JP3121961B2 - 半導体ウエハの物性測定装置 - Google Patents

半導体ウエハの物性測定装置

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JP3121961B2 JP05137330A JP13733093A JP3121961B2 JP 3121961 B2 JP3121961 B2 JP 3121961B2 JP 05137330 A JP05137330 A JP 05137330A JP 13733093 A JP13733093 A JP 13733093A JP 3121961 B2 JP3121961 B2 JP 3121961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,半導体ウエハの物性測
定装置に係り,詳しくは半導体ウエハの品質管理に用い
られる半導体ウエハの物性測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の超LSIに代表される半導体デバ
イスの超精密化傾向に伴い,そこに使用される半導体ウ
エハはより厳しい品質管理が要求されるようになった。
この管理のためには半導体ウエハの汚染や損傷の恐れの
ない非接触式の評価方法が望ましく,その一例としてマ
イクロ波による半導体物性測定装置が公知である(特公
昭61−60576号)。図5は従来の半導体物性測定
装置の一例A01における概略回路構成を示す模式図で
ある。図5に示す如く従来の半導体物性測定装置A01
は,試料保持台兼搬送機構51と,試料保持台兼搬送機
構51に支持搬送される試料52(半導体ウエハ)の表
面に光パルスを照射する光パルス発生器53と,試料5
2の表面に放射するマイクロ波を発生させるガン発振器
54と,ガン発振器54から放射されるマイクロ波を調
整するインピーダンス整合器55,E−Hチューナ5
6,57,マジックT58及び無反射終端59からなる
調整機構60と,調整機構60で調整されたマイクロ波
を導波管61及び調整機構60を再び経過させて検出す
る検波器62と,検波器62により検出されたマイクロ
波の変化を表示するシンクロスコープ63とから構成さ
れている。以下,測定原理を説明する。試料52に光パ
ルス発生器53から照射された光パルスにより自由電子
−正孔対であるキャリアが励起される。このキャリアは
試料52の熱平衡状態でのキャリア濃度よりも過剰なも
のであり,キャリア濃度を上昇させる。そして,光の照
射が中断される光パルスと光パルスとの間に過剰なキャ
リアが再結合してしだいに消滅し,キャリア濃度を低下
させる。このようなキャリア濃度の変化は少数キャリア
側において著しく,その変化により試料52の電気伝導
度(比抵抗)を変化させる。このため,試料52に入射
されたマイクロ波はレベル変化などを生じる。変化を生
じたマイクロ波は反射波となって導波管61及び調整機
構60を通り検波器62に伝達される。ここで検出され
たマイクロ波の反射波はシンクロスコープ63により減
衰曲線として表示される。この減衰曲線から試料52の
物性を表す少数キャリアのライフタイムを測定すること
ができる。
【0003】しかし,装置A01の導波管61の開口端
と試料52との間での多重反射波などの不要な反射波が
存在し,その量は試料52の比抵抗に依存して変化す
る。従って,上記装置A01では広範囲な比抵抗を有す
る半導体ウエハの物性を測定することが困難である。こ
のため,本発明者らは,上記不要な反射波を除去するべ
く以下のような装置A02を開発した(特願平4−12
1838号)。図6はこの従来装置A02を示すもので
あって,前述の装置A01における導波管61を2分割
すると共に(61a,61b),ガン発振器54により
放射されたマイクロ波をマジックT58′により二分割
する。この二分割されたマイクロ波を上記二分割された
導波管61a,61bを介して試料52にそれぞれ放射
し,ここでの反射波を再び導波管61a,61bを経由
させてマジックT58′に導き,ここで干渉させる。導
波管61a側にはレーザ53によりレーザパルス光を照
射する。この時のマジックT58′により干渉させたマ
イクロ波の変化に対応する出力RFをアンプ65により
増幅して検波器62に入力する。一方,ガン発振器54
により発生したマイクロ波の一部を分波器67により取
り出して基準信号LOとして検波器62に入力し,ここ
で出力RFと混合検波する。検波器62からの出力信号
は波形処理回路66により処理され,ライフタイム表示
装置63′により表示される。又,導波管61a,61
bの開口側にはアンテナ64a,64bがそれぞれ設け
られている。この従来装置A02では,上記二分割され
た導波管61a,61b内を通過させたマイクロ波の反
射波は導波管61a,61bの実効長を等しくすること
により同位相のものとなる。ただし,励起光の照射側の
みにレベル変化を生じている為,導波管61a,61b
を経由してきたマイクロ波の反射波同士を干渉させるこ
とによりマイクロ波の反射波のレベル変化のみが検出さ
れることになる。このようにして,不要な波を除去する
ことにより,半導体ウエハの比抵抗が広範囲なものであ
ってもその物性値を正確に測定することができた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
測定装置A01,A02では,半導体ウエハの物性の一
つである少数キャリアのライフタイムを測定できるもの
の,マイクロ波の反射波に含まれる1次元の情報(実数
部)のみを測定しており,半導体ウエハ内部にキャリア
が拡散するようすを示す2次元情報(実数部と虚数部)
を利用していない為,半導体ウエハの他の物性であるキ
ャリア移動度については測定できなかった。このため,
キャリア移動度については非接触式の評価を行うことが
できず,測定できる物性の範囲が限られていた。本発明
は,このような従来の技術における課題を解決する為
に,半導体ウエハの物性測定装置を改良し,例えばキャ
リア移動度のような2次元情報をも非接触で得ることが
できる半導体ウエハの物性測定装置を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明は,半導体ウエハに励起光を照射する照射手段
と,上記照射手段により励起光が断続的に照射される上
記半導体ウエハに放射するマイクロ波を発生させるマイ
クロ波発生手段と,上記マイクロ波発生手段により発生
したマイクロ波を二分割する分波手段と,上記分波手段
により二分割された一方のマイクロ波と,他方のマイク
ロ波の上記半導体ウエハからの反射波又は透過波との混
合波を検波する検波手段とを具備し,上記検波手段によ
り検波された上記混合波の変化に基づいて上記半導体ウ
エハの物性を測定する半導体ウエハの物性測定装置にお
いて,上記分波手段により二分割された上記一方のマイ
クロ波の位相を変化させる位相変化手段と,上記位相変
化手段により上記一方のマイクロ波の位相を変化させた
時に上記検波手段により検波された上記混合波の虚数部
の変化と,上記位相変化手段により上記一方のマイクロ
波の位相を変化させない時に上記検波手段により検波さ
れた上記混合波の実数部の変化とに基づいて上記他方の
マイクロ波の反射波又は透過波の位相及び/又は振幅の
変化を演算する演算手段とを設け,上記演算手段により
演算された上記他方のマイクロ波の反射波又は透過波の
位相及び/又は振幅の変化に基づいて上記半導体ウエハ
の物性を測定してなることを特徴とする半導体ウエハの
物性測定装置として構成されている。さらには,上記検
波手段を2個設けて,一方の検波手段により,上記位相
変化手段により上記一方のマイクロ波の位相を変化させ
た時の上記混合波の虚数部の変化を検波すると共に,他
方の検波手段により上記位相変化手段により上記一方の
マイクロ波の位相を変化させない時の上記混合波の実数
部の変化を検波してなることを特徴とする半導体ウエハ
の物性測定装置である。
【0006】
【作用】本発明によれば,半導体ウエハに励起光が照射
手段により照射される。上記照射手段により励起光が断
続的に照射される上記半導体ウエハに放射するマイクロ
波がマイクロ波発生手段により発生させられる。上記マ
イクロ波発生手段により発生させられたマイクロ波が分
波手段により二分割される。上記分波手段により二分割
された一方のマイクロ波と,他方のマイクロ波の上記半
導体ウエハからの反射波または透過波との混合波が検波
手段により検波される。上記検波手段により検波された
上記混合波の変化に基づいて上記半導体ウエハの物性が
測定される。この際,上記分波手段により二分割された
上記一方のマイクロ波の位相が位相変化手段により変化
させられる。上記位相変化手段により上記一方のマイク
ロ波の位相が変化させられた時に上記検波手段により検
波された上記混合波の虚数部の変化と,上記位相変化手
段により上記一方のマイクロ波の位相が変化させられな
かった時に上記検波手段により検出された上記混合波の
実数部の変化とに基づいて上記他方のマイクロ波の反射
波又は透過波の位相及び/又は振幅の変化が演算手段に
より演算される。上記演算手段により演算された上記他
方のマイクロ波の反射波又は透過波の位相及び/又は振
幅の変化に基づいて上記半導体ウエハの物性が測定され
る。上記マイクロ波の反射波又は透過波の振幅の変化は
キャリアが再結合又は拡散してその数が減少することに
よって生じるものである。又,位相の変化は半導体ウエ
ハ表面に励起されたキャリアが拡散し,マイクロ波の平
均反射面が時間と共にウエハ内に移動することにより生
じるものである。従って,この振幅及び/又は位相の変
化から半導体ウエハの物性であるキャリア移動度につい
ても非接触で測定できる。さらに,上記検波手段が2個
設けられ,その一方の検波手段により,上記位相変化手
段により上記一方のマイクロ波の位相が変化させられた
時の上記混合波の虚数部の変化が検波されると共に,他
方の検波手段により上記位相変化手段により上記一方の
マイクロ波の位相が変化させられない時の上記混合波の
実数部の変化が検波されるようにしてもよい。その場
合,上記混合波の実数部と虚数部の両変化が同時に検出
することができる為,測定時間を短縮することができ
る。その結果,半導体製造において重要な表面近傍の品
質管理に好適な装置とすることができる。
【0007】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は本発明の具体化した一例であって本発明の
技術的範囲を限定する性格のものではない。ここに,図
1は本発明の第1の実施例に係る半導体ウエハの物性測
定装置A1の概略回路構成を示す模式図,図2は測定装
置A1による測定結果を示す説明図,図3は本発明の第
2の実施例に係る半導体ウエハの物性測定装置A2の概
略回路構成を示す模式図,図4は本発明の第3の実施例
に係る半導体ウエハの物性測定装置A3の概略回路構成
を示す模式図である。図1に示す如く第1の実施例に係
る半導体ウエハの物性測定装置A1は,主として試料1
(半導体ウエハ)の表面にレーザパルス光を照射するレ
ーザ2(照射手段に相当)と,レーザ2によりレーザパ
ルス光が断続的に照射される試料1に放射するマイクロ
波を発生させるマイクロ波発振器3(マイクロ波発生手
段に相当)と,マイクロ波発振器3により発生したマイ
クロ波を二分割する分波器4(分波手段に相当)と,分
波器4により二分割された一方のマイクロ波と,他方の
マイクロ波の試料1からの反射波又は透過波との混合波
を検波するミキサ9(検波手段に相当)とを具備し,ミ
キサ9により検波された混合波の変化に基づいて試料1
の物性を測定する点で従来例(従来装置A02)と同様
である。しかし,本実施例では,分波器4により二分割
された上記一方のマイクロ波の位相を変化させる移相器
12(位相変化手段に相当)と,移相器12により上記
一方のマイクロ波の位相を変化させた時にミキサ9によ
り検波された混合波の虚数部の変化と,移相器12によ
り上記一方のマイクロ波の位相を変化させない時にミキ
サ9により検波された混合波の実数部の変化とに基づい
て上記他方のマイクロ波の反射波又は透過波の位相及び
/又は振幅の変化を演算する演算器10(演算手段に相
当)とを設け,演算器10により演算された上記他方の
マイクロ波の反射波又は透過波の位相及び/又は振幅の
変化に基づいて試料1の物性を測定するように構成され
ている点で従来例と異なる。
【0008】以下,この装置A1の動作について略述す
る。まずマイクロ波発振器3により,レーザパルス光が
照射される試料1の表面に放射するマイクロ波を発振す
る。マイクロ波発振器3より発振したマイクロ波は分波
器4により,一部をローカル信号(LO)として用い
る。残りの部分は,マジックT5に伝送され,そのH面
T分岐により二分割される。二分割されたマイクロ波
は,2つの導波管6a,6bを介してアンテナ7a,7
bにそれぞれ伝送される。アンテナ7a,7bは,試料
1の上方に配置され,マイクロ波を試料1の測定領域に
送信し,試料1で反射した反射波を同一のアンテナにて
受信する。試料1の表面からの2つの反射波は,再びマ
ジックT5に伝送され,そのE面T分岐回路により合成
される。通常は,2つの反射波は,同振幅でかつ同位相
であるので相殺されてゼロ出力となり,アンプ8を経由
して,ミキサ9のRF端子に入力される。レーザパルス
光を照射していない時は,このRF信号の振幅はゼロで
ある。ここで,ローカル信号LOは移相器12を介して
ミキサ9に伝送され,ここでRF信号と混合検波され
る。ミキサ9の出力波信号により,RF信号の振幅及び
位相の時間変化を演算器10により演算し,表示器11
により表示する。次に,レーザ2によりレーザパルス光
を照射する。照射直後の試料1の表面には,レーザパル
ス光により励起した過剰キャリアが発生し,表面の比抵
抗が低下する。その為,試料1表面のマイクロ波反射率
が高まり,マイクロ波の反射量が増える。この時は,2
つのアンテナ7a,7bからのマイクロ波の反射波がマ
ジックT5にて相殺されずに,その変化量がアンプ8に
より増幅されて,ミキサ9に入力される。そして,ロー
カル信号LOと混合検波される。ここで,移相器12を
用いて,ミキサ9の出力ピーク電圧が最大になるように
調整し,ミキサ9で得られた信号を演算器10に伝送す
る。次に,ローカル信号LOのミキサ9への入力位相差
がπ/2になるように移相器12を設定する。この時,
ミキサ9で得られた信号を演算器10に伝送する。これ
により,マイクロ波の反射波のレーザパルス光による変
化量が直交検波される。
【0009】ここで,レーザパルス光の一例を図2
(b)に,測定される反射波の変化信号の一例を図2
(b),(C)に示す。図2(b)は反射波の実数部出
力VR ,図2(c)は虚数部の出力VI の変化である。
2つの検波出力VR ,VI より,演算器10でマイクロ
波の反射波の変化量Vの時間的な振幅変化と位相変化と
を次式により算出する。 振幅変化 |V|=√(VR 2 +VI 2 ) 位相変化 ∠V=tan-1(VI /VR ) 上記演算をした結果を図2(d),(e)に示す。図2
(d)に示すような振幅変化は,キャリアの再結合や拡
散により,キャリア数が減少することによって生じる。
また,図2(e)に示すような位相変化は,試料1の表
面に励起されたキャリアが拡散し,マイクロ波の平均反
射面が時間と共に試料1の内部に移動することによって
生じる。つまり,本実施例では,キャリアが試料1内部
に拡散するような2次元情報(マイクロ波の反射波に含
まれる実数部と虚数部)を用いている為,例えばキャリ
ア移動度のような物性についても非接触で測定すること
ができるのである。上記実施例では,移相器12を用い
てローカル信号LOの位相を時間的にπ/2だけ切り替
えたデータ採取したものである。従って,例えば図示し
ないマイクロ波スイッチを用いて実数部を測定するため
の信号ラインと,虚数部を測定する信号ラインとを切り
替えるような回路構成とすれば測定時間を短縮できる。
データ採取を同時に行うことにすれば,測定時間をさら
に短縮することができると考えられる。第2の実施例は
この考えに基づくものであり,以下にその構成を示す。
図3に示す如く,この実施例に係る半導体ウエハの物性
測定装置A2は,ミキサを2個設けて,一方のミキサ9
aにより,移相器12aによりローカル信号LOの移動
を変化させた時の混合波の虚数部の変化を検波すると共
に,他方のミキサ9bにより,移相器12bによりロー
カル信号LOの位相を変化させない時の混合波の実数部
の変化を検波するように構成している。この装置A2の
動作について以下略述する。但し,上記装置A1と共通
する部分については記述の通りであるのでここではその
説明を省略する。
【0010】まずマイクロ波発振器3により,レーザパ
ルス光が照射される試料1の表面に放射するマイクロ波
を発振する。マイクロ波発振器3により発振したマイク
ロ波は,分波器4aにより一部をローカル信号LOとし
て用いる。ローカル信号LOを分波器4b等により更に
二分割する。残りの部分は,マジックT5に伝送され,
そのH面T分岐により二分割される。ここで二分割され
たマイクロ波は,導波管6a,6bを介してアンテナ7
a,7bに伝送される。そして,上記装置A1と同様に
マイクロ波の反射波は再びマジックT5に伝送され,そ
のE面T分岐回路により合成されてその合成波がアンプ
8を経由する。この装置A2ではアンプ8の出力は分波
器4cによりさらに二分割され,ミキサ9a,9bのR
F端子にそれぞれ入力される。レーザパルス光を照射し
ていない時は,出力信号の振幅はゼロである。一方分波
器4bにより二分割されたローカル信号LOは,それぞ
れの経路中に設けられた移相器12a,12bにより各
経路上の実効長が微調整される。これらのローカル信号
LOとRF信号とをミキサ9a,9bにより混合検波す
る。2つのミキサ9a,9bで得られた信号により,R
F信号の振幅及び位相の時間変化を演算器10により求
め,表示器11により表示する。次に,レーザ2により
レーザパルス光を照射する。照射直後の試料1表面に
は,前述したようにパルス光により励起した過剰キャリ
アが発生し,表面の比抵抗が下がる為にマイクロ波反射
率が高まり反射量が増える。そして,アンテナ7a,7
bからのマイクロ波の反射波がマジックT5にて相殺さ
れずに,その反射波の変化量がアンプ8により増幅され
てミキサ9a,9bにそれぞれ入力される。マイクロ波
の反射波の変化信号はマイクロ波発振器3により分割し
たローカル信号LOと混合検波される。ここで,移相器
12aを用いてミキサ9aに出力ピーク電圧が最大にな
るように調整する。一方,ローカル信号LOのミキサ9
bへの入力位相差がπ/2になるように移相器12bを
調整する。これにより,マイクロ波の反射波の光励起に
よる変化量を直交検波することができる。そして,測定
される反射波の変化信号から装置A1と同様に試料1の
物性を測定することができる。
【0011】このように,この実施例A2では,2次元
情報(虚数部と実数部)が同時に得られる為,測定時間
を大幅に短縮することができる。上記2つの実施例装置
A1,A2では,いずれもアンテナを2個用いている。
これは,従来例で述べたように2つの反射波を打ち消し
合いバランスを保った状態でパルス光によって励起され
た過剰キャリアによるマイクロ波の変化信号を検波する
ことにより不要な波を除去することを目的としている為
である。種々の比抵抗を有する半導体ウエハを測定する
場合,マイクロ波の反射強度及び位相が変化する。従っ
て,常にバランスを保つようにするには,同じ半導体ウ
エハからの反射波を利用すれば,比較的マイクロ波回路
構成が簡単になると考えられる。第3の実施例はこの考
えに基づくものであり,以下にその構成を示す。図4に
示す如く,第3の実施例に係る半導体ウエハの物性測定
装置A3は,アンテナ7は1個とし,マジックT5のH
面T分岐の片側に可変減衰器14と可変短絡板15とを
設け,試料1からのマイクロ波の反射波と同振幅で同位
相のマイクロ波を作る。そして,電力検出する検波器1
7a,17bを分波器16a,16bを介して取り付
け,マジックT5への入力電力が等しくなるように可変
減衰器14を調整する。又,アンプ8の後流側のマイク
ロ波電力を分波器16cを介して検波器17cで測定
し,電力がゼロになるように可変短絡板15を調整する
ように構成されている。このように,第3の実施例では
導波管6を及びアンテナ7を各1個設けているにも拘ら
ず,上記2つの実施例装置A1,A2と同様の効果を奏
することができる。しかも比較的簡単な回路構成とする
ことができる。以上のように,上記いずれの実施例装置
A1〜A3においても,キャリアが半導体内部に拡散す
るような2次元情報(実数部と虚数部)を利用して,例
えば半導体ウエハの物性であるキャリア移動度について
も非接触で測定することができる。その結果,半導体製
造において重要な表面近傍の品質管理に利用できる。
又,切削加工や電極配線などの準備が不要であり,オン
ライン測定が可能となる。更に,励起光を照射する領域
を小さくすることにより,局部的な過剰キャリアの拡散
状況を測定することができる為,空間分解能が高いとい
う利点も有する。尚,上記いずれの実施例装置A1〜A
3においても,マイクロ波の反射波を用いた測定として
いるが,実使用に際してはマイクロ波の透過波を利用し
ても何ら支障はない。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る半導体ウエハの物性測定装
置は,上記したように構成されている為,キャリアが半
導体ウエハ内部に拡散するような2次元情報(実数部と
虚数部)とを利用して,例えば半導体ウエハの物性であ
るキャリア移動度についても非接触で測定することがで
きる。又,切削加工や電極配線等の準備が不要であり,
オンライン測定が可能である。更に,励起光を照射する
領域を小さくすることにより,局部的な過剰キャリアの
拡散状況を測定することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る半導体ウエハの
物性測定装置A1の概略回路構成を示す模式図。
【図2】 測定装置A1による測定結果を示す説明図。
【図3】 本発明の第2の実施例に係る半導体ウエハの
物性測定装置A2の概略回路構成を示す模式図。
【図4】 本発明の第3の実施例に係る半導体ウエハの
物性測定装置A3の概略回路構成を示す模式図。
【図5】 従来の半導体ウエハの物性測定装置の一例A
01における概略回路構成を示す模式図。
【図6】 従来の半導体ウエハの物性測定装置の他の例
A02における概略回路構成を示す模式図。
【符号の説明】
A1〜A3…半導体ウエハの物性測定装置 1…試料(半導体ウエハ) 2…レーザ(照射手段に相当) 3…マイクロ波発振器(マイクロ波発生手段に相当) 4…分波器(分波手段に相当) 9…ミキサ(検波手段に相当) 10…演算器(演算手段に相当) 12…移相器(位相変化手段に相当)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/66 H01L 21/66 M (72)発明者 尾嶋 太 兵庫県神戸市垂水区神陵台2丁目3−28 −303号室 (56)参考文献 特開 昭54−116176(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 22/00 - 22/04 H01L 21/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハに励起光を照射する照射手
    段と,上記照射手段により励起光が断続的に照射される
    上記半導体ウエハに放射するマイクロ波を発生させるマ
    イクロ波発生手段と,上記マイクロ波発生手段により発
    生したマイクロ波を二分割する分波手段と,上記分波手
    段により二分割された一方のマイクロ波と,他方のマイ
    クロ波の上記半導体ウエハからの反射波又は透過波との
    混合波を検波する検波手段とを具備し,上記検波手段に
    より検波された上記混合波の変化に基づいて上記半導体
    ウエハの物性を測定する半導体ウエハの物性測定装置に
    おいて,上記分波手段により二分割された上記一方のマ
    イクロ波の位相を変化させる位相変化手段と,上記位相
    変化手段により上記一方のマイクロ波の位相を変化させ
    た時に上記検波手段により検波された上記混合波の虚数
    部の変化と,上記位相変化手段により上記一方のマイク
    ロ波の位相を変化させない時に上記検波手段により検波
    された上記混合波の実数部の変化とに基づいて上記他方
    のマイクロ波の反射波又は透過波の位相及び/又は振幅
    の変化を演算する演算手段とを設け,上記演算手段によ
    り演算された上記他方のマイクロ波の反射波又は透過波
    の位相及び/又は振幅の変化に基づいて上記半導体ウエ
    ハの物性を測定してなることを特徴とする半導体ウエハ
    の物性測定装置。
  2. 【請求項2】 上記検波手段を2個設けて,一方の検波
    手段により,上記位相変化手段により上記一方のマイク
    ロ波の位相を変化させた時の上記混合波の虚数部の変化
    を検波すると共に,他方の検波手段により上記位相変化
    手段により上記一方のマイクロ波の位相を変化させない
    時の上記混合波の実数部の変化を検波してなることを特
    徴とする請求項1記載の半導体ウエハの物性測定装置。
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