JP3122518U - 摺動建具の傾き調整具 - Google Patents

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Abstract

【課題】襖を閉じたとき柱との間に生ずる隙間をなくすため襖に取付けられて襖の傾きを変える取付具において、襖を取外すことなく取付けたままの状態で取付けられる構造の簡単な取付金具を提供する。
【解決手段】L形断面をなして、その一側を摺接部1a、他側を取付部1bとし、取付部1bには、一対のネジ孔2が形成される。襖11の傾きを変え、柱11との隙間をなくすときには、襖11の一端のコーナに摺接部1aを敷居14の凹溝15に沿わせて襖下端面下に押込み、取付部1bを襖側側に当てがって止ネジ3を各ネジ孔2を通して襖11に捩じ込み止着する。
【選択図】図4

Description

本考案は、襖、障子、引き戸等の摺動建具を閉じたときに柱や側壁との間に生ずる隙間をなくすべく摺動建具の傾きを変えるために取付けられる取付具に関する。
摺動建具として図1に示す襖11を例にとっていえば、襖11は柱12間の鴨居13と敷居14に形成される凹溝15に嵌合して開閉時に摺動するようになっているが、家屋の歪み等により柱12や敷居14等が傾斜すると、襖11を閉じたとき図2に示すように柱12との間に隙間17を生ずるようになる。こうした隙間17は、見映えを損なうばかりでなく、遮音性、保温性を損なうようになる。こうした隙間17をなくすため従来は、襖11を敷居14から取外して、その下端面をカンナ掛けして傾斜を付け、敷居14に嵌め込んでいるが、その作業には熟練及び労力を要する。
摺動建具の傾きを変えるための取付具もいくつかのものが知られているが、概して構造が複雑で、取付けも容易ではない。下記特許文献1には、中央部を摺動建具の下端面にネジにて止着される取付部とし、該取付部の両側を斜め下方に折曲する板ばね状の摺接部とした隙間除去装置が開示されている。この装置によれば、摺動建具の一端部に取付けることにより摺動建具の一端部が持上げられた状態で傾斜し、これにより柱との隙間が解消されるようになっており、構造も比較的簡単であるが、取付けに際しては、摺動建具を一旦取外さねばならない。
特開平11−200717号
本考案は、摺動建具を取外すことなく、取付けたままの状態で簡易に取付けることができる構造の簡単な摺動建具の傾きを変えるための取付具を提供することを目的とする。
請求項1に係わる考案は、敷居及び鴨居の凹溝に摺動可能に嵌め込まれる摺動建具の傾きを変えるための取付具であって、L形断面をなし、その一側を敷居の凹溝に嵌め込んだ摺動建具の一端部の下端面と凹溝底との間に前記下端面に沿わせて挿入される摺接部とし、他側を摺動建具の側面に取付手段によって取付けられる取付部としたことを特徴とする。
本考案の敷居は、例えば間仕切りのため部屋と部屋との間に設置される敷居、土間に設置される敷居等が挙げられ、摺動建具としては、例えば襖、障子、引き戸等を挙げることができ、引き戸には家具の引き戸も含まれるものとする。
取付具の材質は、鋼、アルミ等の金属であってもよいし、木や硬質樹脂であってもよいが、摺接部には、摺動建具の開閉をスムースにし、更には敷居や取付具の損耗を少なくするために敷居の凹溝底との摩擦抵抗を少なくする手段を施すのが望ましい。摩擦抵抗を少なくするための手段としては、例えばテフロン(登録商標)加工、ポリプロピレン等の硬質樹脂の被覆層を設けることなどが例示される。
取付手段としては、例えば止ネジ、接着剤、両面粘着テープ等を挙げることができる。
本考案の取付具は、摺動建具の一端のコーナに側面から差込んで取付けられるが、摺動建具の下端面が段状をなす場合、前面又は裏面から差込んで取付けることもできる。
請求項2に係わる考案は、請求項1に係わる考案において、摺接部には少なくとも凹溝底との接触面に摩擦係数の小さな硬質樹脂を被覆したことを特徴とする。
請求項3に係わる考案は、請求項1に係わる考案において、取付具の摺接部と摺動建具との間にスペーサを介装することを特徴とする。
請求項1に係わる考案の取付具によると、基本構成がL形断面の単体をなすから構造が簡単であること、敷居の凹溝に嵌め込まれた摺動建具の側面又は前後から摺動部を摺動建具の下端面下に差込み、取付部を取付手段により摺動建具に取付けるだけで摺動建具を取外すことなく簡易に取付けて摺動建具の傾きを変えることができること等の効果を奏する。
請求項2に係わる考案の取付具によると、建具の開閉がスムースに行われ、敷居や取付具の損耗も軽減することができる。
請求項3に係わる考案の取付具によると、スペーサの厚みを変えることにより、摺動建具の傾き調整を行うことができる。
以下、本考案の実施形態を図面により説明する。
図3に示す取付具である取付金具1は、L形断面をなして、その一側を摺接部1a、他側を取付部1bとしたもので、取付部1bには、一対のネジ孔2が形成されている。
図2に示すように、摺動建具である襖11を閉じた状態で柱12との間に隙間17が生ずるときには、図3に示す取付金具1を用い、襖11の一端のコーナに摺接部1aを敷居14の凹溝15に沿わせて襖下端面下に押込み、取付部1bを襖側面にあてがった状態で取付手段である止ネジ3を各ネジ孔2を通して襖11に捩じ込み止着する(図4参照)。これにより図5に示すように襖11の傾きが変えられ、柱12との間の隙間17が解消される。
図3に示す取付金具1を用いてもなお襖11と柱12との間の隙間がなくならないときには、摺接部1aの厚みが大きな取付金具1を用いるか、或いは図6に示すように摺接部1aと襖下端面との間にスペーサ4を介装させるとよい。
上記実施形態では、取付金具1を襖11の一端のコーナに襖側面に当てて取付けているが、図7に示すように襖下端面が段状をなして敷居14に嵌め込まれている場合、取付金具1を敷居14の凹溝上縁と段状をなす襖下端面との間に差込んで取付け、これにより襖11の一端部を持上げて傾きを変えることもできる。
上記実施形態ではまた、取付金具1は取付手段として止ネジ3を用いて止着されているが、接着剤や両面粘着テープを用いて取付けるようにしてもよい。
図8に示す取付金具6は、図3に示す取付金具1の摺接部1aに摩擦係数の小さな、例えばポリプロピレンよりなる硬質樹脂7を被覆したもので、摺接部1aの下端部の硬質樹脂7は、先端が先細り状となるように薄肉にされて敷居14と襖下端面との間に差込み易くすると共に、敷居14に嵌め込んだ状態で図8に示すように凹溝底との接触面積が増えて、襖11の開閉が安定して行われうるようになっている。摺接部1aの下端部の硬質樹脂7はまた、図9に示すように両側がR状をなして敷居11との接触面積を減らし、襖11の開閉がスムースに行われるようにしてある。
上記実施形態はいずれも取付金具1の適用例として襖11を示したが、障子、家具の引き戸を含む引き戸等にも適用可能である。
襖の取付状態を示す斜視図。 襖と柱との間に隙間が形成された状態を示す図。 本考案に係わる取付金具の斜視図。 図5のa部の拡大図。 図3に示す傾き調整具を取付けて襖の傾きを変え、板との隙間をなくした状態を示す図。 傾き調整具の摺接部と襖下端面との間にスペーサを介装させた状態を示す図。 本考案に係わる取付金具の別の使用態様を示す図。 本考案に係わる取付金具の別の例の斜視図。 図8に示す取付金具の取付状態を示す図。 図8のA−A線断面図。
符号の説明
1、6・・取付金具
1a・・摺接部
1b・・取付部
2・・ネジ孔
3・・止ネジ
4・・スペーサ
7・・硬質樹脂
11・・襖
12・・柱
13・・鴨居
14・・敷居
15・・凹溝
17・・隙間

Claims (3)

  1. 敷居及び鴨居の凹溝に摺動可能に嵌め込まれる摺動建具の傾きを変えるための取付具であって、L形断面をなし、その一側を敷居の凹溝に嵌め込んだ摺動建具の一端部の下端面と凹溝底との間に前記下端面に沿わせて挿入される摺接部とし、他側を摺動建具の側面に取付手段によって取付けられる取付部としたことを特徴とする摺動建具の取付具。
  2. 前記摺接部には少なくとも凹溝底との接触面に摩擦係数の小さな硬質樹脂を被覆したことを特徴とする請求項1記載の摺動建具の取付具。
  3. 前記取付具の摺接部と摺動建具との間にスペーサを介装することを特徴とする請求項1記載の摺動建具の取付具。
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