JP3129942U - 装身具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 衝撃等の外力を受けても装飾体が装身具本体から不用意に外れて脱落する恐れがなく、しかも構造が簡単で、装飾体の交換も容易な、装飾体が交換自在な装身具を提供することを課題とする。
【解決手段】 装身具本体と、装身具本体に対し着脱自在に取り付けることができる装飾体とを有する装身具であって、装身具本体は、装飾体を嵌入することができる凹部と;当該凹部の底部に取り付けられ、側面と底面とを有し上部が開口した、磁性体材料で構成された磁性体容器と;当該磁性体容器の底面に、NS両磁極を結ぶ方向が容器底面と垂直になるように取り付けられた磁石とを備えており、装飾体は、当該装飾体が前記凹部に嵌入されたときに前記磁石と向き合う下面に磁性体材料で構成された磁性体部分を備えている装身具を提供することによって上記の課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、装身具に関し、詳細には、装飾体を容易に取り替えて交換することができ、多彩な楽しみ方が可能な装身具に関する。
通常、指輪やペンダントなどの装身具においては、宝石などの装飾体部分は、衝撃等の外力によって不用意に外れて脱落してしまうことがないように、装身具に固定されている。このため、装身具の利用者は、一つの装身具に関しては一つの装飾を楽しむことしかできず、その時々の気分に応じて異なった装飾の装身具を身につけようとすると、勢い、利用できる装身具の数を増すしか方法がないのが実状であった。
このような不都合を解消するために、例えば、特許文献1〜3に見られるように、装飾体を装身具本体に対して着脱自在にして交換可能にすることが提案されている。しかしながら、特許文献1において提案されている装身具においては、装飾体と装身具本体の両者に磁石片を取り付け、単に磁石片同士の吸引力によって装飾体を装身具本体に取り付けるようにしているので、衝撃等の外力が加わった場合に、装飾体が装身具本体から外れて脱落し易いという欠点があった。また、特許文献2および特許文献3において提案されている装身具においては、装飾体が装身具から簡単に脱落しないように、装飾体を装身具に取り付ける構造に工夫が凝らされているけれども、そのために構造が複雑で、しかも、装飾体の取り替えに手間が掛かるという不都合があった。
実開昭54−79294号公報 実公昭53−48156号公報 特公昭61−45442号公報
本考案は、上述したような従来の装身具が有する不都合を解消するために為されたもので、衝撃等の外力を受けても装飾体が装身具本体から不用意に外れて脱落する恐れがなく、しかも構造が簡単で、装飾体の交換も容易な、装飾体が交換自在な装身具を提供することを課題とするものである。
本考案者は、上記の課題を解決するために種々試行錯誤を繰り返した結果、装飾体を単に磁石同士の吸引力によって装身具本体に取り付けるのではなく、装身具本体に装飾体を嵌入する凹部を設け、その凹部に装飾体を嵌め込んで装飾体を装身具本体に取り付けるとともに、その凹部の底部に、磁石を磁性体材料で構成された磁性体容器に収容して配置することによって、磁石の吸引力を増し、装飾体を上記凹部に嵌め込むだけの簡単な操作で、装飾体を装身具本体に強固に、かつ、着脱自在に取り付けることが可能であることを見出して、本考案を完成した。
すなわち、本考案は、装身具本体と、装身具本体に対し着脱自在に取り付けることができる装飾体とを有する装身具であって、装身具本体は、装飾体を嵌入することができる凹部と;当該凹部の底部に取り付けられ、側面と底面とを有し上部が開口した、磁性体材料で構成された磁性体容器と;当該磁性体容器の底面に、NS両磁極を結ぶ方向が容器底面と垂直になるように取り付けられた磁石とを備えており、装飾体は、当該装飾体が前記凹部に嵌入されたときに前記磁石と向き合う下面に磁性体材料で構成された磁性体部分を備えている装身具を提供することによって上記の課題を解決するものである。
本考案の装身具の好ましい一実施態様においては、磁性体容器の側壁は、容器底面に取り付けられている磁石の上面よりも凹部上方に突出している方が好ましく、このような構成とすることにより、より強い磁力で装飾体を装身具本体に吸着することが可能となる。また、本考案の装身具の好ましい一実施態様においては、非磁性体材料で構成された非磁性体板を、磁石の上面を覆うように磁性体容器に取り付けるのが望ましい。磁石の上面を覆う非磁性体板が存在することによって、磁性体容器内に収容されている磁石が外力によって破損した場合でも、磁力の低下が防止され、また、磁石の破片が飛び散って利用者を傷つける危険性も防止される。また、本考案の装身具においては、装飾体を装身具本体の凹部に嵌め込むことができる深さは、装飾体の厚さの半分以上あるのが望ましく、この程度深くに装飾体を凹部に嵌入させることによって、装飾体の凹部内部での回転を防止し、外力による脱落をより有効に防止することができる。
さらに、本考案の装身具においては、一旦取り付けた装飾体を装身具本体から容易に取り外すために、装身具本体に、装飾体を凹部に嵌入したときに、装飾体の下面から凹部の反対側まで貫通する取り外し具挿入孔が設けられているのが望ましい。装飾体の取り外しは、この取り外し具挿入孔に挿入することができる外径を有し、当該挿入孔の長さよりも長い挿入端部を備えた取り外し具を、取り外し具挿入孔に挿入して、その先端部で装飾体の下面を押し上げることによって、容易に行うことが可能である。
また、装飾体の下面に備えられている磁性体部分が装飾体の下面に取り付けられた磁性体板である場合、上記の取り外し具を取り外し具挿入孔に挿入して、装飾体の下面を押し上げると、取り外し具の挿入端部の先端が装飾体の下面に取り付けられている磁性体板に当接し、場合によっては当該磁性体板を変形させて、磁石との吸引関係に支障をきたす恐れがあるので、本考案の装身具の好ましい実施態様においては、装飾体の下面に取り付けられている磁性体板には、装飾体を凹部に嵌入したときに、取り外し具挿入孔と対向する部分に、当該挿入孔とほぼ同径の孔が設けられているのが望ましい。このような孔を設けておくと、取り外し具の先端部は装飾体の下面に直接に当接し、磁性体板に当接することがないので、磁性体板の変形を防止することができる。
本考案に係る装身具は、上述のとおり、装身具本体と装飾体とを有し、装身具本体に対し装飾体は着脱自在で交換可能であり、同時に、装飾体を中心にすれば、装飾体を取り付ける装身具本体も自在に交換可能であるので、装身具本体に設けられた凹部の大きな並びに寸法と装飾体の大きさ並びに寸法とが合いさえすれば、装身具本体と装飾体とを互いに自在に組み合わせて使用することができる。したがって、本考案に係る装身具を構成する装身具本体単独、または装飾体単独でも、物品として商取引の対象となり、考案の対象となるものである。
なお、本考案が対象とする装身具とは、装飾のために身につける工芸品全般を指し、例えば、指輪、ペンダント、首飾り、イヤリング、ピアス、カフスボタン、ブローチ、メダル、ネクタイピン、ベルトのバックルなどを含むものである。
本考案の装身具によれば、装飾体が嵌入される凹部には、側面と底面とを有し上部が開口した磁性体容器に収容された磁石が配置されているので、磁石からの磁力線は磁性体容器によって高い密度で凹部上方に向かって集約され、下面に磁性体板を備える装飾体を強固に吸着することが可能である。したがって、本考案の装身具によれば、例えば通常のフェライト磁石を用いながら、衝撃等の外力を受けた場合でも容易には脱落しない強い力で装飾体を吸着することができるとの優れた効果が得られる。
また、装飾体は、装身具本体に設けられた凹部に嵌入された状態で凹部底部に配置された磁石に吸着されているので、装飾体に直接に加わる外力が軽減され、装飾体をより安定に装身具本体に固着しておくことができるとの利点がある。特に、装飾体を装身具本体の凹部に嵌め込むことができる深さを、装飾体の厚さの半分以上とする場合には、装飾体が外力によって凹部内部で回転することが防止され、外力による脱落をより有効に防止することができるとの効果が得られる。
さらに、本考案の装身具においては、装身具本体に、装飾体を凹部に嵌入したときに、装飾体の下面から凹部の反対側まで貫通する取り外し具挿入孔が設けられている場合には、その取り外し具挿入孔に、取り外し具の挿入端部を挿入して、装飾体を下面から押し上げることによって、装飾体を容易に取り外すことができるという利点がある。このように、本考案の装身具は、装飾体が衝撃等の外力では容易に脱落しない程度に強固に装身具本体に取り付けられているにもかかわらず、その取り付け、取り外しは容易であり、極めて簡単かつ簡便に、種々の装飾体を取り替えて楽しむことができるという優れた効果を有するものである。
以下、図面を用いて本考案の装身具を詳細に説明するが、本考案の装身具が図示のものに限られないことはいうまでもない。
図1は、本考案の装身具の一例を、指輪を例にして示した図であって、説明の便宜上、構成する各部品を別々にして示してある。図1において、1は本考案の装身具、2は装身具本体である指輪本体、3は装飾体を示し、指輪本体2には、凹部4が設けられている。5は磁性体材料で構成されている磁性体容器であり、6は磁石、7は非磁性体の材料で構成されている非磁性体板、8は装飾体3の下面に取り付けられた磁性体材料で構成されている磁性体板、9は装飾体3に埋め込まれている、例えば宝石などの飾りである。図1に示すとおり、凹部4、磁性体容器5、磁石6、および非磁性体板7のそれぞれには、中央に孔4a、5a、6a、7aが設けられており、これらは各構成部品が組み立てられたときには、一直線上に並び、後述する取り外し具を挿入するための挿入孔を形成するものである。また、磁性体板8にも中央に孔8aが設けられているが、この孔8aは、後述する取り外し具の挿入端部が磁性体板8に当接するのを避けるためのものである。
図2は、指輪本体2の凹部4の底部に、磁性体容器5を取り付けた状態を示している。磁性体容器5は、側壁5bと底面5cとを備え、上部が開口しており、その外形は、凹部4内に挿入されて、凹部4の底部に取り付けることができる大きさ、形状であるとともに、その内形は、磁石6を収容することができる大きさ、形状に形成されている。図示の例においては、磁性体容器5の形状は、水平断面が円形の半円筒形であるけれども、凹部4の形状や磁石6の形状によっては、必ずしも水平断面円形である必要はなく、水平断面が四角ないしは長方形、三角形、五角形、六角形、あるいはそれ以上の多角形であっても、また、楕円形や菱形、台形などであっても良い。
磁性体容器5を構成する材料は、磁性体であれば良く、磁性体である限りどのような材料を用いても良いけれども、加工性や耐久性の点からは、磁性体化した磁性体ステンレスを用いるのが良い。磁性体ステンレスは、例えば厚さ0.5mm程度の板厚であっても、プレス加工によって容易に磁性体容器5とすることができる。磁性体容器5を構成する磁性体材料の厚さには特段の制限はないけれども、その側壁5bの上端部に磁力線を集中させ、その部分で後述する装飾体3を吸着するとともに、容易に加工できるという観点からは、装身具が指輪の場合、通常、0.3〜1.0mm程度の厚さとするのが良く、好ましくは0.5mm程度である。ただし、この厚さは、装身具の種類や大きさに応じて、適宜変更できることは勿論である。
磁性体容器5を凹部4の底部に取り付ける手段には特段の制限はなく、凹部4を有している指輪本体2の材質にも依るが、例えば、接着剤や、融着、ロウ付けなどの適宜に手段によって、磁性体容器5を凹部4の底部に取り付けることができる。また、図示の例では、磁性体容器5は、その下面が凹部4の底面と直接接した状態で、凹部4の底部に取り付けられているけれども、両者の間には、適宜の中間層を介在させたり、間隙をもたせたりしても良い。同様に、図示の例では、磁性体容器5の側壁外側と凹部4の内壁とは直接接しているけれども、両者の間には、適宜の中間層を介在させたり、間隙をもたせたりしても良い。
図3は、続いて、磁石6を磁性体容器5の底面5cに取り付けた状態を示している。図3において、磁石6のN極およびS極の両磁極を結ぶ線の方向は上下の方向、すなわち、磁性体容器5の底面5cに対して垂直な方向にある。磁石6の大きさ並びに形状は、基本的には磁性体容器5の内部に収容できるものであれば良い。磁石6はその外周が磁性体容器5の側壁5bの内面と接した状態で磁性体容器5内に取り付けられても良いけれども、望ましくは、図3に示すとおり、磁石6の外周面と磁性体容器5の側壁5bの内面との間に一定の間隔wを残す形状並びに大きさとするのが好ましい。例えば、磁性体容器5の水平断面形状が円形である場合、磁石6の水平断面形状は、磁性体容器5の水平断面形状に比べて若干径が小さい円形若しくはドーナツ形とし、磁石6の外周面と磁性体容器5の側壁5bの内面との間に一定の間隔wを残すのが、強力で異方性のない磁力を得る上で好ましい。磁石6の外周面と磁性体容器5の側壁5bの内面との間に一定の間隔wを残すことによって、磁石6の底面から磁性体容器5の底面5cおよび側壁5bを通って側壁5bの上端に集約された磁力線は、側壁5bの上端からさらに上方に伸びることができるので、磁石6の外周面と磁性体容器5の側壁5bの内面とが接触している場合に比べて、より強力な磁力で後述する装飾体3を吸引することができる。
磁石6の厚さについても、特段の制限はないけれども、図3に示すように、磁性体容器5の側壁5bの上端が、磁石6の上面よりも凹部4の上方に向かって長さsだけ突出した状態となる厚さであるのが好ましい。sの長さとしては、指輪本体2の大きさにも依るが、通常、0.3〜1.5mmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜1.0mmである。磁性体容器5の側壁5bを磁石6の上面よりも突出させることによって、側壁5bの上端に集約された磁力線は、広い範囲に広がることなく、後述する装飾体3に取り付けられた磁性体板8内を通過することができるので、より強力な磁力で装飾体3を吸引することができるという利点が得られる。なお、後述する非磁性体板7を磁石6の上面を覆うように取り付ける場合には、磁性体容器5の側壁5bの上端は、非磁性体板7の上面と同じ高さか、または、非磁性体板7の上面よりも若干上方に突出するのが好ましい。
使用する磁石の種類には特段の制限はなく、どのような磁石を用いても良いけれども、本考案の装身具においては、磁石6を収容する磁性体容器5が存在することによって、磁力線を特定の部分に集中させ、磁力を高めることができるので、格別に強力な磁石を使用する必要はない。通常、汎用されているフェライト磁石を用いて十分であり、安価に製造することができるという利点がある。
磁石6を磁性体容器5の底面5cに取り付ける手段としては、磁石6と磁性体容器5との磁気的結合を妨げないものであればどのような手段を用いても良く、通常、接着剤を用いて、磁石6は磁性体容器5の底面5cに取り付けられる。このとき、磁石6の下面と磁性体容器5の底面5cとの間に他の磁性体の薄層或いは薄板等を介在させても良い。
続いて、図4に示すとおり、非磁性体板7が、磁石6の上面を覆うように、磁性体容器5の内側に取り付けられる。この非磁性体板7は、非磁性体から構成されており、磁石6の上面を覆うように磁性体容器5の内側に、例えば、接着剤などによって取り付けられる。非磁性体板7は磁石6の上面と接するように取り付けるのが好ましい。この非磁性体板7は、装飾体3が取り外された状態にあるときに、磁石6が指輪本体2の上面に露出してしまうのを避けるために設けられ、同時に、衝撃等によって磁石6が破損した場合でも、破片が外部に飛び散るのを防止し、磁力の低下を防ぐとともに、飛び散った磁石の破片によって利用者が傷を受ける危険性をも防止するものである。
非磁性体板7は、非磁性材料で構成され、非磁性材料である限り、どのような材料で構成されても良いけれども、加工性と耐久性の点からはステンレス板を用いるのが良い。非磁性体板7の厚さは、指輪本体2の大きさや、磁石6の大きさなどにも依るが、通常1mm以下であり、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。
非磁性体板7は上記のような作用効果を奏するものではあるけれども、必ず必要であるというものではなく、場合によっては非磁性体板7は省略が可能であり、磁石6の上面を凹部4の内部に露出させても良い。
図4において、装飾体3には、その下面に磁性体板8が取り付けられている。磁性体板8としては、磁性体容器5と同様に、磁性体化された磁性体ステンレスを用いるのが好ましく、その厚さには特段の制限はないけれども、通常1mm以下であり、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下である。磁性体板8は適宜の手段を用いて装飾体3の下面に取り付ければ良く、装飾体3を構成する材料にも依るが、接着、融着、ロウ付けなどの適宜の手段が用いられる。また、装飾体3がそれ自体磁性体である場合、或いは装飾体3の下面が磁性体である場合には、磁性体板8は設けなくても良いことは勿論である。
以上の説明では、磁性体容器5、磁石6、非磁性体板7は、この順序で凹部4内に取り付けられているけれども、これらの各部品は、必ずしも上述した順序で凹部4に取り付けなければならないものではなく、まず、磁性体容器5内に磁石6を取り付け、さらに、非磁性体板7を取り付けた後に、その組み立てられた全体を凹部4内に取り付けるようにしても良いし、磁性体容器5内に磁石6を取り付けた後、磁石6を収容した磁性体容器5を凹部4内に取り付け、さらに、非磁性体板7を取り付けるようにしても良い。結果として、図4に示すような構造となれば、その取り付け順序は任意である。
図5は、指輪本体2の凹部4に装飾体3を嵌め込んだ状態を示している。装飾体3の外形、寸法が、凹部4に嵌め込むことができるように、凹部4よりも若干小さい外形、寸法となっていることはいうまでもない。装飾体3が図5に示すように凹部4内に嵌入されると、磁石6の下面に位置する磁極からの磁力線は、磁性体容器5の底面5c、側壁5bを通って、側壁5bの上端に集約され、さらに装飾体3の下面に取り付けられた磁性体板8に入る磁気回路が形成され、装飾体3は強固な磁力で凹部4内に取り付けられることになる。
このとき、装飾体3を凹部4内に嵌め込むことができる深さは、図5に示すとおり「d」であるけれども、この深さdは、装飾体3の厚さtの半分以上であるのが望ましい。深さdが厚さtの半分未満では、嵌め込みの深さが足りず、装飾体3を脱落させる方向に働く外力の成分が大きくなる場合があるので好ましくない。深さdが装飾体3の厚さtの半分以上であれば、装飾体3は凹部4内に十分な深さで嵌入され、より安定した取り付け状態を実現することが可能となる。
なお、図5に示すとおり、装飾体3が凹部4内に嵌入された状態では、凹部4に設けられている孔4aと、各部品に設けられている孔5a、6a、7aは一直線上に並び、後述する取り外し具を挿入することができる取り外し具挿入孔を形成している。また、装飾体3が下面に磁性体板8を有し、磁性体板8に孔8aが設けられている場合には、孔8aも孔4a〜7aと一直線上に並び、取り外し具挿入孔を形成することになる。図示の例において、孔4a〜8aは、凹部4および各部品の中央に設けられているけれども、場合によっては、孔4a〜8aは中心から偏った位置に設けても良い。ただし、後述する取り外し具からの力が均等に掛かるという観点からは、孔4a〜8aは、凹部4および各部品の中央に設けるのが望ましい。
図6は、指輪本体2の凹部4に取り付けられた装飾体3を取り外す場合の説明図であり、図6には、取り外し具10が示されている。取り外し具10は、挿入端部11を有しており、この挿入端部11の外形は、孔4a〜7aまたは孔4a〜8aによって形成される取り外し具挿入孔の内形よりも小さく、また、挿入端部11の長さは、孔4a〜7aまたは孔4a〜8aによって形成される取り外し具挿入孔の長さよりも長く形成されている。このような取り外し具10の挿入端部11を、凹部4の裏面から取り外し具挿入孔に挿入して、図7に示すように上方に押し上げることによって、装飾体3は磁力に抗して上方に持ち上げられ、図8に示すように凹部4から取り外すことができる。そして、この取り外した装飾体3を、異なった飾り9’を備えた別の装飾体3’と交換して、図9に示すように指輪本体2の凹部4に取り付けることが可能となる。このとき、装飾体3の下面に設けられた磁性体板8には、孔8aが設けられているので、取り外し具10の挿入端部11は、磁性体板8に当接せず、磁性体板8を変形させることがない。
以上のとおり、本考案によれば、装飾体3を装身具本体である指輪本体2の凹部4内に嵌め込み、また、取り外し具10を用いて取り外すという簡単な操作で、装飾の異なった装飾体3を自在に交換することが可能であり、時と場合に応じて装飾を変えて、異なる装飾を備えた指輪を使用して楽しむことが可能である。なお、以上の説明では、装身具として指輪を例に挙げたけれども、本考案が対象とする装身具は指輪に限らず、ペンダント、首飾り、ブローチはもとより、イヤリング、ピアス、カフスボタン等、全ての装身具を対象とするものである。また、これらの装身具には、装身具本体と装飾体以外に、鎖や紐等の付属品が取り付けられていても良いことはいうまでもない。
以上説明したように、本考案の装身具によれば、時と場合に応じて、取り付ける装飾体を変更することによって、変化に富んだ多彩な装飾を有する装身具を自在に楽しむことが可能となる。また、気に入った装飾については、それが取り付けられる装身具本体を変更することによって、気に入った装飾を同じ種類でデザインの異なる装身具本体や、種類の異なる装身具本体に取り付けて、お気に入りの装飾として常に楽しむことも可能である。本考案は、装身具の利便性に画期的な変革をもたらすものであり、その産業上の利用可能性には多大のものがある。
本考案の装身具の一例を各部品を別々にして示す断面図である。 磁性体容器を凹部に取り付けた状態を示す断面図である。 さらに磁石を取り付けた状態を示す断面図である。 さらに非磁性体板を取り付けた状態を示す断面図である。 装飾体を凹部に嵌め込んだ状態を示す断面図である。 取り外し具を有する本考案の装身具の一例を示す断面図である。 取り外し具によって装飾体を取り外すときの状態を示す断面図である。 装飾体を取り外し交換するときの状態を示す断面図である。 異なった装飾体が取り付けられた状態を示す断面図である。
符号の説明
1 装身具
2 装身具本体
3 装飾体
4 凹部
5 磁性体容器
6 磁石
7 非磁性体板
8 磁性体板
9 飾り
10 取り外し具
11 挿入端部
4a、5a、6a、7a、8a 孔

Claims (9)

  1. 装身具本体と、装身具本体に対し着脱自在に取り付けることができる装飾体とを有する装身具であって、装身具本体は、装飾体を嵌入することができる凹部と;当該凹部の底部に取り付けられ、側面と底面とを有し上部が開口した、磁性体材料で構成された磁性体容器と;当該磁性体容器の底面に、NS両磁極を結ぶ方向が容器底面と垂直になるように取り付けられた磁石とを備えており、装飾体は、当該装飾体が前記凹部に嵌入されたときに前記磁石と向き合う下面に磁性体材料で構成された磁性体部分を備えている装身具。
  2. 磁性体容器の側壁が、容器底面に取り付けられている磁石の上面よりも凹部上方に突出している請求項1記載の装身具。
  3. 非磁性体材料で構成された非磁性体板が、磁石の上面を覆うように磁性体容器に取り付けられている請求項1または2記載の装身具。
  4. 装飾体を装身具本体の凹部に嵌入することができる深さが、装飾体の厚さの半分以上である請求項1〜3のいずれかに記載の装身具。
  5. 装身具本体には、装飾体を凹部に嵌入したときに、装飾体の下面から凹部の反対側まで貫通する取り外し具挿入孔が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の装身具。
  6. 取り外し具挿入孔に挿入することができる外径を有し、当該挿入孔の長さよりも長い挿入端部を備えた取り外し具を有している請求項5記載の装身具。
  7. 装飾体の下面に備えられている磁性体部分が磁性体で構成された磁性体板であり、当該磁性体板が、装飾体を凹部に嵌入したときに、取り外し具挿入孔と対向する部分に、当該挿入孔とほぼ同径の孔を有している請求項5または6記載の装身具。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の装身具における装身具本体。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の装身具における装飾体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101440097B1 (ko) * 2013-01-31 2014-09-17 김춘명 장신구 탈착구조
KR20180002696U (ko) * 2017-03-07 2018-09-17 김신영 장신구
KR200491523Y1 (ko) * 2019-04-18 2020-04-21 천여주 크레파스 수납 반지

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