JP3126233U - 穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】穀粒運搬車の穀粒袋から穀粒を排出させるときに、穀粒袋内の穀粒の量が減少してくるに従い、穀粒袋の周壁の傾斜角度を自動的に急角度に変更させるのが、穀粒袋に損傷を生ぜしめることなく行えるようにする。
【解決手段】穀粒運搬車において、それの穀粒袋2の内面側で、対向する内壁面の上下の中間部位に、それぞれ係止環4を付設し、その対向する内壁間には、ゴム紐またはコイルスプリング等の伸縮材よりなる紐状体5を、弾性により伸長したときに前記対向する内壁面の間隔に対応する長さとなり収縮したときに対向する内壁面の間隔より短くなるように形成して、それの両端部に付設せる係止フック50の前記係止環4との係止により渡架装設する。
【選択図】図3

Description

本考案は、トラックの荷台上に装架した上方が開放する中空の角枠状の架台に、シート・布地により上部を角筒状にし、下部を漏斗状にした角袋状に成形した穀粒袋を懸架して構成する穀粒運搬車において、それの穀粒袋内に投入して運搬した穀粒を、その穀粒袋の底部の排出口から排出させるときに、穀粒袋内に停滞して残留する穀粒が自動的に排出口から流出していくようにする残留穀粒の排出手段についての改良に関する。
上述の穀粒運搬車は、通常、図1および図2に示しているように、トラックTの荷台t上に、鉄板を成形加工した桁材・柱材から中空の立方体状に枠組みした架台1を載架し、この架台1内に、合成樹脂材のシートまたは布地等により、上半側が角筒状で下半側が漏斗状をなす形状に成形した穀粒袋2を落とし込んで、それの上面側の開放口20の口縁部を、架台1の上端縁を囲う桁材10に掛け止めて、この穀粒袋2を架台1に懸架し、その穀粒袋2にはそれの漏斗状に絞られた下半側の底部に、角穴状の排出口21を開設し、そこに、金属材で囲い枠状に形成した枠金具22を架台1の底部に設けておく、取付枠部1aに組付けセットすることで構成している。
そして、圃場においてコンバイン等で収穫した穀粒を穀粒袋2内に受け入れて、トラックTの運転走行により収納舎等に運搬し、そこで穀粒袋2から穀粒を排出させるときは、図1にあるように、穀粒搬送機3の穀粒受入口側3aを、前述した穀粒袋2の底部の枠金具22の下面側に連結して、その枠金具22に設けてある排出口21のシャッタを開き、架台1の取付枠部1aに組み付け支架しておくモーターの駆動により穀粒搬送機3を作動させて、穀粒袋2内の穀粒を搬送筒30に引き出して、吐出口31から吐出させることで、排出するようにしている。
この穀粒の排出作業の際、穀粒袋2内の穀粒の量が多いときは、穀粒が排出口21に向け流下してくることで、支障なく排出が行われるが、穀粒量が少なくなってくると、穀粒は、穀粒袋2の下半側の漏斗状の部分の内壁面に沿い停滞して、排出口21に向け流下せず、残留穀粒として穀粒袋内に残るようになる。
これは、穀粒袋2の漏斗状の部分の内壁面の傾斜角度がゆるい角度になっているためである。この残留穀粒を解消させるための対策手段としては、従前にあっては、架台1に懸架した穀粒袋2の外周面に、図1にあるように、ロープaをループ状に巻き付けて、それの両端部を垂らしておき、穀粒袋2内から穀粒を排出させる作業において、その穀粒袋2内の穀粒の量が少なくなって、残留するようになってきたときに、垂れ下がっているロープaの両端部を、作業員が握って引っ張ることで、穀粒袋2の周壁をゆり動かし、内部に停滞している穀粒を排出口21に向け流動させるようにしている。
しかし、この手段は、巻き付けたロープaを引っ張って穀粒袋2をゆする操作が必要なことで、排出作業中、作業員が穀粒袋2から離れられない制約を生ぜしめる問題がある。
作業員が穀粒袋2のそばに張り付いていなくても、自動的に残留穀粒が排出されるようにする手段としては、例えば、前述の手段におけるロープaを、ゴム紐にし、これを、穀粒袋2が空の状態のときに、その穀粒袋2の下半側の漏斗状の部位の外周面に、それを縊るように巻き付け緊縛して、穀粒袋2の内壁面の傾斜角度を急角度にしておいて、穀粒が投入されるときには、投入した穀粒の重量で、ゴム紐を伸張させながら穀粒袋2を縊られた状態から縊る以前の状態に戻し、穀粒が所定の容量に張り込まれるようにしておき、張り込んだ穀粒を排出するときには、穀粒が減少してくるに従い、ゴム紐がそれのバネ力で縮んできて穀粒袋2を縊り込み、その内壁面の傾斜角度を急角度にして、穀粒が排出口21に向け流動していく状態に自動的に切り換わっていくようにする手段がある。
この手段は、穀粒袋2内の穀粒の量が少なくなってくると、穀粒袋2の内壁面の傾斜角度を急な角度に自動的に変更させるようになるが、そのとき、穀粒袋2の外周面に巻き付けたゴム紐が弾性により長手方向に収縮して、穀粒袋2の胴部を縊り込むことで行うことから、そのときに、ゴム紐と穀粒袋2の外表面との間に強い摺擦が生じることで、穀粒袋2に破損が生ずる問題がある。
また、巻き付けたゴム紐の収縮が、それの長手方向における全体に一様に起こらず、部分的に生じてくることで、穀粒袋2の周壁を不均一に折り畳むようになることによって、残留穀粒を挟み込むようになり、残留穀粒の円滑な排出を阻害するようになる問題を発生させている。
本考案において解決しようとする問題点は、穀粒袋からそれに投入した穀粒を排出させる排出作業に際し、穀粒袋内の穀粒が少なくなって、穀粒が穀粒袋の胴周壁の内壁面に沿い停滞するようになることで生じてくる残留穀粒を、確実に排出口に向け流下させるようにするために、穀粒量が少なくなってきたときに穀粒袋の胴周壁の傾斜角度を強制的に急角度に変更させるのが、穀粒袋内の穀粒量の減少により自動的に行われ、かつ、その変更作動が穀粒袋の胴周壁に摺擦による損傷を生ぜしめず、しかも、穀粒袋に対する角度変更手段の組み付け装着が簡単な操作で行えるように構成する点にある。
上述の課題を解決するための手段として、本考案においては、請求項1に記載したように、
トラックTの荷台t上に載架した立方枠状の架台1に、合成樹脂材のシート・布地等により、上半側を角筒状とし下半側を漏斗状とした角袋状に成形せる穀粒袋2を懸架してなる穀粒運搬車において、それの穀粒袋2の内面側で、対向する内壁面の上下の中間部位に、それぞれ係止環4を付設し、その対向する内壁間には、ゴム紐またはコイルスプリング等の伸縮材よりなる紐状体5を、弾性により伸長したときに前記対向する内壁面の間隔に対応する長さとなり収縮したときに対向する内壁面の間隔より短くなるように形成して、それの両端部に付設せる係止フック50の前記係止環4との係止により渡架装設したことを特徴とする、穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
を提起し、また、これに併せて、
係止環4を、穀粒袋2の、内面側で前後に対向する内壁面の各上下の中間部位と、左右に対向する内壁面の各上下の中間部位とにそれぞれ設け、これらの対向する係止環4同志の間に、それぞれ紐状体5を渡架して、紐状体5を平面視において十字状に内壁面間に渡架することを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
を提起し、さらに、
係止環4を、穀粒袋2の内面側で、前後及び左右の四方の内壁面の、隣接する内壁面とのコーナー部における各上下の中間部位にそれぞれ設け、それら係止環4の、平面視において対角線上に位置する係止環4と係止環4との間に、紐状体5を渡架することを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
を提起するものである。
本考案による穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置は、穀粒袋2の対向する壁面間に、弾性材により長手方向に伸縮するよう成形した紐状体5を、収縮した常態時において、穀粒袋2の対向する壁面間の間隔よりも短くなり、伸長時に穀粒袋2の対向する壁面間の間隔に対応する長さとなるように形成して渡架装着し、これにより、穀粒袋2内に穀粒を投入したときは、渡架した紐状体5を伸長させて穀粒袋2が成形した形状となり、穀粒袋2内の穀粒が減少してくると、穀圧の減少により紐状体5が収縮して、対向する壁面を近づけ、それの傾斜角度を急角度に変更させるようにしているのだから、穀粒袋2から穀粒を排出する作業の際に、穀粒量の減少に伴い、自動的に内壁面の傾斜角度を大きくして、穀粒の排出口21への流下が確実に行われるようにして、残留穀粒が発生しないようにする。
そして、このとき、収縮する紐状体は、穀粒袋2の周壁に対し摺擦することがないので、穀粒袋2を破損させることもない。
また、紐状体5はそれの両端の係止フック50を、穀粒袋2の内面側に設けた係止環4に係止することで渡架されるから、その取付操作も簡単である。
次に本考案の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
図3乃至図5は、本考案手段の第1の実施例を示し、これら図において、1は立方枠状に組み立てた架台、2は、合成樹脂材のシートにより、上半側が角筒状で下半側が漏斗状の角袋状に形成して架台1に懸架した穀粒袋、4は穀粒袋2の内面側で、左右及び前後に対向する内壁面の上下の中間部位に付設した係止環、5は、ゴム紐またはコイルスプリング等の伸縮材により紐状に形成した紐状体、50はその紐状体5の長手方向の両端部にそれぞれ付設した係止フックを示している。
架台1は、折曲鉄板よりなる桁材・柱材を組み合わせて、トラックTの荷台t上に載架し得る立方枠状に組み立て構築した通常のものであり、それの上端側の四辺を形成する桁材10は、四隅に立設せる枠柱11の上端部に装脱自在に組み付けてあり、また、底部には、穀粒袋2の下端の排出口21に付設する枠金具22を連結固定するための取付枠部1aが設けてある。
穀粒袋2は、合成樹脂材のシートを型どりして縫合し接着して、上半側が四つの壁面で囲う角筒状で下半側が下方に向け巾狭となる三角形状の四つの壁面で漏斗状をなす角袋状に成形してある通常の形態のもので、底部には四角な窓穴状の排出口21が形成してあり、その排出口21の口縁には、別に金属材で角枠状に形成した枠金具22が接続してある。
この穀粒袋2の上縁には、架台1の上端側の桁材10を挿脱自在に挿通させる鞘筒状の鞘袋23が形成してあり、架台1に桁材10を組み付けるときに、その桁材10を、この鞘袋23に挿通しておいて、その状態において桁材10の両端部を架台1の四隅の枠柱11の上端部に組み付けていくことで、穀粒袋2が組み立てられる架台1に懸架されるようにしてある。
また、穀粒袋2の底部に開放させた排出口21に付設した枠金具22は、架台1の底部に装設せる取付枠部1aにセットボルトにより装着してあり、これにより、架台1の内腔に嵌装した状態において上部の開口部および底部の排出口21を、架台1に固定支架状態として懸架してある。
そして、穀粒袋2の底部の排出口21を固定する取付枠部1aには、そこに、図1にあるように穀粒搬送機3の受入口側3aを挿し込み連結したときに、その穀粒搬送機3の搬送筒30内に収蔵してあるコイルバネ状のバネコンベアを駆動するモーターが組み付けてある。
係止環4は、この穀粒袋2の内面側で、左右または、前後に対向する内壁面間に渡架するように組み付ける伸縮材よりなる紐状体5を、装脱自在に係止して渡架張設するためのもので、この例においては、帯紐状に形成した布地4aを、平面視において、前後に対向する左右方向の短い辺縁と、左右に対向する前後方向の長い辺縁とで、前後に長い長方形状に形成してある穀粒袋2の、短辺側となる前後の内壁面の上下の中間部位で、左右方向の中央部位に、その布地4aの長手方向を左右方向に沿わせた姿勢として当接し、その布地4aの左右の両端部の閉じしろ4bを、穀粒袋2の内壁面に閉じ合わせることで、その閉じしろ4bと閉じしろ4bとの間の布地4aの中間部が、ループ状の係止環4を構成するようにしている。そして、この例においては、短手方向の内壁面に対し、それの左右方向の中間部位に一つだけ付設しているが、左右方向に適宜の間隔をおいて複数個並列するように設けておいて、複数本の紐状体5を並列させて渡架張設するようにする場合があり、また、穀粒袋2の長手方向となる左右の内壁面の、前後の中間部にも、この係止環4を付設して、紐状体5を平面視において前後及び左右に十字状に渡架張設する場合がある。
この係止環4に係止することで穀粒袋2の対向する内壁面に渡架する紐状体5は、この例においては、ゴム紐を用い、それの両端部に金属材により形成した係止フック50をそれぞれ組み付け止着しておき、その係止フック50を係止環4に掛け止めることで、渡架張設するようにしてある。そして、この紐状体5は、それの両端に設けた係止フック50を穀粒袋2の対向する内壁面に付設せる係止環4に掛け止めてその対向する内壁面間に渡架した状態において、それの弾性により収縮することで対向する内壁面を、図6において鎖線に示しているように、互いに引き寄せて殆ど直立する角度とするようにそれの長さを設定してあり、また、それを弾性により伸長させたときには、同図5において、実線に示しているように穀粒袋2の対向する内壁面が成形した当初の状態位置を占めるまでに伸長していくように伸縮長さを設定してあって、これにより、穀粒袋2内に穀粒を張り込むときは、投入した穀粒の重量により対向する内壁面が外側に押し出されることで紐状体5を伸長させて、穀粒袋2を成形した当初の形状に復元させていき、穀粒袋2内から穀粒を排出させるときには、穀粒袋2内の穀粒が減少してくるに従い、対向する内壁面に加わる穀粒の圧力の低下により、紐状体5が弾性により収縮してきて対向する内壁面を互いに引き寄せて、それの傾斜角度を強くし穀粒の流下を強制し、残留穀粒を生ぜしめないようにする。
次に、図7は、別の実施例を示している。
この例は、係止環4を、穀粒袋2の内面側で、四周の壁面の稜線部の、上下の中間部位にそれぞれ付設しておいて、紐状体5を、両端部に設けた係止フック50により対角状に対向する係止環4と係止環4との間に渡架することで、対角線に沿う状態に渡架張設した例である。この例は、係止環4を帯紐状の布地4aを用いて形成することについては前述の実施例と同様であるが、紐状体5については、コイルスプリングを用いている。
穀粒運搬車の全体の斜視図である。 同上穀粒運搬車の平面図である。 本考案を実施せる穀粒運搬車における穀粒袋の斜視図である。 同上穀粒袋の、紐状体を渡架張設する前状態における斜視図である。 同上穀粒袋を懸架する架台の斜視図である。 同上穀粒袋の、渡架張設した紐状体による作用の説明図である。 同上穀粒袋の、別の実施例における平面図である。
符号の説明
T…トラック、a…ロープ、t…荷台、1…架台、1a…取付枠部、10…桁材、11…枠柱、2…穀粒袋、20…開放口、21…排出口、22…枠金具、23…鞘袋、3…穀粒搬送機、3a…受入口側、30…搬送筒、31…吐出口、4…係止環、4a…布地、4b…閉じしろ、5…紐状体、50…係止フック。

Claims (3)

  1. トラックTの荷台t上に載架した立方枠状の架台1に、合成樹脂材のシート・布地等により、上半側を角筒状とし下半側を漏斗状とした角袋状に成形せる穀粒袋2を懸架してなる穀粒運搬車において、それの穀粒袋2の内面側で、対向する内壁面の上下の中間部位に、それぞれ係止環4を付設し、その対向する内壁間には、ゴム紐またはコイルスプリング等の伸縮材よりなる紐状体5を、弾性により伸長したときに前記対向する内壁面の間隔に対応する長さとなり収縮したときに対向する内壁面の間隔より短くなるように形成して、それの両端部に付設せる係止フック50の前記係止環4との係止により渡架装設したことを特徴とする、穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
  2. 係止環4を、穀粒袋2の、内面側で前後に対向する内壁面の各上下の中間部位と、左右に対向する内壁面の各上下の中間部位とにそれぞれ設け、これらの対向する係止環4同志の間に、それぞれ紐状体5を渡架して、紐状体5を平面視において十字状に内壁面間に渡架することを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
  3. 係止環4を、穀粒袋2の内面側で、前後及び左右の四方の内壁面の、隣接する内壁面とのコーナー部における各上下の中間部位にそれぞれ設け、それら係止環4の、平面視において対角線上に位置する係止環4と係止環4との間に、紐状体5を渡架することを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬車における穀粒袋の残留穀粒の排出装置。
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