JP3123558U - 果樹の覆い装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般家庭において庭先やベランダ等の露天で鉢付き果樹を栽培する場合に、手軽に果樹の防虫、防雨及び防風を行い得る果樹の覆い装置を提供する。
【解決手段】植木鉢1に固定される支柱部2と、支柱部2の上端に固定され、植木鉢1に植えた果樹の上を覆う透明な材質の傘3と、傘3の上から植木鉢1の側壁1aまでを覆う防虫ネット4と、防虫ネット4を植木鉢1の側壁1aで絞る絞り紐5からなる。支柱部2は、植木鉢1の上縁部に固定されるリング状の下端支持体7と、傘3が固定されるリング状の上端支持体8と、両支持体を連結する複数本の支柱9からなる。
【選択図】 図1

Description

本考案は、鉢付き果樹の防虫、防雨及び防風を行う覆い装置に関する。
果樹の花や芽、果実が雨に濡れると、カビやウイルスの増殖、あるいは水分の吸収による裂果が生じる。これを防止するため、下記特許文献1,2に示すように、ビニールハウス内で果樹を栽培し又はビニールシートで果樹の上を覆うことが一般に行われている。また、果樹の花や芽、果実をアブラムシ、蛾、蜂、カメムシ等の害虫から保護するため、下記特許文献3〜5に示すように、果樹を防虫ネットで覆うことも一般に行われている。これらのビニールシートや防虫ネットは、強風による落花又は落果を防止する機能も有している。
一方、下記特許文献6には、鉢植えの花を強い日差しや雨から保護するため、植木鉢にパラソルを着脱自在に固定することが記載されている。
実開平6−5440号公報 特開2003−153635号公報 実用新案登録第3106056号公報 特開平10−174531号公報 特開2001−57820号公報 実用新案登録第3055843号公報
果樹農家ではない一般家庭において、庭先やベランダ等で果樹を鉢植えにして栽培し、花や芽、果実を観賞したり、果実の収穫を楽しむ人が多くなっている。しかし、雨や風の当たる露天で栽培する以上、害虫や雨(カビや微生物による病害)あるいは風による被害が発生する。例えばぶどう、桃、梨など、害虫の被害やカビ等の病虫害が多く発生しやすい果樹の場合、その被害を防止するため何度も消毒を行う必要があり、年間を通じて手間がたいへんである。また強風による落果の被害も多いというのが現状である。
庭先やベランダに一般家庭用の小型のビニールハウスを設置し、その中で果樹を栽培すれば、これらの被害から果樹を保護することができ、消毒の回数も大きく減らすことができる。しかし、ビニールハウスは日差しが強くなる初夏以降は内部が高温になり、果実や樹幹の焼けあるいは果実品質の低下を引き起こす。一方、高温になるのを防止するためビニールを巻き上げ内部を外気に開放すると、虫害や風雨の害を防止できない。しかも、小型とはいえビニールハウスは場所をとり、都会の狭い庭やベランダには不向きであるばかりか高価であり、1、2本の果樹のために手軽に設置できるというものではない。なお、前記特許文献6に記載された手段は、個別の鉢毎に手軽に適用できる利点があるが、果樹に必要な直射日光を遮り、虫害や風害は防止できず、風があるときは雨の害も防止できないため、果樹栽培に対する適性はない。
従って、本発明は、一般家庭において庭先やベランダ等の露天で鉢付き果樹を栽培する場合に、手軽に防虫、防雨及び防風を行い得る果樹の覆い装置を提供することを目的とする。
本発明に係る果樹の覆い装置は、植木鉢に固定される支柱部と、支柱部の上端に固定され、植木鉢に植えた果樹の上を覆う透明な材質の傘と、前記傘の上から植木鉢の側壁までを覆う防虫ネットと、防虫ネットを植木鉢の側壁で絞り閉鎖する絞り手段からなる。
望ましい実施の形態として、前記支柱部が、植木鉢の上縁部に固定される下端支持体と、前記傘が固定される上端支持体と、前記下端支持体に下端が連結し、上方に外広がりに伸び、上端が前記上端支持体に連結する複数本の支柱からなること、その場合に、前記支柱部の下端支持体及び上端支持体がリング状をなし、下端支持体の径は植木鉢の上縁の径とほぼ一致し、上端支持体は下端支持体より径が大きく形成されていることが挙げられる。
本考案において、傘は果樹の上を覆い、透明な材質からなるため日差しを妨げず、果樹に雨が降りかかるのを防止できる。防虫ネットは果樹の周囲を取り囲み、植木鉢の側壁で絞られ、虫が入らないようにして虫害を防止すると同時に、果樹に当たる風を弱め、さらに風により斜めに降り込む雨粒を遮り果樹にかかるのを防止できる。
従って、本考案に係る果樹の覆い装置によれば、虫害やカビ等の発生が抑えられ、消毒の回数を大きく減らすか又はなくすことができる。また風害による落果を防ぐことができ、さらに防虫ネットの目を通して換気も行われるため、日差しがきつくても防虫ネット内部が高温にならず、果実や樹幹の焼けあるいは果実品質の低下が防止できる。
また、本考案において、防虫ネットは植木鉢側壁への絞りを解除することにより、容易に着脱できる。このため、交配、摘蕾、摘花などの管理作業が行いやすく、特に防虫ネットが黒色の場合に防虫ネット内をよく透視でき、果樹の状況をよく把握できるとともに良好に観賞できる。
本考案に係る果樹の覆い装置は、果樹を植えた各鉢毎にセットするもので、構造が簡単で安価である。従って、一般家庭において庭先やベランダ等の露天で鉢付き果樹を栽培する場合に、果樹の防虫、防雨、防風を確実かつ手軽に行うことができる。
以下、図1〜3を参照して、本発明に係る果樹の覆い装置について説明する。
図1に示すように、この覆い装置は、植木鉢1(植えた果樹は図示が省略されている)に固定される支柱部2と、支柱部2の上端に固定された傘3と、傘3の上方から植木鉢1の側壁までを覆う防虫ネット4と、防虫ネット4を植木鉢1の側壁で絞り、ネット4を閉鎖する絞り手段5からなる。
植木鉢1の側壁1aの上縁近傍には、図2に示すように、内外貫通する穴6が円周方向に沿って等間隔に4箇所形成されている。
支柱部2は、リング状の下端支持体7及び上端支持体8と、下端支持体7と上端支持体8の間を円周方向に沿って等間隔で連結する4本の支柱9からなる。上端支持体8、下端支持体7及び支柱9は例えば鉄などの金属からなり、支柱9の下端は下端支持体7に、上端は上端支持体8にそれぞれ溶接固定されている。下端支持体7の径は植木鉢1の上縁の径とほぼ一致し、上端支持体8の径は下端支持体7の径より大きく形成されている。従って、支柱9は上方に外広がりに伸びている。
傘3は透明な材質、例えばポリカーボネートや塩ビ板からなり、周縁部になるほど下方になるように湾曲した形状(上方に凸)を有し、上縁支持体8より大径であり、上縁支持体8の径とほぼ同一径の円周上の4箇所に各一対の穴11が形成されている。なお、傘3は無色透明でなく着色されていてもよい。
防虫ネット4は袋を逆さにしたような形状で、下端の絞り口には、該袋口を植木鉢1の側壁1aの周囲に絞り込めるように、絞り紐(絞り手段)5が裾の折り返し部分の中を絞り込み可能に通されている。他の絞り手段として、例えばパンツの如くゴム紐を裾の折り返し部分に内装する方法もある。防虫ネット4は、果樹につく害虫の侵入を防止する効果が表れる2mm以下の目合いのものが好ましく、その目合いのものであれば、防虫と同時に雨粒の吹き込みが防止でき、かつ防風が可能である。本発明に係る覆い装置は、内容積の割りに表面積が大きいため、目合いの小さい防虫ネットを用いても、換気がよく行われて日差しがきつくても内部温度の上昇は小さい。好ましくは目合い0.4〜2mmのもの、より好ましくは目合い0.6〜1.2mm、一般的に目合い1mm程度のものを選択すればよい。また、内部をよく透視できて管理作業がし易く、観賞の妨げにならないという意味で黒色のネットが好ましい。
この覆い装置の装着にあたっては、図3に示すように、支柱部2の下端支持体7が植木鉢1(植えた果樹は図示が省略されている)の上縁に固定される。この固定は、インシュロックなどの結束具12を植木鉢1の穴6に通し、下端支持体7を巻き止めることで行われる。また、傘3が上端支持体8に固定される。この固定は、インシュロックなどの結束具13を傘3の穴11に通し、上端支持体8を巻き止めることで行われる。
続いて、図1に示すように、防虫ネット4を傘3の上から被せ、下端の絞り口を植木鉢1の側壁1aの周囲に位置させ、絞り紐5を引っ張り、絞り口を側壁1aの周囲に絞り込んで、絞り紐5を結び、果樹の周囲を完全に包囲する。
なお、本発明に係る覆い装置は、上記の例に限らず、種々の形態を取り得る。例えば、上記の例では支柱部2は下端支持体7、上端支持体8及び支柱9から構成されるが、これは傘3を確実に支持できるのであれば、任意の構造を取り得る。その固定手段についても上記の例では結束具12を用いて植木鉢1の上縁に下端支持体7を固定したが、下端支持体7を植木鉢1の中に入る径とし、植木鉢1の内部で側壁1aにボルト止めや結束具により固定することもできる。また、この固定手段は、支柱部の具体的構造によって種々の形態を取ることができ、例えば特許文献6に類似する態様で、支柱の下端を植木鉢1の土中に差し込んで固定することも可能である。
支柱部2と傘3の固定手段についても、上記の例では結束具13を用いて上端支持体8に傘3を固定したが、ボルト止め等の他の手段を用いることもでき、支柱部の構造によってはさらに他の手段をとることができる。
防虫ネット4の絞り手段についても、上記の例では絞り紐5を用いて植木鉢1の側壁1aに緊着したが、ゴム紐を内蔵させるなど他の任意の絞り手段を用いることができる。
本発明に係る果樹の覆い装置を植木鉢にセットした状態を示す側面図である。 本発明に係る果樹の覆い装置のうち支柱部と傘を分離し植木鉢とともに示す分解図である。 本発明に係る果樹の覆い装置のうち支柱部と傘を植木鉢に固定した状態を示す側面図である。
符号の説明
1 植木鉢
2 支柱部
3 傘
4 防虫ネット
5 絞り紐(絞り手段)
6,11 穴
7 下端支持体
8 上端支持体
9 支柱
12,13 結束具

Claims (7)

  1. 植木鉢に固定される支柱部と、支柱部の上端に固定され、植木鉢に植えた果樹の上を覆う透明な材質の傘と、前記傘の上から植木鉢の側壁までを覆う防虫ネットと、防虫ネットを植木鉢の側壁で絞り閉鎖する絞り手段からなる果樹の覆い装置。
  2. 前記支柱部が、植木鉢に固定される下端支持体と、前記傘が固定される上端支持体と、前記下端支持体に下端が連結し、上方に外広がりに伸び、上端が前記上端支持体に連結する複数本の支柱からなることを特徴とする請求項1に記載された果樹の覆い装置。
  3. 前記支柱部の下端支持体及び上端支持体がリング状をなし、下端支持体の径は植木鉢の上縁の径とほぼ一致し、上端支持体は下端支持体より径が大きく形成されていることを特徴とする請求項2に記載された果樹の覆い装置。
  4. 前記防虫ネットが黒色であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載された果樹の覆い装置。
  5. 前記防虫ネットの目合いが0.4〜2mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載された果樹の覆い装置。
  6. 植木鉢と、請求項1〜5のいずれかに記載された果樹の覆い装置からなることを特徴とする覆い装置付き植木鉢。
  7. 果樹を植えた植木鉢に請求項1〜5のいずれかに記載された果樹の覆い装置を取り付けたことを特徴とする鉢付き果樹。
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