JP3127062B2 - 自動変速機におけるエンジンブレーキ制御装置 - Google Patents

自動変速機におけるエンジンブレーキ制御装置

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JP3127062B2
JP3127062B2 JP05169673A JP16967393A JP3127062B2 JP 3127062 B2 JP3127062 B2 JP 3127062B2 JP 05169673 A JP05169673 A JP 05169673A JP 16967393 A JP16967393 A JP 16967393A JP 3127062 B2 JP3127062 B2 JP 3127062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ライン圧を減圧してエ
ンジンブレーキ圧を作り出す調圧バルブの作動を、エン
ジンブレーキが不要なときには停止させるようにした自
動変速機におけるエンジンブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等に搭載される自動変速機
においては、一般に、入力軸と出力軸との間に、複数の
プラネタリギヤユニットが配置されており、変速に際し
ては、これらプラネタリギヤユニットを構成するサンギ
ヤ、キャリヤ、リングギヤ等の変速要素を、クラッチ、
ブレーキ等の係合要素によって適宜、係止したり接続し
たりして、複数の変速段を可能にしている。また、エン
ジンブレーキが必要な場合には、エンジンブレーキ用係
合要素の係脱を油圧サーボによって制御し、所定の変速
要素を係止したり、複数の変速要素を接続したりして、
所望のエンジンブレーキを得るようにしている。
【0003】例えば、前進4段(4速)の自動変速機を
搭載した自動車において、変速用のシフトレバーを操作
し、マニュアルバルブをD(ドライブ)レンジにセット
して発進加速を行うと、車速の増加に伴って、自動変速
機は、1st(1速)、2nd(2速)、3rd(3
速)そして4th(4速)と順次増速される。この増速
は、マニュアルバルブの入力側に入力されたライン圧
が、マニュアルバルブの出力側に形成された複数の出力
ポートのうちのDレンジに対応する出力ポートに供給さ
れ、さらに油路、1−2シフトバルブ、2−3シフトバ
ルブ、3−4シフトバルブ等を介して、それぞれの変速
に必要な係合要素を制御する油圧サーボに供給されるこ
とによって行われる。この油圧サーボによる係合要素の
作動は、4thから1stに減速されるときにもほぼ同
様に行われる。これに対して、エンジンブレーキを効か
せるための係合要素(以下「エンジンブレーキ用係合要
素」という。)は、ライン圧よりも低い圧力(以下「エ
ンジンブレーキ圧」という。)が供給されるエンジンブ
レーキ用の油圧サーボによって作動させる。これは、エ
ンジンブレーキ用係合要素を作動させるには、他の係合
要素のときほど高い圧力(=ライン圧)が必要ではない
こと、またアキュームレータが付設されていないことに
基づく係合時のショックをなくすことなどの理由によ
る。
【0004】いま、自動車のDレンジでの走行中にエン
ジンブレーキが必要となった場合には、シフトレバーに
より、マニュアルバルブをDレンジから例えば3レンジ
に切り替える。すると、マニュアルバルブに入力された
ライン圧は、Dレンジのときとは異なる、3レンジに対
応する出力ポートから3レンジ圧となって、油路、1−
2シフトバルブ、2−3シフトバルブ等を介して、エン
ジンブレーキ用の油圧サーボに供給され、エンジンブレ
ーキ用係合要素を作動させる。ところで、このままで
は、このエンジンブレーキ用の油圧サーボには、ライン
圧と等しい3レンジ圧が供給されてしまう。そこで、こ
の油圧サーボの上流側に調圧バルブを設け、この調圧バ
ルブによって3レンジ圧を減圧して、エンジンブレーキ
用の油圧サーボに最適なエンジンブレーキ圧を作り出し
ている。
【0005】また、マニュアルバルブの2レンジでは、
2レンジ圧を別の調圧バルブを介して、3レンジのとき
とは異なるエンジンブレーキ圧に減圧し、これを油圧サ
ーボに供給している。
【0006】このようにエンジンブレーキ時には、作動
する油圧サーボに応じて好適に減圧されたエンジンブレ
ーキ圧がそれぞれの油圧サーボに供給され、これによっ
てショック等のない良好なエンジンブレーキが作用する
ようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の技術にお
いて、マニュアルバルブのレンジに関係なく、例えばD
レンジであっても、必要に応じてエンジンブレーキが作
用するようにするには、上述のようなマニュアルバルブ
の3レンジ圧や2レンジ圧ではなく、マニュアルバルブ
のレンジに無関係なライン圧を調圧してエンジンブレー
キ圧とし、このエンジンブレーキ圧を必要に応じてエン
ジンブレーキ用の油圧サーボに対して、選択的に供給す
る必要がある。
【0008】しかしながら、上述のような構成をとる
と、マニュアルバルブのレンジに関係なくエンジンブレ
ーキを作用させることはできるものの、加速時や定常走
行時等のエンジンブレーキが不要なときでも、調圧バル
ブにライン圧が供給されてしまい、調圧バルブが常時調
圧状態、すなわち油圧の排出状態となり、損失流量が多
く、油圧のロスが生じる。これは、オイルを供給してい
るオイルポンプが必要以上のオイルを流出させてしまう
ことになり、結果、燃費の悪化を招く。
【0009】そこで、本発明は、3レンジ、2レンジ等
はもちろん、Dレンジにおいても任意の走行状態でエン
ジンブレーキが作動することを可能とし、しかもエンジ
ンブレーキ不要時には、調圧バルブからの不要な油圧の
流出を阻止することにより、損失流量を低減し、燃費の
低下を防止するようにした自動変速機におけるエンジン
ブレーキ制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、エンジンブレーキ用係合要
素(B1、B4)を有し、該エンジンブレーキ用係合要
素(B1、B4)の係脱を制御する油圧サーボ(B−
1、B−4)に油圧を供給することによって、エンジン
ブレーキを作用させてなる自動変速機におけるエンジン
ブレーキ制御装置において、ライン圧(PL )を調圧し
エンジンブレーキ圧(pB )として前記油圧サーボ(B
−1、B−4)に供給する調圧バルブ(21)と、該調
圧バルブ(21)と前記油圧サーボ(B−1、B−4)
との間に介装され、該油圧サーボ(B−1、B−4)に
対するエンジンブレーキ圧(pB )の供給の有無を選択
的に切り換えるリレーバルブ(25)とを有し、該リレ
ーバルブ(25)は、エンジンブレーキ必要位置にて前
記油圧サーボ(B−1、B−4)に対するエンジンブレ
ーキ圧(pB )の供給を行う一方、エンジンブレーキ不
要位置にて前記油圧サーボ(B−1、B−4)に対する
エンジンブレーキ圧(pB )の供給を停止するとともに
該エンジンブレーキ圧(pB )を前記調圧バルブ(2
1)に作用させて該調圧バルブ(21)を排出流量零位
置に固定してなることを特徴とする。
【0011】
【作用】以上構成に基づき、調圧バルブ(21)は、マ
ニュアルバルブ(20)のレンジに左右されないライン
圧(PL )を調圧してエンジンブレーキ圧(pB )と
し、該エンジンブレーキ圧(pB )を、エンジンブレー
キ用係合要素を係脱する油圧サーボ(B−1、B−4)
に選択的に供給するので、マニュアルバルブ(20)の
レンジにかかわらず、例えばDレンジであっても、必要
に応じてエンジンブレーキを作用させることができる。
また、リレーバルブ(25)は、エンジンブレーキが不
要なときには、エンジンブレーキ不要位置において、エ
ンジンブレーキ圧(pB )を調圧バルブ(21)に作用
させて、該調圧バルブ(21)を排出量零位置に固定す
るので、定常走行時等に、調圧バルブ(21)が不要に
作動して調圧することに基づく、油圧のロスをなくすこ
とができる。
【0012】なお、前記カッコ内の符号は、図面を対照
するためのものであって、本発明の構成を何等限定する
ものではない。
【0013】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。 〈実施例1〉まず、図1(a)、(b)を参照して本発
明に係るエンジンブレーキ制御装置が組み込まれた自動
変速機の概要を説明する。
【0014】この自動変速機ATは、図1(a)に示す
ように、エンジン側(同図左側、不図示)から順に、ト
ルクコンバータTC、オーバードライブ用の副変速ギヤ
機構OD、主変速ギヤ機構Mを備えており、エンジンか
らの動力が、O/D入力軸1からプラネタリギヤユニッ
ト2、入力軸3、プラネタリギヤユニット5、6、7を
介して、出力軸9に伝達されるように構成されている。
【0015】トルクコンバータTCは、ロックアップ機
構1aを有し、エンジンからの動力は、このロックアッ
プ機構1aを介して、または流体を介して、O/D入力
軸1に伝達される。
【0016】副変速ギヤ機構ODは、サンギヤ2S、ピ
ニオン2Pを保持するキャリヤ2C、リングギヤ2Rを
変速要素として有する1組のプラネタリギヤユニット2
を備えている。キャリヤ2Cは、前述のO/D入力軸1
と一体に形成されており、このキャリヤ2Cに保持され
たピニオン2Pは、内側のサンギヤ2S及び外側のリン
グギヤ2Rに噛合している。また、キャリヤ2Cとサン
ギヤ2Sとの間には、内側にワンウェイクラッチF0、
そして外側にO/DダイレクトクラッチC0が介装され
ており、さらに、サンギヤ2Sと外側のトランスミッシ
ョンケース(以下単に「ケース」という。)Tとの間に
は、O/DブレーキB0が介装されている。O/D入力
軸1からプラネタリギヤユニット2に入力された動力
は、リングギヤ2Rから出力されて、このリングギヤ2
Rと一体の、主変速ギヤ機構Mの入力軸3に入力される
ようになっている。
【0017】入力軸3を前端側に有し、後端側には出力
軸9を有する主変速ギヤ機構Mは、これら入力軸3と出
力軸9との間の、前側、中間、後側にそれぞれプラネタ
リギヤユニット5、6、7を備えている。これらプラネ
タリギヤユニット5、6、7は、変速要素として、サン
ギヤ5S、6S、7S、ピニオン5P、6P、7Pを保
持するキャリヤ5C、6C、7C、そしてリングギヤ5
R、6R、7Rを有している。また各サンギヤ5S、6
S、7Sと各リングギヤ5R、6R、7Rとの間にはそ
れぞれピニオン5P、6P、7Pが介装されている。こ
れらの変速要素は、相互に一体に構成されているものが
あり、それらを次にあげると、前側のサンギヤ5Sと中
間のサンギヤ6S、中間のリングギヤ6Rと後側のサン
ギヤ7S、そして前側のリングギヤ5Rと中間のキャリ
ヤ6Cと後側のキャリヤ7Cであり、これら一体となっ
たものは、これらの一部に動力を伝達することによって
全体が一体に回転し、また一部を停止させることによっ
て一体となって停止するようになっている。なお、以下
の説明においては、これら一体のものについては、適宜
1つの変速要素をあげ、他のものは( )内に示すもの
とする。
【0018】上述の入力軸3は、その後端側のフォーワ
ードクラッチC1を介して、リングギヤ6R(サンギヤ
7S)に連結されている。入力軸3は、また別のダイレ
クトクラッチC2を介して、サンギヤ5S(サンギヤ6
S)に連結されている。サンギヤ5S(サンギヤ6S)
の前端側には、ワンウェイクラッチF1のインナレース
が固定され、このワンウェイクラッチF1のアウタレー
スと、ケースTとの間には、3rdブレーキB2が配設
されている。さらに、サンギヤ5S(サンギヤ6S)前
側の、ダイレクトクラッチC2の外側には、ケースTに
固定されたバンド式の3rdコーストブレーキB1が配
設されている。サンギヤ5Sの外側のキャリヤ5Cと、
ケースTとの間には、ケース内側に固着された2ndブ
レーキB3が介装されている。キャリヤ5Cの外側のリ
ングギヤ5Rは、前述のように、キャリヤ6C、キャリ
ヤ7Cと一体に構成され、キャリヤ7Cは、さらに出力
軸9と一体となっている。最後に、キャリヤ7Cの外側
のリングギヤ7Rは、ケースTに固定された1st&R
evブレーキB4及びワンウェイクラッチF2を介して
連結されている。
【0019】なお、以上説明した各クラッチC0〜C2
及び各ブレーキB0〜B4は、いずれも油圧制御装置1
0の油圧サーボ(不図示)によって、各変速要素に対す
る係合、及び係合解除が制御されるようになっている。
また、図1(b)に示すように、油圧制御装置10は、
センサ群12(センサ12a、12b…)の信号に基づ
くコンピュータ11の指令によって制御されている。
【0020】本実施例においては、係合要素としてのク
ラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B4のうち、エンジ
ンブレーキ用係合要素としてブレーキB1、B4、及び
クラッチC0を設けており、これらエンジンブレーキ用
係合要素以外の係合要素は、変速用の係合要素として配
置されている。ただし、クラッチC0は、エンジンブレ
ーキ用と変速用とを兼用している。
【0021】つづいて、本発明に係るエンジンブレーキ
制御装置、すなわち、上述の自動変速機ATの内部に油
圧制御装置10の一部として組み込まれるとともに、上
述のエンジンブレーキ用のブレーキB1、B4、クラッ
チC0を作動させる制御装置について、図2を参照しな
がら説明する。なお、同図の右下に図示するB−1、B
−4は、それぞれブレーキB1、B4を制御するための
エンジンブレーキ用の油圧サーボを示し、また、クラッ
チC0を制御するエンジンブレーキ用の油圧サーボは図
示していない。
【0022】まず、エンジンブレーキ制御装置の概略を
説明すると、マニュアルバルブ20の入力側20Aに調
圧バルブ21を接続し、ライン圧PL をこの1本の調圧
バルブ21によって減圧し、各エンジンブレーキ用の油
圧サーボB−1、B−4に対して最適なブレーキ圧
B1、PB4を供給するようにしている。
【0023】以下に詳述する。エンジンブレーキ制御装
置は、運転席に配置されたシフトレバー(不図示)の操
作によってシフトされるマニュアルバルブ20(図2の
下部に図示)を備えている。マニュアルバルブ20は、
中央の入力側20Aに入力ポートpを有する一方、同図
中、入力側20Aの右方に位置する出力側20Bには出
力ポートa、b、cを、また左方に位置する出力側20
Cには出力ポートdを有している。入力ポートpには、
プライマリレギュレータバルブ(不図示)によって調圧
されたライン圧PL が油路R1を介して供給されてい
る。マニュアルバルブ20は、同図左下の表1の上段に
示すP、R、N、D、3、2の6つのレンジ(ポジショ
ン)をとり、レンジによって、入力ポートpに入力され
たライン圧PL の出力先となる出力ポートa〜dを切り
替えている。また、表1の左端の列のa〜dは、それぞ
れ出力ポートa〜dに対応しており、例えばDレンジを
選択したときは、出力ポートaから、また3レンジを選
択したときには、出力ポートa、bからライン圧PL
出力されるようになっている。各出力ポートa〜dは、
不図示の油路を介して、1−2シフトバルブ22、2−
3シフトバルブ23、3−4シフトバルブ24に連結さ
れ、さらにこれらのシフトバルブ22、23、24を介
して、変速油圧サーボ(不図示)に連結されている。例
えば、マニュアルバルブ20がDレンジにセットされる
と、まず出力ポートaが選択され、入力ポートpに入力
されたライン圧PL は、この出力ポートaを介して各シ
フトバルブ22、23、24に供給される。この際、各
シフトバルブ22、23、24は、それぞれ中心線を境
に左半位置と右半位置とに図示する2位置を選択的にと
ることによって、本実施例では、Dレンジの1速から5
速の変速段を作り出している。これらのシフトバルブ2
2、23、24の位置は、前述のセンサ群12(図1
(b)参照)が検知する車速等に基づいて、コンピュー
タ11、油圧制御装置10を介して変更され、例えばD
レンジ、3rdでは、各シフトバルブ22、23、24
は、それぞれ左半位置、右半位置、左半位置の位置をと
る。これらシフトバルブ22、23、24の位置の適宜
な組合せによって、出力ポートaからのライン圧PL
供給先となる変速油圧サーボが選択され、プラネタリギ
ヤユニット2、5、6、7を構成している変速要素がつ
かみ変えられ、これによってDレンジの1速〜5速が実
現される。
【0024】上述の変速用の油圧サーボが、マニュアル
バルブ20の出力側20B、または出力側20Cの出力
ポートa〜dを介してライン圧PL が供給されるのに対
して、以下のエンジンブレーキ用の油圧サーボB−1、
B−4には、入力側20Aの入力ポートpに接続された
調圧バルブ21を介してライン圧PL よりも低いブレー
キ圧PB (図5参照)が供給されるようになっている。
【0025】調圧バルブ21は、マニュアルバルブ20
の入力ポートpに接続されるとともに、ライン圧PL
供給されるポートp1 を備えている。ポートp1 には、
調圧バルブ21の左半位置にてポートp1 に連通するポ
ートp2 が形成されており、ポートp2 は、リレーバル
ブ25のポートp3 に接続されている。リレーバルブ2
5は、その左半位置(エンジンブレーキ不要位置)、右
半位置(エンジンブレーキ必要位置)にて、それぞれポ
ートp3 に連通するポートp4 、p5 を備えている。ポ
ートp4 は、調圧バルブ21のポートp6 に接続されて
おり、ポートp6 は、圧縮ばね21bを有するスプリン
グ室21aに穿設されている。また、調圧バルブ21に
は、エンジンブレーキを作動させる右半位置にて開放さ
れる一方、左半位置にて閉鎖される排出ポートpE が設
けてある。
【0026】リレーバルブ25は、ポートp5 に1−2
シフトバルブ22のポートp7 が接続されている。1−
2シフトバルブ22は、その右半位置にてポートp7
連通するポートp8 、p9 を有し、ポートp8 はチェッ
クボール26を介してエンジンブレーキ用の油圧サーボ
B−4に連結され、他方、ポートp9 は2−3シフトバ
ルブ23のポートp10が接続されている。ポートp
10は、2−3シフトバルブの右半位置にてポートp11
連通し、ポートp11には、3−4シフトバルブ24のポ
ートp12が接続されている。そして、3−4シフトバル
ブ24の左半位置にてポートp12と連通するポートp13
は、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−1に接続され
ている。
【0027】上述のリレーバルブ25は、信号圧が入力
されるポートm3 を有する。ポートm3 には、ソレノイ
ド27のポートm2 が接続されており、ポートm2 は、
ソレノイド27の右半位置にてポートm1 に連通する。
このポートm1 には、調圧バルブ21に供給されるのと
同じライン圧PL が供給されている。
【0028】さらに調圧バルブ21には、リニアソレノ
イド29からの信号圧が入力されるポートn3 が形成さ
れている。リニアソレノイド29のポートn1 は、ソレ
ノイドモジュレータバルブ(不図示)によってライン圧
L よりも低い油圧PSMが供給されるポートn1 、及び
内側のスプールの位置に応じて、供給された油圧PSM
調圧して出力するポートn2 を備えている。
【0029】以上を簡単にまとめると、調圧バルブ21
から、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−1、B−4
等に供給されるべきブレーキ圧PB は、その大きさがリ
ニアソレノイド29によって調圧され、また、ソレノイ
ド27により位置を変更されるリレーバルブ25によっ
て、供給の有無が選択されるようになっている。
【0030】次に、図3を参照しながら、図1(a)の
自動変速機AT全体の動作を説明する。ただし、エンジ
ンブレーキ制御装置の動作については、図3の作動表に
基づく、エンジンブレーキ時以外の1速〜5速、及びリ
バースの走行状態をすべて説明した後にまとめて説明す
るものとする。なお、図3の作動表中の左端の、1s
t、2nd…は、図2に示すマニュアルバルブ20のレ
ンジに対応するものではなく、自動変速機ATの走行段
に対応する。すなわち、1stは、Dレンジ、3レン
ジ、及び2レンジの1速を示し、同様に2ndは、D、
3、2の各レンジの2速を、3rdは、D、3の3速
を、4thはDの4速を、5thは5速(オーバードラ
イブ)をそれぞれ示す。ただし、N、Revは、マニュ
アルバルブ20のレンジにそのまま対応する。また、同
表中黒丸は、エンジンブレーキ時に係合するものであ
り、また点線の丸は、係合するが伝達に無関係のもので
ある。O/D入力軸1、出力軸9の回転については、エ
ンジンの回転がトルクコンバータTCを介して、O/D
入力軸1に右回転(図1(a)の矢印K方向)として伝
達され、さらにこの右回転が、出力軸9に右回転を伝達
するときは自動車は前進、反対に左回転を伝達するとき
には、後進となるように設定されているものとする。
【0031】まず、Dレンジ、3レンジ、2レンジにお
ける1速(1st)時は、各係合要素のうちO/Dダイ
レクトクラッチC0、フォーワードクラッチC1、ワン
ウェイクラッチF0、F2が係合し、その他の係合要素
は開放状態になっている。この状態では、副変速ギヤ機
構ODのプラネタリギヤユニット2は、サンギヤ2Sと
キャリヤ2CとがO/DダイレクトクラッチC0及びワ
ンウェイクラッチF0によって一体となり、これによっ
て、リングギヤ2Rを含めて、全体が一体となって回転
する。したがって、副変速ギヤ機構ODを介してO/D
入力軸1と入力軸3とは一体の状態、すなわち直結状態
となり、O/D入力軸1の右回転(矢印K方向)は、そ
のまま入力軸3の右回転となって伝達される。入力軸3
の右回転は、フォーワードクラッチC1を介してリング
ギヤ6R(サンギヤ7S)に右回転として伝達される。
サンギヤ7Sの右回転によって、キャリヤ7Cのピニオ
ン7Pが左方向の回転力を受け、リングギヤ7Rを右方
向に回転しようとするが、リングギヤ7Rの右回転は、
ワンウェイクラッチF2によって阻止されるため、結局
キャリヤ7Cが右方向の回転力を受け、これと一体の出
力軸9も右方向の回転を受ける。なお、上述の1速、そ
して後述する2速、3速、4速については、O/Dダイ
レクトクラッチC0及びO/DワンウェイクラッチF0
が係合された状態、すなわちプラネタリギヤユニット2
全体が一体回転し、O/D入力軸1の回転がそのまま入
力軸3に入力される。さらに1速〜4速では、すべての
場合にフォーワードクラッチC1も係合されており、結
局O/D入力軸1の回転は、プラネタリギヤユニット
2、入力軸3、フォーワードクラッチC1を介して、中
間のリングギヤ6R、後側のサンギヤ7Sに伝達される
ようになっている。
【0032】つづいて、Dレンジ、3レンジ、2レンジ
の2速では、O/DダイレクトクラッチC0(ただしO
/DダイレクトクラッチC0は、エンジンブレーキ時以
外も係合されている)、O/DワンウェイクラッチF0
が係合して、プラネタリギヤユニット2は、上述の1速
の場合と同様の状態となり、O/D入力軸1の右回転
は、1速と同様に、そのままリングギヤ6R(サンギヤ
7S)右回転として伝達される。さらに、フォーワード
クラッチC1、3rdブレーキB2、ワンウェイクラッ
チF1が係合し、その他の係合要素が開放状態となるた
め、リングギヤ6R(サンギヤ7S)が右回転すると、
これに噛合しているキャリヤ6Cのピニオン6Pは、右
方向の回転力を受けてサンギヤ6S(サンギヤ5S)に
伝達するため、サンギヤ6S(サンギヤ5S)は左回転
する。このサンギヤ5Sの左回転は、2ndブレーキB
3によってロックされたキャリヤ5Cのピニオン5Pの
右回転によって、リングギヤ5Rに右回転として伝達さ
れ、リングギヤ5Rと一体の出力軸9に右回転として伝
達される。
【0033】次に、Dレンジ、3レンジの3速では、プ
ラネタリギヤユニット2は、1速、2速と同様に、O/
DダイレクトクラッチC0、O/Dワンウェイクラッチ
F0が係合するので、O/D入力軸1の右回転は、その
まま入力軸3に右回転として伝達される。さらに、フォ
ーワードクラッチC1、3rdブレーキB2、ワンウェ
イクラッチF1が係合し、その他の係合要素が開放され
る。したがって、入力軸3の右回転は、フォーワードク
ラッチC1を介して、リングギヤ6Rに右回転として伝
達される。これによって、キャリヤ6Cのピニオン6P
は、右方向の回転力を受け、サンギヤ6Sを左方向に回
転しようとするが、サンギヤ6Sの前端側にはワンウェ
イクラッチF1、3rdブレーキB2が係合されてい
て、サンギヤ6Sの回転は禁止され、したがって、キャ
リヤ6Cは、右方向に回転する。これにより、キャリヤ
6Cと一体の出力軸9は、右回転する。
【0034】次に、Dレンジの4速については、1速な
いし3速と同じように、O/DダイレクトクラッチC
0、O/DワンウェイクラッチF0が係合して、O/D
入力軸1の右回転が入力軸3に右回転として伝達され
る。さらに、フォーワードクラッチC1、ダイレクトク
ラッチC2が係合され、その他の係合要素は開放され
る。フォーワードクラッチC1の係合によって、入力軸
3の右回転は、リングギヤ6Rに伝達される。一方、ダ
イレクトクラッチC2に係合によって、サンギヤ6S
は、入力軸3及びリングギヤ6Rと一体となって回転す
る。このリングギヤ6Rとサンギヤ6Sとの一体回転に
よって、キャリヤ6Cはロックされ、プラネタリギヤユ
ニット6は、全体が一体となって回転する。したがっ
て、入力軸3と出力軸9とは、直結状態となり、入力軸
3の右回転は、そのまま出力軸9の右回転となって伝達
される。
【0035】次に、Dレンジの5速では、フォーワード
クラッチC1、ダイレクトクラッチC2、O/Dブレー
キB0が係合され、その他の係合要素は開放される。こ
の状態においては、プラネタリギヤユニット5、6、7
は、つまり主変速ギヤ機構Mの状態は、上述の4速のと
きと同様であり、入力軸3と出力軸9とは直結となる。
4速と異なるのは、副変速ギヤ機構ODのO/Dダイレ
クトクラッチC0が開放され、O/DブレーキB0が係
合されることである。これによって、サンギヤ2Sがロ
ックされ、O/D入力軸1と一体のキャリヤ2Cの右回
転は、リングギヤ2R(入力軸3)に増速された右回転
として伝達される。したがって、出力軸9に対しても増
速された右回転となって伝達される。
【0036】最後に、Rレンジでは、ダイレクトクラッ
チC2、O/DブレーキB0、1st&Revブレーキ
B4が係合され、その他の係合要素は開放される。プラ
ネタリギヤユニット2の状態は、上述の5速ときと同様
で、したがって、O/D入力軸1の右回転は、増速され
て入力軸3の右回転として伝達される。この入力軸3の
右回転は、ダイレクトクラッチC2を介してサンギヤ6
Sに伝達される。サンギヤ6Sの右回転によって、キャ
リヤ6Cのピニオン6Pは、左方向の回転力を受け、リ
ングギヤ6Rに同方向の回転力を伝達する。これによっ
てリングギヤ6Rと一体のサンギヤ7Sは、左方向に回
転し、サンギヤ7Sに噛合しているキャリヤ7Cのピニ
オン7Pに右方向の回転力を伝達する。一方このピニオ
ン7Pが噛合しているリングギヤ7Rは1st&Rev
ブレーキB4によってロックされており、このピニオン
7Pが左方向に回転し、これに伴いキャリヤ7Cは左回
転する。キャリヤ7Cと一体の出力軸9は、結局、O/
D入力軸1及び入力軸3の右回転と反対の左方向に回転
する。
【0037】つづいて、図3の作動表の黒丸で示すエン
ジンブレーキを作用させるためのエンジンブレーキ制御
装置の動作について、図4のフローチャート、図5、図
6の動作説明図を参照して説明する。本実施例において
は、エンジンブレーキは、3レンジの3速と、2レンジ
の1速及び2速で作動し、それ以外の、例えばDレン
ジ、Rレンジではエンジンブレーキが作動しないように
設定してある場合を例に説明する。
【0038】自動車の走行がDレンジで行われているか
どうかを判断する(図4のステップS1。以下単に「S
1」という。S2、S3…についても同様。)。これが
Dレンジの場合には、図6に示すように、ソレノイド2
7に通電してON状態とし、ライン圧PL が入力される
ポートm1 とライン圧PL が出力されるポートm2 との
連通を断ち、ライン圧PL がリレーバルブ25のポート
3 に入力されないようになる。このため、リレーバル
ブ25は、圧縮ばね25bによって上方に付勢されて上
限に位置する。これによって、リレーバルブ25は、ポ
ートp3 とポートp5 との連通が断たれるのに反し、ポ
ートp3 とポートp4 とが連通される。このとき、調圧
バルブ21は、ポートp1 とポートp2 とが連通され、
したがって、ポートp1 に入力されたライン圧PL は、
ポートp2 、リレーバルブ25のポートp3 、p4 を介
して、再び調圧バルブ21のポートp6 からスプリング
室21aに入力される。これにより、リレーバルブ25
は、このライン圧PL と圧縮ばね21bとが合計された
圧力で下方に付勢される。一方、リレーバルブ25を上
方に付勢する力は、リニアソレノイド29のポートn2
から調圧バルブ21のポートn3 に供給される油圧P
SLN によって発生される。ところで、油圧PSLN は、リ
ニアソレノイド29のポートn1 に入力された油圧PSM
を減圧したものであり、この油圧PSMは、もともとライ
ン圧PL よりも低く設定されているので、油圧PSLN
は、もちろんライン圧PL よりも小さくなる(PL >P
SM>PSLN)。したがって、調圧バルブ21を上方に押
しあげようとする油圧PSLN と、下方に押し下げようと
するライン圧PL +ばね力とを比較すると、常に後者の
ライン圧+ばね力が、前者の油圧PSLN を上回り、調圧
バルブ21は、下方に押し付けられた状態、すなわちロ
ック状態(排出流量零位置)をとる。この調圧バルブ2
1の排出流量零位置においては、排出ポートpE が閉鎖
され、したがって、ポートp1 に入力されたライン圧P
L が不要に調圧(減圧)されることがないので、油圧の
ロスを有効に防止することができる。
【0039】これに対してマニュアルバルブ20がDレ
ンジから3レンジに切り替えられ(S4)、さらに3r
dの走行状態になると(S5)、ソレノイド27がOF
Fされて(S6)、エンジンブレーキが効く状態とな
る。すなわち、図5に示すようように、ソレノイド27
に対する通電が停止され、ポートm1 とポートm2 とが
連通する。これによって、ポートm1 に入力されたライ
ン圧PL は、ポートm2を介して、リレーバルブ25の
ポートm3 に供給される。この供給されたライン圧PL
は、リレーバルブ25下部の圧縮ばね25bのばね力よ
りも大きく設定されており、したがって、リレーバルブ
25は、圧縮ばね25bのばね力に抗して下方に押し下
げられる。すると、リレーバルブ25のポートp3 とポ
ートp4 との連通が断たれ、ポートp3 は、ポートp5
と連通する。一方、ポートp3 とポートp4 との連通が
断たれたことによって、図6のロック状態においては、
調圧バルブ21のスプリング室21aに供給されていた
ライン圧PL が供給されなくなる。このため、調圧バル
ブ21を下方に押し下げる力は、圧縮ばね21bのばね
力のみとなり、このばね力と、調圧バルブ21を上方に
押しあげようとする油圧PSLN との大小関係によって、
調圧バルブ21の位置が適宜上下方向に移動し、ライン
圧PL が入力されるポートm1 の開度を調整するように
なる。すなわち、リニアソレノイド29によって、油圧
SLN の大きさを例えば、エンジンブレーキ用の油圧サ
ーボB−1を制御するのに最適な値に設定する。これに
よって、調圧バルブ21の上下方向の位置が好適に位置
決めされ、ライン圧PL が供給されるポートp1 の開度
が最適に決定される。このときは、調圧バルブ21の位
置に応じて排出ポートpE が開放されて、圧油がドレン
され、オイルポンプに循環される。調圧バルブ21のポ
ートp2 からは、ライン圧PL を減圧して、エンジンブ
レーキ油圧サーボB−1に最適なブレーキ圧PB がリレ
ーバルブ25のポートp3 に供給され(S7)、これに
連通しているポートp5 から出力される。このブレーキ
圧PB は、さらに、左半位置の1−2シフトバルブ22
のポートp7、p9 (図2参照)、右半位置の2−3シ
フトバルブ23のポートp10、p11、左半位置の3−4
シフトバルブ24のポートp12、p13を介して、エンジ
ンブレーキ油圧サーボB−1に供給される。なお、エン
ジンブレーキ油圧サーボB−1に最適なブレーキ圧PB1
は、調圧バルブ21によってポートp1 に入力されたラ
イン圧PL を減圧してポートp2 から出力するものであ
るが、このときポートp2 から出力されるブレーキ圧P
B は、途中の油路や各シフトバルブ22、23、24等
での圧力降下を考慮して、ブレーキ圧PB1よりも少し高
く設定されている。また上述の、調圧バルブ21がばね
圧と油圧PSLN に大小関係によって位置決めされる説明
においては、調圧バルブ21の自重等は考慮に入れてい
ない。
【0040】上述のように、3レンジ、3rdにおいて
は、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−1には、最適
なブレーキ圧PB1が供給され、エンジンブレーキが必要
な場合、すなわち、自動変速機ATに対し、出力軸9側
から負荷が入力された場合には、ショック等を発生する
ことなく、円滑にエンジンブレーキを作用させることが
できる。
【0041】以上は、3レンジ、3rdでエンジンブレ
ーキを効かせる場合を説明したが、3レンジの3rdで
ない場合、つまり2nd、1stのエンジンブレーキが
不要な場合は、上述のS2、S3のときと同様に、ソレ
ノイド27をONして(S8)、調圧バルブ21をロッ
ク状態とし(S9)、不要な調圧を防止する。
【0042】つづいて、2レンジ(S10)の場合を説
明する。2レンジでない場合、つまり3レンジでなく、
かつ2レンジでない場合には、エンジンブレーキが不要
であり、S2、S8、及びS3、S9のときと同様に、
ソレノイド27をONする(S11)ことによって、調
圧バルブ21をロックする(S12)。
【0043】一方、2レンジのときには、エンジンブレ
ーキ用の油圧サーボB−1、B−4に選択的にブレーキ
圧PB1、PB4を供給して、それぞれに最適なエンジンブ
レーキを効かせるようにする。例えば、Dレンジで走行
中に強力なエンジンブレーキが必要となった場合、マニ
ュアルバルブ20をシフトして、3レンジを飛び越し
て、Dレンジから2レンジに一気に切り替える。この
際、直接1st用のエンジンブレーキ用の油圧サーボB
−4を作動させると、変速ショック等が大きいため、一
旦、過渡的に3rd状態を作り出す。これによって、3
レンジ、3rdのときと同様に、エンジンブレーキ用の
油圧サーボB−1を作動させてエンジンブレーキを効か
せ、適宜な時間の後に、エンジンブレーキ用の油圧サー
ボB−4を作動させる。このとき、リニアソレノイド2
9によって、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−1の
ときと異なる値に、油圧PSLN を設定する。これによっ
て、調圧バルブ21のポートp1 の開度が変わり、ポー
トp2 から出力されるブレーキ圧が変更される(S1
4)。つまり、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−4
を作動させるに最適なブレーキ圧PB に設定される。こ
のブレーキ圧PB は、リレーバルブ25のポートp3
5 を介し、さらに右半位置をとる1−2シフトバルブ
22のポートp7 、p8 、チェックボール26を介し
て、エンジンブレーキ用の油圧サーボB−4に供給さ
れ、2レンジ、1stのエンジンブレーキを可能にす
る。
【0044】なお、図3の表中の2nd時に、エンジン
ブレーキ用係合要素として作用するO/Dダイレクトク
ラッチC0については、これが1st〜4th状態での
走行時には、常に係合していることに基づき、その説明
は省略する。
【0045】上述のように、複数のエンジンブレーキ用
の油圧サーボを有し、それぞれを作動させるのに最適な
ブレーキ圧PB の大きさが異なる場合でも、調圧バルブ
21は、リニアソレノイド29を介して、出力するブレ
ーキ圧PB を調整することができるので、1個の調圧バ
ルブ21によって、複数のエンジンブレーキ油圧サーボ
を良好に制御することができる。なお、上述の実施例に
おいては、エンジンブレーキ油圧サーボが2個の場合を
説明したが、3個以上の場合もほぼ同様である。この場
合には、リニアソレノイド29を介して調圧バルブ21
が制御するブレーキ圧PB が、それぞれ異なる3種類以
上のものとなるようにすればよい。
【0046】さらに、ライン圧PL をブレーキ圧PB
低減する調圧バルブ21の作動、不作動は、ソレノイド
27のOFF、ONに基づくリレーバルブ25のON、
OFFによって切り替えられる構成となっており、上述
の実施例では、図4のフローチャートに示すように、3
レンジ3rd及び2レンジのときにのみ、ソレノイド2
7のOFF、リレーバルブ25のONの場合に、調圧バ
ルブ21が作動する、すなわち調圧を行うようになって
いる。しかし、本発明においては、マニュアルバルブ2
0の任意のレンジの、任意の走行状態において、調圧バ
ルブ21が作動するようにすることが可能である。例え
ば、Dレンジの4thで、エンジンブレーキを効かせた
い場合には、これに対応するエンジンブレーキ用の油圧
サーボを配置し、自動車の走行状態がDレンジ4thの
ときに、ソレノイド27をOFFにして、調圧バルブ2
1が作動するようにする。なお、ソレノイド27のO
N、OFFは、例えばマニュアルバルブ20のシフト位
置、及び各シフトバルブ22、23、24の位置等をセ
ンサ等によって検知することにより、レンジと走行段と
を容易に知ることができるので、これに基づいて容易に
選択することができる。つまり、上述のDレンジ4th
にてエンジンブレーキを効かせたい場合には、マニュア
ルバルブ20のシフト位置がDレンジで、しかも各シフ
トバルブ22、23、24がそれぞれ図2の、左半位
置、右半位置、右半位置に位置したときに作動するよう
にすればよい。
【0047】上述の、本発明によると、ライン圧PL
エンジンブレーキ圧に調圧するので、マニュアルバルブ
20のレンジに関係なく、任意のレンジでエンジンブレ
ーキを作動させることが容易であり、しかもエンジンブ
レーキが不要な場合には、リレーバルブ25を介して、
調圧バルブ21を排出流量零位置にロックすることがで
きるので、流量損失を防止し、オイルポンプの流出量の
過剰を防止する。 〈実施例2〉図7に実施例2のフローチャートを示す。
上述の実施例1では、例えば調圧バルブ21のS7での
ブレーキ圧PB の調圧値は、一定に設定しているが、車
速等の走行条件に応じて、このブレーキ圧PB を変更す
ることもできる。例えば3レンジ3rdのエンジンブレ
ーキが効く状態であっても、そのときの車速が速いとき
には、調圧バルブ21のポートn3 に入力される油圧P
SLN を低くして、ポートp2 から出力されるブレーキ圧
B を高くし、反対に車速が遅いときには、ポートn3
に入力される油圧PSLN を高くして、ポートp2 から出
力されるブレーキ圧PB を低くする。これによって、同
じ3レンジ3rdのエンジンブレーキでも、そのときの
車速に応じて良好なものに変化させることができる。
【0048】なお、調圧バルブ21のポートp2 から出
力されるブレーキ圧PB の大きさは、上述の油圧PSLN
を変化させることによってだけでなく、他に、ポートp
1 に入力されるライン圧PL を車速によって変化させる
ようにしても調整することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
調圧バルブは、マニュアルバルブのレンジによって影響
を受けないライン圧を調圧してエンジンブレーキ圧と
し、このエンジンブレーキ圧をエンジンブレーキ用の油
圧サーボに供給するので、マニュアルバルブのレンジに
かかわらず、任意のレンジ、任意の走行状態において、
エンジンブレーキを作用させることが容易となる。さら
に、エンジンブレーキが不要な場合には、リレーバルブ
を介して調圧バルブにエンジンブレーキ圧を作用させ、
調圧バルブを排出流量零位置に固定することができるの
で、損失流量を減少させて油圧のロスを低減させること
ができる。これにより、例えば、エンジンの駆動によっ
て油圧を供給するオイルポンプが必要以上の圧油を流出
させるのを防いで、燃費の低下を有効に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を適用し得る5速自動変速機の
概略を示す図。(b)はその電気制御を示す図。
【図2】同じく実施例1のエンジンブレーキ制御装置の
油圧回路図。
【図3】同じく実施例1の自動変速機の走行段と、クラ
ッチ、ブレーキ、ワンウェイクラッチの係脱状態との関
係を示す作動表。
【図4】同じく実施例1の調圧バルブの動作を示すフロ
ーチャート。
【図5】同じく実施例1の調圧バルブ、リレーバルブ、
ソレノイドの動作説明図。
【図6】同じく実施例1の調圧バルブ、リレーバルブ、
ソレノイドの動作説明図。
【図7】実施例2の調圧バルブの動作を示すフローチャ
ート。
【図面の簡単な説明】 2C、5C、6C、7C変速要素(キャリヤ) 2R、5R、6R、7R変速要素(リングギヤ) 2S、5S、6S、7S変速要素(サンギヤ) 20 マニュアルバルブ 20A 入力側 20B、20C出力側 21 調圧バルブ 25 リレーバルブ 27 ソレノイド 29 ソレノイド(リニアソレノイド) C0 係合要素(O/Dダイレクトクラッチ) C1 係合要素(フォーワードクラッチ) C2 係合要素(ダイレクトクラッチ) B0 係合要素(O/Dブレーキ) B1 係合要素(3rdコーストブレーキ) B2 係合要素(3rdブレーキ) B3 係合要素(2ndブレーキ) B4 係合要素(1st&Revブレーキ) F0 係合要素(ワンウェイクラッチ) F1 係合要素(ワンウェイクラッチ) F2 係合要素(ワンウェイクラッチ) B−1 コースト油圧サーボ B−4 コースト油圧サーボ AT 自動変速機 OD 変速ギヤ機構(副変速ギヤ機構) M 変速ギヤ機構(主変速ギヤ機構) PL ライン圧 PB ブレーキ圧 a、b、c、d出力ポート p 入力ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 義久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 坪井 治道 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 新美 守 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 大庭 秀洋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 木村 弘道 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−113161(JP,A) 特開 平5−60211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンブレーキ用係合要素を有し、該
    エンジンブレーキ用係合要素の係脱を制御する油圧サー
    ボに油圧を供給することによって、エンジンブレーキを
    作用させてなる自動変速機におけるエンジンブレーキ制
    御装置において、 ライン圧を調圧しエンジンブレーキ圧として前記油圧サ
    ーボに供給する調圧バルブと、 該調圧バルブと前記油圧サーボとの間に介装され、該油
    圧サーボに対するエンジンブレーキ圧の供給の有無を選
    択的に切り換えるリレーバルブとを有し、 該リレーバルブは、エンジンブレーキ必要位置にて前記
    油圧サーボに対するエンジンブレーキ圧の供給を行う一
    方、エンジンブレーキ不要位置にて前記油圧サーボに対
    するエンジンブレーキ圧の供給を停止するとともに該エ
    ンジンブレーキ圧を前記調圧バルブに作用させて該調圧
    バルブを排出流量零位置に固定してなる、 ことを特徴とする自動変速機におけるエンジンブレーキ
    制御装置。
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