JP3122023B2 - コンクリート製品の製造方法 - Google Patents
コンクリート製品の製造方法Info
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Description
凸模様を形成したコンクリート製品の製造方法に関し、
詳しくは、廃材処理の問題がなく、簡単で、しかも不均
一な凹凸模様を表面に形成し得るコンクリート製品の製
造方法に関する。
その色彩や重量感により、”つめたさ”や”圧迫感”を
与える場合がある。このため、表面を粗面加工して不規
則な凹凸模様を形成し、コンクリート表面に”やわらか
さ”をもたらすことが試みられている。
たき仕上げ、洗出し仕上げ、サンドブラスト仕上げなど
が知られている。
リート表面を各種の金属性ノミを使用してコンクリート
表面にたたき作業を行うもので、ノミの種類により、つ
つき、小たたき、はつり等に分類される。
リートと接する面に凝結遅延剤を塗布しておき、脱型後
にコンクリート表面をワイヤブラシ等を用いて水洗いし
ながら、未硬化のモルタルを削り取る方法である。
リート表面に高圧の圧縮空気でケイ砂を吹き付け表面を
削り取る方法であり、同様に、微細な鋼球を用いるショ
ットブラストなども用いることができる。
仕上げができるが、(1) 人力の作業でありコストが掛か
る、(2) いずれの方法も表面から削り取られたコンクリ
ートが廃材となり、廃材の処理が必要となる、などの欠
点を有する。
不均一な凹凸模様を形成した樹脂型枠を使用してコンク
リート製品を製造する方法が試みられているが、(1) 不
均一な凹凸模様がパターン化される、(2) 型枠に形成さ
れた浅い凹凸模様にモルタルが付着、残留しやすいた
め、所望の不均一な凹凸模様を形成したコンクリート製
品を得難く、コンクリート製品の脱型が困難で、且つ、
樹脂型枠の繰り返し使用も困難である等の欠点を有して
おり、作業性に問題があった。
枠用材料として、加熱溶融により低粘度の流動状態とな
るワックスやパラフィンを使用することも考えられる
が、これらの材料は硬化後にコンクリート製品表面から
剥離するのが困難であり、作業性が良好ではなかった。
の問題なく、表面に所望の不均一な凹凸模様を形成した
コンクリート製品は得られなかった。
鑑みなされたもので、コンクリート廃材の問題がなく、
作業性が良好で、表面に不均一な凹凸模様を形成するこ
とができ、さらに、化粧型枠のコンクリート製品からの
剥離が容易で、その化粧型枠の繰り返し使用及び化粧型
枠用材料をリサイクル可能としたコンクリート製品の製
造方法を提供することを目的とする。
型枠内に、熱可塑性材料からなり、表面に不均一な凹凸
模様を形成するための化粧型枠を形成し、そこにコンク
リートを打設して表面に不均一な凹凸模様を形成したコ
ンクリート製品を製造する方法に関する。なお、本発明
においては、コンクリート型枠を以下、適宜単に「型
枠」と称し、該型枠内に配置されるコンクリート製品の
表面に不均一な凹凸模様を形成するための熱可塑性材料
からなる型枠を「化粧型枠」と称するものとする。
表面に不均一な凹凸模様を形成したコンクリート製品の
製造方法であって、(1)コンクリート型枠内に、溶融
温度が70〜120℃であり、高分子有機材料と低分子
材料とを主成分とし、高分子有機材料の含有割合が低分
子材料の含有割合よりも少ない高分子ブレンド材料を用
いて構成され、且つ、該高分子有機材料が三次元連続の
網状骨格構造を有する化粧型枠用熱可塑性材料をその溶
融温度以上に加熱溶融して注入する工程と、(2)該化
粧型枠用熱可塑性材料を溶融温度−20℃〜−50℃に
なるまで冷却した後、該コンクリート型枠内にコンクリ
ートを打設する工程と、(3)打設したコンクリートが
硬化し、所望の強度を発現するまで養生する工程と、
(4)該コンクリートが硬化したのち脱型し、表面に付
着した化粧型枠用熱可塑性材料を剥がす工程と、を含む
ことを特徴とする。
下、適宜、化粧型枠用材料と称する)は、高分子有機材
料と低分子材料とを主成分とし、高分子有機材料の含有
割合が低分子材料の含有割合よりも少ない高分子ブレン
ド材料であって、高分子有機材料が三次元連続の網状骨
格構造を有する高分子ブレンド材料を用いて構成されて
いる。
方法においては、上記高分子ブレンド材料が数平均分子
量20000以上の高分子有機材料と数平均分子量20
000未満の低分子材料とを主成分とし、かつ前記高分
子有機材料と前記低分子材料との溶解度パラメーターの
差が3.0以下であることを特徴とする。
重合体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重合体の
水素添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体の水素添加物、ポリブタジエンとブタジエン−
スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体の水素
添加物、エチレン/ブチレン共重合体の片末端又は両末
端に結晶性エチレンが連結したブロック共重合体、及
び、エチレン−プロピレンゴムから選択される1種以上
であることが好ましい。
子有機材料を使用し、低分子材料の種類及び配合量を調
整することにより、溶融温度が70〜120℃の範囲の
ものを調製することができる。
融温度以上に加熱されるとオイル状の流動状態となる
が、溶融温度−20℃〜−50℃に冷却されると、流動
状態から完全に硬化する状態の中間的なゲル状態を示
す。この状態でコンクリートを打設すると、化粧型枠用
材料は、完全に硬化する前のゲル状態であるため、コン
クリートの落下により容易に表面が変形し、このままで
コンクリートが硬化すると不均一な凹凸模様がコンクリ
ート製品表面に転写されることになる。
る。
リート製品を製造するためには、始めに、(1)コンク
リート型枠内に、溶融温度が70〜120℃であり、高
分子有機材料と低分子材料とを主成分とし、高分子有機
材料の含有割合が低分子材料の含有割合よりも少ない高
分子ブレンド材料を用いて構成され、且つ、該高分子有
機材料が三次元連続の網状骨格構造を有する化粧型枠用
熱可塑性材料をその溶融温度以上に加熱溶融して注入す
る。
材料は、高分子有機材料と低分子材料とを主成分とする
が、高分子有機材料としては、数平均分子量が20,0
00以上、特に、30,000以上、とりわけ40,0
00以上の熱可塑性高分子有機材料が好ましく、例え
ば、スチレン系(ブタジエンスチレン系、イソプレンス
チレン系など)、エステル系、アミド系、ウレタン系な
どの各種熱可塑性エラストマー、並びに、それらの水
添、その他による変性物、スチレン系、ABS系、オレ
フィン系(エチレン系、プロピレン系、エチレンプロピ
レン系、エチレンスチレン系、プロピレンスチレン系な
ど)、塩化ビニル系、アクリル酸エステル系(アクリル
酸メチル系など)、メタクリル酸エステル系(メタクリ
ル酸メチル系など)、カーボネート系、アセタール系、
ナイロン系、ハロゲン化ポリエーテル系(塩化ポリエー
テル系など)、ハロゲン化オレフィン系(四フッ化エチ
レン系、フッ化−塩化エチレン系、フッ化エチレンプロ
ピレン系など)、セルロース系(アセチルセルロース
系、エチルセルロース系など)、ビニリデン系、ビニル
ブチラール系、アルキレンオキサイド系(プロピレンオ
キサイド系など)などの熱可塑性樹脂、及びこれらの樹
脂のゴム変性物などが挙げられる。
は、このうちで結晶構造、凝集構造などの硬質ブロック
を形成しやすい部分と、アモルファス構造などの軟質ブ
ロックとを一緒に持ち合わせているものが特に好まし
く、具体的には、下記〜が挙げられる。
ンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得
られるポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンラ
ンダム共重合体とのブロック共重合体。
ロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレ
ン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブ
ロック共重合体を水添して得られるポリエチレン/ブチ
レンとポリスチレンとのブロック共重合体。
又は両末端に結晶性エチレンが連結したブロック共重合
体。
特にポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンラン
ダム共重合体とのブロック共重合体が好ましい。
に単独で用いられるが、2種以上をブレンドして用いて
もよい。
ける粘度が5×105 センチポイズ以下、特に、1×1
05 センチポイズ以下であることが好ましく、また、分
子量の観点からは、低分子材料の数平均分子量は20,
000未満、特に10,000以下、とりわけ5,00
0以下であることが好ましい。このような低分子材料と
しては、通常、室温で液体または液状の材料が好適に用
いられる。また、親水性、疎水性のいずれの低分子材料
も使用できるが、コンクリートとの剥離性の観点からは
疎水性の低分子材料が好ましい。
次のものが好適に例示される。 軟化剤: 鉱物油系、植物油系、合成系などの各種ゴ
ム用または樹脂用軟化剤。鉱物油系としては、アロマテ
ィック系、ナフテン系、パラフィン系などのプロセス油
などが挙げられる。植物油系としては、ひまし油、綿実
油、あまみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、
落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などが挙
げられる。
混基エステル、脂肪族二塩基酸エステル、グリコールエ
ステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、ステアリン
酸エステルなどの各種エステル系可塑剤、エポキシ系可
塑剤、その他プラスチック用可塑剤またはフタレート
系、アジペート系、セバケート系、フォスフェート系、
ポリエーテル系、ポリエステル系などのNBR用可塑
剤。
−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂、石油系炭化
水素、ロジン誘導体などの各種粘着付与剤(タッキファ
イアー)。
ッ素オリゴマー、ポリイソブチレン、キシレン樹脂、塩
化ゴム、ポリエチレンワックス、石油樹脂、ロジンエス
テルゴム、ポリアルキレングリコールジアクリレート、
液状ゴム(ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリクロロプ
レンなど)、シリコーン系オリゴマー、ポリーα−オレ
フィンなどの各種オリゴマー。
化水素系滑剤、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸などの脂肪酸
系滑剤、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドな
どの脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸低級アルコールエステ
ル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコ
ールエステルなどのエステル系滑剤、脂肪アルコール、
多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロールな
どのアルコール系滑剤、金属石鹸、混合系滑剤の各種滑
剤。
組成物、粘土、無機系のシリコンオイル、フォスファゼ
ンなども低分子材料として適している。
系、アルコール系、フェノール系、エーテル系、アセタ
ール系、ケトン系、脂肪酸系、エステル系、窒素化合物
系、硫黄化合物系などの有機溶剤、石油類、水、水溶液
なども物性を調整するために、併用することができる。
も、2種以上を混合してもよい。本発明においては、多
量の低分子材料と、より少ない量の高分子有機材料によ
って、多量に低分子材料を含む高分子ブレンド材料を得
るために、用いる低分子材料と高分子有機材料の各々の
溶解度パラメーター値δ=(ΔE/V)1/2 (ΔE=モ
ル蒸発エネルギー、V=モル体積)の差が3.0以下、
好ましくは2.5以下となるよう、両材料を選択するこ
とが好ましい。この差が3.0を超えると両材料の相溶
性の点から、低分子材料が多量に保持されにくく、得ら
れる高分子ブレンド材料の低弾性化の障害となり、ま
た、低分子材料のブリードが発生しやすくなるので好ま
しくない。
び割れがなく、コンクリート製品からの剥離を容易とす
るためには、後述するように最適な剪断、引張強度及び
伸び特性を有することが必要であり、このため、化粧型
枠用材料の高分子ブレンド材料を構成する高分子有機材
料は、三次元連続の網状骨格構造を形成することが必要
であり、その網状骨格の平均径が50μm以下、好まし
くは30μm以下、セル(網目)の平均径は、500μ
m以下、好ましくは300μm以下であり、高分子有機
材料の体積分率を[高分子有機材料の体積/(高分子有
機材料の体積+低分子材料の体積)]×100(%)と
定義したとき、高分子有機材料の体積分率が30%以
下、特に25%以下であることが望ましい。
有機材料及び低分子材料、及び、必要に応じてその他の
配合剤を、高分子有機材料が三次元連続の網状骨格構造
の形成し得る混合条件にて混合することにより得ること
ができるが、この場合、高分子有機材料による均一な三
次元連続の網状骨格構造を有すると共に、低分子材料の
ブリードが少なく、しかも前述の特性を満たす高分子ブ
レンド材料を得るためには、混合機としては高剪断型混
合機を用いるのが好ましく、特に、固定壁と回転するロ
ーターとの間で高い剪断力、高い剪断速度を与え得るも
のであって、固定壁と回転部(ローター)との距離(ク
リヤランス)をt(m),ローターの回転周速度をv
(m/sec)とし、ローターの剪断速度をVとして、
V=v/t(sec-1)と定義した場合、 V≧5.0×102 (sec-1) 好ましくは V≧1.0×103 (sec-1) より好ましくは V≧2.5×103 (sec-1) もっと好ましくは V≧5.0×103 (sec-1) を満たす高剪断型特殊ミキサーを用いるのが有利であ
る。
のバルク状、ゲル状、フォーム状など特に限定されない
が、ゲル状態であるもの、特に熱可塑性高分子有機材料
よりなる三次元連続の均一な網状骨格構造を有するゲル
状態であるものはとりわけ本発明に有効である。
物性としては、JIS K6301の引張試験で評価し
た引張強度が0.5kg/cm2 以上であり、破断時の
伸びは300%以上であることが、硬化後にコンクリー
ト製品から剥離する際の作業性の観点から好ましい。
た如き高分子有機材料を使用し、低分子材料の種類及び
配合量を調整することにより、溶融温度が、例えば、7
0〜120℃の範囲のものを調製することが可能である
が、コンクリートの養生を加熱して行う場合を考慮し
て、溶融温度が100〜120℃のものを用いることが
好ましい。
材料を溶融温度以上の温度、好ましくは溶融温度+40
℃以上に加熱して、オイル状となったものを型枠内に注
入する。
れ、容器を直火、ヒーターにより加熱する方法、乾燥機
内で加熱する方法、電子レンジ内でマイクロウェーブに
より加熱する方法、蒸気により加熱する方法、サンドバ
ス、オイルバスにより加熱する方法等が挙げられ、特に
制限はないが、温度制御が確実で、均一に加熱し得ると
いう観点から、蒸気により加熱する方法を採用すること
が好ましい。
枠の上部からでも、型枠に所望により設けられたドレン
部からでも注入することができる。注入は、得られるコ
ンクリート製品の厚みから、予め定めた深さまで行う。
に、化粧型枠補強のために、化粧型枠用材料中に、芯材
となるラス材、リブ付きラス材、金網、鉄筋によるメッ
シュ筋などを配置することもできる。
深さまで均一に充填されたのを確認し、(2)該化粧型
枠用熱可塑性材料を溶融温度−20℃〜−50℃になる
まで冷却した後、該型枠内にコンクリートを打設するも
のである。
低粘度のオイル状を示すが、室温まで降温すると固体状
態となる。従って、化粧型枠用材料の冷却は室温に放置
することによって行うこともできるが、本発明の製造方
法においては、化粧型枠用材料がゲル状の半固形状態と
なった時点で、コンクリートを打設することが重要であ
るため、冷却は化粧型枠用材料内に設置した温度センサ
により温度を観察しながら行われる。温度センサはコン
クリート打設表面に露出しないように、化粧型枠用材料
内部より型枠を通じて型枠外へ配線されることが好まし
い。また、温度センサにかえて接触温度計を用いて逐
次、温度変化の測定を実施してもよい。
0℃に冷却されると、流動状態からゲル状態に変化す
る。化粧型枠用材料の温度が溶融温度−50℃よりも低
い温度まで冷却されると、化粧型枠用材料が完全に硬化
して、不均一な凹凸模様が形成されず、溶融温度−20
℃より高い温度での不充分な冷却では、化粧型枠用材料
が完全にゲル状態とならず、この場合、化粧型枠用材料
中にセメントのペースト分、モルタル分が取り込まれ
て、化粧型枠とコンクリートとが剥離しにくくなり、作
業性及び得られた製品の表面状態が悪化するため、いず
れも好ましくない。
時点で、直ちにコンクリートを打設することが効果の観
点から好ましい。
に打設するコンクリートは、コンクリート製品の使用目
的に応じた配合のものを任意に用いることができる。ま
た、打設方法も、常法によって行うことができる。即
ち、通常のセメントコンクリート、プレストレストコン
クリート(PC)、軽量気泡コンクリート等を用いるこ
とができ、平板やL字擁壁など、定型のコンクリート製
品を製造する場合には、予めコンクリート中に補強材を
入れて製造することもできる。
し、所望の強度を発現するまで養生するが、本発明の製
造方法においては、コンクリートを打設した後の養生
は、常温養生であっても、高温養生であってもよい。
通常行われる蒸気養生の温度は60〜70℃であること
から、溶融温度が100〜120℃のものを用いれば通
常の条件における高温蒸気養生を行っても、化粧型枠を
構成する熱可塑性材料に影響を与えることはない。
粧型枠の変型を防止するため、加熱温度は前記化粧型枠
用材料の溶融温度付近を上限とすることが、仕上がり性
の観点からは好ましい。
ち、表面(型枠底面側)に化粧型枠用熱可塑性材料が付
着したコンクリートを脱型し、化粧型枠用材料を剥がし
て、表面に不均一な凹凸模様を形成したコンクリート製
品を得る。
塑性高分子有機材料よりなる三次元連続の均一な網状骨
格構造内に低分子材料を保持しており、疎水性の低分子
材料を保持した場合、材料全体が疎水性となり、コンク
リートとの型離れ性が良好であり、且つ、材料全体が高
分子網状骨格構造により保持されたゴム状の弾性体であ
り、弾性変型が可能で引張応力に対する強度も十分であ
り、一度に大きな面積を引き剥がすことが可能である。
このため、剥離作業が容易であり、しかも、浅く、不均
一な凹凸模様の複雑な形状の化粧型枠であっても化粧型
枠を一度に大きな面積で簡単に引き剥がすことができ、
化粧型枠内にコンクリートが残留することなく、所望の
不均一な凹凸模様が形成されたコンクリート製品を得る
ことができる。従って、化粧型枠への離型剤の塗布は不
要である。
の、表面に不均一な凹凸模様を有する平板状の化粧型枠
用材料が硬化してなる化粧型枠は、そのまま、コンクリ
ート型枠内に敷設して凹凸模様形成用の化粧型枠として
繰り返し使用することもできる。
用材料は、加熱溶融させることにより、混入した剥離
剤、セメント、砂、水、塵等の不純物は沈殿するため、
容易に分離、除去することができる。従って、形態の異
なる凹凸模様を得たい場合には、不純物を除去した化粧
型枠用材料を溶融し、再度同様の工程を繰り返すことに
より、再度使用(リサイクル)でき、化粧型枠用材料の
廃材も出すことなく、別の不均一な凹凸模様を有するコ
ンクリート製品を製造することができる。
平板の他、コンクリートPC版、カーテンウォール、コ
ンクリートL型擁壁、歩道用コンクリートブロック、コ
ンクリート塀等の表面に不均一な凹凸模様を形成したコ
ンクリート製品を簡単に製造することができる。コンク
リート製品の用途としては、特に制限はなく、建築用
(建物の内装、外装用の装飾パネル、床等)、土木用
(道路の舗装、壁面用装飾パネル等)等を例示すること
ができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもので
はない。 (実施例1) (1)化粧型枠用熱可塑性材料Aの調製 原料として、高分子有機材料であるポリブタジエンとブ
タジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重
合体を水添して得られるポリエチレンとエチレン/ブチ
レン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体
(高分子有機材料)(数平均分子量15万:SP値
8.2)15体積%に、低分子材料である、アルキルベ
ンゼン(軟化剤)(Z−300、日本サン石油社製:分
子量335、SP値8.3)42.5体積%とジイソデ
シルジアジペート(可塑剤)(DIDA、大八化学社
製:分子量426、SP値8.4)42.5体積%と、
を加え、高剪断型特殊ミキサー(「T.K.オートホモ
ミクサー」特殊機化工業(株)製)を用いて回転数30
00rpm、剪断速度1.0×104 /sec、混合温
度180℃、混合時間40分の混合条件で混合して、均
一な外観の高分子ブレンド材料を得て、化粧型枠用熱可
塑性材料Aとした。また、この高分子ブレンド材料の切
片を切り出し、光学顕微鏡で確認したところ、熱可塑性
高分子有機材料からなる三次元連続の網状骨格構造(骨
格の平均径5μm、セルの平均径15μm)が形成され
ていることが確認された。また、この高分子ブレンド材
料のアスカー−C硬度は10、引張強度は3kg/cm
2 、破断時の伸びは1500%、圧縮永久歪み(70
℃、22時間)は30、溶融温度は120℃であった。 (2)型枠への充填 前記化粧型枠用熱可塑性材料Aを170℃で加熱溶融
し、コンクリート型枠に所定の深さまで流し込み、均一
に材料が充填された後、温度センサにより温度を測定し
ながら化粧型枠用熱可塑性材料Aを80℃(溶融温度−
40℃)まで冷却し、ゲル状態となした。 (3)コンクリート製品の製造 この型枠内に、コンクリートを常法により直ちに打設
し、約70℃にて3時間、蒸気養生を行い、コンクリー
トを硬化させた後、室温まで冷却して脱型した。
型枠用熱可塑性材料Aを引き剥がした。
製品の表面から1枚のシート状態できれいに除去され、
途中での切断はなく、化粧型枠内のコンクリートの残留
も観察されなかった。
一な凹凸模様が形成され、やわらかな外観を有するコン
クリート製品を製造することができた。
型枠用熱可塑性材料Aは、そのまま、型枠内に配置して
繰り返し化粧型枠として使用することができ、さらに、
加熱溶融することにより、容易に不純物が除去され、化
粧型枠用材料として再度使用(リサイクル)が可能であ
った。 (実施例2) (1)化粧型枠用熱可塑性材料Bの調製 原料として、高分子有機材料であるポリブタジエンとブ
タジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重
合体を水添して得られるポリエチレンとエチレン/ブチ
レン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体
(高分子有機材料)(数平均分子量15万:SP値
8.2)10体積%に、、アルキルベンゼン(軟化剤)
(Z−300、日本サン石油社製:分子量335、SP
値8.3)42.5体積%とジイソデシルジアジペート
(可塑剤)(DIDA426:大八化学社製:SP値
8.4)42.5体積%と、さらに、高級脂肪酸アミド
(オレイン酸アミド アーモスリップ:ライオン社製)
5体積%と、を加え、高剪断型特殊ミキサー(「T.
K.オートホモミクサー」特殊機化工業(株)製)を用
いて回転数3000rpm、剪断速度1.0×104 /
sec、混合温度180℃、混合時間40分の混合条件
で混合して、均一な外観の高分子ブレンド材料を得て、
化粧型枠用熱可塑性材料Bとした。また、この高分子ブ
レンド材料の切片を切り出し、光学顕微鏡で確認したと
ころ、熱可塑性高分子有機材料からなる三次元連続の網
状骨格構造(骨格の平均径3μm、セルの平均径18μ
m)が形成されていることが確認された。また、この高
分子ブレンド材料のアスカー−C硬度は10、引張強度
は3kg/cm2 、破断時の伸びは1500%、圧縮永
久歪み(70℃、22時間)は30、溶融温度は120
℃であった。 (2)型枠への充填 前記化粧型枠用熱可塑性材料Bを170℃で加熱溶融
し、実施例1と同様にして80℃まで冷却し、化粧型枠
用熱可塑性材料Bをゲル状態となした。 (3)コンクリート製品の製造 実施例1と同様にしてコンクリート製品を製造した。硬
化した化粧型枠用熱可塑性材料Bはコンクリート表面か
ら容易にシート状態で完全に剥がれ、化粧型枠内にコン
クリートの付着は観察されず、表面に不均一な凹凸模様
が形成され、やわらかな外観を有するコンクリート製品
が得られた。
型枠はそのまま繰り返し使用することもでき、さらに化
粧型枠用熱可塑性材料Bは化粧型枠用熱可塑性材料Aと
同様に、加熱溶融することにより再度使用が可能であっ
た。
端にあり、中央部にエチレン−ブチレンを含むブロック
共重合体(高分子有機材料)(数平均分子量28万:
SP値8.0)10体積%に、低分子材料であるパラフ
ィンオイル(軟化剤)(PW−32、出光興産社製:分
子量405、SP値7.9)90体積%を加え、高剪断
型特殊ミキサー(「T.K.オートホモミクサー」特殊
機化工業(株)製)を用いて回転数3000rpm、剪
断速度1.0×104 sec、混合温度180℃、混合
時間40分の混合条件で混合して、均一な外観の高分子
ブレンド材料を得て、化粧型枠用熱可塑性材料Cとし
た。また、この高分子ブレンド材料の切片を切り出し、
光学顕微鏡で確認したところ、熱可塑性高分子有機材料
からなる三次元連続の網状骨格構造(骨格の平均径5μ
m、セルの平均径15μm)が形成されていることが確
認された。また、この高分子ブレンド材料のアスカー−
C硬度は2、引張強度は1.2kg/cm2 、破断時の
伸びは970%、圧縮永久歪み(70℃、22時間)は
50、溶融温度は110℃であった。 (2)型枠への充填 前記化粧型枠用熱可塑性材料Cを170℃で加熱溶融
し、コンクリート型枠に所定の深さまで流し込み、均一
に材料が充填された後、温度センサにより温度を測定し
ながら化粧型枠用熱可塑性材料Aを80℃(溶融温度−
30℃)まで冷却し、ゲル状態となした。 (3)コンクリート製品の製造 実施例1と同様にしてコンクリート製品を製造した。硬
化した化粧型枠用熱可塑性材料Cはコンクリート表面か
ら容易にシート状態で完全に剥がれ、表面に不均一な凹
凸模様が形成され、やわらかな外観を有するコンクリー
ト製品が得られた。
型枠そのまま繰り返し使用することもでき、さらに化粧
型枠用熱可塑性材料Cは化粧型枠用熱可塑性材料Aと同
様に、再度使用が可能であった。
によれば、コンクリート廃材処理の問題がなく、作業性
が良好で、表面に不均一な凹凸模様を形成したコンクリ
ート製品を製造することができ、さらに、化粧型枠のコ
ンクリート製品からの剥離が容易で、化粧型枠の繰り返
し使用及び化粧型枠用材料の再度使用(リサイクル)が
可能であるという優れた効果を奏するものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に不均一な凹凸模様を形成したコン
クリート製品の製造方法であって、 (1)コンクリート型枠内に、溶融温度が70〜120
℃であり、高分子有機材料と低分子材料とを主成分と
し、高分子有機材料の含有割合が低分子材料の含有割合
よりも少ない高分子ブレンド材料を用いて構成され、且
つ、該高分子有機材料が三次元連続の網状骨格構造を有
する化粧型枠用熱可塑性材料を、その溶融温度以上に加
熱溶融して注入する工程と、 (2)該化粧型枠用熱可塑性材料を溶融温度−20℃〜
−50℃になるまで冷却した後、該コンクリート型枠内
にコンクリートを打設する工程と、 (3)打設したコンクリートが硬化し、所望の強度を発
現するまで養生する工程と、 (4)該コンクリートが硬化したのち脱型し、表面に付
着した化粧型枠用熱可塑性材料を剥がす工程と、 を含むことを特徴とするコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項2】 前記高分子ブレンド材料が、数平均分子
量20,000以上の高分子有機材料と数平均分子量2
0,000未満の低分子材料とを主成分とし、かつ前記
高分子有機材料と前記低分子材料との溶解度パラメータ
ーの差が3.0以下であることを特徴とする請求項1記
載のコンクリート製品の製造方法。 - 【請求項3】 前記高分子有機材料が、ブタジエン重合
体の水素添加物、ブタジエン−スチレン共重合体の水素
添加物、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体の水素添加物、ポリブタジエンとブタジエン−スチ
レンランダム共重合体とのブロック共重合体の水素添加
物、エチレン/ブチレン共重合体の片末端又は両末端に
結晶性エチレンが連結したブロック共重合体、及び、エ
チレン−プロピレンゴムから選択される1種以上である
ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07294277A JP3122023B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | コンクリート製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP07294277A JP3122023B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | コンクリート製品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09131710A JPH09131710A (ja) | 1997-05-20 |
JP3122023B2 true JP3122023B2 (ja) | 2001-01-09 |
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ID=17805631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07294277A Expired - Fee Related JP3122023B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | コンクリート製品の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3122023B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4566675B2 (ja) * | 2004-09-30 | 2010-10-20 | 大和ハウス工業株式会社 | 凹凸化粧型枠及び凹凸化粧成形品の製造方法 |
-
1995
- 1995-11-13 JP JP07294277A patent/JP3122023B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09131710A (ja) | 1997-05-20 |
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