JP3124659B2 - 平面度測定装置の較正方法 - Google Patents

平面度測定装置の較正方法

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JP3124659B2 JP05243331A JP24333193A JP3124659B2 JP 3124659 B2 JP3124659 B2 JP 3124659B2 JP 05243331 A JP05243331 A JP 05243331A JP 24333193 A JP24333193 A JP 24333193A JP 3124659 B2 JP3124659 B2 JP 3124659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高精度の平面度が要
求されるベースプレートなどの平面度を測定する平面度
測定装置の較正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやDAT(ディジタル・オ
ーディオ・テープレコーダ)などのメカシャーシに使用
されるベースプレートは、軽量化のためアルミニウムや
その合金が使用されていることが多い。また、このよう
なベースプレートには各種の部品が取付けられる基準面
となるため、高精度の平面度が要求される。そこで、ベ
ースプレートの製作時に平面度が測定され、これが規定
値内に入っているかどうかが確認される。
【0003】ベースプレートなど板材の平面度を測定す
る場合は、例えば基準面となる石定盤の上に3個の支持
部品を置き、その上にベースプレートを載置して適宜な
測定器で石定盤とベースプレートとの距離を複数箇所測
定し、その結果から平面度を算出するのが普通である。
ベースプレートが鉄など剛性の高い材料で形成されてい
る場合は多少の力がかかっても変形しないので、測定器
としてマイクロゲージなど接触式のものを使用すること
ができる。この方が測定結果が直接表示され、磁界や温
度など環境の影響がなく、また、材質に応じて測定器の
出力を補正するようなことも不要だからである。
【0004】これに対して、アルミニウムやその合金は
鉄に比べて剛性が低く、マイクロゲージなど接触式の測
定器を使用すると、測定器との接触部が変形してしまい
平面度を正確に測定することができなくなる。そのた
め、従来の平面度測定装置には非接触式の測定器、例え
ばベースプレートと測定器の距離に応じて測定器に発生
する渦電流が変化するような渦電流方式の変位センサが
使用される。これは、安価でしかも測定装置を小型化す
ることができる。これに対して、光センサなどを使用し
た場合は、高価でしかも測定装置が大型になるなどの問
題がある。ここでは、渦電流方式の変位センサを使用す
る場合について説明する。
【0005】渦電流方式の変位センサを測定器として使
用した場合も、上述と同様に測定器を石定盤上に複数個
配置し、3個の支持部上にベースプレートを載置して測
定器との距離を測定し、この結果に基づいて平面度を算
出するようになっている。こうすれば、例えば1個の測
定器を一々移動してベースプレートとの距離を測定する
必要がないから、平面度の測定を迅速に行なうことがで
きる。したがって、多数のベースプレートの平面度を手
間をかけずに測定することが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に被測定物との距離に応じて内部に発生する渦電流が変
化するような非接触式の測定器は、出力値を定期的に較
正するのが通常である。そのため、従来は予め平面度が
測定されている測定用のプレートをベースプレートの代
わりに配置し、そのときの測定器の出力を規定値に合わ
せるようにした較正方法が用いられている。この場合、
例えば基準面に対して上側に凸になっている測定プレー
トと下側に凸になっている測定プレートの2枚を使用す
ることにより、較正の精度を上げるようにしている。つ
まり、1枚の測定プレートより2枚の測定プレートを使
用したほうが精度が上がるからである。
【0007】しかし、測定用のプレートは被測定物と同
じアルミニウム又はその合金で製作されているので、環
境の影響を受け易くその保管が面倒であるという問題が
あった。しかも、アルミニウム及びその合金は剛性が低
いので、ベースプレートと同程度の大きさを有する測定
用のプレートを3点支持した場合、中央部の変形が大き
くなり最初の平面度と変わってしまうという問題があ
る。この場合、変形後の平面度を検出することは困難で
ある。
【0008】一方、上述の平面度測定装置では被測定物
のベースプレートが基準面より上下両方に変形している
場合を想定して、測定器をその測定範囲の半分だけ基準
面から下がった位置に配置しなければならない。ところ
が、渦電流方式の測定器は測定可能な範囲が例えば0.
6mm程度と非常に狭く、測定器を基準面から0.3m
mだけ下側に配置しなければならないが、上述のように
変形した測定用のプレートを用いて基準面から0.3m
m下がった位置に測定器を正確に配置するのは非常に困
難である。場合によっては、基準面から0.3mmより
下に測定器を配置してしまうおそれがあり、この場合は
平面度の測定精度が低下するという問題があった。
【0009】そこでこの発明は、上述したような課題を
解決したものであって、測定器の出力の較正を正確にし
かも容易に行なうことが可能な平面度測定装置の較正方
法を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、平面度が測定される被測定物の
複数箇所を支持する支持手段と、被測定物の複数の測定
部と基準面との距離を測定する非接触式の測定器を複数
備え、測定器で被測定物の複数の測定部と基準面との距
離を測定することにより平面度を算出するようにした平
面度測定装置の測定器の出力を較正するための較正方法
において、測定子を基準面と平行移動可能に配置し、測
定子と基準面との距離を複数の測定器で測定したときの
出力が同一値となるように較正することを特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】図1に示すように平面度測定装置3の周囲にX
−Y移動装置11が配置され、その移動部18にマイク
ロゲージ19が取付けられている。マイクロゲージ19
には、図3に示すように測定子23が取付けられてい
る。測定子23は、移動する際に測定面25が基準面と
平行でしかも所定の平面度を保持できる程度の大きさに
なっている。
【0012】そして、平面度測定装置3の各測定器31
の較正をする場合は、図4(A)に示すように測定子2
3の測定面25を支持部33の上面、すなわち、基準面
に当接させる。次に、同図(B)に示すように測定子2
3をそのままの高さで測定器31上に配置する。そし
て、測定器31で測定面25との距離を測定し、その出
力が規定値に合うように測定器31の出力を較正する。
【0013】
【実施例】続いて、本発明に係わる平面度測定装置の較
正方法の一実施例について、図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】図1は、本発明を適用した平面度測定装置
の較正装置1の構成を示す。この較正装置1は、例えば
コンピュータやDAT(ディジタル・オーディオ・テー
プレコーダ)などのメカシャーシに用いられるベースプ
レートのような、高精度の平面度を要求される被測定物
5(図2)の平面度を測定する平面度測定装置3を較正
する場合に用いられる。
【0015】平面度測定装置3は、被測定物5との距離
を測定するため渦電流方式の測定器31が取付け板32
に複数個、本例では11個取付けられている。この測定
器31は、例えば測定器31の本体に螺合された2つの
ナットで取付け板32を挟持することによって、取付け
板32に確実に固定される。このとき、全ての測定器3
1の上端面が取付け板32から同一の高さだけ突出する
ように調整される。
【0016】取付け板32は剛性が高い材料で矩形状に
形成され、その周端部の3箇所に棒状の支持部33が立
設されている。これによって、取付け板32がバランス
良く保持される。支持部33は全て同一長さであり、そ
の上部側が適宜な長さだけ取付け板32より突出してい
る。
【0017】3個の支持部33の上端面を通る仮想平面
が基準面となり、上述の測定器31の上端面は、支持部
33の上端面から所定の寸法、例えば測定器31の測定
可能範囲の半分、本例では0.3mmだけ低く配置され
ている。取付け板32の周端縁には、被測定物5の位置
を決めるための位置決め板34が3箇所に取付けられて
いる。この平面度測定装置3は、例えば石定盤4などの
基準面上に載置される。
【0018】この平面度測定装置3で、図2に示すよう
に例えばベースプレートのような被測定物5の平面度を
測定する場合は、被測定物5を位置決め板34の内面に
沿って降下させ、支持部33上に載置する。これによっ
て、被測定物5が自動的に位置決めされる。そして、各
測定器31で被測定物5との距離を測定する。これによ
って、基準面に対する被測定物5の変形量が算出されて
平面度が割り出される。
【0019】さて、図1において上述の平面度測定装置
3の較正装置1は、X−Y移動装置11を有しその移動
部18に測定子23が取付けられている。そして、後述
のようにこの測定子23を各測定器31上に移動して測
定子23との距離を測定するようになっている。
【0020】X−Y移動装置11は2個のX方向ガイド
レール13と、2個のY方向ガイドレール14とで構成
され、各ガイドレール13,14が平面度測定装置3の
外側を囲むように配置されている。Y方向ガイドレール
14は、X方向ガイドレール13のガイド溝15に挿入
された移動部16に取付けられており、これによって、
Y方向ガイドレール14がX軸方向に移動可能になって
いる。
【0021】また、図3にも示すように、Y方向ガイド
レール14のガイド溝17に挿入された移動部18に
は、ディジタル式のマイクロゲージ19が取付けられて
いる。したがって、マイクロゲージ19をX軸方向及び
Y軸方向に移動させて、取付け板32に取付けられた全
ての測定器31上に測定子23を配置することが可能で
ある。
【0022】マイクロゲージ19は、通常のマイクロゲ
ージと同様に内部に配置された測定ロッド20が軸方向
に沿って移動可能になっており、測定ロッド20の移動
距離を表示部21にディジタルで表示するようになって
いる。また、表示された移動距離はリセット可能になっ
ている。したがって、測定ロッド20が停止していると
き移動距離をリセットして表示値を0とし、次に測定ロ
ッド20を移動させるとその移動した距離が表示される
ことになる。なお、マイクロゲージ19は、取付け角度
を調整できるように移動部18に回転可能に取付けら
れ、ボルト22とナット(図示せず)で適宜な角度に固
定できるようになっている。
【0023】マイクロゲージ19の測定ロッド20の下
端には測定子23が取付けられている。この測定子23
は、被測定物5と同一の材料、例えばアルミニウム又は
その合金などで矩形状又は円形状に形成されている。ま
た、測定子23の厚さは被測定物5と略同一になってい
る。測定子23の上面側にはボス24が設けられ、これ
を測定ロッド20の先端に螺入することによって、測定
子23が取付けられている。
【0024】測定子23の下面である測定面25は所定
の平面度で形成されており、後述のようにこの測定面2
5との距離を測定器31で測定することによって測定器
31が較正される。また、測定子23は測定器31によ
る測定に必要な大きさであり、本例のような渦電流式測
定器31の場合、あまり小さな平面であると正確な測定
値が得られない。本例では、測定子23の横寸法B=1
5mm、縦寸法H=15mm程度の大きさになってい
る。この大きさは、比較的高精度な所定の平面度を得な
がら、測定子23を製作するのに適している。また、測
定子23を移動する際の変形もない。そして、マイクロ
ゲージ19の取付け角度を調整して、測定面25を上述
の基準面と平行にしてある。実際には石定盤4の上面と
測定面25とを平行にすればよい。
【0025】さて、この較正装置1で平面度測定装置3
の測定器31を較正する場合は、まず、上述のように測
定子23の測定面25が基準面に対して平行になるよう
に測定ロッド20、すなわち、マイクロゲージ19を調
整する。そして、図4(A)に示すようにマイクロゲー
ジ19を支持部33の上方に配置する。次に、測定子2
3の測定面25が支持部33の上端面に当接するまで測
定ロッド20を押し下げ、その位置で測定ロッド20を
固定する。これによって、測定子23の測定面25が基
準面と一致する。このとき、表示部21の表示値を0に
リセットすれば、測定ロッド20が何らかの原因で移動
した場合でも、これを容易に認識することができる。
【0026】次に、同図(B)に示すようにマイクロゲ
ージ19をX軸方向又はY軸方向に移動して較正する測
定器31の上方に配置する。そして、測定器31で測定
子23の測定面25との距離を測定し、そのときの出力
が規定値となるように調整する。同様にして、全ての測
定器31の出力が規定値となるように調整することによ
って、この平面度測定装置1の較正が終了する。
【0027】また、平面度測定装置3の組み立て時に各
測定器31の位置合わせをする場合、較正装置1の測定
子23の測定面25を基準面に合わせて測定器31の上
方に移動し、各測定器31の出力が例えば0.3mmの
距離に相当する値になるまで各測定器31の位置を調整
することによって、各測定器31の位置合わせを容易に
行なうことが可能になる。
【0028】更に、この較正装置1では、全ての測定器
31と基準面との距離を同一にすることができるから、
基準面と被測定物5との距離を検出可能なセンサーを任
意の位置に1個だけ取付けると共に、その出力で作動す
るアラームを設け、基準面と被測定物5との距離が所定
値以上になったとき、センサーから信号を出力してアラ
ームが作動するようにしておけば、平面度が規格外の不
良品を即座に検出することが可能になる。
【0029】なお、上述の実施例では、平面度測定装置
3に渦電流方式の変位センサを用いている場合について
説明したが、これ以外に被測定物の材質によって出力が
異なる変位センサや、被測定物の材質には影響されない
変位センサを使用している平面度測定装置の較正装置に
本発明を適用することが可能である。その際、測定子2
3はその測定器31の特性に合わせて形状を決定する。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、測定子を
基準面と平行移動可能に配置し、測定子と基準面との距
離を複数の測定器で測定したときの出力が同一値となる
ように較正するものである。
【0031】したがって、この発明によれば、測定器の
較正を正確にしかも迅速に行なうことが可能になると共
に、従来のような測定用プレートの保管が不要になり、
手間を省くことが可能になるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる平面度測定装置の較正方法を適
用した較正装置1と平面度測定装置3の構成図である。
【図2】平面度測定装置3の使用状態を説明する図であ
る。
【図3】較正装置1の部分詳細図である。
【図4】較正装置1の使用状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 較正装置 3 平面度測定装置 4 石定盤 5 被測定物 11 X−Y移動装置 18 移動部 19 マイクロゲージ 20 測定ロッド 21 表示部 23 測定子 25 測定面 31 測定器 33 支持部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面度が測定される被測定物の複数箇所
    を支持する支持手段と、 上記被測定物の複数の測定部と基準面との距離を測定す
    る非接触式の測定器を複数備え、上記測定器で上記被測
    定物の複数の測定部と上記基準面との距離を測定するこ
    とにより平面度を算出するようにした平面度測定装置の
    上記測定器の出力を較正するための較正方法において、 測定子を上記基準面と平行移動可能に配置し、 上記測定子と上記基準面との距離を上記複数の測定器で
    測定したときの出力が同一値となるように較正すること
    を特徴とする平面度測定装置の較正方法。
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