JP3129256B2 - レイヤ切替装置 - Google Patents

レイヤ切替装置

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JP3129256B2 JP28930397A JP28930397A JP3129256B2 JP 3129256 B2 JP3129256 B2 JP 3129256B2 JP 28930397 A JP28930397 A JP 28930397A JP 28930397 A JP28930397 A JP 28930397A JP 3129256 B2 JP3129256 B2 JP 3129256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非同期転送モード
によるLANエミュレーションシステムに用いられるレ
イヤ切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デスクトップシステムを中心とす
る中低速のローカル環境でのトラヒック増加、すなわ
ち、LAN(Local Area Network)帯域幅の増加要求に
対応するために、非同期転送モード(ATM:Asynchro
nous Transfer Mode)を用い、25.6Mbps(Mega
bit per second )の転送速度を有するLANをベース
として、ATMフォーラムによって仕様化されたATM
25MbpsLAN(以下、ATM25LAN)が提案
されている。このATM25LANは、安価に、広く、
早く市場に流通させるという目的のため、半導体やケー
ブルなどの面で既存の技術を採用し、ATMスイッチに
よるスター型配線や既存のLANアプリケーションも適
用可能となっている。
【0003】また、ATMフォーラムによって規定化さ
れ、ATMをLANに適用することで高速なデータ転送
を行うようにした通信システムとして、共有媒体型LA
NをエミュレートしたLANエミュレーション(LAN Em
ulationOver ATM Specification Version 1.0)が案出
されている。LANエミュレーションは、大きく分けて
2つの機能を備えており、1つは3バイトのMAC(Me
dium Access Control )アドレスと20バイトのATM
アドレスとの相互変換機能、もう1つはコネクションレ
ス型の既存LANとコネクション型のATMとの間の制
御機能である。これら各機能を実現するための処理は単
純なものではなく、すべてを1つのデスクトップ上で行
うには負担が大きすぎる。このため、LANエミュレー
ションは、クライアント−サーバスタイルの機能環境で
行われている。
【0004】LANエミュレーションシステムは、大別
して、LANエミュレーションクライアント(LEC:
LAN Emulation Client)と呼ばれるクライアントと、所
定数のLANエミュレーションサーバ(LES:LAN Em
ulationServer)、LANエミュレーションコンフィギ
ュレーションサーバ(LECS:LAN Emulation Config
uration Server)、ブロードキャストアンノウンサーバ
( BUS:Broadcast Unknown Server)等のサーバとか
ら構成されている。
【0005】LANエミュレーションクライアントは、
LEC機能を有するATM端末である場合と、配下にA
TM以外のLAN端末を所定数接続して構成される場合
とがある。そして、これらのLAN端末間、あるいは、
LAN端末およびLEC機能を有するATM端末間を、
LANエミュレーションシステムを通じて通信できるよ
うなパケットのフォーマット変換等の機能を提供するも
のである。
【0006】詳しくは、LANエミュレーションクライ
アントにおいて、上位のアプリケーションからデータ通
信要求を受けると、まず、相手アドレスをMACアドレ
スからATMアドレスに変換する。このとき、LANエ
ミュレーションクライアントは、LEC機能内に設けら
れたアドレス対応表により変換可能なアドレス以外はL
ANエミュレーションサーバ、LANエミュレーション
コンフィギュレーションサーバおよびブロードキャスト
アンノウンサーバに対し、LANエミュレーションアド
レス解決プロトコル(LEARP:LAN Emulation Addr
ess Resolution Protocol )を発行することによってA
TMアドレスへの変換を行う。
【0007】その後、LANエミュレーションクライア
ントは、相手ATMアドレスに対して仮想チャネルコネ
クション(VCC:Virtual Channel Connection)を確
立する。なお、LANエミュレーションサーバは、仮想
コネクションとなるエミュレーテッドLAN(Emulated
LAN)内におけるすべてのLANエミュレーションクラ
イアントに対し、エミュレーテッドLANへの参加時に
MACアドレスおよびATMアドレスを受け取ることに
よりアドレス対応表を更新する。そして、LANエミュ
レーテッドクライアントからのアドレスの問い合わせに
対して回答を行う。
【0008】LANエミュレーションコンフィギュレー
ションサーバは、初期設定や端末の位置、端末の増設等
の登録を行うものであり、具体的には、エミュレーテッ
ドLANの情報を管理し、また、エミュレーテッドLA
N加入前のLANエミュレーションクライアントにエミ
ュレーテッドLANの情報を伝えるものである。ブロー
ドキャストアンノウンサーバは、エミュレーテッドLA
N内のすべてのLANエミュレーションクライアントに
向けて、データフレームをブロードキャストする役割を
持つものである。これは、エミュレーテッドLANに加
入したばかりのLANエミュレーションクライアント
は、宛先とのコネクションがまた確立されていないた
め、LANエミュレーテッドサーバに対してアドレス解
決を依頼し、宛先LANエミュレーテッドクライアント
とのコネクションを確立するものである。
【0009】ところで、IPv6(Internet Protocol
version 6 )におけるアドレスのタイプには、ユニキャ
スト(Unicast )アドレス、エニイキャスト(Anycast
)アドレス、マルチキャスト(Multicast )アドレ
ス、IPv6テストアドレスとがある。ユニキャストア
ドレスは、単一インターフェースのアドレス情報であ
り、記述なしアドレス、ループバックアドレス等があ
る。エニイキャストアドレスは、複数のインターフェー
スのアドレスであり、その中の一つにパケットが配信さ
れる。マルチキャストアドレスは、複数のインターフェ
ースのアドレスであり、そのすべてにパケットが配信さ
れる。IPv6テストアドレスは、プロトタイプソフト
ウェアをテストするためのアドレスである。
【0010】図7は、宛先MACアドレスがユニキャス
トアドレスである場合のデータ転送状況を説明するため
のものであり、LANエミュレーションシステムの要部
構成を示す。この場合のLANエミュレーションシステ
ム100は、LANエミュレーションクライアント10
1と、LANエミュレーションクライアント101に信
号線5011 〜501n を介して接続された複数のLA
N端末1021 〜102n と、LANエミュレーション
クライアント101と伝送路502、503を介して相
互接続されたLANエミュレーションサーバ103と、
LANエミュレーションクライアント101と伝送路5
04、505を介して相互接続された他のLANエミュ
レーションクライアント104とを備えている。
【0011】LANエミュレーションクライアント10
1は、初期動作時に、LANエミュレーションサーバ1
03に対してMACアドレスとATMアドレスとの対応
関係を示すテーブル情報をあらかじめ設定する。そし
て、宛先MACアドレスに対する宛先ATMアドレスを
得る場合、LANエミュレーションクライアント101
は、伝送路503を介し、LANエミュレーションサー
バ103に対してアドレス要求を行う。
【0012】アドレス要求を受けたLANエミュレーシ
ョンサーバ103は、アドレス要求のあったLANエミ
ュレーションクライアント101に対し、伝送路502
を介して宛先MACアドレスに対応する宛先ATMアド
レスを返送する。これによって、宛先ATMアドレスを
得たLANエミュレーションクライアント101は、宛
先ATMアドレスを得ることができる。宛先ATMアド
レスを得たLANエミュレーションクライアント101
は、このATMアドレスを有するLANエミュレーショ
ンクライアント104に対してATMコネクションを設
定する。
【0013】ATMコネクションを設定した後は、この
コネクションを用いることにより、伝送路504、50
5を介してパケットを転送する。ここで、一度得られた
ATMアドレスは、LANエミュレーションクライアン
ト101内の記憶部にキャッシュされ、一定期間内に再
度パケット転送要求が生じたときには、記憶部内にキャ
ッシュされたATMアドレスを再利用する。
【0014】図8は、宛先MACアドレスが、ブロード
キャスト、または、ATMアドレスが解決できない、ま
たは、ATMアドレスが解決される以前である場合のよ
うな、アドレスの問い合わせ要求に対するデータ転送状
況を説明するためのものであり、LANエミュレーショ
ンシステムの要部構成を示す。この場合のLANエミュ
レーションシステム200は、LANエミュレーション
クライアント201と、LANエミュレーションクライ
アント201に伝送路601を介して接続されたブロー
ドキャストアンノウンサーバ202と、ブロードキャス
トアンノウンサーバ202に伝送路6021 〜602m
を介して接続された複数のLANエミュレーションクラ
イアント2031 〜203m とを備えている。
【0015】LANエミュレーションクライアント20
1は、初期動作時に、ブロードキャストアンノウンサー
バ202に対してATMコネクションをあらかじめ設定
している。そして、宛先MACアドレスが、ブロードキ
ャスト、ATMアドレスが解決できない、あるいは、A
TMアドレスが解決される以前のパケットである場合、
LANエミュレーションクライアント201は、伝送路
601を介し、ブロードキャストアンノウンサーバ20
2に対してパケットを送信する。
【0016】パケットを受信したブロードキャストアン
ノウンサーバ202は、初期動作時に設定されたATM
コネクションを用い、伝送路6021 〜602m を介し
て、受信したパケットをブロードキャストアンノウンサ
ーバ202に接続されているすべてのLANエミュレー
ションクライアント2031 〜203m に対して送信す
る。これによって、アドレスが適合するLANエミュレ
ーションクライアント2031 〜203m に対してパケ
ットの送信が可能となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
LANエミュレーションシステムにあっては、パケット
がブロードキャストアンノウンサーバ202を経由する
場合、このパケットは、必ずLANエミュレーションク
ライアント2031 〜203m によって処理されること
になるため、以下に述べるような問題点があった。
【0018】すなわち、宛先MACアドレスが、ブロー
ドキャスト、ATMアドレスが解決できない、あるい
は、ATMアドレスが解決される以前であるようなパケ
ットのように、ブロードキャストアンノウンサーバ20
2を経由するパケットが増加してくると、各LANエミ
ュレーションクライアント2031 〜203m の処理に
要する負荷が増大する。
【0019】このことは、LANエミュレーションクラ
イアント101、201だけに限らず、LANエミュレ
ーションサーバ103やLANエミュレーションコンフ
ィギュレーションサーバおよびブロードキャストアンノ
ウンサーバ202を接続するためのATMスイッチを通
過するトラヒックも大きくなることを意味し、ATMス
イッチ内での輻輳が生じ易くなるという問題点にもつな
がる。
【0020】ネットワークアドレスからMACアドレス
の解決を要求するためのMACアドレス解決要求パケッ
トは、前述したブロードキャストパケット1つである。
このため、本パケットを受信したLANエミュレーショ
ンクライアントもしくはLANエミュレーションクライ
アントの配下に設けられたLAN端末は、要求されてい
るネットワークのレイヤアドレスおよびMACアドレス
が自分のアドレスかどうかをチェックするといった処理
が必要となり、前述した問題が生じ易い環境となってし
まう。
【0021】本発明の目的は、LANエミュレーション
クライアントの処理負荷およびトラヒック負荷を抑えた
レイヤ切替装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、(イ)LANエミュレーションクライアントが初期
動作時に登録するMACアドレスおよびATMアドレス
をネットワークレイヤアドレスとしてのIPアドレスと
対応付けたテーブル情報を格納したアドレステーブル格
納部と、(ロ)宛先MACアドレスがATMアドレスが
解決される以前等の所定のパケットのものである場合に
LANエミュレーションクライアントから送られてくる
パケットおよび仮想パス識別子および仮想チャネル識別
子を基にして受信したパケットがアドレス解決用パケッ
トであるか否かをアドレステーブル格納部にアドレス解
決を行うべきネットワークレイヤアドレスとしてのIP
アドレスがアドレステーブルのエントリとして存在する
かどうかによって判別するパケットチェック部と、
(ハ)パケットチェック部のチェックによってパケット
がアドレス解決用パケットであると判別されたものにつ
いて解決されたMACアドレスを通知されたときにはこ
の解決されたMACアドレスを基にアドレス解決返答用
パケットを生成し、仮想パス識別子および仮想チャネル
識別子を基に判別したコネクションを利用してその送信
元のLANエミュレーションクライアントにアドレス解
決返答用パケットを送信し、これ以外のパケットを他の
LANエミュレーションクライアントに送信するBUS
機能部とをレイヤ切替装置に具備させる。
【0023】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
レイヤ切替装置で、パケットチェック部がMACアドレ
スのエントリが存在しないと判別したときパケットの送
信元のMACアドレスと送信元ネットワークレイヤアド
レスとの対応関係をアドレステーブル格納部にエントリ
として登録する学習情報登録手段を具備することを特徴
としている。
【0024】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
レイヤ切替装置で、パケットチェック部がMACアドレ
スのエントリが存在すると判別したとき検索されたエン
トリあるいは新規に追加されたエントリに対してタイマ
を設定し、これから一定時間以上アクセスがない場合に
はそのエントリを消去する情報消去手段を具備すること
を特徴としている。
【0025】
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図示した一実施例に基づい
て本発明を詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明のレイヤ切替装置を適用し
た、LANエミュレーションシステムの概略全体構成を
示す。LANエミュレーションシステム1は、LANエ
ミュレーションクライアント2によるクライアントと、
LANエミュレーションサーバ3、LANエミュレーシ
ョンコンフィギュレーションサーバ4、ブロードキャス
トアンノウンサーバ5等によるサーバとからなる、クラ
イアント−サーバシステムによって構成されている。
【0029】LANエミュレーションクラインアント2
は、伝送路51を介してLANエミュレーションサーバ
3に接続されており、また、伝送路52を介してLAN
エミュレーションコンフィギュレーションサーバ4に接
続されるとともに、伝送路53を介してブロードキャス
トアンノウンサーバ5に接続されている。これによっ
て、LANエミュレーションクライアント2は、各サー
バ3、4、5との間で相互にパケット情報の伝送が可能
となっている。
【0030】図2は、本発明のLANエミュレーション
システムを構成するブロードキャストアンノウンサーバ
の要部構成を示す。ブロードキャストアンノウンサーバ
5は、大別して、BUS機能部11と、アドレステーブ
ル格納部(テーブル情報格納手段)12と、パケットチ
ェック部(情報追加手段)13と、AAL5処理部(情
報返送手段)14と、ATM回線インターフェース部
(情報返送手段)15とから構成されている。
【0031】ATM回線インターフェース部15は、A
TM回線67、68を介してセルの入出力を行うための
インターフェースである。なお、図2では、入出力のA
TM回線67、68が、それぞれ1本の場合を示してい
るが、ATM回線の数は異なっていても効果は変わらな
い。AAL5処理部14は、信号線65を介してATM
回線インターフェース部15から入力されるセルを、A
TMネットワークで扱うために、AAL(ATM Adaptati
on Layer)のパケットデータを組み立てるものである。
【0032】図3は、LANエミュレーションシステム
で使用されるパケットフォーマットを示すものであり、
AAL5およびATMセルの関係も合わせて示す。同図
において、ネットワークレイヤとしてIP(Internet P
rotocol)を用いる場合を示している。
【0033】LANエミュレーションで用いられるパケ
ットデータは、エミュレーテッドLANにおける識別情
報となるELAN−ID31と、MACアドレス情報と
なるMACヘッダ32と、IPアドレス情報となるIP
ヘッダ33と、ネットワークレイヤのデータ34とから
構成されている。また、MACヘッダ32とIPヘッダ
33との間には、LLC/SNAPの情報フィールドが
追加される場合もある。
【0034】AAL5でのフォーマットは、AAL5−
SDU35と、AAL−CPCSトレイラ36とから構
成されている。そして、ATMセルは、AAL5−SD
U35を複数分割して得られるATMセルペイロード3
8に対し、ATMセルヘッダ37を付与することで得ら
れる、ATMセルヘッダ37およびATMセルペイロー
ド38による複数の組によって構成されている。
【0035】パケットチェック部13は、信号線63を
介して、AAL5処理部14によって組み立てられたパ
ケットと、仮想パス識別子(以下、VPI)および仮想
チャネル識別子(以下、VCI)とを受信し、受信した
パケットが、アドレス解決用パケットであるか否かをチ
ェックする。パケットがアドレス解決用パケットである
場合、信号線61を介してアドレステーブル格納部12
を参照し、アドレス解決を行うべきネットワークレイヤ
アドレス(IPアドレス)が、アドレステーブルのエン
トリとして存在するか否かを検索する。そして、信号線
62を介してチェック結果をBUS機能部11に出力す
る。
【0036】アドレステーブル格納部12は、LANエ
ミュレーションクライアントが初期動作時に登録するM
ACアドレスおよびATMアドレスに加えて、ネットワ
ークレイヤアドレスであるIPアドレスを、それぞれ対
応付けたテーブル情報を格納するものである。BUS機
能部11は、ブロードキャストアンノウンサーバ5にお
ける中枢制御を行うものであり、ブロードキャストされ
たパケットの中身をチェックした結果、アドレス解決用
パケットである場合、自分自身でアドレス解決を行うた
めのものである。
【0037】図4は、本発明のLANエミュレーション
システムを構成するLANエミュレーションクライアン
トの要部構成を示す。LANエミュレーションクライア
ント2は、大別して、LEC機能部21と、アドレステ
ーブル格納部(テーブル情報格納手段)22と、パケッ
トチェック部(情報追加手段)23と、AAL5処理部
(情報返送手段)24と、ATM回線インターフェース
部(情報返送手段)25と、イーサネットインターフェ
ース部(情報返送手段)26とから構成されている。
【0038】LANエミュレーションクライアント2に
おけるLEC機能部21、アドレステーブル格納部2
2、パケットチェック部23、AAL5処理部24、A
TM回線インターフェース部25は、前述したブロード
キャストアンノウンサーバ5におけるBUS機能部1
1、アドレステーブル格納部12、パケットチェック部
13、AAL5処理部14、ATM回線インターフェー
ス部15とそれぞれ同様の機能を有している。また、ア
ドレス学習およびアドレス解決の動作も、ブロードキャ
ストアンノウンサーバ5の場合とほぼ同一であるため、
異なる部分だけを説明する。
【0039】イーサネットインターフェース部26は、
ATM回線インターフェース部25およびAAL5処理
部24によって行われる処理と同様の処理を行うが、そ
の学習方法は以下のようになる。まず、信号線76を介
してイーサネットインターフェース部26から入力され
るアドレス解決パケットに対しては、信号線77を介し
てATM回線インターフェース部25およびAAL5処
理部24から入力されるパケットに基づいて学習したア
ドレス情報だけが対象となる。一方、信号線77を介し
てATM回線インターフェース部25およびAAL5処
理部24から入力されるアドレス解決パケットに対して
は、信号線76を介してイーサネットインターフェース
部26から入力されるパケットに基づいて学習したアド
レス情報だけが対象となる。
【0040】図5は、LANエミュレーションクライア
ント内で用いられるアドレステーブルの構成を示す。ア
ドレステーブル格納部22内には、MACアドレスを格
納する領域40と、ネットワークレイヤアドレスを格納
する領域50と、エイジングタイマデータを格納する領
域60とを一組のエントリとして登録する。ここで、エ
イジングタイマデータとは、正の数を初期値として設定
した後、単位時間当たりに単位数分ずつ減算するように
し、値が“0”となったところでエントリを消去するよ
うにした計数情報である。なお、エイジングタイマデー
タとしては、初期値を“0”として、単位時間ごとに単
位数を加算し、事前に設定した定数に達したときに消去
するようにしてもよい。
【0041】次に、上述の実施形態におけるブロードキ
ャストアンノウンサーバの動作例を図6に基づいて説明
する。
【0042】図6は、ブロードキャストアンノウンサー
バにおけるパケットチェック処理を説明するためのもの
である。まず、ATM回線インターフェース部15に、
ATM回線67を介してセルの入力があると、ATM回
線インターフェース部15は、信号線65を介して入力
されたセルをAAL5処理部14に出力、AAL5処
理部14によってパケットに組み立てる。AAL5処理
部14は、信号線63を介して、組み立てたパケットと
受信VPI/VCIを出力する。
【0043】パケットチェック部13は、信号線63を
介して、パケットと受信VPI/VCIとを受信し(ス
テップS101)、受信したパケットがアドレス解決用
パケットかどうかを判断する(ステップS102)。ス
テップS102の判断処理において、受信したパケット
がアドレス解決用パケットであると判断した場合(ステ
ップS102;Y)、つづいて、当該アドレス解決用パ
ケットに対応するアドレス解決すべきネットワークレイ
ヤアドレスが、アドレステーブル格納部12内のアドレ
ステーブル中にエントリとして存在するか否かを判断す
る(ステップS103)。具体的には、アドレステーブ
ル格納部12内のアドレステーブル中に、アドレス解決
用パケットに対応するエントリがあるかどうかを検索す
る。
【0044】ステップS103の判断処理において、ネ
ットワークレイヤアドレスのエントリが存在する場合
(ステップS103;Y)、当該ネットワークレイヤア
ドレスに対応するMACアドレスを読み出す(ステップ
S104)。そして、ステップS102の判断処理にお
いて、受信パケットがアドレス解決用パケットではなか
った場合(ステップS102;N)や、ステップS10
3の判断処理において、アドレステーブルのエントリ中
にネットワークレイヤアドレスが存在しなかった場合
(ステップS103;N)と共に次処理に進む。
【0045】つぎに、受信したパケットのMACヘッダ
内に含まれる送信元MACアドレスを検索のためのキー
として、アドレステーブルの検索を行い、送信元MAC
アドレスがアドレステーブル中にエントリとして存在す
るか否かを判断する(ステップS105)。ステップS
105の判断処理において、MACアドレスのエントリ
が存在しない場合(ステップS105;N)、パケット
の送信元MACアドレスと送信元ネットワークレイヤア
ドレスとの対応関係を、アドレステーブルにエントリと
して登録する(ステップS106)。これによって、ア
ドレステーブル中には、いわゆる学習によって新規のア
ドレス情報を登録することになる。
【0046】一方、ステップS105の判断処理におい
て、MACアドレスのエントリが存在する場合(ステッ
プS105;Y)、ステップS107の処理に進む。つ
づいて、検索されたエントリ、あるいは、新規に追加さ
れたエントリのエイジングタイマデータに初期値を設定
し、エイジングタイマを起動する(ステップS10
7)。これによって、一定時間の間、アクセスすること
のなかったエントリは消去されることになり、学習登録
によるアドレステーブルの肥大化や、無効データの保持
を防止するようにしている。
【0047】最後にパケットチェック部13は、信号線
62を介して、BUS処理部11に、パケット、パケッ
ト種別、解決したMACアドレス、受信VPI/VCI
等を通知する(ステップS108)。
【0048】BUS機能部11では、アドレス解決用パ
ケットに対して、解決されたMACアドレスを通知され
たときには、解決されたMACアドレスをもとに、アド
レス解決返答用パケットを生成し、また、受信VPI/
VCIからそのアドレス解決用パケットの送信元とのコ
ネクションの判別を行う。そして、判別したコネクショ
ンを利用してその送信元に対してのみ、アドレス解決返
答用パケットを、AAL5処理部14およびATM回線
インターフェース部15を介して送信する。
【0049】以上の処理によって、ブロードキャストア
ンノウンサーバ5は、入力されたアドレス解決用パケッ
トを、他のLANエミュレーションクライアントに送信
することを低減する。なお、その他のパケットの場合に
は従来通りの処理を行う。
【0050】以上説明したように、本実施例では、アド
レステーブル格納部12内に、MACアドレスおよびI
Pアドレスのアドレス学習テーブル情報を格納すること
で、MACアドレスの解決要求パケットを受信したとき
には、直ちに他のLANエミュレーションクライアント
にパケットを転送するのではなく、自身でアドレス解決
できる場合には、アドレス解決を行い、目的のLANエ
ミュレーションクライアントに対してのみ、パケット転
送を行う。
【0051】これによって、アドレス解決のためのブロ
ードキャストを抑えることができ、他のLANエミュレ
ーションクライアントの処理負荷や、ATMスイッチの
トラヒック負荷の増加を抑えることができる。
【0052】なお、前述の実施例における動作に加え
て、ブロードキャストアンノウンサーバ5に以下の機能
を追加しても良い。すなわち、LANエミュレーション
クライアント2もしくはLANエミュレーションコンフ
ィギュレーションサーバ4との間に、事前にコネクショ
ンを設定し、LANエミュレーションクライアント2お
よびLANエミュレーションコンフィギュレーションサ
ーバ4に登録されているMACアドレスを入手するよう
に構成する。そして、入手したMACアドレスに対して
事前にネットワークレイヤアドレスの解決要求パケット
を送信し、MACアドレスに対するIPアドレスを能動
的に学習するように構成する。これによって、前述した
実施例と同様に、アドレステーブル格納部12内のアド
レステーブルにおいて有効な学習を行うことができる。
【0053】また、LANエミュレーションクライアン
ト2およびLANエミュレーションコンフィギュレーシ
ョンサーバ4が、ブロードキャストアンノウンサーバ5
と同一装置内に配備されるような場合には、コネクショ
ンを設定せずとも装置内の制御処理を若干変更するだけ
で、ブロードキャストアンノウンサーバ5への通知が可
能であるため、より簡単にアドレス学習を行うことがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、LANエミュレーションクライアントからA
TMアドレスが解決される以前等の所定のパケットを受
信したとき、レイヤ切替装置内に設けられたアドレステ
ーブルを参照することにより自分自身で、アドレスの変
換ができる場合には、データ転送を抑えることができる
ので、LANエミュレーションクライアントの処理負荷
およびトラヒック負荷を低減することができる。
【0055】また、請求項2あるいは請求項3記載の発
明によれば、アドレステーブル内のテーブル情報は、常
に学習によって更新されるため、2回目以降のアドレス
変換要求に対して、確実にアドレス変換を行うことがで
きる。また、一定時間アクセスのないアドレスを消去し
ていくことにより、アドレステーブル内のテーブル情報
は、常にアクセス頻度の高い、つまり、アドレス変換要
求に対するヒット率の高いデータとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレイヤ切替装置を適用した、LANエ
ミュレーションシステムの概略全体構成を示すブロック
図である。
【図2】本発明のLANエミュレーションシステムを構
成するブロードキャストアンノウンサーバの要部構成を
示すブロック図である。
【図3】本発明のLANエミュレーションシステムで使
用されるパケットフォーマットを示すものである。
【図4】本発明のLANエミュレーションシステムを構
成するLANエミュレーションクライアントの要部構成
を示すブロック図である。
【図5】LANエミュレーションクライアント内で用い
られるアドレステーブルの構成を示す図である。
【図6】ブロードキャストアンノウンサーバにおけるパ
ケットチェック処理を説明するための流れ図である。
【図7】宛先MACアドレスがユニキャストアドレスで
ある場合のデータ転送状況を説明するLANエミュレー
ションシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図8】宛先MACアドレスが、ブロードキャスト、ま
たは、ATMアドレスが解決できない、または、ATM
アドレスが解決される以前である場合等におけるデータ
転送状況を説明するLANエミュレーションシステムの
要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 LANエミュレーションシステム 2 LANエミュレーションクライアント 3 LANエミュレーションサーバ 4 LANエミュレーションコンフィギュレーション
サーバ 5 ブロードキャストアンノウンサーバ 11 BUS機能部 12 アドレステーブル格納部(テーブル情報格納手
段) 13 パケットチェック部(情報追加手段) 14 AAL5処理部(情報返送手段) 15 ATM回線インターフェース部(情報返送手
段) 21 LEC機能部 22 アドレステーブル格納部(テーブル情報格納手
段) 23 パケットチェック部(情報追加手段) 24 AAL5処理部(情報返送手段) 25 ATM回線インターフェース部(情報返送手
段) 26 イーサネットインターフェース部(情報返送手
段)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−46206(JP,A) 特開 平10−276228(JP,A) 特開 平9−298554(JP,A) 特開 平9−8838(JP,A) 特開 平8−331152(JP,A) 日経コミュニケーション,1997年6月 2日号,「特集:ATMの真価 LAN 導入編 ボトルネックはこう避ける P ART3」,pages.72−81 The ATM Forum Tec hnical Committee," LAN Emulation Over ATM Version 1.0”, (af−lane−0021.000)Jan uary 1995 The ATM Forum Tec hnical Committee," LAN Emulation Over ATM Version 2−LUN I Specification”, (af−lane−0084.000)Jul y 1997 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローカルエリアネットワーク(LAN)
    エミュレーションクライアントが初期動作時に登録する
    メディアアクセスコントロール(MAC)アドレスおよ
    び非同期転送モード(ATM)アドレスをネットワーク
    レイヤアドレスとしてのインターネットプロトコル(I
    P)アドレスと対応付けたテーブル情報を格納したアド
    レステーブル格納部と、 宛先MACアドレスがATMアドレスが解決される以前
    等の所定のパケットのものである場合に前記LANエミ
    ュレーションクライアントから送られてくるパケットお
    よび仮想パス識別子および仮想チャネル識別子を基にし
    て受信したパケットがアドレス解決用パケットであるか
    否かを前記アドレステーブル格納部にアドレス解決を行
    うべきネットワークレイヤアドレスとしてのIPアドレ
    スがアドレステーブルのエントリとして存在するかどう
    かによって判別するパケットチェック部と、 パケットチェック部のチェックによって前記パケットが
    アドレス解決用パケットであると判別されたものについ
    て解決されたMACアドレスを通知されたときにはこの
    解決されたMACアドレスを基にアドレス解決返答用パ
    ケットを生成し、前記仮想パス識別子および仮想チャネ
    ル識別子を基に判別したコネクションを利用してその送
    信元のLANエミュレーションクライアントにアドレス
    解決返答用パケットを送信し、これ以外のパケットを他
    のLANエミュレーションクライアントに送信するBU
    S機能部 とを具備することを特徴とするレイヤ切替装
    置。
  2. 【請求項2】 前記パケットチェック部がMACアドレ
    スのエントリが存在しないと判別したときパケットの送
    信元のMACアドレスと送信元ネットワークレイヤアド
    レスとの対応関係を前記アドレステーブル格納部にエン
    トリとして登録する学習情報登録手段を具備することを
    特徴とする請求項1記載のレイヤ切替装置。
  3. 【請求項3】 前記パケットチェック部がMACアドレ
    スのエントリが存在すると判別したとき検索されたエン
    トリあるいは新規に追加されたエントリに対してタイマ
    を設定し、これから一定時間以上アクセスがない場合に
    はそのエント リを消去する情報消去手段を具備すること
    を特徴とする請求項1記載のレイヤ切替装置。
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日経コミュニケーション,1997年6月2日号,「特集:ATMの真価 LAN導入編 ボトルネックはこう避ける PART3」,pages.72−81

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