには一般的に2つのアプローチ法があ
る。溶質がリポソームと相互作用をしない場合は、指状
突起鉗合させる一定の大きさのリポソームを形成した後
に水様溶剤または水性/緩衝溶剤と溶質を混合する。リ
ポソームと相互作用する溶質の場合は、指状突起融合ゲ
ルが形成されてから溶質を水性溶剤に混合するのが一般
的である。
もちろん、当業者には、本発明のIFゲルとリポソーム
の個々の組成物が加えられる順番には様々な変化が考え
られ、捕捉する溶質の種類や使用する飽和脂質の種類に
より異なることが理解されると思われる。
本発明の溶質をカプセル封入するために使用される脂
質の最終的な濃度は、希望の溶質の種類や使用する脂質
の種類の濃度の関数として変化するが、一般的には、水
性溶剤内の薬物と脂質の重量比の範囲は約50:1−1:100
であり、最終的な脂質の濃度の範囲は約5−100mMであ
る。本発明の指状突起融合ゲルとリポソーム内の薬物と
脂質の最終的な重量比の範囲は、約1:10−15:1である。
一定の大きさのリポソームが形成されたら、水性溶剤
に誘発物質を加える。加えられる誘発物質の量は、一般
に(脂質、溶質、誘発物質を合わせた重量の)約1.0重
量%から約50重量%の範囲で変化する。誘発物質として
エタノールを使用する場合、含まれるエタノールの量
は、一般に約5重量%(1.0M)から約20重量%(4.0M)
であり、グリセロールの場合は、使用される誘発物質の
量は約90−100重量%にもなる。その他の誘発物質が含
まれる量は異なる。エタノールの場合、最終的なエタノ
ール濃度は、約0.50−10.0Molarの範囲に低下し、約1.7
5−4.0Molarの範囲が望ましい。
効果的な量の誘発物質の存在により、一定の大きさに
したリポソームは融合し、その結果脂質の融合シートが
できる。この方法で生成されたIFゲルは、例えば、柔ら
かいゼラチン内にカプセル封入した製剤やその他の経口
投与剤として、局所的にまたは経口投与することができ
る。また、このゲルをさらに加工して本発明のIFリポソ
ームを生成することもできる。
本発明のIFリポソームを生成するため、この混合物は
ゲル形成に充分な時間、ある温度でインキュベートす
る。典型的には、この時間は約1分から約1時間の範囲
内にある。その後、必ずしもではないが通常は、温度を
脂質のTm以上まで上げ、約1分から約1時間そのままに
する。必要なインキュベーション温度は、混合物のTmで
あるが、与えられた脂質、溶質または誘発物質の混合物
の温度は、混合物の物質特性を変化させ、それにより本
発明のIFリポソームが生成されるような温度である。こ
のインキュベーション温度を保ちながら、蒸発(特に誘
発物質がアルコールの場合)や、正圧窒素(例えば混合
物内に、一般的にはN2を気泡導入する)や、希釈により
誘発物質を除去する。これにより、大きさの範囲が一般
的に約0.025−100um、望ましくは0.025−20ミクロンの
範囲にあるIFリポソームが生成される。必要であればカ
プセル封入されなかった薬物を溶剤から除去することも
できる。上記の方法で生成されたIFリポソームは、大き
さの様々な、または大きさが均質なリポソームを生成す
るためにさらに小さくすることができる。
押出し法の他にも、音波処理やホモジナイザー処理に
より、IFゲルやリポソーム法用の初期リポソーム(誘発
物質を加える前)や結果としてできるIFリポソームのサ
イズを小さくすることができる。音波処理では、音波エ
ネルギーを用いて大きなリポソームを粉砕または切断
し、自然に小さなリポソームに再形成させる。例えば、
Chapmanら、BBA,163,255(1968)を参照。音波処理は、
リポソーム懸濁液を含むガラス管を槽型音波処理器でつ
くられた音波中心点に浸して行う。または、リポソーム
懸濁液を直接接続したチタンプローブの振動により音波
エネルギーを発生するプローブ型音波処理器を用いるこ
ともできる。
ホモジナイザー処理では、大きなリポソームを破壊し
て小さなリポソームにする切断力は、例えば、Polytron
(Brinkman Instruments Co.,Westbury,New York,USA)
などの回転ステータ型装置や、マイクロフリュイダイザ
ー(Microfluidics Corp.,Newton,MA,USA)などのステ
ータ−ステータ型装置や、その他細胞を破壊するために
一般に使用されている装置により得ることができる。上
記の方法はすべてIFリポソームの破壊を包含するため、
IFリポソームをこのような方法で処理すると捕捉された
溶質は失われる。しかし、リポソームのサイズ縮小作業
前にリポソーム懸濁液から捕捉されていない溶質を取り
除かないでおけば、この損失を最小にすることができ
る。
指状突起融合させるリポソームのサイズを小さくした
り、処理完了後に一定の大きさのリポソームを生成する
には他にも多くの方法がある。その方法としては、逆相
蒸発、融合処理、ホモジナイザー処理、音波処理、マイ
クロフリュイダイゼーション、溶剤希釈、およびこれら
の方法の組合せがあげられる。リポソーム生成のための
これらの方法のうちのいくつかやその他の方法について
は、Liposomes,Marc J.Ostro,edl,Marcel Dekker,Incl,
New York,1983の第一章に見ることができ、その関係部
分はここでも参考のために記載されている。一定の大き
さのリポソームはまた、押出し処理によっても生成でき
る。
押出し処理では、一定の大きさのリポソームを生成す
るために、リポソームは、一般的には約30nmから約1μ
mの大きさの孔を持つフィルターを通過させ、直径約30
nmから約1μmのリポソームを生成する。リポソームが
押出されるフィルターの孔の大きさは、約100nm−約1
ミクロンであるのが望ましい。一般的にフィルターはポ
リカーボネート製であるが、フィルターは、リポソーム
と相互作用せず、充分な圧力の下で押出しをするのに充
分に強力な耐久性のある物質であれば何でもよい。一般
的に、本発明の望ましい押出し処理における高圧に耐え
られるよう、フィルターは「直通」フィルターが望まし
い。また、「湾曲道」フィルターも使用できる。本発明
の望ましい実施態様においては、指状突起融合前のリポ
ソームを50−100nmのポリカーボネートフィルターを通
して押出し、直径50−100nmのリポソームを生成する。
指状突起融合させるリポソームの大きさを一定にする
ため、利用可能な押出し処理技術を使用することができ
る。押出し処理は、高圧の下で継続してまたは一回行わ
れる。本発明で使用するのに特に望ましい押出し処理
は、1986年1月16日に公開されたCullisらのPCT出願PCT
/US85/01161、公開番号WO 86/00238、名称「リポソーム
生成のための押出し技術」に説明されており、ここでも
参考のために導入されている。
本発明のリポソームを、融合前または後に一定の大き
さにするその他の方法としては、1990年10月5日受理の
共通に譲渡された共係属米国特許出願、名称「リポソー
ム押出し処理」、米国出願第593,200号で開示された、
枝分かれした孔の型の酸化アルミニウム多孔フィルター
を通してリポソームを押出す方法による、例えば、Anot
ec(登録商標)フィルターなど非対称フィルターを用い
たろ過法があげられ、関連部分はここでも参考のために
記載した。
または、リポソームは、ホモジナイザー処理法や、例
えばGifford Woodコロイドミルなどのコロイドミルを用
いて一定の大きさにすることもできる。リポソームは、
適当な大きさと均質性が得られるまで一回またはそれ以
上ミルにかけ、Nicomp Particle整粒器やMalvern Parti
cle整粒器を用いてサイズ分布の分析を行う。または、
上で述べたように、リポソームを同様にホモジネートす
るミクロフリュイダイザー装置にかけてもよい。
必要であれば、できあがったリポソームは、接線流フ
ィルター処理など、既知の分割技術を用いて、いくつか
の母集団に分割することもできる。このように、大きさ
によってリポソームを分類する処理については、1988年
1月28日受理の、共通に譲渡された共係属米国特許出
願、名称「サイズによる粒子の分類法」、出願番号第22
5,327号に開示されており、関連部分はここでも参考の
ために記載した。
この処理では、大きさの異なるリポソームの母集団を
一つまたはそれ以上の接線流フィルターを通すことによ
り、サイズの上限および/または下限を持つサイズ分布
ができる。例えば、サイズの異なる2つのフィルターを
用いた場合、例えば、孔のサイズが5umの第一フィルタ
ーを通過し5.0um未満のリポソームはろ液の中に入り、
次に、孔のサイズがさらに小さい第二フィルター、例え
ば孔のサイズが2.0umのフィルターを通過する。この場
合、残留物は、サイズ上限が5.0と2.0umと異なる。サイ
ズ分布が一様なリポソームを含んでいる。フィルターの
孔の大きさを変えると、サイズ上限および下限が異なる
母集団が得られる。
誘発物質の存在の下で指状突起融合されるリポソーム
の大きさは、望ましくは直径約0.4ミクロン以下、さら
に望ましくは直径約0.05ミクロン以下、最も望ましくは
直径0.025ミクロン以下である。または、本発明の一定
の大きさにした初期リポソームはFAT MLVでもよい。本
発明の一般的な方法により生成されたIFリポソームの大
きさは、一般的に約100umから、さらに望ましくは約20
ミクロンから約0.025ミクロンの範囲にあり、一般的に
は約2−20ミクロンの範囲にある。このようにしてでき
たIFリポソームは、上記音波処理、ホモジナイザー処
理、押出し技術により様々な大きさのリポソームを生成
するためにさらにサイズを縮小させることができる。し
かし、この本発明のIFリポソームのサイズを縮小するこ
とができるが、サイズ縮小を行うと、しばしばリポソー
ムから生物活性物質が失われることを注意しなくてはな
らない。したがって、例えば、前述の押出し処理やその
他音波処理やホモジナイザー処理など、生成するリポソ
ームのサイズを変える処理によりさらにサイズ縮小を行
うIFリポソームがカプセル封入する生物活性物質の濃度
は低い可能性がある。
本発明で使用される生物活性物質としては、特に、ビ
タミン、ホルモン物質、代謝拮抗物質、抗菌物質、抗真
菌性物質、抗生物質、たんぱく質、ペプチド、リボ核
酸、デオキシリボ核酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、
オリゴヌクレオチド、抗ヒスタミン薬、鎮静薬や催眠薬
などの神経薬理学的物質、ステロイドや非ステロイド系
の抗炎症薬、利尿剤、抗高血圧薬、抗不整脈薬、イムノ
ゲン、免疫モジュレータ、避妊薬、放射線造影剤、核酸
気共鳴(NMR)造影剤、抗ウィルス薬、血管拡張薬があ
げられる。本発明の望ましい実施態様においては、放射
線造影剤、NMR造影剤、ペプチド、自然の、合成または
半合成のセファロスポリン、アミノグリコシドなどある
種の抗菌物質が本発明に用いられる。本発明で用いられ
る典型的な放射線造影剤としては、例えば、イオヘクソ
ル、イオパミドール、イオクソグレート、イオトロラ
ン、イオベルソン、イオタラム酸塩、ヨウ化物、イオジ
パミド、イオプロミド、イオペントール、イオジキサノ
ール、メトリザミド、これらの混合物および薬物学的に
受容可能なこれらの塩類が挙げられる。典型的な抗菌物
質としては、ゲンタマイシン、アミカシン、トブラマイ
シンなどのアミノグリコシドが挙げられる。
本発明に用いる生物活性物質は、局所的または全身的
に投与された場合好ましい生物活性を示す物質で、本発
明の組成物に対して安定しているものであれば適当であ
る。皮膚に作用するために局所的に投与される物質に
は、サリチル酸、レゾルシノール、フェノール、レチン
酸、およびその類似体がある。本発明で用いられるその
他の物質には、例えば、抗原やワクチンなどのある種の
除感作物質、ビタミン、アミノ酸、必須脂肪やミネラル
などの栄養素、樹脂類似物質、ある種のアルキル化物質
などの抗新生物剤、抗腫瘍剤が特にあげられる。
本発明で用いられる生物活性物質には、ベンゾジアゼ
ピン、解熱剤、抗痙攣薬、かゆみ止め、交感神経作用
薬、うっ血除去薬、トランキライザ、抗痙攣薬、心臓作
用薬、その他の心臓薬、抗嘔吐薬、鎮静薬と催眠薬、ス
テロイド薬、プロゲステロン薬、局部麻酔薬、抗生物質
が含まれる。特に抗真菌物質などその他の抗菌物質も本
発明で用いることができる。
上述の生物活性物質、特にその薬学的に許容し得る塩
類は、本発明で使用できる。上述の物質と本発明の組成
物に用いられた量の混和性の決定は、通常の製剤技術の
範囲内で行うことができる。個々の薬学的物質の安定性
と応用性は、当業者は充分対応できる。
個々のケースで使用される生物活性物質の実際の望ま
しい量は、薬理学的強さまたは疾病状態の程度および個
々の患者について期待される生物活性物質の薬理動態に
より、変えることが必要である。与えられた宿主に対す
る投与量は、従来の方法、つまり、従来の適切な薬理学
的プロトコールにより、対象の生物活性物質の活性の違
いを従来法に比較することにより、決定できる。
本発明のIFゲルとリポソームは、ヒトなどの哺乳類を
含むどの動物にも投与できる。苦痛の治療のためにヒト
に投与する場合、そのヒトの患者に対する適当な投与量
は処方箋を書く医師が最終的に決定するが、これは、そ
の患者の年齢、体重、反応性や、患者の症状の性質や程
度により異なる。本発明により、様々なリポソームの薬
物濃度を可能にする方法が利用可能になる。
本発明の組成物の投与形態により、この組成物が搬送
される生体内の部位が決定される。例えば、感染の特別
な部位への送達は、局所投与(感染が外側、つまり目、
皮膚、耳、または傷や火傷の部位の場合)や、上皮や粘
膜皮膚(例、鼻、口、膣、直腸、胃腸、粘膜など)から
の吸収により最も容易に行うことができる。このような
局所投与は、クリームや軟膏の形で行える。本発明の指
状突起融合ゲルは局所的に使用するのが望ましい。しか
し、本発明のIFゲルは、口内または胃腸管内の液に接触
すると脂質がその場でリポソームを形成するようなもの
であれば経口投与することもできる。
生物活性物質を含むIFリポソームは単独で投与される
こともあるが、一般的には、意図する投与経路や標準薬
学慣例を考量して薬学的担体と混合して投与し、それに
より薬学的組成物を形成する。本発明のIFリポソーム
は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下注射など、非経口的
に投与することもできる。非経口投与する場合、これら
のリポソームは無菌水性溶剤の形で使用するが、溶剤を
等張にするため、例えば、充分な塩類、グリコース、ブ
ドウ糖などその他の溶質を加えるのが最も良い。
本発明のリポソームは経口投与する場合は、錠剤、カ
プセル、ロゼンジ、トローチ、粉薬、シロップ、エリキ
シル剤、水性溶剤、懸濁液などの形で使用される。錠剤
の場合、使用できる担体には、乳糖、クエン酸ナトリウ
ム、リン酸塩が含まれている。澱粉などの様々な分解
物、また例えば澱粉などの潤滑剤を使用することもでき
る。カプセルの形で経口投与する場合に有効な希釈剤
は、乳糖および高分子量のポリエチレングリコールであ
る。水性懸濁液で経口投与が必要な場合は、ある種の甘
味料および/または香料を加えることもできる。
本発明で使用する生物活性物質には、上述したものが
含まれるがこれに限定される訳ではなく、その薬学的に
許容し得る塩類も含まれる。本発明の組成物に用いられ
る上述の物質との混和可能性やその量は、製剤分野にお
ける当業者が充分決定できる。個々の薬物の安定性と応
用性は、当業者が充分決定できる範囲である。個々のケ
ースで使用される生物活性物質の実際の望ましい量は、
薬理学的強さまたは疾病状態の程度および個々の患者に
ついて期待される生物活性物質の薬理動態により、変え
ることが必要である。与えられた宿主に対する投与量
は、従来の方法、つまり、従来の適切な薬理学的プロト
コールにより、対象の生物活性物質の活性の違いを従来
からの方法により比較することにより、決定できる。
IFリポソームは、例えば生物活性物質を組入れるため
に遠隔装填することもできる。必要であれば、IFリポソ
ームは、Janoffら、米国特許第,880,635号またはSchnei
derら、米国特許No.(TLC−163)の処理により脱水する
ことができる。
以下の例は、本発明を説明するために挙げるもので、
いかなる点においても本発明の応用の範囲を制限するも
のと解釈してはならない。
実施例1 ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC、Avanti
Polar Lipids,Birmingham,Alabama,USAから入手)を含
有するリポソームが、DPPCの濃度が20mMであり、更に0.
04mMのジフェニルヘキサトリエン(DPH、Molecular Pro
bes,Eugene,Oregon,USAから購入)を含む濃度に1mlの水
性緩衝液中で形成された。リポソームが形成された後、
水性溶液に対するその最終的な濃度が0.3M−2.5Mになる
ように、エタノールを加えた。
DPHが発する蛍光は、リポソームの二重層に組入れら
れた時に最大になる。指状突起鉗合の結果、二重層膜か
らDPHの再配向が起こり、同時に蛍光が減少する。図2
に示したように、すべてのリポソームについて、エタノ
ールの濃度が高い方が指状突起鉗合の効果が高い。エタ
ノールの濃度が同じ場合は、リポソームの直径が大きい
方が指状突起鉗合の程度が大きい。図2において、Fo=
エタノールが存在しない場合のDPH蛍光。F=エタノー
ルが存在する場合のDPHエタノール。励起=351nm。発光
は380−580nmで検出され、重量測定により定量化した。
実施例2 リポソームの脂質混合 一定の大きさにしたDPPCリポソームの脂質混合は、リ
ポソームの大きさと誘発物質の濃度の関数として決定さ
れた。DPPCを含有するリポソームを、20mMのDPPCを含有
する水性緩衝液中で作製した。1mlの水性緩衝液中に99
重量%のDPPC、0.35重量%のN−ベンジルジホスファチ
ジルエタノールアミン(NBD−PE)、0.65重量%のロー
ダミン−ホスファチジルエタノールアミンを含むリポソ
ームのマーカーグループを形成した。これらのプローブ
は供与部−受容部の対を形成する。NBD基は465nmで励起
し、共鳴エネルギー転移(RET)は、自身が距離依存現
象により励起されるロダミン受容部により消失した。こ
れらのリポソームを、1:10の割合でブランクのリポソー
ムと混合した。発光スペクトルは480−680nmで記録され
た。エタノール濃度の関数としての様々な大きさのDPPC
リポソーム内の脂質混合は、NBD基からローダミン基へ
のRETの損失により決定できる。0.35モル%のNBD−PEと
0.65モル%のロダミン−PEのリポソームを調製すること
により、それぞれを0.035と0.065までそのモル%を連続
して減少させながら、標準曲線を描いた。この1/10混合
実験とこの標準曲線を直接比較することにより、脂質混
合の程度が示され、これは即ち膜融合度を示すものであ
る。
実施例3 様々なタイプの小胞内に捕捉された溶質の比較 多数のリポソーム製剤を用意した。捕捉された水相の
量を決定し、調製した個々のリポソームの「タイプ」に
ついて比較した。その結果は、以下の表1に示した。
IFリポソームを調製するため、以下に述べるように、
水性緩衝液1mlあたりの最終的なDPPC濃度が20umolにな
るよう、MLVを準備した。次にMLVを50℃の槽型音波処理
器で半透明になるまで音波処理した(SUV)。SUVが室温
まで冷えた後、最終的な水性懸濁液における最終的な濃
度が2.0Mになるようにエタノールを加えた。表1のA1と
A2では、エタノールは希釈および洗浄により除去した。
B1とB2では、エタノールは、窒素を用いた正圧置換によ
り除去し、その後サンプルを希釈、洗浄した。サンプル
Cの初期脂質濃度はAとBの半分で、エタノールの除去
はAの場合と同様に行った。
MLVを調製するため、100mgのDPPCを5mlのクロロホル
ムに混合し丸底フラスコ内に入れて0.04mMのジフェニル
ヘキサトリエンを含む1mlの水性緩衝液を加え、回転さ
せながら蒸発させ、乾燥した薄膜を作った。その後、こ
の脂質混合物を激しく撹拌し、壁からすべての脂質を取
り除いた。
FAT MLVは、1990年12月4日に発行されたBallyらの米
国特許第4,975,282号で説明された方法で、上述した洗
浄していないMLVを5回の凍結−融解サイクルにかけて
形成した。
SPLVは、上記MLVの所で述べたようにDPPCの乾燥薄膜
を作り、その脂質膜を5mlのエチルエーテルに溶かし、
それに0.5mlの水性緩衝液を加えて準備した。次にLenk
らの米国特許第4,522,803号で説明されたように、この
混合物を槽型音波処理器で乳化し、窒素流を用いてこの
乳化物を撹拌し同時にエーテルを除去した。エーテルの
除去は、臭いが検出されなくなるまで続けた(約5分
間)。脂質混合物は1mlの水性緩衝液内で再懸濁した。
MPVは、米国特許第4,588,578号に説明されているよう
に、単相のDPPC100mgと5mlのクロロホルム、5mlのエタ
ノール、0.5mlの水性緩衝液を回転蒸発で乾燥させ、懸
濁した膜を1mlの水性緩衝液内で激しく撹拌して再懸濁
して形成した。
捕捉した水性液の体積を決定するため、リポソーム懸
濁液0.98mlに10mMの4−トリメチルアンモニウムTEMPO
(4−TMAT)溶液20ulを加えた。次にサンプルを激しく
攪拌し、遠心分離により外側の水相をリポソームから分
離した。4−TMATはこの実験に用いたリポソームと結合
も、浸透もしないため、外側の水相に集中した。Perkin
sらのBBA,943,103(1988年)に詳しく説明されている通
り、4−TMAT濃度の測定により、内部水相または捕捉さ
れた体積が計算できる。この分析結果は下の表1に示し
た。これからも分かるように、IFリポソームはかなりの
量を封鎖しており、その他のタイプのリポソームの10倍
もの能力を示していることもある。
実施例4 IFリポソーム形成の方法 ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイ
ルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジ
ルコリンなどの飽和脂質を含有するリポソーム(LUV,ML
V,SPLVなど上記で調製されたもの)を調製し、押出し、
音波処理、ホモジナイザ処理により大きさを0.4ミクロ
ン以下(0.025ミクロンが望ましい)にする。これらの
脂質と相互作用しない生物活性物質を、リポソームを形
成するのに使われる水性溶液と共に混合する(最終的な
脂質濃度は約5−100mM、望ましくは約10−35mM)。リ
ポソームの温度は、脂質の主相遷移温度以下にする。次
に、最終的な濃度が約1.75−約2.5Mになるようエタノー
ルを水性溶液に加える。生物活性物質が脂質と相互作用
する場合、一般的に生物活性物質はエタノールを加えて
IFゲルが形成されてから溶剤に加える。この段階で処理
を停止して、できたゲルを局所的または経口製剤に使用
することもできる。また、ゲルは本発明のIFリポソーム
形成にも使用することができる。
IFリポソームを形成するため、このゲルを脂質のTm以
下の温度で約1分から約1時間インキュベートし、次に
脂質のTm以下の温度で約1分から約1時間インキュベー
トする。それから、蒸発、窒素正圧、または希釈により
誘発物質を除去する。エタノールの場合、エタノール濃
度0.2M以下まで希釈する。誘発物質が除去されると、一
般的に約0.25ミクロンから約20ミクロンの大きさのリポ
ソームが形成される。
実施例5 ジアトリゾエート−DPPC IFリポソームの能力向上 回転蒸発法により、600mgのDPPCをクロロホルムから
乾燥させて膜状にし、さらに真空中で16時間乾燥させ
た。51℃の水槽内で0.9%の食塩水6ml中で約15分間イン
キュベートにより再懸濁した。できた多層リポソーム
(MLV)は30mlのCortex管に移し、溶剤が半透明になる
まで約2時間、51℃で槽内で音波処理した。この時点で
得られたリポソーム懸濁液は4.1mlのみだった。4.1mlの
脂質(まだ51℃のもの)を加えた50mlの遠心分離機ボト
ルにジアトリゾエート〔Renografin−76(登録商標)、
Bristol−Myers Squibbより入手可能〕12ml、重水(“d
H20")12ml、エタノール2mlを混合し、短時間撹拌し
た。10分間で、この混合物はゆるく注げるゲルになり、
室温で2時間置いた。次に、この懸濁液を51℃の水槽で
1時間インキュベートした。エタノール蒸発を容易にす
るため、この時点でサンプルを2つに分けた。水槽内に
浸けたまま、各一定量の試料に窒素を12分間吹き込ん
だ。サンプルを室温になるまで放置し、1一定量試料
(aliquot)につき0.9%の食塩水20mlを加えて希釈し
た。20℃、10,000xg、10分間の遠心分離サイクルを3回
繰り返してこと調剤を洗浄した。実施例6のために上述
のようにサンプルを定量した。その結果は、以下の表2
に示す。
実施例6 ジアトリゾエート−HSPC IFリポソーム 400mgのHSPC(Nattermanリン脂質)を10mlのdH20内で
70℃で約1時間水和し、半透明になるまで(30分間)プ
ローブ音波処理した。約1uCi/mlの125I−ジアトリゾエ
ートを含む14mlのジアトリゾエート(Squibb)と、2.1m
lのdH20と4.9mlのエタノールを、50mlのねじぶた付のCo
rtex(登録商標)管内で混合した。混合中に、HSPC小単
層ラメラリポソーム(SUV)7mlを加えた。これは、SUV
の温度がまだTmより高い時に行った。直ちに固体のゲル
が形成され、室温になるまで約1時間ふたをしておい
た。この調剤を70℃の水槽内で2時間、ふたをはずして
インキュベートし、その後、液体になった調剤に23分間
泡状のN2を通した。N2の流量は、Manostattm(登録商
標)の流量計で10であった。4mlの一定量試料をCortext
m管内に注ぎ、室温になるまで冷やした。900mOsmのメグ
ルミン緩衝液(メグルミン、NaCl、クエン酸塩、EDTAか
ら調合)10mlを加え、短時間撹拌した。18℃、10,000x
g、15分間の遠心分離サイクルを3回繰り返すことによ
り、捕捉されなかったジアトリゾエートを除去した。Ch
enらがAnalytical Chem.,28,11,1756(1956)で記述し
た標準方法により定量したところ、最終的なリポソーム
濃度は12.1mg/mlであった。最終的なI:L比は8.8(W:W)
であった。できたリポソーム懸濁液は大気条件の下で保
存した。
実施例7 イオトロラン−HSPC IFリポソーム 1gのHSPC(Nattermanリン脂質)を10mlのdH20内で70
℃で約1時間水和し、半透明になるまで(30分間)プロ
ーブ音波処理した。生成されたSUVを50mlのねじぶた付
のCortex(登録商標)管に移し、存在するチタンをペレ
ット化するため、5000×gで約5分間回転させた。SUV
をチタンペレットから傾瀉し、70℃の水槽で約5分間イ
ンキュベートしてから、44mlの125I−標識イオトロラン
と、15.6mlのエタノールと、6.4mlのdH20を混ぜた溶剤
に加えた。この溶剤は、16.5mlの一定量試料4つに分
け、それぞれ、50mlのねじぶた付のCortex(登録商標)
管に移した。混合しながら5.5mlのSUVをそれぞれの管に
加え、ゆるいゲルを形成した。ゲルは、ふたをして室温
で1時間置き、個々の管を70℃の水槽に移してふたをと
って1時間置き、それから、気体流量計で40の流量で13
分間、個々の管にN2ガスを通した。それぞれの管の内容
物を250mlのエルレンマイヤーフラスコにあけ、室温に
なるまで冷やす。フラスコを撹拌しながら、約150mlの
無菌PBS(CaやMgを含まないリン酸塩緩衝した食塩水)
を加えた。18℃、10,000xg、10分間の遠心分離サイクル
を3回繰り返すことにより、捕捉されなかったイオトロ
ランを除去した。最終的なヨウ素濃度は、300mg/mlのヨ
ウ素におけるイオトロラン溶液の初期比放射能に基づい
て測定したところ、152.7mg/mlであった。ChenらがAnal
ytical Chem.,28,11,1756(1956)で記述した標準方法
により最終的なリン脂質濃度を測定したところ、32.7mg
/mlであり、緩衝液内に存在するリン酸塩について修正
を行なった。最終的なI:L比は4.7(W:W)であった。で
きたリポソーム懸濁液は大気条件の下で保存した。
実施例8 放射線造影剤の貯蔵安定性 大気条件の下で保存したIFリポソーム 50ulのジアトリゾエートまたはイオトロランHSPCVIF
リポソーム調剤(放射標識済)を、その初期懸濁液緩衝
液1mlで希釈し、マイクロ遠心分離機で室温で16,000xg
で10分間遠心分離した。上澄液を除去し、ペレットおよ
び上澄液の125I計数を行った。25℃で62日間保存した場
合、ジアトリゾエートリポソームの上澄液に存在した放
射標識は4%、イオトロランリポソームの上澄液に存在
した放射標識は54日間保存した場合3%であった。この
結果に基づくと、この調剤は、大気条件下で保存した場
合、少なくとも1年は貯蔵できることを示している。
実施例9 DPPC IFリポソームにおけるジアトリゾエート捕捉に与
える初期脂質濃度の影響 下の表3は、初期脂質濃度を種々に変えて、前述実施
例5の説明のようにして作られたIFリポソーム調剤を示
す。15mlのCortex(登録商標)管で、最終的な容積が以
下に示した容積になるよう、ジアトリゾエート1mlを、
濃度50mg/mlのdH20と一定の大きさにした単層ラメラリ
ポソーム(SUV)DPPCと混合した。脂質を加える前に、
ジアトリゾエート溶液には1mlあたり87.5ulのエタノー
ルを加えた(最終的な容積は2M)。この調剤は室温でふ
たをして1時間放置し、次にふたをとって51℃の水槽で
インキュベートした。1時間後、窒素をここのサンプル
に2分間通気した。室温まで冷やした後、個々のサンプ
ルに0.9%の食塩水10mlを加えて希釈し、10,000g、20℃
で15分間の遠心分離サイクルを3回繰り返して洗浄し
た。サンプルは前述の方法(実施例3)で定量した。そ
の結果を下の表3に示す。
実施例10 IFリポソームによるゲンタマイシンの捕捉 硫酸ゲンタマイシン溶液(Sigma Chemicals,St.Loui
s,Missouri,USA)を0.9%の食塩水中で調製し、最終的
な濃度が500mg/mlになるようにした。これとは別に、10
0mgのDPPC(Avanti極性脂質)を蒸発させて乾燥させ、
最終的な濃度が40mg/mlになるよう、2.5mlの食塩水内で
水和した。DPPC混合物は、透明になるまで槽型音波処理
器で音波処理した。
次に以下の混合物を作った。溶液が硫酸ゲンタマイシ
ンを含む前にエタノール誘発物質を加えたことに注意さ
れたい。
A−0.5mlのDPPC溶液、とエタノール(“EtOH")(最終
濃度2Mまで)と0.5mlのゲンタマイシン溶液。
B−0.25mlのDPPC溶液とNaCl0.9%の食塩水0.25ml、EtO
H(最終濃度2Mまで)と0.5mlのゲンタマイシン溶液。
C−0.25mlのDPPC溶液と0.75mlの食塩水、EtOH(最終濃
度2Mまで)と1.0mlのゲンタマイシン溶液。
上記の調剤はそれぞれ、脂質:ゲンタマイシン濃度を
決定するため、寒天ウェル拡散バイオアッセイによりゲ
ンタマイシン活性を定量した。上述の調剤のリポソーム
はそれぞれ、0.2%のTriton−X100(Biorad Laboratori
es,Richmond CA)で破壊し、指示有機体としてBacillus
aubtilis(ATCC #6633)を用いて寒天ウェル拡散バイ
オアッセイによりゲンタマイシン活性を定量した。脂質
濃度は、AmesらによりJournal of Biological Chem.23
5,236,769(1960)に示された標準方法で測定した。
バイオアッセイの結果は、下の表4に示した。この結
果は、脂質/ゲンタマイシン重量比が非常に低いものが
得られたことを示している。
実施例11 DPSC−イオトロランIFリポソームの能力向上 8gのDSPCを注射用蒸留水(“WFI")200ml中に70℃で3
0分間混合した。できた懸濁液をマイクロフリュイダイ
ザホモジナイザで、11,000psiで25回処理し、SUVを形成
させた。できたSUVは、孔のサイズが0.22umのMillipore
湾曲道重合体フィルタでろ過した。
イオトロラン(92ml、300mg/ml)、13.4mlのWFI、32.
6mlのエタノールを、容量2000mlの丸底フラスコで混合
した。SUV(44ml)を室温(約25℃)でフラスコ内で混
合し、バナナ型パドルミキサーを用いて10秒間撹拌し
た。この混合により形成されたゲルは、1.25時間静かに
放置した。
丸底フラスコを70℃の水浴中に入れ、バナナ型パドル
ミキサーを用いて66rpmで1時間撹拌した。次に、流量
4.7L N2/分で1時間かけて水性液の表面に窒素を散布
し、エタノールを回収しながら、撹拌速度を135rpmまで
増加させてエタノールを除去した。最終的な容積は、炭
酸化した緩衝液(0.4mg/mlのNaHCO3、0.1mg/mlの二価ナ
トリウムEDTAを0.9%の食塩水に混合したもの)を加え
て400mlに調整した。得られたIFリポソームを洗浄し、
その際、0.2umのミクロゴン(Microgon)ろ過装置によ
るdiafiltrationにより、リポソームと捕捉されなかっ
たイオトロランを分離した。濃縮処理として、100mlで
7回洗浄し、最後に300mlを除去した。この洗浄工程は2
5分間続けた。
得られたイオトロラン/DSPCリポソームの分析は下記
の表5に示される結果を生じた。
表5 脂質濃度 23.0mM,18.2mg/ml リソPC濃度 0.9% 捕捉されたイオトロラン 264.8mg/ml 遊離イオトロラン 1.4% イオトロラン/DSPC 14.5 捕捉容積 13.7ul/umol サイズ分布 3.6um未満が90% 2.8um未満が50% 1.2um未満が10% 実施例12 エタノール濃度を関数としてのDPPC−IF小胞のカプセル
封入効果 DPPC(粉末)を微量の14Cスクロースを含む10mlのTri
s HCl、150mlのNaClと混合し、pH7.4、総量2.0mlに対し
てDPPCの濃度が20mg/mlなるようにした。この混合は、D
PPCの相遷移温度以上の温度、50−53℃で行い、MLVを得
た。MLVを50−53℃で1時間、音波処理して室温に冷却
し、直径約30−50nmのSUVsを得た。2.0mlのSUVに充分な
エタノール(100%)を加え、3.0Mエタノール濃度とし
た(0.43mlエタノール;総重量で20%のエタノール)、
この混合物を均質になるまで撹拌した。この懸濁液はふ
たをして室温で1時間静かに放置し、ついでDPPCの遷移
温度以上の温度、即ち50−55℃でふたをゆるめて1時間
インキュベートした。脂質のTmより高い温度でインキュ
ベートしながら、混合物中に窒素流を3分間静かに通入
した。14Cスクロースのカプセル封入調査のためにサン
プル(100uL)を取り出し、また、チェン(Chen)らの
バルトレット(Bartlett)リン定量法によりPiを測定す
るため、4uLと8uLの一定量の試料も取り出した。得られ
たIFリポソームに10mlのTris/Nacl緩衝液を加え、この
混合物を9,000xgで15分間遠心分離し、その上澄液を傾
瀉により取り出し、ペレットをTris/NaCl緩衝液中に再
懸濁し、さらに2回遠心分離し、合わせて3回洗浄し
た。ペレットは最後に2.0mlの緩衝液中で再懸濁した。P
i定量のために4uLと8uLの一定量の試料を取り出したの
と同様、カプセル封入調査のためにさらに200uLのサン
プルを取り出した。
エタノール濃度1.0,2.0,2.5,3.5,4.0Mの溶液を用いて
上記の方法を繰り返した。
IFリポソームの内部容積はリンPi1uMあたりのuLで表
し、14Cスクロースカプセル封入法およびCAT 1 EPR法で
測定した。
14Cスクロースカプセル封入法の手順は以下の通りで
ある。窒素吹き込み工程に続いて14Cスクロースカプセ
ル封入調査のために取り出した試料100uLを、Beckmanモ
デルLs6800シンチレーションカウンターで計数した。同
様に、遠心分離工程に続いて、取り出した試料200uLを
卓上遠心分離機を用いて3,000×gで遠心分離し、ペレ
ットと上澄液の両者をシンチレーションカウンターで計
数した。また、Piは前述のように測定した。14Cスクロ
ースカプセル封入はこのようにして測定し、その結果を
図4Aのグラフに示した。
CAT 1 EPRの研究は、以下の実施例13のようにして行
なわれた。
図4Bに示したように、DPPC IFリポソームの内部容積
は、エタノール濃度の上昇の関数として上昇し、エタノ
ール濃度が高いとリポソームのカプセル封入効果も高い
ことと一致している。3回の遠心分離洗浄の後に回収さ
れたDPPCのパーセンテージを図4Cに示した。
実施例13 スクロース法およびEPR法で測定したDPSC,DHPC,DOPC,EP
C IFリポソームのカプセル封入効果 脂質DSPC,DHPC,DOPC,EPCを用い、最終的な濃度が3.0M
のエタノールを用いて実施例12の方法を繰り返した。DO
PCとEPCについては、エタノールを加えた後にDOPおよび
EPCについて50℃で低温インキュベーションを行った。
すべてのサンプルについて70℃で高温でインキュベーシ
ョンを行った。
DSPCのインキュベーションは70℃で、DHPCは50℃で、
DOPCとEPCは5℃で行った。
DOPCとEPCのサンプルの洗浄は遠心分離では行わず、A
micon30Kの微量濃度装置(Grace Co.)フィルターでろ
過した。カプセル封入効果を分析するため、ろ液、およ
び、ろ過前後のサンプルから100uLの一定量の試料を取
り出した。
カプセル封入効果を、スクロースカプセル封入法、CA
T 1 EPR法およびTEMPONE EPR法を用いて計算し、これら
の方法については以下に説明した。
図5に示したように、指状突起鉗合することが知られ
ている3つのホスファチジルコリン(DPPC,DSPC,DHPC)
はすべて、内部容積の大きいIFリポソームを生成した。
EPCとDOPCの内部容積は比較的小さく、大きさも比較的
小さかったため、机上型遠心分離機(9,000xg)ではペ
レット状にすることはできなかった。したがって、CAT
1 EPR法ではこれらのリポソームの内部容積は測定でき
なかった。
カプセル封入を測定するためのCAT 1 EPR法 この方法は、外部溶媒容積法としても知られており、
1988年のPerkinsらのBiochim.Biophys.Acta,943:103−1
07に説明されている。リポソームの内部容積は、リポソ
ーム懸濁液の総容積から膜の不透過スピンプローブ濃度
を測定することにより計算した外部溶媒容積を差し引い
て測定された。外部溶媒容積は、既知量のスピンプロー
ブである4−トリメチルアンモニウム−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−1−オキシルヨウ化物(“CAT
1")をリポソーム懸濁液を加えることにより計算した。
リポソームをペレット状にするため、リポソーム懸濁液
を遠心分離した。溶剤中のCAT 1の濃度は、上澄液から
のCAT 1 EPR信号強度に対するEPR信号と、CAT 1濃度較
正曲線を比較して決定した。プローブはリポソームの内
部容積から除外されるためスピンプローブが利用できる
体積が少なくなるので、上澄液中のCAT 1濃度は、加え
たCAT 1の量から予想される濃度より高かった。脂質自
身の理由により、サンプル体積についても修正を行っ
た。
操作:100,200,300,400uMのCAT 1を含む較正緩衝溶液と
して10mMのCAT 1、10mMのTris HCl(pH7.4)、150mMのN
aClを含む貯蔵溶液を用いた。Brucker ER 100Dスペクト
ロメーターにより各貯蔵溶液のEPRスペクトルを記録し
た。それぞれの濃度で測定された各スペクトルのピーク
MI=+1共鳴線のピーク対ピーク高さ(peak to peak h
eight)およびCAT 1濃度曲線に対するピーク高さが作図
された。
CAT 1貯蔵(0.20uM)をリポソーム懸濁液1.00ml(V
t)に加え、撹拌して混合した。このリポソームを机上
遠心分離機で9.000×gで遠心分離してペレット状に
し、その上澄液の少量をEPR毛細管にとり、封をした。M
I=+1共鳴線のピーク対ピーク高さを測定した。CAT 1
の溶媒濃度は、サンプルEPR信号強度と較正曲線から決
定した。
外部溶媒容積Voは、較正曲線から得た。外部溶媒容積
Voは、加えたCAT 1のモル数をMとし、上澄液中のCAT 1
濃度をCとするとM/Cに等しかった。V1は脂質が占める
容積で、V1を脂質の体積とすると、Vi=1.00−Vt−V1と
表される。サンプルのリン酸塩濃度で割った内部容積Vi
は、Pi 1 uMあたりの内部容積を示し、これがリポソー
ムの内部体積を表す標準的な方法である。
カプセル封入を測定するためのTEMPONE EPR法 この方法は、拡張剤法としても知られ、Anzaiら、Bio
chim.Biophys.Acta 1988,937:73−80に説明されてい
る。リポソームの内部容積は、膜透過性EPRスピンプロ
ーブ拡張剤の量を測定して決定される。通常は、高速で
回転する水性液EPRスピンプローブのスペクトル線形は
比較的狭いが、常磁性のイオンを加えることによりスピ
ン−スピン緩和時間(T2)が減少する。この拡張剤の濃
度が充分高ければ、スペクトル線形が非常に拡張し、EP
R信号のピーク高さに対するピークが劇的に減少する。
実際、EPR拡張剤がスピンプローブに到達すれば、プロ
ーブ信号は消滅する。
測定は、膜透過性EPRスピンプローブ4−オクソ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(“TEM
PONE")をリポソーム懸濁液に加えて行う。リポソーム
懸濁液から200uLの一定量試料を2本取り出した。その
うちの一つを200ulの緩衝液で希釈し、もう一方は200ul
の緩衝液に膜不透過性拡張剤カリウムトリス(シュウ
酸)クロム酸塩(III)を加えたもので希釈した。緩衝
液で希釈した一定量の試料からのEPR信号は、サンプル
総容積と比例するが、カリウムトリス(シュウ酸)クロ
ム酸塩(III)を加えて希釈した一定量の試料のEPR信号
は、リポソーム内部のサンプル容積と比例している。
操作:TEMPONEの貯蔵溶液50mM、10mMのTris−HCl(pH7.
4)、150mMのNaCl貯蔵溶液を調製した。TEMPONE貯蔵(1
0ul)を、0.5mlのリポソーム懸濁液に加え、撹拌して混
合した。それぞれのサンプルから200ulの一定量の試料
を取り出し、200ulの緩衝液で希釈した。別の200ulの一
定量の試料を取り出し、100mMのカリウムトリス(シュ
ウ酸)クロム酸塩(III)と50mMのNaCl溶剤で希釈し
た。緩衝液とクロム酸塩溶剤の浸透力を前もって蒸気圧
浸透圧計でチェックされ、それらが1−2%の範囲で均
等であることを確認した。これらのサンプルは撹拌して
混合した。
Bruker ER 100DスペクトロメーターによりEPRスペク
トルを記録した。サンプルをEPR毛細管に入れ封をし
た。緩衝液サンプルのEPRスペクトルを先に記録し、次
にクロム酸塩溶剤サンプルを調製し、それから直ちにこ
のサンプルのEPRスペクトルを記録した。MI=+1共鳴
線のピーク対ピーク高を用いて両方のサンプル内で影響
を受けていないスピンプローブの相対濃度を測定した。
サンプルの総容積は、緩衝液で希釈した一定量の試料の
EPR信号の大きさをスペクトロメーターの獲得設定(S
T)で割ったものに比例したが、リポソームの内部容積
は、クロム酸塩で希釈した一定量試料のEPR信号の大き
さを獲得設定(SI)で割ったものに比例した。内部サン
プル容積(Vi)は、SI/STにサンプル容積Vをかけたも
のである。サンプルの内部体積Viをサンプルのリン酸塩
濃度で割ると、Pi 1 uMあたりの内部体積が得られ、こ
れがリポソームの内部容積を表す標準的な方法である。
実施例14 リポソームの初期サイズの関数としてのDPPC LUVET−IF
(指状突起融合)小胞のカプセル封入効果 実施例12の方法にしたがって、DPPC(422mgの粉末)
を、検出可能な14Cスクロースを含む21mlのTris/NaClで
水和し、DPPCの総濃度を20mg/mlとした。サンプルを50
−55℃で撹拌して混合し、DPPC MLVを得た。1990年12月
4日に発行されたCullisらの米国特許第4,975,282号の
方法により、凍結融解サイクルを合わせて10回繰り返し
てFAT MLVを調製した。得られたDPPC FAT MLVは、1986
年1月16日に公開された、「リポソーム生成のための押
出し技術」というCullisらのPCT出願PCT/US85/01161、
公開番号WO 86/00238の方法にしたがって、LUVET装置を
用いて60−65℃で、シングル1.0um Nucleporeポリカー
ボネートフィルターを使って10回押出した。LUVETで処
理したリポソームの2mlを取り出した。
直径0.1,0.2,0.4,1.0umのLUVETサンプルが2.0ml得ら
れるまで、0.4,0.2,0.1umのポリカーボネートフィルタ
ーを用いて上記の方法を繰り返した。
この実施例のためにFAT MLVを使用した時は、現在の
ように押出しせずに用いた。実施例12の方法にしたがっ
て、0.1umでろ過されたLUVETの残りを音波処理してSUV
を準備した。
これらのリポソームの内部容積は、上記で説明したよ
うに、14Cスクロースカプセル封入法、CAT 1 EPR法やTE
MPONE EPR法により計算して求められた。
図6に示したように、FATMLVを除いては、IFリポソー
ムの内部容積は、「最初の」リポソーム、つまりエタノ
ールを加える前のリポソームの大きさが小さいほど増加
した。この結果は、最初のリポソームの直径は、IFリポ
ソームの最終的な容積を決定するうえで重要なパラメー
タになっていることを示している。
実施例15 DPPC IFリポソームへのDPPGの組み込み IFリポソームを、実施例12の方法に以下の修正をし
て、DPPC/ジパルミトイルホスファチジルグリセロール
(DPPG)SUVから調製した。全体で30mMのリン脂質(DPP
CとDPPG)を用い、DPPGモル分画は0.17だった(17モル
パーセント)。それぞれクロロホルムに入れたDPPCとDP
PGを丸底フラスコ(容量50ml)に入れ、よく混ぜ合わせ
た。負圧(回転蒸発)により、脂質はフラスコ内で乾燥
させて薄膜を作り、できた薄膜を2.0mlのTris/NaCl緩衝
液により水和し、50−55℃の温度まで熱した。全体の濃
度が3.0Mのエタノールを用いた。微量の14Cスクロース
をサンプルに加え、その懸濁液が透明になるまで音波処
理した。エタノールを除去した混合液を50−55℃でイン
キュベートすると、IFリポソームが形成された。
リポソームの内部容積は、実施例13の方法にしたがっ
て、14Cスクロースカプセル封入法およびTEMPONE EPR法
により計算した。
DPPGのモル分画が1.0,0.83,0.66,0.50および0.00(そ
れぞれ、100,83,66,50および0モルパーセント)の場合
について、上記の方法を繰り返した。その結果は、図7A
およびBのグラフに表した。
DPPGの分画が高くなると、洗浄工程中にリポソームが
うまくペレット状にならないため、回収されるIFリポソ
ームは低率になったが、これが陰電荷リポソームの典型
的な問題になっている。ペレット内で回収されたIFリポ
ソームの内部容積は、図7Aに示した。白丸は、14Cスク
ロースカプセル封入で測定した容積で、黒丸は拡張剤
(TEMPONE)EPR法で測定した容積である。図7Bは、DPPG
の関数としてのPiの回収パーセント(黒丸)と、14C標
識スクロースの回収パーセント(白丸)である。
実施例16 DPPC初期濃度の関数としての捕捉容積とカプセル封入 実施例12の材料と操作を用いて、20mg/mlでDPPCIFリ
ポソームを2.00ml形成した。
2.0,10.0,20.0,80.0および160.0mgのDPPCを用いて上
記の方法を繰り返し、DPPC濃度が2.5,5.0,10.0,40.0お
よび80.0mg/mlとなるDPPC IFリポソーム2.00mlのサンプ
ルを5つ準備した。
各サンプルの14Cスクロースカプセル封入および内部
容積は、実施例13の方法により計算した。
この結果は、図8AおよびBにグラフで示した。図8A
は、スクロースのカプセル封入は、初期DPPC脂質濃度と
ともに増加することを示している。図8Bは、14Cスクロ
ース法(白四角)またはEPR法(黒菱形)の両者により
測定されたDPPC IFリポソームの内部容積を示してい
る。IFリポソームの内部容積は、DPPCの初期濃度が1−
20mg/mlの場合は、約15−20ul/uM Piであった。Malvern
粒子整粒器による測定では、これらのリポソーム(10mg
/mlまたは20mg/mlの脂質を含む)の平均直径は、およそ
7.0−7.5umであった(図9A,B参照)。このことは、指状
突起融合法により形成されたDPPCリポソームの内部容積
は、従来のMLVよりかなり大きかったということを示し
ている。
実施例17 DPPC IFリポソーム形成におけるコレステロールの影響 実施例12の材料と操作にしたがって、DPPCとコレステ
ロールを用いて、全体の脂質30mM内で、全体濃度3.0Mの
エタノールを使ってIFリポソームを形成した。濃度20mg
/mlの貯蔵クロロホルム溶液内で調剤したコレステロー
ルとDPPCを、容量50mlの丸底フラスコ内で、DPPC95%、
コレステロール5%の割合で混ぜ合わせた。フラスコの
表面に脂質が薄膜を作るよう乾燥させ、前述の通りTris
/NaClで水和した。インキュベーション温度は50−55℃
であった。
IF工程の前後のコレステロールを測定するため、一定
量の試料を取り出し、リポソームに含まれるコレステロ
ールの確認、および14Cスクロースカプセル封入の定量
を行なった。
上記の方法を、モル分画が0.00,0.02,0.10,0.15,30.0
のコレステロールを用いて繰り返した(モルパーセント
は、0,2.0,10,15,30)。
リポソームの内部容積は、14Cスクロースカプセル封
入、CAT 1 EPR法、TEMPONE EPR法により測定された。IF
リポソームのコレステロール含有量は、RudelとMorris,
1973,J.Lipid Res.,14:14の方法にしたがって、o−フ
タルアルデヒドを用いて測定した。
この結果は、図10AおよびBにグラフで示した。図10A
は、IFリポソームの「最終的な」コレステロール濃度
(白丸)および捕捉された14Cスクロースの最終的なパ
ーセンテージ(白四角)を示している。コレステロール
含有量が上昇すると、カプセル封入されたスクロースの
量は減少した。
図10Bは、DPPC−コレステロールリポソームの内部容
積の減少をコレステロール含有量が関数として表したも
のである。CAT 1 EPR法やTEMPONE EPR法(それぞれ白三
角と黒丸)のデータは非常に類似しているのに対し、14
Cスクロース定量によるデータでは内部容積はかなり高
い。理論にしばられることはないが、14Cスクロースは
リポソームに「くっついて」いるため、内部容積の読取
り値が高くなっていると思われる。
これらの研究および図10は、IFリポソームの大きさ
は、コレステロール濃度が上昇すると急激に減少するこ
とを示しており、コレステロール濃度が0%のIFリポソ
ームの平均直径は7.66umであるのに対し、コレステロー
ル濃度が30%の場合は、3.99umであったというMalvern
粒子整粒の結果からも支持される結論となっている。
実施例18 DPPC IFリポソーム形成に対するジオレイルホスファチ
ジルコリン(DOPC)の影響 実施例12の材料および操作にしたがって、DPPCと不飽
和脂質ジオレイルホスファチジルコリン(“DOPC")を
用い、全体で30mMの脂質内で、全体濃度3.0Mのエタノー
ルを用いてIFリポソームを形成した。初期リポソーム
は、DOPCのモル分画が0.20(20モルパーセント)となる
よう丸底フラスコ内で混合し、濃度20mg/mlの貯蔵クロ
ロホルム溶液内に供給されたDPPCとDOPCから形成した。
脂質は、回転蒸発によりフラスコ表面に薄膜状に乾燥さ
せ、前述のようにTris/NaClで水和した。インキュベー
ション温度は50−55℃であった。
DOPCが0.00,0.11,0.55,0.72,1.00モル分画(モルパー
セントは0,11,55,72,100)を用いて、上記の方法を繰り
返した。
IFリポソームの内部容積は、14Cスクロースカプセル
封入法およびTEMPONE EPR法で測定し、その結果は図11A
のグラフに表した。
グラフからもわかるように、DPPCの量が増加すると、
IFリポソームのサイズが減少する。10%というわずかな
DOPCでも、リポソーム容積を50%以上減少させる。DOPC
のモル分画が0.4モル(40モルパーセント)以上になる
と、エタノール−脂質ゲルは形成されず、SUVsは融合し
ないようであった。DOPCのモル分画が0.6と0.8の場合の
リポソームの内部容積は、それぞれ0.2と0.24ul/uM Pi
で、SUVの範囲内であった。また、DOPCのモル分画が0.4
モル以上の場合、遠心分離で回収できる脂質のパーセン
テージも減少した(図11B参照)。
実施例19 DSPC IFリポソーム内への放射造影剤イオベルソン(Iov
ersol)捕捉 DSPC(凍結乾燥粉末200mg)を5.0mlの蒸留水内で懸濁
し、半透明のSUV懸濁液が得られるまで音波処理した
(音波処理の時間は約20分)。このSUV懸濁液を10,000
×gで10分間遠心分離したチタン残留物をペレット状に
した。イオベルソン(Optiray 320R、Mallinckrodt)
(11.5mg)、エタノール4.1ml、蒸留水1.7mlを混合し、
この混合液から3.3mlの一定量の試料をピペットで容量1
5mlのコルテックス(Cortex)(登録商標)管に移し
た。SUV懸濁液の一定量の試料(1.1ml)をそれぞれの管
に加えた。管にふたをし、激しく撹拌すると半透明のゲ
ルができた。
この管を室温で1時間放置した後、ふたを取って70℃
の浸漬浴で途中で撹拌しながら1時間インキュベートし
た。インキュベーションの後、管内の混合液に窒素を8
分間ゆるく吹き込んだ。内容物が室温まで冷えたら、そ
れぞれの管に緩衝液(30mMのTris、150mMのNaCl、0.6mM
のNa2EDTA、pH6.7)を加え、倒置して混合した。捕捉さ
れなかったイオベルソンは、遠心分離洗浄(5,000×g
で3分間)を3回繰り返して除去した。
この結果IFリポソームに捕捉されたイオベルソンを、
245nmの吸収による分光光度計およびエタノール内のイ
オベルソルの標準曲線に対する回帰により定量した。脂
質濃度はChenらの方法により測定した。捕捉結果は下の
表6に示した。
IFリポソームの直径をMalvern粒子サイズ分析で調べ
たところ、平均4.0−5.0umであった。
実施例20 DSPC IFリポソーム内への放射造影剤イオキソグレート
の捕捉 実施例19の材料と操作にしたがって、IFリポソーム内
に放射造影剤イオキソグレート(HexabrixR,Mallinckro
dt)を捕捉した。実施例19の方法にしたがって捕捉状態
を定量し、下の表7にその結果を示した。
実施例21 DSPC IFリポソーム内への放射造影剤イオパミドールの
捕捉 実施例19の材料と操作にしたがって、IFリポソーム内
に放射造影剤イオパミドール(IsovueR,Bristol−Myers
Squibb)を捕捉した。実施例19の方法にしたがって捕
捉状態を定量し、下の表8にその結果を示した。
実施例22 IFリポソームの内部容積に対するインキュベーション時
間の影響 実施例12の材料と操作にしたがい、DPPCを20mg/ml、
エタノール濃度を3.0Mにし、Tm上下の温度におけるゲル
のインキュベーション時間を変化させた。インキュベー
ション時間を5分に設定し、得られたIFリポソームの内
部容積を14Cスクロースカプセル封入法(黒ベタの
棒)、CAT 1 EPR法(影をつけた棒)およびTEMPONE EPR
法(斜線の棒)で測定した。この測定の結果は、図12の
ヒストグラムに示した。
インキュベーション時間を30分、1時間、2時間に変
えて上記の方法を繰り返した。内部容積を同様に測定
し、比較した。
図12に示したように、インキュベーション時間の関数
としてのIFリポソームの内部容積には、インキュベーシ
ョン時間が5分でも2時間でも、有意な差は見られなか
った。
実施例23 インキュベーション操作を変えた場合のIFリポソームの
内部容積が受ける影響 例えば、DPPC Tm(例50−55℃)以上の温度でのイン
キュベーションを行わず、DPPC SUVsを室温のみでイン
キュベートするなど、インキュベーションの条件を変え
て、実施例12の材料と操作を繰り返した。得られたIFリ
ポソームの内部容積は、14Cスクロースカプセル封入法
(グラフの無地の棒)、CAT 1 EPR法(陰をつけた
棒)、TEMPONE EPR法(斜線の棒)で測定し、その結果
を図12のヒストグラムの“RT"に示した。
室温でのインキュベーションではなく、エタノールを
加えてDPPCのTm以上の温度(50−55℃)でインキュベー
ションを行って上記の操作を繰り返した。このインキュ
ベーション法により得られたリポソームはペレット状に
ならず遠心分離では洗浄できないため、このリポソーム
の洗浄は、DPPCサンプルを10mlのTris/NaCl緩衝液で6
回希釈し、このサンプルから4.0mlを取り出し、Amicon
30 Kマイクロ濃縮器(Grace Co.)で濃縮し、これをBec
kman J−2遠心分離機で30,000xgで1時間遠心分離し
た。保持された容積のサンプルを再び同じ操作で濃縮し
た。この結果できたサンプルには“50℃”というラベル
をつけた。
図12を参照すると、大きなIFリポソームを形成するた
めには両方のインキュベーション過程が必要であること
が明らかである。
実施例24 IFリポソームの内部容積とMLVsの比較 I 実施例12の方法にしたがって、DPPC(80mgの粉末)
(Avanti極性脂質)を2.00mlのTris/NaCl緩衝液に加え
た。実施例12の方法にしたがって、このDPPC懸濁液が透
明になるまで音波処理した。最終的な濃度が3.0Mのエタ
ノール(0.43mlのエタノールに加えて)を用いてIFリポ
ソームを形成した。実施例12の通りに、このサンプルを
インキュベートして遠心分離で洗浄し、実施例13に説明
したCAT 1 EPR法で内部容積を2回測定し、その結果を
下の表9に示した。
II 80mgのDPPCを2.00mlのTris/NaCl緩衝液に混合し、50
−55℃で撹拌してMLVを生成し、上記Iの方法を繰り返
した。しかし、このMLVsは音波処理を行わず、エタノー
ルも加えなかった。
40mgのDPPCを用いて同じ方法を繰り返した、このサン
プルのインキュベートと遠心分離洗浄は実施例12の通り
に行い、実施例13に説明したCAT 1 EPR法で内部容積を
2回測定し、その結果を下の表9に示した。
III 最終的な溶液における最終的な濃度が3.0Mになるよう
0.43mlのエタノールを加えて上記IIの方法を繰り返し
た。このサンプルのインキュベートと遠心分離洗浄は実
施例12の通りに行い、実施例13に説明したCAT 1 EPR法
で内部容積を2回測定し、その結果を下の表9に示し
た。
下の表9は、従来のMLVs、比較的高濃度のエタノール
にさらされたMLVsと、内部容積が比較的大きいIFリポソ
ームとの比較である。
実施例25 イオトロラン−DSPC IFリポソーム 実施例7の材料と操作にしたがって、イオトロランを
含むIFリポソームの母集団を生成した。
実施例26 放射造影剤イオプロミドのDSPC IFリポソーム内への捕
捉 実施例7の材料と操作にしたがって、イオトプロミド
を含むIFリポソームの母集団を生成した。
本発明は、ここで詳述した特別な実施例において説明
したが、これは説明の手段で、本発明はこれに限定され
ることはない。修正やバリエーションはこの明細書から
明らかで、本発明の樹脂からはずれることなく、当業者
には理解されると思われる。したがって、そのような修
正やバリエーションは本発明のおよび以下の特許請求の
範囲内にあるものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャノフ,アンドリュー,エス アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19067 ヤードレイ サウスクレッセン ト ブールバード 1807 (72)発明者 ミンシー,シャルマ,アール アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08852 モンマウス ジャンクション ベイベリーコート 4031 (72)発明者 パーキンス,ウォルター,アール アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08536 プレインス ボロ ディアクリ ークドライブ 6―08 (72)発明者 スゥエンソン,クリスチーヌ,イー アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08550 プリンストンジャンクション リードドライブノース 14 (72)発明者 アール,パトリック,エル アメリカ合衆国 ニュージャージィ州 08540 プリンストン エウィングスト リート 261 (56)参考文献 Biochim.Biophys.A cta.,Vol.731(1983)p.97 −108 Biochemistry,Vol. 26,No.8,(1987)p.2139−2149 Biochim.Biophys.A cta.,Vol.943(1988)p.108 −111 Biochim.Biophys.A cta.,Vol.984(1989)p.109 −112 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/127,47/24 STN(CA)

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均直径が0.2ミクロンより小さいユニラ
    メラリポソームと、対称飽和リン脂質と、該リポソーム
    の融合および上記リン脂質の指状突起嵌合を誘導するの
    に有効な量の誘導物質とを含有する組成物を、該対称飽
    和リン脂質の遷移温度より低い温度で、融合と指状突起
    嵌合に有効な時間インキュベートすることを包含する指
    状突起−融合ゲルを製造する方法。
  2. 【請求項2】リポソームがその直径で0.025ミクロン以
    下である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】飽和リン脂質がジミリストイルホスファチ
    ジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジ
    パルミトイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホ
    スファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセ
    リン、ジステアロイルホスファチジルセリン、ジミリス
    トイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイ
    ルホスファチジルエタノールアミン、ジステロイルホス
    ファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファ
    チジン酸、ジステアロイルホスファチジン酸、ジパルミ
    トイルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジ
    ルイノシトール、ジステアロイルホスファチジルイノシ
    トール、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール、
    水素化大豆ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホス
    ファチジルグリセロール、ジ−0−ヘキサデシルホスフ
    ァチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルグリセ
    ロールおよびジミリストイルホスファチジルグリセロー
    ルからなる群から選択される対称飽和リン脂質である、
    請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】リポソームが少なくとも一つの追加のリポ
    ソーム形成性脂質を含むことを特徴とする、請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】誘導物質が、短鎖アルコール;ポリオー
    ル;クロルプロマジン、テトラカイン、フェニルエタノ
    ール又はベンジルアルコールからなる麻酔薬;トリス緩
    衝剤及びカオトロピック塩からなる群から選択される、
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】誘導発物質がエタノールであり、該エタノ
    ールが重量で、組成物の約5%から約20%の範囲で存在
    する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】インキュベーションが約1分から約1時間
    行なわれる請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の方法によって製造される指
    状突起−融合ゲル。
  9. 【請求項9】抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、核酸、ペプ
    チドおよびヨウ素化放射線造影剤からなる群から選択さ
    れる生物活性物質を含有する請求項8記載の指状突起−
    融合ゲル。
  10. 【請求項10】請求項9記載の指状突起−融合ゲルを含
    有する製薬学的組成物。
  11. 【請求項11】a) 平均直径が約0.2ミクロンより小
    さいユニラメラリポソームと、対称飽和リン脂質と、該
    リポソームの融合および上記リン脂質の指状突起嵌合を
    誘導するのに有効な量の誘導物質とを含有する組成物
    を、該対称飽和リン脂質の遷移温度より低い温度で、融
    合と指状突起嵌合に有効な時間インキュベートして、指
    状突起−融合脂質含有組成物を形成し、 b) 工程(a)からの組成物を組成物中の対称飽和リ
    ン脂質の遷移温度より高い温度で、該組成物から指状突
    起リポソームを形成するのに有効な時間インキュベート
    すること、 を包含する指状突起融合リポソームを製造する方法。
  12. 【請求項12】工程(b)のインキュベーション時間が
    約1分から約1時間である、請求項11の方法。
  13. 【請求項13】請求項11の方法によって製造される指状
    突起−融合リポソーム。
  14. 【請求項14】抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、核酸、ペ
    プチドおよびヨウ素化放射線造影剤からなる群から選択
    される生物活性物質を含有する請求項8記載の指状突起
    −融合ゲルを含有する請求項13の指状突起−融合リポソ
    ーム。
  15. 【請求項15】生物活性物質がヨウ素化放射線造影剤で
    あり、該剤を少なくとも2:1(g/g)のヨウ素:脂質の重
    量比で含有する請求項14の指状突起−融合リポソーム。
  16. 【請求項16】リポソームがヨウ素化放射線造影剤を少
    なくとも4:1(g/g)の重量比で含有する請求項15の指状
    突起−融合リポソーム。
  17. 【請求項17】請求項13の指状突起−融合リポソームを
    含有する製薬学的組成物。
  18. 【請求項18】a) 平均直径が約0.2ミクロンより小
    さいユニラメラリポソームと、自己誘導性リポソーム形
    成性脂質であるジ−O−ヘキサデシルホスファチジルコ
    リンとを含有する組成物を、該リポソームの融合および
    該脂質の指状突起嵌合を誘導するのに有効な時間インキ
    ュベートして、指状突起−融合脂質含有組成物を形成
    し、 b) 工程(a)からの組成物を組成物中の脂質の遷移
    温度より高い温度で、該組成物から指状突起融合リポソ
    ームを形成するのに有効な時間インキュベートするこ
    と、 を包含する指状突起融合リポソームを製造する方法。
  19. 【請求項19】請求項18の方法によって製造される指状
    突起−融合リポソーム。
  20. 【請求項20】抗菌剤、抗真菌剤、抗炎症剤、核酸、ペ
    プチドおよびヨウ素化放射線造影剤からなる群から選択
    される生物活性物質を含有する請求項19記載の指状突起
    −融合リポソーム。
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