JP3127636U - 低反発マクラ - Google Patents

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Abstract

【課題】無発力の材料で頭部を受け、首や肩への負担を軽減する。
【解決手段】合成樹脂製などの収納袋1の中に、ゲル状材料5を内部に充填した圧力分散マット3を収納する。ゲル状材料5は、自在に変形可能であって、低反発である。ゲル状材料5としては、高分子の含水ゲルが好適である。したがって、反発力が生じず、首や肩への負担が軽減され、肩コリ等を発症させない。圧力分散マット3の内部は複数に分割して、それぞれにゲル状材料5を充填してもよい。
【選択図】図1

Description

この考案は、ベッドや床の上に敷き、その上に寝る者の頭部を支えるマクラに関するものであり、特に、頭部の重みを出来る限り分散して受けとめ、頭部に対する反発力を極めて低くするマクラに関するものである。
就寝時、ベッドや床の上にマクラを置き、就寝者はその上に頭を載せて就寝するのが通例である。通常、人が睡眠するのは数時間という長い時間であり、その間、頭はその下のマクラに支えられて休むのである。その長い時間に渡って使用するマクラは、首や肩へ及ぼす影響が極めて大きく、その形状や柔らかさが、それらへの負担を大きく決定している。
例えば、マクラとして使用する素材の反発力が大きすぎると、必要以上に首や肩の筋肉への負荷が大きくなって、そのコリを招いていた。また、マクラ自体の高さが高すぎたり、低すぎたりすると、頸骨への影響は極めて大きく、やはり首や肩への大きな負担となることがあった。
このために、例えば実用新案登録第3103115号のように、マクラの素材として低反発力のウレタンフォームを使用したマクラを開発している。低反発のウレタンフォームが頭部の重みによって沈み込み、出来る限り、首や肩へ作用する力を排除しようとするものである。
或いは、実用新案登録第3108760号のように、ウレタンフォーム材料を幾つもの分割材料として構成し、これらを組み合わせてマクラ自体の高さや形状を複雑に成形可能として、頭部の形状、個人の姿勢に合わせることが出来るようにしたものが開発されている。
しかしながら、ウレタンフォームなどの極めて低反発、或いは柔らかい素材であっても、それらはまだ形状を元に復帰させようとする若干の弾性、つまりは身体を押し返そうとする反発力があって、首や肩への負担を完全に無くさせることは出来ない。或いは、就寝する個人に合わせて形状や高さを変えることが出来るようなタイプであったとしても、素材自体が反発力を含むものである以上、やはり完全に肩などへの負担を取り除いたとは言えない。
実用新案登録第3103115号公報 実用新案登録第3108760号公報
解決しようとする問題点は、マクラの素材が持つ極く僅かの反発力によって、首や肩への圧力が完全には分散されず、それがコリにつながっていたことである。
本考案は、マクラの素材としてゲル状素材を採用し、ゲル状素材が変形可能であって、かつ元の形状に復帰せず、頭部への反発力をほぼゼロにしたことを最も主要な特徴とする。
体重を受けとめるマクラの素材としてゲル状材料を採用したため、頭部の重みが作用すると、ゲル状材料は自在に変形し、また元に復帰しようとする反発力が一切発生しないため、頭部の形状に合わせてマットが変形し、頭部の圧力が分散されることになる。したがって、首や肩への反発力が極めて小さく、首や肩のコリが生じ難くなる。
圧力分散マットは、複数を収納袋の中に収納して、その高さを変更することができ、高さを調整することによっても、首や肩への負担を軽減できる。
収納袋の中に収納した複数の圧力分散マットは、間にズレ防止摩擦シートを挟み込むことによって、そのマット同士の位置がズレることがなく、その所望の高さが変わることがない。
圧力分散マットは、その内部が複数に分割されており、それぞれにゲル状材料が充填されているため、頭部の重みが作用してもゲル状材料が一部に偏り過ぎることなく、頭部の形状に合わせて変形し、その重みを分散して受けとめることが出来る。
この考案にかかる低反発マクラは、布地や合成樹脂製シートによって形成した収納袋の中に、圧力分散マットを収納するものである。布地としては、タオル地やパイル地などの汗を吸収しやすい材質のものや、その他塩化ビニールや発砲ポリウレタン製などの合成樹脂製の収納袋も採用できる。この収納袋の開口部には、マジックテープ(登録商標)などの植毛接着テープやジッパーなどを取付け、開閉自在としておいてもよい。或いは、収納袋の大きさを、収納するマットの二倍以上の大きさとしておいて、袋の底部にマットを入れてから、口元近くの部分を折り畳んで包むようにしてもよい。
圧力分散マットは、塩化ビニールやポリエチレンなどの合成樹脂製の袋の中に、ゲル状材料を充填したものである。ゲル状材料としては、含水率を90重量%以下、好ましくは80重量%以下の含水ゲルなどを採用できるもので、ゼラチン、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキサイド等、様々なゲル状材料が採用可能であるが、性状が安定している水溶性高分子を用いた含水ゲルが好適である。
圧力分散マットは、ゲル状材料を合成樹脂製の袋に充満したものであるが、袋の中が一体であるものも採用可能であり、或いは袋の内部が複数に分割されており、その分割された中に、それぞれゲル状材料を充満させてもよい。分割するのは、マクラの上下方向に複数分れるように分割してもよいし、左右方向に複数分かれるよう分割してもよい。
以下、図に示す実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。図において1は収納袋であって、発砲性合成樹脂製のシートによって形成されている。収納袋1の大きさは、収納する圧力分散マット3の二倍以上の大きさとしておく。
図において3は圧力分散マットであって、合成樹脂製の袋4の中にゲル状材料5が充填してある。ゲル状材料5としては、高分子のポリビニールアルコールが採用されている。圧力分散マット3の厚みは、1〜2cm程度が好ましい。圧力分散マット3は、通常複数個を使用して、好みの高さに調整するもので、マット3とマット3の間には、表面をエンボスなどの凹凸加工してある合成樹脂フルム状のズレ防止摩擦シート6を挟んでおく。複数の圧力分散マット3を重ねることによって、全体の厚みは2〜5cm程度とするのが好適である。
前記した圧力分散マット3を、収納袋1の底の方に収納して、口元近くを折り返して内部の複数個の圧力分散マット3がバラけないようにする。このような折り返しにすると、内側に収納する圧力分散マット3の数の増減による厚みの差に柔軟に対応して、内側のマット3がよりバラけないように出来る。(図2)折り畳んだとき、収納袋1の大きさは、横が40〜50cm程度、縦が30cm程度となるのが好適である。このような収納袋1を、布製のピローケース7の中に収納して、マクラとする。
図3に示すのは、低反発マクラの使用状態を示すものであって、低反発マクラの上に頭部を載せると、重量が大きくかかる部分は、ゲル状材料5が大きく変形してその部分がへこみ、その周辺部分を支え、頭部の重みは分散される。しかもゲル状材料5は袋4の中で移動するだけで、元の状態へ復帰しようとする反発力を一切発生させないため、頭部を柔軟に受けとめることができる。つまりは、低反発マクラは、頭部の形状のみならず、その姿勢や位置に合わせて自在に変形して、極力頭部の重さを分散可能となり、しかも頭部に作用する反発力がゼロに近いため、肩や首への負担は全く生じない。
図4に示すのは、圧力分散マット3の内部空間を複数マクラの左右方向に複数分割し、収納空間を複数個並列させた例である。身体の圧力が加わると、圧力分散部材5の中のゲル状材料7は移動するが、ひとつの収納空間であると、ゲル状材料5が、圧力が作用しなかった部分へ全て移動して、身体がその下のベッドから圧力を受けることもある。これを防ぐために、ゲル状材料5の移動を制限するために、内部空間を分割したものである。
図5に示すのは、圧力分散マット3の袋4の内部を縦横複数個に分割した場合である。
低反発マクラの分解斜視図である。 圧力分散マットを収納袋の中に収納した状態の斜視図である。 低反発マクラの使用状態の側面図である。 圧力分散マットの他の実施例の斜視図である。 圧力分散マットの他の実施例の斜視図である。
符号の説明
1 収納袋
3 圧力分散マット
4 袋
5 ゲル状材料
6 ズレ防止摩擦シート
7 ピローケース

Claims (5)

  1. 就寝時に頭部の下に置き、頭部を受けるためのマクラであって、布地や合成樹脂製シート状材料などによって形成した収納袋の中に、ゲル状材料を内部に充填した自在に変形可能であって低反発の圧力分散マットを収納してなる低反発マクラ。
  2. 圧力分散マットは、複数個を収納袋の中に収納したことを特徴とする請求項1記載の低反発マクラ。
  3. 複数個の圧力分散マットの間に、樹脂製フィルムであるズレ防止摩擦シートを配したことを特徴とする請求項2記載の低反発マクラ。
  4. ゲル状材料として、含水率が80重量%以下の水溶性高分子を用いた含水ゲルを採用したことを特徴とする請求項1記載の低反発マクラ。
  5. 圧力分散マットは、内部が複数に分割されており、それぞれにゲル状材料を充填したことを特徴とする請求項1記載の低反発マクラ。
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