JP3129213U - 濾紙送り機構及びそれを備えた濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造で濾紙に常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を防止して搬送安定性に優れ、濾紙の送り量を簡便に調整でき、汎用性に優れ、繰り出しロール及び巻き取りロールの径が変化しても、複雑な制御を行うことなく、簡便かつ確実に一定量の濾紙の供給及び回収を行うことができ、汎用性、動作安定性に優れる濾紙送り機構の提供。
【解決手段】濾過部へ濾紙を供給する繰り出しロールと、濾過部から濾紙を回収する巻き取りロールと、繰り出しロールから濾過部へ濾紙の搬送を行う搬送ロールと、濾過部の前後で濾紙を支持する繰り出し側支持ロール及び巻き取り側支持ロールと、搬送ロールと繰り出し側支持ロールの間で濾紙上に上下動自在に載置された送り量調整ロールと、送り量調整ロールの位置を検出するロール位置検出部と、繰り出しロールを回転させる繰り出し駆動部と、巻き取りロールを回転させる巻き取り駆動部と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本考案は、土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液、粉流体や樹脂などの溶解液、スラリーなど各種溶液の濾過を行う濾過装置の濾過部への濾紙の供給及び回収を行う濾紙送り機構及びそれを備えた濾過装置に関するものである。
従来、分析用試験液などの濾過装置においては、ロール状の濾紙(フィルター)を自動送りするものが用いられており、例えば(特許文献1)には、「分析用試験液を濾過する方法において、フィルターの閉塞速度があらかじめわかっている場合に、一定時間経過毎に自動的にフィルターを送ることを特徴とする分析用試験液の濾過装置。」が開示されている。このような濾過装置については、濾紙に掛かるテンションに対応して送り速度を変化させるものが知られている。
一方、(特許文献2)には、「各材料ロールと巻取ロールとの間にあるシート材上には、上下動自在かつシート材の幅方向に沿って傾き自在に支持されたダンサローラが載置されており、このダンサローラの上方には、ダンサローラとの離間距離を検出する測長センサが設けられていることを特徴とするシート材巻取装置。」が開示されている。
特開2005−265413号公報 実用新案登録第2597339号公報
しかしながら上記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)では、メンブレンフィルターロールに巻回されたフィルターをただ単にフィルター巻上げロールで巻上げてフィルターを送るだけなので、フィルターのテンションを一定に保つことは困難であり、フィルターに皺がよったり、フィルターが蛇行したりし易く、フィルターの搬送の信頼性、安定性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献2)は、シート材を連続的に供給するものであり、ダンサローラの位置を検出し、ダンサローラの位置が略一定となるように送り速度(回転速度)を調整するものであって、常にダンサローラの位置を監視しながら、細かく送り速度を調整する必要があり、制御が煩雑で取り扱い性に欠けるという課題を有していた。
また、ダンサローラの位置検出を行い、その位置が略一定となるように送り速度(回転速度)を調整するためには、ある程度の送り量が必要であり、(特許文献1)のように、シート材(フィルター)を短い送り量で断続的に送るものに適用することは困難であり、汎用性、動作安定性に欠けるという課題を有していた。
本考案は上記従来の課題を解決するもので、簡素な構造で濾紙に常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することや濾紙の破断を検出することができ、搬送の安定性に優れ、濾紙の送り量を簡便に調整することができ、汎用性に優れ、濾紙の使用量によって濾紙の供給を行う繰り出しロール及び使用済みの濾紙の回収を行う巻き取りロールの径が変化しても、複雑な制御を行うことなく、簡便かつ確実に一定量の濾紙の供給及び回収を行うことができ、汎用性、動作安定性に優れる濾紙送り機構の提供、及び断続的に濾紙の供給及び回収を行うことができ、無駄なく効率的に濾紙を使用することができる省資源性に優れる濾過装置の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために本考案の濾紙送り機構及びそれを備えた濾過装置は、以下の構成を有している。
本考案の請求項1に記載の濾紙送り機構は、溶液中の不純物を濾過して除去する濾過装置の濾過部への濾紙の供給及び回収を行う濾紙送り機構であって、前記濾過部への前記濾紙の供給を行う繰り出しロールと、前記濾過部から使用済みの濾紙を巻き取って回収する巻き取りロールと、前記繰り出しロールから前記濾過部へ前記濾紙の搬送を行う搬送ロールと、前記濾過部の前記繰り出しロール側に配置され前記濾紙を支持する繰り出し側支持ロールと、前記濾過部の前記巻き取りロール側に配置され前記濾紙を支持する巻き取り側支持ロールと、前記搬送ロールと前記繰り出し側支持ロールの間で前記濾紙上に上下動自在に載置された送り量調整ロールと、前記送り量調整ロールの位置を検出するロール位置検出部と、前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが上端設定位置にあることを検出した時に前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが下端設定位置に移動したことを検出するまで前記繰り出しロールを回転させて前記濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出した時に前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが上端設定位置に移動したことを検出するまで前記巻き取りロールを回転させて前記濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)繰り出しロールから濾過部へ濾紙の搬送を行う搬送ロールと濾過部の繰り出しロール側に配置され濾紙を支持する繰り出し側支持ロールの間で濾紙上に上下動自在に載置された送り量調整ロールを有するので、送り量調整ロールの質量により、濾紙に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することができ、搬送の安定性に優れると共に、濾紙が破断した際には、送り量調整ロールが落下することにより、簡便かつ確実に濾紙の破断を検出することができ、取り扱い性に優れる。
(2)ロール位置検出部で送り量調整ロールが上端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部で送り量調整ロールが下端設定位置に移動したことを検出するまで繰り出しロールを回転させて濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、ロール位置検出部で送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部で送り量調整ロールが上端設定位置に移動したことを検出するまで巻き取りロールを回転させて濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部を有することにより、送り量調整ロールの高さ方向の位置に基づいて、濾紙の供給と回収を行うので、経時的に繰り出しロール及び巻き取りロールの径が変化しても、確実に一定量の濾紙の供給と回収を断続的に繰り返し行うことができ、制御が容易で、汎用性、動作安定性に優れる。
(3)繰り出しロールを回転させて濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、巻き取りロールを回転させて濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部が独立しているので、確実に一定量の濾紙の供給と回収を行うことができ、動作安定性に優れる。
(4)ロール位置検出部では、送り量調整ロールが上端設定位置或いは下端設定位置にあることのみを検出すればよいので、送り量調整ロールの位置を制御する必要がなく、制御が容易で取り扱い性に優れる。
(5)上端設定位置から下端設定位置までの距離により濾紙の送り量を決定することができるので、濾過部で濾過する溶液の種類や濾紙の材質などによって変化する濾紙の濡れ範囲に応じて、上端設定位置又は下端設定位置の少なくともいずれか一方を調整することにより、無駄なく効率的に濾紙の供給及び回収を行うことができ、省資源性に優れる。
(6)濾過部の繰り出しロール側に配置され濾紙を支持する繰り出し側支持ロールと、濾過部の巻き取りロール側に配置され濾紙を支持する巻き取り側支持ロールを有することにより、濾過部の前後で確実に濾紙を支持することができ、濾紙の搬送性に優れる。
ここで、送り量調整ロールは、濾紙に負荷するテンションの大きさに合わせて、適宜、質量や直径などを選択することができる。
ロール位置検出部は、送り量調整ロールの高さ方向の位置を検出するものであるが、少なくとも送り量調整ロールが上端設定位置及び下端設定位置にあることを検出できればよく、送り量調整ロールの高さ方向の位置を常に監視する必要はない。よって、上端設定位置及び下端設定位置で直接、送り量調整ロールに接触してその位置を検出する接触式のセンサを用いることができる。また、上端側又は下端側の少なくともいずれか一方に非接触式のセンサを配置し、送り量調整ロールとの距離を検出してもよい。
繰り出し駆動部及び巻き取り駆動部は、繰り出しロール及び巻き取りロールを一方向に一定速度で回転させることができるものであればよく、直流モータや交流モータ等の安価なモータを用いることができる。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載の濾紙送り機構であって、前記送り量調整ロールの両端部を上下動自在に保持して案内する上下動案内部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)送り量調整ロールの両端部を上下動自在に保持して案内する上下動案内部を有することにより、送り量調整ロールを確実に上下動させることができ、濾紙の幅全体に均一にテンションをかけることができ、濾紙の搬送の安定性に優れる。
(2)送り量調整ロールが上下動案内部で保持されているので、濾紙が切れた場合でも、送り量調整ロールが外部に落下することがなく、信頼性に優れる。
ここで、上下動案内部としては、長尺状に形成され、送り量調整ロールの両端部が遊嵌される長孔若しくは溝を有するものが好適に用いられる。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載の濾紙送り機構であって、前記ロール位置検出部が、前記送り量調整ロールが前記上端設定位置にあることを検出する上端位置センサと、前記送り量調整ロールが前記下端設定位置にあることを検出する下端位置センサと、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ロール位置検出部が、送り量調整ロールが上端設定位置にあることを検出する上端位置センサと、送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出する下端位置センサを有することにより、上端位置センサ及び下端位置センサでそれぞれ独立して、送り量調整ロールが、上端設定位置又は下端設定位置にあることを検出することができるので、位置検出精度の信頼性に優れ、繰り出しロールや巻き取りロールの径が変化しても、常に安定して一定量の濾紙を搬送することができ、濾紙の供給及び回収の動作安定性に優れる。
(2)濾紙が切れた場合、送り量調整ロールが下端位置から移動しなくなるので、所定時間経過後に、下端位置センサによって濾紙が切れたことを検知することができ、取り扱い性、信頼性に優れる。
ここで、上端位置センサ及び下端位置センサは、前述のように接触式でも非接触式でもよい。特に、鉄などの磁性金属が近接したことを検出するセンサを用いた場合、外乱光、ごみ、ホコリ等で誤動作することがなく、確実に位置を検出でき、動作安定性、メンテナンス性に優れる。
請求項4に記載の考案は、請求項3に記載の濾紙送り機構であって、前記ロール位置検出部の前記上端位置センサ及び前記下端位置センサの少なくともいずれか一方の上下方向位置を調整するセンサ位置調整部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項3で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)ロール位置検出部の上端位置センサ及び下端位置センサの少なくともいずれか一方の上下方向位置を調整するセンサ位置調整部を有することにより、簡便に上端設定位置から下端設定位置までの距離を変更して濾紙の送り量を調整することができ、汎用性、取り扱い性に優れる。
ここで、センサ位置調整部としては、上端位置センサ又は下端位置センサを位置決めして固定できるものであればよい。例えば上下方向に複数の取り付け孔を穿設しておき、濾紙の送り量に応じていずれかの取り付け孔を選択し、ねじ止めなどの固定手段で固定するものが好適に用いられる。尚、複数の取り付け孔を穿設する代わりに、取り付け孔を上下方向に長孔状に形成した場合、上端位置センサ又は下端位置センサを任意の位置に固定することができるので、取り付け位置を細かく設定することができ、汎用性に優れる。
本考案の請求項5に記載の濾過装置は、試験液供給部と濾液受容部とを有する濾過部と、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の濾紙送り機構を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)試験液供給部と濾液受容部の間に濾紙送り機構から供給される濾紙を通すことにより、濾過部で真空又は加圧濾過を行うことができる。
(2)濾紙送り機構により、濾紙に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することができ、濾過部での濾過条件の安定性に優れる。
(3)濾紙送り機構により、濾過部に対して断続的に濾紙の供給及び回収を行うことができ、無駄なく効率的に濾紙を使用することができ省資源性に優れる。
ここで、濾過部での濾過は真空濾過でも加圧濾過でもよい。特に加圧濾過の場合、真空濾過に比べて大きな圧力をかけることができ、短時間で濾過を行うことができるので濾過の効率性に優れる。
濾紙が破断し、送り量調整ロールが落下した際に、ランプの点灯や点滅或いは警告音などにより濾紙の破断を知らせる警報部を備えた場合、直ちに濾紙の交換、供給を行うことができ、取り扱い性に優れる。
尚、ロール位置検出部により、送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出できるので、所定時間が経過しても送り量調整ロールが下端設定位置から移動しない場合に、濾紙切れ或いは動作不良と判断して警報を発することができ、信頼性に優れる。また、濾過部に濾紙検出センサを設けた場合、確実に濾紙切れを検出することができ、メンテナンス性に優れる。
請求項6に記載の考案は、請求項5に記載の濾過装置であって、前記濾紙送り機構による前記濾過部への濾紙の供給及び回収を行う際には前記試験液供給部及び前記濾液受容部と前記濾紙が接触しないように前記試験液供給部と前記濾液受容部を離間させ、前記濾過部で濾過を行う際には前記試験液供給部と前記濾液受容部の間に前記濾紙を挟んで固定する間隔調整部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)濾紙送り機構による濾過部への濾紙の供給及び回収を行う際に、試験液供給部及び濾液受容部と濾紙が接触しないように試験液供給部と濾液受容部を離間させる間隔調整部を有することにより、濾紙が試験液供給部及び濾液受容部に引っ掛かることがなく、濾紙表面に捕捉された汚泥などの異物が試験液供給部に付着したり、濾紙が破断したりすることがなく、濾紙の搬送の信頼性に優れる。
(2)濾過部で濾過を行う際には、間隔調整部により、試験液供給部と濾液受容部の間に濾紙を挟んで固定することができるので、確実に真空又は加圧濾過を行うことができ、濾過の信頼性に優れる。
(3)間隔調整部によって試験液供給部と濾液受容部の間隔を調整し、濾紙を挟んだり、開放したりする際に濾紙が移動するが、濾紙送り機構の送り量調整ローラが上下動することにより、濾紙に負荷がかからず、テンションが変化しないので、濾紙の破断などが発生することがなく、濾過作業の信頼性に優れる。
ここで、間隔調整部は、試験液供給部と濾液受容部の間隔を調整できるものであればよいので、試験液供給部又は濾液受容部の少なくともいずれか一方を上下動させることができればよい。試験液供給部と濾液受容部を離間させ、濾紙を開放した際に、繰り出し側支持ロール及び巻き取り側支持ロールによって支持される濾紙の支持高さよりも、濾液受容部の濾紙受け面の位置を低く設定することにより、濾紙の供給及び回収を行う際に、濾紙が試験液供給部や濾液受容部に接触することを防止できる。
以上のように、本考案の濾紙送り機構及びそれを備えた濾過装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の考案によれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)繰り出しロール及び巻き取りロールの間に配設され繰り出しロールから濾過部へ濾紙の搬送を行う搬送ロールと濾過部の繰り出しロール側に配置され濾紙を支持する繰り出し側支持ロールの間で濾紙上に上下動自在に載置された送り量調整ロールを有するので、送り量調整ロールの質量により、濾紙に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することができ、搬送の安定性に優れると共に、濾紙が破断した際には、送り量調整ロールが落下することにより、簡便かつ確実に濾紙の破断を検出することができる取り扱い性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
(2)ロール位置検出部で送り量調整ロールが上端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部で送り量調整ロールが下端設定位置に移動したことを検出するまで繰り出しロールを回転させて濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、ロール位置検出部で送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部で送り量調整ロールが上端設定位置に移動したことを検出するまで巻き取りロールを回転させて濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部を有することにより、送り量調整ロールの高さ方向の位置に基づいて、濾紙の供給と回収を行うので、経時的に繰り出しロール及び巻き取りロールの径が変化しても、確実に一定量の濾紙の供給と回収を断続的に繰り返し行うことができる制御が容易で、汎用性、動作安定性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
(3)繰り出しロールを回転させて濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、巻き取りロールを回転させて濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部が独立していることにより、確実に一定量の濾紙の供給と回収を行うことができる動作安定性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
(4)濾過部で濾過する溶液の種類や濾紙の材質などによって変化する濾紙の濡れ範囲に応じて、上端設定位置又は下端設定位置の少なくともいずれか一方を調整することにより、濾紙の送り量を決定することができ、無駄なく効率的に濾紙の供給及び回収を行うことができる省資源性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
(5)繰り出し側支持ロールと巻き取り側支持ロールにより、濾過部の前後で濾紙を略水平に支持することができる濾紙の搬送性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
請求項2に記載の考案によれば、請求項1に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)送り量調整ロールの両端部を上下動自在に保持して案内する上下動案内部により、送り量調整ロールを確実に上下動させることができ、濾紙の幅全体に均一にテンションをかけることができる濾紙の搬送の安定性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
請求項3に記載の考案によれば、請求項1又は2に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)ロール位置検出部の上端位置センサ及び下端位置センサでそれぞれ独立して、送り量調整ロールが、上端設定位置又は下端設定位置にあることを検出することができ位置検出精度の信頼性に優れると共に、繰り出しロールや巻き取りロールの径が変化しても、常に安定して一定量の濾紙を搬送することができる濾紙の供給及び回収の動作安定性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
請求項4に記載の考案によれば、請求項3に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)ロール位置検出部の上端位置センサ及び下端位置センサの少なくともいずれか一方の上下方向位置を調整するセンサ位置調整部により、簡便に上端設定位置から下端設定位置までの距離を変更して濾紙の送り量を調整することができる汎用性、取り扱い性に優れた濾紙送り機構を提供することができる。
請求項5に記載の考案によれば、以下のような有利な効果が得られる。
(1)濾紙送り機構により、濾紙に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することができる濾過部での濾過条件の安定性に優れた濾過装置を提供することができる。
(2)濾紙送り機構により、濾過部に対して断続的に濾紙の供給及び回収を行うことができ、無駄なく効率的に濾紙を使用することができる省資源性に優れた濾過装置を提供することができる。
請求項6に記載の考案によれば、請求項5に記載の効果に加えて以下のような有利な効果が得られる。
(1)濾紙送り機構による濾過部への濾紙の供給及び回収を行う際に、間隔調整部で試験液供給部と濾液受容部を離間させることにより、濾紙が試験液供給部及び濾液受容部に引っ掛かることを防止でき、濾紙表面に捕捉された汚泥などの異物が試験液供給部に付着したり、濾紙が破断したりすることがない濾紙の搬送の信頼性に優れた濾過装置を提供することができる。
(2)間隔調整部によって試験液供給部と濾液受容部の間隔を調整し、濾紙を挟んだり、開放したりする際に、濾紙送り機構の送り量調整ローラが上下動することにより、濾紙にかかる負荷を吸収してテンションの変化を防止することができ、濾紙の破断などが発生することがなく、濾過作業の信頼性に優れた濾過装置を提供することができる。
以下、本考案の実施の形態における濾紙送り機構及びそれを備えた濾過装置について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の模式正面図であり、図2は実施の形態1における濾紙送り機構の要部斜視図である。
図1中、1は実施の形態1における濾紙送り機構10を備え土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液、粉流体や樹脂などの溶解液、スラリーなど各種溶液の濾過を行う濾過装置、2は濾過装置1の濾過部、2aは後述する試験液供給部3を上下動させて後述する濾液受容部4との距離を調整する濾過部2の間隔調整部、3は土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液などの分析試験液を供給する濾過部2の試験液供給部、3aは濾過時に濾紙20の表面に当接する試験液供給部3の押圧面、4は試験液供給部3から供給され濾紙20で濾過された分析試験液の濾液を受容する濾過部2の濾液受容部、4aは濾過時に濾紙20を支持する濾液受容部4の濾紙受け面、10は濾過装置1の濾過部2への濾紙20の供給及び回収を行う実施の形態1における濾紙送り機構、11は濾過部2への濾紙20の供給を行う濾紙送り機構10の繰り出しロール、12は濾過部2から使用済みの濾紙20を巻き取って回収する濾紙送り機構10の巻き取りロール、13は繰り出しロール11から濾過部2へ濾紙20の搬送を行う濾紙送り機構10の搬送ロール、14aは濾過部2の繰り出しロール11側に配置され濾紙20を支持する繰り出し側支持ロール、14bは濾過部2の巻き取りロール12側に配置され濾紙20を支持する巻き取り側支持ロール、15は搬送ロール13と繰り出し側支持ロール14aの間で20濾紙上に上下動自在に載置された濾紙送り機構10の送り量調整ロール、16は送り量調整ロール15の位置を検出する濾紙送り機構10のロール位置検出部、16aは送り量調整ロール15が上端設定位置にあることを検出するロール位置検出部16の上端位置センサ、16bは送り量調整ロール15が下端設定位置にあることを検出するロール位置検出部16の下端位置センサ、20は繰り出しロール11から濾過部2へ断続的に供給され巻き取りロール12で巻き取られて回収される濾紙である。
次に、濾紙送り機構の詳細について説明する。
図2中、11aは繰り出しロール11の端部に配設された従動ギヤ、11bは従動ギヤ11aに噛合され繰り出し駆動部11dからの動力を伝達する駆動ギヤ、11cは駆動ギヤ11bを回転させる駆動軸、11dはロール位置検出部16で送り量調整ロール15が上端設定位置にあることを検出した時にロール位置検出部16で送り量調整ロール15が下端設定位置に移動したことを検出するまで繰り出しロール11を回転させて濾紙20の繰り出しを行う直流モータや交流モータ等のモータを用いた濾紙送り機構10の繰り出し駆動部、12aは巻き取りロール12の端部に配設された従動ギヤ、12bは従動ギヤ12aに噛合され巻き取り駆動部12dからの動力を伝達する駆動ギヤ、12cは駆動ギヤ12bを回転させる駆動軸、12dはロール位置検出部16で送り量調整ロール15が下端設定位置にあることを検出した時にロール位置検出部16で送り量調整ロール15が上端設定位置に移動したことを検出するまで巻き取りロール12を回転させて濾紙20の巻き取りを行う直流モータや交流モータ等のモータを用いた濾紙送り機構10の巻き取り駆動部、17は送り量調整ロール15の両端部が遊嵌される長孔17aを有し送り量調整ロール15を上下動自在に保持して案内する濾紙送り機構10の上下動案内部である。
次に、ロール位置検出部16のセンサ位置調整部について説明する。
図3(a)は実施の形態1における濾紙送り機構のロール位置検出部のセンサ位置調整部の正面図であり、図3(b)は実施の形態1における濾紙送り機構のロール位置検出部のセンサ位置調整部の断面図である。
図3中、15aは送り量調整ロール15の軸部の端面に埋設された鉄などの磁性金属、16cはロール位置検出部16の上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bの上下方向位置を調整するセンサ位置調整部、16dは上下動案内部17の長手方向(上下方向)に複数穿設されて上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bが固定されるセンサ位置調整部16cの取り付け孔、16eは上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bを取り付け孔16dにねじ止めで固定する固定ねじである。
濾紙20の送り量に応じていずれかの取り付け孔16dを選択し、上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bを固定ねじ16eで固定することができる。尚、複数の取り付け孔16dを穿設する代わりに、取り付け孔16dを上下方向に長孔状に形成した場合、上端位置センサ16a又は下端位置センサ16bを任意の位置に固定することができるので、取り付け位置を細かく設定することができ、汎用性に優れる。
ロール位置検出部16の上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bとして、磁性金属15aが近接したことを検出するセンサを用いた。これにより、外乱光、ごみ、ホコリ等で誤動作することがなく、確実に送り量調整ロール15の位置を検出でき、動作安定性、メンテナンス性に優れる。
尚、送り量調整ロール15は、濾紙20に負荷するテンションの大きさに合わせて、適宜、質量や直径などを選択することができる。
以上のように構成された実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の動作について説明する。
図4(a)は実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の初期状態を示す模式正面図であり、図4(b)は実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の濾紙の繰り出し状態を示す模式正面図であり、図4(c)は実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の濾紙の巻き取り状態を示す模式正面図であり、図4(d)は実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の濾過時の状態を示す模式正面図である。尚、ここでは間隔調整部2aや上下動案内部17を省略した。
まず、図4(a)において、ロール位置検出部16の上端位置センサ16aで送り量調整ロール15が上端設定位置にあることを検出した時に、繰り出し駆動部11d(図2参照)により、繰り出しロール11を回転させて濾紙20の繰り出しを行う。
次に、図4(b)に示すように、ロール位置検出部16の下端位置センサ16bで送り量調整ロール15が下端設定位置に移動したことを検出したら繰り出し駆動部11dを停止し、続いて、図4(c)に示すように、巻き取り駆動部12d(図2参照)により、巻き取りロール12を回転させて濾紙20の巻き取りを行う。ロール位置検出部16の上端位置センサ16aで送り量調整ロール15が上端設定位置に移動したことを検出したら巻き取り駆動部12dを停止する。
濾紙20の供給が完了したら、図4(d)に示すように、濾過部2の間隔調整部2a(図1参照)により、試験液供給部3を降下させ、試験液供給部3と濾液受容部4の間に濾紙20を挟んで固定し、濾過を開始する。尚、試験液供給部3を降下させた際に、濾紙20が下方に移動するが、このとき濾紙送り機構10の送り量調整ローラ15が上昇することにより、濾紙20に負荷がかからず、テンションが変化しないので、濾紙20の破断などが発生せず、確実に濾過作業を行うことができる。
濾液受容部4又は濾液受容部4に接続された濾液回収部(図示せず)などに予め設定した量の濾液が溜まったら濾過作業を終了する。尚、濾液の量は液面センサなどで検出することができる。また、回収する濾液の量は、濾過対象の溶液の種類等に応じて適宜、選択することができる。
以上の動作を断続的に繰り返すことにより、濾過部2への新しい濾紙20の供給と使用済みの濾紙20の回収を行いながら、効率的に濾過を行うことができる。尚、濾紙20の回収及び供給は1回の濾過が終了し、次の濾過を開始するまでに行えばよい。
間隔調整部2aとしては、モータを用いた送り螺子機構を有するものや、油圧、水圧、空気圧シリンダ等が好適に用いられる。本実施の形態では、間隔調整部2aにより試験液供給部3のみを上下動させたが、間隔調整部2aはこれに限定されるものではなく、試験液供給部3又は濾液受容部4の少なくともいずれか一方を上下動させることができればよい。
尚、試験液供給部3と濾液受容部4を離間させ、濾紙20を開放した際に、繰り出し側支持ロール14a及び巻き取り側支持ロール14bによって支持される濾紙20の支持高さよりも、濾液受容部4の濾紙受け面4aの位置を低く設定することにより、濾紙20の供給及び回収を行う際に、濾紙20が試験液供給部3や濾液受容部4に接触することを防止している。
本実施の形態では、上端側及び下端側に上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bを配置し、送り量調整ロール15の位置を磁気によって検出したが、上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bは、これに限定されるものではなく、その他の非接触式センサを用いてもよいし、上端設定位置及び下端設定位置で直接、送り量調整ロール15に接触してその位置を検出する接触式のセンサを用いることもできる。尚、非接触式のセンサとして、送り量調整ロール15との距離を検出できるものを用いる場合は、上端位置センサ16a又は下端位置センサ16bの少なくともいずれか一方を備えていれば、上端位置及び下端位置の両方を検出することが可能である。
尚、上端位置センサ16aや下端位置センサ16bが送り量調整ロール15との距離を検出するセンサである場合は、センサから上端設定位置又は下端設定位置までの距離の設定値を変更するだけでも濾紙20の送り量を調整することができるので、センサ位置調整部16cを設ける必要はない。濾紙20の送り量は、濾過部2で濾過する溶液の種類や濾紙20の材質などによって変化する濾紙20の濡れ範囲に応じて設定される。
本実施の形態では、繰り出し駆動部11d及び巻き取り駆動部12dとして、直流モータや交流モータ等のモータを用いたが、これに限定されるものではなく、繰り出しロール11及び巻き取りロール12を一方向に一定速度で回転させることができるものであればよい。また、本実施の形態では、従動ギヤ11aと駆動ギヤ11bを組み合わせることにより、繰り出し駆動部11d及び巻き取り駆動部12dを小型化したが、繰り出しロール11及び巻き取りロール12の軸に直接、繰り出し駆動部11d及び巻き取り駆動部12dを取り付けてもよい。
尚、濾紙20が破断し、送り量調整ロール15が落下した際に、ランプの点灯や点滅或いは警告音などにより濾紙20の破断を知らせる警報部を備えた場合、直ちに新たな濾紙20を供給して濾過作業を行うことができ、取り扱い性、信頼性に優れる。
以上のように実施の形態1における濾紙送り機構は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)繰り出しロール11及び巻き取りロール12の間に配設され繰り出しロール11から濾過部2へ濾紙20の搬送を行う搬送ロール13と濾過部2の繰り出しロール11側に配置され濾紙20を支持する繰り出し側支持ロール14aの間で濾紙20上に上下動自在に載置された送り量調整ロール15を有するので、送り量調整ロール15の質量により、濾紙20に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙20の蛇行を確実に防止することができ、搬送の安定性に優れると共に、濾紙20が破断した際には、送り量調整ロール15が落下することにより、簡便かつ確実に濾紙20の破断を検出することができ、取り扱い性に優れる。
(2)ロール位置検出部16で送り量調整ロール15が上端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部16で送り量調整ロール15が下端設定位置に移動したことを検出するまで繰り出しロール11を回転させて濾紙20の繰り出しを行う繰り出し駆動部11dと、ロール位置検出部16で送り量調整ロール15が下端設定位置にあることを検出した時に、ロール位置検出部16で送り量調整ロール15が上端設定位置に移動したことを検出するまで巻き取りロール12を回転させて濾紙20の巻き取りを行う巻き取り駆動部12dを有することにより、送り量調整ロール15の高さ方向の位置に基づいて、濾紙20の供給と回収を行うので、経時的に繰り出しロール11及び巻き取りロール12の径が変化しても、確実に一定量の濾紙20の供給と回収を断続的に繰り返し行うことができ、制御が容易で、汎用性、動作安定性に優れる。
(3)繰り出しロール11を回転させて濾紙20の繰り出しを行う繰り出し駆動部11dと、巻き取りロール12を回転させて濾紙20の巻き取りを行う巻き取り駆動部12dが独立しているので、確実に一定量の濾紙20の供給と回収を行うことができ、動作安定性に優れる。
(4)ロール位置検出部16では、送り量調整ロール15が上端設定位置或いは下端設定位置にあることのみを検出すればよいので、送り量調整ロール15の位置を制御する必要がなく、制御が容易で取り扱い性に優れる。
(5)上端設定位置から下端設定位置までの距離により濾紙20の送り量を決定することができるので、濾過部2で濾過する溶液の種類や濾紙の材質などによって変化する濾紙20の濡れ範囲に応じて、上端設定位置又は下端設定位置の少なくともいずれか一方を調整することにより、無駄なく効率的に濾紙20の供給及び回収を行うことができ、省資源性に優れる。
(6)濾過部2の繰り出しロール11側に配置され濾紙20を支持する繰り出し側支持ロール14aと、濾過部2の巻き取りロール12側に配置され濾紙20を支持する巻き取り側支持ロール14bを有することにより、濾過部2の前後で確実に濾紙20を支持することができ、濾紙20の搬送性に優れる。
(7)送り量調整ロール15の両端部を上下動自在に保持して案内する上下動案内部17を有することにより、送り量調整ロール15を確実に上下動させることができ、濾紙20の幅全体に均一にテンションをかけることができ、濾紙20の搬送の安定性に優れる。
(8)送り量調整ロール15が上下動案内部17で保持されているので、濾紙20が切れた場合でも、送り量調整ロール15が外部に落下することがなく、信頼性に優れる。
(9)ロール位置検出部16が、送り量調整ロール15が上端設定位置にあることを検出する上端位置センサ16aと、送り量調整ロール15が下端設定位置にあることを検出する下端位置センサ16bを有することにより、上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bでそれぞれ独立して、送り量調整ロール15が、上端設定位置又は下端設定位置にあることを検出することができ、位置検出精度の信頼性に優れ、繰り出しロール11や巻き取りロール12の径が変化しても、常に安定して一定量の濾紙20を搬送することができ、濾紙20の供給及び回収の動作安定性に優れる。
(10)濾紙20が切れた場合、送り量調整ロール11が下端位置から移動しなくなるので、所定時間経過後に下端位置センサ16bによって濾紙20が切れたことを検知することができ、取り扱い性、信頼性に優れる。
(11)ロール位置検出部16の上端位置センサ16a及び下端位置センサ16bの少なくともいずれか一方の上下方向位置を調整するセンサ位置調整部16cを有することにより、簡便に上端設定位置から下端設定位置までの距離を変更して濾紙20の送り量を調整することができ、汎用性、取り扱い性に優れる。
以上のように実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)試験液供給部3と濾液受容部4の間に濾紙送り機構10から供給される濾紙20を通すことにより、濾過部2で真空又は加圧濾過を行うことができる。
(2)濾紙送り機構10により、濾紙20に対して常に一定のテンションをかけることができ、濾紙20の蛇行を確実に防止することができ、濾過部2での濾過条件の安定性に優れる。
(3)濾紙送り機構10により、濾過部2に対して断続的に濾紙20の供給及び回収を行うことができ、無駄なく効率的に濾紙20を使用することができ省資源性に優れる。
(4)濾紙送り機構10による濾過部2への濾紙20の供給及び回収を行う際に、試験液供給部3及び濾液受容部4と濾紙20が接触しないように試験液供給部3と濾液受容部4を離間させる間隔調整部2aを有することにより、濾紙20が試験液供給部3及び濾液受容部4に引っ掛かることがなく、濾紙20表面に捕捉された汚泥などの異物が試験液供給部3に付着したり、濾紙20が破断したりすることがなく、濾紙20の搬送の信頼性に優れる。
(5)濾過部2で濾過を行う際には、間隔調整部2aにより、試験液供給部3と濾液受容部4の間に濾紙20を挟んで固定することができるので、確実に真空又は加圧濾過を行うことができ、濾過の信頼性に優れる。
(6)間隔調整部2aによって試験液供給部3と濾液受容部4の間隔を調整し、濾紙20を挟んだり、開放したりする際に濾紙20が移動するが、濾紙送り機構10の送り量調整ローラ15が上下動することにより、濾紙20に負荷がかからず、テンションが変化しないので、濾紙20の破断などが発生することがなく、濾過作業の信頼性に優れる。
本考案は、簡素な構造で濾紙に常に一定のテンションをかけることができ、濾紙の蛇行を確実に防止することや濾紙の破断を検出することができ、搬送の安定性に優れ、濾紙の送り量を簡便に調整することができ、汎用性に優れ、濾紙の使用量によって濾紙の供給を行う繰り出しロール及び使用済みの濾紙の回収を行う巻き取りロールの径が変化しても、複雑な制御を行うことなく、簡便かつ確実に一定量の濾紙の供給及び回収を行うことができ、汎用性、動作安定性に優れる濾紙送り機構の提供、及び断続的に濾紙の供給及び回収を行うことができ、無駄なく効率的に濾紙を使用することができる省資源性に優れる濾過装置の提供を行うことができ、土壌溶出液、廃棄物溶出液、土壌含有量調査試験液、粉流体や樹脂などの溶解液、スラリーなど各種溶液の濾過作業の効率性を向上させることができる。
実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の模式正面図 実施の形態1における濾紙送り機構の要部斜視図 (a)実施の形態1における濾紙送り機構のロール位置検出部のセンサ位置調 整部の正面図(b)実施の形態1における濾紙送り機構のロール位置検出部のセンサ位 置調整部の断面図 (a)実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の初期状態を示す 模式正面図(b)実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の濾紙の繰り出 し状態を示す模式正面図(c)実施の形態1における濾紙送り機構を備えた濾過装置の 濾紙の巻き取り状態を示す模式正面図(d)実施の形態1における濾紙送り機構を備え た濾過装置の濾過時の状態を示す模式正面図
符号の説明
1 濾過装置
2 濾過部
2a 間隔調整部
3 試験液供給部
3a 押圧面
4 濾液受容部
4a 濾紙受け面
10 濾紙送り機構
11 繰り出しロール
11a,12a 従動ギヤ
11b,12b 駆動ギヤ
11c,12c 駆動軸
11d 繰り出し駆動部
12 巻き取りロール
12d 巻き取り駆動部
13 搬送ロール
14a 繰り出し側支持ロール
14b 巻き取り側支持ロール
15 送り量調整ロール
15a 磁性金属
16 ロール位置検出部
16a 上端位置センサ
16b 下端位置センサ
16c センサ位置調整部
16d 取り付け孔
16e 固定ねじ
17 上下動案内部
17a 長孔
20 濾紙

Claims (6)

  1. 溶液中の不純物を濾過して除去する濾過装置の濾過部への濾紙の供給及び回収を行う濾紙送り機構であって、前記濾過部への前記濾紙の供給を行う繰り出しロールと、前記濾過部から使用済みの濾紙を巻き取って回収する巻き取りロールと、前記繰り出しロールから前記濾過部へ前記濾紙の搬送を行う搬送ロールと、前記濾過部の前記繰り出しロール側に配置され前記濾紙を支持する繰り出し側支持ロールと、前記濾過部の前記巻き取りロール側に配置され前記濾紙を支持する巻き取り側支持ロールと、前記搬送ロールと前記繰り出し側支持ロールの間で前記濾紙上に上下動自在に載置された送り量調整ロールと、前記送り量調整ロールの位置を検出するロール位置検出部と、前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが上端設定位置にあることを検出した時に前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが下端設定位置に移動したことを検出するまで前記繰り出しロールを回転させて前記濾紙の繰り出しを行う繰り出し駆動部と、前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが下端設定位置にあることを検出した時に前記ロール位置検出部で前記送り量調整ロールが上端設定位置に移動したことを検出するまで前記巻き取りロールを回転させて前記濾紙の巻き取りを行う巻き取り駆動部と、備えたことを特徴とする濾紙送り機構。
  2. 前記送り量調整ロールの両端部を上下動自在に保持して案内する上下動案内部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の濾紙送り機構。
  3. 前記ロール位置検出部が、前記送り量調整ロールが前記上端設定位置にあることを検出する上端位置センサと、前記送り量調整ロールが前記下端設定位置にあることを検出する下端位置センサと、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の濾紙送り機構。
  4. 前記ロール位置検出部の前記上端位置センサ及び前記下端位置センサの少なくともいずれか一方の上下方向位置を調整するセンサ位置調整部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の濾紙送り機構。
  5. 試験液供給部と濾液受容部とを有する濾過部と、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の濾紙送り機構を備えたことを特徴とする濾過装置。
  6. 前記濾紙送り機構による前記濾過部への濾紙の供給及び回収を行う際には前記試験液供給部及び前記濾液受容部と前記濾紙が接触しないように前記試験液供給部と前記濾液受容部を離間させ、前記濾過部で濾過を行う際には前記試験液供給部と前記濾液受容部の間に前記濾紙を挟んで固定する間隔調整部を備えたことを特徴とする請求項5に記載の濾過装置。
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