JP3124456U - 触覚および視覚による判読用文字印刷物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 視覚障害者だけでなく健常者が判読できることはもちろん、視覚障害者が素早く正確に判読できるとともに、漢字やアルファベット、カタカナ、ハングル文字等のあらゆる言語の文字に適用するすることができ、また、道路案内図や公共案内版、商品の包装に付される内容表示や冊子の見出しだけでなく、冊子の本文としても適用可能な触覚または視覚による判読用文字印刷物を提供する。
【解決手段】 文字を構成する画線上に所定の細さの線幅かつ所定の高さに盛り上げて形成された凸状細線2と、直線ないし曲線の端点6、角点7、曲極点8、変曲点9および交差点10からなる要点を前記凸状細線2の線幅よりも大きな直径によって所定の高さの点状に盛り上げて形成された凸状要点3とを有している。
【選択図】 図1

Description

本考案は、視覚障害者にとっては目で見る代わりに指で触ることによって文字を判読することができ、また、健常者にとっては指で触ることのほか、目で見ることによっても文字を判読することができる判読用文字印刷物に関するものである。
視覚障害者に対する文字情報の伝達手段のうち、目で見る代わりに指で触ることによる方法として、従来より点字が広く用いられている。点字は、縦三点横二列の六点の凸状の点の組み合わせによる六四種の記号を基本として、文字を表すものである。しかし、視覚障害者の50%は中途失明者であるところ、通常の文字を目で見て判読していた経験のあるこれらの者にとっては、凸点の位置や数の組み合わせによる複雑な点字よりも、通常の文字を指で触ることにより判読する手段が望まれている。また、六点からなる点字には漢字がないため読解に時間がかかるところ、漢字を表す六点漢字や八つの点からなる点字が考案されたが、表記法が複雑であるため普及がすすんでいない。さらに、点字の表記法をマスターしても、表記法の方式が統一されていないために、異なる表記法で表された場合には、その点字を判読することができないという問題がある。
そこで、通常の文字を指で触ることにより判読するための通常の文字を特定の厚みに厚盛印刷した印刷物が提案されている(特許文献1)。また、「盛り上がった線とその文字を構成する線の書き順情報を持たせた立体的な文字体系」により、視覚障害者と健常者が共用できるような情報伝達手段が提案されている(特許文献2)。
一方、視覚障害者用の点字用の印刷物等の厚膜の印刷物の印刷方法として、あらかじめ製版を行うことなく印刷できるインクジェットプリンタによる厚膜の印刷物および印刷方法が提案されている(特許文献3)。
特開平09−101740号公報 特開平11−338343号公報 特開2000−37943号公報
しかしながら、特開平09−101740号公報に記載された考案においては、文字が一定の幅の画線で表されているだけであるため、直線の流れは判読できるものの、直線や曲線の端点、角点、交点、あるいは曲線の判読が難しく、多数の文字が記載された印刷物を読み進めるには一文字の判読に要する時間がかかり過ぎるという問題がある。また、特開平11−338343号公報に記載された立体線画文字は、線画部分を盛り上げて印刷している他に、文字の書き順を認識させるためのT字型、二等辺三角形、ひし形等の立体図形を線の両端に盛り上げて形成しているが、単に線の両端のみを示すものであるため、書き順は認識できても、文字自体の把握情報には乏しく、やはり判読に時間がかかる。しかも二等辺三角形やひし形の立体図形に書き順情報の意味を持たせても複雑であって判読し難い上に、相当な印刷時間および印刷コストがかかるという問題がある。そもそも書き順を学ぶための立体線画文字に過ぎず、書籍を読むためのものとして文字が小さくなった場合には立体図形を指で触って認識することが難しいという問題がある。
他方、特開2000−37943号公報に記載された考案は、製版を行わないインクジェット方式による印刷であるため、道路案内図や公共案内版等の少量他品種の印刷には適しているが、冊子の本文のような大量印刷には不向きであるという問題がある。そこで、指で触って判読できる充分な厚みを有する印刷物を大量に印刷する方法が望まれている。
本考案は、このような問題点を解決するためになされたものであって、視覚障害者だけでなく健常者も一緒に判読できることはもちろん、視覚障害者が素早く正確に判読できるとともに、漢字やアルファベット、カタカナ、ハングル文字等の多種多様な文字を表示することができ、また、道路案内図や公共案内版、商品の包装に付される内容表示や冊子の見出しだけでなく、冊子の本文を判読する場合にも適用可能であり、視覚障害者が健常者と同様に読書ができる等のいわゆるノーマリゼーションの理念にも即する判読用文字印刷物を提供することを目的としている。
本考案に係る触覚および視覚による判読用文字印刷物の特徴は、文字を構成する画線上に所定の細さの線幅かつ所定の高さに盛り上げて形成された凸状細線と、素早く文字の構成を指で判読するために必要な直線ないし曲線の端点、角点、曲極点、変曲点および交差点からなる要点を前記凸状細線の線幅よりも大きな直径によって所定の高さの点状に盛り上げて形成された同一大で同一半球形状の凸状要点とを有している点にある。このような構成を採用したことにより、シャープな凸状細線と、文字の主要ポイントに設けた凸状要点とによって凹凸のメリハリが良くなり、指で触れたときの判読を容易にする。
また、本考案において、前記要点のうち、変曲点および交差点を凸状に形成せずに省略してもよく、これによれば、文字によっては凸状要点が混在しすぎるのを解消でき、判読に必要なポイント位置に設けることによって印刷コストや手間の低減につながる。
さらに、本考案において、凸状要点はインクの表面張力により凸状細線よりも高く盛り上げて形成され、文字構成の要点である凸状要点をより明確に認識できるため判読が容易になる。
さらにまた、本考案において、前記凸状細線と前記凸状要点との接続部分に所定間隔の判別用隙間を形成してなることが好ましい。このような構成によれば、凸状細線と凸状要点との判別がより明確となって、正確で素早く判読するのに効果的である。
また、本考案において、前記凸状要点は、前記凸状細線の線幅の約1.5〜3.5倍の直径を有する円形状に形成され、前記判別用隙間は、前記凸状要点の直径の約1/3〜1倍の間隔に形成されていることが好ましい。
さらに、本考案において、前記凸状細線および前記凸状要点の背景に、前記凸状細線よりも線幅を大きくして適度な太さにし、かつインク膜厚を通常程度に小さく形成した健常者用の画線が印刷されていてもよい。
本考案によれば、視覚障害者だけでなく健常者が判読できることはもちろん、視覚障害者が素早く正確に判読できるとともに、漢字やアルファベット、カタカナ、ハングル文字等のあらゆる言語の文字に適用するすることができ、また、道路案内図や公共案内版、商品の包装に付される内容表示や冊子の見出しだけでなく、冊子の本文としても適用可能であるため、障害者をもつ人々が、すべての人がもつ通常の生活を送ることができるようなノーマリゼーションを促すことができる。
以下、本考案に係る判読用文字印刷物の実施の一形態について図面を用いて説明する。
図1は、本考案の第1実施形態における判読用文字1を示す平面図であり、図2は図1におけるA−A線断面図であり、図3ないし図7は第1実施形態における判読用文字例である。図11は本考案の第2実施形態における判読用文字4を示す斜視図であり、図12ないし図18は第2実施形態における判読用文字例である。また、図22は用途別の製版およびインクの関連を示す表である。以下、本考案の実施形態について説明する。
『判読用文字印刷物及び印刷方法』
文字の基本構造は、直線または曲線からなる画線と、この画線上に存在する端点6、角点7、曲極点8、変曲点9、交差点10からなる要点と、単点11とからなる。本考案では、このような文字構成の特徴を踏まえた上で、視覚障害者が判読するために本来的に必要な要素を所定の凸状として強調して形成することにより判読のスピードと正確性を向上させ、さらには視覚健常者にとっても判読できるような文字として成立させている。
図1に示すように第1実施形態における判読用文字1は、凸状細線2と凸状要点3とによって構成されている。凸状細線2は、文字を構成する画線上に所定の細さの線幅かつ所定の高さに凸状に盛り上げて形成される。凸状要点3は、凸状細線2の線幅よりも大きな直径によって所定の高さの点状に盛り上げて形成される。
凸状に盛り上げられたインクの高さは、文字の大きさに応じて適宜設定してよいが、図2に示すように、凸状要点3が認識されやすいようにするため、凸状要点3を凸状細線2よりも若干高く盛り上げて形成するとよい。例えば、1文字あたりの大きさが縦20mm、横20mmの場合、凸状細線2の高さが300〜400μmに形成すれば、凸状要点3の高さは350〜500μmに形成するのが好ましく、このように大きく形成することによってそのインクの表面張力によっておのずと膜厚が高く形成される。他方、幅については、凸状細線2は指で触って認識しやすいようにシャープに形成されているのに対し、凸状要点3は凸状細線2と区別して認識されるように凸状細線2よりも幅が大きく形成されている。例えば、1文字あたりの大きさが縦20mm、横20mmの場合、凸状細線2の幅は0.5〜1.0mmに形成し、凸状要点3の幅は1.5〜3.5mmに形成する。
ここで、要点とは、文字を構成・把握するに当たって主要なポイントとなる意味で定義されるものであり、本実施形態では、図3ないし図7に示すように、要点として、直線ないし曲線の端点6、角点7、曲極点8、変曲点9、および交差点10が設定されている。端点6とは画線の始まりまたは終わりの点であり、角点7とは画線が折れ曲がる部分の極点である。曲極点8とは、曲線上における天地と左右の極点をいい、変曲点9とは、直線が曲線に変化する部分の極点をいう。交差点10とは直線ないし曲線の画線が相互に交わる点をいい、これらの各要点を凸状に盛り上げた点を凸状要点3という。
さらに、アルファベット「i]の点等は他の画線を必要とせず、単独で存在する単点11と定義する。この単点11も凸状に盛り上げて形成することで凸状単点4として表現される。なお、漢字の「犬」の点やひらがなの「び」等の濁点は、原則的には凸状単点4として扱われるが、大きな文字に形成する場合には、凸状細線2として形成してもよい。
そして、凸状要点3、凸状細線2、および凸状単点4を組み合わせることにより、片仮名、平仮名、アルファベット、数字、漢字、ハングル文字のほか様々な言語の文字を表すことができる。
なお、視覚障害者が本考案に係る判読用文字に接する機会が増え、その判読に慣れてくることが想定されるところ、一部の凸状要点3を省略したり、各文字に共通する部分をパターン化したり、他にない部分を省略したりすることにより、判読の簡便化を図ることも可能である。このような簡略化は印刷コストや印刷時間の低減にもつながる。
例えば、図8に示すように、アルファベットの大文字の「D、U」のように曲極点8のほかに変曲点9を有する文字において、この変曲点9を省略することができる。
また、図9に示すように、片仮名の「ナ、ウ、カ、ネ、ホ、ヤ」や平仮名の「あ、お、き、さ、す、た、ち、な、ぬ、は、ま、む、も、ゆ」、アルファベットの小文字の「f、r、t」のように文字の上部分が最上部の端点6と交差点10有する十字形を形成している場合には、交差点10を省略することできる。
さらに、図10に示すようにアルファベットの大文字の「A」の屋根状の部分については他にない特徴であって判読が容易であることから、横棒「−」部分の交差点10を省略することができる。
このような観点からいえば、所定の変曲点9や交差点10は準要点と考えることができ、これを凸状に形成する場合には凸状準要点と称してもよい。そして、文字の特徴やニーズに応じてその凸状準要点を省略し、凸状準要点を除く主要な凸状要点3と凸状細線2だけでも判読に不具合が生じない場合が存在するのである。
以上のような本第1実施形態によれば、凸状細線2により文字の画線がシャープに盛り上がっているため、画線の存在を認識し易く、さらに凸状細線2よりも凸状要点3を高く盛り上がる場合には、凸状要点3の配置を手がかりとして、文字の形態を予想することができ、文字をより素早く判読することができる。また、凸状細線2と文字の折れ曲がる部分や曲線に変化する部分等に適宜配置された凸状要点3により文字の画線の長さや曲がり具合を表現することができるため、漢字等の複雑な文字にも好適といえる。
つぎに、本考案の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の構成のうち、第1実施形態で説明した構成と同等または相当する構成は同一の符号を付して再度の説明を省略する。
図11に示すように本第2実施形態における判読用文字4には、凸状細線2と凸状要点3との接続部分に判別用隙間5が設けられている。判別用隙間5の間隔は任意に定めることができるが、例えば、1文字あたりの大きさが縦20mm、横20mmの場合、凸状細線2の幅0.5〜2.0mm、凸状要点3の直径1.5〜3.5mmに対して、判別用隙間5の間隔は凸状要点3の直径の約1/3〜1倍である0.5〜3.5mmが好ましい。凸状に盛り上げられたインクの高さは、凸状要点3が凸状細線2よりもわずかに高く形成されており、凸状細線2の高さが300〜400μm、凸状要点3の高さが350〜500μm、判別用隙間5にはインクが盛られていないため0μmである。
図12ないし図18に示すように、凸状細線2、凸状要点3及び判別用隙間5の組み合わせにより、平仮名、片仮名、アルファベット、数字、漢字のほか、ハングル文字等のあらゆる言語の文字を表示することができる。
なお、漢字は字画が多いため、文字が小さくなると、短い画線の場合、判別用隙間5を設けて凸状細線2の両端に凸状要点3を付することが困難になる。そこで、一定の基準を設けて、判別用隙間5や凸状細線2、凸状要点3を省略することにより、簡略化を図ることができる。例えば、図19に示すように、画線の長さに応じて、凸状細線2を省略して凸状要点3のみにしたり、判別用隙間5を設けずに凸状要点3につながる短い凸状細線2を付したり、判別用隙間5を設けずに凸状細線2の両端に凸状要点3を付すこと等が考えられる。また、図20に示すように、漢字特有の「はね」については、判別用隙間5を設けずに凸状要点3に短い凸状細線2によって形成することが好ましい。さらに、図21に示すように、11画以上の画数が多い文字は、判読できることを確認した上で、すべての画線に対応する凸状要点3や判別用隙間5、凸状細線2を設定せずに、一定の基準に従って簡略化したものを標準化することが好ましい。
以上のような本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて、判別用隙間5が設けられているため、凸状要点3の配置が認識し易く、文字の形態が予想し易いので素早く正確に判読することができる。また、文字の形態に応じて凸状細線2や凸状要点3を適宜省略することによって、効果的に判読させることが可能となる。
『用途別の印刷方法』
つぎに、本考案に係る判読用文字をどのような媒体に表現するかによって好適な印刷方法について検討した。本考案における判読用文字は、道路案内図や公共案内版、冊子の見出しだけでなく、冊子の本文にも適用可能である。そこで、シルクスクリーン印刷等の厚膜製版と普通製版について3種類のインクを用いて実験を行い、最小線幅および乾燥後のインクの高さを測定してみたところ、それぞれの用途に適した製版とインクの組み合わせが判明した。その組み合わせを示したのが図22である。なお、本実験では、厚膜製版としてシルクスクリーン印刷方式を用い、スクリーンの繊維にはポリエステル糸を使い#80メッシュをバイアスに張った。
本考案に係る判読用文字を印刷するインクについては、指で触って判読でき、かつ、目で見て判読できることが必要であるため、厚盛性や発色性を満たす必要がある。また、複数ないし一人によって繰り返し触られることや印刷物が屋外に設置されたり、冊子内の文字である場合には紙やインクで盛り上げられた文字同士が擦れ合ったりすることが想定されるため、耐候性や寸法安定性が要求される。さらに、触感性を高めるため、凸状に固まったインクの頂上は球状の丸みがあるほうがよい。
これらの条件を満たすインクとしてはUVインク(紫外線硬化型インク)、水性発泡インク、エポキシ樹脂系インクがある。UVインクは厚盛性、発色性、耐候性、寸法安定性のすべての面において優れている。エポキシ樹脂系インクは発色性において特に優れており、耐候性、寸法安定性についても優れている。水性発泡インクは耐候性については他のインクに比べて若干劣るものの、特に厚盛性に優れている。
本実験では、UVインクとして、Y0131(セイコウアドバンス製)にSOX710C他等の着色剤を配合したもの、および、レイキュアOP4300FG−2(十条化工製)を用い、紫外線を350mj/cm以上照射した。水性発泡インクとしては、W40(大日精化製)、シートソフター(ムラカミ製)を用いて、触指乾燥後さらに120〜130°Cで1分間乾燥させた。また、エポキシ樹脂系インクとしては#1000(セイコウアドバンス製)に硬化剤を配合したもの、および、Tセット(十条化工製)に硬化剤を配合したものを用いて、20°Cで30時間または80°Cで40分間乾燥させた。
また、製版用乳剤は、厚膜製版用乳剤としてMSP(ムラカミ製)、EX220(栗田化学研究所製)を使用し、耐水性の普通製版用乳剤としてSP−1200(ムラカミ製)、SV505(マイティ製)を使用した。
道路案内図や公共案内版等の表示用の文字としては、通常1文字あたりの大きさが縦20mm、横20mm以上であることが想定され、凸状細線2の太さが1.0mm以上であってもよいため、厚盛印刷に適した厚膜製版による印刷が可能である。厚膜製版において水性発泡インクを使用した場合は、インクが500μm以上に盛り上がってしまうため、インクの厚みに爪などがひっかかり、インクが削れてしまう等保存性に欠ける。よって、厚膜製版にはUVインクまたはエポキシ樹脂系インクが適しているといえる。厚膜製版においてスクリーンの目止めとなる乳剤の設定乳剤膜厚を400〜500μmに設定した場合、UVインクまたはエポキシ樹脂系インクの最小線幅は0.5mmである。また、乾燥させたインクの高さは、UVインクで残留率100%のところ300〜500μm、エポキシ樹脂系インクで残留率80%のところ250〜400μmである。
一方、冊子内の文字としては通常1文字あたりの大きさが縦6mm、横6mmないし縦10mm、横10mm程度であることが想定されるところ、凸状細線2の太さが0.3〜0.5mm程度でなければ表示が困難になってしまう。その場合、厚膜印刷は最小線幅が0.5mmであるため、表示できない文字が生じる可能性が高くなり、普通製版でなければ安定した印刷ができない。普通製版により印刷する場合は、設定乳剤膜厚を厚膜製版ほど厚くすることができないため、UVインクやエポキシ樹脂系インクではインクの盛り上がりが足りない。しかし、水性発泡インクを使用すれば充分な盛り上がりを確保することができる。また、冊子用の場合、表示用印刷物に比べて耐候性を重視する必要がないため、水性発泡インクを用いても本件考案の効果に支障なく充分効果を発揮することができる。
普通製版において設定乳剤膜厚を30〜50μmに設定し、印刷後に予備乾燥したのち、さらに120〜130°Cで1分間乾燥させると、印刷された水性発泡インクは8〜15倍に発泡し、300〜500μmの盛り上がりを形成する。なお、冊子用の普通製版は、コストが厚膜印刷の1/4以下であるため、経済的である。
以上のように用途に応じた製版方法やインクを選択することにより、道路案内図や公共案内版、冊子の見出しだけでなく冊子の本文など各種の媒体に印刷することができるため、視覚障害者の文字情報に対するアクセスの機会を拡大することができ、ノーマリゼーションを促すことができる。
なお、本考案に係る触覚または視覚による判読用文字印刷物は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、文字の表示については、上述の簡略化の例のほか、文字の大きさやパターン化による速読性を考慮して、凸状細線2や凸状要点3、判別用隙間5を適宜省略し簡略化することができる。
また、厚膜印刷として、シルクスクリーン印刷のほか、インクジェット印刷により印刷することもできる。
本考案の実施形態1における判読用文字1を示す平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 第1実施形態における平仮名を示す平面図である。 第1実施形態における片仮名を示す平面図である。 第1実施形態におけるアルファベットを示す平面図である。 第1実施形態における数字を示す平面図である。 第1実施形態における漢字を示す平面図である。 変曲点9を省略した文字例である。 文字の上部分が最上部の端点6と交差点10有する十字形を形成している場合に交差点10を省略した文字例である。 アルファベットの大文字の「A」において交差点10を省略した例である。 本考案の第2実施形態における判読用文字1Aを示す斜視図である。 第2実施形態における平仮名を示す平面図である。 第2実施形態における片仮名を示す平面図である。 第2実施形態におけるアルファベット(大文字)を示す平面図である。 第2実施形態におけるアルファベット(小文字)を示す平面図である。 第2実施形態における数字を示す平面図である。 第2実施形態における漢字を示す平面図である。 第2実施形態におけるハングル文字を示す平面図である。 短い画線における判別用隙間5や凸状細線2、凸状要点3を省略することにより、簡略化して表示した例である。(a)は画線の長さに応じて、凸状細線2を省略して凸状要点3のみにした場合、(b)は判別用隙間5を設けずに凸状要点3につながる短い凸状細線2を付した場合、(c)は判別用隙間5を設けずに凸状細線2の両端に凸状要点3を付した場合を示している。 漢字の「はね」部分において判別用隙間5および凸状要点3を省略した例である。 画数の多い文字において判別用隙間5および凸状要点3を省略した例である。 用途別の製版およびインクの関連を示す表である。
符号の説明
1 第1実施形態における判読用文字
2 凸状細線
3 凸状要点
4 凸状単点
1A 第2実施形態における判読用文字
5 判別用隙間
6 端点
7 角点
8 曲極点
9 変曲点
10 交差点
11 単点

Claims (6)

  1. 文字を構成する画線上に所定の細さの線幅かつ所定の高さに盛り上げて形成された凸状細線と、素早く文字の構成を指で判読するために必要な直線ないし曲線の端点、角点、曲極点、変曲点および交差点からなる要点を前記凸状細線の線幅よりも大きな直径によって所定の高さの点状に盛り上げて形成された同一大で同一半球形状の凸状要点とを有していることを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
  2. 請求項1において、前記要点のうち、曲極点のほかに変曲点を有する文字の場合には当該変曲点の凸状要点を省略し、文字の最上部の端点と交差する交差点を有する文字の場合には当該交差点の凸状要点を省略して構成することを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
  3. 請求項1または請求項2において、凸状要点を凸状細線よりも高く盛り上げて形成したことを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記凸状細線と前記凸状要点との判別を容易化するために両者の接続部分に所定間隔の判別用隙間を形成してなることを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、前記凸状要点は、前記凸状細線の線幅の約1.5〜3.5倍の直径を有する同一大の同一半球形状に形成され、前記判別用隙間は、前記凸状要点の直径の約1/3〜1倍の間隔に形成されていることを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかにおいて、前記凸状細線および前記凸状要点の背景に、前記凸状細線よりも線幅を大きく、かつ、膜厚を小さく形成した健常者用の画線が印刷されていることを特徴とする触覚および視覚による判読用文字印刷物。
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