JP2001240945A - 靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼 - Google Patents
靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼Info
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Abstract
高靱性を兼ね備えた自動車エンジン用部材に適する耐摩
耗用鋼を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.4〜0.6%未満、
Si:1.0%未満、Mn:1.0%以下、Cr:6.
0〜11.0%未満、Al:0.001〜0.10%未
満、N:0.020〜0.10%未満で残部Feおよび
不可避的不純物からなり、かつ焼入焼戻し組織において
旧オーステナイト結晶粒径20μm以下の面積率が80
%以上からなることを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐
摩耗用鋼。上記に加えて、Al,Nとの比N/Al>
3.0を満たすこと。さらに、Mo:4.0%未満であ
ること。さらに加えて、B:0.001〜0.010
%、並ぶにS:0.05〜0.50%、Pb:0.03
〜0.30%、Bi:0.03〜0.30%、のうち1
種または2種以上、およびTi:0.02〜1.00
%、Nb:0.02〜1.00%、V:0.02〜1.
00%、のうち1種または2種以上を含有させたことを
特徴とする靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼。
Description
い焼入焼戻し硬さに加え、高靱性を兼ね備えた自動車エ
ンジン用部材に適する耐摩耗用鋼に関するものである。
エンジンが開発され、それらに使用される部材には、特
に摺動性、耐高圧性の観点から耐銹性、耐摩耗用鋼が使
用される。これらの必要とされる特徴に対応できる可能
性のあるものとしてSUS440C等のJIS鋼種の使
用が考えられる。しかしながら、この鋼種は自動車エン
ジン部品用鋼としては、靱性に欠ける等の問題がある。
また、JIS鋼種SUS440Cの改良鋼として軸受用
耐銹性、耐摩耗用鋼として、特開平5−34418号公
報があるが、これは軸受用として開発されたものであ
り、特に疲労寿命を重点に置いて開発されている。しか
し、自動車部品用鋼としては疲労寿命よりも、むしろ高
靱性の鋼としての開発が望まれている。
のエンジン部品用鋼に必要な特性として、高靱性が求め
られているものの、上述したJIS鋼種であるSUS4
40Cを用いると、焼入硬さは得られるが、靱性値は低
い値しか得られない。また、特開平5−34418号公
報での開発鋼はSUS440Cの特徴に加えて靱性値は
改善されているが、しかし、自動車のエンジン部品とし
ての要求される値までは至っていないという問題があ
る。
めに、発明者らは鋭意開発を進めた結果、自動車エンジ
ン部品に要求される高い靱性値を得るためには焼入焼戻
し後の組織において旧オーステナイト結晶粒径が20μ
m以下の面積率を80%以上とすること、さらに、鋼中
成分であるAl,Nの比としてN/Al>3.0とする
ことにより、結晶粒の粗大化を抑制し、さらなる靱性の
改善が期待できることにある。その発明の要旨とすると
ころは、 (1)重量%で、C:0.4〜0.6%未満、Si:
1.0%未満、Mn:1.0%以下、Cr:6.0〜1
1.0%未満、Al:0.001〜0.10%未満、
N:0.020〜0.10%未満で残部Feおよび不可
避的不純物からなり、かつ焼入焼戻し組織において旧オ
ーステナイト結晶粒径20μm以下の面積率が80%以
上からなることを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐摩耗
用鋼。
比N/Al>3.0を満たすことを特徴とする靱性に優
れた耐銹性耐摩耗用鋼。 (3)前記(1)または(2)に加えて、Mo:4.0
%未満であることを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐摩
耗用鋼。 (4)前記(1)〜(3)に加えて、B:0.001〜
0.010%を含有することを特徴とする靱性に優れた
耐銹性耐摩耗用鋼。
0.05〜0.50%、Pb:0.03〜0.30%、
Bi:0.03〜0.30%、のうち1種または2種以
上含有することを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐摩耗
用鋼。 (6)前記(1)〜(5)に加えて、Ti:0.02〜
1.00%、Nb:0.02〜1.00%、V:0.0
2〜1.00%、のうち1種または2種以上含有するこ
とを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼にある。
定理由について説明する。 C:0.4〜0.6%未満 Cは素地に固溶され、硬さを上昇させる元素であり、H
RC50以上の硬さを得るためには0.4%以上必要で
ある。しかし、0.6%以上の添加では、巨大炭化物が
発生して靱性を損なう恐れがあるため、その範囲を0.
4〜0.6%未満とした。
1.0%以上の添加では靱性を低下させるので、上限を
1.0%未満とした。 Mn:1.0%以下 MnはSiと同様に脱酸剤として添加し、焼入性を向上
させるが、1.0%以上の添加では靱性を低下させるの
で、上限を1.0%未満とした。
めには6.0%以上必要である。しかし、11%以上添
加すると巨大炭化物を生成し靱性を損なう恐れがあるた
め、その範囲を6.0〜11.0%未満とした。 Al:0.001〜0.10%未満 Alは脱酸剤として使用し、耐銹性を向上させるために
は、0.001%以上の添加が有効であるが、0.1%
以上の添加で靱性の低下を引き起こすので、その範囲を
0.001〜0.10%未満とした。
は0.020%以上必要であるが、0.1%以上添加す
ると靱性が低下する。従って、その範囲を0.020〜
0.10%未満とした。 B:0.001〜0.010% Bは熱間加工性を向上させるが、0.001%未満では
効果が少なく、0.010%を超えると熱間加工性を悪
化させる。従って、その範囲を0.001〜0.10%
とした。
量に応じて被削性改善効果は増加するが、0.05%未
満では効果が少なく、0.50%を超えると効果が飽和
し、且つ熱間加工性を悪化させる。従って、その範囲を
0.05〜0.50%とした。 Pb:0.03〜0.30% Pbは鋼中に単独あるいは介在物に付着する形で分散し
て存在し、被削性改善の効果がある。しかし、0.03
%未満では効果が少なく、0.30%を超えると効果が
飽和し、かつ熱間加工性を悪化させる。従って、その範
囲を0.03〜0.30%とした。
削性改善に効果がある。しかし、0.03%未満では効
果が少なく、0.30%を超えると効果が飽和し、かつ
熱間加工性を悪化させる。従って、その範囲を0.03
〜0.30%とした。 Ti:0.02〜1.00% Tiは炭窒化物形成により耐食性改善に寄与する。しか
し、0.02%未満では効果が少なく、1.00%を超
えると効果が飽和する。従って、その範囲を0.02〜
1.00%とした。
食性を向上させる。しかし、0.02%未満では効果が
少なく、1.00%を超えると効果が飽和する。従っ
て、その範囲を0.02〜1.00%とした。 V:0.02〜1.00% Vは炭窒化物を生成し耐食性を向上させる。しかし、
0.02%未満では効果が少なく、1.00%を超える
と効果が飽和する。従って、その範囲を0.02〜1.
00%とした。
示す成分組成の鋼を溶製し、平均径190mmの鋳型に
鋳込み、直径20mmの棒鋼に鍛伸し、1030℃に3
0分間保持後油焼入れし、180℃で1時間保持後空冷
で焼戻し処理を施してから、次の各試験に供した。その
結果を、旧オーステナイト結晶粒円相当直径の平均値が
20μm以下の面積率およびN/Al値並びにそのとき
の衝撃値として示す。表1に示すように、No1〜5は
本発明鋼であり、いずれも衝撃値が80J/cm2 以上
の優れた靱性値を示しているに対して、No6〜9の比
較鋼は、いずれも衝撃値が80J/cm2 未満であり、
十分な靱性値を示していないことが分かる。すなわち、
N/Alの値が3.0以下となると結晶粒の粗大化が顕
著となり、その結果靱性値が著しく低下した。また、焼
入焼戻し後の組織において旧オーステナイト結晶粒径の
円相当直径が20μm以下の面積率が80%以下となる
と著しい靱性値の低下を引起こすことが分かる。
Cクラスのマルテンサイト系ステンレス鋼を使用してい
た高圧フューエルポンプ等の自動車エンジン用部品に対
し、本発明を採用することにより靱性の向上等による長
寿命化などが、他の機能特性を同等以上に維持しつつ得
ることが出来る極めて優れた効果を奏するものである。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.4〜0.6%未満、 Si:1.0%未満、 Mn:1.0%以下、 Cr:6.0〜11.0%未満、 Al:0.001〜0.10%未満、 N:0.020〜0.10%未満 で残部Feおよび不可避的不純物からなり、かつ焼入焼
戻し組織において旧オーステナイト結晶粒径20μm以
下の面積率が80%以上からなることを特徴とする靱性
に優れた耐銹性耐摩耗用鋼。 - 【請求項2】 請求項1に加えて、Al,Nとの比N/
Al>3.0を満たすことを特徴とする靱性に優れた耐
銹性耐摩耗用鋼。 - 【請求項3】 請求項1または2に加えて、Mo:4.
0%未満であることを特徴とする靱性に優れた耐銹性耐
摩耗用鋼。 - 【請求項4】 請求項1〜3に加えて、B:0.001
〜0.010%を含有することを特徴とする靱性に優れ
た耐銹性耐摩耗用鋼。 - 【請求項5】 請求項1〜4に加えて、 S:0.05〜0.50%、 Pb:0.03〜0.30%、 Bi:0.03〜0.30%、 のうち1種または2種以上含有することを特徴とする靱
性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼。 - 【請求項6】 請求項1〜5に加えて、 Ti:0.02〜1.00%、 Nb:0.02〜1.00%、 V:0.02〜1.00%、 のうち1種または2種以上含有することを特徴とする靱
性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053682A JP2001240945A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000053682A JP2001240945A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001240945A true JP2001240945A (ja) | 2001-09-04 |
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ID=18575031
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000053682A Pending JP2001240945A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | 靱性に優れた耐銹性耐摩耗用鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001240945A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3150735A4 (en) * | 2014-05-28 | 2017-12-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Hot work tool material and method for manufacturing hot work tool |
CN108977721A (zh) * | 2018-07-27 | 2018-12-11 | 江苏双星特钢有限公司 | 一种防堵塞隔舱篦板及其制造方法 |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000053682A patent/JP2001240945A/ja active Pending
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EP3150735A4 (en) * | 2014-05-28 | 2017-12-13 | Hitachi Metals, Ltd. | Hot work tool material and method for manufacturing hot work tool |
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