JP3130932U - 薬液用容器 - Google Patents
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Abstract
【効果】栓体35に薄膜を設けることなく、両頭注入針71を差し込むのに多くの力を必要としないで、両頭注入針71を保持することができる。
【選択図】図2
Description
薬液用容器には、薬液用容器に収容された薬液(塩化ナトリウム水溶液など)と、薬剤瓶(バイヤル)に収容された薬剤(注射用医薬品など)とを混合するために、前記ポート(第一ポートという)とは別のポート(第二ポートという)が設けられているものがある。
なお、「リバウンド」とは、第二ポートの栓体に両頭注入針を差込んだとき、両頭注入針はこの栓体自体の圧力で固定されるが、両頭注入針先端がテーパ状に尖っているので、圧力が強すぎる場合、両頭注入針がこの圧力で戻されてしまうことをいう。
そこで薄膜をなくすことが考えられるが、薄膜がないと両頭注入針を突き刺した状態を保つのが困難になるので、栓体を厚くする必要がある。ところが栓体が厚くなれば、両頭注入針を差し込むのに、より多くの力が必要となり、リバウンド量も大きくなる。
前記第一、第二の凹部の数はそれぞれ1であることが好ましい。凹部の数がこれより多いと、栓体自体の強度を確保できないおそれがある。
図1は、本考案に係る薬液用容器1の全体概観図である。薬液用容器1は、容器本体2の上下に2つのポートを備えている。下側の第一ポート4は、輸液セットのチューブにつながる針を差し込むポートである。上側の第二ポート3は、外部容器である薬剤瓶に連通させるため両頭注入針を差し込むポートである。この第二ポート3にはアダプター5という円筒体が嵌合されている。さらに、アダプター5には、キャップ6がねじ止め可能となっている。薬液用容器1の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等があげられる。
栓体35の厚みが厚いほど、両頭注入針71の抜き取り抵抗(両頭注入針71を全部差込んだ状態から抜くときにかかる力)が大きくなり、薬液用容器1を逆さにしても薬剤瓶の重力で両頭注入針71が抜け落ちることがなくなり好ましい。しかし、リバウンド量(両頭注入針71を全部差込んでから自然に戻る距離)も大きくなるので、両頭注入針71が奥まで差し込まれず、薬液用容器1と薬剤瓶との間の液体の流通が妨げられることがある。
そこで、本考案の実施形態では、栓体35を厚くすることができ、かつ、リバウンド量も小さくするために、前記第一の凹部36、第二の凹部37を形成しているのである。なお、栓体35の片面あたりの凹部の数が2以上あると、栓体35自体の強度が弱くなり、両頭注入針71を保持できないおそれがあるので、片面あたりの凹部の数は1であることが好ましい。
栓体35の最大外径をD1、最大高さをD2とする。第一の凹部36を平面視したときの開口径をd1、第二の凹部37を平面視したときの開口径をd2とする。第一の凹部36の深さをw1とし、第二の凹部37の深さをw2とする。前記凹部周辺の栓体35の厚みをHとし、前記第一の凹部36の底から、第二の凹部37の底のまでの距離をhとする。
第一の凹部36の深さw1の好ましい範囲は、0.1〜1mmである。これより浅くなると、両頭注入針71がスムーズに栓体35に刺さりにくくなる。1mmよりも深くなると保持力が弱くなり穿刺状態が保持されない。
さらに、前記第一、第二の凹部36,37間の距離hを、前記第一、第二の凹部36,37の開口径dの0.5〜1.0倍、好ましくは0.66〜0.84倍としている。比h/dが1.0倍よりも大きくなると両頭注入針71の穿刺に力が必要となりリバウンド量が大きくなり、比h/dが0.5倍よりも小さくなると液漏れが起こるので、比h/dがこのような範囲になるように第二の凹部37の深さw2を決めるとよい。
図4は、薬液用容器1の使用方法を説明するための図である。薬液用容器1のキャップ6を取り外し、薬剤瓶8のポートをアダプター5に挿入して押し込む(図2の矢印A参照)。これで薬剤瓶8のポートに両頭注入針71の上端が差し込まれる。薬剤瓶8のポートは通常ゴムでできているので、このゴムの反動により両頭注入針71は下向きに押され、両頭注入針71の下端が栓体35に差し込まれる。
薬剤瓶8をさらに押し下げると、両頭注入針71の下端が栓体35に完全に挿入されるとともに、注入針ホルダー7の下端部が薬液用容器1の第二ポート3の段部33に当たる。ここれで薬剤瓶8、注入針ホルダー7の移動は停止する。
この状態で、薬液用容器1を逆さまにして、薬液を薬剤瓶8に適量注入する。そして、薬液用容器1を正立させて振り、薬剤瓶8の中の薬剤を溶解させる。溶解させた後、静置すれば溶解液は薬液用容器1の中に戻る。薬液用容器1の第一ポート4に輸液セットの針を真っ直ぐに差し込み、薬液用容器1を輸液スタンドに掛ける。これにより、溶解された薬剤を注射することができる。
栓体35の最大外径D1を23.7mm、最大高さD2を9.5mmとした。
栓体35の開口径d、厚みH、凹部の底からの距離hを複数とおりに設定して、リバウンド量、針抜け抵抗を測定した。その測定結果を表1に示す。
図7(a)に比較例の栓体の断面図を示す。栓体の上面には第一の凹部36が形成されているが、下面には第二の凹部37は形成されておらず、平らなままである。
栓体の厚みHの範囲は、比較例1:2.85mm、比較例2:3.35mm、比較例3:3.85mm、比較例4:5.0mmとし、第一の凹部36の深さw1は一定値0.85mmとした。したがって、前記第一凹部から底面までの距離hは、比較例1:2.0mm、比較例2:2.5mm、比較例3:3.0mm、比較例4:4.15mmである。
<実施例1〜3>
図7(b)に実施例の栓体の断面図を示す。この栓体は、第一の凹部36、第二の凹部37ともに形成されている。
したがって実施例では、比較例に比べて、リバウンド量を小さくでき、かつ、針抜け抵抗を大きくすることができることがわかる。
2 容器本体
3 第二ポート
4 第一ポート
5 アダプター
6 キャップ
7 注入針ホルダー
8 薬剤瓶
35 栓体
36 第一の凹部
37 第二の凹部
71 両頭注入針
Claims (4)
- 注入針を通じて、装着された外部容器と連通することができる薬液用容器であって、
容器本体と、
前記容器本体のポート部に保持され、前記注入針を差し込むための栓体とを備え、
前記栓体は、前記栓体の上面に形成された第一の凹部と、
前記栓体の下面に、前記第一の凹部に対向する位置に形成された第二の凹部とを有し、
前記第一、第二の凹部は、平面視してほぼ同じ開口径を持ち、
前記第一、第二の凹部の周辺における前記栓体の厚みが前記開口径の1.5〜2.5倍であり、前記第一、第二の凹部間の距離が、前記開口径の0.5〜1倍であることを特徴とする薬液用容器。 - 注入針を通じて、装着された外部容器と連通することができる薬液用容器であって、
容器本体と、
前記容器本体のポート部に保持され、前記注入針を差し込むための栓体とを備え、
前記栓体は、前記栓体の上面に形成された第一の凹部と、
前記栓体の下面に、前記第一の凹部に対向する位置に形成された第二の凹部とを有し、
前記第一、第二の凹部は、平面視してほぼ同じ開口径を持ち、
前記第一、第二の凹部の周辺における前記栓体の厚みが前記開口径の1.66〜2.0倍であり、前記第一、第二の凹部間の距離が、前記開口径の0.66〜0.84倍であることを特徴とする薬液用容器。 - 前記第一、第二の凹部の数はそれぞれ1である請求項1又は請求項2記載の薬液用容器。
- 前記第一、第二の凹部は、ともに前記栓体の上下面のほぼ中央位置に形成されている請求項3記載の薬液用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007000562U JP3130932U (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 薬液用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007000562U JP3130932U (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 薬液用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3130932U true JP3130932U (ja) | 2007-04-12 |
Family
ID=43281757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007000562U Expired - Lifetime JP3130932U (ja) | 2007-02-02 | 2007-02-02 | 薬液用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3130932U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5656846B2 (ja) * | 2009-09-08 | 2015-01-21 | テルモ株式会社 | 混合器具及び両頭針の刺通方法 |
-
2007
- 2007-02-02 JP JP2007000562U patent/JP3130932U/ja not_active Expired - Lifetime
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JP5656846B2 (ja) * | 2009-09-08 | 2015-01-21 | テルモ株式会社 | 混合器具及び両頭針の刺通方法 |
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