JP3125162B2 - 燃料噴射装置のノズルボディ及び弁 - Google Patents

燃料噴射装置のノズルボディ及び弁

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジン用等の
燃料噴射装置に関し、特にガソリン−アルコール混合燃
料等の腐食性の強い燃料に対しても耐食性に優れた燃料
噴射装置ノズルボディ及び弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用オットータイプエンジン
では燃料としてガソリンが主に使用されてきた。このガ
ソリンの主成分はアロマ、オレフィン、パラフィン等の
鎖上炭化水素及び芳香族炭化水素であり、これに硫黄等
の若干の不純物が含まれている。一方、燃料噴射装置の
弁またはこの弁が着座するノズルボディの噴射孔シート
部(以下、単にシート部と略記する)の材質は、日本工
業規格(JIS)で規定されているSUS440C、S
US420J2等のマルテンサイト系ステンレス鋼が使
用されてきた。また、燃料噴射制御用ニードルをマルテ
ンサイト系ステンレス鋼(SUS440A〜E)で形成
したディーゼル機関用燃料噴射弁が特開昭59−211
759号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大気汚染の進行による
地球環境悪化の問題は年々深刻化してきているため、自
動車の排気ガス規制も従来よりもかなり厳しい内容のも
のに移行しつつある。例えば、米国カリフォルニア州で
は排気ガス中の炭化水素の量を1994年からの10年
間で平均0.25g/mileから0.062g/mi
leまで削減することをカーメーカに義務付けた世界一
厳しい排気ガス規制を1990年に決定しており、今後
各国もこの動きに追随するものと考えられている。これ
らの厳しい規制を今後満足していくには噴射燃料の微粒
化、触媒の強化、及びガソリン−アルコール混合燃料
(以下、単にアルコール燃料と記載する)の採用等の大
幅な技術革新が必要不可欠となっている。このうち、ア
ルコール燃料は炭化水素のみならずNOx、SOx、C
Oも低減できることから次世代を担う低公害クリーン燃
料として注目されている。
【0004】しかしながら、このようなアルコール燃
料、特にアルコールとしてメタノールを用いた場合、従
来は起こり得なかった著しい腐食損傷がノズルボディの
シート部に発生した。このシート部は弁が着座する部分
であり、その腐食損傷は燃料漏れを引き起こし、燃焼、
燃費悪化等エンジンの正常運転を阻害する不具合を生じ
させる。発明者らは、この腐食損傷の発生原因について
種々検討し、そのメカニズムを以下の如く結論づけた。
すなわち、燃料噴射装置の吐出孔付近には、エンジンシ
リンダの吸気弁の隙間から漏れる吹き返しガス、ブロー
バイガス、また、エンジンによってはEGRガスが存在
しており、これらのガス中には、Cl~、NO3~、SO4 2
~、HCOO~等の酸イオンが含まれている。これらのイ
オンがシート部付近でアルコール燃料に溶解することに
より酸が生成する。一方シート部では、作動中の弁によ
るたたき摩耗により耐食性を有する緻密なクロム酸化膜
が破れて新生面が露出し、耐食性が低下する。このため
前記酸によりシート部が侵され腐食するものと考えられ
る。
【0005】このような問題を解消し、信頼性の高い燃
料噴射装置とするには、該シート部の材質を従来よりも
耐食性の高い材質に変更しなければならない。しかしな
がら、シート部表面の硬度はHRC52〜60程度を確
保しなければならないため、従来のマルテンサイト系ス
テンレス鋼よりも耐食性の高いオーステナイト系及びフ
ェライト系ステンレス鋼では硬度が確保できず、適用は
不可である。SUS630等の析出硬化型ステンレス鋼
も耐食性は高いが、その硬度はHRC40程度が限度で
あり、この程度の硬度では摩耗が激しいため適用は不可
である。また、セラミックは耐食性も硬度も確保できる
が衝撃に弱く、シート部材としては不安が残る。シート
部への表面処理は、部品精度が確保できる場合は良いが
そうでない場合は精密さが要求される燃料噴射装置への
採用は困難である。また、表面処理層が摩耗し、全て無
くなってしまう危険性もある。以上の問題はシート部に
着座する弁についても言えることである。
【0006】本発明の目的は、耐食性の優れた新たなマ
ルテンサイト系ステンレス鋼を用いた、腐食損傷に対す
る耐久性に優れた信頼性の高い燃料噴射装置のノズルボ
ディ及び弁を提供することにある。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、燃料噴射孔を有し、該燃料噴射孔には弁
が着座する噴射孔シート部が形成され、前記弁が前記噴
射孔シート部から離間すると、ガソリン−アルコール混
合燃料が前記燃料噴射孔から噴射される自動車エンジン
燃料噴射装置のノズルボディであって、少なくとも前
噴射孔シート部が、重量比にしてC;0.1〜0.5
%、Cr;12〜18%、Mo;0.5〜1.5%、S
i;0.03〜1.0%、Mn;0.03〜0.75%
残りはFe及び不可避不純物からなり、さらに前記不可
避不純物のうち、P;0.03%以下、S;0.01%以
下の冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼であるこ
とを特徴とする燃料噴射装置のノズルボディである。こ
こで、重量比にしてCu;0.03〜0.6%、Ni;
0.03〜0.6%、V;0.03〜0.5%を更に含むも
のがよい。また、前記噴射孔シート部の硬さは、HRC
52〜60である。
【0009】また本発明は、ノズルボディの燃料噴射孔
に形成された噴射孔シート部に着座し、該噴射孔シート
部から離間して、ガソリン−アルコール混合燃料を前記
燃料噴射孔から噴射させる自動車エンジン用燃料噴射装
置の弁であって、該弁が、重量比にしてC;0.1〜0.
5%、Cr;12〜18%、Mo;0.5〜1.5%、S
i;0.03〜1.0%、Mn;0.03〜0.75%
残りはFe及び不可避不純物からなり、さらに前記不可
避不純物のうち、P;0.03%以下、S;0.01%以
下の冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼であるこ
とを特徴とする燃料噴射装置の弁である。ここで、重量
比にしてCu;0.03〜0.6%、Ni;0.03〜0.
6%、V;0.03〜0.5%を更に含むものがよい。ま
た、前記弁の硬さは、HRC52〜60である。
【0010】
【作用】上記のような冷間鍛造用マルテンサイト系ステ
ンレス鋼を前記シート部や弁の材料とすることにより、
該シート部及び弁はアルコール燃料を使用した場合にお
いても腐食損傷に対する耐久性に優れるため、燃料漏れ
及びこれによる燃焼、燃費悪化等のエンジンの正常運転
を阻害する不具合は生じない。したがって、信頼性の高
い燃料噴射装置を提供することができる。
【0011】つぎに、本発明の燃料噴射装置に使用して
いる冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼の成分限
定理由について述べる。Cは固溶強化元素であり、熱処
理によりマルテンサイト組織として硬度を確保するため
には、少なくとも0.1%以上の添加が必要である。し
かし、0.5を超えるとクロム炭化物の形成量が多くな
り、マトリックスの耐食性が損なわれるばかりでなく、
冷鍛性も悪化する。このため上限を0.5%とした。
【0012】Crはステンレス鋼の基本成分であり、耐
食性を確保するためには少なくとも12%以上の添加が
必要である。しかし、18%を超えるとオーステナイト
組織となり硬度が低下するため、上限18%とした。
【0013】Moは塩化物溶液や硫酸に対する耐食性を
改善する元素であり、その効果を得るためには少なくと
も0.5%以上の添加が必要である。しかし、1.5%
を超えると硬度低下及び冷鍛性の悪化をもたらすため、
上限を1.5%とした。
【0014】Siは0.03%以上の添加で炭化物を微
細化し、強度低下の原因となる網状炭化物の生成を防止
する効果がある。しかし、1.0%を超えると冷鍛性を
損なうので上限をを1.0%とした。
【0015】Mnは随伴元素であり、強度と靭性を増す
他に、Sと結合しMnSを形成することにより機械切削
性を向上させる効果があるが、0.75%を超えると冷
鍛性、耐食性を損なうので、0.03〜0.75%とし
た。
【0016】Cu,Ni,Vは、Cr,Moと共に添加
されると耐食性が更に改善する。その効果を得るために
は、それぞれ0.03%以上の添加が必要であるが、C
u,Niは0.6%、Vは0.5%を超えて添加しても
改善効果は小さくなり、逆に冷鍛性を損なうので経済性
も考慮して、Cu,Niは0.03〜0.6%、Vは
0.03〜0.5%とした。なお、P、Sはそれぞれ
0.03%、0.01%を越えると耐食性が低下するた
め、これ以下の濃度に抑える必要がある。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。図
2は本発明を適用する自動車用燃料噴射装置の断面図で
ある。アジャスタ1とプランジャロッド2の間にはスプ
リング3が組み込まれており、通常はこのスプリング力
によりプランジャロッド2の先端に接合されたボール弁
4は、その接触面4aがノズルボディ5のシート面5a
に押しつけられ、燃料噴射孔5bを塞いでいるため、燃
料供給孔8aから加圧供給される燃料は燃料噴射孔5b
からは噴射されない。しかしながら、コイル6に電流が
流れるとコイル内部にスプリング力に抗した磁気力が発
生し、プランジャロッド2はアジャスタ1の方向に引き
付けられるため、ボール弁4はノズルボディ5のシート
面5aから離間し燃料が噴射される。このような弁4の
離間−着座動作はエンジン回転数の1/2、すなわちエ
ンジン回転数が毎分2000回転であれば、毎分100
0回この動作を行なわれる。
【0018】ところで、上記ボール弁4及びノズルボデ
ィ5のシート面5aの材質としては、上記動作によるた
たき摩耗の防止、及び燃料の変質による腐食の防止の観
点から、従来はSUS440C、SUS420J2等の
マルテンサイト系ステンレス鋼が使用されてきた。この
マルテンサイト系ステンレス鋼は硬度がHRC52〜6
0程度を確保でき、且つある程度の耐食性を有している
ため、ガソリンを燃料とした場合にはシート部が腐食損
傷を起こすということは無かった。
【0019】しかしながら、このようにある程度耐食性
を有するマルテンサイト系ステンレス鋼をもってして
も、燃料をガソリンから低公害クリーン燃料であるアル
コール燃料に変更した場合には、該シート部が著しく腐
食損傷するという従来は無かった現象が起きることが明
らかとなった。このような腐食損傷は、弁の着座時の燃
料漏れと、これに伴う燃焼、燃費悪化等エンジンの正常
運転を阻害する要因となるため絶対に避けなければなら
ない。
【0020】発明者らは、上記腐食損傷の原因を究明す
るために種々の実験を行なった。まず、アルコール燃料
としてメタノール85vol%、ガソリン15vol%
の組成のM85を用い、これにブローバイガス、EGR
ガス等の排気ガス中から検出される塩酸、硝酸及び硫酸
を各100ppm添加して、その中にSUS440C、
SUS420J2を常温で48時間浸漬し、腐食試験を
行なった。試験片は腐食試験直前に表面を研磨したもの
を使用した。その結果は図3に示すごとく、ガソリン中
に比べ、M85中では腐食性が非常に強まるということ
が明らかになった。したがって、塩酸、硝酸、硫酸を含
有する排気ガスが噴射孔付近で燃料に溶解した場合、M
85ではガソリンよりも腐食性が強まるためにシート部
が腐食損傷を起こすものと考えられる。
【0021】ここで、シート部だけが腐食損傷を起こ
し、シート部以外では腐食損傷を起こさない理由として
は、シート部ではボール弁4の着座−離間動作によるた
たき摩耗により接触面4a及びシート面5aの表面を覆
っている緻密なクロム酸化膜が破れ、その部分の耐食性
が低下することによるものと考えられる。このことを確
認するために、塩酸、硝酸、硫酸を各100ppm添加
したM85中に、腐食試験直前に表面を研磨していない
SUS440C、SUS420J2を常温で48時間浸
漬し、腐食試験を行なった。その結果を図3の結果と比
較して図4に示す。表面を研磨しなかった試験片は研磨
した試験片に比べ腐食減量が小さく、上記の推定の正し
さが証明された。
【0022】このような状況において、該シート部の腐
食損傷を防止するために、発明者らはシート材としてよ
り耐食性の高く、しかも従来材料と同等以上の硬度を有
するマルテンサイト系ステンレス鋼の開発をまず第一に
考え、その材料組成を検討した。ここで、17Cr鋼で
あるSUS440Cは炭素濃度が約1%と高いためにク
ロム炭化物の形成量が多く、その結果クロムがクロム炭
化物に消費されてしまうためにマトリックス部の有効ク
ロム濃度が低く、耐食性が低下しているものと考えられ
た。また、13Cr鋼であるSUS420J2は炭素濃
度は約0.3%と低くクロム炭化物は形成しにくいもの
の、そもそもクロム濃度が低いため耐食性が低下してい
るものと考えられた。
【0023】そこで、塑性加工性を考えた場合、低C中
Cr鋼ではMo等の添加が有効であると考え、それぞれ
について本発明の実施例となる材料を試作した。その実
施例(No1〜8)の材料と、C含有量が本発明の範囲
外である比較材(特開昭59−211759号公報で示
された材料)の組成を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】それぞれの試作材料及び比較材について以
下のような熱処理を施した。先ず試作材料のインゴット
をスウェージングして直径10〜20mmの棒状にし、そ
れを900℃で1時間及び700℃で3時間(必要に応
じてこれを繰り返してもよい)の焼き鈍し処理をした。
これにより応力が除去され、且つ炭化物が球状化して加
工しやすくなる。次いで、ノズルボディの長さに切断し
て塑性加工して燃料噴射孔やシート面を形成し、100
0〜1100℃で1時間加熱後、N2ガスを吹き付けて
常温まで冷却して焼き入れした。その後160℃で焼戻
しをしてその硬度を調べた。その結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】この結果より、どの材料も硬度がHRC5
2以上となっており、硬度の面では適用に問題の無いこ
とが明らかとなった。つぎに、塩酸、硝酸、硫酸各10
0ppm添加したM85中にそれぞれの試作材料及び比
較材を常温で48時間浸漬し、腐食試験を行なった。従
来材料のSUS440C及びSUS420J2と比較し
た結果を図1に示す。この結果より、本試作材料(No
1〜8)では腐食減量が0.80〜1.6×10~4g/
cm2となり、従来材料や比較材に比べて、顕著な効果
の有ることが確認された。また、シート部が本試作材料
からなる燃料噴射装置の耐久試験においても腐食は発生
せず、燃料漏れも発生しなかった。
【0028】以上の結果より、本発明を適用した場合に
は該シート部の腐食損傷は防止でき、耐久性及び信頼性
の高い燃料噴射装置とすることができる。なお、本実施
例では弁がボール形状となっているが、ボールである必
要は無く、例えばニードル形状であってもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ガソリン−アルコール
混合燃料等の腐食性の強い燃料に対しても該シート部及
び弁は腐食損傷を起こすことが無いため、シート部から
の燃料漏れは発生しない。したがって、燃焼悪化、燃費
悪化等エンジンの正常運転を阻害する不具合は発生しな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】塩酸、硝酸、硫酸各100ppm添加したM8
5中での腐食試験後の各材料の腐食減量を示した図であ
る。
【図2】本発明の一実施例を示す燃料噴射装置の縦断面
図である。
【図3】塩酸、硝酸、硫酸各100ppm添加したM8
5中での腐食試験後の各材料の腐食減量を示した図であ
る。
【図4】腐食減量に及ぼすクロム酸化膜の影響を示した
図である。
【符号の説明】
1 アジャスタ 2 プランジャロッド 3 スプリング 4 ボール弁 4a 接触面 5 ノズルボデイ 5a シート面 6 コイル 8 ヨーク 9 Oリング 10 Oリング 11 スワラー 12 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野瀬 伸 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (72)発明者 古橋 俊夫 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (72)発明者 田辺 好之 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 平4−141560(JP,A) 特開 昭59−211759(JP,A) 特開 昭62−17365(JP,A) 特開 平1−310165(JP,A) 特開 平2−310342(JP,A) 特開 昭60−9859(JP,A) 特開 昭62−196356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 39/00 - 71/04 C22C 5/00 - 45/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射孔を有し、該燃料噴射孔には弁
    が着座する噴射孔シート部が形成され、前記弁が前記噴
    射孔シート部から離間すると、ガソリン−アルコール混
    合燃料が前記燃料噴射孔から噴射される自動車エンジン
    燃料噴射装置のノズルボディであって、少なくとも前
    噴射孔シート部が、重量比にしてC;0.1〜0.5
    %、Cr;12〜18%、Mo;0.5〜1.5%、S
    i;0.03〜1.0%、Mn;0.03〜0.75%
    残りはFe及び不可避不純物からなり、さらに前記不可
    避不純物のうち、P;0.03%以下、S;0.01%以
    下の冷間鍛造用マルテンサイト系ステンレス鋼であるこ
    とを特徴とする燃料噴射装置のノズルボディ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノズルボディにおい
    て、重量比にしてCu;0.03〜0.6%、Ni;0.
    03〜0.6%、V;0.03〜0.5%を更に含むこと
    を特徴とする燃料噴射装置のノズルボディ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のノズルボディに
    おいて、前記噴射孔シート部の硬さは、HRC52〜6
    0であることを特徴とする燃料噴射装置のノズルボデ
    ィ。
  4. 【請求項4】 ノズルボディの燃料噴射孔に形成された
    噴射孔シート部に着座し、該噴射孔シート部から離間し
    て、ガソリン−アルコール混合燃料を前記燃料噴射孔か
    ら噴射させる自動車エンジン用燃料噴射装置の弁であっ
    て、該弁が、重量比にしてC;0.1〜0.5%、Cr;
    12〜18%、Mo;0.5〜1.5%、Si;0.03
    〜1.0%、Mn;0.03〜0.75%、残りはFe
    及び不可避不純物からなり、さらに前記不可避不純物の
    うち、P;0.03%以下、S;0.01%以下の冷間鍛
    造用マルテンサイト系ステンレス鋼であることを特徴と
    する燃料噴射装置の弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の弁において、重量比に
    してCu;0.03〜0.6%、Ni;0.03〜0.6
    %、V;0.03〜0.5%を更に含むことを特徴とする
    燃料噴射装置の弁。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の弁において、
    記弁の硬さは、HRC52〜60であることを特徴とす
    る燃料噴射装置の弁。
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