JP3123123U - 構築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本考案の目的は、免震性の優れた構築物の開発である。
【解決手段】
土台、中台、さお石からなる構築物において、
(a)片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートを土台と中台の間、中台とさお石の間に挿入されていること
(b)接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すること
を特徴とする構築物。
【選択図】 図4

Description

本考案は、免震性が付与された墓石や、顕彰碑などの構築物に関する。
地震などにより墓石などが倒壊することは広く経験されるところである。このような墓石の倒壊防止のため種々の方法が提案されている。例えば、さお石を頂部として上台、中台、下台と積み重ねた墓石において、さお石の中腹部から上台、中台とを貫通し下台の中腹部に達する貫通孔を設け、該貫通孔に金属棒を嵌合し、金属棒と貫通孔との間には軟質材料の緩衝中空筒を介在させ、該緩衝中空筒の外径と貫通孔の内径とは緩く嵌合し、さお石と上台との接合面には互いの回転を阻止し固着する結合ピンを埋め込んだ墓石が開示されている(特許文献1)。
墓石ブロックを積み重ねた構造の耐震墓石であって、該墓石ブロックの間に弾性緩衝材が存在することを特徴とする耐震墓石が開示されている(特許文献2)。
特開2005−180130号公報 特開平11−93460号公報
しかし、従来の公知技術においては、構造が複雑であったり、構築物は、重量があるため、使用中に変形したりしてしまう。本考案においては、さお石乃至中間台と土台の間に金属球を使用した転倒防止用シートを挿入することにより免震性を付与するのであるが、墓石さお石は、重量があり、施工時に移動してしまうなどの問題点が発生した。
そこで本考案の目的は、免震性向上と同時に、施工性を改良した構築物の開発である。
すなわち、本考案の免震性構築物は、以下の特徴を有する。
(1)土 台、さお石からなる構築物において、
片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台とさお石の間に挿入されていることを特徴とする。
(2) 土台、中台、さお石からなる構築物において、
片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台と中台の間、中台とさお石の間に挿入されていることを特徴とする。
(3) 土台、さお石からなる構築物において、
(a)片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台とさお石の間に挿入されていること
(b)接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すること
を特徴とする。
(4) 土台、中台、さお石からなる構築物において、
(a)片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台と中台の間、中台とさお石の間に挿入されていること
(b)接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すること
を特徴とする。
(5) (1)〜(4)のいずれかにおいて、球状体は金属製乃至プラスチックス製ドーナツ型リングの中に存在し、球状体の周囲は空洞となっていることを特徴とする。
(6) (1)〜(4)のいずれかにおいて、球状体は金属製乃至プラスチックス製ドーナツ型リングの中に存在し、球状体の周囲は弾性材料が充填されていること特徴とする。
本考案において、構築物とは、墓石、顕彰碑、記念碑など人が住む目的以外に作成された建造物をいうが、本考案の構築物の主要な対象は墓石である。本考案の対象である、墓石は通常、地面に近い部分にある墓石土台、上部にある墓石さお石から構成される。場合により、墓石土台と墓石さお石の間に墓石中間台が存在する場合もある。
本考案において、金属製乃至プラスチックス製球状体とは、金属乃至プラスチックスからなる球状体をいう。球状体に使用できる金属としては、好ましくは、アルミニウム、スズ、ハンダ、ステンレス、鉛、真鍮、銅、金メッキ・銀メッキした真鍮や銅をあげることができる。金・銀・白金などの貴金属は高価すぎるし、亜鉛などでは、使用中酸化しやすいからである。また球状体に使用できるプラスチックスとしては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリルなどをあげることができる。
本考案における、球状体とは、球、楕円球、角を丸くした立方体、角を丸くした円柱などをあげることができる。使用する球状体の径は半径が0.5〜20ミリメートルが好ましい。0.5ミリメートルより小さいと弾性体の厚みが必然的に小さくなり、20ミリメートルより大きくなると、効果が飽和するからである。本考案において、球状体を使用することにより、墓石さお石、墓石中間台の荷重を支えることが可能である。
本考案において、弾性材料からなるシート材に使用する弾性体としては、ウレタンエラストマー、ブチルゴム、ポリウレタン、シリコンゴム、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル系ゴムなどの合成ゴム、天然ゴムをあげることができる。弾性材料からなるシート材として、弾性材料からなるシート材と金属材料乃至プラスチック材料からなるシート材を使用することもできる。
ここで、弾性材料及び金属を積層したシート材に使用する金属としては、好ましくは、アルミニウム、スズ、ハンダ、ステンレス、鉛、真鍮、銅、金メッキ・銀メッキした真鍮や銅をあげることができる。また弾性材料及びプラスチックスを積層したシート材に使用するプラスチックスとしては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリルなどをあげることができる。
本考案において一体化したとは、シート材と球状体が相互に共同して転倒防止が可能な如き構造をいい、具体的には、シートの一部に欠落部を形成させ、この部分にドーナツ型金属リングや球状体を配した構造、シートの中に欠落部を形成することなく、球状体やドーナツ型金属リングを配した構造をあげることができる。
本考案において使用されるドーナツ型金属リングにおけるドーナツ型とは、円柱の中心部が欠落した構造の輪型の形状をいう。欠落部の径を球状体の径より大きくすれば、墓石土台上又は墓石中間台上に置いたとき、ドーナツ型金属リングの中心部に球状体を置くことが可能であり、結果としてドーナツ型金属リングは、球状体の移動防止壁となすことが可能となる。
ドーナツ型金属リングに使用される金属としては、好ましくは、スズ、ハンダ、ステンレス、鉛、真鍮、銅、金メッキ・銀メッキした真鍮、銅をあげることができる。
本考案において、転倒防止シートの片面に使用される高分子接着剤乃至高分子粘着剤としては、デンプンのり、ポリビニルアルコール水溶液等の水溶性高分子、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、生ゴムなどのゴム系接着剤をあげることができる。
本考案において、土台とさお石の間、土台と中台の間、さお石と中台の間に挿入される高分子接着剤としては、デンプンのり、ポリビニルアルコール水溶液等の水溶性高分子、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、生ゴムなどのゴム系接着剤をあげることができる。この場合、接着剤層は、適度の厚みが必要であるため、袋に入れたり、プラスチック材料や弾性材料の両面に接着剤を塗布したりすることもできる。
本考案おいて、転倒防止シートの接着剤乃至高分子粘着剤を塗布した面を保護するため、シリコン樹脂を塗布した紙乃至フィルムで保護し、使用直前に紙乃至フィルムを剥離し使用することができる
本考案において、接着剤乃至粘着剤の塗布面は、シート材料の一面のみである。接着剤乃至粘着剤を塗布されている面を墓石さお石の面に向けて、墓石さお石と墓石さお石の間に挿入された場合を考える。墓石さお石と転倒防止シートの接着剤乃至粘着剤が塗布されている面は、強固に接着乃至粘着し、転倒防止シートと墓石さお石は強固に接着乃至粘着している。一方接着剤乃至粘着剤が塗布されていない転倒防止シートの面と墓石土台の接着乃至粘着は弱く、転倒防止シートと墓石土台との接着乃至粘着力は弱い。
上記の状況で、地震が起こった場合を想定すると、地震の横揺れに対し、墓石さお石は、地震の横揺れに対し、転倒防止シートと墓石さお石の接着乃至粘着は弱いため、地震に連動して揺れることはなく、地震の影響を弱めることが可能となる。
本考案において、
接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すれば、地震の横揺れに対し抵抗するので、構築物の横揺れに対する抵抗性を向上することが可能である。
一方地震の縦揺れに対しては、転倒防止シートの弾性材が働き、地震の影響を弱める働きがある。
転倒防止シートの接着剤乃至粘着剤を塗布する面は、墓石さお石の面に向けることが好ましいが、墓石土台の面に向けることもできる。
本考案において、弾性材料乃至弾性材料と金属材料の積層品からなるシートは、好ましくは、青(緑)、赤、白、黒に着色される。四方の神を表す四神は、東(青龍):青(緑)、南(朱雀):赤、西(白虎):白、北(玄武):黒とされるからである。着色には、有機顔料、無機顔料、染料が使用できるが、一般には有機顔料、無機顔料が好ましい。無機顔料としては、青:群青など、赤:ベンガラなど、白:酸化チタン、酸化亜鉛など、黒:カーボンブラックなどを使用できる。有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアン顔料などを用いることができる。
本考案において、着色した弾性材料片と、該弾性材料片中に存在する金属球と、ドーナツ型金属リングから構成されている転倒防止用シートは、四個一組で使用され、各各は、青(緑)、赤、白、黒に着色されている。転倒防止用シートを施工するに際しては、青(緑)は東に、赤は南に、白は西に、黒は北に配置することができる。
このように配置することにより、ご本尊を東に「持国天」、南に「増長天」、西に「広目天」、北に「多聞天」がガードするように、余分な浮遊霊や邪悪なものが近づくのをガードすると信じられているのである。
転倒防止シートに、青龍、朱雀、白虎、玄武を表す絵柄を印刷したり、これら絵柄を印刷した紙を挿入したりして、より強力に余分な浮遊霊や邪悪なものが近づくのをガードさせることも可能である。
図1は、墓石土台2と墓石さお石3の間に、中心に金属球と弾性剤5からなる転倒防止シート8を配した墓の正面図である。
図2は、墓石土台2と墓石さお石3の間に、中心に金属球6と弾性剤シート5からなる転倒防止シートを配した墓の、図1A−B面における断面図である。
図3は、墓石土台2と墓石さお石3の間に、中心に金属球と弾性剤5からなる転倒防止シート、接着剤4を配した墓の正面図である。
図4は、墓石土台2と墓石さお石3の間に、中心に金属球6と弾性剤5からなる転倒防止シートと、接着剤4を配した墓の、図3C−D面における断面図である。
なお北側の位置の転倒防止シートは、弾性体は黒色、南側の転倒防止用シートは赤色、東側の転倒防止シートは青色、西側の転倒防止シートは顔料で白色に着色されている。
図5は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、弾性材料5からなる転倒防止シートの平面図である。
図6は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、弾性材料5からなる転倒防止シートのE−F面での断面図である。
図7は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、金属材料9と弾性材料からなる転倒防止シートの平面図である。
図8は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、金属材料9と弾性材料5からなる転倒防止シートのG−H面での断面図である。なお、
図5〜8において、墓石さお石の荷重がかけられると、金属球6は変形して弾性体5の厚みと同じになる。
図9は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、弾性材料5からなる転倒防止シートの平面図である。ここで金属球5は、弾性材料5で取り囲まれている。
図10は、図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球6と、ドーナツ型金属リング7と、弾性材料5からなる転倒防止シートのI−J面での断面図である。ここで金属球5は、弾性材料5で取り囲まれている。
以上の説明によって明らかな様に、本考案による転倒防止シートは、以下に列挙した如き、実用上の好ましい効果を奏する。
(a)従来から存在する墓等の構築物に対し、従来から存在する構築物の大幅な改造を行うことなく実施可能である。
(b)施工性が優れ、施工時間が短縮でき、作業効率をあげることができる。
(C)転倒防止シートに使用する部材は環境に対する影響が少なく安全性が高い。
(d)コストアップも少なく経済性に優れる。
墓石土台と墓石さお石の間に、中心に金属球と弾性剤からなる転倒防止シートを配した構築物の正面図である。 墓石土台と墓石さお石の間に、中心に金属球と弾性剤からなる転倒防止シートを配した構築物の、図1A−B面における断面図である。 墓石土台と墓石さお石の間に、中心に金属球と弾性剤からなる転倒防止シートと、接着剤を配した構築物の正面図である。 墓石土台と墓石さお石の間に、中心に金属球と弾性剤からなる転倒防止シートと、接着剤を配した構築物の、図3C−D面における断面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、弾性材料からなる転倒防止シートの平面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、弾性材料からなる転倒防止シートのE−F面での断面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、金属材料と弾性材料からなる転倒防止シートの平面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、金属材料と弾性材料からなる転倒防止シートのG−H面での断面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、弾性材料からなる転倒防止シートの平面図である。 図3、図4における中心に金属球を置いた転倒防止シートの代わりに、金属球と、ドーナツ型金属リングと、弾性材料からなる転倒防止シートのI−J面での断面図である。
符号の説明
1 墓
2 墓石土台
3 墓石さお石
4 接着剤層
5 弾性体シート
6 金属球
7 ドーナツ型金属リング
8 転倒防止シート
9 金属シート
10 保護フィルム
A、B 断面図の切断位置を示す。
C、D 断面図の切断位置を示す。
E、F 断面図の切断位置を示す。
G、H 断面図の切断位置を示す。
I、J 断面図の切断位置を示す。

Claims (6)

  1. 土台、さお石からなる構築物において、
    片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台とさお石の間に挿入されていることを特徴とする構築物。
  2. 土台、中台、さお石からなる構築物において、
    片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台と中台の間、中台とさお石の間に挿入されていることを特徴とする構築物。
  3. 土台、さお石からなる構築物において、
    (a)片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台とさお石の間に挿入されていること
    (b)接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すること
    を特徴とする構築物。
  4. 土台、中台、さお石からなる構築物において、
    (a)片面に、高分子接着剤乃至高分子粘着剤が塗布されている弾性材料からなるシート材と、該シート材と一体化した金属製乃至プラスチックス製球状体とからなる転倒防止シートが土台と中台の間、中台とさお石の間に挿入されていること
    (b)接着剤を転倒防止シートが挿入されていない位置に挿入すること
    を特徴とする構築物。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、球状体は金属製乃至プラスチックス製ドーナツ型リングの中に存在し、球状体の周囲は空洞となっていることを特徴とする構築物。
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、球状体は金属製乃至プラスチックス製ドーナツ型リングの中に存在し、球状体の周囲は弾性材料が充填されていること特徴とする構築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015072062A (ja) * 2013-09-03 2015-04-16 規久男 杉田 制振パッド及び免震施工方法

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