JP3129837U - 再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器本体の内面はもちろんのこと、容器外面も含めた内外面全体にパン、菓子等のこびり付き、こげ付きを防止するとともに塵、ほこり等が付着しづらい構成を採ることにより、多数積み重ねられた状態から1個づつ取り出して使用する際に、容器同士がくっつかず離れやすく、また再利用に当たっても容器内外面にパン、菓子等のこびり付き、こげ付きが防止できるとともに塵、ほこり等が付着していない衛生的にも優れた特性を有する再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器を提供する。
【解決手段】再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器1は、アルミニウム箔により形成された容器本体5の内外面全体にシリコーン樹脂被覆層6が設けられていることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本考案は、パンあるいはクッキー、パイ、ケーキなどの菓子を焼き上げるために用いられるアルミニウム箔製の焼き上げ用容器に関し、特に、再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器に関するものである。
従来、アルミニウム箔からなるパンなどの焼き上げ用容器を用いてパンやクッキーなどの菓子を焼くと、これらが容器内面にくっついてしまうという不都合があった。そこで、容器内面にあらかじめサラダオイル、バター、マーガリンなどを塗布しておき、離型性を改善することが広く行われていた。しかしながら、このような塗布作業は極めてわずらわしい上、一度に多数のパンなどを焼き上げる場合にはその作業に多大の時間をとられるという問題があった。この問題を解決するため、アルミニウム箔製容器本体の内面にシリコーン樹脂被覆層あるいはフッ素樹脂被覆を設けることが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
ところが、アルミニウム箔からなるパンなどの焼き上げ用容器は、多数積み重ねて収納あるいは運搬され、使用に際しても、多数積み重ねられた状態から1個づつ取り出して使用されるが、その際、容器同士がくっついて2、3個一緒にとりだされることが多いため、作業が面倒になるという問題もあった。
また、アルミニウム箔からなるパンなどの焼き上げ用容器は、複数回使用可能であり、環境問題等から再利用されることが多くなってきている。その場合、容器内面のみならず、容器外面にもパン屑、塵、ほこり等が付着すると、多数の容器を重ねて収納する際に他方の容器の内面にこれらのパン屑、塵、ほこり等が付着するという問題もあった。
実開昭62−202176号公報 実開昭55−157888号公報
本考案は、容器本体の内面はもちろんのこと、容器外面も含めた内外面全体にパン、菓子等のこびり付き、こげ付きを防止するとともに塵、ほこり等が付着しづらい構成を採ることにより、多数積み重ねられた状態から1個づつ取り出して使用する際に、容器同士がくっつかず離れやすく、また再利用に当たっても容器内外面にパン、菓子等のこびり付き、こげ付きが防止できるとともに塵、ほこり等が付着しない衛生的にも優れた特性を有する再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1記載の再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器は、アルミニウム箔により形成された容器本体の内外面全体にシリコーン樹脂被覆層が設けられていることを特徴としている。
同様に前記目的を達成するために、請求項2記載の再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器は、請求項1の考案において、シリコーン樹脂被覆層が容器本体のシリコーン樹脂溶液へのどぶ付け加工及び焼成加工により形成されることを特徴としている。
ここにおいて、容器本体はアルミニウム箔により作られる。この容器本体は通常、底壁部及び該底壁部周縁から上方に向かうにつれやや広がって抜き勾配を有する周壁部とによって構成されるが、周壁部の上縁に鍔部が設けられる場合が多い。そして容器本体は、平面視で円形、方形などの各種形状をしており、周壁部の高さも大きいものから小さいものまで種々ある。
シリコーン樹脂被覆層を構成するシリコーン樹脂としては、たとえばメチルシリコーン、フェニルシリコーンなどがあげられる。シリコーン樹脂は、非粘着性に富むとともに耐熱性にも優れている上、食品衛生の点でも問題がない。このシリコーン樹脂被覆層は、容器本体の内外面の全体に設けられているものである。
シリコーン樹脂被覆層は、例えば、シリコーン樹脂塗料が容器本体形成前のアルミニウム箔の両面に塗布され、焼き付けられた後に同箔が所定形状に打ち抜かれてブランクが形成され、さらにブランクに絞り加工が施されることにより容器本体の内外面の全体に形成されるようにしてももよいが、容器本体の形状を形成後に、シリコーン樹脂溶液漕にどぶ付けして容器本体の全面にシリコーン樹脂を塗布した後、焼き付けて形成してもよい。また、既に形成されている既成の容器本体にシリコーン樹脂被覆層を形成する場合も、容器本体をシリコーン樹脂溶液漕にどぶ付けして容器本体の全面にシリコーン樹脂を塗布した後、焼き付けて形成される。
本考案は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)本考案の再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器においては、多数積み重ねられた状態から1個づつ取り出して使用する際に、容器同士がくっつかず離れやすいため、確実に1個づつ取り出すことができ、作業を容易に行うことができる。
(2)本考案の再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器を再使用する際に、容器内面のみならず、容器外面にもパン、菓子等のこびり付き、こげ付きを防止できるとともに、塵、ほこり等が付着することがないため、衛生的にも優れた特性を有している。
(3)容器本体のシリコーン樹脂溶液へのどぶ付けによりシリコーン樹脂塗膜を形成することにより、スプレー方式に比べ、数倍、シリコーン樹脂を効率的に使うことができる。
本考案に係る再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器を実施するための最良の形態を図面を参照して以下に説明する。
図1は、本考案に係る再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器の斜視図であり、図2は、同容器の断面図である。
図1に示す再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器1は、底壁部2,周壁部3及び鍔部4とからなる厚さ約50〜150μmのアルミニウム箔製丸形容器本体5と、該アルミニウム箔製丸形容器本体5の内外面全面に設けられたシリコーン樹脂塗膜からなる厚さ約1〜10μmのシリコーン樹脂被膜層6とによって構成されている。
この再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器1は以下のようにして作られたものである。
〔製法1〕
帯状アルミニウム箔の両面にシリコーン樹脂塗料をロールコート法により所定量塗布し、焼付けを行い、ついで塗膜が形成されたアルミニウム箔を円形に打ち抜いてブランクを形成し、このブランクに冷間プレスを施して丸カップ形に形成する。
〔製法2〕
アルミニウム箔を円形に打ち抜いてブランクを形成し、このブランクに冷間プレスを施して丸カップ形に形成された容器本体、あるいは既成の容器本体を、シリコーン樹脂溶液漕にどぶ付けして容器本体の全面にシリコーン樹脂を塗布した後、焼き付けて形成する。
なお、容器本体にシリコーン樹脂をスプレーにより吹き付けて塗膜を形成し、焼き付けて形成してもよい。
容器本体を、シリコーン樹脂溶液漕にどぶ付けして容器本体の全面にシリコーン樹脂を塗布する方式はスプレー方式に比べ、数倍、シリコーンを効率的に使うことができる。
上記のようにして形成された再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器1の離型性を確認するために、該容器1にパン生地を流し込み電気オーブンで焼き上げ、できあがったパンを容器1から取り出したところ、容器1の内面にはパンのこびり付きやこげ付きの跡は見られなかった。また、容器外面もツルツルとして滑らかで、塵やほこりが付着している様子はなかった。さらに、再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器1は、内容物の種類に応じた使用条件によって異なるが、少なくとも10回、多い場合は100回程度再利用可能であることがわかった。
本考案に係る再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器の斜視図である。 図1に示す再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器の断面図である。
符号の説明
1 再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器
2 底壁部
3 周壁部
4 鍔部
5 アルミニウム箔製丸形容器本体
6 シリコーン樹脂被膜層















Claims (2)

  1. アルミニウム箔により形成された容器本体の内外面全体にシリコーン樹脂被覆層が設けられていることを特徴とする再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器。
  2. シリコーン樹脂被覆層が容器本体のシリコーン樹脂溶液へのどぶ付け加工及び焼成加工により形成されることを特徴とする請求項1記載の再利用可能なアルミニウム箔製の焼き上げ用容器。




















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