JPH10125752A - 少数キャリアのライフタイム測定装置 - Google Patents

少数キャリアのライフタイム測定装置

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JPH10125752A
JPH10125752A JP27945896A JP27945896A JPH10125752A JP H10125752 A JPH10125752 A JP H10125752A JP 27945896 A JP27945896 A JP 27945896A JP 27945896 A JP27945896 A JP 27945896A JP H10125752 A JPH10125752 A JP H10125752A
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尚幸 吉田
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伸吾 住江
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邦夫 射場
Futoshi Oshima
太 尾嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非接触で半導体ウェーハ0の評価を行うため
に,パルス励起光により過剰キャリアが生じた半導体ウ
ェーハ表面にマイクロ波を放射し,そのマイクロ波の反
射波の強度を測定する少数キャリアのライフタイム測定
装置では,上記反射波に含まれる不要な成分を取り除く
ために,半導体ウェーハ0へのマイクロ波の入射系が複
雑且つ大型になってしまうという問題があった。 【解決手段】本発明は,反射されたマイクロ波cを2分
割し,一方dを時間遅延した後,他方eと合成すること
により,上記不要な成分が相殺され,正確に少数キャリ
アのライフタイムを測定でき,且つ上記入射系を小型化
することのできる少数キャリアのライフタイム測定装置
を提供することを目的としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,少数キャリアのラ
イフタイム測定装置に係り,詳しくは半導体ウェーハの
品質管理に用いられる,光伝導マイクロ波減衰法による
少数キャリアのライフタイム測定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の超LSIに代表される半導体デバ
イスの超精密化傾向に伴い,そこに使用される半導体ウ
ェーハには,より厳しい品質管理が要求されるようにな
ってきている。この品質管理のためには半導体ウェーハ
の汚染や損傷の恐れのない非接触方式の評価方法が望ま
しく,例えば特公昭61−60576号公報に開示され
た半導体ウェーハの少数キャリアのライフタイム測定装
置が知られている。図5は従来の少数キャリアのライフ
タイム測定装置の一例A01の概略構成を示す図であ
る。図5に示す如く従来の少数キャリアのライフタイム
測定装置A01は,試料保持台兼搬送機構51と,試料
保持台兼搬送機構51に支持される試料52(半導体ウ
ェーハ)の表面に光パルスを照射する光パルス発生器5
3と,試料52の表面へのマイクロ波を発生させるガン
発振器54と,ガン発振器54から放射されるマイクロ
波を調整するインピーダンス整合器55,E−Hチュー
ナ56,57,マジックT58及び無反射終端59から
なる調整機構60と,調整機構60で調整されたマイク
ロ波を導波管61及び調整機構60を再び通過させて検
出する検波器62と,検波器62により検出されたマイ
クロ波の変化を表示するシンクロスコープ63とから構
成されている。
【0003】以下,測定原理を説明する。試料52に光
パルス発生器53から照射された光パルスにより試料5
2に自由電子−正孔対であるキャリアが励起される。こ
のキャリアは試料52の熱平衡状態でのキャリア濃度よ
りも過剰なものであり,試料52の表面の電気伝導度を
上昇させる。そして,光の照射が中断される光パルスと
光パルスとの間で過剰なキャリアが再結合してしだいに
消滅し,キャリア濃度を低下させる。このようなキャリ
ア濃度の変化,即ち電気伝導度の変化は少数キャリア側
において著しい。この状態で試料52に入射されたマイ
クロ波の反射率は上記した電気伝導度により変化する。
変化を生じたマイクロ波は反射波となって導波管61及
びE−Hチューナ57を通り検波器62に伝達される。
ここで検出されたマイクロ波の反射波はシンクロスコー
プ63により減衰曲線として表示される。この減衰曲線
から試料52の物性を表す少数キャリアのライフタイム
を測定することができる。しかし,装置A01の導波管
61の開口端と試料52との間での多重反射波などの不
要な反射波が存在し,その量は試料52の電気伝導度に
依存して変化する。従って,上記装置A01では広範囲
な電気伝導度を有する半導体ウェーハの少数キャリアの
ライフタイムを精度良く測定することが困難である。こ
のため,上記不要な反射波を除去するべく,本発明者等
はこれまでに以下のような装置A02,A03を開発し
てきた(特開平6−27048号,特開平7−5122
号)。
【0004】図6は従来装置A02を示すものであっ
て,前述の装置A01における導波管61を2分割する
と共に(61a,61b),ガン発振器54により放射
されたマイクロ波をマジックT58’により2分割す
る。この2分割されたマイクロ波を上記2分割された導
波管61a,61bを介して試料52にそれぞれ放射
し,ここでの反射光を再び導波管61a,61bを経由
させてマジックT58’に導き,ここで干渉させる。導
波管61a側にはレーザ53によりレーザパルス光を照
射する。この時のマジックT58’により干渉させたマ
イクロ波の変化に対応する出力RFをアンプ65により
増幅して検波器62に入力する。一方,ガン発振器54
により発生したマイクロ波の一部を分波器67により取
り出して基準信号LOとして検波器62に入力し,ここ
で出力RFと混合検波する。検波器62からの出力IF
は波形処理回路66により処理され,ライフタイム表示
装置63’により表示される。又,導波管61a,61
bの開口側にはアンテナ64a,64bがそれぞれ設け
られている。
【0005】この従来装置A02において,上記2分割
された導波管61a,61b内を通過させたマイクロ波
の反射波は,導波管61a,61bの実効長を等しくす
ることにより同位相のものとなる。但し,励起光(レー
ザ53)の照射側のみにレベル変化を生じているため,
導波管61a,61bをそれぞれ経由してきたマイクロ
波の反射波同士を干渉させることによりマイクロ波の反
射波のレベル変化(変調成分)のみが検出されることに
なる。このようにして,不要な反射波を除去することに
より,半導体ウェーハの電気伝導度が広範囲なものであ
っても少数キャリアのライフタイムを正確に測定するこ
とができる。しかし従来装置A02では,上記不要な反
射波を除去するために半導体ウェーハ52の異なる位置
にマイクロ波を入射するため,半導体ウェーハ52や支
持台51が傾いていると,導波管61a,61bをそれ
ぞれ経由してきたマイクロ波の間に位相差が生じ,マイ
クロ波回路にアンバランスが生じてしまう。マイクロ波
回路にアンバランスが生じると,励起光を半導体ウェー
ハ52に照射していない場合でも,マイクロ波の合成干
渉段階でその電力が完全に零とはならず,アンプ65や
検波器62等のマイクロ波回路部品が飽和するほどの電
力が生じ,装置の感度が低下する恐れがあった。このア
ンバランスを補正するために,マイクロ波発振周波数を
制御調整する機構を備えたのが,従来装置A03であ
る。
【0006】図7は従来装置A03の概略構成を示すも
のであって,基本的な構成は従来装置A02と同じであ
る。従来装置A02と異なるのは,導波管61bを導波
管61aとはマイクロ波の片道で略半波長の整数倍だけ
異なる電気長(実効長)を有するものとすると共に,レ
ーザ53によりレーザパルス光を照射しない時に,検波
器67により検出された干渉波が少なくなるようにガン
発振器54により発生するマイクロ波の周波数を調整す
るマイクロ波周波数調整器68を設けた点である。従来
装置A03では,半導体ウェーハ等が傾いている場合で
も,マイクロ波の発振周波数を変化させることにより上
記電気長を調整して,マジックT58に入力される反射
波の位相差を0に近づけるようにすることができる。こ
のため,半導体ウェーハ等の傾きによる誤差を吸収し
て,半導体ウェーハのキャリアのライフタイムを正確に
測定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし,従来装置A0
3では,多重反射の影響を除去するためにマイクロ波を
2分割して半導体ウェーハに照射しており,アンテナ部
の構造が複雑かつ大型になるという欠点は解消されてい
なかった。また,半導体ウェーハ等の傾きによる誤差を
吸収するために,マイクロ波の発振周波数を常時調整す
るための複雑な制御機構が必要であった。本発明は,こ
のような従来の技術における課題を解決するために,少
数キャリアのライフタイム測定装置を改良し,マイクロ
波の発振周波数を常時調整するための複雑な制御機構を
用いずに,広範囲の電気伝導度を有する半導体ウェーハ
の少数キャリアのライフタイムを正確に測定することの
できる少数キャリアのライフタイム測定装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために,半導体ウェーハに断続的に励起光を照射す
るパルス励起光照射手段と,上記パルス励起光照射手段
により上記励起光が照射される半導体ウェーハの領域に
マイクロ波を放射するマイクロ波放射手段と,半導体ウ
ェーハにて反射された上記マイクロ波の反射波若しくは
半導体ウェーハを透過した上記マイクロ波の透過波を検
出する検出手段とを具備し,上記反射波若しくは透過波
の上記パルス励起光照射前後の変化に基づいて半導体ウ
ェーハの少数キャリアのライフタイムを測定する少数キ
ャリアのライフタイム測定装置において,上記反射波若
しくは透過波を2分割する2分割手段と,上記2分割手
段により2分割された一方の反射波若しくは透過波を上
記検出手段に導くための第1の導波手段と,他方の反射
波若しくは透過波を所定時間だけ遅延して上記検出手段
に導くための第2の導波手段と,上記第1及び第2の導
波手段によりそれぞれ導かれた反射波若しくは透過波を
合成して上記検出手段に入力する合成手段とを具備し,
上記検出手段により検出された反射波若しくは透過波に
基づいて半導体ウェーハの少数キャリアのライフタイム
を測定してなることを特徴とする少数キャリアのライフ
タイム測定装置として構成されている。このため,励起
光が半導体ウェーハに照射されている場合若しくは照射
されていない場合の反射波若しくは透過波を時間差を設
けて合成することが可能となる。従って,マイクロ波の
変調成分以外の不要なマイクロ波の影響を従来より簡単
な構造で相殺して,キャリアの変化を正確に測定するこ
とができ,装置の小型化を図ることもできる。
【0009】さらに,上記第2の導波手段を通過する反
射波若しくは透過波の振幅及び/若しくは位相を調整す
る調整手段を備えれば,励起光が半導体ウェーハに照射
されていない場合に,上記合成手段の出力を0に近づけ
るように設定することができ,装置特性等により表れる
オフセット等の影響をライフタイム測定から取り除くこ
とができる。さらに,上記マイクロ波放射手段の放射端
にマイクロ波集束手段を設ければ,励起光が照射された
半導体ウェーハの領域にマイクロ波の強度を集中させる
ことができ,装置感度を向上させることができる。さら
に,上記第2の導波手段の長さ及び/若しくは形状を上
記合成手段において合成された反射波若しくは透過波が
零となるように設定すれば,予め上記不要なマイクロ波
の大部分を取り除くことができる。さらに,上記第2の
導波手段による反射波若しくは透過波の遅延時間を調整
可能にすれば,上記反射波若しくは透過波の特性に応じ
て遅延時間を調整できるから,より正確な少数キャリア
のライフタイム測定を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であ
って,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。ここに,図1は本発明の一実施の形態に係る少数キ
ャリアのライフタイム測定装置の概略構成を示す図,図
2はマイクロ波放射手段の開口端形状の模式図,図3は
マイクロ波強度の時系列変化の一例を示すタイムチャー
トである。図1に示すように,本発明の一実施の形態に
係る少数キャリアのライフタイム測定装置は,マイクロ
波を発振するマイクロ波発振器1,マイクロ波発振器1
により発振されたマイクロ波を測定用マイクロ波aと局
発信号用マイクロ波bとに分配する方向性結合器2,測
定用マイクロ波aを半導体ウェーハ0に導くための導波
管3,サーキュレータ4,導波管5,半導体ウェーハ0
を保持搬送するための移動ステージ6,レーザを半導体
ウェーハ0に入射するためのパルスレーザ発振器7,半
導体ウェーハ0にて反射されたマイクロ波cを2分割す
るマジックT8,マジックT8により2分割されたマイ
クロ波の一方eを導波する導波管9,他方のマイクロ波
dを時間遅延させる遅延回路10と時間遅延されたマイ
クロ波d’の振幅及び位相を調整するアンプ11及び位
相シフタ12とを備える導波管13,2分割されたマイ
クロ波eとd’とを合成するためのマジックT14,マ
ジックT14により合成されたマイクロ波fを検出する
検波器15,検波器15により検波されたマイクロ波強
度をディジタル信号に変換するA/D変換器16,ディ
ジタル化されたマイクロ波強度よりライフタイムを算出
し,算出結果を表示する演算表示器17より構成されて
いる。
【0011】以下,本実施の形態に係る少数キャリアの
ライフタイム測定装置の動作の詳細を説明する。パルス
レーザ発振器7により発振されたレーザは,導波管5に
設けられた導光穴20を経て半導体ウェーハ0に断続的
に照射される。このレーザは空間分解能の面から数mm
以下に収束される。レーザが照射された半導体ウェーハ
0の照射領域では,光励起によりキャリアが生成され,
半導体ウェーハ表面の電気伝導度が上昇する。励起され
たキャリアは周辺に拡散し,正孔若しくは自由電子と再
結合して,レーザの照射がない間に指数関数的に減少
し,熱平衡状態に戻る。一方,マイクロ波発振器1によ
り発振されたマイクロ波は,方向性結合器2により測定
用マイクロ波aと局発信号用マイクロ波bとに分配され
る。測定用マイクロ波aは,導波管3,サーキュレータ
4,導波管5を経て,半導体ウェーハ0上のレーザが照
射された領域に照射される。ところで,マイクロ波の反
射率は,半導体ウェーハの電気伝導度に依存して変化す
る。従って,電気伝導度の変化,即ち上述したようなキ
ャリアの変化をマイクロ波により測定することが可能と
なる。
【0012】ところで,マイクロ波系における検出感
度,調整の容易性,装置の小型化の面から,一般に,マ
イクロ波周波数として数10GHzのマイクロ波が用い
られるが,このマイクロ波を効率よく導波させるために
は,数ミリから数センチ角の導波管が用いられる。しか
し,単純な導波管開口では,レーザにより励起された領
域にマイクロ波を集中させることができないので,導波
管5の開口端には,例えば図2に示すようなリッジ構造
の開口端を用いる。上記開口端をマイクロ波を絞るリッ
ジ形状にすれば,マイクロ波強度をレーザの照射域に集
中させることが可能となり,反射されたマイクロ波の変
化を感度よく検出することができる。半導体ウェーハ0
の電気伝導度の変化により変調を受けたマイクロ波の反
射波cは,マジックT8により2分割される。2分割さ
れたマイクロ波の一方eは,導波管によりマジックT1
4に導波される。他方のマイクロ波dは,遅延回路1
0,アンプ11,位相シフタ12を備える導波管13を
経てマイクロ波d’としてマジックT14に導波され
る。マジックT14にて合成されたマイクロ波d’,e
の差出力fはミキサ15に入力され,検波される。尚,
アンプ11及び位相シフタ12は,レーザが半導体ウェ
ーハ0に照射されていない状態で,差出力fを所定値よ
りも小さくするためのものである。図3はマイクロ波d
を,例えば100ns程度マイクロ波eよりも遅延させ
た時の,マイクロ波d’,e及びその差出力fのマイク
ロ波強度(絶対値)を示す図である。マイクロ波d’,
e双方のレーザパルス入射前後それぞれに前記した多重
反射等の影響が含まれるが,同じ影響を受けたマイクロ
波同士の差をとるため,その影響は相殺される。従っ
て,遅延時間の間の差出力fより,正確にキャリア生成
・消滅を測定することができる。本実施の形態に係る少
数キャリアのライフタイム測定装置では導波管9及び1
3の長さ,形状等は,マジックT14等の特性に基づい
て設定されており,マイクロ波fに含まれる変調波以外
の不要なマイクロ波の大部分を取り除くことができる。
また,上記,遅延回路10,アンプ11,位相シフタ1
2を調整して,さらに上記不要なマイクロ波を取り除く
ことができる。
【0013】ミキサ15により検波された差出力fは,
A/D変換器16によりディジタル化されて演算表示器
17に入力される。演算表示器17では,入力された信
号に基づいて少数キャリアのライフタイムを演算し結果
を表示する。演算表示器17による演算は,例えば遅延
時間(100ns)の間に生じたマイクロ波の初期減衰
量に基づいて行われる。エピタキシャルウェーハ等の評
価に要求される表層評価には,この初期減衰の情報が有
効である。また,演算表示器17により100ns以降
のマイクロ波の減衰過程を演算することも可能である。
尚,検波出力レベルが小さく,信号のS/N比が小さい
時には,S/N比を高めるために,演算表示器17にお
いて,パルスレーザによる励起に同期して加算平均処理
を行う。このように,本実施の形態に係る少数キャリア
のライフタイム測定装置では,2分割されたマイクロ波
の反射波を時間的にずらして合成することにより,不要
な反射波の影響を相殺できるので,マイクロ波を半導体
ウェーハに入射するための導波管は1つでよく,半導体
ウェーハ等の傾きによる誤差がなくなるから,該誤差を
補正するための複雑な制御機構が不要となる。また,ア
ンテナ部の構造が簡単になるため,装置を小型化するこ
とができる。
【0014】
【実施例】上記実施の形態においては,マイクロ波の伝
送に導波管を用いた例を示したが,導波管の代わりに同
軸線路やストリップ線路を用いてもよい。このような少
数キャリアのライフタイム測定装置も本発明における少
数キャリアのライフタイム測定装置の一例である。ま
た,上記実施の形態では,導波管5を介して,半導体ウ
ェーハ0に単純にマイクロ波を照射しているが,不要反
射をできるだけ低減し,半導体ウェーハへの放射効率を
高めるために,導波管5等にスタブ若しくはE−Hチュ
ーナ等を挿入してもよい。このような少数キャリアのラ
イフタイム測定装置も本発明における少数キャリアのラ
イフタイム測定装置の一例である。また,上記実施の形
態では,マイクロ波を検出するための手段として,単一
の局発信号による単一ミキサを用いたが,局発信号の位
相変化による検波出力の測定や,図4に示すように,異
なる位相の局発信号を位相シフタ21,22で生成し,
複数のミキサ20a,20bで直交検波測定してもよ
い。直交検波測定を行えば,変調マイクロ波の振幅及び
位相の変化を測定することができ,キャリアの拡散の様
子をより詳細に評価することができる。このような少数
キャリアのライフタイム測定装置も本発明における少数
キャリアのライフタイム測定装置の一例である。
【0015】
【発明の効果】本発明は,半導体ウェーハに断続的に励
起光を照射するパルス励起光照射手段と,上記パルス励
起光照射手段により上記励起光が照射される半導体ウェ
ーハの領域にマイクロ波を放射するマイクロ波放射手段
と,半導体ウェーハにて反射された上記マイクロ波の反
射波若しくは半導体ウェーハを透過した上記マイクロ波
の透過波を検出する検出手段とを具備し,上記反射波若
しくは透過波の上記パルス励起光照射前後の変化に基づ
いて半導体ウェーハの少数キャリアのライフタイムを測
定する少数キャリアのライフタイム測定装置において,
上記反射波若しくは透過波を2分割する2分割手段と,
上記2分割手段により2分割された一方の反射波若しく
は透過波を上記検出手段に導くための第1の導波手段
と,他方の反射波若しくは透過波を所定時間だけ遅延し
て上記検出手段に導くための第2の導波手段と,上記第
1及び第2の導波手段によりそれぞれ導かれた反射波若
しくは透過波を合成して上記検出手段に入力する合成手
段とを具備し,上記検出手段により検出された反射波若
しくは透過波に基づいて半導体ウェーハの少数キャリア
のライフタイムを測定してなることを特徴とする少数キ
ャリアのライフタイム測定装置として構成されている。
このため,励起光が半導体ウェーハに照射されている場
合,若しくは照射されていない場合の反射波若しくは透
過波とを時間差を設けて合成することが可能となる。
【0016】ここで,時間差の調整に加えて,上記第2
の導波手段を通過する反射波若しくは透過波の振幅及び
/若しくは位相を調整する調整手段を備えれば,励起光
が半導体ウェーハに照射されていない場合に,上記合成
手段の出力をより0に近づけるように設定することがで
き,励起光照射による変調マイクロ波以外の定常的なマ
イクロ波(不要な波)を従来より簡単な構造で取り除く
ことができ装置を小型化することができる。さらに,上
記マイクロ波放射手段の放射端にマイクロ波集束手段を
設ければ,励起光が照射された半導体ウェーハの領域に
マイクロ波の強度を集中させることができ,装置感度を
向上させることができる。さらに,上記第2の導波手段
の長さ及び/若しくは形状を上記合成手段において合成
された反射波若しくは透過波が零となるように設定すれ
ば,予め上記変調マイクロ波以外の定常的なマイクロ波
の大部分を取り除くことができる。さらに,上記第2の
導波手段による反射波若しくは透過波の遅延時間を調整
可能すれば,上記反射波若しくは透過波の特性に応じ
て,遅延時間を調整することができ,少数キャリアのラ
イフタイムをより正確に測定するこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る少数キャリアのラ
イフタイム測定装置の概略構成を示す図。
【図2】マイクロ波を半導体ウェーハに入射する導波管
の開口端形状の一例を示す図
【図3】マイクロ波強度を時系列に示したタイムチャー
ト。
【図4】本発明の一実施例に係る少数キャリアのライフ
タイム測定装置の概略構成を示す図。
【図5】従来の少数キャリアのライフタイム測定装置A
01の概略構成を示す図。
【図6】従来の少数キャリアのライフタイム測定装置A
02の概略構成を示す図。
【図7】従来の少数キャリアのライフタイム測定装置A
03の概略構成を示す図。
【符号の説明】
0…半導体ウェーハ 1…マイクロ波発振器 2…方向性結合器 3,5,9,13…導波管 4…サーキュレータ 6…移動ステージ 7…パルスレーザ 8,14…マジックT 10…遅延回路 11…アンプ 12…位相シフタ 15…ミキサ 16…A/D変換器 17…演算表示器
フロントページの続き (72)発明者 住江 伸吾 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 射場 邦夫 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 神戸製鋼5号館 ジェネシス・テクノロジ ー株式会社内 (72)発明者 尾嶋 太 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 神戸製鋼5号館 ジェネシス・テクノロジ ー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体ウェーハに断続的に励起光を照射す
    るパルス励起光照射手段と,上記パルス励起光照射手段
    により上記励起光が照射される半導体ウェーハの領域に
    マイクロ波を放射するマイクロ波放射手段と,半導体ウ
    ェーハにて反射された上記マイクロ波の反射波若しくは
    半導体ウェーハを透過した上記マイクロ波の透過波を検
    出する検出手段とを具備し,上記反射波若しくは透過波
    の上記パルス励起光照射前後の変化に基づいて半導体ウ
    ェーハの少数キャリアのライフタイムを測定する少数キ
    ャリアのライフタイム測定装置において,上記反射波若
    しくは透過波を2分割する2分割手段と,上記2分割手
    段により2分割された一方の反射波若しくは透過波を上
    記検出手段に導くための第1の導波手段と,他方の反射
    波若しくは透過波を所定時間だけ遅延して上記検出手段
    に導くための第2の導波手段と,上記第1及び第2の導
    波手段によりそれぞれ導かれた反射波若しくは透過波を
    合成して上記検出手段に入力する合成手段とを具備し,
    上記検出手段により検出された反射波若しくは透過波に
    基づいて半導体ウェーハの少数キャリアのライフタイム
    を測定してなることを特徴とする少数キャリアのライフ
    タイム測定装置。
  2. 【請求項2】上記第2の導波手段を通過する反射波若し
    くは透過波の振幅及び/若しくは位相を調整する調整手
    段を備えてなる請求項1記載の少数キャリアのライフタ
    イム測定装置。
  3. 【請求項3】上記マイクロ波放射手段の放射端にマイク
    ロ波集束手段が設けられてなる請求項1若しくは2記載
    の少数キャリアのライフタイム測定装置。
  4. 【請求項4】上記第2の導波手段の長さ及び/若しくは
    形状が,上記合成手段において合成された反射波若しく
    は透過波が零となるように設定されてなる請求項1〜3
    のいずれかに記載の少数キャリアのライフタイム測定装
    置。
  5. 【請求項5】上記第2の導波手段による反射波若しくは
    透過波の遅延時間を調整可能とした請求項1〜4記載の
    少数キャリアのライフタイム測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012204490A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Kobe Steel Ltd イオン注入量測定装置およびイオン注入量測定方法
CN111712908B (zh) * 2018-02-16 2023-04-18 浜松光子学株式会社 载流子寿命测定方法及载流子寿命测定装置

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