JP3128347B2 - 抗体の分取・精製方法 - Google Patents

抗体の分取・精製方法

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JP3128347B2
JP3128347B2 JP04251367A JP25136792A JP3128347B2 JP 3128347 B2 JP3128347 B2 JP 3128347B2 JP 04251367 A JP04251367 A JP 04251367A JP 25136792 A JP25136792 A JP 25136792A JP 3128347 B2 JP3128347 B2 JP 3128347B2
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弘之 堀北
慎一 浅野
英樹 竹内
佐一 山田
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NGK Insulators Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアフィニティカラムを利
用した抗体の分取・精製方法の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】マウス腹水中もしくは細胞培養上清中か
ら抗体の分取・精製を行うには、従来から図2に示すよ
うな装置が使用されていた。この装置による抗体の分取
・精製工程は次の通りである。 抗体を含むマウス腹水等を吸着液バッファーに溶解
させる。 ポンプ12により所定量の吸着液を流し、カラム11内
のリガンドに抗体を吸着させる。 ポンプ12により、カラム11内に洗浄液を流す。 ポンプ12により、カラム11内に溶離液を流し、リガ
ンドに吸着されていた抗体を溶離させて回収する。
【0003】この吸着操作時におけるカラム11の出口の
抗体濃度を経時的に示すと、図3のグラフのようにな
る。すなわち、吸着操作開始時からある時間までは吸着
液中の抗体が完全にカラム11内のリガンドに吸着される
ため、カラム11の出口の抗体濃度はゼロである。しかし
ある時間からリガンドの吸着能が限界に達し、図示のよ
うな破過曲線を描いてカラム11の出口の抗体濃度は上昇
していく。この分の抗体は無駄になるため、従来はカラ
ムの出口の抗体濃度Cが吸着液中の抗体濃度C0の10%
に達したときに吸着操作を停止し、つぎの洗浄工程へと
移行していた。このため、1回の操作で分取できる抗体
量は図3のA,B,C,D,Eで囲まれた面積で表され
る量となる。
【0004】しかし、カラム11自体の吸着能力はA,
F,C,D,Eで囲まれた面積の分あるため、破過曲線
の勾配が小さいほど有効に利用されないB,C,Fの部
分が多くなりカラム11の能力を十分に生かしていないこ
ととなる。この結果、カラム11の容量当りの抗体の吸着
量が減少し、溶離液中の抗体濃度が低くなるという問題
が残されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、抗体を無駄に流出させることなくカ
ラムの容量当りの抗体の吸着量を増加させ、溶離液中の
抗体濃度を高めることができる抗体の分取・精製方法を
提供するために完成されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、抗体をアフィニティカラムで分
取・精製するにあたり、第1のカラムと第2のカラムを
直列に接続し、吸着操作時には、第1のカラムから第2
のカラムへの順に吸着液を流し、第1のカラムの出口の
吸着液中の抗体濃度が第1のカラムに供給した吸着液中
の抗体濃度の50%以上の所定値となったときに吸着操作
を停止して第1のカラムのみ洗浄、溶離操作を行い、次
の吸着操作時には、吸着液を第2のカラム側からから第
1のカラムへの順に前記方向とは逆に流して第2のカラ
ムの出口の吸着液中の抗体濃度が第2のカラムに供給し
た吸着液中の抗体濃度の50%以上の所定値となったとき
に吸着操作を停止して第2のカラムのみ洗浄、溶離操作
を行い、以下この操作を必要回数繰り返すことを特徴と
するものである。
【0007】
【実施例】以下に本発明を図1の実施例を参照しつつ更
に詳細に説明する。図1において、1は第1のカラム
(アフィニティカラム)、2は第2のカラムであり、こ
れらは図示のように直列に接続され、ポンプ3により従
来と同様に吸着液、洗浄液、溶離液を流すことができる
ように構成してある。
【0008】まず、ポンプ3により第1のカラム1側か
ら吸着液を流し、カラム1から出た吸着液はそのまま第
2のカラム2に入るようにする。このようにカラムを2
段に構成しておけば、第1のカラム1が破過し始めて第
1のカラム1の出口の吸着液中の抗体濃度Cが増加して
も、その分の抗体は第2のカラム2によって無駄なく吸
着されることとなる。従って、本発明では第1のカラム
1の出口の吸着液中の抗体濃度Cが第1のカラム1に供
給された吸着液中の抗体濃度C0 の50%以上の所定値と
なるまで吸着操作を続けることができる。この点を図3
のGとして示すと、従来に比較して第1のカラム1に吸
着される抗体量はB,C,G,Hで示される面積分だけ
増加することとなる。またD,I,Gに相当する分の抗
体は第2のカラム2に吸着される。
【0009】この段階に達したときに吸着操作を停止
し、第1のカラム1と第2のカラム2とを分離して第1
のカラム1のみ洗浄、溶離操作を行う。この結果、A,
H,G,C,D,Eの面積分の抗体を第1のカラム1か
ら分取することができる。
【0010】次に、第1のカラム1と第2のカラム2と
を再び直列に接続し、吸着液を第2のカラム2側から逆
に流す。そして第2のカラム2の出口の吸着液中の抗体
濃度Cが第2のカラム2に供給された吸着液中の抗体濃
度C0 の50%以上の所定値となったときに前記と同様に
吸着操作を停止し、第2のカラム2のみ洗浄、溶離操作
を行う。この場合にも第2のカラム2の出口から流出す
る抗体は第1のカラム1により無駄なく吸着される。以
下、この操作を必要回数繰り返す。
【0011】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
抗体を無駄に流出させることなくカラム容量当りの抗体
の吸着量を図3にB,C,G,Hで示される面積分だけ
増加させることができるから、溶離液中の抗体濃度を高
めることができる。よって本発明は従来の問題点を解消
した抗体の分取・精製方法として、産業の発展に寄与す
るところはきわめて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するフローシートであ
る。
【図2】従来の方法を説明するフローシートである。
【図3】カラム出口の抗体濃度の変化を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 第1のカラム 2 第2のカラム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−59798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 1/14 - 1/22 C07K 16/00 - 16/46 C12P 21/08 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗体をアフィニティカラムで分取・精製
    するにあたり、第1のカラムと第2のカラムを直列に接
    続し、吸着操作時には、第1のカラムから第2のカラム
    への順に吸着液を流し、第1のカラムの出口の吸着液中
    の抗体濃度が第1のカラムに供給した吸着液中の抗体濃
    度の50%以上の所定値となったときに吸着操作を停止し
    て第1のカラムのみ洗浄、溶離操作を行い、次の吸着操
    作時には、吸着液を第2のカラム側からから第1のカラ
    ムへの順に前記方向とは逆に流して第2のカラムの出口
    の吸着液中の抗体濃度が第2のカラムに供給した吸着液
    中の抗体濃度の50%以上の所定値となったときに吸着操
    作を停止して第2のカラムのみ洗浄、溶離操作を行い、
    以下この操作を必要回数繰り返すことを特徴とする抗体
    の分取・精製方法。
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