JP3125158B2 - 連続パッディング染色処理装置 - Google Patents

連続パッディング染色処理装置

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JP3125158B2
JP3125158B2 JP04108300A JP10830092A JP3125158B2 JP 3125158 B2 JP3125158 B2 JP 3125158B2 JP 04108300 A JP04108300 A JP 04108300A JP 10830092 A JP10830092 A JP 10830092A JP 3125158 B2 JP3125158 B2 JP 3125158B2
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信夫 定政
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維及び布帛類の連続
パッディング染色処理装置に関し、特に均一な染色物を
得るに当り、染浴濃度の判定に基づき、繊維、染料、使
用助剤等によって生ずる選択吸収を制御しながら効率的
に染色する連続パッディング染色処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来から連続パッディング染
色加工における染浴濃度の変化に関し、次のような理論
式が知られている。
【0003】
【数1】
【0004】上記式からも判るように連続パッディング
染色加工においては同一染浴濃度での加工では繊維(布
帛)の種類、染料の種類、及び処理中に使用される助剤
によって、Xの値(一般に選択吸収値と云う)が大きく
変化してくるため、始めの部分と終りの部分の濃度が異
なってくるという、いわゆるテーリング現象が生ずる。
このテーリング現象を防止するため通常初浴の濃度と追
加浴の濃度を次のような一般式に基づいて調節してい
る。 初浴濃度 = Co 追加浴濃度 = X・Co
【0005】追加浴濃度の決定はxの値を求めればよい
わけであるがこれをビーカースケールで精度よく求める
ことは極めて困難である。現実には、処理すべき布帛を
数百メートル加工して初浴濃度と継続浴濃度を測定して
試行錯誤しながら追加浴濃度を設定しているのが実情で
ある。しかし、この場合も布帛の種類や染料等の種類
と、使用濃度等によって親和力係数が変化するため作業
が繁雑なわりには正確な制御が困難であるという欠点が
ある。
【0006】本発明の目的は上記した従来技術の欠点を
解決することにあり、特にセルロース系繊維、ポリアミ
ド繊維との混紡品及びセルローズ系繊維の染色において
いかなる直接染料、反応性染料、酸性染料による染色加
工にも短時間に均染染色のできる連続パッディング染色
処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記した従
来技術が持つ欠点を克服するために鋭意研究を重ねた結
果、各種繊維及び各々に適する染色方法に対応する染色
溶液の最適温度領域での透過量の変化をレーザー光によ
り連続的に測定し演算処理することにより、その目的を
達することができることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は連続せる布帛を浸漬せしめる
処理浴槽(1)、液面センサー(5′)、パッディング
マングル(2)及び予備タンク(5)をもつ液循環部を
有する連続パッディング染色処理装置であって、液循環
管の途中の直路又はバイパス路に処理浴槽中の染液の光
学密度測定用のレーザーを利用した光透過率センサー部
(6,7,8)及び予備タンク中の染液の光学密度測定
用のレーザーを利用した光透過率センサー部(11,1
2,13)を設け、これらから得た光学密度値に応じて
処理浴槽及び予備タンクの染液濃度の制御を連続的に行
うようにしてなる連続パッディング染色処理装置を提供
する。
【0009】以下本発明を図1に基づいて説明する。布
帛は連続的に処理浴1の中を通過しマングル2で絞られ
る。そして処理浴1の濃度を一定に保つためにポンプ3
を経由して流量弁4で一定量を予備タンク5に送る。処
理浴には液量を一定に保つために液面センサー5′が設
置されている。本発明では、この直路又はバイパス路の
途中に光発信装置(ガスレーザー)6によりレーザー光
がガラス管7内を通過して染液に照射され、受光装置8
にて連続的に染液の光学密度を測定する。測定を終了し
た染液は予備タンク5の中に送られる。そして光学密度
値(D)は演算部に送られる。
【0010】この演算部では連続パッディング加工中に
使用された染液量及び染液の濃度測定用に使用された量
の算出を行う。液面センサー5′の指示により処理浴1
の液面を一定に保つために予備タンク5よりポンプ9を
経由して流量弁10で所定量を追加する。その際光発信
装置(ガスレーザー)11によりレーザー光がガラス
12内を通過して染液に照射され、受光装置13にて連
続的に染液の光学密度を測定する。この時の染液は流量
弁10を経由して所定量が染液バスに送られると共に循
環用バルブ14を経由して予備タンク5に戻される。
【0011】光学密度値(D)は演算部に送られる。
【0012】演算部では既に一定に保つための光学密度
(D T が連続パッディング処理の開始前に測定され
ており、連続パッディングの開始によりD1 の値は変化
してくるため、このD1 の値に基づいて予備タンクの中
に準備されている、染料追加パイプ15(Y、R、B)
により予備タンクの濃度制御を行なう。
【0013】濃度調整された染液は更にDによる光学
密度が得られ、所定量を流量計10を経由して送られる
が、もし所定の濃度調整が得られない時更に予備タンク
内にて濃度制御が実施されると共に、液量弁4、10に
て処理浴1が一定の濃度に保たれるように制御される。
また演算部では流量弁4、10にて連続パッディング処
理中の1反(46m)当りの染液の消費量が計算され処
理数量に応じて染液が絶えず染料追加パイプ15と水パ
イプ16で作成される。
【0014】尚染料として含金タイプ及びミリングタイ
プの酸性染料及び分散染料等を用いる場合には、バイパ
スに設けた光透過率センサー部に加熱装置及び温度制御
装置を配し、染料に応じた最高温度領域の一定温度に加
熱して同温度での光透過量を測定することも好ましい。
【0015】従って本発明では連続パッディング染浴の
濃度を一定に保つために、レーザー光での光学密度測定
により、予備タンク内の濃度制御を行い、連続染色の最
大の欠点であるテーリングを効果的に防止することがで
きる。
【0016】
【実施例】次に実施例と比較例により本発明を説明す
る。
【0017】比較例1: 制御手段を除き図1に示した装置系を用い50d/−
B/Bタフタを使用して、次の様な条件のもとで連続加
工を行った。 (1)素材 50d/75d B/Bタフタ(3kg/
46m布帛10反使用) 。(2)マングル条件 圧力4kg/cm2 、スピード
20m/min、ピックアップ70%。 (3)処理浴 Pemazol Red B(三菱化成
ヘキスト製)、温度常温、液面を一定に保つ(40リッ
トル)。 (4)制御法 初浴 1.5%ows.、 追加浴 1.5%ows.。 図2に経時変化を示す。
【0018】比較例2: (1)、(2)、(3)は全く比較例1と同一条件の下
で行った。 (4)制御法 初浴1.5%ows.、追加浴2.1%
ows.(1.4倍)。 図3に経時変化を示す。
【0019】実施例1:図1に示した装置系を用い、
(1)、(2)、(3)は全く比較例1と同一条件を用
いた。(4)制御方法はD、D、Dの光学密度測
定を行い、一定温度(常温)のもとでD、Dは0.
5分間隙で測定を行った。図4に経時変化を示す。
【0020】これらの相違点と結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】比較例2は現在とられている連続パッディ
ング法であるが、ほとんどが60〜100m近くの布帛
に著しいテーリング現象がみられている。更に、布帛の
違いか、使用染料のタイプにより、テーリングの程度が
著しく変化し、このテーリングをなくす加工技術は難し
いものがあった。
【0023】本発明では、一定の液面を保つと同時に相
当量の処理浴の循環を行い、絶えず、光透過量を連続的
に測定し、繊維上の吸着量を正しく推定、算出して、処
理浴の濃度一定に保つために、各要因(流量、染料追加
量等)を組合せて、自動制御することにより、最もテー
リング欠点の少ない、自動連続染色することが可能にな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続パッディング処理装置の概略図で
ある。
【図2】比較例1の処理浴濃度の経時(及び長さ)変化
を示すグラフである。
【図3】比較例2の処理浴濃度の経時(及び長さ)変化
を示すグラフである。
【図4】実施例1の処理浴濃度の経時(及び長さ)変化
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 処理浴 2 マングル3,9 ポンプ 4,10 流量弁 5 予備タンク 5′ 液面センサー 6、11 光発信装置7,12 ガラス管 8,13 受光装置 14 循環用バルブ 15 染料追加パイプ16 水パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06B 1/00 - 23/30 D06H 1/00 - 7/24 D06P 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続せる布帛を浸漬せしめる処理浴槽
    (1)、液面センサー(5′)、パッディングマングル
    (2)及び予備タンク(5)をもつ液循環部を有する連
    続パッディング染色処理装置であって、液循環管の途中
    の直路又はバイパス路に処理浴槽中の染液の光学密度測
    定用のレーザーを利用した光透過率センサー部(6,
    7,8)及び予備タンク中の染液の光学密度測定用のレ
    ーザーを利用した光透過率センサー部(11,12,1
    3)を設け、これらから得た光学密度値に応じて処理浴
    槽及び予備タンクの染液濃度の制御を連続的に行うよう
    にしてなる連続パッディング染色処理装置。
  2. 【請求項2】 バイパスに設けた光透過率センサー部に
    さらに加熱装置及び温度制御装置を配し、染料に応じた
    最高温度領域の一定温度に加熱して同温度での光透過量
    を測定できるようにしてなる請求項1記載の連続パッデ
    ィング染色処理装置。
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