JP2801063B2 - 穿孔メルトブロー不織布の製造方法及び装置 - Google Patents

穿孔メルトブロー不織布の製造方法及び装置

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JP2801063B2 JP6036990A JP6036990A JP2801063B2 JP 2801063 B2 JP2801063 B2 JP 2801063B2 JP 6036990 A JP6036990 A JP 6036990A JP 6036990 A JP6036990 A JP 6036990A JP 2801063 B2 JP2801063 B2 JP 2801063B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、通気性、並びに通水性に優れた穿孔メルト
ブロー不織布の製造方法、及び装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、おむつのトップシートなどに用いられる不織布
として、熱可塑性樹脂繊維を互いに接着させた乾式不織
布が知られている。
一方、特開昭57−17081号公報に、樹脂フィルムの表
面シートを吸収材に重ねた構造の吸収構造体が記載され
ている。ここで、前記樹脂フィルムは穿孔され、その孔
の周囲に先細りの毛細管を突設してあり、その毛細管が
吸収材に表面から内部まで及んでいる。この吸収構造体
は、主に、おしめ、生理用ナプキン、ベッド用パッドな
どに用いられる。
また、特開昭57−193311号公報に、多数の孔が均一に
散在したプラスチックフィルム、又は、ウェブが記載さ
れている。
特開昭64−64655号公報には、熱可塑性樹脂で作られ
たフィルムの一部を膨らませて破裂されることで、フィ
ルムに多数の孔を設けてあり、その孔の周囲に膨らんだ
部分の破裂した残骸が突起状に残っている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、メルトブロー不織布は、感触がしなやかで
柔軟性が高いが通気性・通水性は低い。そのため、例え
ば尿を即座に吸水材へと通過させる必要のある紙おむつ
のトップシートなど、大きな通水性が必要とされる用途
には不向きであった。
また、柔軟性に優れているといっても、例えば、傷口
を保護する医療用当て具、かぶれを引き起こさない必要
のある幼児のおむつ、肌のただれを生じさせない必要の
ある長期療養患者のベッド用パッドなどは、高い通水
性、通気性とともに、さらに柔軟で緩衝性に富むことが
望まれる。
このような要求に対し、前記特開昭57−17081号、特
開昭57−193311号、特開昭64−64655号の各公報に記載
の表面シートは、フィルムで形成されているため、多数
の孔により通水性・通気性はある程度有するものの、フ
ィルム特有の冷たい感触があり、柔軟性にも不十分で、
肌に直接触れるものとして好ましくはない。
確かに、不織布に通気性や通水性を付与するには、不
織布に多数の孔を設ければよいという考えもできるが、
現実には、例えば不織布に機械的に孔を打ち抜けば、孔
の数が多くなるほど打ち抜く部分の材料が無駄になり、
非経済的で非現実的である。不織布を熱的に針で溶かし
て孔を開ければ孔の周りが溶けて固まり、固まった部分
で風合いが損なわれる。また、単に孔を開けるという方
法だけでは、必ずしも、柔軟性を付与することはできな
いという問題点もある。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するた
め、通水性、通気性、吸湿性、並びに柔軟性緩衝性の高
い不織布、及び、そのような不織布の製造方法及び装置
を提供することを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような課題を解決する本発明の穿孔メルトブロ
ー不織布の製造方法は、多数の開孔を設けた多孔板に向
けて、メルトブローダイから熱可塑性樹脂繊維群を吹き
付けて堆積させ、その際、その多孔板を境として樹脂の
吹き付け側圧力より、その反対側の圧力の方が小さい状
態として、前記繊維群の一部を前記開孔から突出させ、
その突出が筒状に盛り上がって筒状突起部を形成した
後、この筒状突起部を加熱溶融して、筒状突起部の先端
を開口させ、その後、繊維集合体を多孔板から剥すこと
を特徴とする穿孔メルトブロー不織布の製造方法であ
る。
また、本発明方法を実施する本発明の装置はノズルか
ら押し出される溶融樹脂を、ノズル周囲から吹き出され
る加熱ガスで吹き飛ばすメルトブローダイと、 多数の開孔を有するとともに移動自在に設けられ、移
動しながら前記メルトブローダイから吹き付けられる繊
維群を受けて堆積させる多孔板と、 その多孔板を境として樹脂の吹き付け側圧力より、そ
の反対側の圧力の方が小さい状態として、多孔板に堆積
した繊維群の一部を前記開孔から突出させて筒状突起部
を形成する差圧装置と、 前記筒状突起部に向けて加熱ガスを吹き付ける加熱装
置と、 多孔板上に堆積した繊維集合体を引き取る引き取り装
置と、 を備えた穿孔メルトブロー不織布の製造装置である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の方法で得られるメルトブロー不織布は、第1
図、第2図で示されるように、熱可塑性樹脂の繊維群で
形成された基布部1に多数の孔1aを有するとともに、そ
れぞれの孔1aの周囲に基布部1と同質の繊維群でなる筒
状突起部2を有し、その筒状突起部2は先端が溶融して
開口しており、その突き出し高さが、基布部1の厚さの
2倍以上である。
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、紡糸できる限
りどのような樹脂でもよく、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン;または、エチレン・塩化ビニ
ル共重合体などのエチレン・ビニル化合物共重合体;ス
チレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
の塩化ビニル樹脂;ポリアクリル酸エステル;ポリアミ
ド;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルが例
示できる。これらは単独で用いられてもよく、混合され
て用いられてもよい。
本発明においては、繊維を吹き飛ばす空気流の速度、
溶融樹脂の粘度あるいはメルトフローレート(MFR)、
ダイ・オリフィスの口径等によりその繊維長や繊維径を
変化させることができる。本発明における不織布の繊維
長は、連続したもの、10cm以上の長繊維、あるいは、1c
m〜10cmの短繊維でもよい。
繊維径についてみると、メルトブロー不織布は一般に
1μm〜10μmであり、多くは2μm〜5μmである。
本発明でもこの範囲で実施してよい。そして、このよう
な繊維径の繊維により、一般の製法によるメルトブロー
不織布と同一目付けで不織布を製造すると、一般のもの
に比較して通気性・通水性が向上する。
上記の基布部1は、第2図、第3図に示すように、多
数の孔1aを有している。孔1aの形状は円形に限らず、楕
円形、方形、その他の任意の形状を採ることができる。
また、孔1aの孔径は、0.2mm〜6mm、好ましくは0.4mm〜2
mmが望ましい。ここでいう孔径とは、孔1aが円形以外の
場合、任意の形状をした孔1aの全体を包含する円、すな
わち最小外接円の径をいう。孔径が0.2mm未満であると
通気性、通水性が劣るようになって余り好ましくない。
6mmを超えると感触が損なわれるようになって余り好ま
しくない。
基布部1の孔数は1cm2当り2箇以上、好ましくは5箇
以上が望ましいが、孔径に応じて適宜選択されるとよ
い。
また、基布部1のそれぞれの孔1aの周囲には、基布部
1と同質の繊維群でなる先端2a開口の筒状突起部2を有
している。この筒状突起部2の突き出し高さ(h)は基
布部1の厚さ(t)の2倍以上(第3図参照)、好まし
くは4倍以上に及ぶと、触覚的にも視覚的にも十分な嵩
高性が確保されてよい。すなわち、見掛け密度が小さく
て軽く、しかも十分な厚みがあって全体的に非常に柔軟
になる。突き出し高さが2倍未満の場合には、十分な嵩
高性が失われる。
このような突起部2の存在により、弾力性、緩衝性、
柔軟性が良好となり、肌ざわりのよい不織布となる。
本発明のメルトブロー不織布の製造方法は、例えば次
のような装置で実施されるとよい。
メルトブロー法のための装置は、押出機の先端にダイ
10を設け、そのダイ10の樹脂吐出口であるダイ・オリフ
ィスの周辺(樹脂吐出口としてキャピラリーチューブを
用いた場合はその周辺)にガス吹出用オリフィス11を設
け、このガス吹出用オリフィス11からダイ・オリフィス
に向けて高圧の加熱ガスを吹き出すように構成し、さら
に、その吹き出し方向の先に、吹き出されたガス流に飛
ばされ、延伸された繊維群を受け止めて捕集する多孔板
12を配置したものである。また、多孔板12は、繊維群を
堆積させつつ移動して、帯状に不織布を形成することが
できるよう移動自在とする。具体的には、平たい多孔板
12を移動させることを例示できるが、多孔板12を回転自
在な円筒状にすることがより好適である。また、金網製
の無端ベルト状にすることも可能である。なお、多孔板
12はできるだけ熱の伝わりにくい材質で形成されている
とよい。多孔板12に設ける開孔12aは、前記した不織布
の孔1aを形成するのに必要な形状、大きさである。
溶融樹脂がダイ・オリフィスから押し出されて、多孔
板の開孔部分を通過する場合、ガス流による延伸力は弱
いので、そのような弱い力でも繊維を一様に延伸賦型で
きるように、多孔板12上における繊維温度が軟化点以上
となるように捕集距離を調整するすることが好ましい。
不織布の製造にあたっては、溶融樹脂を押し出すと同
時に、ガス吹出用オリフィス11から高圧加熱ガスを吹き
出し、溶融樹脂の熱可塑性樹脂を繊維化させ、多孔板12
に向けて飛散させ、飛散した繊維の温度が軟化点より低
い温度に下がる前にその繊維を回転する多孔板12に連続
的に衝突させ、その移動する多孔板12上に繊維群を連続
的に膜状に堆積させる。
その際、差圧装置により、差圧板12を境として、繊維
を吹き付けた側の反対の側の方の圧力が、吹き付けた側
の圧力よりも小さい状態に置かれるようにする(以下、
単に圧力差というときがある)。
具体的には、繊維を吹き付けた側の反対の側を差圧装
置を構成する減圧手段で減圧して多孔板12の開孔12a部
分から繊維群の一部を反対側に吸引して突き出させ突起
部2を形成することを好適例として示すことができる。
減圧手段としては真空吸引装置等を使用する。
このような減圧手段を使用しなくとも、多孔板12を単
にメルトブローダイ10に近づけるだけで、繊維を吹き付
けた側の反対の側の方の圧力を、吹き付けた側の圧力よ
りも小さい状態とすることができる。すなわち、ガス吹
出用オリフィス11が差圧装置を兼ね、このガス吹出用オ
リフィス11から吹き出される高圧加熱ガスの風圧によ
り、前記圧力関係が成立し、その風圧で多孔板12の開口
12a部分から繊維群の一部を反対側に押し出して突起部
2を形成する。
基布部1の柔軟性は多孔板12とメルトブローダイ10と
の間の距離(捕集距離)の長短で調整できる。多孔板12
をメルトブローダイ10に近づけると、溶融状態の繊維が
あまり冷却されていない状態で捕集されるため、基布部
1の繊維同士の接着率が高くなり、あまりにも近づけす
ぎると、基布部1がフィルム状になるため、注意を要す
る。ここでは基布部1の構成繊維同士の融着率をできる
だけ下げて柔軟性を高くするよう、多孔板12をメルトブ
ローダイ10との距離を調整するのが好ましい。
基布部1がフィルム状になると硬くなり、メルトブロ
ー不織布自体も伸びが無くなり弱くなる。
多孔板12への繊維群の堆積により、多孔板12の開孔12
a以外の部分で前記基布部1が形成され、前記圧力差に
より開孔12a部分で孔1aが形成されると共にその孔1aの
周囲に基布部1を構成する繊維群と同一の繊維からなる
筒状の突起部2が盛り上がって形成される。この突起部
2は前記圧力差により開孔12a部分を通過するガス流に
繊維群の一部が乗ってガス流の流れ方向に突出し、その
突出が筒状に盛り上がって成長する。従って、このよう
なガス流を生じさせるだけの圧力差が差圧手段で形成さ
れる必要がある。
基布部1の柔軟性を確保するため、捕集距離を充分と
った場合、この突起部2の先端は閉塞したままのことが
多い。そこで、多孔板12を境として繊維の吹き付け側の
反対側に筒状突起部2を加熱溶融する加熱装置26を設
け、加熱装置26で突起部2の先端2aを加熱溶融すると、
突起部2の先端2aが開口し、筒状突起部2が形成され
る。すなわち、加熱により突起部2の先端の溶融した樹
脂はその位置で団子状になるのではなく、先端開口縁に
寄って収縮し、これにより、突起部2の先端が開口す
る。
加熱装置26としては、バーナーや前記筒状突起部2に
向けて加熱ガスを吹き付ける例えばホットエアーノズル
が好適である。ホットエアーノズルでは、加熱ガスの放
出量の微調整が可能で、それにより筒状突起部2の繊維
樹脂の溶融量を調整でき、すす等の付着もなく好まし
い。
加熱装置26による加熱は多孔板12を境として繊維の吹
き付け側の反対側から行われるので、筒状突起部2のみ
が加熱され、多孔板12で遮断されて基布部1は加熱され
ない。
ここで、筒状突起部2の加熱温度は、当然、筒状突起
部2を構成する繊維樹脂の、溶融温度以上である。
ところで、加熱装置26で加熱を連続的に行っている
と、多孔板12が加熱されてその温度が高くなり、不織布
がくっつき易くなり、多孔板12から剥しにくくなる。そ
こで、加熱装置26より多孔板12の移動する下流側に冷却
装置27を設け、筒状突起部2を加熱した後、多孔板12か
ら繊維集合体を剥す前もしくは後に多孔板12を冷却する
ようにするとよい。
多孔板から繊維集合体を剥す前に多孔板12を冷却する
と、同時に筒状突起部2も冷却される。
冷却装置27は、冷却された空気などのガスを吹き付け
るガスノズル、冷水噴霧ノズル、あるいは冷却水を塗布
するロールコーターなどがよい。
最後に、多孔板12上に形成された繊維集合体を図示し
ない引き取り装置で引き取って多孔板12上から剥離し、
メルトブロー不織布を得る。
以上のように、不織布の形成とりわけ突起部2を形成
する場合、溶融樹脂の粘度やメルトフローレートが関係
し、あるいは繊維の径や強度、さらにはダイ10と多孔板
12との間の距離(捕集距離)、さらには圧力差が影響す
る。樹脂粘度や繊維径、あるいは繊維強度が大きい場
合、大きな圧力差で繊維を吸引もしくは押し出す必要が
あるが、粘度が小さい場合には、小さな圧力差で繊維を
吸引または押し出すことができる。いずれにせよ、ダイ
10により吹き出された繊維が軟化点以上の温度にあるう
ちに多孔板12上に堆積するよう捕集距離を調整し、か
つ、その軟化点以上の温度にある繊維に延伸する応力以
上の応力がかかるように圧力差を調整する。
これら溶融樹脂の粘度、メルトフローレート、繊維
径、繊維強度、捕集距離、圧力差のいかんにより異なっ
た風合いの不織布、異なった形態の突起部2が形成され
る。
このような方法により製造されたメルトブロー不織布
は、使用目的に応じて界面活性剤で親水処理し、あるい
は撥水剤で撥水処理を施してもよい。突起部2の無い平
坦面側にフィルムや紙あるいは他の不織布を張り合わせ
てもよい。
上記のような方法で得られるメルトブロー不織布は、
紙おむつのトップシート、生理用ナプキンのトップシー
ト、緩衝材、水切りシートなどに用いられる。突起部2
のある面にフィルムや紙、他の不織布を張り付けると、
段ボール紙のような性質のシートができ、断熱、防音材
としても利用できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
<実施例1> 本実施例で用いたメルトブローダイ10は、第4図〜第
7図に示したように、押し出すべき溶融樹脂を収容す
る樹脂室14を有したダイブロック15と、平面状に並ん
だ状態で各基端部が前記ダイブロック15に保持された前
記樹脂室14にそれぞれが連通した複数のキャピラリーチ
ューブ16(毛細管)と、このキャピラリーチューブ16
の先端部をリップ部17の平坦な押え面で挟持して、この
押え面とキャピラリーチューブ16との間にガス吹出用オ
リフィス11を形成するとともに、前記ダイブロック15に
組み合わされてダイブロック15との間に前記ガス吹出用
オリフィス11に連通するガス室18を形成したガスプレー
ト19とを備えたものである。
そして、キャピラリーチューブ16の先端はリップ部17
よりやや突き出した状態となっている。
このキャピラリーチューブ16に向き合って、メルトブ
ロー用ダイ10の前方に、多孔板12を備えた捕集装置13が
配置されている。多孔板12は、回転自在の多孔ロールを
支持体としてその表面に16メッシュの金網を貼って構成
されている。
この捕集装置13は、ダイ10に向けて進退自体になって
おり、キャピラリーチューブ16の先端と多孔板12表面と
の間の距離(捕集距離)を調節できるようになってい
る。また、多孔ロールの内部には、繊維を受ける部分の
裏側となる部分に負圧室21を形成するための仕切り22が
設けられ、多孔ロールの内面とこの仕切り22との接触部
には、多孔ロールの回転を許容し、かつ、負圧室21内に
空気がリークするのを防止するスライドシール23が設け
られている。そして、負圧室21に真空吸引装置24が接続
され、負圧室21内を一定の負圧状態に保持するようにな
っている。
また、多孔ロール内の負圧室21を通過した部分に対応
して、多孔ロールの外側に、不織布を押さえる押えロー
ル25が設けられ、形成された不織布はこの押えロール25
を通過して多孔ロールから剥されるようになっている。
更に、多孔ロール内には加熱装置26に当たるホットエ
アー装置と冷却装置27に当たる冷却エアーノズルとが、
負圧室21を形成するための仕切り22の多孔ロールとの接
触部から押えロール25の多孔ロールとの接触部までの間
に設けられ、この加熱装置26と冷却装置27はそれぞれ、
エアーの吹き出し口を多孔板12方向に向けて、加熱装置
26を多孔ロールの回転方向の上流側として順次配列され
ている。
また、多孔ロール内には、ロール内に進入し、不織布
を構成しなかった繊維くずを回収する回収装置28、ここ
では受皿が設けてある。
そして、樹脂にはメルトフローレートが300g/10分の
ポリプロピレンを使用し、孔径0.4mm、ピッチ0.7mmのキ
ャピラリーチューブからの1本あたりの毎分の吐出量0.
06gr/孔/分、樹脂温度280℃で押し出した。延伸用ガス
には温度280℃、圧力0.7kg/cm2の空気を使用し、捕集距
離7cm、多孔ロール内の負圧室21の真空度は−1200mm水
柱としてメルトブローした。この時の捕集の雰囲気温度
は約60℃であった。
そして、多孔板12を構成する金網状にメルトブローさ
れた繊維群の一部が負圧室21部分の多孔板12の開孔12a
(金網の編目)で吸引され、筒状突起部2が形成され、
その後、負圧室21を外れた位置でこの筒状突起部2の先
端が、加熱装置26で加熱溶融されて、先端開口の筒状突
起部2となった。
得られた穿孔メルトブロー不織布は、面積当りの重量
(目付け)が30gr/m2、平均繊維径は5μm、孔系は0.6
mm、孔数は36/cm2、突起部2の見掛け高さは約0.9mm、
基布部1の見掛け厚さは約0.13mmであった。
この実施例の不織布の表面、裏面を示した30倍の顕微
鏡写真図に基づく詳細図を第8図、第9図に示す。
これらの詳細図から明らかなように、金網の網目部に
よる基布部1についてはメルトブローの繊維群は溶融さ
れない。
この穿孔メルトブロー不織布を界面活性剤で親水性処
理しおむつの吸水材上に敷いて重ね、その上から100cc
の水を注いだところ、瞬時で吸水され通水性の良好なこ
とが確認された。
また、得られた不織布は、通気性、及び、柔軟性に富
み、感触も良好であった。
<実施例2> 繊維用樹脂としてはメルトフローレート100g/10分のL
LDPEを用い、樹脂温度を290℃、延伸用ガス温度は274℃
とした他は実施例1と同様にした。
この実施例で得られた不織布の表面、裏面を示した30
倍の顕微鏡写真図に基づく詳細図を第10図、第11図に示
す。
この穿孔メルトブロー不織布を界面活性剤で親水性処
理し、突起部のない方を表にしておむつの吸水材上に敷
いて重ね、その上から100ccの水を注いだところ、瞬時
に吸水され通水性の良好なことが確認された。
また、得られた不織布は、通気性、及び、柔軟性に富
み、感触も良好であった。
〔発明の効果〕
本発明によると、柔軟性に富んだ嵩高性穿孔不織布を
容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法によって得られたメルトブロ
ー不織布を表面から見た斜視図、第2図は本発明の製造
方法によって得られたメルトブロー不織布を裏面から見
た斜視図、第3図はその不織布の断面図、第4図はその
不織布のメルトブロー装置の断面図、第5図はそのダイ
の正面図、第6図はその一部拡大図、第7図は多孔板表
面に繊維群を衝突させながら繊維群を吸引している状況
の装置斜視図、第8図は実施例1の不織布の表面を示し
た30倍の顕微鏡写真図に基づく詳細図、第9図は実施例
1の不織布の裏面を示した30倍の顕微鏡写真図に基づく
詳細図、第10図は実施例2の不織布の表面を示した30倍
の顕微鏡写真図に基づく詳細図、第11図は実施例2の不
織布の裏面を示した30倍の顕微鏡写真図に基づく詳細図
である。 1……基布部、1a……孔 2a……突起部先端、2……筒状突起部 10……メルトブローダイ、12……多孔板 12a……開孔、26……加熱装置 27……冷却装置
フロントページの続き (72)発明者 笹川 秀三 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特許2615212(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 1/00 - 1/72

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数の開孔を設けた多孔板に向けて、メル
    トブローダイから熱可塑性樹脂繊維群を吹き付けて堆積
    させ、その際、その多孔板を境として樹脂の吹き付け側
    圧力より、その反対側の圧力の方が小さい状態として、
    前記繊維群の一部を前記開孔から突出させ、その突出が
    筒状に盛り上がって筒状突起部を形成した後、この筒状
    突起部を加熱溶融して、筒状突起部の先端を開口させ、
    その後、繊維集合体を多孔板から剥すことを特徴とする
    穿孔メルトブロー不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】筒状突起部を加熱溶融した後、冷却するこ
    とを特徴とする請求項1記載の穿孔メルトブロー不織布
    の製造方法。
  3. 【請求項3】筒状突起部を加熱溶融した後、多孔板から
    繊維集合体を剥す前もしくは後に多孔板を冷却すること
    を特徴とする請求項1記載の穿孔メルトブロー不織布の
    製造方法。
  4. 【請求項4】前記多孔板を境として繊維の吹き付け側圧
    力よりその反対側の圧力の方が小さい状態とする方法と
    して、樹脂の吹き付け側に対するその反対側を負圧に
    し、その負圧で多孔板の開孔から繊維群の一部を吸引し
    て突き出させるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載の穿孔メルトブロー不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】前記多孔板を境として繊維の吹き付け側圧
    力よりその反対側の圧力の方が小さい状態とする方法と
    して、多孔板をメルトブローダイに近づけ、メルトブロ
    ーダイから吹き付けられる風圧で多孔板を開孔から繊維
    群の一部を突き出すようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の穿孔メルトブロー不織布の製造方法。
  6. 【請求項6】筒状突起部の加熱は、加熱ガスによる請求
    項1記載の穿孔メルトブロー不織布の製造方法。
  7. 【請求項7】ノズルから押し出される溶融樹脂を、ノズ
    ル周囲から吹き出される加熱ガスで吹き飛ばすメルトブ
    ローダイと、 多数の開孔を有するとともに移動自在に設けられ、移動
    しながら前記メルトブローダイから吹き付けられる繊維
    群を受けて堆積させる多孔板と、 その多孔板を境として樹脂の吹き付け側圧力より、その
    反対側の圧力の方が小さい状態として、多孔板に堆積し
    た繊維群の一部を前記開孔から突出させて筒状突起部を
    形成する差圧装置と、 前記筒状突起部に向けて加熱ガスを吹き付ける加熱装置
    と、 多孔板上に堆積した繊維集合体を引き取る引き取り装置
    と、 を備えた穿孔メルトブロー不織布の製造装置。
  8. 【請求項8】前記加熱装置よりも多孔板の下流側に、多
    孔板を冷却する冷却装置を設けた請求項7記載の穿孔メ
    ルトブロー不織布の製造装置。
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