JP3130074B2 - 周波数シンセサイザ - Google Patents

周波数シンセサイザ

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JP3130074B2
JP3130074B2 JP03142415A JP14241591A JP3130074B2 JP 3130074 B2 JP3130074 B2 JP 3130074B2 JP 03142415 A JP03142415 A JP 03142415A JP 14241591 A JP14241591 A JP 14241591A JP 3130074 B2 JP3130074 B2 JP 3130074B2
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数切替を高速に実
現できる周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術】周波数シンセサイザはスペクトル拡散通
信の一つである周波数ホッピング方式や移動通信等に用
いられている。そして、この分野では高速に周波数切り
替えが可能でかつ安価な周波数シンセサイザが望まれて
いる。シンセサイザの構成方法には、直接合成,間接合
成およびディジタル合成等がある。このうち、直接合成
およびディジタル合成方法では、周波数切り替え速度は
速いが、前者は多数のフィルタを用いることによるコス
トアップが、また、後者では最大出力周波数が大きくで
きない等の欠点がある。一方、間接合成では回路が簡単
であるが閉ループの故、周波数切り替えに時間がかか
り、高速ホッピングに使用できない等の欠点がある。こ
の主な理由として、ループ内に位相差を得るための低域
フィルタが必要であること、および分周器の分周比増加
に伴うループ時定数が増加することが考えられる。
【0003】図4は従来のPLLを用いた周波数シンセ
サイザの例を示したものである。リファレンス周波数f
r (位相θr )と分周器106からの再生出力周波数f
s (位相θs )との位相差をディジタル形の位相比較器
100で比較し、低域フィルタ102で位相差φ(=θ
r −θs )をとりだし、これをVCO104に入力す
る。VCO104では出力周波数fo (位相θo )を分
周器106(分周比N)に入力しfs を得る。
【0004】この位相比較器100からリップルの少な
い位相差をとりだすためには、かなり遮断周波数の低い
低域フィルタが必要となる。
【0005】次に、この低域フィルタを無視し、かつV
CO104は線形であると仮定すると、この位相同期ル
ープは以下に示すように1次遅れ系となる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】 ここで、 ωc ;VCOの自走周波数, k ;VCOの角周波数変調感度 である。さらに上記2式およびφの定義式を用いて、下
記の2式が得られる。
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】 ただし、τはN/kに比例する時定数である。
【0010】(4)式より定常状態では、
【0011】
【数5】 となり、Nを切り替えることにより、周波数をホッピン
グさせることができる。(4)式を解くことにより目標
値(5)式に99%のおちつく時間は4.6 τとなり、N
に比例して増加することがわかる。
【0012】以上のように、従来の間接合成の周波数シ
ンセサイザはまず低域フィルタが応答の遅れの原因にな
ること、さらに、もし低域フィルタを無視したとして
も、分周器の分周比による応答の遅れと二重の原因を含
んでいることがわかる。
【0013】本発明者は、上記問題を解決するために、
例えば分周比N1 にて位相同期ループがロックしたとき
の分周器の出力パルス位置を計測,記憶し、他の分周比
に切り替わった後に再度分周比N1 を設定して周波数切
替する際には、ループが定常状態となったときの前回の
出力パルス位置を用いることで高速応答が実現できるこ
とを見出だした。そして、この内容を、電子情報通信学
会主催の第2種研究会技術研究にて平成1年8月4日,
5日に学会発表すると共に、平成2年特許願第24863 号
の特許出願にてその方法及び装置を提案した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記提案では、各分周
比に対応する分周器の出力パルス位置を計測又は生成す
るために、位相差に対応する時間だけ基準クロックをカ
ウントするカウンタを用いる方法を一例として挙げてい
る。この際、量子化誤差をより低減しようとすると、よ
り高速の基準クロックを生成することが不可欠となり、
カウンタを用いる構成では装置のコストダウンを図る上
で支障となる。
【0015】そこで、本発明の目的とするところは、あ
る分周比にて位相ロックした時の分周器の出力パルス位
置の計測,生成を安価な手段で精度高く実現でき、もっ
て参照周波数の周期で応答する高速な間接合成の周波数
シンセサイザを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、位相比較器,
積分器,サンプルホールド回路,電圧発振器及び分周器
で位相同期ループを構成し、前記分周器に対する分周比
を変更して出力周波数を切り替える周波数シンセサイザ
において、位相同期ループが定常状態の時の前記サンプ
ルホールド回路への入力電圧を2つに分け、環境によっ
て不変の第1の電圧値を分周比毎に予めディジタル値と
して記憶する第1のメモリと、各分周比が設定される毎
に前記第1のメモリ内の対応する第1の電圧値をアナロ
グ値に変換する第1のD−A変換器と、前記積分器とサ
ンプルホールド回路との間の位相同期ループ途中に設け
られ、前記第1のD−A変換器の出力を前記積分器出力
に加算する加算器と、環境により可変の第2の電圧値と
して、前記積分器の出力をディジタル変換して得るA−
D変換器と、前記位相同期ループが定常状態の時の前記
A−D変換器の出力を各分周比毎に記憶する第2のメモ
リと、前記分周比を変更して出力周波数を切り替える際
に、変更後の分周比と対応した前記第2のメモリ内の第
2の電圧値をアナログ値に変換する第2のD−A変換器
と、前記積分器の出力と前記第2のD−A変換器の出力
とを比較して、その値が一致したタイミングでパルス出
力し、このパルスをループの初期値として前記位相同期
ループの位相比較器に入力する比較器と、を有すること
を特徴とする。
【0017】
【作用】本発明では、周波数ホッピングさせるために分
周比Nを変えた際に、高速にループを定常状態にするた
めに、位相比較器への初期値の出力パルス位置として位
相同期ループが落ち着くべき位相差を与えることができ
るように、その位相差に相当する電圧を各分周比毎に記
憶している。この電圧は、位相同期ループがロックした
時の積分器のピーク電圧すなわちサンプルホールド回路
でサンプリングされる電圧を計測すれば好い。この電圧
値を毎回計測して記憶し、次に同一分周比を用いて周波
数ホッピングする際に、この電圧すなわち位相差に相当
する出力パルス位置を位相比較器に入力すれば、前回安
定した位相差を初期値として用いることができるので、
定常状態になるまでの時間を短縮できる。そして、この
場合上記電圧値を計測,生成するための精度は、積分器
出力をA−D変換するA−D変換器のビット数に依存す
ることになる。
【0018】ここで本発明では、上記電圧値を2つに分
け、その一方の第1の電圧は温度等の環境に変化しない
固定値として予め記憶しておき、これはサンプルホール
ド前に積分器出力に加算される。そして、その他方のみ
が温度等で変動する第2の電圧値として毎回計測され、
記憶値を更新するようにしている。その目的は、毎回計
測する各分周比に対応する第2の電圧値が、比較的狭い
一定範囲に入るようにするためである。第1,第2の全
電圧値を計測する場合には各分周比毎に大きな差がある
ため、例えばA−D変換器でディジタル値に変換する場
合にかなり広いダイナミックレンジが要求され、変換レ
ートがより遅くなってしまうばかりか、広いダイナミッ
クレンジであるため精度が悪化する欠点があるが、本発
明では比較的狭いダイナミックレンジの変換器で済むた
め上記問題を解決できる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を適用した周波数シンセサイザ
の一実施例について、図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明を適用した周波数シンセサ
イザを示したものであり、サンプルホールド形位相比較
器10は、リファレンス周波数fr (位相θr )と再生
出力周波数fs (位相θs )との位相差を出力する位相
比較器としての例えばJKフリップフロップ12を有し
ている。また、このJKフリップフロップ12の出力を
積分する積分器14が設けられ、その後段にサンプルホ
ールド回路16を有している。また、積分器14とサン
プルホールド回路16との間に加算器18が設けられて
いる。後述するように、このサンプルホールド回路16
の出力として位相差φに比例した電圧を得ることがで
き、しかも後述するように1サイクル毎に高速に位相差
φを得ることができる。
【0021】前記サンプルホールド回路16の後段に
は、VCO20が設けられ、サンプルホールド回路16
からの位相差φを入力し、出力周波数fo (位相θo
を出力する。また、この位相同期ループ途中には分周器
30が設けられ、前記出力周波数fo を分周比Nにて分
周し、前記再生出力周波数fs (位相θs )を出力し、
これを前記フリップフロップ12に出力するように構成
している。
【0022】上記の構成にて1次PLLを形成している
が、本実施例ではさらに、この1次PLLを用いた位相
同期ループに付加して、第1,第2のメモリを兼ねるメ
モリ40と、第1のD−A変換器42と、A−D変換器
44と、第2のD−A変換器46と、コンパレータ48
と、スイッチSとを設けている。
【0023】例えばICメモリから成るメモリ40は、
位相同期ループが定常状態に落ちつくべきサンプルホー
ルド回路16への入力電圧を、各分周比毎に記憶するた
めのものである。このメモリ40には、上記入力電圧を
2つにわけ、環境によって不変の第1の電圧値と、温度
などの環境によって変化する第2の電圧値とをそれぞれ
各分周比毎に記憶している。第1の電圧値は各分周比毎
に固定であり、各分周比毎の第1の電圧値は、各分周比
毎の第2の電圧値が前記A−D変換器44の比較的狭い
ダイナミックレンジ内に入るようにそれぞれ設定される
ことになる。第2の電圧値は分周比が再設定される度に
更新され、この周波数シンセサイザが稼働している際の
環境に最も近い最適値として記憶される。
【0024】前記第1のD−A変換器42は、分周比を
変更して周波数を切り換える際に、メモリ40からその
分周比に対応して読出された第1の電圧値をアナログ値
に変換し、加算器18に入力するためのものである。
【0025】前記A−D変換器44は、積分器14の出
力を入力し、これをディジタル変換し、前記メモリ40
内にその分周比と対応づけて記憶する。A−D変換器4
4で変換される第2の電圧値は、分周比が異なるごとに
変化する他、同一分周比の場合も温度などの環境条件に
よって変動する。そして、A−D変換器44のダイナミ
ックレンジは、このように変化する第2の電圧値をすべ
てディジタル変換できる範囲に設定されている。換言す
れば、A−D変換器44にある狭いダイナミックレンジ
が定まっている場合に、各分周比に対応する第1の電圧
値を所定に設定することで、残りの第2の各電圧値が前
記ダイナミックレンジ内に入るように確保される。
【0026】第2のD−A変換器46は、分周比Nを変
更して周波数を切り換える際に、その分周比Nに対応し
て読出された前記メモリ40内の第2の電圧値をアナロ
グ値に変換するものである。前記A−D変換器44は、
積分器14より随時出力される第2の電圧値をディジタ
ル値に変換し、メモリ40の対応するエリアに記憶する
ことになるが、メモリ40のそのエリアに最終的に記憶
される第2の電圧値としては、位相同期ループがその分
周比Nにて定常状態に落ちついた際の電圧値となる。し
たがって、その後再度同一の分周比Nが設定されて周波
数を切り替える際には、メモリ40からは前回記憶した
同一分周比Nに対応する第2の電圧値が読み出され、こ
れが第2のD−A変換器46でアナログ値に変換される
ことになる。
【0027】コンパレータ48は、積分器14の出力と
第2のD−A変換器46との出力とを比較し、両者が一
致したときにパルスを出力するものである。このコンパ
レータ48の出力パルスは、分周比Nを変更して周波数
を切り替える際に、位相比較器10への初期値として出
力されることになる。このために、分周器30とフリッ
プフロップ12との間には前記スイッチSが設けられて
いる。位相同期ループを形成する際には、このスイッチ
Sの可動接点は端子a側に接触している。一方、分周比
を変更する際には、コンパレータ48よりパルスが出力
される以前に、スイッチSの可動接点を端子b側に移動
させ、コンパレータ48からの出力パルスをフリップフ
ロップ12に出力するように構成している。
【0028】次に、作用について説明する。
【0029】図2は、上記実施例装置における主要部分
の出力波形を示すタイミングチャートである。また、比
較例として、図1に示す実施例装置の加算器18および
第1のD−A変換器42を取り除いた場合のタイミング
チャートを図3に示している。
【0030】まず、サンプルホールド形位相比較器10
により位相差φが即時に求まることを示す。ディジタル
形位相比較器10として、例えばJKフリップフロップ
12を用いると、この動作は図2または図3のようにな
る。ここでTφを入力位相と出力位相との時間差とする
と、位相差φは、入力周波数の周期で平均をとると、
【0031】
【数6】 で与えられる。周波数シンセサイザのようにTr が一定
の場合、φとTφとは比例し、位相差φは時間積分をす
ることによって得られる。説明の便宜上まず図3にした
がって説明すると、θr が入力したとき“1”に、θs
が来たとき“0”とすれば、“1”のとき積分をし、
“0”のとき積分器14の出力をホールド回路16でホ
ールドし積分器をリセットすればよい。よって、ホール
ド回路16の出力は位相差φに比例していることがわか
り、しかも図3に示すように1サイクル毎に高速にφを
得ることができる。
【0032】よって低域フィルタを用いずに高速に位相
差φが得られることがわかった。これにより、スイッチ
Sをa側にしておけば1次PLLになっていることがわ
かる。
【0033】上記の動作を、本実施例装置のタイミング
チャートである図2にしたがって説明すると、図2の場
合のサンプルホールド回路16の出力電圧は、図3の場
合のサンプルホールド回路16の出力電圧と等しくなっ
ている。しかし、図2の場合のサンプルホールド回路1
6の出力電圧は、加算器18の出力電圧の波形から明ら
かなように、第1の電圧と第2の電圧とを加算したもの
である。ここで、第1の電圧はメモリ40にあらかじめ
各分周比に対応づけて記憶されており、この第1の電圧
は第1のD−A変換器42を介して加算器18の一方の
入力端子に入力する。一方、第2の電圧は、フリップフ
ロップ12の出力を積分器14にて積分した波形の波高
値と一致している。結果として、図1に示す実施例装置
では、この第1,第2の電圧を加算器18で加算するこ
とで、サンプルホールド回路16の出力電圧は図3に示
す場合と同一電圧となり、図2のタイミングチャートの
場合にも、スイッチSをa側に設定することにより1次
PLLを構成していることがわかる。
【0034】上記の1次PLLにて構成された位相同期
ループにて、分周比Nを変更することで、所望の出力周
波数fo を出力することができる。そして、この位相同
期ループが定常状態になった時の積分器14の出力がA
−D変換器44でディジタル値に変換されて、これが第
2の電圧値としてメモリ40に最終的に格納されること
になる。
【0035】メモリ40に記憶された第2の電圧値は初
期値φ(0)として機能することになる。この初期値
は、例えば分周比N1 について第2の電圧値をメモリ4
0に格納した後、分周比をN2 に変更し、その後再度分
周比N1 に切り替えた際に、位相比較器10に最初に入
力されるパルスとして機能することになる。
【0036】次に、位相比較器10への初期値としてφ
(0)を入力させることで、位相同期ループが定常状態
に至るまでの応答時間を短縮できる作用について説明す
る。
【0037】以下の説明は、位相同期ループに図1に示
すような1次PLLを採用することにより1次遅れ回路
を構成した場合である。但し、VCOの特性は線形で、
リファレンス周波数の周期に比べて十分大きい時間で考
えるものとする。この時、PLLの特性は上記の
(4),(5)式で示される。
【0038】今、時間t=0で分周比がNからN1 にな
ったとすると位相差φ(t)は、
【0039】
【数7】 となる。φ(0)は、Nのとき定常になっていればN
(ωr −ωc /N)/kとなり、(8)式の過渡項によ
る応答時間(〜4.6τ1 )がかかって定常値におちつ
く。しかしφ(0)として前回のホッピング時の値であ
る、
【0040】
【外1】 を用いれば過渡項の係数は、
【0041】
【数8】 となる。ここでωr として安定なものを用い、またkお
よびωcが温度に対しゆるやかに変化をするものとすれ
ば、(8)式はほぼ0と見なすことができるので、φ
(t)はTr で応答が完了する。すなわち、分周比Nを
変更する際のループの初期値として、前回の同一分周比
に対応した分周器の出力パルス位置を用いれば、高速な
応答が実現できる。特に、1次遅れ回路を達成できる1
次PLLを採用することで、初期値が1個で済むことか
ら、より高速ホッピングが可能となる。
【0042】次に、分周比を変更した際の動作について
説明する。
【0043】分周比の変更指令はメモリ40および分周
器30に入力され、さらに変更後位相比較器10に再生
出力周波数fs としての最初の出力パルスが入力される
以前に、スイッチSが端子b側に移動される。分周比が
変更されると、メモリ40からその変更された分周比と
対応する第2の電圧値が読出され、これは第2のD−A
変換器46でアナログ値に変換された後にコンパレータ
48の一方の入力端子に入力する。さらに、スイッチS
が端子b側に移動される以前は1次PLLによる位相同
期ループを形成しているので、積分器14からは位相差
を積分した出力波形が出力され、この積分器14の出力
はコンパレータ48の他方の入力端子に入力することに
なる。この状態を、図2のコンパレータ入力に示してい
る。そして、このコンパレータ48では、積分器14の
出力が第2の電圧値と一致したタイミングでパルスを出
力し、この出力パルスはスイッチSを介して位相比較器
10の初期値として入力されることになる。この初期値
は、前回同一分周比が設定された際に位相同期ループが
定常状態になっているときの出力パルス位置と一致して
いるため、上述した原理にしたがって、分周比を変更し
た後、位相同期ループが定常状態に至るまでの応答時間
を大幅に短縮することが可能となる。
【0044】次に、図2に示すタイミングチャートにし
たがった本実施例装置の動作と、図3に示すタイミング
チャートにしたがった比較例としての動作との効果上の
差は下記の通りである。
【0045】図2と図3との比較から明らかなように、
積分器14の出力波形の波高値は、図2の方がより低く
なっていることがわかる。これは、図1に示す本実施例
装置では、あらかじめ各分周比に対応して記憶された第
1の電圧値を加算器18により積分器14の出力に加算
しているためであり、しかも、この各分周比に対応する
第1の各電圧値を設定するに際して、各分周比ごとの残
りの第2の電圧値がある一定範囲に入るように選択する
ことができる。このようにすると、第2の電圧値は温度
などの環境条件によって毎回相違するとしても、第2の
電圧値が入力するA−D変換器44のダイナミックレン
ジを図3の場合と比較して大幅に狭くすることが可能と
なる。図2および図3の場合に同一ビット数のA−D変
換器44を採用した場合、本実施例装置の方がよりダイ
ナミックレンジが狭いものを採用できるので、量子化誤
差の少ない第2の電圧値をメモリ40に記憶させること
ができる。換言すれば、この第2の電圧値は、分周比を
変更した際の位相比較器10への初期値φ(0)として
機能するので、この初期値の精度をたかめることでより
高速に応答する周波数シンセサイザを実現することが可
能となる。
【0046】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が
可能である。
【0047】図1に示す実施例において、A−D変換器
44および第2のD−A変換器46をハード的に同一の
構成とすることができる。これは、帰還比較形のA−D
変換器を採用することで実現でき、この変換器はD−A
変換器を内蔵しているものである。したがって、第2の
電圧値をアナログ−ディジタル変換する精度と、第2の
電圧値をディジタル−アナログ変換する精度とは一致す
るため、初期値φ(0)の精度をより高くすることがで
き、より高速に応答できる周波数シンセサイザを実現す
ることができる。
【0048】さらに、サンプルホールド回路16とVC
O20との間に、抵抗Rおよび容量Cからなる1次フィ
ルタを挿入・接続することもできる。この1次フィルタ
を追加する目的は、周波数切り替えの際に、サンプルホ
ールド回路16のベースバンド波形が矩形になるので、
その分スプリアスが多くなるが、1次フィルタを追加す
ることでそのスプリアスを減少させることができる。但
し、周波数を切り替える時、図1のスイッチSを参照周
波数の1周期よりも長い時間、即ち1次フィルタが定常
におちつくまでの時間b側にし、それからスイッチSを
a側に切り替える必要がある。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば分
周比を変更した際の初期値として、位相同期ループが定
常状態に落ち着くべき値、すなわちホッピング周波数に
対応する位相差を積分器の出力電圧の形でメモリしてお
き、これを初期値とすることで参照周波数の周期内に応
答できる高速ホッピングが可能となる。さらに、この電
圧値を2つにわけ、その一方は環境条件により変動しな
い第1の電圧値として記憶し、その他方は温度などの環
境条件により変動する第2の電圧値として毎回更新する
形で記憶し、この第2の電圧値を記憶する際に、A−D
変換器のダイナミックレンジを比較的狭くすることがで
き、この結果比較的安価で簡易な構成を採用しながらも
初期値を精度高く計測,記憶でき、より高速な周波数シ
ンセサイザを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した周波数シンセサイザの一実施
例のブロック図である。
【図2】図1に示す周波数シンセサイザの動作タイミン
グチャートである。
【図3】図1に示す実施例装置において、加算器および
第1のD−A変換器を取り除いた装置の動作タイミング
チャートである。
【図4】従来の周波数シンセサイザのブロック図であ
る。
【符号の説明】
10 サンプルホールド形位相比較器 12 JKフリップフロップ 14 積分器 16 サンプルホールド回路 20 VCO 30 分周器 40 第1,第2のメモリ 42 第1のD−A変換器 44 A−D変換器 46 第2のD−A変換器 48 コンパレータ S スイッチ
ST011601
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−229517(JP,A) 特開 平4−96515(JP,A) 特開 平4−63022(JP,A) 特開 平2−67822(JP,A) Tadamitsu Iritan i,”Fast Frequency Hopping Synthesize r Using PLL and Me mory IC”,1990 INTERN ATIONAL SYMPOSIUM on INFORMATION THE ORY AND ITS APPLIC ATIONS(NOV.27−30,1990 HAWAII)予稿集,Nov.20, 1990,vol.1,pp911−913 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03L 7/16 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相比較器,積分器,サンプルホールド
    回路,電圧発振器及び分周器で位相同期ループを構成
    し、前記分周器に対する分周比を変更して出力周波数を
    切り替える周波数シンセサイザにおいて、位相同期ルー
    プが定常状態の時の前記サンプルホールド回路への入力
    電圧を2つに分け、環境によって不変の第1の電圧値を
    分周比毎に予めディジタル値として記憶する第1のメモ
    リと、各分周比が設定される毎に前記第1のメモリ内の
    対応する第1の電圧値をアナログ値に変換する第1のD
    −A変換器と、前記積分器とサンプルホールド回路との
    間の位相同期ループ途中に設けられ、前記第1のD−A
    変換器の出力を前記積分器出力に加算する加算器と、環
    境により可変の第2の電圧値として、前記積分器の出力
    をディジタル変換して得るA−D変換器と、前記位相同
    期ループが定常状態の時の前記A−D変換器の出力を各
    分周比毎に記憶する第2のメモリと、前記分周比を変更
    して出力周波数を切り替える際に、変更後の分周比と対
    応した前記第2のメモリ内の第2の電圧値をアナログ値
    に変換する第2のD−A変換器と、前記積分器の出力と
    前記第2のD−A変換器の出力とを比較して、その値が
    一致したタイミングでパルス出力し、このパルスをルー
    プの初期値として前記位相同期ループの位相比較器に入
    力する比較器と、を有することを特徴とする周波数シン
    セサイザ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Tadamitsu Iritani,"Fast Frequency Hopping Synthesizer Using PLL and Memory IC",1990 INTERNATIONAL SYMPOSIUM on INFORMATION THEORY AND ITS APPLICATIONS(NOV.27−30,1990 HAWAII)予稿集,Nov.20,1990,vol.1,pp911−913

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