JP3124510B2 - 磁気軸受内電磁石のインダクタンス測定装置及び方法 - Google Patents

磁気軸受内電磁石のインダクタンス測定装置及び方法

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JP3124510B2
JP3124510B2 JP09145897A JP14589797A JP3124510B2 JP 3124510 B2 JP3124510 B2 JP 3124510B2 JP 09145897 A JP09145897 A JP 09145897A JP 14589797 A JP14589797 A JP 14589797A JP 3124510 B2 JP3124510 B2 JP 3124510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気軸受内電磁石の
インダクタンス測定装置及び方法に係わり、特に主軸の
半径方向位置が複数極の半径方向位置制御用電磁石の中
心に位置したときの半径方向位置制御用電磁石のインダ
クタンスを測定可能な磁気軸受内電磁石のインダクタン
ス測定装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4に磁気軸受スピンドルの構成図を示
す。磁気軸受スピンドル10は、主軸1を空中に磁気浮
上させた状態で半径方向位置制御用電磁石3(半径方向
位置制御用電磁石3は、図中上下に2箇所配設されてい
る。ここで、半径方向位置制御用電磁石3は半径方向位
置制御用電磁石3V1、3V3、3W1、3W3及び半径方向位
置制御用電磁石3V2、3V4、3W2、3W4を総称してい
る。)により主軸1の半径方向位置を制御する。主軸1
は高周波モーター5により回転駆動される。半径方向位
置センサ7(半径方向位置センサ7も、図中上下に2箇
所配設されている。)は主軸1の半径方向位置を検出す
る。そして、この検出信号に基づき図示しない調節器9
を介し半径方向位置制御用電磁石3を駆動する。昨今、
この半径方向位置センサ7を省略した形で主軸1の半径
方向位置を制御するセンサレス磁気軸受制御系の開発が
盛んに行われている。センサレス磁気軸受制御系では、
半径方向位置センサ7を省略した分構造が簡素化され、
経済的であり、剛性を向上させることが出来る。また、
半径方向位置の検出は半径方向位置制御用電磁石3に巻
回されたコイルの誘導電流を検出し、この誘導電流より
半径方向位置を推定することで行っているため、半径方
向位置の検出と制御とがCO−LOCATIONに行え
る等の特徴を有している。従って、センサレス磁気軸受
制御系に関し、座標原点でもある半径方向位置制御用電
磁石3の中心位置に主軸1があるときのコイルのインダ
クタンスは最も重要なパラメータである。このため、中
心位置に主軸1があるときのコイルのインダクタンスの
値を正確に測定する必要がある。従来は、このコイルの
インダクタンスを次の様に求めていた。図5にコイルの
インダクタンス測定時の磁気軸受スピンドルの簡略断面
図を示す。また、図6に半径方向位置制御用電磁石3の
コイルの配置図を示す。コイルは矢印方向(V方向とW
方向とZ方向が互いに直交している)に対向して設置し
ている。半径方向位置制御用電磁石3V1、3V3、3W1
W3は左軸受を成し、半径方向位置制御用電磁石3V2
V4、3W2、3W4は右軸受を成す。図5において、主軸
1は重力の影響により半径方向位置制御用電磁石3の中
心位置より下方に落下している。このときの状態をタッ
チダウン状態と言う。
【0003】従来の測定方法は、タッチダウン状態でL
CR測定器12を用いて半径方向位置制御用電磁石3の
コイルのインダクタンスを測定する。そして、測定値の
平均値を求めて半径方向位置制御用電磁石3の中心位置
のコイルのインダクタンスとする近似法であった。具体
的な手順は以下の通りである。
【0004】1.半径方向位置制御用電磁石3W1と半径
方向位置制御用電磁石3W3とのコイルのインダクタンス
W1とLW3を等しくするように、半径方向位置制御用電
磁石3W1と半径方向位置制御用電磁石3W3が水平となる
ように設置(図5は水平としたときの状態図を示してい
る)する。この点、例えば半径方向位置制御用電磁石3
W1と半径方向位置制御用電磁石3W3が水平でないと、主
軸1の中心が半径方向位置制御用電磁石3V1と半径方向
位置制御用電磁石3V3を結ぶ線より左右にずれることに
なるため、半径方向位置制御用電磁石3の中心位置のコ
イルのインダクタンスを計算上推定することがより難し
くなるためである。 2.半径方向位置制御用電磁石3V1と半径方向位置制御
用電磁石3V3のコイルのインダクタンスLV1とLV3を測
定する。 3.半径方向位置制御用電磁石3の中心位置のコイルの
インダクタンスLA
【数1】 を計算して得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の半径
方向位置制御用電磁石3の中心位置のコイルのインダク
タンス計算方法では、タッチダウン状態でコイルのイン
ダクタンスを測定及び計算しているため、半径方向位置
制御用電磁石3の中心位置のコイルのインダクタンスと
は厳密には異なる恐れがある。従って、基本位置と比べ
どの程度の誤差を生ずる恐れがあるのかを次に計算で求
めてみる。半径方向位置制御用電磁石3の磁気回路にお
いて、オームの法則より、コイルのインダクタンスLV1
は数2のように求められる。
【0006】
【数2】 ここで、Nはコイルの巻数、Sは鉄心断面積、l0 は鉄
中の磁路の長さ、μは鉄心の透磁率、μ0 は真空の透磁
率、x1 は半径方向位置制御用電磁石3V1と主軸1の間
隔、x0 はノーマルギャップである。半径方向位置制御
用電磁石3の鉄心の透磁率μを無限大と仮定すると、数
2は数3のように近似出来る。
【0007】
【数3】 同様に、コイルのインダクタンスLV3は数4のように近
似出来る。
【0008】
【数4】 ここで、x2 は半径方向位置制御用電磁石3V3と主軸1
の間隔である。一方、主軸1の中心を半径方向位置制御
用電磁石3の中心位置に一致させたときのコイルのイン
ダクタンスLは同様にオームの法則から数5のように求
めることが出来る。
【0009】
【数5】 即ち、数5はx1 =x2 =x0 を満たすときの半径方向
位置制御用電磁石3のコイルのインダクタンスである。
数5より数3と数4はそれぞれ数6と数7のように表す
ことが出来る。
【0010】
【数6】
【数7】 数3と数4において、N、S、μ0 は定数とすると、コ
イルのインダクタンスLV1、LV3と半径方向位置制御用
電磁石3と主軸1の間隔x1 、x2 の関係は図7に示す
ように反比例になる。数6と数7を用いると数1は数8
のように近似することが出来る。
【0011】
【数8】 例えば、x1 =0.37(mm),x2 =0.13(m
m),x0 =(x1 +x2 )/2=0.25(mm)の
場合ではLA ≒1.3Lである。近似値LA は真値Lよ
り30%の誤差があった。このように、従来の測定方法
は原理的に測定精度が低くなる。また、数5より、x0
は主軸1が半径方向位置制御用電磁石3の中心位置にあ
ったときの半径方向位置制御用電磁石3と主軸1の間隔
であるから、Lを測定する際には主軸1が半径方向位置
制御用電磁石3の中心となるようにしなければならな
い。本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたも
ので、主軸の半径方向位置が複数極の半径方向位置制御
用電磁石の中心に位置したときの半径方向位置制御用電
磁石のインダクタンスを測定可能な磁気軸受内電磁石の
インダクタンス測定装置及び方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、主軸
を空中に磁気浮上し該主軸の半径方向位置を制御する複
数極の半径方向位置制御用電磁石を少なくとも一組備え
る磁気軸受と、前記主軸の半径方向位置を複数極の半径
方向位置制御用電磁石の中心に支持する主軸支持手段
と、該主軸支持手段により主軸が中心に支持されたとき
の前記半径方向位置制御用電磁石のインダクタンスを測
定するインダクタンス測定器を備えて構成した。磁気軸
受には、主軸の半径方向位置を制御するため、半径方向
位置制御用電磁石が配設されている。磁気軸受は3軸制
御磁気軸受(半径方向位置制御用電磁石は一組)や5軸
制御磁気軸受(半径方向位置制御用電磁石は二組)等存
在するが、本発明は半径方向位置制御用電磁石の組数に
係わらず適用可能である。主軸が複数極の半径方向位置
制御用電磁石の中心に位置しているとき、半径方向位置
制御用電磁石のインダクタンスは、各極共に等しい値と
なっている。主軸支持手段は、主軸の半径方向位置を複
数極の半径方向位置制御用電磁石の中心に静止した状態
で支持させるような手段のすべてをいう。そして、この
状態のときの半径方向位置制御用電磁石の各極毎のイン
ダクタンスをインダクタンス測定器により測定する。こ
のことにより、主軸の最もバランスの取れた基本位置
(主軸制御を行う際の座標原点でもある)での半径方向
位置制御用電磁石のインダクタンスを精度良く知ること
が出来、例えばセンサレス磁気軸受制御系の制御等に用
いた場合には制御性能を向上させることが出来る。な
お、半径方向位置制御用電磁石に限らず、高周波モータ
ーに関しても主軸が中心に位置しているときのインダク
タンスを精度良く求めることが出来る。
【0013】また、本発明は、前記主軸支持手段は一対
の治具からなり、前記主軸の両端はそれぞれの治具の内
周面に沿わせて密接に挿入され、前記治具の外周面と内
周面間の肉厚は周方向に均一とし、前記治具の外周面を
テーパ面にしたことを特徴とする。主軸支持手段は一対
の治具で構成する。主軸の左端及び右端は、それぞれ治
具の内周面に沿わせて密接に挿入する。治具の外周面と
内周面間の肉厚は周方向に均一とする。均一とするの
は、主軸の半径方向位置を複数極の半径方向位置制御用
電磁石の中心に支持するためである。但し、外周面と内
周面間の肉厚は必ずしも全周囲に渡り均一としなくても
よい。この点、例えば周方向に所定長毎に凹部を配設す
る等していてもよい。治具の外周面をテーパ面にしてい
る。テーパ面を設けたことにより、治具を磁気軸受の外
筒と主軸間の間隙に対し嵌入し易くすることが出来る。
テーパ面は、治具の外周面の全体に渡り施してもよい
し、治具の外周面の一端部のみに施してもよい。また、
嵌入後は半径方向位置制御用電磁石の略中心に主軸を安
定して支持することが出来る。このことにより、簡単に
半径方向位置制御用電磁石のインダクタンスを精度良く
知ることが出来る。
【0014】更に、本発明は、前記主軸支持手段は一対
の治具からなり、各治具はそれぞれ前記主軸の端部を密
接に内包し所定長の均一な肉厚を有する内装環と、該内
装環の周囲に僅かの間隙を隔てて配設し前記磁気軸受の
外筒に固着した外装環と、該外装環の複数箇所には外装
環の中心方向に向かい前記内装環に当接するように中心
位置微調節部を配設し、該中心位置微調節部を調整する
ことで前記間隙の大きさを変更することを特徴とする。
主軸支持手段は一対の治具で構成する。主軸の左端及び
右端は、それぞれ所定長の均一な肉厚を有する内装環に
より密接に内包する。内装環の周囲には、僅かの間隙を
隔てて外装環を配設する。外装環は磁気軸受の外筒に固
着する。外装環の複数箇所には、外装環の中心方向に向
かい内装環に当接するように中心位置微調節部を配設す
る。中心位置微調節部には、ねじや調整用棒等のよう
に、内装環に当接することで、主軸を半径方向位置制御
用電磁石の中心位置に調整可能なすべての手段を含む。
そして、この中心位置微調節部を調整することで間隙の
大きさを変更する。このことにより、主軸の半径方向位
置を複数極の半径方向位置制御用電磁石の中心に一致さ
せる様に微調整を行うことが可能となる。
【0015】更に、本発明は、前記主軸支持手段は第1
の治具及び第2の治具を備え、前記主軸の一端は第1の
治具の内周面に沿わせて密接に挿入され、第1の治具の
外周面と内周面間の肉厚は周方向に均一とし、第1の治
具の外周面をテーパ面にし、第2の治具は前記主軸の他
端を密接に内包し所定長の均一な肉厚を有する内装環
と、該内装環の周囲に僅かの間隙を隔てて配設し前記磁
気軸受の外筒に固着した外装環と、該外装環の複数箇所
には外装環の中心方向に向かい前記内装環に当接するよ
うに中心位置微調節部を配設し、該中心位置微調節部を
調整することで前記間隙の大きさを変更することを特徴
とする。主軸支持手段は第1の治具及び第2の治具で構
成する。主軸の一端は、第1の治具の内周面に沿わせて
密接に挿入する。第1の治具の外周面と内周面間の肉厚
は周方向に均一とする。第1の治具の外周面をテーパ面
にする。テーパ面を設けたことにより、第1の治具を磁
気軸受の外筒と主軸間の間隙に対し嵌入し易くすること
が出来る。一方、主軸の他端には、第2の治具を配設す
る。主軸の他端は、所定長の均一な肉厚を有する内装環
で密接に内包する。内装環の周囲には、僅かの間隙を隔
てて外装環を配設する。外装環は磁気軸受の外筒に固着
する。外装環の複数箇所には、外装環の中心方向に向か
い内装環に当接するように中心位置微調節部を配設す
る。このことにより、簡単に治具を配設出来、かつ主軸
の半径方向位置を複数極の半径方向位置制御用電磁石の
中心に一致させる様に微調整を行うことが可能となる。
【0016】更に、本発明は、磁気軸受内電磁石のイン
ダクタンス測定方法であり、主軸を空中に磁気浮上し該
主軸の半径方向位置を制御する複数極の半径方向位置制
御用電磁石を少なくとも一組備える磁気軸受において、
前記主軸の半径方向位置が複数極の半径方向位置制御用
電磁石のほぼ中心となるように主軸の両端を治具により
支持し、前記複数極の半径方向位置制御用電磁石のイン
ダクタンスを測定し、各極毎のインダクタンスが同一と
なるように前記主軸の半径方向位置の微調整を行い、最
終的に求めたインダクタンス若しくは複数極のインダク
タンスの平均値を前記複数極の半径方向位置制御用電磁
石の中心位置に主軸が存在するときのインダクタンスと
することを特徴とする。インダクタンスの測定はインダ
クタンス測定器の台数により各極毎にシリーズに行って
も良いし、また複数極を同時に測定しても良い。複数極
を同時に測定すると、各極毎のインダクタンスが同一と
なるように主軸の半径方向位置の微調整を行うことは一
層容易になる。最終的に求めたインダクタンスが一致し
たものであれば、その値が主軸の半径方向位置が複数極
の半径方向位置制御用電磁石の中心のときの半径方向位
置制御用電磁石のインダクタンスである。磁気軸受の加
工、組み立て精度や治具の精度等により、各極毎のイン
ダクタンスの値が多少異なるときは、複数極のインダク
タンスの平均値を求め、半径方向位置制御用電磁石のイ
ンダクタンスとしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本発明の第1実施形態を図1に示
す。尚、図4と同一要素のものについては同一符号を付
して説明は省略する。図1において、磁気軸受スピンド
ル10の左端部14a及び右端部14bには、本来それ
ぞれ図示しない保護カバー16が外筒18に外嵌されて
いるが、主軸1の端部を露出させるため保護カバー16
は撤去されている。主軸1の左端部と右端部及び外筒1
8の間の間隙には、それぞれ治具11a,11bが所定
長嵌入されている。主軸1の左端部と右端部は、治具1
1a,11bの内周面に沿わせて密接に挿入されてい
る。治具11a,11bの外周面と内周面間の肉厚は周
方向に均一なようになっている。そして、治具11a,
11bの外周面をテーパ面にしている。LCR測定器1
2は半径方向位置制御用電磁石3のインダクタンスを測
定するようになっている。
【0018】次に、本発明の第1実施形態による半径方
向位置制御用電磁石のインダクタンスの測定方法につい
て説明する。主軸1の左端部と右端部及び外筒18の間
の間隙には、それぞれ治具11a,11bを嵌入する。
主軸1の左端部と右端部は、治具11a,11bの内周
面に密接に挿入する。密接の程度を大きくするため、主
軸1の両端部と治具11a,11bの内周面間には遊び
が極力少ない様に予め設計する。主軸1は、治具11
a,11bにより半径方向位置制御用電磁石3の中心に
置かれる。即ち、半径方向位置制御用電磁石3と主軸1
間の隙間xは、ノーマルギャップx0 との差がなるべく
小さくなるように治具11a,11bを嵌入する。その
後、LCR測定器12により半径方向位置制御用電磁石
3のインダクタンスLを測定する。但し、この差は磁気
軸受スピンドル10の加工と組立の精度及び治具11
a,11bの精度と関係するので、測定したインダクタ
ンスLには一定の誤差が存在する。測定結果を一例とし
て表1に示す。左軸受のインダクタンスをLl で表し、
右軸受のインダクタンスをLr で表す。
【0019】
【表1】 なお、治具11a,11bの外周面と内周面間の肉厚は
必ずしも全周囲に渡り均一とせず、例えば周方向に所定
長毎に凹部を配設する等していてもよい。
【0020】次に、本発明の第2実施形態を図2に示
す。尚、図4と同一要素のものについては同一符号を付
して説明は省略する。図2において、内装環21a、2
1bは中空円筒である。主軸1の左端部と右端部は、そ
れぞれ内装環21a、21bの内周面に沿わせて挿入さ
れている。主軸1の両端部と内装環21a、21bの間
は固着されていないが、ほぼ間隙の無い程度に密接であ
る。内装環21a、21bの肉厚は周方向に均一なよう
になっている。内装環21a、21bの外周には、僅か
の間隙を隔てて外装環23a、23bが配設されてい
る。外装環23a、23bはそれぞれボルト31a、3
2a、33a又はボルト31b、32b、33bにより
磁気軸受スピンドル10の左端部14a又は右端部14
bに固着されている。外装環23aの周囲3箇所には、
外装環23aの中心方向に向かい、内装環21aの外周
面に当接するようにねじ27a、28a、29aが配設
されている。同様に、外装環23bの周囲3箇所には、
ねじ27b、28b、29bが配設されている。LCR
測定器12は半径方向位置制御用電磁石3のインダクタ
ンスを測定するようになっている。
【0021】次に、本発明の第2実施形態による半径方
向位置制御用電磁石のインダクタンスの測定方法につい
て説明する。主軸1の両端部に内装環21a、21bを
挿入する。内装環21a、21bと主軸1の両端部間は
殆ど間隙が無く密接である。この間隙が大きいと、内装
環21a、21bの遊びにより、主軸1が半径方向位置
制御用電磁石3の中心に定まり難く、誤差を生じ易い。
内装環21a、21bの肉厚は周方向に均一とする。均
一とするのは、主軸1の半径方向位置を複数極の半径方
向位置制御用電磁石3の中心位置に調整し易くするため
である。ねじ27a、28a、29aとねじ27b、2
8b、29bにより、内装環21a及び内装環21bの
位置を微調整することで、主軸1の半径方向位置を調整
する。ねじ27aとねじ27bは、固定用ねじである。
ねじ28a、29aとねじ28b、29bは調整用ねじ
である。ここでは、微調整用にねじを配設したが、ねじ
の代わりに調整用棒等を配設してもよい。主軸1が半径
方向位置制御用電磁石3の中心にあるときは、左軸受の
半径方向位置制御用電磁石3V1、3V3、3W1、3W3のイ
ンダクタンスと、右軸受の半径方向位置制御用電磁石3
V2、3V4、3W2、3W4のインダクタンスは同じ大きさに
なる。即ち、左軸受の半径方向位置制御用電磁石3V1
V3、3W1、3W3のインダクタンスと、右軸受の半径方
向位置制御用電磁石3V2、3V4、3W2、3W4のインダク
タンスが同じになるように調整したときが、主軸1が半
径方向位置制御用電磁石3の中心にあるときである。L
CR測定器12を複数台準備したときには、一度にイン
ダクタンスを読めるため、この間の調整を楽に行うこと
が出来る。ねじ27a、28a、29aとねじ27b、
28b、29bを用いた微調整は、具体的には次のよう
に行うと調整し易い。
【0022】1.まず、本発明の第1実施形態である治
具11a,11bを用いて主軸1を半径方向位置制御用
電磁石3の略中心に支持する。治具11aは、主軸1の
左端部に、また治具11bは主軸1の右端部に配設す
る。 2.次に、治具11aを取り外して内装環21aを主軸
1の左端部に挿入する。そして、外装環23aをボルト
31a、32a、33aにより磁気軸受スピンドル10
の左端部14aに固着する。 3.ねじ28a、29aを調整しながら、LCR測定器
で半径方向位置制御用電磁石3V1、3V3、3W1、3W3
インダクタンスを観測する。4つのインダクタンスが同
じ大きさになるまでねじ28a、29aを調整する。 4.ねじ27aを軽く閉める。 5.治具11bを取り外して内装環21bを主軸1の右
端部に挿入する。そして、外装環23bをボルト31
b、32b、33bにより磁気軸受スピンドル10の右
端部14bに固着する。 6.ねじ28b、29bを調整しながら、LCR測定器
で半径方向位置制御用電磁石3V2、3V4、3W2、3W4
インダクタンスを観測する。4つのインダクタンスが同
じ大きさになるまでねじ28b、29bを調整する。 7.ねじ27bを軽く閉める。 8.再度LCR測定器で半径方向位置制御用電磁石
V1、3V3、3W1、3W3のインダクタンスを観測する。
4つのインダクタンスが違っていたら、ねじ28a、2
9aを調整する。 9.ねじ27aを閉める。 10.再度LCR測定器で半径方向位置制御用電磁石3
V2、3V4、3W2、3W4のインダクタンスを観測する。4
つのインダクタンスが違っていたら、ねじ28b、29
bを調整する。 11.ねじ27bを閉める。 12.各インダクタンスの値を記録する。 測定結果を一例として表2に示す。
【0023】
【表2】 次に、本発明の第3実施形態を図3に示す。尚、図4と
同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略
する。図3は、主軸1の左端部に治具11aを配設し、
主軸1の右端部に内装環21b、外装環23bを配設し
ている。2種類の治具を混在させたことで、本発明の第
1実施形態と第2実施形態のほぼ中間程度の精度を期待
出来る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主
軸支持手段を配設したので、主軸の半径方向位置を複数
極の半径方向位置制御用電磁石の中心に支持した状態で
半径方向位置制御用電磁石のインダクタンスを測定する
ことが出来る。このため、主軸の最もバランスの取れた
中心位置での半径方向位置制御用電磁石のインダクタン
スを精度良く知ることが出来る。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す図
【図2】 本発明の第2実施形態を示す図
【図3】 本発明の第3実施形態を示す図
【図4】 磁気軸受スピンドルの構成図
【図5】 コイルのインダクタンス測定時の磁気軸受ス
ピンドルの簡略断面図
【図6】 半径方向位置制御用電磁石のコイルの配置図
【図7】 コイルのインダクタンスと半径方向位置制御
用電磁石と主軸の間隔の関係
【符号の説明】
1 主軸 3 半径方向位置制御用電磁石 11 治具 12 LCR測定器 18 外筒 21 内装環 23 外装環 27、28、29 ねじ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸を空中に磁気浮上し該主軸の半径方
    向位置を制御する複数極の半径方向位置制御用電磁石を
    少なくとも一組備える磁気軸受と、前記主軸の半径方向
    位置を複数極の半径方向位置制御用電磁石の中心に支持
    する主軸支持手段と、該主軸支持手段により主軸が中心
    に支持されたときの前記半径方向位置制御用電磁石のイ
    ンダクタンスを測定するインダクタンス測定器を備えた
    ことを特徴とする磁気軸受内電磁石のインダクタンス測
    定装置。
  2. 【請求項2】 前記主軸支持手段は一対の治具からな
    り、前記主軸の両端はそれぞれの治具の内周面に沿わせ
    て密接に挿入され、前記治具の外周面と内周面間の肉厚
    は周方向に均一とし、前記治具の外周面をテーパ面にし
    たことを特徴とする請求項1記載の磁気軸受内電磁石の
    インダクタンス測定装置。
  3. 【請求項3】 前記主軸支持手段は一対の治具からな
    り、各治具はそれぞれ前記主軸の端部を密接に内包し所
    定長の均一な肉厚を有する内装環と、該内装環の周囲に
    僅かの間隙を隔てて配設し前記磁気軸受の外筒に固着し
    た外装環と、該外装環の複数箇所には外装環の中心方向
    に向かい前記内装環に当接するように中心位置微調節部
    を配設し、該中心位置微調節部を調整することで前記間
    隙の大きさを変更することを特徴とする請求項1記載の
    磁気軸受内電磁石のインダクタンス測定装置。
  4. 【請求項4】 前記主軸支持手段は第1の治具及び第2
    の治具を備え、前記主軸の一端は第1の治具の内周面に
    沿わせて密接に挿入され、第1の治具の外周面と内周面
    間の肉厚は周方向に均一とし、第1の治具の外周面をテ
    ーパ面にし、第2の治具は前記主軸の他端を密接に内包
    し所定長の均一な肉厚を有する内装環と、該内装環の周
    囲に僅かの間隙を隔てて配設し前記磁気軸受の外筒に固
    着した外装環と、該外装環の複数箇所には外装環の中心
    方向に向かい前記内装環に当接するように中心位置微調
    節部を配設し、該中心位置微調節部を調整することで前
    記間隙の大きさを変更することを特徴とする請求項1記
    載の磁気軸受内電磁石のインダクタンス測定装置。
  5. 【請求項5】 主軸を空中に磁気浮上し該主軸の半径方
    向位置を制御する複数極の半径方向位置制御用電磁石を
    少なくとも一組備える磁気軸受において、前記主軸の半
    径方向位置が複数極の半径方向位置制御用電磁石のほぼ
    中心となるように主軸の両端を治具により支持し、前記
    複数極の半径方向位置制御用電磁石のインダクタンスを
    測定し、各極毎のインダクタンスが同一となるように前
    記主軸の半径方向位置の微調整を行い、最終的に求めた
    インダクタンス若しくは複数極のインダクタンスの平均
    値を前記複数極の半径方向位置制御用電磁石の中心位置
    に主軸が存在するときのインダクタンスとすることを特
    徴とする磁気軸受内電磁石のインダクタンス測定方法。
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