JP3128630U - カロートを備えた供養塔 - Google Patents

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Abstract

【課題】万一の心ない悪戯を防ぐためにカロートを簡単には開けることができないようにすると共に、外部からの雨水や塵埃の安易な侵入を防いでカロート内部の清浄な状態を維持できる、遺骨を収納するための供養塔を提供する。
【解決手段】供養塔(P)はカロート(1)と塔本体(2)及び供物台(3)を備えている。カロート(1)は、地中に施工された基礎(41,42)の上に設けられ、塔本体(2)はカロート(2)の上部に固定されている。塔本体(2)には、骨壺を置く棚(202)が設けられている。カロート(1)の入れ口(14)は、塔本体(2)の内部に位置している。カロート(1)の底部には外部とつながる抜き部(13)が設けられ、抜き部(13)には土が露出させてある。
【選択図】図2

Description

本考案は、カロートを備えた供養塔に関するものである。更に詳しくは、カロートを外部から開けることができないようにすると共に、カロート内部の清浄な状態を維持できるようにしたカロートを備えた供養塔に関する。
近代の墓は、遺骨を納めるためのカロート(納骨室)を備えたものが一般的である(特許文献1、2参照)。
カロートは、底部を抜いて土が露出させてあったり、底部がコンクリートや石板で形成してある場合は抜き穴が設けてあるなど、いずれにしても納骨された遺骨の風化を促進する構造を有している。特許文献1、2記載の墓は、墓石の下の地中にカロートが設けられた構造であり、カロートは入れ口を覆う蓋石を外して内部に納骨することができるようになっている。
しかしながら、上記文献記載のカロート付きの墓には、次のような問題があった。
すなわち、カロートの入れ口を覆う蓋石は、特に覆うものもなく外部に露出しており、いわば雨ざらしである。このため、入れ口と蓋石の隙間から雨水や塵埃が安易に侵入してしまうので、遺骨の風化を促進するためとはいえ、カロート内部が汚くなっているものが多い。さらには、蓋石は比較的容易に外すことができるため、遺骨の入った骨壺を盗んだり壊してしまうなど、心ない悪戯も少なくなかった。
特開平8−338160
特開平9−53340
本考案は、万一の心ない悪戯を防ぐためにカロートを簡単には開けることができないようにすると共に、外部からの雨水や塵埃の安易な侵入を防いでカロート内部の清浄な状態を維持できる、遺骨を収納するための供養塔を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本考案が講じた手段は次のとおりである。
本考案は、
遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
塔本体とカロートを備えており、
塔本体には、出入口と、骨壺を置く棚または収容部が設けられており、
カロートには、入れ口と、外部とつながる抜き部が設けられ、入れ口は塔本体の内部に位置している、
カロートを備えた供養塔である。
本考案は、
遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
塔本体とカロートを備えており、
塔本体には、出入口と、骨壺を置く棚または収容部が設けられており、
カロートには、入れ口が設けられ、入れ口は塔本体の内部に位置しており、
カロートの底部には外部とつながる抜き部が設けられ、抜き部には土が露出させてある、
カロートを備えた供養塔である。
本考案は、
遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
塔本体とカロートを備えており、
カロートは、地中に施工された基礎の上に設けられ、塔本体はカロートに固定されており、
塔本体には、出入口と、骨壺を置く棚または収容部が設けられており、
カロートには、入れ口と、外部とつながる抜き部が設けられ、入れ口は塔本体の内部に位置している、
カロートを備えた供養塔である。
本考案は、
遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
塔本体とカロートを備えており、
カロートは、地中に施工された基礎の上に設けられ、塔本体はカロートに固定されており、
塔本体には、出入口と、骨壺を置く棚または収容部が設けられており、
カロートには、入れ口が設けられ、入れ口は塔本体の内部に位置しており、
カロートの底部には外部とつながる抜き部が設けられ、抜き部には土が露出させてある、
カロートを備えた供養塔である。
本考案にいうカロート(calotte)は、墓に収められたり設けられる納骨用容器または納骨堂、納骨室の意味を含むものである。
塔本体は、コンクリートで型成形した部材を使用して形成してもよいし、御影石などの石を加工した部材を使用して形成してもよい。
カロートも同様に、コンクリートで型成形した部材を使用して形成してもよいし、石を加工した部材を使用して形成してもよい。
塔本体及びカロートの大きさは、例えば、それぞれ人一人が入れる程度の大きさに形成されるが、さらに大きく形成してもよく、これに限定するものではない。
(作用)
本考案に係るカロートを備えた供養塔の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、実用新案登録請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
供養塔(P)は、カロート(1)の入れ口(14)が塔本体(2)の内部に位置している。また、塔本体(2)には、通常は施錠されるので、入れ口(14)は簡単には開けることができない。
また、カロート(1)の入れ口(14)が塔本体(2)の内部に位置していることにより、外部からの雨水や塵埃の安易な侵入を防ぐことができ、カロート(1)内部の状態を清浄な状態で維持することができる。
カロート(1)の抜き部(13)に土が露出させてあるものは、カロート(1)内が常時外部と通じることによって、散骨された遺骨の風化を促進することができる。また、時間の経過と共に、カロート(1)内部には抜き部(13)から多少の湿気や水が上がるものの、カロート(1)内部の状態は、抜き部(13)を設けない場合と同様に比較的清浄な状態に維持される。
カロート(1)が地中に施工された基礎(41,42)の上に設けられ、塔本体(2)はカロート(1)に固定されているものは、塔本体(2)を施工するための基礎を別に設ける必要はない。いわば、カロート(1)が塔本体(2)の基礎となり、例えばカロート(1)と同様に塔本体(2)も基礎の上に設ける構造とする場合と比較して、構造が簡単になる。
(a)本考案に係るカロートを備えた供養塔は、カロートの入れ口が塔本体の内部に位置しており、塔本体にも通常は施錠されるので、入れ口は簡単には開けることができない。これにより、遺骨の入った骨壺を盗んだり壊してしまうなどの心ない悪戯も防止することができる。また、上記構造により、外部からの雨水や塵埃の安易な侵入を防ぐことができるので、カロート内部の状態を清浄な状態で維持することができる。
(b)カロートの抜き部に土が露出させてあるものは、カロート内が常時外部と通じることによって、散骨された遺骨の風化を促進することができる。また、カロート内部に抜き部から多少の湿気や水が上がるものの、カロート内部の状態は、抜き部を設けない場合と同様に清浄な状態に維持することができる。
(c)カロートが地中に施工された基礎の上に設けられ、塔本体はカロートに固定されているものは、例えばカロートと同様に塔本体も基礎の上に設ける構造とする場合と比較して、構造が簡単であるだけ施工期間を短縮することができると共に、施工コストを抑えることができる。
本考案を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本考案に係る供養塔の一実施の形態を示す分解斜視説明図、
図2は図1に示す供養塔の設置状態の縦断面説明図、
図3は図2におけるA−A部分に対応する箇所の断面説明図、
図4は図2におけるB−B部分に対応する箇所の断面説明図である。
供養塔Pは、カロート1と塔本体2及び供物台3により構成されている。
カロート1は、下側の約三分の二が地中に埋設され、上側の約三分の一が地面GLから突出するように施工されている。施工に際しては、まず地面に所要の深さの施工穴4を掘り、底面40を整地する。次に、底面40の上にグリ石41を敷いて転圧し、さらに砂利42を敷く。そして、砂利42の上に鉄筋と型枠を組み、コンクリートを打ち込んで施工する。型を抜いた後は、カロート1周囲に土が埋め戻されて整地される。
カロート1は、台部10、側部11及び天部12を有している。台部10、側部11、天部12は、それぞれ所要の厚さを有する板状である。台部10は、外形が平面視で四角形状であり、内部側には同じく四角形状の抜き部13が設けられている。抜き部13には、土の部分が露出させてあるが、砂利42やグリ石41をあらかじめ広く施工しておいて、これを露出させてもよい。この抜き部13は、納骨が一定期間過ぎた遺骨を散骨する部分となる。
側部11は、台部10の各部幅方向の中間部に沿うように所要高さに立設されており、平面視四角形の壁部を構成している(図4参照)。側部11の上部には、天部12が水平に設けられている。天部12は、外形が平面視で四角形状であり、台部10の外形の平面視形状より若干小さく形成されている。天部12には、中央よりやや後部寄り(図2において右寄り)に四角形状の入れ口14が貫通して設けられている。入れ口14には、蓋15が着脱可能に嵌め入れてある。なお、入れ口14の大きさは、少なくともカロート内部に散骨をする際に支障のない大きさであれば特に限定せず、人が出入りできる大きさに形成することもできる。
塔本体2は、カロート1の天部12に固定されている。塔本体2は、外形が平面視で四角形状となるように組まれた、コンクリートで成形された壁部(符号省略)を備えている。壁部は、正面板22、左右の側板23及び背面板24により構成されている。正面板22、各側板23及び背面板24は、カロート1の天部12に設けてある複数のアンカー16によって、後述する各角部材200を取り付けることにより固定されている。
正面板22、各側板23及び背面板24は、壁部の周方向における四箇所の角部に、水平方向の断面形状がほぼL字状の角部材200を立設し、さらに正面板22及び各側板23では中断した部分を塞ぐように壁材201を取り付けた構造を有している(図3参照)。そして、正面板22の壁材201には銘文表示部220が設けられている。また、背面板24の中断した部分には、開き戸240が設けられ、この部分が出入口となっている。
正面板22及び各側板23の内部側には、骨壺を載置する複数段の棚202が平面視でコ字状に設けられている。棚202は上記蓋15の上方に被さらないようにしてあり、蓋15の開閉に支障がないようにしている(図3参照)。本実施の形態では、棚202を支えるために棚フレーム203を置いているが、例えば棚202を正面板22及び各側板23に固定する固定部の強度と棚202自体の強度を確保することにより、棚フレーム203は使用しない構造としてもよい。なお、骨壺を収容する部分については、必ずしも棚でなくてもよく、専用の台を置くなど、各種の公知の収容手段を使用することができる。
正面板22、各側板23及び背面板24の下端部には、下部段板25が水平に設けてある。下部段板25のやや上方には、同様に上記各板22、23、24に上部段板26が水平に設けてある。下部段板25及び上部段板26は、外形が平面視で四角形状であり、上部段板26が下部段板25より小さく形成されている。上部段板26の四辺の外縁部から下部段板25にかけて、長方形状の上部幕板260が設けてある。上部幕板260は、上部段板26と下部段板25の間の空間を塞ぐように形成されている。
また、下部段板25の四辺の外縁部から地面GLにかけて、長方形状の下部幕板250が設けてある。下部幕板250は、下部段板25と地面GLの間の空間を塞ぐように形成されている。なお、下部幕板250の下縁部は、地面GLに接するように設けられており、そのために地面GLはほぼ水平になるように整地されている。正面側の下部幕板250と上部幕板260の前部には、供物台3が置かれている。
正面板22、各側板23及び背面板24の上部には、上部を塞ぐように内天板28が水平に設けられている。また、正面板22、各側板23及び背面板24の上部には、屋根部27が設けられている。屋根部27は、外形が平面視で正方形であり、頂点を中心に四面がやや反った構造の傾斜面を有する、いわゆる方形(ほうぎょう)屋根である。屋根部27の頂点には、寺院建築でいえば相輪にあたるポール270が垂直に設けられている。
(作用)
図1ないし図4を参照して本実施の形態に係る供養塔Pの作用を説明する。
供養塔Pの塔本体2内部の棚202には、遺骨を入れた骨壺(図示省略)が適宜収納される。納骨が一定期間過ぎた遺骨は、蓋15を開け、入れ口14からカロート1内に散骨される。散骨された遺骨は、カロート1内が抜き部13によって外部と通じていることによって、風化が促進され、最終的に土に帰ることができる。
供養塔Pのカロート1の入れ口14は、塔本体2の内部に位置しており、外部からの雨水や塵埃の安易な侵入を防ぐことができ、カロート1内部の状態を清浄な状態で維持することができる。なお、抜き部13には土が露出させてあるので、時間の経過と共に、カロート1内部には抜き部13から多少の湿気や水が上がるものの、雨水や塵埃とは違って比較的清浄な状態は十分に保たれる。また、塔本体2の出入口である開き戸240には、通常は施錠されるので、入れ口14は、関係者以外、簡単には開けることができない。これにより、心ない悪戯も防ぐことができる。
また、供養塔Pは、カロート1が地中に施工された基礎を構成するグリ石41、砂利42の上に設けられており、塔本体2は、このカロート1の上部に固定されている。この構造によれば、塔本体2を施工するための基礎を別に設ける必要はない。つまり、カロート1が塔本体2の基礎となり、カロート1と同様に塔本体2にも基礎を施工する構造と比較して、全体の構造が簡単になり、施工期間が短縮できると共にコストも安価に抑えることが可能になる。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本考案は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
本考案に係る供養塔の一実施の形態を示す分解斜視説明図。 図1に示す供養塔の設置状態の縦断面説明図。 図2におけるA−A部分に対応する箇所の断面説明図。 図2におけるB−B部分に対応する箇所の断面説明図。
符号の説明
P 供養塔
1 カロート
10 台部
11 側部
12 天部
13 抜き部
14 入れ口
15 蓋
16 アンカー
2 塔本体
22 正面板
220 銘文表示部
23 側板
24 背面板
240 開き戸
25 下部段板
250 下部幕板
26 上部段板
260 上部幕板
27 屋根部
28 内天板
270 ポール
200 角部材
201 壁材
202 棚
203 棚フレーム
3 供物台
4 施工穴
40 底面
41 グリ石
42 砂利

Claims (4)

  1. 遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
    塔本体(2)とカロート(1)を備えており、
    塔本体(2)には、骨壺を置く棚(202)または収容部が設けられており、
    カロート(1)には、入れ口(14)と、外部とつながる抜き部(13)が設けられ、入れ口(14)は塔本体(2)の内部に位置している、
    カロートを備えた供養塔。
  2. 遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
    塔本体(2)とカロート(1)を備えており、
    塔本体(2)には、骨壺を置く棚(202)または収容部が設けられており、
    カロート(1)には、入れ口(14)が設けられ、入れ口(14)は塔本体(2)の内部に位置しており、
    カロート(1)の底部には外部とつながる抜き部(13)が設けられ、抜き部(13)には土が露出させてある、
    カロートを備えた供養塔。
  3. 遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
    塔本体(2)とカロート(1)を備えており、
    カロート(1)は、地中に施工された基礎(41,42)の上に設けられ、塔本体(2)はカロート(1)に固定されており、
    塔本体(2)には、骨壺を置く棚(202)または収容部が設けられており、
    カロート(1)には、入れ口(14)と、外部とつながる抜き部(13)が設けられ、入れ口(14)は塔本体(2)の内部に位置している、
    カロートを備えた供養塔。
  4. 遺骨を収納するためのカロートを備えた供養塔であって、
    塔本体(2)とカロート(1)を備えており、
    カロート(1)は、地中に施工された基礎(41,42)の上に設けられ、塔本体(2)はカロート(2)に固定されており、
    塔本体(2)には、骨壺を置く棚(202)または収容部が設けられており、
    カロート(1)には、入れ口(14)が設けられ、入れ口(14)は塔本体(2)の内部に位置しており、
    カロート(1)の底部には外部とつながる抜き部(13)が設けられ、抜き部(13)には土が露出させてある、
    カロートを備えた供養塔。
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