JP3126608B2 - 加速スリップ制御装置 - Google Patents

加速スリップ制御装置

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JP3126608B2
JP3126608B2 JP06311627A JP31162794A JP3126608B2 JP 3126608 B2 JP3126608 B2 JP 3126608B2 JP 06311627 A JP06311627 A JP 06311627A JP 31162794 A JP31162794 A JP 31162794A JP 3126608 B2 JP3126608 B2 JP 3126608B2
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両発進時又は加速時
に生じる駆動輪のスリップを検出し、このスリップ検出
に基づいてエンジン出力の制御を行い、前記駆動輪のス
リップを抑制するようにした加速スリップ制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開平3−74227号に
開示されているように、車両発進時又は加速時の駆動輪
のスリップ状態に基づいてスロットル制御を行い、エン
ジン出力を制御する加速スリップ制御システムが知られ
ている。
【0003】スロットル制御等によりエンジン出力制御
を実行する加速スリップ制御システムにおいては、タイ
ヤの発揮し得る前後・横力がタイヤと路面間の摩擦係数
μと制動・駆動時のスリップ率Sとの関係を表わすμ−
S特性によることを前提とし、駆動輪速度を、車両安定
性確保と駆動力の効率的な路面への伝達が両立できるス
リップ率(目標スリップ率、通常3%位に設定される)
になるように制御している。
【0004】例えば図12に示すように、この一定の目
標スリップ率を得るように、駆動輪及び従動輪の速度差
を偏差とするフィードバック演算により、スロットル開
度を求めて制御を行っている。
【0005】この目標スリップ率は、路面摩擦係数μ
や、例えば旋回中である等の車両の状態により最適値が
変化するため、今まで、路面の摩擦係数μ(以下単にμ
と称す)や、車両状態を判別し、目標スリップ率を変え
る方法が考えられている。又、発進時等低速では安定性
はそれほど問題とはならず、駆動力を必要とするため、
目標スリップ率を通常より大きくする発明も考案されて
いる。なお目標スリップ率に制御する手段は、一般には
スロットルバルブ、点火遅角、燃料カット、点火カット
等によるエンジン出力を低減するものが採用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、スパイクタイヤ
の廃止及びスタッドレスタイヤの普及という社会情勢を
反映して、特に寒冷地においていわゆるミラー路面と呼
ばれる極低μ路がよく出現されるようになってきた。こ
のミラー路面は、一般には、路面全体の一部(多くの車
両が通過した部分)にできることが多いが、場合によっ
てはほぼ路面全体がミラー路面となってしまうこともあ
る。
【0007】しかしながら、上述した従来のエンジン出
力制御による加速スリップ制御では、このような、ミラ
ー路面に代表されるような、極低μ路に対応が困難な場
合があるという問題があった。
【0008】即ち、例えば路面μが全路面において均一
でなく、特に左右でμが異なるとき、極低μ側の駆動輪
の1輪のみがスリップし易いが、エンジン出力制御は左
右輪の平均で制御を行うため、左右輪独立した制御を行
うことができず、μの高い側の駆動力を有効に利用する
ことができず、加速不良を招くことがあった。
【0009】このような極低μ路での、左右輪における
路面μが異なる、いわゆる「またぎ発進」では、デファ
レンシャル内部の摩擦によるLSD(リミテッド・スリ
ップ・デファレンシャル)効果により大きく滑らせたほ
うが加速する場合があるが、従来の加速スリップ制御の
概念によれば、積極的に「大きく滑らせる」という制御
が行われることはなかった。
【0010】又、現実的な問題として、従来の加速スリ
ップ制御においては、両輪低μ路でも広範囲の路面μに
対して良い性能を得るように目標スリップ率が設定され
るため、刻々と変化する実際の路面μに対して最適スリ
ップ率とはならず、路面μ判定も算出時間や精度上問題
があり、効果が少ないという問題もあった。
【0011】更に、これらの問題とは別の次元の新たな
問題として、路面全体がミラー路面(極低μ路)になっ
ており、しかも路面に若干傾斜があるような路面上で発
進するようなときは、スロットル開度が「全閉」のクリ
ープ状態でもスリップが発生してしまうことがあり、
(エンジン出力をそれ以上低減できないことから)従来
の加速スリップ制御では、対応が困難な場合があった。
【0012】この場合、知識のある運転者ならば、この
ような極低μ路においては、アクセルとブレーキを踏む
両踏みによってクリープによるスリップを抑えて発進す
ることも可能であるが、一般には、特に加速スリップ制
御装置付の車両であることを認識している運転者は、発
進時には若干アクセルを踏むか、踏まないまでもブレー
キをかけることまではしないため、(加速スリップ制御
付の車両でありながら)発進加速時のスリップを抑える
ことができず良好な発進ができないという事態が発生す
ることがあった。
【0013】更には、特に、このような状態下で運転者
がアクセルを踏んでいる場合には、(アクセルを踏んで
いるにも拘らず)スロットル全閉が維持されエンジン回
転は上がらず、しかも(スリップによって)発進もしな
いという異様な静音・停止状態となってしまうため、運
転者に違和感を与えてしまうという問題も発生した。
【0014】本発明は、前記従来の問題を解決するべく
なされたもので、従来の「所定以上には滑らさない」と
いう加速スリップ制御の概念を抜本的に見直し、路面の
摩擦係数が非常に低い場合は駆動輪に大きいスリップの
状態とグリップの状態とを繰り返させることにより、特
にミラー路面のような極低μ路における発進時の加速性
を大きく向上させることのできる加速スリップ制御装置
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその要
旨を示すように、駆動輪に加速スリップが発生したこと
を検出する加速スリップ検出手段と、加速スリップ
されたときは駆動輪のスリップ率を所定の目標スリ
ップ率にするためのエンジンの目標制御量を求め、該目
標制御量にもとづいてエンジン出力を制御する手段と、
を備えた加速スリップ制御装置において、走行路面が
低摩擦路面であるか否かを検出する路面状態検出手段
と、該路面状態検出手段により走行路面が極低摩擦路面
であると検出された場合に前記目標制御量を所定周
期で振動させる手段とを備えたことにより前記目的を達
するものである。
【0016】本発明は又、前記目標制御量を所定周期で
振動させる手段前記目標制御量に所定増加補正量と
所定減少補正量を所定周期で交互に加算する制御量補正
手段であるよう構成することにより同様に前記目的を達
するものである。
【0017】本発明は又、前記目標制御量を所定周期で
振動させる手段前記目標制御量を所定周期でほぼ零
とする制御量補正手段であるよう構成することにより同
様に前記目的を達成するものである。
【0018】
【作用】本発明によれば、加速スリップ検出手段により
加速スリップの発生が検出され、また路面状態検出手段
により走行路面が低摩擦路面であるか否かが検出さ
れ、路面状態検出手段により加速スリップの発生が検出
されると共に走行路面が極低摩擦路面ではないと検出さ
れた場合には、駆動輪のスリップ率を所定の目標スリッ
プ率にするためのエンジンの目標制御量が求められると
共に該目標制御量にもとづいてエンジン出力が制御さ
れ、走行路面が低摩擦路面であると検出された場合に
走行路面が極低摩擦路面でない場合における駆動
輪のスリップ率を所定の目標スリップ率にするためのエ
ンジンの目標制御量が求められると共に該目標制御量
所定周期で振動せしめられ、エンジン出力変動さ
ことにより、駆動輪大きなスリップの状態とグリップ
の状態とを繰返すよう駆動輪の回転振動発生さる。
この結果、どのような路面μの場合でも、駆動輪の駆動
力をどこかで最大にすることができ、これにより駆動輪
駆動力を得る機会を確実に増やすことができ、発進時
の加速性を向上させることができる。
【0019】又、1輪スリップ時でも、その輪に回転振
動を発生させてLSD効果を得て加速性を向上させるこ
とができる。
【0020】なお、低摩擦路面検出時に、前記エンジ
の目標制御量を、それに所定増加補正量と所定減少補
正量を所定周期で交互に加算することにより振動させ
場合には、振動させるに当って駆動輪のスリップ率を所
定の目標スリップ率にする通常制御を反映させることが
できて加速性又は安定性重視等に適合できる。
【0021】又、低摩擦路面検出時に、前記エンジン
の目標制御量を、所定周期でほぼ零とすることにより振
動させ場合には、エンジンの目標制御量が駆動輪のス
リップ率を所定の目標スリップ率にするための制御量と
ほぼ零との間に変化するので、特に、前述したような全
ミラー路面での発進でスロットルを全閉としてもスリッ
プが発生するような、従来の制御では制御不能となるよ
うな場合でも、振動的に駆動輪を大きく滑らすような制
御が可能となり、加速性・安定性を確保することができ
る。
【0022】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0023】図2は、本発明の加速スリップ制御装置を
備えた車両の概略構成図である。
【0024】図2において、符号10、12は従動輪と
しての左右の前輪を、14、16は駆動輪としての左右
の後輪を各々示している。左右の後輪14と16にはエ
ンジン18の出力トルクが、変速装置20、プロペラ軸
22、デファレンシャル装置24及び左右の駆動車軸2
6、28を経て伝達される。エンジン18は、吸気通路
30、サージタンク32より吸気を吸入し、燃料噴射弁
34より燃料を噴射供給され、吸気通路30には吸入空
気量の制御を行うメインスロットルバルブ36が設けら
れている。メインスロットルバルブ36は、アクセルペ
ダル38と連結され、アクセルペダル38の踏み込みに
応じて回転する。
【0025】燃料噴射弁34は、エンジン制御装置40
からの制御信号によって開弁時期及び開弁時間が制御さ
れ、開弁時間に応じた量の燃料をエンジン18に対して
噴射供給する。エンジン制御装置40による燃料噴射量
制御は、基本的には吸入空気量あるいは吸気管圧力とエ
ンジン回転数により決定される1行程当りの吸入空気量
に応じて行われる。
【0026】吸気通路30のメインスロットルバルブ3
6より吸気流で見て上流側にはサブスロットルバルブ4
2が設けられている。サブスロットルバルブ42は、ス
テップモータ44により開閉駆動され、ステップモータ
44は加速スリップ制御用の電子制御装置46よりの制
御信号に応じてサブスロットルバルブ42の開度を制御
するようになっている。
【0027】電子制御装置46は、一般的なマイクロコ
ンピュータを含むもので、駆動輪速度センサ48、49
の回転数を駆動輪速度として取込み、左右の従動輪速度
センサ50、52より左右の前輪10、12の回転数を
左右の従動輪速度として取込み、変速装置20からギヤ
シフト位置に関する情報を取込み、スロットル開度セン
サ54よりメインスロットルバルブ36の開度に関する
情報を取込み、エンジン制御装置40で算出されたエン
ジン18の回転数に関する情報を取込み、これら情報に
従って加速スリップが発生したか否かを判別し、加速ス
リップ発生時には駆動輪のスリップ率を所定の目標スリ
ップ率にする加速スリップ制御に適したスロットル目標
開度にサブスロットルバルブ42を開閉駆動させる制御
信号をステップモータ44へ出力する構成である。
【0028】次に、上記電子制御装置46で、所定時間
毎に繰返し実行される、極低μ路制御について図3以下
の図面を用いて説明する。これは、サブスロットルバル
ブ42の開閉制御のため(あるいはエンジン制御装置に
おける燃料噴射量算出のため)の制御量を算出する処理
であり、図3以降の各図に示される処理はいずれも加速
スリップ制御開始後に実行されるものである。
【0029】まず図3は、第1実施例における制御を表
わすものであり、この第1実施例は極低μ路を車体加速
度から判断し、極低μ路制御を実施するものである。
【0030】図3のフローがスタートすると、まずステ
ップ100において、制御開始時の車体速度VT0が3km
/h 以下か否かが判定される。これは、制御開始時に車
両が動き出していれば加速不良に至ることが少ないため
である。即ち、ステップ100の判定でVT0が3km/h
を越えているときは、極低μ路制御は必要なしとしてス
テップ170へ進み、通常の加速スリップ制御、即ち駆
動輪のスリップ率を所定の目標スリップ率にする加速ス
リップ制御を実行し、そうでないときはステップ110
へ進む。
【0031】ステップ110では、制御開始時の車体速
度V′T0をV′T0(0)として記憶し、次のステップ1
20において、1秒間経過したと判定されたら、ステッ
プ130にてこの1秒後の車体速度V′T0をV′
T0(1)として記憶する。
【0032】次に、ステップ140で制御開始から1秒
間の車体速度上昇V′T0(1)−V′T0(0)を算出
し、これが2km/h 以上か否かを判定する。即ち、ステ
ップ110から140において、車体加速度を算出し、
路面μを推定している(極低μ路検出)。ステップ14
0の判定で車体速度の上昇が2km/h 以上のときは極低
μ路ではないとして、ステップ170へ進む。又、時速
2km/h 未満であれば、極低μ路であると判断して、次
のステップ150へ進む。
【0033】ステップ150では、通常の加速スリップ
制御から極低μ路制御へ切換え、極低μ路制御を実行す
る。極低μ路制御においては、スロットル目標開度に対
して、増加補正量及び減少補正量を交互に付加する等に
より、スロットルバルブを所定周期で開閉し、エンジン
出力を振動させる。なお極低μ路制御については後で詳
しく説明する。
【0034】次にステップ160で、車体速度が、ある
程度上昇したか否か(ここでは時速15km/h か否か)
判断し、上昇していなければステップ150へ戻り極低
μ路制御を実行しつづけ、上昇した時点でステップ17
0へ進み、通常の加速スリップ制御に復帰する。
【0035】次に、第2実施例について説明する。
【0036】第2実施例の制御を図4のフローチャート
に示す。
【0037】図4のステップ200は、第1実施例のス
テップ100と同じであり、ステップ210で、極低μ
路制御に入るか否かの条件として、制御開始時のスロッ
トルの目標開度が低開度(ここでは10deg )であるか
否かを判定する。これは、制御開始時の目標開度がエン
ジン回転数による一次元マップにより求めるものとする
と、低μ路であるほど、制御開始時のエンジン回転数が
低く、目標開度が小さいことによるものである。
【0038】又、より精度の高い方法としては、制御開
始から時間を経た後(例えば1秒後)、この時のスロッ
トル開度を、予めμ≦0.1以下で発揮可能なエンジン
出力に基づき設定された回転数による一次元マップと比
較する方法もある。
【0039】ステップ210の判定の結果、低開度でな
ければステップ240へ進み、通常の加速スリップ制御
を実施し、低開度であればステップ220へ進み、極低
μ路制御を実施する。
【0040】次のステップ230では、車体速度VT0
上昇し(ここでは15km/h 以上)発進できたか否か、
又はスロットル開度がある開度(ここでは10deg 以
上)となり明らかに車両が動いており、なお且つスロッ
トルが閉じ代を持っているか否かを判定する。この判定
の結果、VT0≧15km/h 又はスロットル開度>10de
g であれば、もはや極低μ路制御は不要として、ステッ
プ240へ進み、通常の加速スリップ制御を実行し、そ
うでなければステップ220へ戻り極低μ路制御を繰返
す。
【0041】次に第3実施例について説明する。これは
本発明者が特開平5−86921で提案した、路面μ推
定処理により算出される路面μ記憶値を用いて極低μ路
の判定を行うものである。
【0042】第3実施例の処理を図5のフローチャート
に示す。
【0043】図5のステップ300は、第1実施例のス
テップ100と同じである。次のステップ310で路面
μ記憶値が低μ路であるかないか判定する。記憶値が極
低μ路に相当するならば、ステップ320へ進み、極低
μ路制御を実施し、そうでなければステップ340へ進
み、通常の加速スリップ制御を実行する。なお、ステッ
プ330は第1実施例のステップ160と同様である。
【0044】次に、第4実施例について説明する。
【0045】図6に第4実施例の処理を示す。第4実施
例は、低μ路を検出してから極低μ路制御を実施するの
ではなく、制御開始時は極低μ路制御を実行するように
しておき、逆に車両加速度や、前記第3実施例でいうと
ころの路面μ記憶値により高μ路が検出されたら通常の
加速スリップ制御に切換えるようにすることで、極低μ
路制御の実行の遅れをなくそうとするものである。
【0046】図6において、ステップ400は第1実施
例のステップ100と同じである。ステップ410で、
高μ路判定の有無を判断する。高μ路判定がなければ次
のステップ420へ進み、極低μ路制御を続行し、高μ
路判定があればステップ440へ進み、通常の加速スリ
ップ制御を行う。ステップ430は第1実施例のステッ
プ160と同じである。
【0047】最後に、エンジン出力を所定周期で振動さ
せる極低μ路制御について説明する。
【0048】これを実現する具体的な構成としては、例
えば図7に示すようにいろいろなものが考えられる。
【0049】図7(a)では、加速スリップ制御手段M
1は従来と同様に駆動輪速度と車体速度に基づき駆動輪
スリップ率が所定の目標スリップ率となるようエンジン
出力の制御量を求める。又、目標開度算出手段M2は、
加速スリップ制御手段M1により求められた制御量とな
るようなスロットルの目標開度を求める。駆動手段M3
は、エンジンEGの吸気通路M4に設けられたスロット
ルバルブM5を目標開度に基づいた量だけ駆動する。極
低μ路検出手段M6は、従動輪加速度等から極低μ路で
あるかないかを公知の方法で検出し、目標開度補正手段
M7にて、目標開度算出手段M2の本来制御時の目標開
度に対して補正量を付し、かくして補正された目標開
度を駆動手段Mに送る。これによりスロットルを駆動
し、エンジン出力を所定周期で振動させる。
【0050】又図7(b)は、燃料カット更新手段M8
及びエンジン制御手段M9を備え、従来のスロットル制
御による加速スリップ制御系に燃料カットによるエンジ
ン出力制御の振動系を併設した例であり、図7(c)
は、ディーゼルエンジン等で燃料制御のみによって振動
を含む加速スリップ制御を行うシステム例を示すもので
ある。
【0051】図8は極低μ路制御の第1の方法を示すフ
ローチャートの例である。
【0052】ステップ500において、通常加速スリッ
プ制御で算出されている加速スリップに応じて求められ
るスロットル目標開度を算出し、この値をTRC(m)
として記憶する。極低μ路制御実行時も通常加速スリッ
プ制御目標開度は常に求められている。ここで、mは後
のステップ540で示す周期KTを表わしている。
【0053】次にステップ510において、予め車両・
エンジン性能により求められた一律の開度のオフセット
量THIを目標開度TRC(m)に加算してTRC
(m)+THIと更新し、スロットルバルブを駆動す
る。
【0054】次にステップ520では、時間KDが経過
した否かを判定し、図9に示すように時間KD経過す
る間は開度をTRC(m)+THIとした処理を継続す
る。このKDは車両・エンジン性能により実験的に求め
られた値である。
【0055】時間KDが経過したらステップ530へ進
み、ステップ500で算出された基準目標開度TRC
(m)を、一律開度のオフセット量THDを用いてTR
C(m)−THDと更新し、スロットルバルブを駆動す
る。
【0056】次にステップ540では、KTを実験的に
求められた本制御の基本周期として、時間KT−KDが
経過したか否か判定し、図9に示すように時間KT−K
Dが経過する間は開度をTRC(m)−THDとした状
態を継続する処理を行う。
【0057】時間KT−KDが経過したら、ステップ5
00へ戻り、こんどはTRC(m+1)に対して以上の
処理を繰返す。
【0058】この極低μ路制御の様子を図10に示す。
【0059】この極低μ路制御の第1の方法は、通常加
速スリップ制御により算出された目標開度をある程度反
映し、時間KT、KDあるいTHI、THDの値を操作
することで制御性能を加速重視又は安定性・制御フィー
リング重視に適合することが可能である。
【0060】次に、極低μ路制御の第2の方法について
説明する。この第2の方法を図11のフローチャートに
示す。図11のステップ600では、通常の加速スリッ
プ制御で用いられる目標開度を算出し、スロットルバル
ブを駆動する。
【0061】次のステップ610で、時間KDが経過し
たか否かを判定し、KDが経過したら次のステップ62
0へ進み、そうでなければステップ600へ戻り処理を
繰返す。即ちステップ600、610ではKD時間通常
の加速スリップ制御を実行している。
【0062】ステップ620では、目標開度を強制的に
全閉としてスロットルを駆動する。又は、極低μ路では
目標開度が既に全閉となることもあり得るので、エンジ
ンストールを生じない範囲でフューエルカット(例えば
全気筒カット)を併用することもできる。あるいは、デ
ィーゼルエンジンのようにスロットルを使わないシステ
ムでは、このフューエルカットのみを行う。
【0063】次のステップ630では、前記第1の方法
のステップ540と同様に時間KT−KDが経過したか
否かを判定し、KT−KDが経過した場合はステップ6
00へ戻り、経過していなければステップ620の処理
を継続する。
【0064】この第2の方法では、予め目標スリップ率
を大きくしておき、図10の効果をより得易くしておく
ことができる。
【0065】以上説明したように、本実施例ではスロッ
トル開度を変動させることにより、エンジン出力制御量
を振動させ、発進時の加速性を向上させることができ
る。又、駆動輪のスリップ率を所定の目標スリップ率に
するためのスロットル目標開度に対し増加補正量及び減
少補正量を交互に付加することによって通常制御を反映
させることで加速性又は安定性重視に適合させることも
できる。
【0066】又、極低μ路で加速できなくなったとき、
従来制御では、前述したように一定スリップ率を目標と
したフィードバック制御により、アクセルを踏み込んで
も(スリップにより発進しないまま)エンジンが最低回
転に維持され、違和感を運転者に与える恐れがあった
が、本実施例ではエンジン回転の周期的な変動が発生す
るため、前記違和感を緩和することができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
エンジンの目標制御量を所定周期で振動させることによ
り、駆動輪が大きなスリップの状態リップの状態
を繰返すので、不規則な路面μや極めて小さな路面μを
持つ路面の場合でも、どこかで大きな駆動力を得ること
ができ、発進時の加速性を向上させることができる。
又、通常の加速スリップ制御におけるエンジンの目標制
御量を基に、補正量を付加するようにした場合には、
動輪のスリップ率を所定の目標スリップ率にする通常制
御を反映させることができ、加速性重視又は安定性重視
等に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明の加速スリップ制御装置を備えた車両の
概略構成図
【図3】本発明の第1実施例の処理を示すフローチャー
【図4】本発明の第2実施例の処理を示すフローチャー
【図5】本発明の第3実施例の処理を示すフローチャー
【図6】本発明の第4実施例の処理を示すフローチャー
【図7】本発明のエンジン出力制御量振動手段の例を示
すブロック図
【図8】本発明の極低μ路制御の第1の方法を示すフロ
ーチャート
【図9】本発明の極低μ路制御によるスロットル開度の
制御を示す線図
【図10】本発明の極低μ路制御の様子を示す線図
【図11】本発明の極低μ路制御の第2の方法を示すフ
ローチャート
【図12】従来のスロットル開度制御の様子を示す線図
【符号の説明】
18…エンジン 36…メインスロットルバルブ 40…エンジン制御装置 42…サブスロットルバルブ 44…ステップモータ 46…電子制御装置 48、49…駆動輪車速センサ 50、52…従動輪車速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 博司 愛知県刈谷市昭和町一丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−86921(JP,A) 特開 平4−295146(JP,A) 特開 平3−124926(JP,A) 特開 平2−254033(JP,A) 特開 昭63−31869(JP,A) 特開 平3−74227(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪に加速スリップが発生したことを検
    出する加速スリップ検出手段と、加速スリップ検出
    れたときは駆動輪のスリップ率を所定の目標スリップ
    率にするためのエンジンの目標制御量を求め、該目標制
    御量にもとづいてエンジン出力を制御する手段と、を備
    えた加速スリップ制御装置において、 走行路面が低摩擦路面であるか否かを検出する路面状
    態検出手段と、 該路面状態検出手段により走行路面が極低摩擦路面であ
    と検出された場合に前記目標制御量を所定周期で
    振動させる手段と、 を備えたことを特徴とする加速スリップ制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記目標制御量を所定
    周期で振動させる手段前記目標制御量に所定増加補
    正量と所定減少補正量を所定周期で交互に加算する制御
    量補正手段であることを特徴とする加速スリップ制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記目標制御量を所定
    周期で振動させる手段前記目標制御量を所定周期で
    ほぼ零とする制御量補正手段であることを特徴とする加
    速スリップ制御装置。
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