JP3123590B2 - コンパクトハイブリッドインフレータ - Google Patents

コンパクトハイブリッドインフレータ

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JP3123590B2
JP3123590B2 JP07267460A JP26746095A JP3123590B2 JP 3123590 B2 JP3123590 B2 JP 3123590B2 JP 07267460 A JP07267460 A JP 07267460A JP 26746095 A JP26746095 A JP 26746095A JP 3123590 B2 JP3123590 B2 JP 3123590B2
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hybrid inflator
inflator
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エー.パークス ブレント
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車両の膨張式
安全システムに関し、より詳細にはエア/安全バッグを
迅速に膨張させることが可能なハイブリッドインフレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車両の膨張式安全システム用インフ
レータの発展に従い、加圧ガス専用インフレータ、推進
剤専用インフレータ及びハイブリッドインフレータが発
展してきた。当然のことながら上記のようなインフレー
タの各々には多くの設計が考えられる。3つのシステム
の全てにおいて、主たる設計要件はエア/安全バッグが
効果的に作動するように、所定の時間で所定の量だけ膨
張させねばならないことである。
【0003】また、多くの場合、自動車両の重量が重要
な設計要件になるため、インフレータの重量も重要な要
件である。更に、多くの自動車両の設計においては空間
が限られているため、インフレータの寸法も重要な設計
要件である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解消するためになされたものであって、その目的は従
来のインフレータよりも小型に形成することができ、か
つエア/安全バッグを所定の時間内に所定量、膨張させ
ることが可能なハイブリッドインフレータを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第一の実施態様のハイブリッドインフレ
ータでは、インフレータハウジングを備え、そのインフ
レータハウジングには加圧媒質が収容されるとともに、
約0.5から約20gの推進剤が収容されている。そし
て、前記インフレータハウジングから加圧媒質が放出さ
れる際に、推進剤に点火されて推進ガスを発生する。
に、加圧媒質は不活性流体と酸素とを含む。
【0006】また、第二の実施態様のハイブリッドイン
フレータでは、そのインフレータハウジングに加圧媒質
が収容されるとともに、推進剤が収容されている。前記
インフレ−タハウジングの容積は約10cm3から約4
50cm3に設定されている。前記加圧媒質は不活性流
体と酸素とを含み、かつ前記インフレータハウジングか
ら放出されるとともに、前記推進剤は推進剤ガスを生成
するために燃焼され、かつ、推進剤ガスは推進剤1gあ
たり約0.3モルから約0.6モルの範囲で生成され
る。
【0007】各実施態様のインフレータにおいて、前記
推進剤は、4,000ポンド/平方インチ(27.6M
Pa)の圧力下において、1秒当たり約0.1インチ
(0.25cm/秒)から約2インチ(5cm/秒)の
範囲の燃焼速度を有することが望ましい。また、前記推
進剤は、約2,000°Kから約3,800°Kの範囲
の燃焼温度を有することが望ましい。前記推進剤の点火
時に発生する熱は約800cal/gから約1,300
cal/gであることが望ましい。好ましくは、前記加
圧媒質と前記推進剤の重量比は約8から約25である。
【0008】ハイブリッドインフレータが車両の助手席
のために使用される場合、その容積は好ましくは、約1
50cm3 から約450cm3 である。ハイブリッドイ
ンフレータが車両の運転席のために使用される場合、前
記容積は約50cm3 から約150cm3 であることが
好ましい。ハイブリッドインフレータが車両に対するサ
イドインパクトのために使用される場合、前記容積は好
ましくは約10cm3から約50cm3 である。
【0009】前記ハイブリッドインフレータにおける前
記インフレータハウジングの壁の肉厚は約1mmから約
4mmであることが好ましい。特にハイブリッドインフ
レータが車両の助手席のために使用される場合、前記壁
の肉厚は約2.5mmから約4mmであることが好まし
い。車両の運転席のために使用される場合、前記壁の肉
厚は約1mmから約3mmであることが好ましい。車両
に対するサイドインパクトのために使用される場合、前
記壁の肉厚は好ましくは約1mmから約3mmである。
【0010】記推進剤は燃焼して前記加圧媒体中の酸
素と化学的に反応し得る推進ガスを発生することが望ま
しい。この場合、推進ガス中に一酸化炭素が含まれてい
ても、加圧媒質中の酸素によって酸化され、搭乗者に無
害の二酸化炭素に変換されるからである。この二酸化炭
素及び不活性流体はエア/安全バッグを膨張させるため
に利用できる。
【0011】前記加圧媒質はモルベースで約70%から
約92%の前記不活性流体と、約8%から約30%の酸
素とを含むことが望ましい。更に望ましくは、前記加圧
媒質はモルベースで約79%から約90%の前記不活性
流体と、約10%から約21%の酸素とを含む。
【0012】前記推進ガスに一酸化炭素と水素とが含ま
れていれば、加圧媒質中の酸素と化学的の反応して無害
の二酸化炭素及び水蒸気が生成される。前記推進ガス中
の前記一酸化炭素と水素はモルベースで約30%から約
70%含まれていることが望ましい。
【0013】前記推進剤は二次爆薬及びガンプロペラン
トのいずれか一方を含むことが望ましい。前記ガンプロ
ペラントはシングルベースガンプロペラント、ダブルベ
ースガンプロペラントまたはトリプルベースガンプロペ
ラントであることが望ましい。前記推進剤は二次爆薬及
びバインダ−系を含むことも可能である。前記二次爆薬
はニトラミン系であることが望ましい。
【0014】前記二次爆薬はRDX(ヘキサハイドロト
リニトロトリアジン)、HMX(シクロテトラメチレン
テトラニトラミン)、PETN(ペンタエリスリトール
テトラニトレイト)及びTAGN(トリアミノグアニジ
ン ニトレイト)からなるグループから選択することが
できる。
【0015】前記推進剤は二次爆薬及びバインダー系か
らなり、二次爆薬の含有率は50から90重量%であ
り、バインダー系の含有率は10から50重量%である
ことが望ましい。前記バインダー系は結合剤、可塑剤、
安定剤からなることが望ましい。前記バインダー系は約
5から約30重量パ−セントの結合剤、0から約20重
量パ−セントの可塑剤、及び0から約5重量パ−セント
の安定剤を含むことが望ましい。
【0016】前記結合剤はCA(セルロースアセテ−
ト)、CAB(セルロースアセテ−トブチレ−ト)、C
AP(セルロ−スアセテ−トプロピオレ−ト)、EC
(エチルセルロース)、PVA(ポリ酢酸ビニ−ル)、
アジドポリマー、ポリブタジエン、水素化ポリブタジエ
ン及びポリウレタンからなるグループから選択すること
ができる。
【0017】さらに、前記アジドポリマ−はGA(グリ
シジルアジド)、BAMO(3,3−ビス(アジドメチ
ル)オキセタン)モノマー,及びAMMO(アジドメチ
ルメチルオキセタン)モノマーからなるグループから選
択されたモノマーを有するホモポリマー及びコポリマー
の少なくともいずれか一方を含むことが望ましい。
【0018】前記可塑剤はTMETN(トリメチロール
エタントリニトレイト)、BTTN(ブタントリオール
トリニトレイト)、NG(ニトログリセリン)、BDN
PA/F(ビス(2,2−ジニトロプロピル)アセター
ル/ホルマール)、グリシジルアジド、及びATEC
(アセチルトリエチルシトレ−ト)からなるグループか
ら選択されたものであることが望ましい。
【0019】前記安定剤はエチルセントラライト、DP
A(ジフェニルアミン)及びレゾシノールからなるグル
ープから選択することが可能である。前記推進剤は、約
70重量%のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリア
ジン)と、約5から約15重量%のCA(セルロ−スア
セテ−ト)と約5から約15重量%のGAP(グリシジ
ルアジドポリマ−)及びATEC(アセチルエチルシト
レイト)のいずれか一方とを含むことができる。
【0020】前記推進剤は、約70重量%のRDX(ヘ
キサハイドロトリニトロトリアジン)と、約5から約1
5重量%のCA(セルロ−スアセテ−ト)と約5から約
15重量%のTMETN(トリメチロールエタントリニ
トレイト)、及び約2%を越えないエチルセントラライ
トを含むことが可能である。
【0021】前記推進ガスと前記加圧媒質とを合わせた
出力ガス中に含まれる酸素は、モルベースで約20%未
満であることが望ましい。前記加圧媒質の圧力は約20
00psiから約7000psiであることが望まし
い。前記加圧媒質はその漏れの検出を行うために更にヘ
リウムを含むことができる。ヘリウムの含有率はモルベ
ースで好ましくは約0.5%から約10%であり、最適
にはモルベースで約1%から約5%である。
【0022】第三の態様において、本発明は加圧媒質を
含有するインフレータハウジング及び推進剤を含有する
ガス発生器を有する混成インフレータ(以下単にインフ
レータと称する)である。加圧媒質は実質的に不活性流
体及び酸素からなる。ガス発生器ハウジングは前記イン
フレータハウジングに接続され、少なくとも一つのガス
発生器用出口を備えている。推進剤は二次爆薬を備えて
いる。インフレータはインフレータ作動アッセンブリを
備えている。そして、前記加圧媒質が前記インフレータ
ハウジングから放出され、かつ前記インフレータ作動ア
ッセンブリを起爆させることによって、前記推進剤が点
火されて推進ガスを発生する
【0023】本発明の第三の態様における推進剤はバイ
ンダー系を含むことが望ましい。前記二次爆薬はRDX
(ヘキサハイドロトリニトロトリアジン)、HMX(シ
クロテトラメチレンテトラニトラミン)、PETN(ペ
ンタエリスリトールテトラニトレイト)及びTAGN
(トリアミノグアニジン ニトレイト)からなるグルー
プから選択されたものであることが望ましい。前記推進
剤は燃焼時に、酸素と反応し得るガス状の燃焼生成物を
発生することが望ましい。更に、前記燃焼生成物は一酸
化炭素及び水素を含むことが望ましい。前記加圧媒質中
に酸素が含まれている場合、その酸素が前記推進剤の燃
焼生成物と化学的に反応することができるからである。
【0024】前記二次爆薬はRDX(ヘキサハイドロト
リニトロトリアジン)からなり、前記バインダー系はC
A(セルロースアセテート)、TMETN(トリメチロ
ールエタントリニトレイト)及びエチルセントラライト
を含むことも可能である。また、前記二次爆薬はRDX
(ヘキサハイドロトリニトロトリアジン)を含み、前記
バインダー系はGAP(グリシジル アジド ポリマ
ー)及びCA(セルロースアセテート)を含むことも可
能である。前記二次爆薬がRDX(ヘキサハイドロトリ
ニトロトリアジン)からなり、前記バインダー系がGA
P(グリシジルアジド ポリマー)及び可塑剤からなる
ことも可能である。前記二次爆薬がRDX(ヘキサハイ
ドロトリニトロトリアジン)からなり、前記推進剤がバ
インダー系を含み、そのバインダー系がセルロースアセ
テート、GAP(グリシジル アジド ポリマー)及び
可塑剤からなる組み合わせも可能である。
【0025】前記推進剤は、4,000ポンド/平方イ
ンチ(27.6MPa)において、1秒当たり約0.1
インチ(0.25cm/秒)から約1インチ(2.5c
m/秒)の範囲の燃焼速度及び、約2,000°Kから
約3,800°Kの範囲の燃焼温度を有し、かつ長期に
わたる熱安定性を備えることが望ましい。
【0026】前記推進剤は約50から約90wt%の二
次爆薬及び約10から約50wt%のバインダー系を含
有していることが可能である。前記推進剤は好ましくは
約60から約80wt%の二次爆薬及び約20から約4
0wt%のバインダー系を含有し、前記推進剤は約70
から80wt%の二次爆薬及び約20から30wt%の
バインダー系を含有していることが更に好ましい。
【0027】前記推進剤は、前記二次爆薬として約70
重量%のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリアジ
ン)を含み、前記バインダー系として約5から約15重
量%のCA(セルロースアセテート)、約5から約15
重量%のTMETN(トリメチロールエタントリニトレ
イト)、及び約2重量%を越えないエチルセントラライ
トを含むことが望ましい。
【0028】前記推進剤は、前記二次爆薬として約70
重量%のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリアジ
ン)を含み、前記バインダー系として約5から約15重
量%のGAP(グリシジル アジド ポリマー)及び約
5から約15重量%のCA(セルロースアセテート)を
含むことも可能である。
【0029】前記加圧媒質はモルベースで約70%から
約90%の前記不活性流体と、約10%から約30%の
酸素とを含むことが好ましい。前記不活性流体はアルゴ
ンであることが好ましい。前記推進剤の燃焼生成物と前
記加圧媒質とからなる総出力ガス中の酸素の含有量は約
20モル%未満であることが望ましい。
【0030】前記インフレータは推進剤に点火するため
のブースタ剤を備えることが望ましい。そのブースタ剤
は89重量%のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリ
アジン)及び11重量%のアルミニウム粉末を含むこと
が望ましい。また、前記ブースタ剤においては、前記R
DX及びアルミニュウム粉を含むブースタ剤の約0.5
から約5.0重量%をヒドロキシプロピルセルロースと
置換することも可能である。
【0031】
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
例を図面に従って説明する。本発明は自動車両の膨張式
安全システム用混成インフレータに関する。即ち、本発
明は蓄積加圧ガス並びにガス及び/又は熱発生用推進剤
の双方を利用するインフレータに関するものである。種
々の混成インフレータがハミルトン(Hamilton)らによ
る米国特許第5,230,531号に開示されている。
【0034】自動車両の膨張式安全システムの一実施例
の全体像を図1に示している。膨張式安全システム10
の主たる部品は検出器14、インフレータ26及びエア
/安全バッグ18である。エア/安全バッグ18の膨張
を必要とする状況(例えば、所定の減速)を検出器14
が感知すると、インフレータ26に信号が伝送され、管
路22を介してインフレータ26からエア/安全バッグ
18へガス又は他の適正な流体が放出される。
【0035】図2に示すインフレータ30は混成インフ
レータであり、図1の膨張式安全システム10において
インフレータ26に替えて使用できる。従って、インフ
レータ30は、適正な時期にエア/安全バッグ18(図
1)に供給される加圧媒質36を有するボトル即ちイン
フレータハウジング34、及び推進剤を供給してエア/
安全バッグ18への流れを増大させる(例えば、加熱し
て加圧媒質36を膨張させ、かつ/或いは更なるガスを
発生させることによって)ガス発生器82を備えてい
る。以下に詳述するように、ガス発生器82に配置され
た推進剤グレイン90の形成にはガンタイプ推進剤(例
えば高温多燃料推進剤)が用いられ、加圧媒質36には
少なくとも一つの不活性ガス(例えばアルゴン)と酸素
との混合物が用いられている。加圧媒質36はモルベー
スで約70%から約92%の不活性ガスと、約8%から
約30%の酸素とを含むことが望ましい。更に好適に
は、モルベースで約79%から約90%のの不活性ガス
と、約10%から約21%の酸素とを含むことが望まし
い。
【0036】インフレータハウジング34とガス発生器
82とは連通され、ガス発生器82はインフレータハウ
ジング34の内側に配置され、インフレータ30に必要
な空間を狭めている。より詳細には、中空のボス66
(例えば直径約1.25インチ(3.18cm))の一
端に中空のディフューザ38が溶接されている。ディフ
ューザ38は複数列の吐出孔40(例えば、各々が直径
約0.100インチ(0.254cm)の80個の吐出
孔40)を有し、インフレータ30からここを介して
「非スラスト出力」を付与し、この吐出孔40に隣接し
てスクリーン58が配置されている。初期にインフレー
タハウジング34内に加圧媒質36を保持すべく、閉鎖
ディスク70がボス66の内部に適切に配置され、ボス
66に溶接されている。ガスの放出が必要な時には、ほ
ぼ円錐形のヘッドを有する発射体50が閉鎖ディスク7
0を貫通するように推進される。より詳細には、発射体
50はバレル54内にて閉鎖ディスク70の凸側に配置
され、膨張式安全システム10(図1)の検出器14か
ら適正な信号を受信すると、イニシエータ46の作動に
よって推進される。当初、着火前に発射体50を適正位
置に保持すべく、リング62が設けられている。
【0037】閉鎖ディスク70及び/又はボス66の端
部にオリフィススリーブ74が溶接されている。オリフ
ィススリーブ74は中空であり、複数のオリフィスポー
ト78(例えば、各々が直径約0.201インチ(0.
511cm)の4つのオリフィスポート78)を有し、
閉鎖ディスク70が発射体50によって破裂させられた
時にインフレータハウジング34の内部とボス66及び
ディフューザ38の内部とを連通する。更に、インフレ
ータハウジング34とガス発生器82との連通を完結す
べく、ガス発生器82、より詳細にはガス発生器ハウジ
ウング86がオリフィススリーブ74に溶接されてい
る。
【0038】ガス発生器ハウジング86は複数の推進剤
グレイン90を含有し、これは点火されるとエア/安全
バッグ18(図1)への流れを増大させるための加熱推
進剤の燃焼生成ガスを供給する。推進剤グレイン90は
推進スリーブ94によってガス発生器ハウジング86の
内部に保持され、この推進スリーブ94はスクリーン1
04及びバッフル100によってガス発生器ハウジング
86の端部96におけるガス発生器用吸入ノズル98か
ら隔離されている。下記のように、推進剤グレイン90
はガンタイプ推進剤から製造可能である。しかし、推進
剤グレイン90はほぼ円筒形であり、一つの孔がその中
央部を貫通している。他の形状の推進剤グレインが適切
なこともあり、少なくとも部分的には使用される推進剤
の製造法に依存している。
【0039】単体の(又は複合体の)ガス発生器用吸入
ノズル98(例えば、直径約0.516インチ(1.3
1cm)の吸入ノズル98)はガス発生器ハウジング8
6の端部96に配置され、通常、閉鎖ディスク70から
離間する方向に向けられている。ガス発生器ハウジング
86はその側壁にて円周方向に間隔をおかれた複数の出
口、即ち吐出ノズル200も有している(例えば、各々
が直径約0.221インチ(0.561cm)である1
「列」の4個の吐出ノズル200)。これら吐出ノズル
200(通常はガス発生器ハウジング86の中間部にあ
る。)の軸位置を変更するのが望ましいこともあるが、
出口に近接した位置によって作用が強化される。更に、
吐出ノズル200の数を変更するのが望ましいこともあ
る。ガス発生器ハウジング86の側壁に吐出ノズル20
0を有し、ガス発生器ハウジング86の端部96に吸入
ノズル98を有するこの構成では、推進剤グレイン90
の燃焼中に吸入ノズル98を介して加圧媒質36がガス
発生器ハウジング86の中に引き込まれ、ガス発生器ハ
ウジング86の内部からの混合ガスが吐出ノズル200
を介してガス発生器ハウジング86から流出する。詳述
すると、ガス発生器ハウジング86の側壁近傍の加圧媒
質36の流れにより圧力差が生じ、これにより加圧媒質
36は吸入ノズル98を介してガス発生器ハウジング8
6の中に引き込まれる。以下に詳述するように、これは
少なくともある種の推進ガスを生成する時にはインフレ
ータ30の性能を大幅に向上させている。
【0040】ガス発生器82は適時に推進剤グレイン9
0を点火するための点火アッセンブリ114を備えてい
る。点火アッセンブリ114は発射体50と推進剤グレ
イン90との間にて、少なくとも部分的にガス発生器ハ
ウジング86内に配置され、通常は作動ピストン12
4、少なくとも一つの撃発雷管120及び活性剤として
の点火/ブースタ剤144を有している。より詳細に
は、作動ガイド140がオリフィススリーブ74の端部
及びガス発生器ハウジング86の内壁に係合し、よって
作動ガイド140はここに配置された作動ピストン12
4の少なくとも一部を含み、かつ作動ピストン124を
案内する機能を少なくとも部分的に果たす。雷管ホルダ
116は作動ガイド140の一端に係合し、点火/ブー
スタ剤144にほぼ隣接して配置された複数の従来型撃
発雷管120を収容している。通例、点火/ブースタ剤
144は装薬カップ148によって撃発雷管120に隣
接して保持されている。点火/ブースタ剤144の好適
例に、89%のRDX、11%のアルミニューム粉末と
いう組成で0.5%のヒドロキシプロピル−セルロース
が添加されたRDXアルミニュームブースタ剤がある。
雷管ホルダ116と推進スリーブ94との間に保持器1
08及びバッフル112が配置されている。ガス発生器
ハウジング86が溶接ではなく圧着によってオリフィス
スリーブ74に取り付けられた場合は、動作中に延びる
性質を帯びることがある。従って、前記部品を確実に相
互作用させるべく、例えば保持器108とバッフル11
2との間に波型ばね座金を配置できる(図示せず)。
【0041】作動ピストン124は作動ガイド140の
内部に摺動可能に配置され、実質的に撃発雷管120に
配列された一つの連続的突出リム128を備えている。
理解されようが、ほぼ連続した一つの突出リム128に
替えて複数の突出部材(図示せず)を用いることもでき
る。皿座金136が(スペーサ126を介して)作動ガ
イド140及び作動ピストン124の間に配置され、か
つこれら双方の一部に係合し、当初は作動ピストン12
4の位置を撃発雷管120から離した状態に維持する。
その結果、作動ピストン124が撃発雷管120に誤っ
て係合し、ガス発生器82を作動させる可能性は低下す
る。しかし、発射体50が閉鎖ディスク70を通過した
後では、発射体50により作動ピストン124に伝達さ
れたエネルギーは皿座金136を圧倒するのに充分なも
のであり、突出リム128は少なくとも一つの撃発雷管
120を点火するだけの力を備えて撃発雷管120に係
合できる。次に、これにより点火/ブースタ剤144の
点火が生じ、推進剤グレイン90が点火する。
【0042】ガス発生器82の動作中、撃発雷管120
が腐食し、推進剤グレイン90の燃焼によって発生した
推進ガスが撃発雷管120の中を流れることを許容する
こともある。このような推進剤のガス漏れはインフレー
タ30の性能の一貫性に悪影響を与えることもある。し
かし、こうしたガスは望ましくは作動ピストン124に
作用し、これを移動させて作動ガイド140に密閉状に
係合させる。これにより、実質上如何なるガス漏れも制
限するガス発生器ハウジング86用シールが得られる。
従って、推進ガスはガス発生器用吸入ノズル98の中を
好適に流れる。
【0043】インフレータ30の作動を要約すると、検
出器14(図1)がイニシエータ46に信号を伝送し、
発射体50を推進する。発射体50はまず閉鎖ディスク
70を通過し、インフレータハウジング34とエア/安
全バッグ18との間の通路を開放する(図1)。発射体
50は前進し続けて最後には作動ピストン124に衝突
し、作動ピストン124に取り付けられた突出リム12
8が少なくとも一つの配列撃発雷管120に衝突する。
この結果、点火/ブースタ剤144が点火し、次に推進
剤グレイン90が点火される。ガス発生器ハウジング8
6の中の推進剤グレイン90の燃焼中、インフレータハ
ウジング34からの加圧媒質36がガス発生器ハウジン
グ86の端部96に配置された吸入ノズル98を介して
ガス発生器ハウジング86の中に引き込まれる。これは
ガス発生器ハウジング86の側壁近傍にあって圧力差を
生成する加圧媒質36の流れから生じる。この加圧媒質
36の「引込み」によりガス発生器ハウジング86内で
の推進ガスと加圧媒質36との混合が促進される。以下
に詳述するように、これは加圧媒質36に酸素が含有さ
れていて、一酸化炭素及び水素の含有量が多い推進ガス
と反応する時に特に望ましい。しかし、このガスはガス
発生器ハウジング86の側壁上の吐出ノズル200を介
してガス発生器ハウジング86から排出される。こうし
て、加圧媒質36とガス発生器ハウジング86からの燃
焼生成物とを混合することによって、エア/安全バッグ
18への流れは好適に増大する(図1)。
【0044】上記のように、混成インフレータ30は推
進剤グレイン90のために、ガンタイプ推進剤及び加圧
媒質36用の少なくとも一つの不活性ガスと酸素との混
合物を用いることができる。ここで用いるガンタイプ推
進剤はシングルベース、ダブルベース又はトリプルベー
ス推進剤のような高温多燃料推進剤並びにLOVA又は
HELOVA推進剤のようなニトラミン推進剤である。
より詳細には、従来のガンタイプ推進剤は約2,500
〜3,800°Kの範囲であって、通常は約3,000
°K以上の燃焼温度を有する推進剤であり、過剰の酸素
が存在しないと大量のCO及びH2を発生させるという
点において多燃料性である。通常、これらの推進剤から
の燃料の過剰分を反応させてCO2及びH2Oを得るに
は、5〜25モル%又は時には15〜40モル%の酸素
を高圧ガスに付加する必要がある。
【0045】混成インフレータ30の推進剤グレイン9
0に使用され得る、ある特定の「従来型」ガンタイプ推
進剤に、HPC−96がある。これは重量パーセントに
して約13.25%が窒素からなる約76.6%のニト
ロセルロース、約20.0%のニトログリセリン、約
0.6%のエチルセントラライト、約1.5%の硝酸バ
リウム、約0.9%の硝酸カリウム及び約0.4%の黒
鉛という組成であり、ダブルベース無煙推進剤である。
HPC−96は米国デラウェア州ウィルミントン(Wilm
ington)在のヘラクレス社(Hercules, Inc.)において
入手できる。このダブルベース推進剤は主成分としてニ
トロセルロースを含有するため、所望の弾道特性を生み
出すものの、現行の自動車産業界の長期的耐熱性の基準
を満たすことはできない。
【0046】LOVA推進剤(低脆弱性弾薬)及びHE
LOVA推進剤(高エネルギー、低脆弱性弾薬)も推進
剤グレイン90に使用可能な別の「従来型」ガンタイプ
推進剤である。これには重量パーセントにして約76.
0%のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリアジ
ン)、約12.0%の酢酸酪酸セルロース、約4.0%
のニトロセルロース(12.6%の窒素)、約7.60
%のクエン酸アセチルトリエチル及び約0.4%のエチ
ルセントラライトの組成からなるM39LOVA推進剤
がある。M39 LOVA推進剤は米国メリーランド州
インディアンヘッド在の海軍海戦センター(The Naval
Surface Warfare Center)及び欧州(スウェーデン)の
ボフォール(Bofors)において入手でき、過剰の酸素が
存在しないと約32モルパーセントのCO及び30モル
パーセントのH2を発生させる。LOVA及びHELO
VA推進剤は既存のダブルベース推進剤より好ましい。
それは、後者は現行の米国自動車産業界の耐熱性基準に
合格していないが、前者は合格しているためである。し
かし、LOVA及びHELOVA推進剤を安定燃焼させ
るには、比較的高い動作圧を必要とする。HPC−96
及びLOVA推進剤の特性にも関わらず、HPC−96
及びLOVA推進剤は本発明の原理/特徴の少なくとも
幾つかの点を例示するのに役立っている。
【0047】推進剤グレイン90の形成として使用され
る時のガンタイプ推進剤の性能特性に起因し、加圧媒質
36の一部として酸素が使用されることと相まって、例
えば本特許出願の譲受人から入手可能な20〜30gの
FN 1061−10を用いる現在の設計に比較して、
ガス発生器82に必要な推進剤の量を低減することが可
能である(FN 1061−10の組成は重量パーセン
トにして約7.93%のポリ塩化ビニール、7.17%
のアジピン酸ジオクチル、0.05%のカーボンブラッ
ク、0.35%の安定剤、8.5%のシュウ酸ナトリウ
ム、75%の過塩素酸カリウム及び約1%のレシチンで
ある。)。例えば、推進剤グレイン90の形成として使
用可能なガンタイプ推進剤では、通常、総粒重量は約1
0〜12gの範囲であり(助手席側で用いる場合)、好
ましくは約15g未満である。この場合、約150〜1
90gの加圧媒質36を、モルベースで加圧媒質36の
約10〜30%の酸素とともに使用することが好まし
い。より詳細には、約169gの加圧媒質36を、モル
パーセントベースで加圧媒質36の約15%の酸素とと
もに使用する時、推進剤グレイン90の総重量は約1
0.4gである。運転席側にて用いる場合、推進剤グレ
イン90の所望/必要量は約5gであり、サイドインフ
レータに用いる場合には約1.5gである。
【0048】上記のFN 1061−10推進剤の組成
と比較しての上記のガンタイプ推進剤の量の低減は、推
進剤グレイン90の総重量に対する加圧媒質36の重量
比として表すこともできる。現在、FN 1061−1
0推進剤については、本特許出願の譲受人はFN 10
61−10推進剤の重量に対してアルゴン(即ち、高圧
ガスであり、本発明に関連する加圧媒質36に相当す
る)の重量で約7.04の比率を用いている。ガンタイ
プ推進剤の使用については、FN 1061−10を用
いるインフレータと同一の出力、重量及び寸法を有する
インフレータを得るべく、推進剤グレイン90の総重量
に対する加圧媒質36の重量比は約10〜20、より好
適には約14〜18、最適には約15以上である。理解
されようが、より高温の推進剤を用いることでこれらの
比率を更に増加でき、必要な推進剤の量がより低減す
る。この点において、ガンタイプ推進剤の出力ガスには
高温粒状物質が本質的に存在しないため、インフレータ
は現在の最新型混成インフレータのような粒子負荷型イ
ンフレータよりも高温で出力ガスを生成できる。この温
度上昇により、高温ガスは相対的に膨張性であるため、
インフレータはより小さく、より軽くなる。前記に加
え、インフレータの構造上の寸法及び重量はガンタイプ
推進剤を使用する時には概して低減できる。例えば、イ
ンフレータにおいてガンタイプ推進剤に対して7.04
の比率を用いた時でも、同率のFN 1061−10を
用いた場合と同じ出力が得られるが、ガンタイプ推進剤
を有するインフレータはFN 1061−10を用いた
インフレータより更に約50%軽く、かつ小さい。7.
04という比率は運転席側で用いた場合もサイドインフ
レータで用いた場合でも、上記のように等しく好適に用
いることができる。
【0049】上記のFN 1061−10推進剤の組成
と比較して上記のガンタイプ推進剤の量が低減されたこ
とは、推進剤グレイン90の総重量に対する総ガス出力
(即ち、推進ガスと加圧媒質36との混合物)のグラム
モル数の比率として表すこともできる。現在、FN 1
061−10推進剤については、本特許出願の譲受人は
推進剤の重量に対する出力ガスのモル数については推進
剤1g当り約0.192gモルという比率を用いてい
る。これとは対照的に、通常、同一の出力、重量及び寸
法のインフレータ用のガンタイプ推進剤の場合、推進剤
グレイン90の総重量に対する出力ガスのモル数の比率
は推進剤1g当り約0.35〜0.6gモル、より好適
には約0.4〜0.5gモル、最適には約0.5gモル
である。上記したように、ガンタイプ推進剤を用い、更
には推進剤1g当り0.192gモルという比率を用い
る混成インフレータでは、インフレータの出力はFN
1061−10を使用する混成インフレータと同じであ
るが、ガンタイプ推進剤式インフレータの重量及び寸法
は約50%低減している。
【0050】加圧媒質36に複数のガスを使用すること
で、推進剤グレイン90に少なくともガンタイプ推進剤
の形成が使用され得る。通常、加圧媒質36は少なくと
も一つの不活性ガス及び酸素からなっている。適正な不
活性ガスにはアルゴン、窒素、ヘリウム及びネオンがあ
り、この中でもアルゴンが好ましい。加圧媒質36の酸
素部分は多機能性である。当初、推進剤グレイン90の
ガンタイプ推進剤のガス状燃焼生成物と酸素が反応する
ことで、不活性ガスが膨張する原因となる熱源が得られ
る。これにより、ガス発生器82に必要な推進剤の量を
少なくとも部分的に低減できる。更に、酸素と推進剤燃
焼生成物との反応により推進ガスの現存する毒性レベル
を許容レベルに低減している。例えば、酸素は好適には
現存する一酸化炭素の相当部分を二酸化炭素に(例え
ば、COの少なくとも約85%をCO2に)、現存する
水素を水蒸気に(例えば、H2の少なくとも約80%を
2Oに)変換し、相当部分の未燃炭化水素も同様にし
て除去される(例えば、炭化水素の少なくとも75%を
除去)。こうして、ガス発生器82の性能は上記のよう
に大幅に向上している。即ち、酸素を含有する加圧媒質
36は側壁に吐出ノズル200を有するガス発生器ハウ
ジング86の側壁近傍の加圧媒質36の流れによって生
成される圧力差によって、ガス発生器ハウジング86の
端部96における吸入ノズル98を介してガス発生器ハ
ウジング86の中に引き込まれる。その結果、加圧媒質
36とガス生成源のCO及び水素に富む燃焼生成物とが
混合され、ガス生成源の総燃焼効率、ガス生成源の燃焼
生成物と酸素に富む加圧媒質36との混合及び推進剤グ
レイン90の燃焼率が顕著に向上している。そして、ガ
ス発生器ハウジング86の側壁上の吐出ノズル200か
らガスが引き出される。こうして、ガス発生器ハウジン
グ86の上記構成によりインフレータ30の性能が大幅
に向上している(例えば、酸素と推進ガスとを迅速かつ
効率的に混合するようにして)。
【0051】通常、少なくとも一つの不活性ガスの量は
モルベースで約70〜90%であり、酸素量はモルベー
スで約10〜30%である。一般に、理論上の変換に基
づく量を上回る酸素量を用いることが望ましい。しか
し、通常、出力ガス(即ち、推進ガスと加圧媒質との混
合物)の中に約20%(モル)以上の酸素を含有しない
ことも望ましい。
【0052】インフレータ30は以下のようにして組み
立てられる。まず、ガス発生器82が以下のように組み
立てられる。1)吐出し端部96に隣接するようにガス
発生器ハウジング86にバッフル100及びスクリーン
104を挿着し、2)推進スリーブ94をガス発生器ハ
ウジング86に挿着し、3)推進剤グレイン90を推進
スリーブ94内に配置し、4)ガス発生器82の吐出し
端部96の反対方向にて推進スリーブ94の端部に隣接
するようにガス発生器ハウジング86にバッフル112
及び保持器108を挿着し、5)ガス発生器ハウジング
86に点火/ブースタ剤144及び装薬カップ148と
ともに雷管ホルダ116を挿着し、6)作動ガイド14
0、皿座金136及び作動ピストン124をガス発生器
ハウジング86に挿着する。この後、各種部品が次のよ
うに相互連結される。ガス発生器ハウジング86をオリ
フィススリーブ74に溶接し、発射体50及びイニシエ
ータ46をディフューザ38に配置した後に、このディ
フューザ38をボス66に溶接し、このボス66とオリ
フィススリーブ74との間に閉鎖ディスク70を溶接
し、ボス66をインフレータハウジング34に溶接す
る。上記の構造を確保してインフレータハウジング34
の中に加圧媒質36を導入できる。この点において、複
数のガスの場合、アルゴンと酸素とはインフレータハウ
ジング34の端部に溶接されたエンドプラグ42を介し
てインフレータハウジング34の中に別々に導入でき
(例えば、まずアルゴン及び/又は他の不活性ガスを導
入し、次に酸素を導入するか、或いはこの逆でもよ
い。)、或いは予混合した状態でも導入できる。
【0053】以下の例はガンタイプ推進剤を混成インフ
レータにおいて使用することに関連した種々の特徴を記
載するのに更に役立っている。 例1:総重量18gの推進剤グレイン90を形成するの
に上記のHPC−96推進剤を用いた。各推進剤グレイ
ン90は図2に概略的に示した形状を呈し、長さ又は厚
さが約0.52インチ(1.32cm)、外径が約0.
29インチ(0.737cm)、薬厚が約0.105イ
ンチ(0.267cm)(推進剤グレイン90の内径と
外径との差の1/2)であった。更に、HPC−96推
進剤は空気下にて点火されると以下の特性を示した。運
動力が363,493ft−lbs/lb、爆発熱が
1,062カロリー/g、TV が3,490°K、ガス
の分子量が26.7g/モル、特定の熱比率が1.21
96、固相密度が1.65g/cm3であった。通常の
組成の理論上の計算に基づき、大気圧まで膨張したガン
圧力での燃焼を想定したガスの組成は、モルパーセント
ベースで約26.5%の一酸化炭素、約19.1%の
水、約26.2%の二酸化炭素、約13.7%の窒素、
約14.2%の水素及び約0.3%の他のガスであっ
た。
【0054】HPC−96の推進剤グレイン90は工業
規格のタリアニ(Taliani )耐熱性試験で120℃の温
度に晒されると、約40分以内で変色し始め、約5時間
以内で点火した。このことにより推進剤グレイン90に
HPC−96推進剤を用いる妥当性は減じる。それは、
膨張式安全システム用推進剤が400時間、107℃の
温度に晒された時にそれほど劣化せず、この後、自動点
火温度に晒された時に点火するようにと現行の一つの工
業規格で規定されているためである。しかし、HPC−
96推進剤は本発明のある種の原理を示すため、本明細
書中に記載されている。
【0055】HPC−96推進剤グレイン90について
は、約169gの加圧媒質36がインフレータハウジン
グ34に備えられ、モルパーセントベースで約5%の酸
素及び約95%のアルゴンから構成された。インフレー
タ30はオリフィススリーブ74上に4つのオリフィス
ポート78を備え、その各々の直径は約0.676cm
(0.266インチ)であり、ガス発生器用吸入ノズル
98の直径は約1.191cm(0.469インチ)で
あった。ガス発生器ハウジング86の側壁に吐出ノズル
200は設けられなかった。こうして、作動中にはガス
発生器82の中に加圧媒質36は引き込まれず、全ての
吐出しは吸入ノズル98を介して行われた。
【0056】インフレータ30の作動中におけるインフ
レータハウジング34の内部の圧力変動は図3に示すよ
うな変動であった。インフレータ30と連通された10
0リットルタンクの内部圧力は図4に示すような圧力で
あり、エア/安全バッグ18内の圧力上昇を概略的に表
している。インフレータ30からのガス出力は重量パー
セントベースで約1.2%の一酸化炭素、約1.5%の
二酸化炭素、約2%以上の水素及び約60ppmのNO
X を含有した。従って、前記の割合の酸素及びアルゴン
を使用することにより、上記のHPC−96推進剤の理
論上のガス出力に比較し、一酸化炭素及び水素の量を大
幅に低減した。この例においては、放射状孔を用いず、
唯一つのガス発生器用出口を用いた。
【0057】例2:例1の工程を反復した。しかし、推
進剤グレイン90には10.4gのHPC−96推進剤
を用い、モルパーセントベースで約15%の酸素及び約
85%のアルゴンという組成の約164.4gの加圧媒
質36を用いた。インフレータ30がこれらの推進剤グ
レイン90とともに作動させられた時の性能曲線を図
3,4に示している。インフレータ30は例1で考察し
たような形状とした。更に、インフレータ30からのガ
ス状出力はモルパーセントベースで約2.4%の二酸化
炭素、約1,000ppmの一酸化炭素、約70ppm
のNOX 、約38ppmのNO2 及び約0ppmの水素
を含有した。従って、例1の5%から15%に酸素量を
増加したことによりNO及びNO2が それほど増加する
ことなく一酸化炭素量が大幅に減少した。更に、このこ
とにより推進剤の使用量も大幅に低減した。
【0058】例3:10.4gのHPC−96並びにモ
ルパーセントベースで約15%の酸素及び約85%のア
ルゴンという組成の169.0gの加圧媒質36を用
い、例1の工程を2回反復した。インフレータ30の性
能曲線は図3,4と同様であり、インフレータ30は例
1で考察したような形状とした。更に、インフレータ3
0からのガス状出力はそれぞれ約1,000ppm、8
00ppmの一酸化炭素、約1.0%、1.2%の二酸
化炭素、約60ppm、50ppmのNOX 、約23p
pm、20ppmのNO2を含有した。従って、15%
に酸素量を増加し、HPC−96の量を低減したとによ
り、NO及びNO2にそれほど影響を与えることなく一
酸化炭素量が低減した。更に、酸素量の増加により推進
剤の使用量が低減した。
【0059】上記のように、本例においては、現存する
二つの「従来型」ガンタイプ推進剤が当初考慮された。
即ち、従来のダブルベースガン推進剤及び低脆弱性ニト
ラミン(LOVA)ガン推進剤である。従来のダブルベ
ースガン推進剤では想定通りにシステムが機能するが、
長期的貯蔵に対する産業基準には合格しない(例えば、
107℃にて400時間)。LOVAガン推進剤では、
高圧(例えば、9,000psi以上)で推進剤を燃焼
しなければシステム性能が不十分であると判明し、これ
では設計上の重量、コスト及び複雑性が増すことにな
る。通常、インフレータ30に用いる動作圧は僅かに約
4,000psiが望ましい。こうした条件下では本例
にふさわしい推進剤は現存しないため、新種の推進剤を
構成する新規の推進剤の形成法が開発された。即ち、ダ
ブルベース推進剤の弾道特性(低圧での点火及び燃焼に
優れる)とニトラミンLOVA推進剤の貯蔵特性(10
7℃にて400時間の貯蔵後の性能に優れる)とを組み
合わせた推進剤である。この種の推進剤は混成推進剤と
呼ばれている。
【0060】耐熱性ガンタイプ推進剤はHPC−96の
ようなニトロセルロースベースの推進剤とは異なり、推
進剤グレイン90の形成として使用されるとLOVA推
進剤の場合には二次爆薬、即ちニトラミン(RDX)を
含有している。推進剤グレイン90の形成に用いるのに
適切な他の二次爆薬には他のニトラミン、即ちHMX
(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)があり、P
ETN(ペンタエリスリトールテトラニトレイト)及び
TAGN(トリアミノグアニジンニトレイト)もある。
次の表1はRDX、HMX及びPETN二次爆薬の燃焼
特性を示している。
【0061】
【表1】 通常、ある種の弾道特性と長期的耐熱性とを所望のよう
に合体すべく(例えば、ダブルベース推進剤の弾道特性
並びにLOVA推進剤の長期的老化特性又は長期的熱安
定性を得るべく)、推進剤グレイン90の形成として二
次爆薬がバインダー系に化合される(上記のような「混
成推進剤」)。ここで用いる「バインダー系」という用
語は推進剤の物理特性、化学特性及び/又は弾道特性を
変性させるのに有用であり、かつ推進剤に添加される一
つ又は複数の化合物をいう。有用なバインダー系には結
合剤、可塑剤、安定剤、乳白剤及びこれらの化合物から
なるグループから選択された推進添加剤を組み込むバイ
ンダー系がある。
【0062】混成インフレータ30での推進剤グレイン
90用の混成推進剤は優れた弾道特性(即ち、比較的低
い動作圧での燃焼率及び燃焼温度)を示し、妥当な長期
的安定性(例えば、長期的耐熱性を評価する業界試験の
一つに400時間、107℃の温度に(点火せず)耐え
る統計上充分な数のサンプルというものがある。)を示
す。別の試験に許容範囲を超えた性能の低下(通常、こ
れは顧客によって設定/明示される)が生じることな
く、400時間、100℃の温度に耐えるインフレータ
30というものがある。より詳細には、混成推進剤から
形成された推進剤グレイン90は約2,000〜3,8
00°Kの燃焼温度、約0.1〜1インチ/sec
(0.25〜2.5cm/sec)の速度、約4,00
0psi(27.6MPa)以下の動作圧(ガス発生器
ハウジング86内の圧力)で燃焼する。より好適には、
混成推進剤から形成された推進剤グレイン90は約2,
000〜3,800°Kの燃焼温度、約0.3〜0.5
インチ/sec(0.76〜1.26cm/sec)の
速度、約4,000psi(27.6MPa)以下の動
作圧で燃焼する。
【0063】通常、混成推進剤の形成には約50〜90
wt%の二次爆薬及び約10〜50wt%のバインダー
系が含有されている。より一般的には、これらの推進剤
の形成には約60〜80wt%の二次爆薬及び約20〜
40wt%のバインダー系が含有されている。好ましく
は、推進剤の形成には約70〜80wt%の特定の二次
爆薬及び約20〜30wt%のバインダー系が含有され
ている。これら推進剤の組成には他の添加物及び不可避
の不純物も微量(即ち、約5wt%以下の組成量)で存
在し得る。
【0064】通常、樹脂性結合剤が推進剤グレイン90
用の混成推進剤の形成のためのバインダー系の一部とな
る。普通の溶剤(即ち、アセトン、低級アルコール等)
に対して可溶性の結合剤であれば如何なる種類のもので
も大体使用できる。しかし、一般的に結合剤は活性化合
物であることが望ましい。即ち、結合剤は上記の所望燃
焼温度及び動作圧で容易に燃焼することが望ましい。更
に、可塑剤とともに用いる時は、当然ながら結合剤はこ
の可塑剤に対して融和性であることが望ましい。推進剤
の組成に用いるのに好適な典型的な結合剤にはCA(酢
酸セルロース)、CAB(酢酸酪酸セルロース)、EC
(エチルセルロース)、PVA(ポリ酢酸ビニル)、C
AP(セルロースアセテートプロピオレート)、アジド
ポリマー、ポリブタジエン、水素化ブタジエン及びポリ
ウレタン、並びにそれらの混合物があるが、これらに限
定されるものではない。アジドポリマ−はGA(グリシ
ジルアジド)モノマー、BAMO(3,3−ビス(アジ
ドメチル)オキセタン)モノマー,AMMO(アジドメ
チルメチルオキセタン)モノマーからなるグループから
選択されたモノマーを有するホモポリマー及びコポリマ
ーの少なくともいずれか一方を含む。更に、結合剤要素
としてGAP(活性グリシジルアジドポリマー)を用
い、これはCAよりも実質的に勢いよく燃焼する。こう
すると結合剤としてGAPのみを二次爆薬とともに使用
するのが望ましいと言える。しかし、GAPとCAとの
現在の著しいコスト差に起因し、混成推進剤の形成には
GAP及びCAの双方の要素が含まれる。推進剤グレイ
ン90用の混成推進剤の形成のためのバインダー系の一
部として可塑剤も使用できる。上記のように、可塑剤は
結合剤に対して融和性であるようにする。更に、一般的
に押出成形可能なバインダー系を用いることが望まし
い。更に、少なくともある種の二次爆薬(例えばニトラ
ミン)には活性可塑剤、即ち上記の動作温度及び動作圧
力内にて安定燃焼可能な可塑剤を用いることが望まし
い。有用な活性可塑剤にはTMETN(トリメチロール
エタントリニトレイト)、BTTN(ブタントリオール
トリニトレイト)、及びTEGDN(トリエチレングリ
コールジニトレイト)のような硝酸エステル可塑剤、グ
リシジルアジド可塑剤並びにNG(ニトログリセリン)
及びBDNPA/F(ビス(2,2- ジニトロプロピ
ル)アセタール/ホルマール),ATEC(アセチルト
リエチルシトレート)のような他の化合物があるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0065】推進剤グレイン90用の混成推進剤の形成
のためのバインダー系に安定剤を含有させることもでき
る。例えば、上記の硝酸エステル可塑剤のようなある種
の結合剤及び/又は可塑剤はある温度に晒されると分解
し、推進剤グレイン90の点火に影響を与える可能性が
ある(即ち、ある温度に晒されると硝酸エステル可塑剤
は点火が起こる程度にまで熱分解する)。従って、混成
推進剤の形成に安定剤が含まれ、熱分解する結合剤及び
/又は可塑剤と「反応」し、安定性を維持し(例えば、
推進剤の過早点火の危険性を低減する)、混成推進剤の
形成の長期的安定性を向上させる。例えば、硝酸エステ
ルの場合、推進剤の形成に有用な安定剤には活性剤であ
りながら硝酸受容体である安定剤がある。適正な安定剤
にはエチルセントラライト(シム(sym)-ジエチルジフェ
ニルウレア)、DPA(ジフェニルアミン)及びレゾシ
ノールがあるが、これらに限定されるものではない。
【0066】所望の弾道特性を有し、好適な長期的安定
性を充分に示した混成推進剤の形成の一つに、ニトラミ
ン二次爆薬のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリア
ジン)と、結合剤のCA(酢酸セルロース)、可塑剤の
TMETN(トリメチロールエタントリニトレイト)及
び安定剤のEC(エチルセントラライト)との化合があ
る。通常、この混成推進剤の形成は少なくとも約70w
t%のRDX、約5〜15wt%のCA、約5〜15w
t%のTMETN及び僅かに約2wt%のECからなっ
ている。これらの概略的相対量により混成推進剤のため
の所望弾道特性及び長期的老化特性が得られている。し
かし、推進剤グレイン90がこの形成から押出成形によ
って形成されるのであれば、上記数値範囲内の相対量を
精錬することが必要であると理解されよう。
【0067】また、推進剤を、少なくとも約70重量%
のRDX(ヘキサハイドロトリニトロトリアジン)と、
約5から約15重量%のCA(セルロ−スアセテ−ト)
と約5から約15重量%のGAP(グリシジルアジドポ
リマ−)及びATEC(アセチルエチルシトレイト)の
いずれか一方とから形成することも可能である。一般
に、バインダー系として、結合剤、可塑剤及び安定剤の
混合物を用いる場合、各薬剤の混合割合は、約5重量%
から30重量%、0重量%から20重量%及び0重量%
から5重量%であることが望ましい。
【0068】所望の衝撃特性を備え、かつ適切な長期安
定性を備えた別の混成推進剤はニトラミン二次爆薬RD
Xと、結合剤としてのCA及びGAP(グリジルアジド
ポリマー)を含むバインダー系と、適切な可塑剤(例え
ばGAP可塑剤、TMETN、ATEC及びこれらの組
合せ)とを有している。一般的に、この混成推進剤は少
なくとも約70wt%、一般的には約70〜80wt%
のRDXと、約5〜15wt%のCAと、約5〜15w
t%のGAPと、約5〜15wt%の可塑剤とを有して
いる。これらの相対量は混成推進剤に対して所望の衝撃
特性及び長期的老化特性(Long-term aging propertie
s)を付与する。しかし、推進剤グレイン90をこの混
成推進剤から押出し成形により形成する場合、前記の範
囲内における相対量の調整を必要とし得る。前記のダブ
ルベース推進剤及びLOVA推進剤を含む混成推進剤の
場合、大量の一酸化炭素及び水素が燃焼時に形成される
(例えば35%のCO及び19%のH2が燃焼時に形成
される)。インフレータ用推進剤の燃焼による一酸化炭
素及び水素ガスの形成は、自動車両の膨脹式安全システ
ムにおいて一般的に許容されるものではない。しかし、
これらの種類の混成推進剤を混成インフレータ30内に
使用する場合、一酸化炭素及び水素のほぼ全量(例えば
95%)が燃焼時または燃焼後の反応の一環として無害
な二酸化炭素及び水蒸気に変換されるように加圧媒質3
6は酸素を含む。高圧酸素を使用することにより酸素源
(例えば過塩素酸カリウム)を混成推進剤に含める必要
性が排除されるため、高圧酸素の使用は特に望ましい。
更に、推進剤から形成された燃焼ガス及び高圧酸素の間
に生じる高発熱反応は、推進剤の発熱量を増加させ、こ
れによってエア/安全バッグを膨脹させるために必要な
推進剤の量を最低限に抑えるため、同高発熱反応は特に
好ましい。
【0069】混成推進剤は推進剤グレイン90として形
成され、かつ混成インフレータ30内に挿入される場
合、前記のガンタイプ推進剤において示した特定量にて
使用可能であって、かつ推進剤グレイン90及び加圧媒
質36の相対量に関する前記の特徴を特に含み得る。更
に、加圧媒質36に使用する酸素及び一つの不活性ガス
の相対量はここに開示する混成推進剤にも使用可能であ
る。
【0070】以下の例は二次爆薬及びバインダー系を含
む混成推進剤に付随する特性を示す。なお、前にも述べ
たように“Wt%”は重量パーセントを示す。 例4:少なくとも約70wt%のRDX(ヘキサハイド
ロトリニトロトリアジン)、約5〜15wt%のCA
(セルロースアセテート)、約5〜15wt%のTME
TN(トリメチロールエタントリニトレイト)及び約2
wt%以下のエチル セントラライトを含む混成推進剤
組成物が調製され、同推進剤組成物は約1.7132g
/ccの平均密度を有する円柱状グレインとして形成さ
れた。10gの試料を厚壁を備えた爆弾室内に挿入し、
かつタンク内に向けて爆発させた。同試料は4,000
psi(27.6MPa)において約2,578°Kの
燃焼温度を有し、かつ許容し得る衝撃特性(即ち、0.
47インチ/秒(1.18cm/秒))を示した。これ
に関する性能曲線は一般的に図3及び図4に示す曲線と
ほぼ一致していた。形成されたガスは約36%の一酸化
炭素、約24%の窒素、約19%の水素、約16%の水
蒸気及び約5%の二酸化炭素を有していた。混成推進剤
組成物の長期的熱安定性に関する評価を実施し、その結
果として同組成物の長期的熱安定性が許容範囲内に含ま
れることが確認された(例えば、推進剤を400時間に
わたって107℃の温度に曝したが同推進剤は発火しな
かった。また、推進剤を混成インフレータ内において、
400時間にわたって107℃の温度に曝したが同推進
剤は発火しなかった。その後、推進剤を活性化したがイ
ンフレータの性能は熱処理による影響を実質的に受けな
かった)。
【0071】例5:少なくとも約70wt%のRDX
(ヘキサハイドロトリニトロトリアジン)、約5〜15
wt%のセルロースアセテート、及び約5〜15wt%
のGAP(グリジル アジド ポリマー)を含む混成推
進剤組成物が調製され、同推進剤組成物は約1.685
7g/ccの平均密度を有する円柱状グレインとして形
成された。10gの試料を厚壁を備えた爆弾室内に挿入
し、かつタンク内に向けて爆発させた。試料は4,00
0psi(27.6MPa)において約2,357°K
の燃焼温度を有し、かつ許容し得る衝撃特性(即ち、
0.48インチ/秒(1.18cm/秒))を示した。
これに関する性能曲線は一般的に図3及び図4に示す曲
線とほぼ一致していた。形成されたガスは約37%の一
酸化炭素、約25%の水素、約25%の窒素、約10%
の水蒸気及び約3%の二酸化炭素を有していた。混成推
進剤組成物の長期的熱安定性に関する評価を実施し、そ
の結果として同組成物の長期的熱安定性が許容範囲内に
含まれることが確認された(例えば、推進剤を400時
間にわたって107℃の温度に曝したが同推進剤は発火
しなかった。また、推進剤を混成インフレータ内におい
て、400時間にわたって107℃の温度に曝したが同
推進剤は発火しなかった。その後、推進剤を活性化した
がインフレータの性能は熱処理による影響を実質的に受
けなかった)。
【0072】本発明のある実施態様あるいは別の実施態
様にて使用される他の推進剤は、ヘキソーゲン(RD
X)1〜99重量部及びオクトーゲン(HMX)99〜
1重量部、さらにRDXとHMXの合計100重量部に
対し、バインダーを5〜50重量部含有している。好ま
しくは、ヘキソーゲン(RDX)80〜95重量部、及
び、オクトーゲン(HMX)20〜5重量部、さらにR
DXとHMXの合計100重量部に対し、バインダーを
5〜50重量部含有する。
【0073】上記の推進剤は本明細書中に記載したハイ
ブリッドインフレータに使用される。ハイブリッドイン
フレータは一般に加圧ガスを含む加圧ガス室、推進剤を
含むガス発生室、点火アッセンブリ、破裂板等により構
成される。加圧ガスは実質的に不活性流体及び酸素から
なる。推進剤は、車両の衝突時に点火アッセンブリによ
って点火されて燃焼し、ガス状の、酸素と反応しうる燃
焼生成物、すなわち、一酸化炭素及び水素を発生する。
一酸化炭素及び水素は加圧ガス中の酸素と反応して二酸
化炭素及び水蒸気を発生すると同時に、そのガス室の圧
力を高める。すると、破裂板が破壊されて、二酸化炭
素、水蒸気及び不活性流体がインフレータの出口からエ
アバッグ18(図1)に供給されて、エアバッグ18
(図1)が膨張する。
【0074】上記の推進剤はヘキソーゲン(RDX)、
オクトーゲン(HMX)及びバインダーより構成され
る。そして、RDX、HMX、及び、バインダーの比率
としては、RDX1〜99重量部に対して、HMX99
〜1重量部、好ましくは,RDX80〜95重量部に対
して、HMX20〜5重量部、そしてRDXとHMXの
合計100重量部に対し、バインダーが5〜50重量部
の比率である。
【0075】本発明で使用出来るバインダーは、特に制
限はないが、ポリウレタン類(PU)、エチルセルロー
ス(EC)、セルロースアセテートブチレート(CA
B)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)
等のセルロース誘導体類、ヒドロキシ末端ポリブタジエ
ン(HTPB)等のポリブタジエン類、硝酸グリシジル
ポリマー(ポリグリン)等のグリシジル酸ポリマー類、
グリシジルアジドポリマー(GAP)等のアジドポリマ
ー類、および3−ナイトレートメチル−3−メチルオキ
シメタンのポリマー(ポリニモ)を含む。これらの中で
は、セルロースアセテートブチレート(CAB)及び/
又はグリシジルアジドポリマー(GAP)が望ましい。
【0076】又、本発明の推進剤は更に、可塑剤、安定
剤、及びこれらの化合物からなるグループから選択され
た添加剤を含んでもよく、可塑剤としては、TMETN
(トリメチロールエタントリニトレイト)、BTTN
(ブタントリオールトリニトレイト)、TEGDN(ト
リエチレングリコールジニトレイト)、グリシジルアジ
ド、NG(ニトログリセリン)、BDNPA/F(ビス
(2,2−ジニトロプロピル)アセタール/ホルマー
ル)及びATEC(アセチルトリエチルシトレート)か
らなるグループから選択されたものであることが好まし
い。
【0077】さらに、上記の推進剤に使用可能な安定剤
としては、例えばエチルセントラライト、ジフェニルア
ミン、レゾシノール、アカルダイト 、アミルアルコー
ル、尿素、及び、石油ゼリー等を使用することができ
る。
【0078】尚、可塑剤の添加量は、RDX、HMX、
及び、バインダーの合計100重量部に対し、0〜30
重量部が好ましい。又、安定剤の添加量は、RDX、H
MX、及び、バインダーの合計100重量部に対し、0
〜5重量部が好ましい。
【0079】又、本発明の推進剤の形態としては、粉体
状、粒状、ペレット状等いずれの形態でも差支えない
が、ペレット状にしたものを使用するのが好ましい。以
下、本発明に使用するのに適したいくつかの組成物の例
を示す。 例6:以下に示す組成の物質を混合してペレットにし、
加圧ガス室、ガス発生室、点火アッセンブリ、及び破裂
板より構成されるハイブリットインフレータに装填し
た。そして、そのハイブリッドインフレータを作動させ
た。その結果、KClからなるスモークは発生しなかっ
た。
【0080】 ヘキソーゲン(RDX) 68重量部 オクトーゲン(HMX) 8重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例7:以下に示す組成の物質を混合してペレットにし、
例6と同様のハイブリットインフレータに装填して、ハ
イブリッドインフレータを作動させた。その結果、スモ
ークは発生しなかった。
【0081】 ヘキソーゲン(RDX) 72重量部 オクトーゲン(HMX) 4重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB及びGAP)の含有量は約32重量部である。 例8:以下に示す組成の物質を混合してペレットにし、
例6と同様のハイブリットインフレータに装填して、ハ
イブリッドインフレータを作動させた。その結果、スモ
ークは発生しなかった。
【0082】 ヘキソーゲン(RDX) 64重量部 オクトーゲン(HMX) 12重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例9:以下に示す組成の物質を混合してペレットにし、
例6と同様のハイブリットインフレータに装填して、ハ
イブリッドインフレータを作動させた。その結果、スモ
ークは発生しなかった。
【0083】 ヘキソーゲン(RDX) 75重量部 オクトーゲン(HMX) 1重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例10:以下に示す組成の物質を混合してペレットに
し、例6と同様のハイブリットインフレータに装填し
て、ハイブリッドインフレータを作動させた。その結
果、スモークは発生しなかった。
【0084】 ヘキソーゲン(RDX) 1重量部 オクトーゲン(HMX) 75重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例11:以下に示す組成の物質をペレットにし、例6と
同様のハイブリットインフレータに装填して、ハイブリ
ッドインフレータを作動させた。その結果、スモークは
発生しなかった。
【0085】 ヘキソーゲン(RDX) 38重量部 オクトーゲン(HMX) 38重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例12:以下に示す組成の物質をペレットにし、例6と
同様のハイブリットインフレータに装填して、ハイブリ
ッドインフレータを作動させた。その結果、スモークは
発生しなかった。
【0086】 ヘキソーゲン(RDX) 68重量部 オクトーゲン(HMX) 8重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 エチルセントラライト 2重量部 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例13:以下に示す組成の物質を混合してペレットに
し、例6と同様のハイブリットインフレータに装填し
て、ハイブリッドインフレータを作動させた。その結
果、スモークは発生しなかった。
【0087】 ヘキソーゲン(RDX) 68重量部 オクトーゲン(HMX) 8重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 トリメチロールエタントリニトレイト 20重量部 (TMETN) 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。 例14:以下に示す組成の物質をペレットにし、例6と
同様のハイブリットインフレータに装填して、ハイブリ
ッドインフレータを作動させた。その結果、スモークは
発生しなかった。
【0088】 ヘキソーゲン(RDX) 68重量部 オクトーゲン(HMX) 8重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB) 12重量部 グリシジルアジドポリマー(GAP) 12重量部 エチルセントラライト 2重量部 トリメチロールエタントリニトレイト 20重量部 (TMETN) 尚、RDX及びHMX100重量部に対するバインダー
(CAB,GAP)の含有量は約32重量部である。
【0089】図5〜図7は図1に示す膨脹式安全システ
ム10に使用可能な混成インフレータの別の実施例を示
している。図5に主に示すように、混成インフレータ2
02は一般的にシリンダー状のガス発生器208と、一
般的にシリンダー状の高圧ガス用ハウジング204とを
有し、高圧ガス用ハウジング204(第三の室)はガス
発生器208の周囲において同ガス発生器208と同一
の中心軸を有するように配置されている。一般的に、高
圧ガス用ハウジング204は適切な加圧媒質を有し、ガ
ス発生器208は適切な推進剤グレイン258を有して
いる。インフレータ202の主な利点は、そのデザイン
が第二の閉鎖ディスク(主閉鎖ディスク)290(第二
の閉鎖ディスク290はインフレータ202及びエア/
安全バッグ18(図1参照)の間の流れを遮断する(図
1参照))に隣接する領域における急速加圧を可能にす
る点であり、これによって形成された流体圧力は第二の
閉鎖ディスク290を開放すべく同閉鎖ディスク290
上に直接作用する。インフレータ202のデザインに関
する別の重要な利点は、推進剤グレイン258の点火及
び燃焼によって形成された推進ガス及び加圧媒質の間の
十分な混合を提供または可能にする点である。この結
果、インフレータ202は前記のガンタイプ推進剤組成
物及混成推進剤組成物のうちの少なくとも一方を複合加
圧媒質(例えば、一つの成分が酸素であって、別の成分
が少なくとも一つの不活性ガスである複合加圧媒質)と
ともに使用することに特に適している。即ち、インフレ
ータ202のデザインは、膨脹式安全システム10(図
1参照)の動作を促進すべく、推進ガス及び推進剤グレ
イン258の点火によって形成されたガス(例えば、以
下に詳述する点火/ブースタ剤240の燃焼によって形
成されたガス)のうちの少なくとも一方が加圧媒質とと
もに効果的に燃焼されることを提供または許容する。こ
の第二の燃焼はエア/安全バッグ(図1参照)へのガス
の流動を開始すべくインフレータ202の急速加圧能力
を増強する。
【0090】ガス発生器208はシリンダー状のガス発
生器ハウジング212を有しており、同ガス発生器ハウ
ジング212は本実施例において第一のハウジング21
6によって形成され、かつ軸方向に沿って第二のハウジ
ング278に結合されている。ガス発生器ハウジング2
12は静的状態においてその内部全体に大量の加圧媒質
を含んでいるため、第一のハウジング216の一端は密
閉シールを形成すべくイニシエータ用アダプター224
に結合されている(例えば溶接部248における溶接に
よる結合)。イニシエータ用アダプター224は適切な
イニシエータ228(例えば、電気式点火管または他の
適切な爆発装置)を有しており、同イニシエータ228
は推進剤グレイン258に対する点火を実行するために
使用される。また、イニシエータ228は、適切なシー
ルを形成すべくオーリング232の内周に沿ってその外
周を係合可能である。イニシエータ228をガス発生器
208内に含まれる加圧媒質から分離するために、第一
の閉鎖ディスク(副閉鎖ディスク)236は溶接部24
8を介して密閉シールを形成すべく第一のハウジング2
16の端部及びイニシエータ用アダプター224の端部
の間に適切に固定されている。
【0091】ガス発生器ハウジング212の第一のハウ
ジング216は、第一の室254を形成している。第一
の室254はイニシエータ228に隣接し、かつ同イニ
シエータ228に対して軸方向に整合するように配置さ
れている。ガス発生器ハウジング212の第一の室25
4は主に推進剤グレイン258を有しており、同推進剤
グレイン258は点火された際にエア/安全バッグ18
(図1参照)へのガスの流れを増加すべく推進ガスを形
成する。この結果、第一の室254は推進剤室または燃
焼室として特徴づけることができる。推進剤グレイン2
58の点火を補助するために、適切な点火/ブースタ剤
240(例えば、89wt%のRDX及び11wt%の
アルミニウム粉末を含むRDX/アルミニウム・ブース
タ剤、または同RDX/アルミニウム・ブースタ剤のう
ちの0.5〜5.0wt%のRDX及びアルミニウムを
0.5〜5.0wt%のヒドロキシプロピルセルロース
と置換したブースタ剤を使用することも可能)をイニシ
エータ228及び推進剤グレイン258の間において、
イニシエータ228からの吐出に対して整合する位置に
配置可能である。以下に詳述するように、点火/ブース
タ剤240の点火によって形成されたガス生成物は、イ
ンフレータ202の急速加圧による流動の開始に関する
特性を更に高めるために加圧媒質と化学的に反応可能で
ある。適切なブースタ・カップ244またはこれに類す
るものは、点火/ブースタ剤240(一般的にパウダー
またはスラリー乾燥体の形態をなす)をその内部に保持
し、かつイニシエータ用アダプター224の端部及び第
一のハウジング216の端部のうちの少なくとも一方に
対して適切に固定可能である(例えば、溶接部248を
介してアダプター224及びハウジング216の間に保
持する)。第一の室254は、第二の室324に向けて
推進ガスを前記のように吐出する一方で、特定の大きさ
の粒状物をその内部に保持すべくスクリーン266また
はこれに類するものを有し得る。なお、インフレータ2
02の高圧ガス用ハウジング204の容量は第二の室3
24の容量よりも大きく設定されている。
【0092】第一の室254は高圧ガス用ハウジング2
04に対して一般的に少なくとも一つの抽気オリフィス
または抽気口262(本実施例中には二つの抽気口が形
成されている)により連通されている。この結果、第一
の室254は静的状態において大量の加圧媒質を含む。
抽気口262は半径方向に沿って延びている(即ち、抽
気口262は中心軸220上にその起点を有し、かつ同
中心軸220に対して直交する方向に延びる半径に沿っ
て延びている)。インフレータ202の性能を正しく調
整するために、抽気口262の使用並びに抽気口262
のサイズ及び/または数量の選択が可能である。
【0093】少なくとも一つの抽気口262を形成する
ことにより、推進剤258の点火によって形成された推
進ガスの流れのうちの特定量は高圧ガス用ハウジング2
04内に案内される。前記の種類の推進剤(例えば、ガ
ンタイプ推進剤、混成推進剤)及び加圧媒質(例えば、
酸素及び不活性流体(少なくとも一つの不活性ガスを含
む)の混合物)が使用された場合、第二の燃焼、即ち推
進ガスの更なる燃焼が高圧ガス用ハウジング204内に
おいて生じる。推進ガスのうちの一部を第一の室254
から高圧ガス用ハウジング204内に案内することは、
エア/安全バッグ18への所望の出力または吐出を実現
するため、即ちエア/安全バッグ18の所望の膨脹速度
を実現するために使用可能である。以下に詳述するよう
に、高圧ガス用ハウジング204から第二の室324へ
流れるガスのほぼ一定の流動を十分な時間にわたって維
持する速度にて、推進ガスを高圧ガス用ハウジング20
4内に提供することが好ましい。一般的に、所望の結果
を達成すべく形成された推進ガスのうちの半分未満の量
(例えば、推進ガスのうちの約40%以下、より一般的
には約30%以下の量が高圧ガス用ハウジング204内
へ案内される)が動作中に高圧ガス用ハウジング204
内へ流入することを要する。
【0094】推進剤グレイン258の点火後における高
圧ガス用ハウジング204内における圧力増加は抽気口
262を使用した場合においても、多くの商業的な混成
インフレータにみられる圧力増加より大幅に小さい。即
ち、一般的に推進剤グレイン258の点火に付随して生
じる大幅な圧力増加はガス発生器208内にほぼ限定さ
れる。この結果、高圧ガス用ハウジング204の強度条
件の軽減が可能である。これによって高圧ガス用ハウジ
ング204の壁の肉厚を減少させることと、高圧ガス用
ハウジング204に軽量材料を使用することのうちの少
なくともいづれか一方が可能となる。これら両方ともイ
ンフレータ202の重量を減少させる。
【0095】第一の室254において形成された推進ガ
スの主な流れ(例えば、推進ガスの総流量の少なくとも
約50%、一般的には少なくとも約70%)は、ガス発
生器ハウジング212の第二のハウジング278によっ
て形成された第二の室324(以下に詳述する理由に基
づき、“アフターバーナー”と称される)内へと案内さ
れる。少なくとも一つのアフターバーナー・ノズルまた
はアスピレーター274(第一連通孔)は第一の室25
4から第二の室324内へガスの流れ(主に推進ガス)
を案内し、これによって所望の連通が形成される。アフ
ターバーナー・ノズル274は、第一のハウジング21
6を第二のハウジング278に対して適切に接続する
(例えば、溶接部250における溶接による接続)以前
に、第一のハウジング216の内側に形成された肩部2
70に対して係合され、かつ同第一のハウジング216
の内側に配置される。
【0096】本実施例では、ガス発生器ハウジング21
2の第二のハウジング278の一端は、少なくとも一つ
のガス発生器用出口286をその内部に備えたアフター
バーナー用アダプタ282の内面に対して係合されてい
る。オーリング328は適切な密閉を提供すべく第二の
ハウジング278及びアダプタ282の間に配置されて
いる。アフターバーナー用アダプタ282はボス294
に対して適切に固定されており(例えば、溶接部308
における溶接による固定)、同ボス294は高圧ガス用
ハウジング204に対して固定されている(例えば、溶
接部312における溶接による固定)。第二の室324
は静的状態において大量の加圧媒質を有しているため、
これら二つの固定は密閉シールを形成するように行われ
ることが好ましい。加圧媒質を所望の時間が到来するま
でインフレータ202内に適切に保持するために、第二
の閉鎖ディスク290がアフターバーナー用アダプタ2
82の端部及びボス294の間に配置され、かつ溶接部
308によって保持されている。
【0097】第一の室254及び第二の室324の間の
連通により、推進剤グレイン258の燃焼によって形成
された推進ガス及び点火/ブースタ剤240の点火によ
って形成されたガスのうちの少なくとも一部分は、第二
の室(アフターバーナー室)324内に案内される。以
下に詳述する方法に基づいて制御される第二の室324
内の急激な圧力増加により、第二の閉鎖ディスク290
は適切な時間に開放され、インフレータ202からのガ
スの流れはディフューザ298へ案内され、次いでエア
/安全バッグ18(図1参照)内へと案内される。ディ
フューザ298はエア/安全バッグ18(図1参照)へ
のあまり破壊的でない出力を提供すべく複数のディフュ
ーザ・ポート300を備えている。特定の粒状物をイン
フレータ202内に保持することと、推進ガス及び加圧
媒質がエア/安全バッグ18(図1参照)へ向けて通過
する以前に同推進ガス及び加圧媒質の混合または反応を
更に促進することのうちの少なくともいづれか一方を実
現するために、ディフューザ298はディフューザ・ス
クリーン304を有し得る。
【0098】更に、第二の室324は高圧ガス用ハウジ
ング204に連通している。少なくとも一つ、好ましく
は複数のガス発生器用入口316は高圧ガス用ハウジン
グ204及び第二の室324の間の連通を形成してい
る。この結果、高圧ガス用ハウジング204内の加圧媒
質は適切な時間に第二の室324内に流入可能である。
即ち、特定の用途において、この特定のガスの流れの流
動方向を制御可能である。特に、バルブ320は少なく
とも一つ、好ましくは全てのガス発生器用入口316に
隣接して配置可能である。静的状態では、バルブ320
はこの領域内において高圧ガス用ハウジング204を第
二の室324から実際に分離する必要はない。事実、大
量の加圧媒質は静的状態において第二の室324内に保
持されることが好ましい。これにより密閉性を伴わない
接続をこのような供給に対して使用可能である。第二の
室324をガス発生器用入口316上において高圧ガス
用ハウジング204から分離しないバルブ320の一つ
の構成としては、ほぼ円柱状のロールからなる詰め金材
料が挙げられる(例えば300シリーズのステンレス鋼
であって、厚さが0.002インチ(約0.0508m
m)のもの)。カンチレバー接続をバルブ320及び第
二のハウジング278の内壁の間に使用可能である。こ
の際、バルブ320の後部(即ち、入口316から十分
に離間した部分)を第二のハウジング278に対して結
合し、かつ同バルブ320の前部及び中間部分を他と結
合しない構成とする。この結果、バルブ320は自由に
移動または偏向可能である。
【0099】以上のことから、高圧ガス用ハウジング2
04及びガス発生器用ハウジング212のそれぞれの内
部に拡がる圧力は静的状態においてほぼ均等であること
が分かる。しかし、動的状態または推進剤グレイン25
8の点火後において、インフレータ202の各室の圧力
は所望の性能を実現するために互いに異なる。推進剤グ
レイン258に対する点火が実施された場合、形成され
た推進ガスは第二の室324内の圧力を増加すべく少な
くとも第二の室324内への流入を開始する。インフレ
ータ202が少なくとも一つの抽気口262を有するこ
とにより、推進ガスの一部は高圧ガス用ハウジング20
4内に流入するとともに、同高圧ガス用ハウジング20
4内において小さな圧力増加をもたらす。第二の室32
4内における圧力増加速度は高圧ガス用ハウジング20
4内における圧力増加速度より更に早いことが好まし
い。この圧力増加速度の差は第二の室324及び高圧ガ
ス用ハウジング204のそれぞれに対して推進ガスが流
入することと、それらの相対的な容量差に基づいて発生
する。この圧力差によりバルブ320はガス発生器ハウ
ジング212、より詳細には第二のハウジング278の
うちの同バルブ320と整合した部分の内壁に対して押
圧される。この結果、高圧ガス用ハウジング204は、
ガス発生器用入口316がバルブ320によって遮断さ
れることにより第二の室324から分離される。前記の
バルブ320のカンチレバー接続はこのバルブ320の
移動を可能にする。第二の室324内の圧力が所定の圧
力値まで到達した場合、第二の閉鎖ディスク290上に
直接作用する流体圧力は、同ディスク290を開放、破
断または破壊する。この結果、ディスク290の開放に
よりガス発生器208からディフューザ298及びエア
/安全バッグ18(図1参照)へのガスの流れが形成さ
れる。
【0100】バルブ320は特定の用途においてエア/
安全バッグ18(図1参照)への適時におけるガスの流
動の開始を可能にする。特定のデザインにおいて、バル
ブ320を使用することにより第二の閉鎖ディスク29
0を適時に開放し得る速度にて第二の室324を急速に
加圧可能である。インフレータ202がバルブ320を
有しない場合、推進ガスは第二の室324から高圧ガス
用ハウジング204内に流入する。この場合、第二の室
324の内部圧力が第二の閉鎖ディスク290を破断し
得る圧力値まで達するのに更に長い時間を要し得る。し
かし、第二の室324を使用することにより更に小さな
加圧室が提供され、これによりエア/安全バッグ18
(図1参照)へのガスの流動を開始するために要する時
間が削減される。特定のデザインでは以下に詳述するよ
うに、第二の室324の容積を十分に小さくすること
と、バルブ320を使用しなくても満足できる動作を達
成できるように推進剤及び加圧媒質を選択することのう
ちの少なくともいづれか一方を実施可能である(例え
ば、第二の室324内における急速加圧を実施すべく推
進剤グレイン258並びに点火/ブースタ剤240のう
ちの少なくとも一方の燃焼によって形成されたガスの燃
焼を利用する)。
【0101】バルブ320はエア/安全バッグ18(図
1参照)へのガスの流れを形成すべく第二の閉鎖ディス
ク290が開放された後において、その配置位置を維持
し、かつ、これによってガス発生器用入口316を特定
の時間にわたって遮断する。しかし、特定の圧力差が高
圧ガス用ハウジング204及び第二の室324の間に形
成された場合、バルブ320はガス発生器用入口316
を露出すべくこの圧力差がもたらす押圧力によって移動
される。バルブ320が前記のように形成された場合、
バルブ320の自由端は中心軸220に向かって半径方
向に沿って内側へ移動するか、または少なくともガス発
生器用入口316に対して半径方向に沿って整合された
領域内にバルブ320を陥入させることにより、ガス発
生器用入口316を通る所望のガスの流れを許容する。
しかし、バルブ320は第二のハウジング278に対す
るその接続により保持される。ガス発生器用入口316
が露出された場合、高圧ガス用ハウジング204から第
二の室324内へのガスの流動が開始される。前記バル
ブ320は第一の位置から第二の位置へ移動可能であ
る。つまり、バルブ320は使用時に第一の位置に配置
されて前記流れを実質的に阻止する。高圧ガス用ハウジ
ング204内の圧力がガス発生器ハウジング212内の
圧力を所定量上回った時に、バルブ320は第二の位置
へ移動して前記流れを許容し、かつ、前記第二の位置は
半径方向に沿って第一の位置より内側に位置している。
【0102】第二の室324の急速加圧によって第二の
閉鎖ディスク290が破断された後における第二の室3
24の主な働きは、推進ガス及び加圧媒質がエア/安全
バッグ18(図1参照)内へ向けて吐出される以前に同
推進ガス及び加圧媒質の効果的な混合を提供または許容
することである。前記の種類の推進剤組成物(例えば、
ガンタイプ推進剤、混成推進剤)及び前記の種類の加圧
媒質(例えば、少なくとも一種類の不活性ガスを含むも
のに代表される不活性流体及び酸素の混合物)が使用さ
れた場合、この混合は前記の効果(例えば、毒性を軽減
することと、更なる燃焼及びその燃焼によって得られた
膨脹能力の増加によりインフレータ202に使用する推
進剤の総量を削減することを含む)を提供すべく推進ガ
スの更なる燃焼をもたらす。この場合、第二の室324
はアフターバーナーとして更に特徴づけられる。好まし
くは推進ガス及び点火/ブースタ剤240の点火によっ
て形成されたガスの全燃焼の少なくとも約99%、更に
好ましくはこのような燃焼の約100%がインフレータ
202内において発生する。これはエア/安全バッグ1
8(図1参照)に対する損傷の危険性を軽減する。
【0103】この第二の燃焼の十分な効果を実現するた
めに、第二の室324は以下に詳述するようにその長さ
または乱流の形成のうちのいづれか一方により、形成さ
れたガス及び加圧媒質の十分な混合を提供または許容す
る必要がある。図5に示す実施例では、運転席側での使
用においてアフターバーナー・ノズル274及び全ての
ガス発生器用入口316のうちのガス発生器用出口28
6に最も近い部分は、同ガス発生器用出口286から少
なくとも15mm離間している。この間隔は4mmから
80mmの範囲で設定可能である。第二の室324の長
さが増加することにより、高圧ガス用ハウジング204
から第二の室324へのガスの流動が開始される以前に
形成された推進ガスと反応する十分な量の加圧媒質が静
的状態において第二の室324内に含まれることが可能
となる。即ち、前記のバルブ320の移動により高圧ガ
ス用ハウジング204から第二の室324への加圧媒質
の流動が開始されるまで推進ガスと反応する十分な量の
加圧媒質が第二の室324内に最初から含まれているこ
とが好ましい。
【0104】前記の“長い”第二の室324の効果を実
現すべく、ガス発生器用入口316は、ガス発生器用出
口286から十分に離間した位置に形成されることが好
ましい。好ましくは、推進ガス及び加圧媒質の更なる混
合を促進すべく、全てのガス発生器用入口316のうち
の最も近心に位置する部分または最も前方に位置する部
分(ガス発生器用入口316の各中心線によって定義さ
れる)は、第二のハウジング278の長さ方向に沿って
アフターバーナー・ノズル274の端部と整合する位置
に配置され、更に同前方に位置する部分は図に示すよう
にアフターバーナー・ノズル274の端部より更に後方
(即ち、イニシエータ228に近づく方向)に配置され
ることが好ましい。
【0105】インフレータ202の任意のデザインの寸
法は変更可能であるが、表2に示すように特に、インフ
レータハウジング204の容量はインフレータの用途に
よってその好適範囲が異なる。例えば、インフレータハ
ウジング204の容量は約150cm3から約450c
3、第一の室254の容量は約10cm3から約40c
3、及び第二の室324の容量は約1cm3から約50
cm3である。
【0106】また、本発明の原理を示すために一実施例
におけるその寸法を以下に例示する。1)高圧ガス用ハ
ウジング204の直径は約59mmである。2)高圧ガ
ス用ハウジング204の長さは約200mmである。
3)高圧ガス用ハウジング204は軟鋼管から形成さ
れ、かつその壁は約2.5mmの肉厚を有している。
4)高圧ガス用ハウジング204の内部容積(高圧ガス
用ハウジング204の内部のうちの加圧媒質を含む部分
の容積であって、これにはその中心に位置するガス発生
器208の容積は含まれない)は約375ccである。
5)ガス発生器ハウジング212のうちの第一のハウジ
ング216の直径は約20mmである。6)第一の室2
54の長さは約55mmである。7)第一のハウジング
216は軟鋼から形成され、かつその壁は約1.5mm
の肉厚を有している。8)ガス発生器ハウジング212
のうちの第一の室254の内部容積は約11ccであ
る。9)ガス発生器ハウジング212のうちの第二のハ
ウジング278の直径は約17mmである。10)第二
の室324の長さは約90mmである。11)第二のハ
ウジング278は軟鋼から形成され、かつその壁は約
1.25mmの肉厚を有している。12)ガス発生器ハ
ウジング212のうちの第二の室324の内部容積は約
14ccである。13)インフレータ202は約3mm
の直径を有する六つの抽気口262を備えている。1
4)アフターバーナー・ノズル274の内径は約2.5
mmである。15)ガス発生器用出口286は約10m
mの直径を備えている。16)全てのガス発生器用入口
316はガス発生器用出口286から約76mm離間し
た位置に配置されている。17)ノズル274はガス発
生器用出口286から約75mm離間した位置に配置さ
れている。18)ディフューザ298の内部容積は約4
ccである。19)インフレータ202は12個のディ
フューザ・ポート300を有している。20)推進剤グ
レインの総重量は約9gであり、同推進剤グレインはR
DX、CA、TMETN及び安定剤を有する前記の種類
の組成物を含む。21)インフレータ202内の静圧は
約20.7MPaであり、インフレータ202内には約
140gの加圧媒質が含まれている。同加圧媒質の85
%(モルパーセント)はアルゴンであり、15%(モル
パーセント)は酸素である。22)インフレータ202
の総重量は約1,200gである。
【0107】なお、加圧媒質にガスの漏れを検出するた
めにヘリウムを含める場合、その組成はモルベースで、
酸素が約8%から約30%、アルゴンが約60%から約
91%、及びヘリウムが約0.5%から約10%である
ことが好ましい。
【0108】インフレータ202の動作を図6A〜図6
D及び図7A〜図7Dに基づいて詳述する。図6A及び
図7Aに示すように、第二の閉鎖ディスク290は静的
状態において無傷であり、バルブ320は高圧ガス用ハ
ウジング204を第二の室324から分離する必要がな
い。エア/安全バッグ18(図1参照)の展開が必要な
ことを示す適切な信号が検出器/センサ14(図1参
照)によって検出された場合、イニシエータ228が活
性化される。イニシエータ228の活性化は第一の閉鎖
ディスク236を破断し、点火/ブースタ剤240を発
火させ、同点火/ブースタ剤240の発火は推進剤グレ
イン258を発火させる。推進剤グレイン258の燃焼
は第一の室254内において推進ガスを形成する。推進
ガスはガス発生器ハウジング212のうちの第二の室3
24及び高圧ガス用ハウジング204内に流入する。高
温推進ガスが第一の室254内に存在することと、この
高温推進ガスを第二の室324及び高圧ガス用ハウジン
グ204内へ流入させることにより、これらの“容器”
内にこれに対応した圧力増加が生じる。
【0109】第二の閉鎖ディスク290を適切な時間に
破断し、これによってエア/安全バッグ18(図1参
照)内へのガスの流動を開始するために、第二の室32
4内における圧力増加速度は、その内部へ高温推進ガス
を案内することにより高圧ガス用ハウジング204内に
おける圧力増加速度より更に速くなるように設計されて
いる。図6B及び図7Bに示すように、この圧力差は第
二の室324の急速加圧に作用すべく高圧ガス用ハウジ
ング204を第二の室324から分離するようにバルブ
320を第二のハウジング278の内壁に向けて押圧す
る。推進ガスと反応する加圧媒質の供給が停止されるた
め、静的状態において第二の室324内に存在する加圧
媒質の総量は、高圧ガス用ハウジング204及び第二の
室324の間の直接的な連通を形成する以前にその内部
へ案内された推進ガスと反応するのに十分な量であるこ
とを要する。
【0110】図6Cに示すように、第二の室324内の
圧力が所定の値まで到達した場合、第二の閉鎖ディスク
290上に直接作用する流体圧力は第二の閉鎖ディスク
290を破断し、これによってガス発生器用出口286
を通ってディフューザ298及びエア/安全バッグ(図
1参照)へ向かうガスの流れが形成される。しかし、図
6C及び図7Cに示すように、バルブ320はガス発生
器用入口316を閉鎖することにより高圧ガス用ハウジ
ング204から第二の室324への直接的なガスの流れ
を阻害する。図6D及び図7Dに示すように、高圧ガス
用ハウジング204及び第二の室324の間に特定の圧
力差が形成された後で、この圧力差は高圧ガスハウジン
グ204から第二の室324への加圧媒質の流れを形成
すべくバルブ320をガス発生器用入口316から離間
させる。例えば、ここに示すバルブ320の構造(例え
ば、金属箔のシリンダー状をなすロール)により、ガス
発生器用入口316に対して隣接または整合する領域に
おいて前記の特定圧力差が形成さた際にバルブ320の
前部は陥入するか、または半径方向に沿って内側へ向か
って移動する。しかし、バルブ320の後部は第二のハ
ウジング278との間の結合を維持する。
【0111】以上のことから、インフレータ202のデ
ザインは前記の推進剤(例えば、ガンタイプ推進剤、混
成推進剤)及び加圧媒質(例えば、酸素及び少なくとも
一つの不活性ガスの混合物)を含むシステムの性能を向
上させるのに特に適していることが分かる。例えば、前
記の推進剤及び加圧媒質が使用された場合、第二の室3
24内において推進ガス及び加圧媒質の第二の燃焼が生
じる。この別の燃焼はガスを更に膨脹させる。ガスが更
に膨脹されることにより必要とされる推進剤の量を減少
させることができる。この推進剤の量の減少はインフレ
ータ202の重量の減少を可能とする。更に、この第二
の燃焼は推進ガスの毒性を軽減する。第二の室324が
長いこと、特にアフターバーナー・ノズル274及びガ
ス発生器用入口316のうちのガス発生器用出口286
に最も近い部分と、ガス発生器用出口286との間の距
離が長いことにより、エア/安全バッグ18(図1参
照)へ向けてガスが流出する以前に第二の燃焼を行うた
めの十分な時間が得られる。
【0112】前記のように特定のデザインにおいて、イ
ンフレータ202はバルブ320の使用を除いて前記の
ような構成とすることができる。これは前記の種類の推
進剤及び加圧媒質の使用により実現可能である。同推進
剤は第二の室324内において酸化加圧媒質(例えば、
一種類以上の不活性ガスを含むものなどに代表される不
活性流体と酸素の複合体からなる酸化加圧媒質)と混合
することにより更に燃焼可能な推進ガスを形成する。こ
の場合、第二の室324内において生じる推進ガスの燃
焼と、点火/ブースタ剤240の点火によって形成され
たガスの第二の燃焼とはバルブ320を必要としない程
に十分な圧力増加または圧力増加速度をもたらす。例え
ば、インフレータ202を活性化した後で第二の室32
4内において発生する第二の燃焼は、圧力増加または圧
力増加速度の少なくとも約30%を占め、最大で約50
%を占めることも可能である。この場合、第二の室32
4内における化学反応を利用して急速加圧による流動の
開始を実現可能であり、これによりバルブ320の必要
性が軽減される。
【0113】図8〜図11は図1に示す膨脹式安全シス
テム10に使用可能な混成インフレータの別実施例を示
している。インフレータ350の機能または動作は前記
のインフレータ202に類似しているが、同インフレー
タ350は特に運転席側での使用に適応して形成されて
いる。インフレータ350は、特に前記の種類の推進剤
(例えば、ガンタイプ推進剤、混成推進剤)及び複合加
圧媒質(例えば、少なくとも一つの不活性ガスを含むも
のに代表される不活性流体と酸素の混合物)を使用する
ことにより、膨脹式安全システム10の性能を向上し得
る。
【0114】図8に主に示すように、混成インフレータ
350は密閉シールを実現すべく一般的に二つの主構成
部材を有しており、同二つの主構成部材とはガス発生器
362及びディフューザ458を含む中央ハウジング3
58と、中央ハウジング358の外周に沿って取付けら
れた高圧ガス用ハウジング354とである(例えば、高
圧ガス用ハウジング354は溶接部442,450にお
ける溶接によって中央ハウジング358に対して結合可
能である)。高圧ガス用ハウジング354はドーナッツ
状をなし、かつ加圧媒質をその内部に有している。イン
フレータ350の主な利点は、同インフレータ350は
第二の閉鎖ディスク428を開放すべく同ディスク42
8上に流体圧力を直接作用させるために第二の閉鎖ディ
スク428(第二の閉鎖ディスク428はインフレータ
350及びエア/安全バッグ18(図1参照)の間のガ
スの流れを分離する)に隣接した領域での急速加圧に作
用する点である。更に、以下に詳述するように、インフ
レータ350の別の利点は、同インフレータ350が推
進剤の活性に付随して主にガス発生器362内における
実質的な圧力増加をもたらす点が挙げられる。この結
果、高圧ガス用ハウジング354の壁の肉厚は従来の混
成インフレータより更に薄くなり(即ち、高圧ガス用ハ
ウジング354に加わる圧力の割合は従来の混成インフ
レータと比べて減少している)、インフレータ350の
重量を減少させることができる。
【0115】中央ハウジング358はインフレータ35
0の長さ方向に延びる中心軸352の周囲に配置されて
おり、同中央ハウジング358はガス発生器362と、
同ガス発生器362に対してその長さ方向に沿って整合
され、かつ同ガス発生器362から離間したディフュー
ザ458とを有している。ガス発生器362及びディフ
ューザ458はその少なくとも一部分が中央ハウジング
358によって形成されている。例えば、ガス発生器3
62はほぼシリンダー状のガス発生器ハウジング366
を有しており、同ガス発生器ハウジング366は中央ハ
ウジング358の一部、点火アッセンブリ用ホルダー3
70、ドーム状の隔壁390、及びガス発生器端部キャ
ップ・アッセンブリ420によって形成されている。特
に、ガス発生器ハウジング366は静的状態において大
量の加圧媒質を有しているため、これに対応した密閉シ
ールを形成すべく点火アッセンブリ用ホルダー370は
中央ハウジング358の下部及び高圧ガス用ハウジング
354の両方に対して適切に結合されている(例えば、
溶接部442における溶接による結合)。点火アッセン
ブリ用ホルダー370は適切な点火アッセンブリ374
(例えば、電気式点火管または他の適切な爆発装置)を
保持しており、シールを形成すべくオーリング372を
使用し得る。ガス発生器362内において点火アッセン
ブリ374を加圧媒質から分離するための密閉シールを
形成すべく、第一の閉鎖ディスク(副閉鎖ディスク)3
78は点火アッセンブリ用ホルダー370の端部に対し
て適切に結合されている(例えば、溶接部446におけ
る溶接による結合)。本実施例において、第一の閉鎖デ
ィスク378は点火アッセンブリ用ホルダー370の主
ハウジング382の端部と、点火アッセンブリ用ホルダ
ー370のうちの点火アッセンブリ用ホルダー370の
端部キャップ386との間において溶接部446によっ
て保持されている。
【0116】隔壁390はガス発生器ハウジング366
を第一の室394及び第二の室418に分離する。第一
の室394は中央ハウジング358の下部、点火アッセ
ンブリ用ホルダー370、及び隔壁390の底面によっ
て形成されており、更に同第一の室394は点火アッセ
ンブリ374に隣接して形成されている。ガス発生器ハ
ウジング366の第一の室394は基本的に推進剤グレ
イン404を有しており、同推進剤グレイン404は点
火時にエア/安全バッグ18(図1参照)へのガスの流
れを増加すべく推進ガスを形成する。この結果、第一の
室394は推進剤室として特徴づけることができる。推
進剤グレイン404の点火を補助するために、適切な点
火/ブースタ剤408(例えば、89wt%のRDX及
び11wt%のアルミニウム粉末を含むRDX/アルミ
ニウム・ブースタ剤、または同RDX/アルミニウム・
ブースタ剤のうちの0.5〜5.0wt%のRDX及び
アルミニウムを0.5〜5.0wt%のヒドロキシプロ
ピルセルロースと置換したブースタ剤を使用することも
可能)を点火アッセンブリ374の少なくとも一部分と
整合するように第一の室394の中央に配置し得る。適
切なスクリーン412、ブースタ・カップまたはこれら
に類するものは推進剤グレイン404を点火/ブースタ
剤408から分離することができる。
【0117】第一の室394は、一般的に少なくとも一
つの抽気オリフィスまたは抽気口400(本実施例では
二つ)によって高圧ガス用ハウジング354に対して連
通されている。この結果、前記のように加圧媒質は静的
状態において第一の室394内にも含まれる。本実施例
において、抽気口400は半径方向に延びるとともに
(即ち、抽気口400は中心軸220上にその起点を有
する半径に沿って延びるようにそれぞれ配置されてい
る)、ほぼ水平方向に延びている(即ち、中心軸352
に対して直交する方向に拡がる平面内に含まれてい
る)。抽気口400のサイズ及び/または数量の選択
は、インフレータ202において前記したようにインフ
レータ350の性能を正しく調整するために使用可能で
ある。
【0118】以下に詳述するように、点火/ブースタ剤
408の点火によって形成されたガスはインフレータ3
50の急速加圧による流動の開始に関する特性を更に高
めるべく加圧媒質と更に化学的に反応可能である。
【0119】推進ガスのうちの一部を第一の室394か
ら高圧ガス用ハウジング354内に案内することは、エ
ア/安全バッグ18への所望の出力または吐出を実現す
るため、即ちエア/安全バッグ18の所望の膨脹速度を
実現するために使用可能である。以下に詳述するよう
に、高圧ガス用ハウジング354から第二の室418へ
流れるガスのほぼ一定の流動を十分な時間にわたって維
持する速度にて、推進ガスを高圧ガス用ハウジング35
4内に提供することが好ましい。一般的に、所望の結果
を達成すべく形成された推進ガスのうちの半分未満の量
(例えば、推進ガスのうちの約40%以下、より一般的
には約30%以下の量が高圧ガス用ハウジング354内
へ案内される)が動作中に高圧ガス用ハウジング354
内へ流入することを要する。
【0120】推進剤グレイン404の点火後における高
圧ガス用ハウジング354内における圧力増加は抽気口
400を使用した場合でも、多くの他の商業用混成イン
フレータより大幅に小さい。即ち、一般的に推進剤グレ
イン404の点火に付随して生じる大幅な圧力増加はガ
ス発生器362内にほぼ限定される。この結果、高圧ガ
ス用ハウジング354の強度条件の軽減が可能である。
これによって高圧ガス用ハウジング354の壁の肉厚を
減少させることと、高圧ガス用ハウジング354に軽量
材料を使用することのうちの少なくともいづれか一方が
可能となる。これら両方ともインフレータ350の重量
を減少させる。例えば、高圧ガス用ハウジング354が
軟鋼から形成され、かつ静的状態におけるその内部圧力
が一平方インチ(6.45平方センチメートル)当たり
約4,000ポンド(4,000psi)の場合、高圧
ガス用ハウジング354の壁の最大所用肉厚は約0.0
75インチ(約1.91mm)とすることができる。
【0121】第一の室394からの推進ガスの主な流れ
(例えば、推進ガスの総流量の少なくとも約50%、更
に一般的には少なくとも約70%)は、第二の室418
(前記の理由から“アフターバーナー”と称される)内
へと案内される。ガス発生器ハウジング366の第二の
室418はガス発生器ハウジング366の第一の室39
4に対して少なくとも一つの推進ガス用通気口416
(本実施例では二つ)によって連通されており、同推進
ガス用通気口416はガス発生器隔壁390を貫通して
延びている。以下に更に詳述するように、高圧ガス用ハ
ウジング354内に存在する加圧媒質のエア/安全バッ
グ18(図1参照)に対する主な流路は、更に第二の室
418内に直接連なっている。第一の室394から第二
の室418内へ流れる推進ガスと、高圧ガス用ハウジン
グ354から第二の室418内へ流入する加圧媒質との
十分な混合を実施すべく(例えば、ガスを十分な時間に
わたって第二の室418の内部に保持すべく)、推進ガ
ス用通気口416は第二の室418内において渦流(例
えば、少なくとも半径方向速度成分を伴う流動)を形成
するように配向可能である。この渦流を形成する一つの
方法としては、ガス発生器の推進ガス用通気口416を
図9に示すようにほぼ直線状に延びるよう形成すること
である。通気口416はその対応する平面内において互
いに反対側に傾斜するように配置されている。
【0122】ガス発生器ハウジング366の第二の室4
18は第一の室394に対してその長さ方向に沿って整
合され、かつガス発生器隔壁390によって第一の室3
94から分離されており、高圧ガス用ハウジング354
の一部はその外周にそって配置されている。第二の室4
18は中央ハウジング358の中間部分、ガス発生器隔
壁390及びガス発生器端部キャップ・アッセンブリ4
20によって形成されている。ガス発生器端部キャップ
・アッセンブリ420は中央ハウジング358に対して
適切に結合されており(例えば、溶接部454における
溶接による結合)、中央ハウジング358の上部は高圧
ガス用ハウジング354の上部に対して適切に結合され
ている(例えば、溶接部450における溶接による結
合)。第二の室418は静的状態において大量の加圧媒
質を有しているため、溶接部450,454は密閉シー
ルを形成することが好ましい。ガス発生器端部キャップ
・アッセンブリ420は少なくとも一つのガス発生器用
出口424(一つが図示されている)を有している。加
圧媒質を所望の時間までインフレータ350、特に第二
の室418内に適切に保持するための密閉シールを形成
すべく、第二の閉鎖ディスク428はガス発生器端部キ
ャップ・アッセンブリ420に対して適切に結合されて
いる(例えば、溶接部454における溶接による結
合)。
【0123】第一の室394及び第二の室418の間の
連通により、推進剤グレイン404の燃焼によって形成
された推進ガス及び点火/ブースタ剤408の点火によ
って形成されたガスのうちの少なくとも一部は第二の室
418内に案内される。以下に詳述する制御に基づく第
二の室418内における急速な圧力増加により、第二の
閉鎖ディスク428は適切な時間に開放される。この結
果、インフレータ350からのガスの流れがディフュー
ザ458及びエア/安全バッグ18(図1参照)へと案
内される。エア/安全バッグ18(図1参照)へのあま
り破壊的でないガスの出力を提供すべく、ディフューザ
458は複数のディフューザ・ポート462を備えてい
る。ディフューザ458は、破断した閉鎖ディスクの破
片をインフレータ350内に保持することと、推進ガス
及び加圧媒質がエア/安全バッグ18(図1参照)へ向
けて通過する以前に同推進ガス及び加圧媒質の混合また
は反応を更に促進することのうちの少なくともいづれか
一方を達成すべくディフューザ・スクリーン(図示略)
を有することが可能である。
【0124】第二の室418は高圧ガス用ハウジング3
54と連通している。これに関して、少なくとも一つ、
好ましくは複数のガス発生器用入口432は高圧ガス用
ハウジング354及び第二の室418の間の連通を提供
している。この結果、高圧ガス用ハウジング354内の
加圧媒質は第二の室418内へ適時に流入する。即ち、
特定のデザインまたは用途において、この特定のガスの
流動はその流動の方向を制御可能である。特に、バルブ
438は少なくとも一つ、好ましくは全てのガス発生器
用入口432に隣接して配置可能である。静的状態にお
いて、バルブ438がこの領域において高圧ガス用ハウ
ジング354を第二の室418から実際に分離する必要
はない。事実、大量の加圧媒質は、静的状態において第
二の室418内に保持されることが好ましく、密閉シー
ルでない接続はこのような供給を提供可能である。第二
の室418をガス発生器用入口432上において高圧ガ
ス用ハウジング354から分離しないバルブ438の一
つの形態は、ロール状をなす詰め金材料(例えば、0.
002インチ(約0.05mm)の厚さを備えたステン
レス鋼)である。カンチレバー接続をバルブ438及び
ガス発生器ハウジング366の内壁の間に使用可能であ
る。即ち、バルブ438の後部が中央ハウジング358
及び隔壁390の間に結合され、かつバルブ438の前
部が他と結合されていないためバルブ438は移動/偏
向が可能である。
【0125】バルブ438の形状は現在のものが好まし
いが、個々のプラグ438a,438b(図14
(A),(B))を各入口432内に配置することも可
能である。これらのプラグ438a,438bはテサー
439等(図14(B)のみに図示)によってインフレ
ータ350に連結されていることが望ましい。また、プ
ラグ438a,438bを可撓性部材433によって入
口432内に支持することが望ましい。プラグ438
a,438bは本明細書に記載の他のハイブリッドイン
フレータにも使用可能である。
【0126】以上のことから、高圧ガス用ハウジング3
54及びガス発生器362のそれぞれの内部に拡がる圧
力は静的状態においてほぼ均等であることが分かる。し
かし、動的状態または推進剤グレイン404の点火後に
おいて、インフレータ350の各室の圧力は所望の性能
を達成するために互いに異なる。推進剤グレイン404
に対する点火が実施された場合、推進ガスは第二の室4
18内の圧力を増加すべく少なくとも第二の室418内
に対する流入を開始する。インフレータ202が少なく
とも一つの抽気口400を有する場合、推進ガスの一部
は高圧ガス用ハウジング354内に流入するとともに、
同高圧ガス用ハウジング354内の圧力を増加させる。
第二の室418内における圧力増加速度は高圧ガス用ハ
ウジング354内における圧力増加速度より更に早いこ
とが好ましい。この圧力増加速度の差は第二の室418
及び高圧ガス用ハウジング354のそれぞれに対して推
進ガスが流入することと、それらの相対的な容量差に基
づいて生じる。この圧力差によりバルブ438は同バル
ブ438に対して整合したガス発生器ハウジング366
の内壁の一部分に向けて押圧される。この結果、高圧ガ
ス用ハウジング354は、ガス発生器用入口432が遮
断されることにより第二の室418から隔離される。前
記のバルブ320のカンチレバー接続はこのバルブ32
0の移動を可能にする。第二の室418内の圧力が所定
の圧力値まで到達した場合、流体圧力は第二の閉鎖ディ
スク428を開放、破断または破壊する。この結果、デ
ィスク428の開放によりガス発生器362からディフ
ューザ458及びエア/安全バッグ18(図1参照)へ
のガスの流れが形成される。
【0127】バルブ438は特定のデザインまたは用途
においてエア/安全バッグ18(図1参照)へのガスの
流れを適時に形成することを許容する。特に特定のデザ
インにおいて、バルブ438を使用することにより第二
の閉鎖ディスク428を適時に開放し得る速度にて第二
の室418を急速に加圧可能である。インフレータ35
0がバルブ438を有しない場合、推進ガスは第二の室
418から高圧ガス用ハウジング354内に流入する。
この場合、第二の室418の内部圧力が第二の閉鎖ディ
スク428を破断し得る圧力値まで増加するのに更に長
い時間を要する。しかし、第二の室418を使用するこ
とにより更に小さな加圧室が提供され、これによりエア
/安全バッグ18(図1参照)へのガスの流動を開始す
るために要する時間が削減される。以下に詳述するよう
に、特定のデザインにおいて第二の室418の容積を十
分に小さくすることと、バルブ438を使用しなくても
満足できる動作を達成できるように推進剤及び加圧媒質
を選択することのうちの少なくとも一方を実施可能であ
る(例えば、第二の室418内における急速加圧に作用
すべく推進剤グレイン404並びに点火/ブースタ剤4
18のうちの少なくとも一方の燃焼によって形成された
ガスの燃焼を利用することによって実施する)。
【0128】バルブ438はエア/安全バッグ18(図
1参照)へのガスの流れを形成すべく第二の閉鎖ディス
ク428が開放された後において、その配置位置を維持
し、かつ、これによってガス発生器用入口432を特定
の時間にわたって遮断する。しかし、特定の圧力差が高
圧ガス用ハウジング354及び第二の室418の間に形
成された場合、バルブ438の上部自由端はガス発生器
用入口432を露出すべくこの圧力差がもたらす押圧力
によって移動される。この結果、高圧ガス用ハウジング
354から第二の室418内へのガスの流動が開始され
る。バルブ438の下端はガス発生器ハウジング366
に対して結合された状態に維持される。バルブ438が
ロール状をなす詰め金材料から形成された場合、バルブ
438は中心軸352に向かって半径方向に沿って内側
へ移動するか、またはガス発生器用入口432に対して
半径方向に整合された領域内にバルブ438を陥入させ
ることにより、そこを通る所望のガスの流れを許容す
る。
【0129】急速加圧によって第二の閉鎖ディスク42
8が破断された後での第二の室418の主な働きは、推
進ガス及び加圧媒質がエア/安全バッグ18(図1参
照)へ吐出される以前に、同推進ガス及び加圧媒質の効
果的な混合を提供または許容することである。前記の種
類の推進剤組成物(例えば、ガンタイプ推進剤、混成推
進剤)及び前記の種類の加圧媒質(例えば、少なくとも
一種類の不活性ガスを含むものに代表される不活性流体
及び酸素の混合物)が使用された場合、この混合は顕著
な効果(例えば、毒性を軽減することと、更なる燃焼及
びそれに関連した膨脹能力の増加により推進剤の総量を
削減することを含む)を提供すべく推進ガスの更なる燃
焼をもたらす。この場合、第二の室418はアフターバ
ーナーとして更に特徴づけられる。好ましくは推進ガス
及び点火/ブースタ剤によって形成されたガスの全燃焼
の少なくとも約99%、更に好ましくはこのような燃焼
の約100%がインフレータ350内において発生す
る。これはエア/安全バッグ18(図1参照)に対する
損傷の危険性を軽減する。
【0130】運転席側への使用に課せられた制約によ
り、アフターバーナーとしての機能を提供するためにイ
ンフレータ202において使用したような“長い”第二
の室418を使用することは実用的でない。運転席側に
インフレータ350を使用する際における、“短い”第
二の室418の使用を補うべく、第二の室418内にお
ける推進ガス及び加圧媒質の混合を更に高めることが可
能であり、この混合は加圧媒質及び推進ガスの混合を促
進するための高圧ガスハウジング354から第二の室4
18へのガスの流れ(主に加圧媒質、或いは大量の推進
ガス及び/または点火/ブースタ剤の点火によって形成
されたガス)に渦流を導入することにより実現し得る。
これは、推進ガス及び加圧媒質を化学的に反応させるた
めに第二の室418内における同推進ガス及び加圧媒質
の存在時間を増加させる。
【0131】前記の渦流を形成する一つの方法として
は、図9に示すように一般的に直線状に延びるガス発生
器用入口432を実質的に水平方向に拡がる基準面内に
配置し、これらの入口432の中心軸が図9に示すよう
にインフレータ350の長さ方向に延びる中心軸352
を通過しないように配向することによって実現可能であ
る。即ち、実質的に直線状に延びる入口432は、第二
の室418及び高圧ガス用ハウジング354を接続する
ために長さ方向に延びる中心軸352から半径方向に沿
って外側に向かって延びることがない。これに代わっ
て、任意の入口432の一部は一つの半径方向に延びる
線上に配置され、任意の入口432の別の部分は別の半
径方向に延びる線上に配置されている。この場合、高圧
ガス用ハウジング354から第二の室内418へのガス
の流れは、一般的に図9に示す矢印Aの方向に沿って形
成される。推進ガス及び流入する加圧媒質の更なる混合
を実施するために、図9及び図10に示す推進ガス用通
気口416は、ガス発生器用入口432が更に第二の室
418の内部と接する部分に向くように形成することが
できる。
【0132】インフレータ350の任意のデザインの寸
法は変更可能である。特に、インフレータ350の各室
の容量はインフレータの用途に応じて異なる。例えば、
インフレータハウジング全体の容量は約50cm3から
約150cm3、第一の室394の容量は約5cm3から
約15cm3、及び第二の室418の容量は約1cm3
ら約20cm3 である。また、本発明の原理を示すため
に一実施例におけるその寸法を以下に例示する。1)イ
ンフレータ350の直径は約3.25インチ(約8.2
6cm)である。2)中央ハウジング358の高さは約
1.6インチ(約4.06cm)である。3)高圧ガス
用ハウジング354の高さは約1.2インチ(約3.0
5cm)である。4)高圧ガス用ハウジング354の内
部容積は約5立方インチ(約82立方センチメートル)
である。5)ガス発生器ハウジング366のうちの第一
の室394の内部容積は約7ccである。6)ガス発生
器ハウジング366の第二の室418の内部容積は約2
ccである。7)インフレータ350は約1.5mmの
直径を備えた二つの抽気口400を有している。8)イ
ンフレータ350は約2mmの直径を備えた二つの推進
ガス用通気口416を有している。9)推進剤グレイン
404の総重量は約3.5gであり、同推進剤グレイン
はRDX、CA、TMETN及び安定剤を有する前記の
種類の組成物を含む。10)高圧ガス用ハウジング35
4内の静圧は約4,000psiであり、高圧ガス用ハ
ウジング354内には約40gの加圧媒質が含まれてお
り、同加圧媒質の85%(モルパーセント)はアルゴン
であり、15%(モルパーセント)は酸素である。1
1)インフレータ350は軟鋼から形成されている。1
2)高圧ガス用ハウジング354の壁の肉厚は約0.0
75インチ(1.91mm)であり、かつ圧力割合(Pr
essure rating)(破壊)は約18,000psiであ
る。13)中央ハウジング358の壁の肉厚は約0.0
625インチ(1.59mm)である。14)インフレ
ータ350の総重量は約400gである。
【0133】インフレータ350の動作を図11A〜図
11Cに基づいて詳述する。図11Aに示すように、適
切な信号が検出器/センサー14(図1参照)から送信
された場合、点火アッセンブリ374は活性化され、同
点火アッセンブリ374は第一の閉鎖ディスク378を
破断し、かつ点火/ブースタ剤408の点火を実施す
る。次いで、点火/ブースタ剤408の点火により推進
剤グレイン404が点火される。推進剤グレイン404
の燃焼により第一の室394内に推進ガスが形成され、
同推進ガスはガス発生器ハウジング366の第二の室4
18及び高圧ガス用ハウジング354内に流入し、かつ
そこで加圧媒質と混合される。高温推進ガスが第一の室
394内に存在することと、同高温推進ガスが第二の室
418及び高圧ガス用ハウジング354内に流入するこ
とにより、これらの容器内の圧力も増加する。
【0134】第二の閉鎖ディスク428を適時に破断
し、これによってエア/安全バッグ18(図1参照)へ
のガスの流動を開始するために、第二の室418及び高
圧ガス用ハウジング354内への高温推進ガスの流入
と、第二の室418及び高圧ガス用ハウジング354の
各容量とに基づいて第二の室418内における圧力増加
速度が高圧ガス用ハウジング354内における圧力増加
速度を更に上回るように設計されている。図11Aに示
すように、この圧力差はこの領域内において高圧ガス用
ハウジング354を第二の室418から分離すべくバル
ブ438をガス発生器ハウジング366の内壁に向けて
押圧する。これによって推進ガスと反応する加圧媒質の
供給が停止されるため、高圧ガスハウジング354及び
第二の室418間の連通を形成する以前の静的状態にお
ける第二の室418内の加圧媒質の総量は、第二の室4
18内に流入した推進ガスと反応するのに十分な量であ
ることを要する。
【0135】図11Bに示すように、第二の室418内
の圧力が所定の圧力値に到達した場合、この圧力により
第二の閉鎖ディスク428が破断され、これによってガ
ス発生器用出口424を通過してディフューザ458及
びエア/安全バッグ18(図1参照)へと流入するガス
の流動が形成される。しかし、バルブ438はガス発生
器用入口432を閉鎖することにより、高圧ガス用ハウ
ジング354から第二の室418内へガスが直接流入す
ることを阻害し続ける。特定の圧力差が高圧ガス用ハウ
ジング354及び第二の室418の間に形成された後、
この圧力差によりバルブ438は、高圧ガス用ハウジン
グ354から第二の室418へ向かう加圧媒質の流動を
形成すべくガス発生器用入口432から離間する方向に
移動または偏向される。例えば、ここに示すバルブ43
8の構造(ロール状をなす詰め金材料など)により、一
方向チェック・バルブ438は前記の圧力差によって少
なくともガス発生器用入口432に対して隣接または整
合する領域内へ陥入する。前記のように第一の室394
を通って第二の室418内に継続的に流入する加圧媒質
及び推進ガスの混合を促進するために、第二の室418
内への加圧媒質及び推進ガスの流動は渦流をなし得る。
これにより加圧媒質及び推進ガスがエア/安全バッグ1
8(図1参照)内へ供給される以前に同加圧媒質及び推
進ガスの混合物が第二の室418内において保持される
時間を増加し得る。
【0136】図12は類似した大きさ及び特性を備えた
前記実施例の試験モデルに関する複数の圧力曲線を示し
ている。これらの曲線は以下に詳述するように図13A
〜図13Dに示す曲線とほぼ同一である。初期における
インフレータ350内の静圧は約4,000psiであ
る。時間T1(約5ミリ秒)において、インフレータ3
50を活性化し、かつ推進剤グレイン404に点火し
た。この際、推進剤グレイン404の点火によって形成
された推進ガスにより、第一の室394、高圧ガス用ハ
ウジング354及び第二の室418のそれぞれの内部圧
力が増加した。第一の室394及び第二の室418内の
最大圧力は時間T2において形成され、同時点において
第二の閉鎖ディスク428の破断が生じた。時間T2
(活性化の約1ミリ秒後)において、第一の室394内
の圧力は4,000psiの静的状態から約10,00
0psiまで増加し、第二の室418内の圧力は4,0
00psiの静的状態から約7,000psiまで増加
し、更に高圧ガス用ハウジング354内の圧力は4,0
00psiの静的状態から約4,500psiまで増加
した。
【0137】第二の閉鎖ディスク428が開放された
後、第二の室418内の圧力は低下した。時間T3で
は、高圧ガス用ハウジング354及び第二の室418の
間の圧力差はバルブ438を開放し、これによってガス
発生器用入口432を露出させるのに十分な値に達し
た。この結果、第二の室418内の圧力は再度増加し
た。即ち、時間T3の経過後に、高圧ガス用ハウジング
354及び第一の室394から第二の室418へガスが
流動した。第二の室418内の圧力は時間T4において
約4,750psiの最大値まで増加し、その後同圧力
は低下した。この時間は高圧ガス用ハウジング354内
に約5,000psiの最大圧力が形成された時間とほ
ぼ一致した。この際、インフレータ350内において生
じる圧力増加は高圧ガス用ハウジング354よりもガス
発生器362内に主に集中された。この結果、高圧ガス
用ハウジング354の壁の肉厚を前記のように減少させ
得る。更に、第二の室418の内部圧力が比較的一定
(4000〜4600psiの間で推移するのみ)なた
め、エア/安全バッグ18(図1参照)に対して所望の
出力を提供可能である。
【0138】前記のように特定のデザインにおいて、イ
ンフレータ350はバルブ438の使用を除いて前記の
ような構成とすることができる。これは前記の種類の推
進剤及び加圧媒質の使用により実現でき、同推進剤は第
二の室324内において酸化加圧媒質(例えば、アルゴ
ン及び窒素など一種類以上の不活性ガスを含むものなど
に代表される不活性流体と酸素の複合体からなる酸化加
圧媒質)と混合することにより更に第二の室418内で
の燃焼が可能な推進ガスを形成する。この場合、第二の
室418内において生じる推進ガスの“第二の”燃焼
と、点火/ブースタ剤408の点火によって形成された
ガスの第二の燃焼とは、バルブ438を必要としない程
に十分な圧力増加または圧力増加速度をもたらす。例え
ば、インフレータ350を活性化した後に第二の室41
8内において発生する第二の燃焼は、圧力増加または圧
力増加速度の少なくとも約30%を占め、最大で約50
%を占めることも可能である。この場合、第二の室41
8内における化学反応を利用して急速加圧による流動の
開始を実現可能であり、これによりバルブ438の必要
性が軽減される。
【0139】図13A〜図13Dはバルブ438を除い
た前記の構造を備えたインフレータ350における第一
の室394、第二の室418及び高圧ガス用ハウジング
354、並びにエア/安全バッグ18(図1参照)を示
す固定壁を備えた容器のそれぞれの内部圧力を表した圧
力曲線を示している。図12及び図13A〜図13Cの
比較から明らかなように、バルブ438を使用しなくて
も同等の性能を実現することができる。これは第二の閉
鎖ディスク428を開放すべく第二の室418内におけ
る急速加圧を行うために第二の室418内でのガスの燃
焼を提供する特定の種類の推進剤及び加圧媒質を使用し
たことに基本的に起因する。
【0140】図15は本発明のハイブリッドインフレー
タの変形例を示す。この変形例のインフレータは図5の
インフレータに類似した構成を備えているため、その類
似点については同一の符号を引用してその説明を省略
し、図5のインフレータとの相違点について以下に説明
する。
【0141】第一の室501は第二の室502よりも大
きな内径を備えている。第二の室502の長さは図5の
第二の室324よりも大幅に短く設定されている。従っ
て、第二の室502は第一の室501に比べて、極めて
小さな容量を有する。この実施例における第二の室50
2の容量は第一の室501の容量の約20分の1であ
る。
【0142】伝火チューブ503は第一の室501の軸
線上に配置され、イニシエータ228とアスピレータノ
ズル274とを接続している。伝火チューブ503は中
空状をなし、その周壁に複数の通気孔504を備えてい
る。従って、前記伝火チューブ503及びアスピレータ
ノズル274によって第一の室501が第二の室502
に連通している。また、第一閉鎖ディスク236はイニ
シエータ228と第一の室501との間の通路507を
常には閉鎖している。
【0143】第二の室502はアフターバーナーパイプ
505によって出口286に接続されている。第二の室
502及びアスピレータノズル274の近傍に配置され
た第二閉鎖ディスク290はパイプ505を介して出口
286を常には閉鎖している。
【0144】抽気口262は第一の室501と高圧ガス
用ハウジング204の内部とを連通している。入口31
6は第二の室502に設けられ、静的状態においては、
バルブ320が第二の室502の内壁に密着していない
ので、開放されている。従って、静的状態においては、
アスピレータノズル274、伝火チューブ503、入口
316及び抽気口262によって、高圧ガス用ハウジン
グ204、第一の室501及び第二の室502の内部の
圧力がほぼ均一に保たれている。この状態で、イニシエ
ータ228の作動されると、第一閉鎖ディスク236が
破壊され、かつ推進剤258が燃焼される。推進剤から
生じる燃焼ガスは第一の室501内の圧力を高めた後、
伝火チューブ503及びアスピレータノズル274を介
して第二の室502内の圧力を高める。その圧力はバル
ブ320を第二の室502の壁に向かって移動させ、入
口316を閉鎖させる。そして、燃焼ガスはアスピレー
タノズル274からパイプ505内に噴射され、第二の
閉鎖ディスク290を破壊する。
【0145】すると、第二の室502内の圧力が一時的
に低下し、バルブ320が入口316を開放する。よっ
て、加圧媒質は入口316を通って第二の室502、並
びにパイプ505内に進入する。その後、加圧媒質中の
酸素は第二の室502並びにパイプ505内において燃
焼ガス中の一酸化炭素及び水素と化学的に反応して、二
酸化炭素及び水に変換される。これらの高圧の二酸化炭
素、水、及び加圧媒質中のアルゴンは出口286を通
り、ディフューザ508からエアバッグ(図示略)に供
給されて、エアバッグを膨張させる。
【0146】上記のように、この実施例では第二の室5
02が第一の室501に比べて小さく設定され、かつア
スピレータノズル274に近接して第二の閉鎖ディスク
290が配置されている。従って、図5及び図8に示す
インフレータと同様の作用効果を発揮することに加え、
第一及び第二の室501,502内における燃焼ガスの
圧力の増加が迅速に行われて、そのディスク290の破
壊を迅速に行うことができる。
【0147】また、第一の室501内に多数の通気孔5
04を備えた伝火チューブ503が配置されているた
め、各通気孔504を燃焼ガスが通過するときにその流
速を早めることができる。これは、ディスク290の早
期破壊を補助する。
【0148】尚、伝火チューブ503は図5の実施例に
も適用できる。 また、図5、図8の実施例におけるア
スピレータノズルの開口面積と、抽気口の開口面積の総
和とについては、第一の室へ加圧媒質を導くか、あるい
は、推進剤の燃焼ガスを加圧媒質側へ導くかによって、
どちらの面積を大きくするかを決定することができる。
【0149】表2は、図5,8,14に示す各インフレ
ータの物理的特性、すなわち本発明の特徴を示す。例え
ば、表2は推進剤グレイン、推進剤ガス及び加圧媒質の
数値範囲を示す。
【0150】
【表2】 表2に示す各特性値が下限値を下回ると、エア安全バッ
グを膨張させるのに十分な量のガスが得られない。ま
た、各特性値が上限値を上回ると、インフレータ全体を
十分に小型化することができなくなる。更に、本発明の
インフレータでは表2に示す推進剤の重量に関する条件
を備えることは必須である。しかし、他の特性について
は、必要に応じて適宜に選択可能である。
【0151】図16(A)は本発明を具体化した別の実
施態様におけるハイブリッドインフレータを示し、図1
の膨張式安全システム10に組み入れることが可能であ
る。インフレータ614はエア/安全バッグ18(図
1)に供給するための加圧媒質620を備えたシリンダ
型のインフレータハウジング622と、加圧媒質620
を膨張させるための推進ガスを発生してエア/安全バッ
グ18への流れを増大させるガス発生器624とを備え
る。
【0152】このインフレータ614は、車両のシート
やドアに装着され、車両に側方から衝撃が加わったとき
に、乗員を保護するために使用される(例えば、側方衝
撃インフレータ)。加圧媒質620はアルゴンなどの不
活性ガスと酸素とを含んでいる。
【0153】インフレータハウジング622の右端の開
口642にはガス発生器ハウジング644が溶接により
固定され、その一部がインフレータハウジング622内
に配置されている。ガス発生器ハウジング644の収容
室645内には燃焼時に推進ガスを発生する推進剤64
6が収容され、かつ、点火アッセンブリ648が装着さ
れている。ガス発生器ハウジング644及び点火アッセ
ンブリ648はインフレータハウジング622の軸線6
17上に配置されている。
【0154】前記推進剤646はニトラミン系であり、
例えば、約70重量%のRDX(ヘキサハイドロトリニ
トロトリアジン)、約5から約15重量%のセルロース
アセテート及び約5から約15重量%のGAP(グリシ
ジルジアジドポリマー)を含むものが望ましい。この推
進剤は燃焼時に一酸化炭素及び水素を含んだ可燃性ガス
を発生する。
【0155】ガス発生器ハウジング644はその内端に
連通孔650を備え、その連通孔650は常には第一デ
ィスク652によって閉鎖されている。インフレータハ
ウジング622の左端開口625にはリング状のコネク
タ626が溶接により固定されている。コネクタ626
の左端の開口628にはキャップ状のディフューザ63
0が固定されている。ディフューザ630は周壁630
a及び頂壁630bを備え、その周壁630aには複数
の通気口632が形成されている。ディフューザ630
はインフレータハウジング622の軸線617上に配置
され、かつ、エア/安全バッグ18(図1)に接続され
ている。
【0156】前記コネクタ626の右端の開口はインフ
レータハウジング622の出口634を構成している。
その出口634には第二ディスク636が装着され、常
にはその出口634を閉鎖している。前記ディフューザ
630はこの出口634に連通する開口630cを備え
ている。また、この出口634を覆うように前記コネク
タ626には複数の通気口638を備えたキャップ64
0が装着されている。従って、インフレータハウジング
622の内部は常には2つのディスク636,652及
びインフレータハウジング622の周壁によって密閉さ
れている。また、第一ディスク652及び第二ディスク
636の破壊時には、連通孔650により、収容室64
5がインフレータハウジング622の内部に連通し、通
気口638により、インフレータハウジング622の内
部が出口634に連通する。
【0157】前記第一ディスク652と第二ディスク6
36との間の間隔は約20mmから約70mmであるこ
とが望ましい。この間隔が下限値を下回ると、エア/安
全バッグ18(図1)を膨張させるのに十分な量のガス
が得られず、上限値よりも大きいと、インフレータが十
分に小型化されない。前記インフレータハウジング62
2内の加圧媒質の量は、約40cm3から約100cm3
である。この加圧媒質620の量は上記の間隔と同様の
理由に基づいて設定される。より好ましくは、約50c
3から約90cm3である。また、インフレータハウジ
ング622の内部は4000psi程度の高圧に保たれ
ている。
【0158】さて、前記検出器612からの信号に応じ
て点火アッセンブリ648が作動されると、推進剤64
6が燃焼して、可燃性ガスを発生する。このガスは一酸
化炭素及び水素を含有している。また、このガスはガス
発生器ハウジング644内の圧力を高め、第一ディスク
652を破壊する。すると、可燃性ガスは連通孔650
を通ってインフレータハウジング622内に流入し、そ
こで加圧媒質620と混合される。
【0159】加圧媒質620は酸素を含んでいる。この
酸素は可燃性ガス中の一酸化炭素及び水素と反応して二
酸化炭素及び水蒸気を生成する。前記可燃性ガスはイン
フレータハウジング622内の圧力を高め、その圧力が
通気口638を介して第二ディスク636に作用する。
すなわち、ガスはキャップ640の端部壁641の周り
を流れて、孔638に進入しなければならない。これ
は、ハウジング622内におけるより完全な燃焼を容易
にする。従って、キャップ640の端部壁641はいわ
ば推進剤トラップとして機能し、インフレータ614に
対する出口に配置されている。
【0160】また、キャップ640の端部壁641が軸
線617上に配置されているため、第一ディスク652
を破壊した推進ガスが第二ディスク636に直接噴射さ
れることが防止される。そして、その推進ガスはハウジ
ング622内の加圧媒質と十分に反応してから、キャッ
プ640の周壁における孔638を通過して第二ディス
ク636に衝突する。従って、推進ガスに含まれる一酸
化炭素が完全に酸化されて後、出口634を通過する。
【0161】すると、第二ディスク636が破壊され、
高圧の二酸化炭素、水蒸気、及び不活性ガスが出口63
4及びディフューザ630の通気口632を通って、エ
ア/安全バッグ18(図1)に供給され、そのエア/安
全バッグ18(図1)を所定の時間内に所定量だけ効率
的に膨張させる。
【0162】上記のようにこの実施態様では、第一、第
二のディスク652,636及びディフューザ630が
インフレータハウジング622の軸線617上に配置さ
れているため、インフレータ全体をコンパクトなシリン
ダ型に形成することができる。よって、車両のドアやシ
ートの内部などの限られたスペース内に対しても、ドア
やシートの形状を変更することなく、確実に装着するこ
とができる。
【0163】また、この実施態様では、推進剤646が
その燃焼時に一酸化炭素及び水素を含む可燃性ガスを発
生する。そのガスは加圧媒質620中の酸素と反応して
二酸化炭素及び水に変換される。従って、搭乗者にはほ
とんど無害のガスによってエア/安全バッグ18(図
1)を膨張させることができる。
【0164】前記ディフューザ630はキャップ状をな
すとともに周壁630a及び頂壁630bを備え、かつ
前記出口634に連通する開口630cを備え、周壁6
30aには開口630cに連通する複数の孔632を有
している。従って、インフレータハウジング622から
ガスが放出されるとき、複数の孔632から四方にガス
を噴射してエア/安全バッグ18(図1)をより一層効
率的に膨張させることができる。
【0165】図16(B)は図16(A)におけるイン
フレータの変形例を示す。この変形例では、ガス発生器
ハウジング644がベース部分660と室部分662と
から構成されている。ベース部分660は点火アッセン
ブリ648を支持している。室部分662は推進剤64
6を収容している。ディスク664はベース部分660
と室部分662との間に配置され、それらによって挟持
されている。ディスク664は室部分662の貫通孔6
66を常には閉鎖している。室部分652は連通孔65
0を介してインフレータハウジング622に連通してい
る。従って、室部分652の内部は圧力下にある。
【0166】点火アッセンブリ648が動作されると、
点火アッセンブリ648はディスクを直接破壊し、かつ
推進剤を燃焼させて可燃性ガスを発生させる。可燃性ガ
スは加圧媒質620中の酸素と反応して、二酸化炭素及
び水蒸気に変換される。従ってエア/安全バッグが搭乗
者に対して実質的に無害のガスによって膨張させられ
る。
【0167】以上の本発明の説明は本発明を例示及び解
説するためのものである。また、本発明の説明は本発明
をここに開示した形態に限定するものではない。従っ
て、前記の技術と同等とみなされる変化及び変更、並び
に関連技術及びそれに関する知識に基づく変化及び変更
は本発明の範囲に含まれる。更に、ここに開示する実施
例は本発明を実施するための最良の形態を示し、かつ他
の当業者が本発明をこれらの実施例、または他の実施例
を本発明の特定の用途または使用に必要な各種の変更と
ともに使用し得ることを目的としたものである。本発明
の請求項は従来技術によって認められた範囲内において
別の実施例を含むべく構成されている。
【0168】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明は、従来の
インフレータよりも小型に形成することができ、かつエ
ア/安全バッグを所定の時間内に所定量、膨張させるこ
とができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車両用膨張式安全システムの略体図。
【図2】(B)は混成インフレータの一実施例の縦断面
図。(A)は(B)のA部分の拡大縦断面図。
【図3】例2の推進剤の組成に対するインフレータの内
圧/時間性能曲線。
【図4】例2の推進剤の組成に対するガスタンク圧力/
時間性能曲線。
【図5】混成インフレータの別の実施例の縦断面図。
【図6】(A)〜(D)は作動中の異なる時間における
図5のインフレータのバルブ及び閉鎖ディスクの拡大縦
断面図。
【図7】図6(A)〜(D)のバルブの端面図。
【図8】混成インフレータの別の実施例の縦断面図。
【図9】図8の9−9線に沿った中央ハウジングの断面
図。
【図10】推進ガス用通気口の配置を示した、ガス発生
器ハウジングの第1室と第二の室との間の図8の隔壁の
斜視図。
【図11】(A)〜(C)は作動中の異なる時間におけ
る図8のインフレータのバルブ及び閉鎖ディスクの拡大
縦断面図。
【図12】図8のインフレータの作動中における各種の
室の内部圧力を示すグラフ。
【図13】(A)〜(D)はバルブ/バルブ系が使用さ
れない時の図8のインフレータの作動中における各種の
室(第一の室、第二の室、高圧ガス用ハウジング及びエ
ア/安全バッグ)の内部圧力のグラフ。
【図14】(A)及び(B)は図5及び8のハイブリッ
ドインフレータのためのバルブの変更例を示す断面図。
【図15】ハイブリッドインフレータの別の実施例を示
す縦断面図。
【図16】(A)はハイブリッドインフレータの別の実
施例を示す縦断面図。(B)は図16(A)のハイブリ
ッドインフレータの変形例である。
【符号の説明】
18…エア/安全バッグ、36…加圧媒質、204…イ
ンフレータハウジング、258…推進剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブレント エー.パークス アメリカ合衆国 80111 コロラド州 エングルウッド サウス メイコン ウ ェー 6153 (72)発明者 島田 俊雄 東京都世田谷区千歳台3丁目25−14 (56)参考文献 特開 平6−40304(JP,A) 特開 昭52−140134(JP,A) 特開 昭49−68431(JP,A) 実用新案登録3014773(JP,Y2) 特表 平5−506195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/26 C06D 5/00

Claims (76)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エア/安全バッグを備えた自動車両の膨張
    式安全システムのためのハイブリッドインフレータにお
    いて、 インフレータハウジングと、 そのインフレータハウジングに収容された加圧媒質と、 前記インフレータハウジングに収容され、約0.5から
    約20gの推進剤とを備え、前記加圧媒質は不活性流体と酸素とを含み、 前記インフ
    レータハウジングから加圧媒質が放出される際に、推進
    剤に点火されて推進ガスを発生するハイブリッドインフ
    レータ。
  2. 【請求項2】前記推進剤は、4,000ポンド/平方イ
    ンチ(27.6MPa)の圧力下において、1秒当たり
    約0.1インチ(0.25cm/秒)から約2インチ
    (5cm/秒)の範囲の燃焼速度を有する請求項1に記
    載のハイブリッドインフレータ。
  3. 【請求項3】前記推進剤は、約2,000°Kから約
    3,800°Kの範囲の燃焼温度を有する請求項1に記
    載のハイブリッドインフレータ。
  4. 【請求項4】前記推進剤の点火時に発生する熱は800
    cal/gから1,300cal/gである請求項1に
    記載のハイブリッドインフレータ。
  5. 【請求項5】前記加圧媒質と前記推進剤の重量比は約8
    から25である請求項1に記載のハイブリッドインフレ
    −タ。
  6. 【請求項6】前記ハイブリッドインフレータは車両の助
    手席のために使用され、推進剤の重量は約6から約20
    gである請求項1に記載のハイブリッドインフレータ
  7. 【請求項7】前記ハイブリッドインフレータは車両の助
    手席のために使用され、推進剤の重量は約6から約15
    gである請求項6に記載のハイブリッドインフレータ。
  8. 【請求項8】前記ハイブリッドインフレータは車両の運
    転席のために使用され、推進剤の重量は約2から約8g
    である請求項1に記載のハイブリッドインフレータ。
  9. 【請求項9】前記ハイブリッドインフレータは車両の運
    転席のために使用され、推進剤の重量は約2から約6g
    である請求項8に記載のハイブリッドインフレータ。
  10. 【請求項10】前記ハイブリッドインフレータは車両に
    対するサイドインパクトのために使用され、推進剤の重
    量は約0.5から約2gである請求項1に記載のハイブ
    リッドインフレータ。
  11. 【請求項11】前記ハイブリッドインフレータにおける
    前記インフレ−タハウジングの容積は約10cm 3 から
    約450cm3である請求項1に記載のハイブリッドイ
    ンフレータ。
  12. 【請求項12】前記容積は約150cm3から約450
    cm3であり、車両の助手席のために使用される請求項
    11に記載のハイブリッドインフレータ。
  13. 【請求項13】前記容積は約50cm3から約150c
    3であり、車両の運転席のために使用される請求項1
    1に記載のハイブリッドインフレータ。
  14. 【請求項14】前記容積は約10cm3から約50cm3
    であり、車両に対するサイドインパクトのために使用さ
    れる請求項11に記載のハイブリッドインフレータ。
  15. 【請求項15】前記ハイブリッドインフレータにおける
    前記インフレータハウジングの壁の肉厚は約1mmから
    約4mmである請求項1に記載のハイブリッドインフレ
    ータ。
  16. 【請求項16】前記壁の肉厚は約2.5mmから約4m
    mであり、車両の助手席のために使用される請求項15
    に記載のハイブリッドインフレータ。
  17. 【請求項17】前記壁の肉厚は約1mmから約3mmで
    あり、車両の運転席のために使用される請求項15に記
    載のハイブリッドインフレータ。
  18. 【請求項18】前記壁の肉厚は約1mmから約3mmで
    あり、車両に対するサイドインパクトのために使用され
    る請求項15に記載のハイブリッドインフレータ。
  19. 【請求項19】前記ハイブリッドインフレータにおける
    前記インフレータハウジングの容積は約10cm3から
    約450cm3であり、かつ、前記インフレータハウジ
    ングの壁の肉厚は約1mmから約4mmである請求項1
    に記載のハイブリッドインフレータ
  20. 【請求項20】前記容積は約150cm3から約450
    cm3であり、かつ、前記壁の肉厚は約2.5mmから
    約4mmである車両の助手席のために使用される請求項
    19に記載のハイブリッドインフレータ。
  21. 【請求項21】前記容積は約50cm3から約150c
    3であり、かつ、前記壁の肉厚は約1mmから約3m
    mである車両の運転席のために使用される請求項19に
    記載のハイブリッドインフレータ。
  22. 【請求項22】前記容積は約10cm3から約50cm3
    であり、かつ、前記壁の肉厚は約1mmから約3mmで
    ある車両に対するサイドインパクトのために使用される
    請求項19に記載のハイブリッドインフレータ。
  23. 【請求項23】 前記加圧媒質はモルベースで約70%か
    ら約92%の前記不活性流体と、約8%から約30%の
    酸素とを含む請求項に記載のハイブリッドインフレー
    タ。
  24. 【請求項24】 前記加圧媒質はモルベースで約79%か
    ら約90%の前記不活性流体と、約10%から約21%
    の酸素とを含む請求項23に記載のハイブリッドインフ
    レータ。
  25. 【請求項25】 前記推進剤は燃焼して前記加圧媒体中の
    酸素と反応し得る推進ガスを発生する請求項に記載の
    ハイブリッドインフレ−タ。
  26. 【請求項26】 前記推進ガスは一酸化炭素と水素を含む
    請求項25に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  27. 【請求項27】 前記推進ガス中の前記一酸化炭素と水素
    はモルベースで約30%から約70%である請求項25
    に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  28. 【請求項28】 前記加圧媒体中の酸素は前記推進ガスと
    化学的に反応する請求項に記載のハイブリッドインフ
    レ−タ。
  29. 【請求項29】 前記推進剤は二次爆薬及びガンプロペラ
    ントのいずれか一方を含む請求項1に記載のハイブリッ
    ドインフレ−タ。
  30. 【請求項30】 前記ガンプロペラントはシングルベース
    ガンプロペラント、ダブルベースガンプロペラントまた
    はトリプルベースガンプロペラントである請求項29
    記載のハイブリッドインフレ−タ。
  31. 【請求項31】 前記推進剤は二次爆薬及びバインダ−系
    を含む請求項29に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  32. 【請求項32】 前記二次爆薬はニトラミン系である請求
    29に記載のハイブリッドインフレータ。
  33. 【請求項33】 前記二次爆薬はRDX(ヘキサハイドロ
    トリニトロトリアジン)、HMX(シクロテトラメチレ
    ンテトラニトラミン)、PETN(ペンタエリスリトー
    ルテトラニトレイト)及びTAGN(トリアミノグアニ
    ジン ニトレイト)からなるグループから選択されたも
    のである請求項32に記載のハイブリッドインフレー
    タ。
  34. 【請求項34】 前記推進剤は二次爆薬及びバインダー系
    からなり、二次爆薬の含有率は約50から約90重量%
    であり、バインダー系の含有率は約10から約50重量
    %である請求項31記載のハイブリッドインフレータ。
  35. 【請求項35】 前記バインダー系は結合剤、可塑剤、安
    定剤からなる請求項31に記載のハイブリッドインフレ
    ータ。
  36. 【請求項36】 前記バインダー系は約5から約30重量
    パ−セントの結合剤、0から約20重量パ−セントの可
    塑剤、及び0から約5重量パ−セントの安定剤からなる
    請求項35に記載のハイブリッドインフレータ。
  37. 【請求項37】 前記推進剤の燃焼によって生じる前記推
    進ガスは、推進剤1g当たり、約0.3から約0.6モ
    ルである請求項1に記載のハイブリッドインフレータ。
  38. 【請求項38】 前記推進ガスと前記加圧媒質とを合わせ
    た出力ガス中に含まれる酸素はモルベースで約20%未
    満である請求項1に記載のハイブリッドインフレータ。
  39. 【請求項39】 エア/安全バッグを備えた自動車両の膨
    張式安全システムのためのハイブリッドインフレータに
    おいて、 インフレータハウジングと、 そのインフレータハウジングに収容された加圧媒質と、 前記インフレータハウジングに収容された推進剤とを備
    え、前記インフレ−タハウジングの容積は約10cm3
    から約450cm3であり、前記加圧媒質は不活性流体
    と酸素とを含み、かつ前記インフレータハウジングから
    放出されるとともに、前記推進剤は推進剤ガスを生成す
    るために燃焼され、かつ、推進剤ガスは推進剤1g当た
    り約0.3モルから約0.6モルの範囲で生成されるハ
    イブリッドインフレータ。
  40. 【請求項40】 前記推進剤は、4,000ポンド/平方
    インチ(27.6MPa)の圧力下において、1秒当た
    り約0.1インチ(0.25cm/秒)から約2インチ
    (5cm/秒)の範囲の燃焼速度を有する請求項39
    記載のハイブリッドインフレータ。
  41. 【請求項41】 前記推進剤は、約2,000°Kから約
    3,800°Kの範囲の燃焼温度を有する請求項39
    記載のハイブリッドインフレータ。
  42. 【請求項42】 前記推進剤の点火時に発生する熱は約8
    00cal/gから約1,300cal/gである請求
    39に記載のハイブリッドインフレータ。
  43. 【請求項43】 前記加圧媒質と前記推進剤の重量比は約
    8から25である請求項39に記載のハイブリッドイン
    フレ−タ。
  44. 【請求項44】 前記ハイブリッドインフレータにおける
    前記インフレ−タハウジングの容積は約10cm3から
    約450cm3である請求項39に記載のハイブリッド
    インフレータ。
  45. 【請求項45】 前記容積は約150cm3から約450
    cm3であり、車両の助手席のために使用される請求項
    44に記載のハイブリッドインフレータ。
  46. 【請求項46】 前記容積は約50cm3から約150c
    3であり、車両の運転席のために使用される請求項
    に記載のハイブリッドインフレータ。
  47. 【請求項47】 前記容積は約10cm3から約50cm3
    であり、車両に対するサイドインパクトのために使用さ
    れる請求項44に記載のハイブリッドインフレータ。
  48. 【請求項48】 前記ハイブリッドインフレータにおける
    前記インフレータハウジングの壁の肉厚は約1mmから
    約4mmである請求項39に記載のハイブリッドインフ
    レータ。
  49. 【請求項49】 前記壁の肉厚は約2.5mmから約4m
    mであり、車両の助手席のために使用される請求項48
    に記載のハイブリッドインフレータ。
  50. 【請求項50】 前記壁の肉厚は約1mmから約3mmで
    あり、車両の運転席のために使用される請求項48に記
    載のハイブリッドインフレータ。
  51. 【請求項51】 前記壁の肉厚は約1mmから約3mmで
    あり、車両に対するサイドインパクトのために使用され
    る請求項48に記載のハイブリッドインフレータ。
  52. 【請求項52】 前記加圧媒質はモルベースで約70%か
    ら約92%の前記不活性流体と、約8%から約30%の
    酸素とを含む請求項39に記載のハイブリッドインフレ
    ータ。
  53. 【請求項53】 前記加圧媒質はモルベースで約79%か
    ら約90%の前記不活性流体と、約10%から約21%
    の酸素とを含む請求項52に記載のハイブリッドインフ
    レータ。
  54. 【請求項54】 前記推進剤は燃焼して前記加圧媒体中の
    酸素と反応し得る推進ガスを発生する請求項39に記載
    のハイブリッドインフレ−タ。
  55. 【請求項55】 前記推進ガスは一酸化炭素と水素を含む
    請求項54に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  56. 【請求項56】 前記推進ガス中の前記一酸化炭素と水素
    はモルベースで約30%から約70%含まれている請求
    54に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  57. 【請求項57】 前記加圧媒体中の酸素は前記推進ガスと
    化学的に反応する請求項39に記載のハイブリッドイン
    フレ−タ。
  58. 【請求項58】 前記推進剤は二次爆薬及びガンプロペラ
    ントのいずれか一方を含む請求項39に記載のハイブリ
    ッドインフレ−タ。
  59. 【請求項59】 前記ガンプロペラントはシングルベース
    ガンプロペラント、ダブルベースガンプロペラントまた
    はトリプルベースガンプロペラントである請求項58
    記載のハイブリッドインフレ−タ。
  60. 【請求項60】 前記推進剤は二次爆薬及びバインダ−系
    を含む請求項58に記載のハイブリッドインフレ−タ。
  61. 【請求項61】 前記二次爆薬はニトラミン系である請求
    58に記載のハイブリッドインフレータ。
  62. 【請求項62】 前記二次爆薬はRDX(ヘキサハイドロ
    トリニトロトリアジン)、HMX(シクロテトラメチレ
    ンテトラニトラミン)、PETN(ペンタエリスリトー
    ルテトラニトレイト)及びTAGN(トリアミノグアニ
    ジン ニトレイト)からなるグループから選択されたも
    のである請求項61に記載のハイブリッドインフレー
    タ。
  63. 【請求項63】 前記推進剤は二次爆薬及びバインダー系
    からなり、二次爆薬の含有率は50から90重量%であ
    り、バインダー系の含有率は10から50重量%である
    請求項60記載のハイブリッドインフレータ。
  64. 【請求項64】 前記バインダー系は結合剤、可塑剤、安
    定剤からなる請求項60に記載のハイブリッドインフレ
    ータ。
  65. 【請求項65】 前記バインダー系は約5から約30重量
    パ−セントの結合剤、0から約20重量パ−セントの可
    塑剤、及び0から約5重量パ−セントの安定剤からなる
    請求項64に記載のハイブリッドインフレータ。
  66. 【請求項66】 前記推進ガスと前記加圧媒質とを合わせ
    た出力ガス中に含まれる酸素はモルベースで約20%未
    満である請求項39に記載のハイブリッドインフレー
    タ。
  67. 【請求項67】前記不活性流体はアルゴンを含む請求項
    1または39のいずれか1項に記載のハイブリッドイン
    フレータ。
  68. 【請求項68】 エア/安全バッグを備えた自動車両の膨
    張式安全システムのためのインフレータに使用される二
    次爆薬を備えた推進剤であって、インフレータハウジン
    グに接続されるとともに、少なくとも一つのガス発生器
    用出口を備えたガス発生器ハウジング内に収容され、イ
    ンフレータ作動アセンブリの起爆によって点火され、前
    記インフレータハウジングに収容される不活性流体及び
    酸素を含む加圧媒質と化学的に反応し得る推進ガスを発
    生するように構成された推進剤。
  69. 【請求項69】 前記推進剤はバインダー系を含む請求項
    68に記載の推進剤。
  70. 【請求項70】 前記二次爆薬はRDX(ヘキサハイドロ
    トリニトロトリアジン)、HMX(シクロテトラメチレ
    ンテトラニトラミン)、PETN(ペンタエリスリトー
    ルテトラニトレイト)及びTAGN(トリアミノグアニ
    ジン ニトレイト)からなるグループから選択されたも
    のである請求項69に記載の推進剤。
  71. 【請求項71】 前記推進剤は燃焼時に酸素と反応し得る
    ガス状の燃焼生成物を発生する請求項70に記載の推進
    剤。
  72. 【請求項72】 前記燃焼生成物は一酸化炭素及び水素を
    含む請求項71に記載の推進剤。
  73. 【請求項73】 前記推進剤は約50から約90wt%の
    二次爆薬及び約10から約50wt%のバインダー系を
    含有している請求項70に記載の推進剤。
  74. 【請求項74】 前記推進剤は約60から約80wt%の
    二次爆薬及び約20から約40wt%のバインダー系を
    含有している請求項73に記載の推進剤。
  75. 【請求項75】 前記推進剤は約70から約80wt%の
    二次爆薬及び約20から約30wt%のバインダー系を
    含有している請求項74に記載の推進剤。
  76. 【請求項76】前記不活性流体はアルゴンを含む請求項
    68に記載の推進剤。
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