JP3122444B2 - 超硬質合金 - Google Patents

超硬質合金

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JP3122444B2 JP62320307A JP32030787A JP3122444B2 JP 3122444 B2 JP3122444 B2 JP 3122444B2 JP 62320307 A JP62320307 A JP 62320307A JP 32030787 A JP32030787 A JP 32030787A JP 3122444 B2 JP3122444 B2 JP 3122444B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐摩耗性,耐衝撃性,耐欠損性等にすぐれ
た超硬質合金に関するものであり、特に特殊鋼など他の
合金と組み合わせて使用するのに適した超硬質合金に関
するものである。 [従来の技術] 従来、例えば圧延用部材等には鋳鋼や工具鋼などの材
料が使用されているが、これら材料は耐摩耗性が低く、
その寿命が短いという問題がある。 一方、現在では切削加工工具分野で重要な位置を占め
ている超硬合金は、Tiの炭化物,窒化物,または炭窒化
物を主成分としているために、耐摩耗性,耐衝撃性,耐
欠損性に優れた材料として知られている。 このため、最近、従来は鋳鋼や工具鋼を用いていた分
野において、より耐摩耗性等が求められるような場合に
は、より耐摩耗性に優れた超硬合金,例えばWC−Co系超
硬合金等が使用され始めている。しかし、WC−Co系超硬
合金の比重は約15もあり、鋳鋼や工具鋼などに比べて約
2倍も重いため、例えば圧延用ロール等に適用した場合
には、びびりや振動が発生し被加工物の品質が損われる
という問題がある。 かかる問題を解決するために、例えば特開昭53−5614
7号公報には、芯材を軽量のTiC−Ni系サーメットとし、
その外周に硬質で耐摩耗性のWC−Co系超鋼合金を設けた
複合ロール等が提案されている。しかし、サーメットと
超硬合金とを複合した部材の場合には、耐摩耗性等には
優れているものの靱性の点で問題があり、必ずしも満足
できないものであった。 「発明が解決しようとする問題点」 このため、本発明者らは、芯剤として靱性に優れる鋼
材を使用し、その外表面に軽量かつ硬質の超硬質合金サ
ーメットを形成することにより、耐摩耗性に優れるとと
もに靱性に富む複合部材を開発し、先に提案している。 しかして、本発明者らは、鋼剤と超硬質合金とを複合
化しようとする場合には、両者の融点が異なることに起
因する製造上の困難さが存在することに気がついた。す
なわち、例えば、鋼材SCM440と超硬質合金粉末とを一体
に形成後焼結して複合化しようとしても、超硬質合金の
焼結温度が約1430℃と鋼材よりも高いために、鋼材が溶
融し上手く複合化できないという問題があり、粉末冶金
的手法が適用し難いことがわかった。 この問題を解決するための一手段として、超硬質合金
の結合金属量を多くして焼結温度を下げることが考えら
れる。 しかしながら、超硬質合金における金属結合相量は、
例えばNiを基本とする結合金属量が40重量%を越えると
結合相平均厚み(m.f.p)が適正範囲を越えてしまい強
度が著しく低下するために実用に供し得なくなる(鈴木
寿著「超硬合金と焼結硬質材料」丸善出版,307〜372頁
参照)とされており、高々40重量%どまりとされている
のが現状である。 また、一般にTiC基またはTiN基焼結合金は、含有する
TiCまたはTiNと鉄属金属との濡れ性を向上するために、
例えばMo2C,WC,Cr,NbC等のVI a族金属またはその化合物
を添加している。そのため、焼結後の組織は、第2図に
示すようにTiC粒子を中心組織Aとしその周囲をVI a族
金属成分を含む固溶相からなる周辺組織Bで包んだ有芯
構造硬質相Cと、この硬質相を結合している鉄族金属を
主体とする結合相Dとから構成されたものとなってい
る。 この有芯構造は、高温焼成段階で一旦結合金属相に溶
解したVI a族金属成分が、冷却段階で高融点のため溶解
せずに存在しているTiC粒子の周囲に集中的に析出する
ことにより形成されるものである。このような組織の従
来超硬質合金は、高温耐摩耗性に優れているが未だ充分
ではない。その理由は、前記周辺組織BがTi成分に富ん
だ中心組織Aに比べて硬度が低くかつ耐高温酸化性も劣
るためであり、有芯構造硬質相Cが中新組織Aを内包し
たまま脱粒してしまうので、高温耐摩耗性に優れたTiC
本来の特性が充分発揮され得ない組織となっているため
である。 本発明の目的は、各種ロール、ダイス等に幅広く使用
できる高靱性で高耐衝撃性を有する超硬質合金を提供す
ることにある。 「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成した本発明は、Tiの炭化物、窒化物お
よび炭窒化物のうちの一種または二種以上を必ず含むと
ともにその1〜70モル%をIV a、V a、VI a族金属(た
だし、Tiを除く)の炭化物および窒化物のうちの一種ま
たは二種以上で置換したものからなる硬質分散相が50〜
70重量%の鉄族金属からなる結合相で結合されており、
かつ前記硬質分散相は中心組織をVI a族金属成分に富む
が窒素に乏しい周辺組織が包み込んだ形態の有芯構造硬
質相から構成されている超硬質質合金である。 また本発明は、Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物の
うちの一種または二種以上を必ず含むとともにその1〜
70モル%をIV a、V a、VI a族金属(ただし、Tiを除
く)の炭化物および窒化物のうちの一種または二種以上
で置換したものからなる硬質分散相が50〜70重量%の鉄
族金属からなる結合相で結合されており、かつ前記硬質
分散相は中心組織をVI a族金属成分に富むが窒素に乏し
い周辺組織が包み込んだ形態の有芯構造硬質相と該有芯
構造硬質相とは分離して分散しているTiの炭化物、窒化
物または炭窒化物成分に富んだ擬TiC、擬TiNまたは擬Ti
CN相とから構成されている超硬質合金である。 また本発明は、Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物の
うちの一種または二種以上を必ず含むとともにその1〜
70モル%をIV a、V a、VI a族金属(ただし、Tiを除
く)の炭化物および窒化物のうちの一種または二種以上
で置換したものからなる硬質分散相が50〜70重量%の鉄
族金属からなる結合相で結合されており、かつ前記硬質
分散相は中心組織をVI a族金属成分に富むが窒素に乏し
い周辺組織が包み込んだ形態の有芯構造硬質相から構成
されているとともに、前記有芯構造硬質相とは分離して
Cr炭化物が分散している超硬質合金である。 本発明において、主成分の1〜70モル%を周期律表の
IV a,V a,VI a族の炭化物および窒化物の一種以上で置
換する理由は、炭窒化物等の主成分自体の靱性および硬
質分散相と結合相の濡れ性を改善すると共に高温強度が
改善されるためである。しかし、1モル%未満では、そ
の効果が発揮されず、70モル%を越えると、耐摩耗性や
耐酸化性が低下するため好ましくない。 次に、本発明においては、上記硬質分散相が、前記有
芯構造硬質相と、該有芯構造硬質相とは分離して分散し
ているTiの炭化物、窒化物または炭窒化物性分に富んだ
擬TiC、擬TiNまたは擬TiCN相とから構成されている場合
により好ましい効果が得られる。擬TiC、擬TiNまたは擬
TiCN相とはTiの炭化物、窒化物または炭窒化物成分から
主として構成されている硬質分散相をいう。また、上記
硬質分散相が、前記有芯構造硬質相とは分離してCr炭化
物が分散しているものである場合により好ましい効果が
得られる。 すなわち、本発明超硬質合金において、第1図に示す
ようにTi金属成分に富んだ擬TiC,擬TiN,または擬TiCN相
1若しくはCr炭化物4が、第VI a族金属成分を含む有芯
構造硬質相とは分離して焼結体中に単独で一定量分散し
た組織を有する場合には、例えばTiCを中心組織として
第VI a族金属成分を含む固溶相からなる周辺組織に包ま
れた有芯構造硬質相Cのみのものと比べ高温耐摩耗性が
著しく向上する。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基づき説明する。 原料粉末として粒径1〜6μmのTiCN粉末を主成分に
し、これにMo2C粉およびWC粉末並びにNiおよびCr粉末を
所定量配合し、この粉末を超硬ボールを用いた高速回転
ミル中で約48時間湿式混合し、これを乾燥させた後、所
定の金型でプレス成形して圧粉体とした。次いで10-2
10-3mmHgの真空中で1300〜1450℃の温度に約60分間保持
することにより各種組成の超硬質合金を得た。 それらの、配合組成を第1表に示す。また、得られた
超硬質合金の物性値を第2表に示す。 サーメットAは、Tiの炭窒化物(TiCN)を主成分と
し、周期律表のVI a族の繊維金属の炭化物(Mo2C)5.4
モル%で置換した例を示すものであり、鉄族金属結合相
が多いので鋼材の融点よりも低い1360℃以下の温度でも
焼結が可能であった。第3図にその金属組織の顕微鏡写
真を示す。Tiの化合物を主体とする黒色の中新組織の周
辺にMo2Cに富む灰色の周辺組織を有する有芯構造硬質相
が、より白く見える金属結合相により結合されているこ
とがわかる。 サーメットBは、主成分の70モル%を越える量のWCお
よびMo2Cで置換したものであり、物性値が十分でない。
また、サーメットCは結合相を形成する鉄族金属(Ni)
が40wt%のものであり焼結温度が高い。サーメットDは
結合相を形成する鉄族金属(Ni)が70wt%を越えるもの
であり、焼結温度は低いが物性値が低く実用的ではな
い。サーメットEは本発明による超硬質合金の例であっ
て物性値は良好である。 サーメットGおよびサーメットHも、本発明による超
硬質合金の例であって、いずれも物性値は良好である。
また、第4図および第5図にサーメットGおよびサーメ
ットHの金属組織の顕微鏡写真を示す。第4図において
は、灰色の硬質相と黒く見える擬TiCN相等からなる硬質
相が適当に分散し、白く見える結合相により結合されて
いることがわかる。また、第5図においては、有芯構造
硬質相のほかに、周辺組織を持たない黒く見える擬TiCN
相と、周辺組織を持たないやや灰色がかったCr炭化物相
とがあり、これが適当に分散され白く見える結合相によ
り結合されていることがわかる。 [発明の効果] 従来の超硬質合金は結合相の量が高々40wt%どまりで
あり、それを越えると靱性や衝撃強度等が低下するの
で、熱間または冷間ロール、押出ダイス、線引ダイス等
への使用が制限されるという問題があった。これに対
し、本発明の超硬質合金はTiの炭化物、窒化物および炭
窒化物のうち一種または二種以上を必ず含むとともに中
心組織をIV a族金属成分に富み窒素に乏しい周辺組織で
包み込んだ形態の有芯構造硬質相を形成せしめ、かつ金
属結合相を多くしたので、すぐれた靭性、耐摩耗性、耐
衝撃性を有する。さらに、粉末冶金的手段により鋼材等
との複合化が可能なので、各種ロールやダイス等に幅広
く使用できる工業生産上極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の超硬質合金を研摩後エッチングして表
面を観察したときの組織の模式図、第2図は従来のTiC
基焼結合金を研摩後エッチングして表面を観察したとき
の組織の模様図、第3図は実施例に示すサーメットAの
金属組織を示す顕微鏡写真、第4図は実施例に示すサー
メットGの金属組織を示顕微鏡写真、第5図は実施例に
示す本発明サーメットHの金属組織を示す顕微鏡写真で
ある。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物のうちの一種ま
    たは二種以上を必ず含むとともにその1〜70モル%をIV
    a、V a、VI a族金属(ただし、Tiを除く)の炭化物お
    よび窒化物のうちの一種または二種以上で置換したもの
    からなる硬質分散相が50〜70重量%の鉄族金属からなる
    結合相で結合されており、かつ前記硬質分散相は中心組
    織をVI a族金属成分に富むが窒素に乏しい周辺組織が包
    み込んだ形態の有芯構造硬質相から構成されていること
    を特徴とする超硬質合金。 2.Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物のうちの一種ま
    たは二種以上を必ず含むとともにその1〜70モル%をIV
    a、V a、VI a族金属(ただし、Tiを除く)の炭化物お
    よび窒化物のうちの一種または二種以上で置換したもの
    からなる硬質分散相が50〜70重量%の鉄族金属からなる
    結合相で結合されており、かつ前記硬質分散相は中心組
    織をVI a族金属成分に富むが窒素に乏しい周辺組織が包
    み込んだ形態の有芯構造硬質相と該有芯構造硬質相とは
    分離して分散しているTiの炭化物、窒化物または炭窒化
    物成分に富んだ擬TiC、擬TiNまたは擬TiCN相とから構成
    されていることを特徴とする超硬質合金。 3.Tiの炭化物、窒化物および炭窒化物のうちの一種ま
    たは二種以上を必ず含むとともにその1〜70モル%をIV
    a、V a、VI a族金属(ただし、Tiを除く)の炭化物お
    よび窒化物のうちの一種または二種以上で置換したもの
    からなる硬質分散相が50〜70重量%の鉄族金属からなる
    結合相で結合されており、かつ前記硬質分散相は中心組
    織をVI a族金属成分に富むが窒素に乏しい周辺組織が包
    み込んだ形態の有芯構造硬質相から構成されているとと
    もに、前記有芯構造硬質相とは分離してCr炭化物が分散
    していることを特徴とする超硬質合金。
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