JP3124449U - ブリスター包装体 - Google Patents

Abstract

【課題】ブリスター包装体に関し、台紙と樹脂製カバーとの固定が簡単で、収納する商品を容易且つ良好に保持できると共に、外観上の見栄えがよく、低コストにて製造することのできるブリスター包装体を提供する。
【解決手段】収納する商品の外形形状と略一致する中空状の膨出部が形成され、周縁の鍔部が三方曲げされた樹脂製カバーと、前記樹脂製カバーに挿入可能な台紙とからなるブリスター包装体に於て、前記台紙の反挿入側端部に、台紙の裏面側に折り曲げ可能なストッパ片を延設し、前記ストッパ片の左右の側縁部に係止片を突設すると共に、三方曲げされた前記樹脂製カバーの左右の折曲げ片に、台紙の裏面側に折り曲げた前記ストッパ片の係止片が係止する係止部を設けたことを特徴とする。
【選択図】図８

Description

本考案は、文房具や化粧品容器，日用雑貨等の商品を収納するブリスター包装体に関する。

文房具や化粧品容器，日用雑貨品等の各種商品を包装するに当たり、店頭での商品陳列に便利で商品を体裁良く陳列できることから、今日、ブリスター包装体が広く使用されている。
そして、この種のブリスター包装体として、従来、塩化ビニル樹脂シートを真空成形して、収納する商品の外形形状と略一致する中空状の膨出部（商品収納部）が形成された樹脂製カバー（樹脂製型枠）を形成し、前記膨出部内に商品を収納した後、予め裁断されて接着剤が塗布された台紙に樹脂製カバー周縁の鍔部の裏面を熱接着させたものが広く使用されている（特許文献１参照）。

また、台紙に樹脂製カバーを熱接着する方法に代え、樹脂製カバーの周縁の鍔部を裏面側へ三方曲げして、この間に台紙を挿入可能とすると共に、台紙の挿入側端部の一側縁に突片を設けて、この突片を樹脂製カバー側に設けた係止孔に係止させて樹脂製カバーと台紙との固定を図ったブリスター包装体も使用されている。
実開平１−９４２６９号公報

しかし乍ら、台紙に樹脂製カバーを熱接着する前者の従来例は、樹脂製カバーの接着部である鍔部が台紙の表面に現れるため、美粧効果が損なわれ、外観上の体裁が悪いという欠点があった。
また、広告宣伝効果や美粧効果を高めるため、台紙の表面に印刷を施す必要があるが、その表面に接着剤等のコーティング層を設けることから、これにより変色，褐色等の変化が生じない特殊な印刷を行わねばならず、製造工程が複雑でコストが高くなると共に、大がかりなブリスター包装機を必要としていた。

一方、三方曲げした樹脂製カバーに台紙を挿入して、台紙の挿入側端部に設けた突片を樹脂製カバー側の係止孔に係止させる後者の従来例は、台紙に設けた突片が側方へ突出した構造上、台紙を樹脂製カバーに挿入させる際に、突片が樹脂製カバーに引っ掛からないように台紙を湾曲させなければならないため、入れ難く作業性が悪いという欠点があった。

また、斯かるブリスター包装体を陳列した際に、樹脂製カバーの係止孔に係止した突片が外部に露出するため、外観上の見栄えが悪いという欠点も指摘されていた。
本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、台紙と樹脂製カバーとの固定が簡単で、収納する商品を容易且つ良好に保持できると共に、外観上の見栄えがよく、低コストにて製造することのできるブリスター包装体を提供することを目的とする。

斯かる目的を達成するため、請求項１に係る考案は、収納する商品の外形形状と略一致する中空状の膨出部が形成され、周縁の鍔部が三方曲げされた樹脂製カバーと、前記樹脂製カバーに挿入可能な台紙とからなるブリスター包装体に於て、前記台紙の反挿入側端部に、台紙の裏面側に折り曲げ可能なストッパ片を延設し、前記ストッパ片の左右の側縁部に係止片を突設すると共に、三方曲げされた前記樹脂製カバーの左右の折曲げ片に、台紙の裏面側に折り曲げた前記ストッパ片の係止片が係止する係止部を設けたことを特徴とする。

そして、請求項２に係る考案は、請求項１に記載のブリスター包装体に於て、前記係止部は、折曲げ片に設けた凹状の切欠きであることを特徴とし、請求項３に係る考案は、請求項１に記載のブリスター包装体に於て、前記係止部は、折曲げ片に設けた係止孔であることを特徴とする。
更に、請求項４に係る考案は、請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のブリスター包装体に於て、台紙と樹脂製カバーに、商品陳列用の吊り下げ用小孔を設けると共に、前記吊り下げ用小孔に対応してストッパ片に吊り下げ用小孔を設けたことを特徴とする。

請求項１乃至請求項３に係る考案は、台紙に設けたストッパ片の係止片を、樹脂製カバー側に設けた係止部（凹状の切欠きや係止孔）に係止させることによって樹脂製カバーに台紙が取り付くように構成したので、従来の熱接着構造と異なり、台紙の表面に接着剤等のコーティング層を設けたり特殊な印刷をする必要がなく、この結果、製造工程が複雑でコストが高い従来の熱接着構造に比し、ストッパ片を有する台紙や樹脂製カバーの製造が容易で、大がかりなブリスター包装機を必要とせず低コストにてこれらを製造することができると共に、使用できる台紙の材質に制約を受けることもない。

また、樹脂製カバーへの台紙の挿入が容易で、係止片と係止部との係止も容易であるため、従来に比し作業性に優れると共に、係止片と係止部との係止が台紙の裏面側で行われて台紙の表面に係止状態が現れないため、外観上の見栄えがよく、台紙に施した模様の美粧効果が損なわれることもない。
更にまた、台紙とストッパ片を展開した状態でその表面に印刷をすれば、台紙の裏面側にストッパ片を折り返すことによってブリスター包装体の表裏に必要な模様や表示を施すことができると共に、仕様に応じストッパ片の寸法を代えることで、ブリスター包装体の裏面側に必要とする様々な模様や表示を施すことができる利点を有する。

そして、請求項４に係る考案は、台紙と重合するストッパ片に、台紙の吊り下げ用小孔と重なる吊り下げ用小孔を設けたため、店頭での陳列に支障を来す虞もない。

以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１は請求項１，請求項２及び請求項４の一実施形態に係るブリスター包装体の全体斜視図、図２は前記ブリスター包装体の正面図、図３はブリスター包装体の背面図を示し、本実施形態に係るブリスター包装体１は、周縁部が三方曲げされた透明な樹脂製カバー３と、前記樹脂製カバー３に挿入可能な台紙５と、前記台紙５に一体成形されたストッパ片７とで構成されている。

図４及び図５に示すように樹脂製カバー３は、左右の側縁部と下側縁部に沿って、細い短冊状の折曲げ片９，１１，１３を設けて正面視略矩形状に裁断され、その下部中央に、収納する商品（図示せず）の外形形状と略一致する中空状の膨出部（商品収納部）１５が熱成形によって設けられている。
そして、図５に示すように各折曲げ片９，１１，１３が、夫々、所定の間隙を空けて裏面側に折り曲げられ（三方曲げ）、その間隙に台紙５が挿入できるようになっている。

図６に示すように台紙５は、三方曲げされた樹脂製カバー３と略同一形状に形成されて、樹脂製カバー３に挿入可能な正面視矩形状に裁断されている。そして、台紙５の反挿入側端部１７（樹脂製カバー３への挿入側端部１９と反対側の端部）に正面視矩形状のストッパ片７が延設されており、ストッパ片７は反挿入側端部１７に沿って形成された折り目２１によって台紙５の裏面側へ山折りできるようになっている。

図３に示すようにストッパ片７は、台紙５の全長（Ｌ）に対し略１／４の寸法とされると共に、折り曲げた際に前記折曲げ片９，１１間に配置可能な幅（Ｍ）を以って形成されている。そして、ストッパ片７の左右の側縁端部に、正面視半円形状の係止片２３，２５が側方へ突設されると共に、両係止片２３，２５に対応して樹脂製カバー３の左右の折曲げ片９，１１に、対向する凹状の切欠き２７，２９が設けられており、図７及び図８に示すように樹脂製カバー３に台紙５全体を挿入した後、ストッパ片７を裏面側に折り曲げて係止片２３，２５を切欠き２７，２９に夫々係止させると、樹脂製カバー３に台紙５が固定されるようになっている。

更に、図７及び図８に示すように樹脂製カバー３と台紙５に、従来と同様、商品陳列用の吊り下げ用小孔３１，３３が設けられているが、ストッパ片７にも前記吊り下げ用小孔３１，３３に対応して吊り下げ用小孔３５が設けられており、上述したようにストッパ片７を裏面側に折り曲げて係止片２３，２５を切欠き２７，２９に係止させると、総ての吊り下げ用小孔３１，３３，３５が一致して重なり合うようになっている。

本実施形態に係るブリスター包装体１はこのように構成されているから、文房具や化粧品容器等の商品を包装するに当たり、樹脂製カバー３の膨出部（商品収納部）１５内に商品を収納した後、図７に示すように挿入側端部１９側から台紙５を折曲げ片９，１１の間隙に挿入して、図８の如く台紙５全体を樹脂製カバー３に挿入した後、ストッパ片７を裏面側に折り曲げて係止片２３，２５を切欠き２７，２９に夫々係止させれば、樹脂製カバー３に台紙５が固定されて、図１乃至図３の如く商品が膨出部１５内に収納，保持されたブリスター包装体１が形成されることとなる。

この後、係止片２３，２５と切欠き２７，２９との係止部位を封印シール等で止めて、店頭の陳列棚に吊り下げ用小孔３１，３３，３５を介して陳列すればよい。
このように本実施形態は、台紙５に設けたストッパ片７の係止片２３，２５を、樹脂製カバー３側に設けた凹状の切欠き２７，２９に係止させることによって樹脂製カバー３に台紙５が取り付くように構成したので、従来の熱接着構造と異なり、台紙５の表面に接着剤等のコーティング層を設けたり特殊な印刷をする必要がなく、この結果、製造工程が複雑でコストが高い従来の熱接着構造に比し、ストッパ片７を有する台紙５や樹脂製カバー３の製造が容易で、大がかりなブリスター包装機を必要とせず低コストにてこれらを製造することができると共に、使用できる台紙５の材質に制約を受けることもない。

また、樹脂製カバー３への台紙５の挿入が容易で、係止片２３，２５と切欠き２７，２９との係止も容易であるため、従来に比し作業性に優れると共に、係止片２３，２５と凹状の切欠き２７，２９との係止が台紙５の裏面側で行われて台紙５の表面に係止状態が現れないため、外観上の見栄えがよく、台紙５に施した模様の美粧効果が損なわれることもない。

更にまた、本実施形態によれば、図６の如く台紙５とストッパ片７を展開した状態でその表面に印刷をすれば、台紙５の裏面側にストッパ片７を折り返すことによってブリスター包装体１の表裏に必要な模様や表示を施すことができると共に、仕様に応じストッパ片７の寸法（全長）を代えることで、ブリスター包装体１の裏面側に必要とする様々な模様や表示を施すことができる利点を有する。

加えて、本実施形態は、台紙５と重合するストッパ片７に、台紙５の吊り下げ用小孔３３と重なり合う吊り下げ用小孔３５を設けたため、店頭での陳列に何ら支障を来す虞もない。
尚、図５に示すように上記実施形態では、ストッパ片７の係止片２３，２５が係止する係止部として、樹脂製カバー３の左右の折曲げ片９，１１に凹状の切欠き２７，２９を設けたが、斯かる切欠き２７，２９に代え、図９に示すように係止片２３，２５が係止可能なスリット状の係止孔３７，３９を折曲げ片９，１１に設けてもよく、斯かる請求項１，請求項３及び請求項４の一実施形態によっても、前記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。

また、上記各実施形態は、商品陳列用の吊り下げ用小孔３１，３３，３５を設けたものであるが、本考案は商品棚に置いて陳列するブリスター包装体にも適用可能で、斯かるブリスター包装体には吊り下げ用小孔は不要である。

請求項１，請求項２及び請求項４の一実施形態に係るブリスター包装体の全体斜視図である。 図１に示すブリスター包装体の正面図である。 図１に示すブリスター包装体の背面図である。 樹脂製カバーの展開図である。 樹脂製カバーの正面図である。 台紙とストッパ片の展開図である。 樹脂製カバーと台紙の取付方法を示すブリスター包装体の正面図である。 樹脂製カバーと台紙の取付方法を示すブリスター包装体の背面図である。 請求項１，請求項３及び請求項４の一実施形態に用いる樹脂製カバーの正面図である。

符号の説明

１ ブリスター包装体
３ 樹脂製カバー
５ 台紙
７ ストッパ片
９，１１，１３ 折曲げ片
１５ 膨出部
１７ 反挿入側端部
１９ 挿入側端部
２１ 折り目
２３，２５ 係止片
２７，２９ 切欠き
３１，３３，３５ 吊り下げ用小孔
３７，３９ 係止孔

Claims (4)

1. 収納する商品の外形形状と略一致する中空状の膨出部が形成され、周縁の鍔部が三方曲げされた樹脂製カバーと、
   前記樹脂製カバーに挿入可能な台紙とからなるブリスター包装体に於て、
   前記台紙の反挿入側端部に、台紙の裏面側に折り曲げ可能なストッパ片を延設し、前記ストッパ片の左右の側縁部に係止片を突設すると共に、
   三方曲げされた前記樹脂製カバーの左右の折曲げ片に、台紙の裏面側に折り曲げた前記ストッパ片の係止片が係止する係止部を設けたことを特徴とするブリスター包装体。
2. 前記係止部は、折曲げ片に設けた凹状の切欠きであることを特徴とする請求項１に記載のブリスター包装体。
3. 前記係止部は、折曲げ片に設けた係止孔であることを特徴とする請求項１に記載のブリスター包装体。
4. 台紙と樹脂製カバーに、商品陳列用の吊り下げ用小孔を設けると共に、当該吊り下げ用小孔に対応してストッパ片に吊り下げ用小孔を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載のブリスター包装体。
   

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