JP3131272U - 杓子載置鍋 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易な製作手段で、蓋体の有無に関わらず、杓子を鍋に載置することができ、杓子を鍋本体の中に入れた状態で、鍋本体を蓋体で覆っても、鍋の蓋体と鍋本体との間に隙間を生じることがなく、安全性にも優れた鍋を提供する。
【解決手段】鍋本体1と鍋本体の上面全体を覆う蓋体2からなる鍋であって、鍋本体の上面開口に臨む周縁部1bに、開口方向からの切欠1aを設け、鍋本体1に入れた杓子3の柄3bを載置する支持部とした杓子載置鍋。
【選択図】図1

Description

本考案は、杓子を鍋本体に載置することができる新規な構成を有する鍋に関するものである。
従来、家庭で調理に用いられる鍋は、その大半が鍋本体とその上面全体を覆う蓋体から構成され、蓋体は、加熱効率を上げるとともに、保温、塵や埃の混入防止等の役割を果たす。
鍋本体中の食物を食に供される皿等に盛り付けるには、一般に杓子が用いられる。杓子は、調理中や食物を盛り付ける際、鍋本体から蓋体を外して用いられるが、食物を盛り付けた後は、蓋体を元に戻すに伴い、鍋から除かれ、次の使用まで小皿等の上に置かれて食卓等に置かれるか、又は鍋本体中ににそのまま放置される。使用後の杓子を小皿の上に置いて食卓に置くと、杓子についている食物により、周囲を汚す場合があり、また、食卓に小皿と杓子を置く場所を設けなくてはならないので、食卓が狭くなる。
一方、杓子を鍋本体中に入れたままであると、杓子は固定手段がなく不安定であり、また蓋体を鍋本体上面に被せると、蓋体が杓子の柄にひっかかり、蓋体は傾斜した状態で鍋本体の上に置かれることになり、鍋本体と蓋体の間に隙間が生じ、蓋体の保温、防塵等の効果が損なわれるばかりでなく、蓋体が不安定なため、外れて、周囲に落下することがある。
このように、鍋と杓子を併せて用いる場合に、従来の不具合を解消すべく、鍋本体と蓋体との重合部位に、鍋本体に入れた杓子の柄を挿通する支持部を形成した考案が知られている(特許文献1)。しかし、この構成では、蓋体に支持部を設けているため、蓋体を外した状態では、鍋本体に杓子を載置することができない。また、実質的に蓋体の周縁部に切欠溝を構成したものであるため、加熱中にそこから熱せれた蒸気が上方向に放出され、調理中に蓋体を外す場合は、火傷をする危険がある。
一方、鍋本体の把手に板バネ体でなる玉杓子載置体を備えた考案も知られている(特許文献2)。しかし、この構成では、蓋体の有無に関わらず、杓子を鍋本体に載置できるが、鍋本体を蓋体で覆った場合は、杓子の柄により、鍋本体と蓋体の間に隙間が生じるため、保温効果が減少し、また隙間から、埃、塵等が混入する場合がある。また、載置体が金属製のものは調理中に加熱され、誤ってそこに手が触れると火傷をする恐れがある。また、鍋本体に付属物がついていると、日常に使われることによりその部分に汚れや埃などがたまりやすく、非衛生的である。
実用新案登録3053117号公報 実用新案登録3001156号公報
本考案は、容易な製作手段で、蓋体の有無に関わらず、杓子を鍋に載置することができ、杓子を鍋本体の中に入れた状態で、鍋本体を蓋体で覆っても、鍋の蓋体と鍋本体との間に隙間を生じることがなく、安全性にも優れた鍋を提供することを目的とする。
本考案は、上述のような問題を解決するため、下記のようになるものである。
鍋本体(1)と鍋本体の上面全体を覆う蓋体(2)からなる鍋であって、鍋本体の上面開口に臨む周縁部(1b)に、開口方向からの切欠(1a)を設け、鍋本体(1)に入れた杓子(3)の柄(3b)を載置する支持部としたことを特徴とする杓子載置鍋。
本考案は、上述のように構成され、鍋本体に切欠きを設けることにより杓子を鍋に載置することができるので、鍋中の杓子を蓋体の有無に関わらず安定に鍋に載置することができる。また、食物を盛り付け終わった後等の使用後に次の使用まで、小皿等を準備しその上に置く必要がなく、食卓等を広く使用することができ、また杓子についている食物で周囲を汚すことがない。
また、杓子を鍋本体の中に入れた状態で、鍋本体を蓋体で覆っても、鍋の蓋体と鍋本体との間に隙間を生じることがないため、蓋体の加熱効率向上、保温、防塵等の機能を損なうことがない。特に、隙間から、塵、ごみが入らないことは、衛生的である。さらに、鍋本体側面に切欠を設け、鍋の上面に当たる蓋体には切欠きを設けないことで、調理中に蓋体を鍋本体から外す場合など、蓋体の切欠きから放出される蒸気で火傷をすることもない。
そして、鍋に付属物を備えることなく杓子を鍋に載置できることにより、加熱された載置体により火傷をしたり、日常の使用による汚れなどが付属物にたまることがない。また、鍋に切欠を設ける加工は鍋に付属物を備えることより容易にできる。
図面を参照して実施の形態の詳細を説明する。
図1は、本考案の杓子載置鍋の斜視図である。
図1(a)は、杓子3が載置されていない状態で鍋の鍋本体1と蓋体2を分離した状態の斜視図である。図1(a)において鍋本体1は、上面全体が開口になっている、底面と側面からなる筒状の容器である。底面は一般家庭のコンロでの使用に適した半径よりなる円形であるのが一般的である。側面の高さは任意である。
鍋本体1は、鍋の開口部に沿って形成される周縁部1bを有する。周縁部1bは、任意にその他の鍋側面よりも半径が少し大きく形成されることにより、蓋体2と嵌合し蓋体2を支持するための段部を形成する。段部の幅は、蓋部との嵌合が確保されるに足りる幅であり、例えば1cm〜2cmである。また、周縁部1bは段部を形成していなくてもよい。
切欠1aは、鍋本体1の上面開口部から底面方向に一定の長さで周縁部1bを切欠ることにより形成されている。切欠1aの大きさは、一般の杓子の柄がそのお玉方向に挿入可能な大きさである。例えば幅2〜3cm、高さ1cm程度の長方形である。切欠が小さすぎると杓子3が挿入不可能であり、大きすぎると、杓子3の載置が不安定で、鍋の熱効率も下がる。また、高さが足りないと、杓子3の柄3bが周縁部1bより開口方向にはみ出し、蓋体2と鍋本体1の間に隙間が生じる。好適には、切欠1aを把手1cの上方の周縁部に設けると、杓子3の持ち手3cを把手1cの上に置くことができ、杓子3をより安定に載置できる。
そして鍋本体1は把手1cを備える。把手は1個又は2個、若しくは0個である。2個の場合は、鍋の円筒の直径の両端、つまり円の中心に対して対称に2個の把手1cが備えられるのが一般的である。前述の通り切欠aは、把手1cの上方の周縁部に設けることが好ましく、把手1cが2個の場合は、それぞれの把手1cの上に切欠を設ければ、周縁部1bの2箇所において安定して杓子3を載置することができ、一方、把手1cが0個の場合は、切欠1aは、周縁部1bの任意の位置に設けることができる。鍋本体の材質は、耐熱性のあるもの、例えばステンレス等の金属、陶磁器などが挙げられる。
蓋体2は、中央部分が盛り上がった円盤形状を成し、上面頂部には、つまみ2bを備え、鍋本体1と嵌合するための周縁部2aを設ける。つまみ2bは人間が片手でつまむのに適切な大きさであり、円柱状、指を挿入する穴を備えたものなどが挙げられ、耐熱性樹脂など防熱素材であってもよい。このつまみ2bは、蓋体2を鍋本体1と着脱する際に、蓋体を簡便に扱う補助となる。
蓋体2の周縁部2aは、鍋本体1の周縁部1bの半径よりも僅かに小さい半径で形成されている、又は鍋本体1と密接に嵌合するように、鍋本体1に嵌め込み易い形状であるのが一般的である。鍋体2の材質も鍋本体と同様である。
図1(b)は、鍋に杓子3が載置された状態の鍋の鍋本体1と蓋体2を分離した斜視図である。
杓子3は、柄3bの部分を鍋本体1の切欠1aに載置した状態で、鍋中に置かれる。杓子3は、一般に用いられている杓子であれば、任意であり、食物をすくうための上面が開放された半球状のいわゆるお玉の部分3aと柄3bの部分と、手で持つのに適した大きさであり、防熱素材で作製された持ち手3cの部分からなる。柄3bの部分は、切欠1aの深さを超えない厚みである。柄3bの厚みが切欠1aの高さを超えると、蓋体2が鍋本体1を隙間ができないように覆うことはできない。杓子の半球3a部分及び柄3bの部分の材質は、金属等耐熱性のあるものである。
図1(c)は、鍋本体1に杓子3を切欠aに載置して入れた状態で、鍋本体1の上面全体を蓋体2で覆った斜視図である。鍋本体1の上面全体を蓋体2は、鍋本体1との間に切欠1aを除き、隙間が生じないように覆っている。
全体の斜視図である。
符号の説明
1 鍋本体
1a 切欠
1b 周縁部
1c 把手
2 蓋体
2a 周縁部
2b つまみ
3 杓子
3a 半球
3b 柄
3c 持ち手

Claims (1)

  1. 鍋本体(1)と鍋本体の上面全体を覆う蓋体(2)からなる鍋であって、鍋本体の上面開口に臨む周縁部(1b)に、開口方向からの切欠(1a)を設け、鍋本体(1)に入れた杓子(3)の柄(3b)を載置する支持部としたことを特徴とする杓子載置鍋。
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