JP3129424B2 - リブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法 - Google Patents
リブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、航空宇宙用材料等に使われるリブ付き高強
度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法
に関する。
度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法
に関する。
<従来の技術> 従来、炭素繊維強化炭素複合材料(以下C/Cと記す)
は、耐熱性や耐薬品性に優れ、かつ高強度で軽量であ
り、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性
樹脂を炭素繊維に含浸したシートをつくり、その必要に
応じた枚数を積層し、これを加熱して前記樹脂を硬化さ
せた炭素繊維強化炭素前駆成形体を、800℃以上の高温
で不活性雰囲気中において焼成炭化したものが知られて
いる。
は、耐熱性や耐薬品性に優れ、かつ高強度で軽量であ
り、例えばフェノール樹脂、フラン樹脂などの熱硬化性
樹脂を炭素繊維に含浸したシートをつくり、その必要に
応じた枚数を積層し、これを加熱して前記樹脂を硬化さ
せた炭素繊維強化炭素前駆成形体を、800℃以上の高温
で不活性雰囲気中において焼成炭化したものが知られて
いる。
しかしながら、炭素繊維強化前駆成形体を800℃以上
の高温で不活性雰囲気中において焼成炭化する過程で、
問題があった。特に前駆成形体がI型および逆T型など
のリブ付きの構造を有する場合について詳細に説明す
る。
の高温で不活性雰囲気中において焼成炭化する過程で、
問題があった。特に前駆成形体がI型および逆T型など
のリブ付きの構造を有する場合について詳細に説明す
る。
第3図(a)または第4図(a)に示すように、1対
のL字型積層体1またはU字型積層体2と平板積層体4
と充填材(フィラー)3とを組み合わせて、逆T型また
はI型のリブ付き前駆成形体としこれを焼成炭化する
と、逆T型の場合はリブの部分の厚さ方向の収縮により
第3図(b)に示すように平板積層体4が変形したり、
第3図(c)に示すようにL字型積層体1と平板積層体
4との間に割れを生ずる。
のL字型積層体1またはU字型積層体2と平板積層体4
と充填材(フィラー)3とを組み合わせて、逆T型また
はI型のリブ付き前駆成形体としこれを焼成炭化する
と、逆T型の場合はリブの部分の厚さ方向の収縮により
第3図(b)に示すように平板積層体4が変形したり、
第3図(c)に示すようにL字型積層体1と平板積層体
4との間に割れを生ずる。
また、同様に、I型の場合は第4図(b)または
(c)に示すように平板積層体4が変形したり、U字形
積層体2と平板積層体4との間に割れを生ずる。
(c)に示すように平板積層体4が変形したり、U字形
積層体2と平板積層体4との間に割れを生ずる。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、従来技術における上記の問題点を解決し、
前駆成形体を焼成炭化する際の変形や層状割れのない良
好な形状を有するリブ付き高強度C/C構造体およびその
製造方法を提供することを目的としている。
前駆成形体を焼成炭化する際の変形や層状割れのない良
好な形状を有するリブ付き高強度C/C構造体およびその
製造方法を提供することを目的としている。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意研究し
た結果、炭素繊維強化炭素前駆成形体(FRP)のマトリ
クス中に特にリブとなるべきマトリクス中にメソカーボ
ン小球体を添加すれば焼成時の厚さ方向の収縮が低減
し、焼成炭化する際の変形や層状割れがなく良好な形状
を有するリブ付き高強度C/C構造体を提供できるとの知
見を得、本発明にいたった。
た結果、炭素繊維強化炭素前駆成形体(FRP)のマトリ
クス中に特にリブとなるべきマトリクス中にメソカーボ
ン小球体を添加すれば焼成時の厚さ方向の収縮が低減
し、焼成炭化する際の変形や層状割れがなく良好な形状
を有するリブ付き高強度C/C構造体を提供できるとの知
見を得、本発明にいたった。
すなわち、上記目的を達成するために本発明によれ
ば、リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構造体にお
いて、前記リブの部分に、メソカーボン小球体の炭化物
と炭素質繊維とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで固
定した炭素繊維強化炭素複合材料を用いることを特徴と
するリブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体が
提供される。
ば、リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構造体にお
いて、前記リブの部分に、メソカーボン小球体の炭化物
と炭素質繊維とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで固
定した炭素繊維強化炭素複合材料を用いることを特徴と
するリブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体が
提供される。
前記メソカーボン小球体の炭化物が3〜40重量%、炭
素質繊維が40〜85重量%、樹脂に由来する炭素質が5〜
50重量%の範囲であるのが好ましい。
素質繊維が40〜85重量%、樹脂に由来する炭素質が5〜
50重量%の範囲であるのが好ましい。
また、本発明によれば、(a)メソカーボン小球体お
よび残炭率45%以上の樹脂を含有する樹脂溶液を含浸し
た炭素繊維シートを積層したリブを構成すべき積層体
と、(b)他の積層体および(c)充填材とを組み合わ
せた後、加熱成形して前駆成形体とし、これを焼成炭化
することを特徴とするリブ付き高強度炭素繊維強化炭素
複合材料構造体の製造方法が提供される。
よび残炭率45%以上の樹脂を含有する樹脂溶液を含浸し
た炭素繊維シートを積層したリブを構成すべき積層体
と、(b)他の積層体および(c)充填材とを組み合わ
せた後、加熱成形して前駆成形体とし、これを焼成炭化
することを特徴とするリブ付き高強度炭素繊維強化炭素
複合材料構造体の製造方法が提供される。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明のリブ付き高強度C/C構造体の製造方法
の概要を第1図または第2図を参照しながら説明する
が、これらに限定するものではない。
の概要を第1図または第2図を参照しながら説明する
が、これらに限定するものではない。
メソカーボン小球体と炭化可能な樹脂とをまず溶剤に
より希釈して樹脂ワニスとし、これを炭素質繊維に含浸
させてシートを得る。このシートを第1図または第2図
に示すようにL字型あるいはU字型に積層し1対のL字
型(U字型)積層体1(2)とする。これと、別に用意
した平板積層体4と、充填材3(以下フィラーと記す)
とを組み合わせる。次にこれを加熱して樹脂を硬化させ
前駆成形体を得る。この前駆成形体を不活性雰囲気中で
焼成炭化してリブ付き高強度C/C構造体とする。
より希釈して樹脂ワニスとし、これを炭素質繊維に含浸
させてシートを得る。このシートを第1図または第2図
に示すようにL字型あるいはU字型に積層し1対のL字
型(U字型)積層体1(2)とする。これと、別に用意
した平板積層体4と、充填材3(以下フィラーと記す)
とを組み合わせる。次にこれを加熱して樹脂を硬化させ
前駆成形体を得る。この前駆成形体を不活性雰囲気中で
焼成炭化してリブ付き高強度C/C構造体とする。
ここで、平板積層体4と、フィラー3には炭素質繊維
に樹脂を含浸させたシートが用いられるが、これらのシ
ートには、メソカーボン小球体の含有を特に必要としな
い。また、含浸用の樹脂の種類は限定せず炭化可能なも
のであればよい。
に樹脂を含浸させたシートが用いられるが、これらのシ
ートには、メソカーボン小球体の含有を特に必要としな
い。また、含浸用の樹脂の種類は限定せず炭化可能なも
のであればよい。
本発明は、リブの部分に、メソカーボン小球体の炭化
物と炭素質繊維とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで
固定したC/Cを用いたことを特徴とするリブ付き高強度C
/C構造体である。
物と炭素質繊維とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで
固定したC/Cを用いたことを特徴とするリブ付き高強度C
/C構造体である。
前記メソカーボン小球体の配合量は、焼成炭化して得
られるC/Cに占めるメソカーボン小球体の炭化物が3〜4
0重量%、好ましくは5〜25重量%となるように調整す
るのがよい。3重量%より少ない配合量では焼成炭化時
に発生した樹脂の熱分解ガスのガス抜け性が悪く、また
樹脂の収縮が大きいので、リブの部分で、ガスぶくれ、
層間割れ、変形を引き起こす。一方40重量%より多い
と、得られるC/Cの層間接着力が著しく低下してしまい
リブの部分で割れを発生してしまう。
られるC/Cに占めるメソカーボン小球体の炭化物が3〜4
0重量%、好ましくは5〜25重量%となるように調整す
るのがよい。3重量%より少ない配合量では焼成炭化時
に発生した樹脂の熱分解ガスのガス抜け性が悪く、また
樹脂の収縮が大きいので、リブの部分で、ガスぶくれ、
層間割れ、変形を引き起こす。一方40重量%より多い
と、得られるC/Cの層間接着力が著しく低下してしまい
リブの部分で割れを発生してしまう。
また、炭化可能な樹脂の配合量は、同様に焼成炭化し
て得られるC/C中に占める炭素質が5〜50重量%、好ま
しくは10〜40重量%になるように調整するのがよい。5
重量%より少ない配合量では、得られるC/Cの層間接着
力が著しく弱くなりリブの部分で割れを発生してしま
う。一方50重量%より配合量を多くすると焼成炭化時の
熱分解ガスの発生が多く、また樹脂の収縮によりガスぶ
くれ、層間割れ、変形を引き起こす。
て得られるC/C中に占める炭素質が5〜50重量%、好ま
しくは10〜40重量%になるように調整するのがよい。5
重量%より少ない配合量では、得られるC/Cの層間接着
力が著しく弱くなりリブの部分で割れを発生してしま
う。一方50重量%より配合量を多くすると焼成炭化時の
熱分解ガスの発生が多く、また樹脂の収縮によりガスぶ
くれ、層間割れ、変形を引き起こす。
さらに炭素質繊維の量は、同様に焼成炭化して得られ
るC/C中に40〜85重量%、好ましくは50〜80重量%とな
るように調整するのがよい。40重量%より炭素質繊維の
量が少ないと、繊維による補強効果が十分でなく、得ら
れるC/Cの強度が低下する。また85重量%より多いと層
間接着力が著しく弱くなりリブの部分で割れを発生して
しまう。
るC/C中に40〜85重量%、好ましくは50〜80重量%とな
るように調整するのがよい。40重量%より炭素質繊維の
量が少ないと、繊維による補強効果が十分でなく、得ら
れるC/Cの強度が低下する。また85重量%より多いと層
間接着力が著しく弱くなりリブの部分で割れを発生して
しまう。
次に本発明に係わる出発原料について説明する。
メソカーボン小球体としては、通常の方法、例えば石
油重質油やタールピッチなどを熱処理して生成したメソ
カーボン小球体を遠心分離あるいはろ過等により分別し
て用いることができる。このメソカーボン小球体の粒径
は100μm以下のもので細かいものほど良い。粒径が100
μm超のものでは得られるC/Cの緻密化性が損なわれ、
強度的に満足なものが得られない。メソカーボン小球体
が特に有効である理由としては、形状がほぼ完全な球体
であり、かつ粒径が非常に均一であるために炭化処理過
程で生じるガスがこの粒子の間を通ってなめらかに外部
へ抜けて行くためであると考えられる。このような点か
ら、メソカーボン小球体のみならず、これに炭化可能な
樹脂を表面コーティングしたもの、高温にて熱処理した
ものなどを用いることができる。
油重質油やタールピッチなどを熱処理して生成したメソ
カーボン小球体を遠心分離あるいはろ過等により分別し
て用いることができる。このメソカーボン小球体の粒径
は100μm以下のもので細かいものほど良い。粒径が100
μm超のものでは得られるC/Cの緻密化性が損なわれ、
強度的に満足なものが得られない。メソカーボン小球体
が特に有効である理由としては、形状がほぼ完全な球体
であり、かつ粒径が非常に均一であるために炭化処理過
程で生じるガスがこの粒子の間を通ってなめらかに外部
へ抜けて行くためであると考えられる。このような点か
ら、メソカーボン小球体のみならず、これに炭化可能な
樹脂を表面コーティングしたもの、高温にて熱処理した
ものなどを用いることができる。
炭化可能な樹脂としては、フェノール樹脂が好まし
く、例えば旭有機材工業(株)製“RM3000K"など一般に
市販されているものを使用できる。しかし、その他フラ
ン樹脂やエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
イミド樹脂等も使用可能で、残炭率が45%以上のもので
あれば本発明に十分使用し得る。フェノール樹脂が好ま
しい理由は、樹脂の取扱いやすさ、成形体の特性が良好
で安価なことによる。また残炭率が45%未満の樹脂では
焼成時にガスの発生が多く、激しく収縮するためリブの
部分にガスぶくれ、層間割れ、変形が発生する。
く、例えば旭有機材工業(株)製“RM3000K"など一般に
市販されているものを使用できる。しかし、その他フラ
ン樹脂やエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ
イミド樹脂等も使用可能で、残炭率が45%以上のもので
あれば本発明に十分使用し得る。フェノール樹脂が好ま
しい理由は、樹脂の取扱いやすさ、成形体の特性が良好
で安価なことによる。また残炭率が45%未満の樹脂では
焼成時にガスの発生が多く、激しく収縮するためリブの
部分にガスぶくれ、層間割れ、変形が発生する。
なお、本発明での炭残率とは、樹脂を不活性雰囲気下
1000℃まで加熱した際に残る炭素重量の加熱前の樹脂の
重量に対する割合(重量%)を示す。
1000℃まで加熱した際に残る炭素重量の加熱前の樹脂の
重量に対する割合(重量%)を示す。
炭素質繊維としては、PAN系、レーヨン系およびター
ルピッチ系炭素繊維を用いることができ、強度的にPAN
系のものを用いると最も優れたものが得られる。例え
ば、東邦レーヨン製“高強度ベスファイト(HTA)",
“高弾性ベスファイト(HM40)”等の一般に市販されて
いるものが使用できる。炭素繊維の形態としては、長繊
維フィラメントを100〜12000本束ねたロービングを一方
向に引き揃えたものおよび/または織物が使用できる。
ルピッチ系炭素繊維を用いることができ、強度的にPAN
系のものを用いると最も優れたものが得られる。例え
ば、東邦レーヨン製“高強度ベスファイト(HTA)",
“高弾性ベスファイト(HM40)”等の一般に市販されて
いるものが使用できる。炭素繊維の形態としては、長繊
維フィラメントを100〜12000本束ねたロービングを一方
向に引き揃えたものおよび/または織物が使用できる。
次に、前記メソカーボン小球体、炭化可能な樹脂およ
び炭素質繊維の配合方法としては、例えばメソカーボン
小球体と炭化可能な樹脂をアセトン、メタノール、トル
エンその他の低沸点の有機溶剤およびその混合溶媒など
に溶解させ、これを炭素質繊維のシートに含浸させた
後、オーブン、真空乾燥機などを用いて有機溶媒を取り
除く方法、あるいは炭素質繊維を挟んで少なくとも一方
に、メソカーボン小球体と炭化可能な樹脂との混合物を
塗布した離型紙を重ね合わせ、加熱ロールにて、加熱、
加圧処理し樹脂を炭素質繊維に転移・含浸する方法など
炭素質繊維表面にメソカーボン小球体、炭化可能な樹脂
を均一にむらなく塗布、含浸することができるものであ
れば如何なる方法によっても良く、本発明はメソカーボ
ン小球体と炭化可能な樹脂と炭素質繊維との配合方法を
特に限定するものではない。
び炭素質繊維の配合方法としては、例えばメソカーボン
小球体と炭化可能な樹脂をアセトン、メタノール、トル
エンその他の低沸点の有機溶剤およびその混合溶媒など
に溶解させ、これを炭素質繊維のシートに含浸させた
後、オーブン、真空乾燥機などを用いて有機溶媒を取り
除く方法、あるいは炭素質繊維を挟んで少なくとも一方
に、メソカーボン小球体と炭化可能な樹脂との混合物を
塗布した離型紙を重ね合わせ、加熱ロールにて、加熱、
加圧処理し樹脂を炭素質繊維に転移・含浸する方法など
炭素質繊維表面にメソカーボン小球体、炭化可能な樹脂
を均一にむらなく塗布、含浸することができるものであ
れば如何なる方法によっても良く、本発明はメソカーボ
ン小球体と炭化可能な樹脂と炭素質繊維との配合方法を
特に限定するものではない。
上述のようにしてメソカーボン小球体および樹脂を含
浸した炭素質繊維シートは、必要に応じてL字型、U字
型に積層した後に、別に作成した平板積層板、フィラー
と組み合わせ、オートクレーブによって加熱・加圧して
成形し、前駆成形体を得る。この前駆成形体を不活性雰
囲気中で焼成炭化することにより本発明のリブ付き高強
度C/C構造体が得られる。
浸した炭素質繊維シートは、必要に応じてL字型、U字
型に積層した後に、別に作成した平板積層板、フィラー
と組み合わせ、オートクレーブによって加熱・加圧して
成形し、前駆成形体を得る。この前駆成形体を不活性雰
囲気中で焼成炭化することにより本発明のリブ付き高強
度C/C構造体が得られる。
本発明のリブ付き高強度C/C構造体は、リブの部分
に、メソカーボン小球体の炭化物を固定したC/Cを用い
ることにより、第3図(a)または第4図(a)に示す
ように変形や割れのない良好な形状を有する高強度のも
のである。
に、メソカーボン小球体の炭化物を固定したC/Cを用い
ることにより、第3図(a)または第4図(a)に示す
ように変形や割れのない良好な形状を有する高強度のも
のである。
<実施例> 以下に、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) メソカーボン小球体(平均粒径15μm)と液状フェノ
ール樹脂(旭有機材工業(株)製;RM3000K)とメタノー
ルとを混合して調整した樹脂ワニスを炭素繊維織物(東
邦レーヨン(株);W−1103)に含浸し、室温にて4時間
乾燥した後、オーブン中で100℃45分予備硬化し、第1
表に示す配合のシートを得た。
ール樹脂(旭有機材工業(株)製;RM3000K)とメタノー
ルとを混合して調整した樹脂ワニスを炭素繊維織物(東
邦レーヨン(株);W−1103)に含浸し、室温にて4時間
乾燥した後、オーブン中で100℃45分予備硬化し、第1
表に示す配合のシートを得た。
このシートを、L字型に10枚を積層した。
平板およびフィラーは、液体フェノール樹脂(旭有機
材工業(株)製;RM3000K)とメタノールとを混合して調
整した樹脂ワニスをそれぞれ炭素繊維織物(東邦レーヨ
ン(株);W−1103)、炭素繊維ロービング(東邦レーヨ
ン(株)製;HTA−7−6000)に含浸し、室温にて4時間
乾燥した後、オーブン中で100℃45分予備硬化し、RM300
0K炭化物と炭素繊維がC/C中に占める重量割合が18:82と
なるシートおよびロービングを作成し、このシートを20
枚積層して平板を、またこのロービングを束ねてフィラ
ーを得た。
材工業(株)製;RM3000K)とメタノールとを混合して調
整した樹脂ワニスをそれぞれ炭素繊維織物(東邦レーヨ
ン(株);W−1103)、炭素繊維ロービング(東邦レーヨ
ン(株)製;HTA−7−6000)に含浸し、室温にて4時間
乾燥した後、オーブン中で100℃45分予備硬化し、RM300
0K炭化物と炭素繊維がC/C中に占める重量割合が18:82と
なるシートおよびロービングを作成し、このシートを20
枚積層して平板を、またこのロービングを束ねてフィラ
ーを得た。
L字型と平板を組み合わせて、第1図に示す逆T型構
造体を作製し、これをオートクレーブ中で2Kg/cm2の圧
力下で150℃180分間加熱・成形した後、不活性雰囲気で
10℃/時間の昇温速度にて1000℃まで加熱・炭化してリ
ブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の形状状態を第
1表に示す。
造体を作製し、これをオートクレーブ中で2Kg/cm2の圧
力下で150℃180分間加熱・成形した後、不活性雰囲気で
10℃/時間の昇温速度にて1000℃まで加熱・炭化してリ
ブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の形状状態を第
1表に示す。
(比較例1) メソカーボン小球体と液状フェノール樹脂と炭素繊維
織物から、第1表に示す配合のシートを得た。このシー
トを、L字型に積層したほかは実施例1と全く同様に配
合処理してリブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の
形状状態を第1表に示す。
織物から、第1表に示す配合のシートを得た。このシー
トを、L字型に積層したほかは実施例1と全く同様に配
合処理してリブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の
形状状態を第1表に示す。
(比較例2) メソカーボン小球体を使用せず、液状フェノール樹脂
と炭素繊維織物から実施例1と同様の方法にて第1表に
示す配合のシートを得、L字型に積層したほかは、実施
例1と全く同様にしてリブ付き高強度C/C構造体を得
た。この時の形状状態を第1表に示す。
と炭素繊維織物から実施例1と同様の方法にて第1表に
示す配合のシートを得、L字型に積層したほかは、実施
例1と全く同様にしてリブ付き高強度C/C構造体を得
た。この時の形状状態を第1表に示す。
(比較例3) 実施例1の液状フェノール樹脂に代えて残炭率35%の
樹脂(昭和高分子(株)製;BLS−3122)を使用して、実
例例1と同様の方法にて第1表に示す配合のシートを
得、L字型に積層したほかは実施例1と全く同様に配合
処理してリブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の形
状状態を第1表に示す。
樹脂(昭和高分子(株)製;BLS−3122)を使用して、実
例例1と同様の方法にて第1表に示す配合のシートを
得、L字型に積層したほかは実施例1と全く同様に配合
処理してリブ付き高強度C/C構造体を得た。この時の形
状状態を第1表に示す。
<発明の効果> 本発明は以上説明したように構成されているので、リ
ブの部分にメソカーボン小球体の炭化物と炭素質長繊維
とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで固定したC/Cを
用いた本発明のリブ付きC/C構造体は、焼成炭化する際
の変形がなく、層状割れのない良好な形状を有するリブ
付き高強度C/C構造体であって、航空宇宙用材料等に有
利に使用できるものである。
ブの部分にメソカーボン小球体の炭化物と炭素質長繊維
とを樹脂に由来する炭素質マトリクスで固定したC/Cを
用いた本発明のリブ付きC/C構造体は、焼成炭化する際
の変形がなく、層状割れのない良好な形状を有するリブ
付き高強度C/C構造体であって、航空宇宙用材料等に有
利に使用できるものである。
第1図は、本発明の逆T型リブ付き高強度C/C構造体の
1例を示す分解斜視図である。 第2図は、本発明のI型リブ付き高強度C/C構造体の1
例を示す分解斜視図である。 第3図および第4図は、それぞれ逆T型およびI型構造
体の形状状態を示す線図である。 符号の説明 1……L字型積層体、 2……U字型積層体、 3……充填材(フィラー)、 4……平板積層体
1例を示す分解斜視図である。 第2図は、本発明のI型リブ付き高強度C/C構造体の1
例を示す分解斜視図である。 第3図および第4図は、それぞれ逆T型およびI型構造
体の形状状態を示す線図である。 符号の説明 1……L字型積層体、 2……U字型積層体、 3……充填材(フィラー)、 4……平板積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金城 庸夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−9776(JP,A) 特開 平1−264917(JP,A) 特開 平3−252358(JP,A) 特開 平3−126668(JP,A) 特開 平2−120278(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/83
Claims (3)
- 【請求項1】リブを立てた炭素繊維強化炭素複合材料構
造体において、前記リブの部分に、メソカーボン小球体
の炭化物と炭素質繊維とを樹脂に由来する炭素質マトリ
クスで固定した炭素繊維強化炭素複合材料を用いること
を特徴とするリブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料
構造体。 - 【請求項2】前記メソカーボン小球体の炭化物が3〜40
重量%、炭素質繊維が40〜85重量%、樹脂に由来する炭
素質が5〜50重量%の範囲である請求項1記載のリブ付
き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体。 - 【請求項3】(a)メソカーボン小球体および残炭率45
%以上の樹脂を含有する樹脂溶液を含浸した炭素繊維シ
ートを積層したリブを構成すべき積層体と、(b)他の
積層体および(c)充填材とを組み合わせた後、加熱成
形して前駆成形体とし、これを焼成炭化することを特徴
とするリブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体
の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP02089976A JP3129424B2 (ja) | 1990-04-04 | 1990-04-04 | リブ付き高強度炭素繊維強化炭素複合材料構造体およびその製造方法 |
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