JP3126620B2 - 立体開孔シートの製造方法及び装置 - Google Patents

立体開孔シートの製造方法及び装置

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JP3126620B2
JP3126620B2 JP07063186A JP6318695A JP3126620B2 JP 3126620 B2 JP3126620 B2 JP 3126620B2 JP 07063186 A JP07063186 A JP 07063186A JP 6318695 A JP6318695 A JP 6318695A JP 3126620 B2 JP3126620 B2 JP 3126620B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体開孔シートの製造
方法及び装置に関し、特に、生理用ナプキンや使い捨て
おむつ等の吸収性物品の表面シートとして好適に使用さ
れる立体開孔シートの製造方法及び装置に関する。
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0002】従来、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等
の吸収性物品の表面シートとしては、一般に有孔フィル
ムや不織布が多く用いられている。有孔フィルムを吸収
性物品の表面シートとして使用する技術は、例えば、特
公昭57−17081号公報や特開昭62−68928
号公報等に記載されている。上記有孔フィルムを吸収性
物品の表面シートとして使用すると、ドライ感に比較的
優れた吸収性物品が得られるものの、上記有孔フィルム
自体が肌にまとわりつき、ベタツキ感を使用者に与え
る。また、上記有孔フィルムは、かぶれを引き起こすこ
ともある。
【0003】一方、不織布は肌触りが良いものの、繊維
より構成されているため毛管力によって繊維間に液残り
が生じやすく、ドライ感に劣るという問題がある。ま
た、最近では、液通過速度を高め且つ肌との接触面積を
低減しようという目的等から開孔を有する不織布が知ら
れている。例えば、特開昭63−182460号公報に
は、繊維材料層に高圧水流を噴射して、繊維を再配列す
ることによって、不規則な開孔を有する不織布を得る方
法が記載されている。また、特開平3−90669号公
報には、高圧水流によって繊維をネット形状により分け
て開孔を設ける方法が記載されている。これら高圧水流
を用いる開孔方法では、不織布本来の厚みが高圧水流の
圧力の為に潰れてしまうので、その結果得られる開孔不
織布は、クッション性に乏しくなり、液戻りし易いとい
う欠点を有する。また、繊維密度が全体的に高くなって
しまい、液残りも生じ易いという欠点もある。
【0004】上記開孔不織布の液戻りを低減するため
に、特開平4−89054号公報及び特開平4−152
945号公報では、メルトブロー法により溶融ポリマー
を噴出させて形成される極微細化した繊維を、形状セッ
ト用の金型類上に堆積せしめることで、立体的な開孔を
形成することが提案されている。しかし、この種の立体
開孔不織布は加圧時に液戻りを防止する効果は認められ
るものの、非開孔部に排出された液体は、毛管力によっ
て不織布を構成する繊維間にかなり取り込まれてしま
う。この場合、上記不織布と吸収体との間に大きな空間
が存在すると、上記繊維間に取り込まれた液体が上記吸
収体に吸収されず、液残りしてしまうという欠点があ
る。
【0005】また、立体開孔を形成する方法として、シ
ートを機械的に開孔する方法も知られている。例えば、
特開昭52−27876号公報や特開昭62−1250
61号公報には、外側に突出したニードルと押し込み体
との間に不織布シートをはさみ開孔する方法が記載され
ている。また、特開平6−330443号公報には、円
錐或いは角錐形状の凸状ピンを有する第1の押し型(ロ
ール)に突条部を有する第2の押し型(ロール)を嵌入
させて多数の立体開孔を形成する方法が記載されてい
る。
【0006】上記機械的開孔方法では、上記凸状ピンの
径を最大限活用して、シートの開孔率を上げることが重
要である。しかしながら、開孔率を上げるために上記凸
状ピンをシートに深く刺すと、上記凸状ピンを抜く際の
抵抗が非常に大きくなり、形成された立体開孔がシート
の反対側に反転してしまったり、或いは反転しないまで
もその形状が乱れてしまう。また、ロールの回転運動の
ため、上記凸状ピンが抜ける際に上記凸状ピンが首を振
り、形成された開孔に再接触してしまい、該開孔を引っ
掻いてしまう。その結果、開孔の形状が乱れて、外観上
見苦しいだけでなく、上記凸状ピンに接触し、軟化・溶
融して堅くなった部位がシートの表面に現れて、ザラツ
キ感が生じてしまい、風合いが著しく悪化する。また、
これらの現象に伴い、シートの開孔率が低下してしま
い、液体の吸収性能も低下する。
【0007】即ち上記機械的開孔方法において、先端角
の小さな円錐状の先端部と円柱状の基部とから成るピン
を用いてシートに開孔を設ける場合には、上記基部より
僅か上までシートが刺さるように設定すれば上記ピンの
径に近い開孔径を有する開孔を形成することができるも
のの、ピン先が長くなってしまい、ロールの回転による
上記ピンの首振りが一層深刻になる。その結果、一旦形
成された開孔が上記ピン先によって引っ掻かれてしま
い、開孔の形状に悪影響を及ぼす。しかも、開孔率も下
がってしまい非常に不都合である。更に、先端角が小さ
いと、上記ピンがシートに刺さる初期段階での抵抗が下
がってしまうので、シートを引き延ばす効果に乏しく、
開孔の立体性が下がってしまう。
【0008】一方、上記ピンの先端角を大きくすると、
ピン先が短くなるので、ロールの回転による上記ピンの
首振りは小さくなり、一旦形成された開孔が上記ピン先
によって引っ掻かれることは無くなる。また、上記ピン
がシートに刺さる初期段階での抵抗も大きいので、シー
トが効果的に引き延ばされ、立体的な開孔が形成され
る。しかし、上記ピンがシートに刺さる深さは大きくな
いので、形成される開孔の径が上記ピンの刺さりの深さ
に応じて敏感に変化してしまう。その結果、特に不織布
に開孔を形成するような場合には、不織布の地合によっ
て、上記ピンの刺さり易さが異なり、地合の薄いところ
ほど、繊維密度が低いので、上記ピンの刺さる抵抗が低
く、上記ピンの刺さりが深くなってしまう。不織布の地
合いムラはある程度避けられないので、形成された開孔
の径にはかなりのバラツキがある。しかも、大きな開孔
径を得ようとすると、上記ピンの深くまでシートを入り
込ませなければならず、上記ピンの抜けの問題も生じて
くる。また、上記ピンの刺さりを浅くすると、殆ど開孔
していない部位が生じる問題もある。
【0009】従って、本発明の目的は、開孔径と開孔率
の大きな立体開孔を形成することができ、且つ、表層か
ら裏層への効果的な液移動を実現し得る構造を有する立
体開孔シートの製造方法及び装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、開孔を形成するための凸状ピンを特定の形状と
することにより、シートが該凸状ピンに深く突き刺さる
ことを防止しつつ立体的な開孔を効果的に形成し得るこ
とを知見した。
【0011】また、本発明は、シートの搬送方向に沿っ
て、多数の凸状ピンを列状に有し且つ該列が多列に並設
している第1の押し型と、該凸状ピンに嵌入する凹型又
は該多列の間に嵌入する突条部を有する第2の押し型と
の間に、該シートを介在させることにより、多数の立体
開孔を有する立体開孔シートを製造する方法において、
上記凸状ピンとして、柱形状の基部、錐体形状の先端
部、及び該基部と該先端部との略境界部において該基部
の軸方向と略直角方向に延出した鍔部からなるピンが用
いられており、上記先端部が、裾部と頂部とからなり、
該頂部の先端角が、該裾部における相対向する2本の稜
線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大きいことを
特徴とする立体開孔シートを製造する方法、又は上記凸
状ピンとして、柱形状の基部と錐体形状の先端部とから
成るピンであって、上記先端部が裾部と頂部とからなり
且つ該頂部の先端角が該裾部における相対向する2本の
稜線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大きい上記
ピンが用いられていることを特徴とする立体開孔シート
を製造する方法を提供することにより上記目的を達成し
たものである。
【0012】また、本発明は、上記本発明の立体開孔シ
ートを製造する方法の実施に好ましく用いられる装置と
して、多数の凸状ピンを列状に有し且つ該列が多列に並
設している第1のロールと、該凸状ピンに嵌入する凹型
又は該多列の間に嵌入する突条部を有する第2のロール
との間に、シートを介在させることにより、多数の立体
開孔を有する立体開孔シートを製造する装置において、
上記凸状ピンとして、柱形状の基部、錐体形状の先端
部、及び該基部と該先端部との略境界部において該基部
の軸方向と略直角方向に延出した鍔部からなるピンが用
いられており、上記先端部が、裾部と頂部とからなり、
該頂部の先端角が、該裾部における相対向する2本の稜
線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大きいことを
特徴とする立体開孔シートを製造する装置、又は上記凸
状ピンとして、柱形状の基部と錐体形状の先端部とから
成るピンであって、上記先端部が裾部と頂部とからなり
且つ該頂部の先端角が該裾部における相対向する2本の
稜線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大きい上記
ピンが用いられていることを特徴とする立体開孔シート
を製造する装置を提供することにより上記目的を達成し
たものである。
【0013】
【作用】本発明の立体開孔シートの製造方法及び装置に
おいては、開孔を形成するための上記凸状ピンの上記基
部と上記先端部の略境界部に上記鍔部を設けることによ
り、上記凸状ピンと開孔が設けられるシートとの相対的
な位置を制御し、該シートに地合いムラがあっても形状
の安定した立体的な開孔を形成することができる。しか
も、上記凸状ピンが上記シートに刺さり過ぎることがな
くなるので、上記凸状ピンとそれに嵌合する押し型との
嵌合量を大きくすることができる。その結果、立体性に
一層優れた開孔を形成することができる。更に、不織布
に開孔を設ける場合には、開孔径を一層大きくすること
ができるので、その結果形成された開孔の周辺部には、
開孔によってより分けられた繊維の存在量が多くなり、
繊維密度を高くすることができる。
【0014】また、上記凸状ピンの先端部を裾部と頂部
とからなる2段の形状とすることにより、上記凸状ピン
全体の長さを短く抑え、シートに刺さった上記凸状ピン
の抜けを良くし、一度形成された開孔に上記凸状ピンが
再干渉することを防ぎ、形状の安定した開孔を形成する
ことができる。しかも、一旦形成された開孔の形状が上
記凸状ピンによって乱されることがないので、得られた
立体開孔シートの風合いが悪化することがない。
【0015】更に、上記頂部の先端角は、上記裾部にお
ける相対向する2本の稜線の該頂部方向への延長線の交
差角よりも大きい(即ち、より鈍角になっている)の
で、上記凸状ピンがシートに刺さる初期段階での抵抗を
大きくすることができ、開孔が一層立体的に形成され
る。特に不織布に開孔を形成する場合には、開孔間の繊
維が、開孔の周縁部に引き延ばされるので、開孔間の繊
維密度が小さくなり、毛管力による液残りを低減するこ
とができる。
【0016】
【実施例】まず、本発明の立体開孔シートを製造する方
法に好ましく用いられる装置を図面を参照しつつ説明す
る。
【0017】図1〜図10に示す如く、上記立体開孔シ
ートの製造装置は、多数の凸状ピン20を列状に有し且
つ該列が多列に並設している第1のロール22と、該凸
状ピン20に嵌入する凹型又は該多列の間に嵌入する突
条部を有する第2のロール24との間に、シートを介在
させることにより、多数の立体開孔を有する立体開孔シ
ートを製造するものである。
【0018】更に詳細には、本発明の製造装置は、上記
第1のロール22及び上記第2のロール24の一対のロ
ールを有するものであり、上記第1のロール22の表面
全周にわたって上記凸状ピン20が列状に配置され且つ
該凸状ピン20の列が多列に並設されている。該列の並
設方向は、一般にシートの搬送方向と平行な方向であ
る。上記凸状ピン20の配置は、上記凸状ピン20が列
状に配置され且つ該凸状ピン20の列が多列に並設され
ていれば特に制限はなく、例えば図5(a)に示す如
く、千鳥模様状に配列することができる。
【0019】上記列の間隔L(図5(a)参照)は、シ
ートの材質や厚さ及び目的とする開孔率の値にもよる
が、一般に0.5〜20mmであることが好ましい。ま
た、上記列中における隣合う開孔間の距離M(図5
(a)参照)も、シートの材質や厚さ及び目的とする開
孔率の値にもよるが、一般に0.5〜20mmであるこ
とが好ましい。
【0020】また、シートを穿孔する際に上記第1のロ
ール22及び/又は上記第2のロールを加熱する場合に
は、ロールの回転軸に挿入して用いられるカートリッジ
ヒータ等の加熱手段を用いればよい。
【0021】而して、本発明の特徴部分である上記凸状
ピンについて詳述する。本発明においては、上記凸状ピ
ンとして、図1及び2に示す下記の態様のピンが用い
られる。尚、図3〜6に示す下記の態様のピンは参考
例であり、本発明で用いられるピンではない。 柱形
状の基部と錐体形状の先端部とから成るピンであって、
上記先端部が裾部と頂部とからなり且つ該頂部の先端角
が該裾部における相対向する2本の稜線の該頂部方向へ
の延長線の交差角よりも大きいピン。 柱形状の基
部、錐体形状の先端部、及び該基部と該先端部との略境
界部において該基部の軸方向と略直角方向に延出した鍔
部からなるピン。これら2つの態様のピンについて下記
にそれぞれ詳述する。
【0022】まず、上記の態様の凸状ピンについて説
明する。上記凸状ピンは、図1に示す如く、柱形状の基
部12と錐体形状の先端部14とから成る。
【0023】上記柱形状の基部12は、上記凸状ピン2
0の軸方向に直角な方向の断面が、その軸方向に沿って
略同一であり、その断面形状は好ましくは、円形、楕円
形又は多角形であるが、かかる形状に限定されない。ま
た、上記断面の大きさは、所望の開孔径が得られるよう
に適宜調節すればよく、特に限定されるものではない
が、断面が円形の場合、その径φは一般に0.2〜10
mmであることが好ましく、0.5〜5mmであること
が更に好ましく、1〜2mmであることが一層好まし
い。上記断面の形状が楕円形である場合には、長軸/短
軸の比は、一般に1.0〜2.0であることが好まし
く、1.1〜1.3であることが更に好ましい。また、
長軸長は0.2〜10mmであることが好ましく、0.
5〜5.0mmであることが更に好ましく、1〜2mm
であることが一層好ましい。また開孔を設ける際の上記
シートの流れ方向と、上記短軸の方向とを合致させる
と、開孔の形状が真円に近くなり、見た目の印象が良く
なるので好ましい。また、上記断面が多角形である場合
には、長軸長が0.2〜10mmで、長軸/短軸の比が
1.0〜2.0である楕円に内接する2n角形(n=
2、3又は4)であることが好ましい。また、上記基部
12の高さzは、開孔を設ける際の熱接触を避けるため
に、図8(a)に示す嵌入深さy+2mm以上であるこ
とが好ましい。なお、嵌入深さについては後述する。
【0024】図1に示す如く、上記凸状ピン20におけ
る上記先端部14は、裾部40と頂部42とからなり、
上記頂部42の先端角θt が、上記裾部40における相
対向する2本の稜線44、45の上記頂部方向への延長
線の交差角θb よりも大きくなされている。上記先端部
14をかかる形状とすることにより、一層大きな開孔径
及び開孔率を確保しつつ、立体的な開孔を形成すること
が可能となる。
【0025】上記頂部42の先端角θt が、上記裾部4
0の交差角θb よりも大きいことが好ましいことは上述
の通りであるが、より詳細には、上記先端角θt は45
〜90度であることが好ましく、一方、上記交差角θb
は20〜60度であることが好ましい。更に好ましく
は、上記先端角θt は55〜75度であり、上記交差角
θb は30〜45度である。上記先端角θt が45度に
満たないと、上記先端部14の高さが高くなってしまう
上、上記凸状ピン20が刺さり易くなり過ぎるので、シ
ートを引き伸ばす効果に乏しく、従って、開孔に立体性
を与える効果に乏しくなる場合がある。また、上記先端
角θt が90度を超えると、シートを貫通する鋭さがな
くなる場合があるので上記範囲内とすることが好まし
い。一方、上記交差角θb が20度に満たないと、シー
トから上記凸状ピン20を引き抜く抵抗が大きくなり、
上記先端部14の高さが高くなってしまい、上記交差角
θb が60度を超えると上記凸状ピン20がシートに刺
さる深さが小さくなるので、形成される開孔の径が上記
凸状ピン20の刺さりの深さに応じて敏感に変化してし
まうので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0026】上記先端部14における上記裾部40の高
さbは、用いるロール径、ピン径、先端角θt 、開孔を
設けるべきシートの厚さによるが、一般に0.8mm〜
1.5mmが好ましい。換言すれば、〔開孔を設けるべ
きシートの厚み〕〜〔該シートの厚み+0.5mm〕が
好ましい。上記高さbが〔上記シートの厚み〕に満たな
いと上記シートの厚みが上記裾部42の高さbよりも大
きくなり、大きな開孔径が得られない。一方、上記高さ
bが、〔上記シートの厚み+0.5mm〕を超えても、
開孔の形成状態に大きな改善が認められないばかりでな
く、上記凸状ピン20の全長が長くなってしまい、上記
先端部14が上記開孔6に再干渉してしまう場合がある
ので、上記範囲内とすることが好ましい。一方、上記先
端部14における上記頂部42の高さaは、一般に、
0.5mm以上が好ましい。上記高さaが0.5mmに
満たないと、形状の安定した開孔を形成することができ
ない場合があるので、0.5mm以上とすることが好ま
しい。
【0027】図1に示す態様においては、上記先端部1
4が上記裾部40と上記頂部42とからなる所謂2段の
形状をなしているが、上記先端部14の形状はかかる態
様には限定されず、例えば、図2に示す如く、上記裾部
40が、上記基部12に接続する第1の裾部40aと上
記頂部に接続する第2の裾部40bとからなり、上記第
1の裾部40aにおける相対向する2本の稜線44a、
45aの上記頂部方向への延長線の交差角θbaと、上記
第2の裾部40bにおける相対向する2本の稜線44
b、45bの上記頂部方向への延長線の交差角θbbと、
上記先端角θt との間に、θba>θbb>θt なる関係が
あるような凸状ピンも本発明の範囲内である。
【0028】なお、図1に示す上記先端部14において
は、その相対向する稜線44、45が直線であるが、上
記先端部14の形状はかかる態様に限定されず、例え
ば、上記稜線は曲線であってもよい。
【0029】次に、上記の態様の凸状ピンについて説
明する。上記凸状ピンは、図3(a)に示す如く、柱形
状の基部12、錐体形状の先端部14、及び該基部と該
先端部との略境界部において該基部の軸方向と略直角方
向に延出した鍔部18とからなる。
【0030】上記先端部14の高さhは、用いるロール
径、開孔を設けるべきシートの厚さ、ピン径や、後述す
る上記先端部14の頂部42における先端角の角度にも
よるが、一般に、〔開孔を設けるべきシートの厚み〕〜
〔ピン径φの2倍〕であることが好ましい。上記高さh
が開孔を設けるべきシートの厚みに満たないと、上記先
端部14がシートを十分貫通できず開孔径が小さくなる
場合があり、上記先端部14の高さhがピン径φの2倍
を超えると上記先端部14が開孔に再干渉してしまう場
合があるので上記範囲内とすることが好ましい。また、
上記先端部14における先端角θt は、25〜90°、
特に30〜60°であることがピンのシートへの刺さり
易さと、ピン先が開孔に再干渉することを防止できる点
から好ましい。
【0031】なお、図3(a)に示す上記先端部14に
おいては、その相対向する稜線44、45が直線である
が、上記先端部14の形状はかかる態様に限定されず、
例えば、上記稜線は曲線であってもよい。
【0032】図3(a)及び(b)に示す如く、上記凸
状ピン20は、上記基部12と上記先端部14との略境
界部において該基部12の軸方向と略直角方向に延出し
た鍔部18を有する。上記凸状ピン20が上記鍔部18
を有することにより、開孔形成の際にシートが上記凸状
ピン20に深く刺さることが防止されるので、上記凸状
ピン20が上記シートからスムースに抜け、立体開孔を
安定に形成することができる。上記鍔部18は、地合い
ムラの大きな不織布に開孔を形成する場合に特に効果的
である。
【0033】更に、上記鍔部18を用いることにより、
上記第2のロール24における上記凹型又は上記突条部
を上記凸状ピン20に深く嵌入させることが可能となる
(即ち、嵌入深さを大きくとることができる)ので、上
記シートのうち、上記凹型又は上記突条部によって押し
こまれる部位とその周辺部が引き延ばされて開孔が形成
され、その結果、立体開孔シート全体の見掛け厚みを大
きくすることができ、クッション性が高まる。しかも、
上記立体開孔シートを例えば吸収性物品の表面シートに
用いた場合には、吸収体に吸収された液体の逆戻りが防
止される。
【0034】特に、上記シートとして不織布を用いる場
合には、開孔間の繊維が引き延ばされることにより、開
孔間の繊維密度が低く(繊維間距離が大きく)なり、毛
管力が低下する。しかも、開孔間の形状はアーチ状とな
り、シートが一層立体的となる。従って、上記立体開孔
シートを例えば吸収性物品の表面シートに用いた場合
に、吸収体に吸収された液体の逆戻りが防止されると共
に、肌との接触面積が小さくなり、ドライ感が一層向上
する。更に、開孔径を大きくすることも可能となるの
で、上記凸状ピン20によって開孔の下端周縁部により
分けられる繊維の量が多くなる結果、開孔の下端周縁部
の繊維密度が高くなる。これにより、開孔間と開孔の下
端周縁部とでの繊維密度に極めて大きな勾配が生じる。
このように、一つのシート内に適度な柔らかさとソフト
感を有する部分(繊維密度の小さな部分)と圧力によっ
ても潰れない剛直な部分(繊維密度の大きな部分)とを
共存せしめ、シート全体として適度なクッション性が実
現される。また、上記剛直な部分が存在することによ
り、圧力によって上記立体開孔シートが潰れた場合にも
一定の厚さが保たれるので、上記立体開孔シートを例え
ば吸収性物品の表面シートに用いた場合に、吸収体に吸
収された液体の逆戻りが防止される。
【0035】更に、繊維密度の大きな部分(主に、上記
開孔の下端周縁部)は、繊維が密に存在しているので、
上記立体開孔シートを例えば吸収性物品の表面シートに
用いた場合には、毛管力によって上記立体開孔シートの
表面に存在する液体を速やかに吸引し吸収体へと導く。
一方、繊維密度の小さな部分(主に、上記開孔間のアー
チ状の部分)は、繊維が疎に存在しているので毛管力は
弱く、その結果、一旦吸収体に吸収された液体は上記立
体開孔シートの表面に戻り難くなる。このように、本発
明に従って製造された立体開孔シートが繊維の密度に関
して疎密構造を有することにより、単一の構造中に毛管
力の勾配が生じるので、上記立体開孔シートを例えば吸
収性物品の表面シートに用いた場合には、表面での液残
りが減少し、ドライ感が一層向上した吸収性物品が得ら
れる。
【0036】上記鍔部18は、図4(a)〜(c)に示
すように、上記基部12の側面全周にわたって存在して
いる上記鍔部18は、上記基部12の側面全周の1/
4にわたって設けられていることが好ましく、1/2以
上にわたって設けられていることが更に好ましい。上記
鍔部18が設けられている部分が1/4に満たないと上
記鍔部18以外の部分が上記凸状ピン20の上記基部ま
で深く刺さる場合があるので好ましくない。また、この
場合には、上記鍔部18は、連続的に又は図4(d)及
び(e)に示す如く、断続的に上記基部12の側面全周
の1/4以上にわたって設けられていればよい。
【0037】また、上記鍔部18が、図3(b)に示す
如く、上記凸状ピン20の中心軸に関して点対称に設け
られていることも好ましい。更に、図5(b)に示す如
く、上記鍔部18が、シートの搬送方向のみに設けられ
ていることも好ましい。このように、シートの搬送方向
のみに上記鍔部18を設けることにより、上記搬送方向
と直角方向の開孔間の距離を小さくすることができ、開
孔率を高めることができるので好ましい。
【0038】上記鍔部18は、上記基部12の軸方向と
完全に直角方向に延出している必要はなく、要するに、
シートが上記凸状ピン20の根元方向に深く刺さること
を防止できるような角度で延出していればよい(例え
ば、図6(a)参照)。従って、上記鍔部18の下面の
形状や厚みには何ら制限はない。例えば、図6(b)及
び(c)に示す如く、上記鍔部18の下面が上記凸状ピ
ン20の根元まで延出して柱を形成していてもよい。
般に、上記鍔部18の厚みは、0.3〜2mmであるこ
とが好ましく、0.5〜1.5mmであることが更に好
ましい。上記鍔部18の厚みが0.3mmに満たない
と、上記鍔部18の剛性が保てず、あるいは、上記鍔部
18の側面が細くなり、シートを構成する繊維等が上記
鍔部18に引っかかりシートを乱すおそれがあり、2m
mを超えるとシートと上記鍔部18の側面との接触面積
が大きくなり、シートの肌接触域近くまで熱が及んで肌
触りを悪化させる可能性があるので、上記範囲内とする
ことが好ましい。
【0039】上記鍔部18は、上記基部12と上記先端
部14との略境界部に設けられるが、より詳細には、上
記鍔部18の上面が上記基部12の上端から0.5mm
以内の位置にあることが好ましく、更に好ましくは上記
鍔部18の上面が上記基部12の上端から0.1mm以
内の位置にあり、一層好ましくは図3(a)に示す如く
上記鍔部18の上面が上記基部12の上端の位置にあ
る。
【0040】また、上記鍔部18の延出幅(張出し幅)
は、最も幅広の部分で0.05mm以上であることが好
ましく、更に好ましくは0.10mm以上である。上記
延出幅が0.05mmに満たないと、上記鍔部18を設
けた効果が十分に発揮されない場合があるので好ましく
ない。
【0041】上記の態様の凸状ピンにおいては、上記
凸状ピン20における上記先端部14は、図7(a)及
び(b)に示す如く、裾部40と頂部42とからなり、
上記頂部42の先端角θt が、上記裾部40における相
対向する2本の稜線44、45の上記頂部方向への延長
線の交差角θb よりも大きくなされている。
【0042】尚、図3〜6に示す参考例における上記
の態様の凸状ピンに関して特に詳述しなかった点につい
ては、上記の態様の凸状ピンに関して詳述した説明が
適宜適用される。
【0043】なお、上記第1のロールに関して特に詳述
しなかった点、例えば、上記第1のロールの組み立て方
法等については、特開平6−330443号公報の第4
欄第44行〜第5欄第28行、第6欄第28〜40行及
び図2〜図4の記載等を適宜適用することができる。
【0044】次に、上記第1のロール22と対になって
使用される第2のロール24について説明する。上記第
2のロール24は、その表面に、上記第1のロールの表
面全周に配置された上記凸状ピン20が嵌入する凹型が
配置されているか、又は、上記凸状ピン20の列の間に
嵌入する突条部を有する。
【0045】上記凹型としては、上記凸状ピン20が嵌
入する形状を有するものであれば特に制限なく用いるこ
とができる。そのような凹型の例としては、特開昭62
−125061号公報の第12図に記載されているよう
なソケットないしホールロールが挙げられる。
【0046】また、上記突条部は、図8に示す如く、上
記凸状ピン20の列の間に嵌入するものである。上記突
条部26間の距離dは、シート搬送方向における上記凸
状ピン20の径φとシート4の厚さを勘案して決定され
る。一般に、上記距離dと上記ピン径φとの差(d−
φ)が0.05〜4mmであることが好ましく、0.1
〜1mmであることが更に好ましい(なお、図8におけ
るシート搬送方向は、紙面に垂直方向である)。シート
搬送方向における上記突条部26の厚さtは、シート4
に抗して上記凸状ピン20が嵌入するために薄いことが
望ましいが、強度的な観点を加味すると、0.1〜1m
mであることが望ましい。なお、図8においては、シー
トは図示されていない。
【0047】また、図8に示す如く、上記第1のロール
22と上記第2のロール24との嵌入深さyは、0.2
〜3.0mmであることが好ましく、0.6〜1.8m
mであることが更に好ましい。
【0048】上記凸状ピン20が上記凹型又は上記突条
部に嵌入する際の、上記凸状ピン20と上記凹型又は上
記突条部との間隙は、開孔するシート4の厚さにもよる
が、一般に0.1〜2mmであることが好ましい。
【0049】なお、上記第2のロール24に関して特に
詳述しなかった点、例えば、上記第2のロールの組み立
て方法等については、特開平6−330443号公報の
第5欄第29〜39行及び図5及び図6の記載等を適宜
適用することができる。
【0050】次に、本発明の立体開孔不織布の製造方法
について説明する。本発明の立体開孔不織布の製造方法
は、シートの搬送方向に沿って、多数の凸状ピンを列状
に有し且つ該列が多列に並設している第1の押し型と、
該凸状ピンに嵌入する凹型又は該多列の間に嵌入する突
条部を有する第2の押し型との間に、該シートを介在さ
せることにより、多数の立体開孔を有する立体開孔シー
トを製造する方法において、上記凸状ピンとして、柱形
状の基部、錐体形状の先端部、及び該基部と該先端部と
の略境界部において該基部の軸方向と略直角方向に延出
した鍔部とからなる凸状ピンが用いられており、上記先
端部が、裾部と頂部とからなり、該頂部の先端角が、該
裾部における相対向する2本の稜線の該頂部方向への延
長線の交差角よりも大きいことを特徴とするものである
か、又は上記凸状ピンとして、柱形状の基部と錐体形状
の先端部とから成るピンであって、上記先端部が裾部と
頂部とからなり且つ該頂部の先端角が該裾部における相
対向する2本の稜線の該頂部方向への延長線の交差角よ
りも大きい上記ピンが用いられていることを特徴とする
ものである。
【0051】更に詳細には、本発明の方法の一態様を表
す図9に示す如く、供給ロール32から開孔が形成され
るべきシート4が供給され、上記シート4は位置規制装
置33を通過して、上記シート4の横振れがない状態
で、上記第1の押し型としての第1のロール22と上記
第2の押し型としての第2のロール22とから成るロー
ルユニット34に搬送される。上記第1のロール22に
は上記凸状ピン20の列が多列に並設されている。一
方、上記第2のロール24は、個々の上記凸状ピン20
に嵌入する凹型を有するか、又は、上記凸状ピン20の
列の間に嵌入する突条部を有する。上記第1のロール2
2と上記第2のロール24とは同期回転しており、両ロ
ール22、24間に、上記シート4を介在させることに
より、上記凸状ピン20によって上記シート4を穿孔
し、上記シート4に立体開孔(図示せず)を多数形成す
る。次いで、上記ロールユニット34の後段にある位置
規制装置37を経由して次工程へ供給されるように構成
されている。
【0052】次に、本発明の方法において、上記開孔が
形成される過程を図10を参照しつつ詳述する。図10
に示す如く、シート4は、同期回転する上記第1のロー
ル22及び上記第2のロール24(図示せず)との間
に、上記両ロールの回転に合わせて挿入される。上記シ
ート4は、図10におけるAの位置で上記第2のロール
24の凹型又は突条部と接触する。次いで、図10にお
けるBの位置で上記凸状ピン20が上記シート4に突き
刺さる。上記両ロール22、24の回転につれて、上記
凸状ピン20は上記シート4に次第に深く刺さるが、上
記凸状ピン20に設けられている上記鍔部18が上記シ
ート4のストッパーとして作用するので、上記鍔部18
が設けられている位置よりも深くまで上記凸状ピン20
が上記シート4に刺さることが防止される(図10にお
けるCの位置)。また、上記先端部14が上記頂部42
と上記裾部40との2段になっているので、上記先端部
14が形成された開孔に再干渉することが防止される。
次いで、上記凸状ピン20は、図10におけるDの位置
において上記シート4から脱抜する。その結果、多数の
立体開孔6が形成された、立体開孔シート2が得られ
る。
【0053】更に詳細には、上記鍔部18の作用によ
り、上記シート4への上記凸状ピン20の刺さりが制限
され、図10の拡大図である図11(a)及びその流れ
方向断面図である図11(b)に示す如く、上記凸状ピ
ン20は、その先端部14までが上記シート4に刺さ
る。一方、上記第2のロールにおける上記突条部26
は、上記シート4に深く嵌入する。その結果、極めて立
体性の高い(即ち、厚みの大きな)開孔シートが得られ
る。
【0054】上記シート4に立体開孔を設けるに際して
は、室温下で上記シート4を穿孔してもよいが、好まし
くは上記第1のロール22又は上記第1のロール22及
び上記第2のロール24の双方を、例えば、60〜26
0℃に加熱して上記シート4を穿孔する。これによっ
て、開孔の下端周縁部を軟化・溶融せしめ、該下端周縁
部をシートの他の部分よりも硬く形成せしめることがで
きるので、上記開孔の立体形状が一層効果的に形成され
る。かかる加熱は、不織布に開孔を設ける場合に特に効
果的である。また、上記シート4を予熱したり、開孔後
に冷却することも好ましい。
【0055】上記シート4としては、シート状の形態を
有し、上記凸状ピン20によって穿孔が可能なものであ
れば特にその材質に制限はない。例えば、熱可塑性のフ
ィルムやシートを用いることができるが、特に、吸収性
物品の表面シートとして好適に用いられる不織布のシー
トを用いることが好ましい。また、不織布同士、不織布
とフィルム、不織布と紙又は不織布と他のシート材料と
を複合化した種々のシートを用いることも好ましい。
【0056】なお、本発明の方法の一工程を表す図9に
おいては、上記第1のロール22が上記第2のロール2
4の下に位置する態様が示されているが、この位置関係
は、上下反対になってもよい。また、上記第1のロール
22と上記第2のロール24とは、一対で使用される態
様に限定されず、例えば特開昭62−125061号公
報の第14図に示される如く複数の第1のロールに対し
て1つの第2のロールを使用することもできる。
【0057】次に、下記の実施例により本発明を更に詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない
ことはいうまでもない。
【0058】〔実施例1〕繊維径2デニールの芯鞘型の
PET/PE複合繊維(容積比50/50)をカード機
により開繊した後、熱風により繊維間を融着せしめて、
サクションヒートボンド不織布(坪量25g/m2
0.5g/cm2 荷重下での見掛け厚さ約0.8mm)
を製造した。
【0059】図7(a)及び(b)に示す凸状ピン(基
部のピン径:1.5mm、裾部44の高さb:1.00
mm、頂部42の高さa:0.99mm、θt :60
度、θ b :37度)が、直径約150mmのロールの表
面全周にわたって多列に配列した第1のロールと、上記
列間に嵌入する突条部を有する第2のロールとを用い
て、上記不織布に立体開孔を形成して、立体開孔シート
を製造した。なお、上記第1のロールにおいて、シート
の搬送方向における上記列間のピッチは2.2mmであ
り、シートの搬送方向と直角な方向における上記凸状ピ
ン間のピッチは2.5mmであった。また、開孔は、上
記第1のロールを125℃に加熱して行った。
【0060】このようにして得られた立体開孔シートの
諸特性を表1に示す。なお、表1において、開孔率は日
本アビオニクス(株)製画像解析装置「エクセル」を用
い、予め黒色台紙上に貼り込んだ上記立体開孔シートを
画像入力し、画面上の白黒面積比を算出し、全面積に対
する黒色面積をもって開孔率(%)とした。また、見掛
け厚みは、KES圧縮試験機(カトーテック(株)製
KES FB−3)を用い、上記立体開孔シートについ
て、通常試験モードで50g/cm2 までの圧縮試験を
行ったときの、0.5g/cm2 荷重下での厚さ(m
m)である。
【0061】
【0062】〔実施例〕 図7(a)及び(b)に示す凸状ピンに代えて、図1に
示す凸状ピン(基部のピン径:1.5mm、裾部44の
高さb:1.00mm、頂部42の高さa:0.99m
m、θt :60度、θb :37度)を用いた以外は実施
例1と同様の操作によって、立体開孔シートを製造し
た。このようにして得られた立体開孔シートの諸特性を
表1に示す。
【0063】〔比較例1〕図7(a)及び(b)に示す
凸状ピンに代えて、図12に示す凸状ピン(基部のピン
径:1.5mm、θt :37度)を用いた以外は実施例
1と同様の操作によって、開孔シートを製造した。この
ようにして得られた開孔シートの諸特性を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1の結果から明らかな通り、本発明の方
法及び装置を用いて製造された立体開孔シート(実施例
及び2)は、開孔率が高く、しかも見掛け厚みの大き
いものであった。その上、風合いにも優れたものであっ
た。特に、鍔部を有し且つ先端部が頂部と裾部とから成
る凸状ピンを用いて開孔を形成した立体開孔シート(実
施例1)では、形成された開孔の形状及び開孔径がシー
ト全域にわたって極めて均一なものであった。
【0066】これに対して、従来用いられている通常の
凸状ピンを用いて開孔を形成した開孔シート(比較例
1)では、高い開孔率は達成できず、見掛け厚みも小さ
いものであった。その上、形成された開孔の形状及び開
孔径には大きなバラツキがあった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、凸状ピンのピン径を最
大限に活用した開孔径を有し、高い開孔率が達成される
立体開孔シートを得ることができる。その上、かかる立
体開孔シートにおいては、形成された開孔の立体性が極
めて高いものであり、しかも、開孔間から開孔の下端周
縁部にかけて極めて大きな繊維密度の勾配を有するもの
である。従って、本発明に従って製造された立体開孔シ
ートは、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物
品の表面シートとして特に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】凸状ピンの一態様を示す側面図である。
【図2】凸状ピンの別の態様を示す側面図である。
【図3】図3(a)は、凸状ピンの他の態様を示す側面
図であり、図3(b)は、図3(a)に示す凸状ピンの
平面図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、それぞれ鍔部の一態
様を示す平面図及び側面図であり、図4(c)〜(e)
は、鍔部の別の態様を示す側面図である。
【図5】図5(a)は、凸状ピンの配列を示す平面図で
あり、図5(b)は、図5(a)に示す凸状ピンの側面
図である。
【図6】図6(a)は、鍔部の他の態様を示す側面図で
あり、図6(b)及び(c)は、それぞれ鍔部のその他
の態様を示す平面図及び側面図である。
【図7】図7(a)及び(b)は、それぞれ凸状ピンの
更に他の態様を示す平面図及び側面図である。
【図8】第1のロールと第2のロールとの嵌入状態を示
す図である。
【図9】本発明の方法の一態様を示す概略図である。
【図10】本発明の方法において開孔が形成される過程
を示す概略図である。
【図11】図11(a)は、図10の部分拡大図であ
り、図11(b)は、図11(a)の流れ方向断面図で
ある。
【図12】従来の凸状ピンを示す側面図である。
【符号の説明】
2 立体開孔シート 4 シート 6 立体開孔 12 基部 14 先端部 18 鍔部 20 凸状ピン 22 第1のロール 24 第2のロール 26 突条部 40 裾部 42 頂部 44、45 稜線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29D 7/01 D06C 23/04 (72)発明者 小森 康浩 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王 株式会社栃木研究所内 (56)参考文献 特開 平6−330443(JP,A) 特開 昭62−125061(JP,A) 特開 平7−119012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 A61F 13/18 - 13/84 A41B 13/00 - 13/10 D06C 3/00 - 29/00 B26F 1/00 - 3/26 B28B 11/00 - 19/00 B29C 53/00 - 53/84 B29C 59/00 - 59/18 B29C 63/00 - 73/34 B29D 1/00 - 31/518 B32B 1/00 - 35/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートの搬送方向に沿って、多数の凸状
    ピンを列状に有し且つ該列が多列に並設している第1の
    押し型と、該凸状ピンに嵌入する凹型又は該多列の間に
    嵌入する突条部を有する第2の押し型との間に、該シー
    トを介在させることにより、多数の立体開孔を有する立
    体開孔シートを製造する方法において、 上記凸状ピンとして、柱形状の基部、錐体形状の先端
    部、及び該基部と該先端部との略境界部において該基部
    の軸方向と略直角方向に延出した鍔部からなるピンが用
    いられており、 上記先端部が、裾部と頂部とからなり、該頂部の先端角
    が、該裾部における相対向する2本の稜線の該頂部方向
    への延長線の交差角よりも大きい ことを特徴とする立体
    開孔シートを製造する方法。
  2. 【請求項2】 上記先端角が45〜90度であり、上記
    交差角が20〜60度である、請求項記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記鍔部が上記基部の全周の1/4以上
    にわたって設けられている、請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 上記鍔部が上記シートの搬送方向の前後
    方向にのみ設けられている、請求項1〜の何れかに記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 多数の凸状ピンを列状に有し且つ該列が
    多列に並設している第1のロールと、該凸状ピンに嵌入
    する凹型又は該多列の間に嵌入する突条部を有する第2
    のロールとの間に、シートを介在させることにより、多
    数の立体開孔を有する立体開孔シートを製造する装置に
    おいて、 上記凸状ピンとして、柱形状の基部と錐体形状の先端部
    とから成るピンであって、上記先端部が裾部と頂部とか
    らなり且つ該頂部の先端角が該裾部における相対向する
    2本の稜線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大き
    い上記ピンが用いられていることを特徴とする立体開孔
    シートを製造する装置。
  6. 【請求項6】 シートの搬送方向に沿って、多数の凸状
    ピンを列状に有し且つ該列が多列に並設している第1の
    押し型と、該凸状ピンに嵌入する凹型又は該多列の間に
    嵌入する突条部を有する第2の押し型との間に、該シー
    トを介在させることにより、多数の立体開孔を有する立
    体開孔シートを製造する方法において、 上記凸状ピンとして、柱形状の基部と錐体形状の先端部
    とから成るピンであって、上記先端部が裾部と頂部とか
    らなり且つ該頂部の先端角が該裾部における相対向する
    2本の稜線の該頂部方向への延長線の交差角よりも大き
    い上記ピンが用いられていることを特徴とする立体開孔
    シートを製造する方法。
  7. 【請求項7】 上記先端角が45〜90度であり、上記
    交差角が20〜60度である、請求項記載の方法。
  8. 【請求項8】 多数の凸状ピンを列状に有し且つ該列が
    多列に並設している第1のロールと、該凸状ピンに嵌入
    する凹型又は該多列の間に嵌入する突条部を有する第2
    のロールとの間に、シートを介在させることにより、多
    数の立体開孔を有する立体開孔シートを製造する装置に
    おいて、 上記凸状ピンとして、柱形状の基部、錐体形状の先端
    部、及び該基部と該先端部との略境界部において該基部
    の軸方向と略直角方向に延出した鍔部からなるピンが用
    いられており、 上記先端部が、裾部と頂部とからなり、該頂部の先端角
    が、該裾部における相対向する2本の稜線の該頂部方向
    への延長線の交差角よりも大きい ことを特徴とする立体
    開孔シートを製造する装置。
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