JP2001050908A - ミリ波イメージングシステム - Google Patents

ミリ波イメージングシステム

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JP2001050908A
JP2001050908A JP11229132A JP22913299A JP2001050908A JP 2001050908 A JP2001050908 A JP 2001050908A JP 11229132 A JP11229132 A JP 11229132A JP 22913299 A JP22913299 A JP 22913299A JP 2001050908 A JP2001050908 A JP 2001050908A
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sine wave
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Aiichiro Sasaki
愛一郎 佐々木
Tadao Nagatsuma
忠夫 永妻
Mitsuru Shinagawa
満 品川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料などのミリ波の透過・反射率分布が
物体を構成する各部分でほとんど一定である対象であっ
ても、より細部まで認識可能なコントラストの高い像を
得ることのできるミリ波イメージングシステムを提供す
る 【解決手段】 試料物体13を通過したミリ波16を電
気光学結晶10で受信し、電気光学結晶10でレーザ4
からのパルス光を電気光学効果により偏光変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミリ波帯の電磁波
源を用いて光やX線では観察できない物体を可視化する
イメージング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ミリ波によるイメージング技術の開
発が盛んに行われている。ここで言うミリ波は、サブミ
リ波も含めた広い周波数帯(30GHz〜30THz)を包含す
る。このミリ波によるイメージング技術の開発が始まっ
た当初には、ミリ波の検出法としてダイポールアンテナ
などで受けたミリ波をダイオードで検波する純電気的な
手法が用いられていた。これについては、例えば文献1
(B.B.Hu and M.C.Nuss :"Imaging with terahertz wav
es" Optics Letters, Vol.20, No.16, 1995, p.1716)
などに詳細が述べられている。このような純電気的な検
出法によるミリ波イメージングシステムでは、ダイポー
ルアンテナの共振周波数で決まる特定の周波数帯のミリ
波にのみ感度をもって検出できる。
【0003】一方、上記の純電気的な検出方法ではな
く、電気光学的な検出手段を用いたミリ波イメージング
システムも報告されている。この電気光学的な検出手段
は、電気光学サンプリングと呼ばれるものである。電気
光学サンプリングは、DCからTHz帯までの電磁波を
周波数応答によって光学的に検出する方法である。電気
光学サンプリングに関する詳細は、例えば文献2(K.J.
Weingarten et al : "Picosecond Optical Sampling of
GaAs Integrated Circuits" IEEE Journal of Quantum
Electronics, Vol.24, No.2, 1988, p.198)などに記
されている。また、電気光学的な検出法を用いたミリ波
イメージングシステムは、例えば文献3(Q.Wu et al:"T
wo-dimensional electro-optic imaging of THz beams"
Applied Physics Letters, Vol.69, No.8, 1996, p.10
26)などで報告されている。
【0004】従来の電気光学的検出法を用いたイメージ
ング装置について説明すると、図10に示すように、ま
ず、レーザ4からパルス光を出射し、この出射したパル
ス光をビームスプリッタ33aで分岐する。ビームスプ
リッタ33aで分岐したパルス光のうち、直行する方向
に分岐された分岐光は、鏡9a,鏡9bと光パルス遅延
器34を通過してテラヘルツエミッタ35の受光部分に
入射する。テラヘルツエミッタ35では、鏡9と光パル
ス遅延器34を通過した分岐光が受光部分に入射する
と、このパルス状の分岐光が入射している間、ミリ波帯
の周波数の電波をパルス状に放射する。テラヘルツエミ
ッタ35よりパルス状に放射された電波は、ミリ波レン
ズ32により平行な状態のミリ波16に整形されて試料
物体13を照射する。試料物体13を照射して透過した
パルス状のミリ波16は、電気光学結晶10で受信さ
れ、電気光学結晶10に電界変化をパルス状に与える。
【0005】一方、レーザ4から出射されてビームスプ
リッタ33aを直進した分岐光は、鏡9cで進行方向を
変更され、光学レンズ22を通過することで平行なレー
ザビーム38とされ、ビームスプリッタ33bで進行方
向を変更されて電気光学結晶10に入射する。レーザビ
ーム38が入射した電気光学結晶10では、前述したよ
うに、パルス状のミリ波16を受信していることにより
電界変化が生じており、この電界変化により透過する光
に偏光変化を与えている。電気光学結晶10を通過する
レーザビーム38は、電気光学結晶10が受信している
パルス状のミリ波16の強度変化に対応して偏光され
る。
【0006】電気光学結晶10を透過して偏光されたレ
ーザビームは、1/2波長板(HWP)7により偏光を
受けた成分だけが透過される。HWP7を透過した偏光
成分だけとされたレーザビーム38は、二次元的に受光
素子が配列されたイメージセンサであるCCDアレイ3
6の受光面に到達する。そして、CCDアレイ36で
は、レーザビーム38の偏光変化を受けた成分の強度に
対応した光学像が検出され、この検出された光学像がモ
ニタ37に表示される。このイメージング装置では、光
パルス遅延器34でテラヘルツエミッタ35に入射する
パルス光の到達タイミングを変更し、電気光学結晶10
に到達するパルス状のミリ波16の位相をずらすこと
で、電気光学結晶10に到達するミリ波16の波形を再
現させるようにしている。
【0007】しかしながら、上記に説明した従来のイメ
ージング装置では、試料物体に照射するミリ波が、パル
ス状であるため、試料物体を透過したミリ波の強度分布
の状態しか検出できなかった。このように、従来のイメ
ージング装置では、光やX線などを用いた従来の方法で
は観察できないものを可視化することはできるが、ミリ
波の強度分布の状態しか検出できないため、ミリ波の透
過率及び反射率分布がほとんど一定である物体の詳細を
可視化することは困難であった。ミリ波を用いたイメー
ジングの応用が期待されている主な試料として生体試料
が挙げられるが、生体試料などの一般的な傾向として、
生体試料を構成する各部分で、ミリ波の透過及び反射率
分布はほとんど一定である場合が多い。このようなミリ
波の透過及び反射率分布がほとんど一定である物体の場
合、従来のミリ波を用いたイメージング装置では、物体
を構成する要素が判別できるコントラストの高い像を得
ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解消するためになされたものであり、生体試
料などのミリ波の透過・反射率分布が物体を構成する各
部分でほとんど一定である対象であっても、より細部ま
で認識可能なコントラストの高い像を得ることのできる
ミリ波イメージングシステムを提供することを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のミリ波イメージ
ングシステムは、第1の周波数の逆数の周期の第1のパ
ルス光を出力するパルス光源と、第1の周波数の自然数
倍に第1の周波数と異なる第2の周波数を加えたミリ波
帯周波数の正弦波電磁波を生成して測定対象の物体に放
出する電磁波放出手段と、この電磁波放出手段からの正
弦波電磁波が物体を透過もしくは反射した結果得られた
測定電磁波を受けて、この測定電磁波の電界変化に対応
してパルス光源からの第1のパルス光を偏光変化して第
2のパルス光とする光変調手段と、この光変調手段から
の第2のパルス光の偏光変化を強度変化に変換して第3
のパルス光とする強度変換手段と、この強度変換手段か
らの第3のパルス光を第3のパルス光のパルス列の包絡
線で示される電気信号に光電変換する光電変換手段と、
この光電変換手段からの電気信号と第2の周波数の参照
正弦波との間の位相の差を検出するデータ抽出手段と、
このデータ抽出手段が検出した位相の差より物体の像を
形成する画像検出手段とを備えるようにしたものであ
る。この発明によれば、光変調手段で第1のパルス光を
測定電磁波の電界変化に対応して偏光変化して第2のパ
ルス光とし、強度変換手段で第2のパルス光を強度変化
に変換した第3のパルス光とし、この第3のパルス光の
パルス列の包絡線で示される電気信号を光電変換手段で
得るようにしたので、光電変換手段で得られた電気信号
は、測定電磁波の周波数を第2の周波数に変換したもの
に等しくなる。
【0010】また、この発明のミリ波イメージングシス
テムでは、第1の周波数の逆数の周期の第1のパルス光
を出力するパルス光源と、第1の周波数の自然数倍に第
1の周波数と異なる第2の周波数を加えたミリ波帯周波
数の正弦波電磁波を生成して測定対象の物体に放出する
電磁波放出手段と、この電磁波放出手段からの正弦波電
磁波が物体を透過もしくは反射した結果得られた測定電
磁波を受けて、この測定電磁波の電界変化に対応してパ
ルス光源からの第1のパルス光を偏光変化して第2のパ
ルス光とする光変調手段と、この光変調手段からの第2
のパルス光を光変調器の偏光変化により強度が減少した
第1の偏光成分と、第1の偏光成分と偏光方向が90°
異なる第2の偏光成分とに分離する偏光分離手段と、こ
の偏光分離手段で分離された第1の偏光成分を第1の偏
光成分のパルス列の包絡線で示される第1の電気信号に
変換する第1の光電変換手段と、偏光分離手段で分離さ
れた第2の偏光成分を第2の偏光成分のパルス列の包絡
線で示される第2の電気信号に変換する第2の光電変換
手段と、第1の光電変換手段が変換した第1の電気信号
と第2の光電変換手段が変換した第2の電気信号を差動
増幅して第3の電気信号とする増幅手段と、この増幅手
段からの第3の電気信号と第2の周波数の参照正弦波と
の間の位相の差を検出するデータ抽出手段と、このデー
タ抽出手段が検出した位相の差より物体の像を形成する
画像検出手段とを備えるようにしたものである。この発
明によれば、第2のパルス光の第1の偏光成分と第1の
偏光成分と偏光方向が90°異なる第2の偏光成分と
を、それぞれ第1の光電変換手段と第2の光電変換手段
とで第1と第2の電気信号に変換し、増幅手段で第1の
電気信号と第2の電気信号を差動増幅して第3の電気信
号としたので、この第3の電気信号は、測定電磁波の周
波数を第2の周波数に変換したものに等しくなる。
【0011】また、この発明は、第1の周波数の逆数の
周波数の第1の正弦波を生成する第1の正弦波発生器
と、第1の周波数の自然数倍に第2の周波数を加えたミ
リ波帯周波数の第2の正弦波を第1の正弦波発生器に同
期して生成する第2の正弦波発生器と、参照正弦波を第
1の正弦波発生器に同期して生成する第3の正弦波発生
器とを備え、パルス光源は第1の正弦波を用いて第1の
周波数のパルス光を出力し、電磁波放出手段は第2の正
弦波を用いて正弦波電磁波を生成するようにしたもので
ある。また、この発明は、第1の周波数の第1の正弦波
を生成する第1の正弦波発生器と、第1の周波数の自然
数倍に第2の周波数を加えたミリ波帯周波数の第2の正
弦波を第1の正弦波発生器に同期して生成する第2の正
弦波発生器と、パルス光源からの第1のパルス光の一部
を光電変換してパルス信号とする部分光電変換手段と、
この部分光電変換手段からのパルス信号と第2の正弦波
発生器からの第1の正弦波とから第2の周期の参照正弦
波を生成する参照正弦波生成手段とを備え、パルス光源
は第1の正弦波を用いて第1の周波数のパルス光を出力
し、電磁波放出手段は第2の正弦波を用いて正弦波電磁
波を生成するようにしたものである。また、第1および
第2のパルス光は、光ファイバで伝搬される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。 実施の形態1 はじめに、この発明の第1の実施の形態について説明す
る。実施の形態1のミリ波イメージングシステムは、ま
ず、基準となる周波数f、例えば1GHzの正弦波を発
生する第1の正弦波発生器1を備える。また、第1の正
弦波発生器1が発生する正弦波の周波数fの自然数倍、
例えば60倍の周波数に、所定の周波数差Δf、例えば
64kHzを加えたミリ波帯の周波数(60.0000
64GHz)の正弦波を発生する第2の正弦波発生器2
を備える。また、周波数差Δf(ここでは64kHz)
の周波数の正弦波を参照信号として発生する第3の正弦
波発生器3とを備える。なお、周波数差Δfは1〜10
0(kHz)程度とすればよい。
【0013】また、図1のミリ波イメージングシステム
は、第1の正弦波発生器1が発生した正弦波の周波数
(第1の周波数)の逆数の周期のパルス光を出力するレ
ーザ4と、入力した光信号に対する応答が遅いフォトダ
イオード(PD−L)5と、レーザ4から出射されたパ
ルス光のうち一方の偏光は透過し、透過する偏光に直交
する他方の偏光は光路を直角方向に変更させる変更ビー
ムスプリッタ(PBS)6と、1/2波長板(HWP)
7と、1/4波長板(QWP)8とを備える。
【0014】また、図1のミリ波イメージングシステム
は、レーザ4より出射されたパルス光を反射してパルス
光の進行方向を変更するミラー9と、ミラー9で進行方
向を変更されたパルス光を入射する電気光学結晶10と
を備える。この電気光学結晶10は、パルス光を入射す
る入射端面に対抗する面に光反射膜11を備え、入射端
面より入射したパルス光を光反射膜11で反射させて入
射端面より出射させる。
【0015】また、図1のミリ波イメージングシステム
は、上記の第1の正弦波発生器2が発生する正弦波の周
波数の電波(ミリ波16)を放出するアンテナ12と、
上記のPD−L5から出力される電気信号の強度変化の
検出と、PD−L5から出力される電気信号と上記の第
3の正弦波発生器3が発生した参照信号との位相のズレ
の抽出を行うロックインアンプ15と、ロックインアン
プ15で検出した電気信号の強度変化や参照信号との位
相のズレを用いて、試料物体13のミリ波像を形成する
コンピュータ14とを備える。
【0016】以下、図1に示した実施の形態1における
のミリ波イメージングシステムの動作について説明す
る。実施の形態1のミリ波イメージングシステムでは、
まず、アンテナ12より放出されたミリ波16が、試料
物体13を通過して電気光学結晶10に受信される。ア
ンテナ12より放出されたミリ波16が試料物体13を
通過するとき、減衰するだけではなく、試料物体13の
誘電率分布に依存して異なる位相変化を受ける。図2に
示すように、試料物体13の誘電率が大きい領域を通過
したミリ波16は、試料物体13の誘電率が小さい領域
を通過したミリ波16に対して位相差Δφが発生する。
以降に説明するように、この実施の形態1のミリ波イメ
ージングシステムは、上記の位相差Δφを検出すること
で試料物体13の誘電率の分布を可視化する。
【0017】一方、レーザ4を出射したパルス光は、P
BS6を通過することで第1の偏光成分が取り出され、
HWP7とQWP8を通過し、鏡9を反射して電気光学
結晶10に入射する。電気光学結晶10に入射したパル
ス光の第1の偏光成分は、光学反射膜11を反射して結
晶内を逆行して電気光学結晶10から出射する。この電
気光学結晶10内をパルス光が通過しているとき、電気
光学結晶10が試料物体13を通過してきたミリ波16
を受信することで発生した電界(瞬時電界)に応じて、
パルス光は偏光変化を受ける。この偏光変化を受ける
と、電気光学結晶10を出射するパルス光には、第1の
偏光成分に直交する第2の偏光成分が発生する。電気光
学結晶10を出射した第2の偏光成分が発生しているパ
ルス光は、鏡9を反射してHWP7とQWP8を通過
し、PBS6に入射する。
【0018】電気光学結晶10を出射したパルス光がP
BS6に入射すると、パルス光の第1の偏光成分は直進
し、パルス光の第2の偏光成分は進行方向を90°変更
されてPD−L5の受光部に入射する。したがって、P
D−L5の受光部に入射するパルス光は、電気光学結晶
10で偏光変化を受けることで発生した偏光成分だけと
なる。このように、電気光学結晶10を出射したパルス
光より、偏光変化を受けたことで発生した偏光成分を取
り出すことで、パルス光の偏光変化をパルス光の強度変
化に変換する。なお、HWP7とQWP8を調整するこ
とで、HWP7とQWP8を通過する偏光変化を受けた
パルス光の偏光変化量を、電気光学結晶10が試料物体
13を通過してきたミリ波16を受信することで発生し
た電界強度(瞬時電界振幅)に比例させることができ
る。
【0019】ここで、PD−L5に入射するパルス光の
パルス列を時系列でみた状態を考察する。図3(a)に
示すように、試料物体13を通過したミリ波16が電気
光学結晶10を通過したときに発生した電界の波形は、
60.00064GHzの正弦波である。一方、電気光
学結晶10に入射するパルス光の波形は、図3(b)に
示すように、繰り返し周波数が1GHzのパルス列であ
る。そして、電気光学結晶10で偏光変化を受け、この
偏光変化が強度変化に変換されたPD−L5に入射する
パルス光は、図3(c)に示すようなパルス列となる。
【0020】繰り返し周波数が1GHz(基準となる周
波数f)のパルス光は、1GHzの整数倍の成分を含ん
だものとなっているため、電気光学結晶10に入射する
パルス光には60GHzの成分も含まれた状態となって
いる。60GHzの成分も含まれたパルス光が、電気光
学結晶10において60.000064GHzのミリ波
16による偏光変化を受けると、この偏光変化にはミリ
波16の周波数とパルス光の周波数とによる64kHz
すなわち周波数差Δfの周波数のビートが発生すること
になる。したがって、図3(c)に示したPD−L5に
入射するパルス光の強度変化には、周波数差Δfの周波
数のビートが発生している。
【0021】図3(c)のパルス列に発生しているビー
トは、このパルス列の包絡線で示される正弦波として取
り出せるが、PD−L5では、光信号に対する応答が遅
く、入射したパルス光の包絡線を取り出すように光電変
換するので、PD−L5の光電変換により、図3(c)
のパルス列に発生しているビートを、図3(d)に示す
ような正弦波の電気信号として取り出せる。加えて、P
D−L5の光電変換により取り出した電気信号は、試料
物体13を通過してきたミリ波16を周波数差Δfの周
波数にダウンコンバートしたものとなっており、ミリ波
16に試料物体13を通過することで発生した位相差Δ
φを有している。
【0022】したがって、D−L5の光電変換により取
り出した位相差Δφを有している電気信号を、64kH
zすなわち周波数差Δfの周波数の正弦波の基準となる
電気信号と比較することで、位相差Δφを取り出すこと
ができる。この実施の形態1では、PD−L5で光電変
換された電気信号を、ロックインアンプ15に入力して
第3の正弦波発生器3より得られた周波数差Δfの周波
数の参照信号と比較し、PD−L5で光電変換された電
気信号より位相差Δφを取り出す。そして、ロックイン
アンプ15で取り出した位相差Δφは、コンピュータ1
4で処理されて試料物体13のミリ波位相分布画像のデ
ータとして用いられる。なお、ロックインアンプ15で
は、PD−L5で光電変換された電気信号より強度も取
り出す。ロックインアンプ15で取り出した電気信号の
強度は、コンピュータ14で処理されて試料物体13の
ミリ波強度分布画像のデータとして用いられる。
【0023】なお、第1の正弦波発生器1,第2の正弦
波発生器2,第3の正弦波発生器3それぞれが、正確に
所定の周波数の正弦波を生成できるものとは限らない。
例えば、第1の正弦波発生器1より、ドリフトなどによ
り1GHzより若干ずれた周波数の正弦波が生成される
場合がある。ここで、第1の正弦波発生器1と第2の正
弦波発生器2と第3の正弦波発生器3とを同期させてお
けば、第2の正弦波発生器2で発生するミリ波帯の周波
数を作製するための周波数差Δfの周波数と、第3の正
弦波発生器3で発生する周波数差Δfの周波数の参照信
号とが同じものとなる。なお、上記の周波数差Δfは相
対的なものであり、上記の第2の正弦波発生器2では、
基準となる周波数fの自然数倍の周波数に周波数差Δf
を加えてミリ波帯の周波数を生成していたが、基準とな
る周波数fの自然数倍の周波数のミリ波帯の周波数のミ
リ波を用い、一方で、レーザより周波数fより周波数差
Δfを減じた周波数の逆数の周期のパルス光を出射する
ようにしてもよい。
【0024】実施形態2 次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態2のミリ波イメージングシステムは、実
施例1のイメージング装置で用いた第3の正弦波発生器
3の代わりに、図4に示すビームスプリッタ33とフォ
トダイオード21とミキサ19とバンドパスフィルタ2
0とを用いるようにした。なお、実施の形態2のミリ波
イメージングシステムのビームスプリッタ33とフォト
ダイオード21とミキサ19とバンドパスフィルタ20
以外の構成は、上記実施の形態1のイメージング装置と
同一である。
【0025】まず、ビームスプリッタ33は、レーザ4
が出力したパルス光の一部を分岐して取り出す。また、
フォトダイオード(PD−H)21は、ビームスプリッ
タ33分岐されたパルス光列を光電変換する。このPD
−H21は、光信号に対する応答が早く、パルス光を電
気的な光パルス信号に光電変換する。また、ミキサ19
は、まず、PD−H21で光電変換されたパルスの繰り
返し周波数fの光パルス信号LOと、第2の正弦波発生
器2で生成されたミリ波帯の周波数(N×f+Δf)の
ミリ波信号RFとを入力し、これら光パルス信号LOと
ミリ波信号RFとにより、Δf,f+Δf,2f+Δf,...などの
周波数成分を含む合成信号IFを出力する。そして、バ
ンドパスフィルタ20は、急峻なバンドパス特性を備
え、ミキサ19から出力されたIF信号より周波数差Δ
fの成分を取り出す。
【0026】実施の形態2のミリ波イメージングシステ
ムでは、バンドパスフィルタ20で取り出した正弦波
を、上記の実施の形態1のミリ波イメージングシステム
と同様に、周波数差Δfの周波数の参照信号としてロッ
クインアンプ15で使用する。したがって、この実施の
形態2のミリ波イメージングシステムでも、ロックイン
アンプ15で、PD−L5で光電変換された電気信号よ
り位相差Δφを取り出し、取り出した位相差Δφをコン
ピュータ14で処理して試料物体13のミリ波偏光分布
画像のデータとして用いる。
【0027】実施の形態2のミリ波イメージングシステ
ムと実施の形態1のミリ波イメージングシステムとを比
較すると、実施の形態1のミリ波イメージングシステム
では、第1〜第3の正弦波発生器1〜3を用いてそれら
の全てを同期させている。しかし、3台の正弦波発生器
を高い精度で同期させるのは困難である。これに対し、
この実施の形態2のミリ波イメージングシステムでは、
2つの正弦波発生器を同期させればよいので、3つの正
弦波発生器を同期させる場合に比較して、より安定な同
期を得ることができる。
【0028】第3実施形態 次に、この発明の第3の実施の形態について説明する。
実施の形態3のミリ波イメージングシステムは、図6に
示すように、まず、基準となる周波数f、例えば1GH
zの正弦波を発生する第1の正弦波発生器1を備える。
また、第1の正弦波発生器1が発生する正弦波の周波数
fの自然数倍周波数に、所定の周波数差Δfを加えたミ
リ波帯の周波数の正弦波を発生する第2の正弦波発生器
2を備える。また、の周波数差Δfの周波数の正弦波を
参照信号として発生する第3の正弦波発生器3とを備え
る。これら第1〜第3の正弦波発生器1〜3は、の実施
の形態1と同様である。
【0029】また、この実施の形態3のミリ波イメージ
ングシステムは、第1の正弦波発生器1が発生した正弦
波の周波数(第1の周波数)の逆数の周期のパルス光の
うちP偏光成分を出力するレーザ4aと、レーザ4aよ
り出射されたパルス光を入射する電気光学結晶10を備
える。なお、以降では、光の偏光成分のうち一方をP偏
光とし、このP偏光に直交する偏光成分をS偏光とす
る。上記の電気光学結晶10は、パルス光を入射する入
射端面に対抗する面に光反射膜11を備え、入射端面よ
り入射したパルス光を光反射膜11で反射させて入射端
面より出射させる。また、この実施の形態3のミリ波イ
メージングシステムは、電気光学結晶10から出射した
パルス光の電気光学結晶10で受けた偏光変化に対応す
る周波数の電気信号を生成する偏光検出部26を備え
る。
【0030】また、図6のミリ波イメージングシステム
は、上記のPD−L5から出力される電気信号の強度変
化の検出およびこの電気信号と上記の第3の正弦波発生
器3が発生した参照信号との位相のズレの抽出を行うロ
ックインアンプ15と、ロックインアンプ15で検出し
た電気信号の強度変化や参照信号との位相のズレなどの
データを用いて試料物体13のミリ波像を形成するコン
ピュータ14を備える。また、図6のミリ波イメージン
グシステムは、上記の第1の正弦波発生器2が発生する
正弦波の周波数のミリ波を放出するアンテナ12と、ア
ンテナ12より放出されたミリ波を回折限界まで絞るミ
リ波レンズ32aと、回折限界まで絞られてから試料物
体13を透過して拡散したミリ波を回折限界にまで絞る
ミリ波レンズ32bと、上記のコンピュータ14に制御
されて試料物体13を動かす電動ステージ31を備え
る。
【0031】上記のレーザ4aから出射したP偏光のパ
ルス光は、光ファイバ30aを介して偏光検出部26に
入射し、偏光検出部26に入射したパルス光の一部が光
ファイバ30bを介して電気光学結晶10に入射する。
上記のロックインアンプ15が出力するデータは、パラ
レルインタフェースであるGPIBでコンピュータ14
に入力され、また、上記の電動ステージ30の動作は、
コンピュータ14よりGPIBを介して送信される動作
コマンドにより制御される。
【0032】次に、この実施の形態3のミリ波イメージ
ングシステムの動作に関して説明する。まず、アンテナ
12より放出されたミリ波が、ミリ波レンズ32aで回
折限界まで絞られてから試料物体13を通過し、試料物
体13を通過して拡散したミリ波がミリ波レンズ32b
で回折限界まで絞られて電気光学結晶10に受信され
る。一方、レーザ4aを出射したパルス光は、光ファイ
バ30aを介して偏光検出部26を通過することで、第
1の偏光成分が取り出され、光ファイバ30bを介して
電気光学結晶10に入射する。電気光学結晶10に入射
したパルス光の第1の偏光成分は、光学反射膜11を反
射して結晶内を逆行して電気光学結晶10から出射す
る。
【0033】電気光学結晶10内をパルス光が通過して
いるとき、電気光学結晶10が試料物体13を通過して
きたミリ波16を受信することで発生した電界(瞬時電
界)に応じて、パルス光は偏光変化を受ける。この偏光
変化を受けると、電気光学結晶10を出射するパルス光
には、第1の偏光成分に直交する第2の偏光成分が発生
する。電気光学結晶10を出射した第2の偏光成分が発
生しているパルス光は、光ファイバ30bを介して偏光
検出部26に入射する。電気光学結晶10を出射した光
パルスを入射した偏光検出部26は、試料物体13を通
過してきたミリ波16を周波数差Δfの周波数にダウン
コンバートした電気信号を出力する。
【0034】この偏光検出部26について、図7を用い
てより詳細に説明する。図7に示すように、偏光検出部
26は、まず、光ファイバ30aを介して入射したレー
ザ4aからのP偏光のパルス光を、光学レンズ22aで
平行光にコリメートしてから、S偏光ビームスプリッタ
(PBS−S)23を通過させる。PBS−S23はS
偏光を分岐させるので、PBS−S23に入射したレー
ザ4aからのP偏光のパルス光はすべてが直進する。次
に、偏光検出部26は、PBS−S23を直進したパル
ス光を、ファラデー回転子(FR)25を通過させるこ
とで、偏光方向を45°回転させ、かつ1/2波長板
(HWP)7を通過させることでまた45°回転させ
る。この結果、HWP7を通過したレーザ4aからのパ
ルス光はS偏光となる。
【0035】次に、偏光検出部26は、HWP7を通過
してS偏光となったパルス光を、入射した光の中でP偏
光を分岐させるP偏光ビームスプリッタ(PBS−P)
24に入させる。HWP7を通過したパルス光はS偏光
となっているので、PBS−P24を直進する。PBS
−P24を通過したS偏光のパルス光は、光学レンズ2
2bで集光され、光ファイバ30bに入射する。光ファ
イバ30bに入射したS偏光のパルス光は、電気光学結
晶10に入射し、電気光学結晶10が受信したミリ波で
発生した電界により偏光変化を受け、電気光学結晶10
を出射して光ファイバ30bを介して再び偏光検出部2
6に入射する。
【0036】電気光学結晶10で偏光変化を受けて偏光
検出部26に入射したパルス光は、偏光変化を受けたこ
とにより、S偏光成分が減少してこの減少した量に等し
いP偏光成分が発生している。この電気光学結晶10で
偏光変化を受けてS偏光とP偏光が重なったパルス光が
PBS−P24に入射すると、パルス光の2つの偏光成
分のうちP偏光が分岐されて進行方向を変えられてPD
−P28に入射する。また電気光学結晶10で偏光変化
を受けてPBS−P24に入射するパルス光の偏光成分
のうち、S偏光はPBS−P24で分岐されずに直進す
る。
【0037】電気光学結晶10より出射してPBS−P
24を直進したS偏光のパルス光は、HWP7で偏光方
向が45°回転され、FR25で偏光方向が−45°回
転され、S偏光のままPBS−S24に入射する。この
S偏光のままPBS−S24に入射した光パルスは、P
BS−S24で分岐されて進行方向を変えられてPD−
S28に入射する。したがって、電気光学結晶10で偏
光変化を受けてたパルス光は、偏光検出部26におい
て、偏光変化を受けて発生したP偏光がPD−P28で
光電変換され、偏光変化を受けて減少したS偏光がPD
−S27で光電変換される。
【0038】PD−S27とPD−P28では、実施の
形態1のミリ波イメージングシステムのPD−L5(図
1)による光電変換と同様に、入射したパルス光をこの
パルス光列の包絡線で示される正弦波の電気信号にとし
て光電変換する。そして、PD−S27で光電変換され
た正弦波の電気信号と、PD−P28で光電変換された
正弦波の電気信号は、差動アンプ29で差動増幅され、
ロックインアンプ15に入力する。
【0039】ここで、まず、PD−S27で光電変換さ
れた電気信号は、電気光学結晶10で偏光変化を受けて
減少したS偏光の減少に対応する信号である。一方、P
D−P28で光電変換された電気信号は、電気光学結晶
10で偏光変化を受けて発生増加したP偏光の増加に対
応する信号である。したがって、PD−S27で光電変
換された電気信号と、PD−P28で光電変換された電
気信号とは、逆相で変化しているので、差動アンプ29
で差動増幅された電気信号は信号成分が増幅された状態
となっている。
【0040】この信号成分の増幅は、図8に示すよう
に、実施の形態1のミリ波イメージングシステムのよう
にPD−L51つで光電変換した電気信号に比較して2
倍になる。図6は、差動アンプ29で出力された電気信
号をスペクトルアナライザで測定した結果であり、64
kHzに検出されるピークは、「差動検出OFF」のス
ペクトルに比較して、「差動検出ON」のスペクトルの
方が2倍となっている。PD−S27に入射するパルス
光とPD−P28に入射するパルス光の光強度雑音は逆
相となっていないので、差動アンプ29で差動増幅され
た電気信号は、レーザ4aからのレーザ強度雑音などが
大幅に低減されている。この雑音の低減も、図8から明
かであり、64kHz以外の周波数のピークが、「差動
検出OFF」のスペクトルに比較して「差動検出ON」
のスペクトルの方が小さい。
【0041】以上のことにより、差動アンプ29から出
力された電気信号は、実施の形態1で説明したように、
試料物体13を通過してきたミリ波を周波数差Δfの周
波数にダウンコンバートした、試料物体13を通過する
ことで発生した位相差Δφを有している。そして、ロッ
クインアンプ15は、差動アンプ29から出力された位
相差Δφを有している電気信号を、第3の正弦波発生器
3より得た周波数差Δfの周波数の正弦波の電気信号と
比較することで、差動アンプ29から出力された電気信
号より位相差Δφを取り出し、この位相差Δφのデータ
をコンピュータ14に送る。
【0042】この実施の形態3のミリ波イメージングシ
ステムでは、電動ステージ31で、試料物体13を二次
元的に移動させている。例えば、試料物体13は、アン
テナ12のミリ波放出部と電気光学結晶10とを結ぶ線
を法線とする平面で移動する。一方、ロックインアンプ
15よりコンピュータ14に送られるデータは、ミリ波
レンズ32aで回折限界まで絞られたミリ波が、試料物
体13を透過して光学結晶10で受信されることで得ら
れたものである。つまり、ロックインアンプ15よりコ
ンピュータ14に送られるデータは、試料物体13の移
動にあわせ、かつ、試料物体13のミリ波透過領域の状
態に対応して変化している。
【0043】コンピュータ14は、電動ステージ31を
制御して第1の位置まで移動させ、この電動ステージ3
1の位置で固定された試料物体13上の一点を通過した
ミリ波の強度と位相に関するデータを、ロックインアン
プ15より受け取り第1のデータとして保持する。第1
のデータを保持したコンピュータ14は、電動ステージ
31を制御して第1の位置より所定距離離れた第2の位
置まで移動させ、この電動ステージ31の位置で固定さ
れた試料物体13上の一点を通過したミリ波の強度と位
相に関するデータを、ロックインアンプ15より受け取
り第2のデータとして保持する。
【0044】第2のデータを保持したコンピュータ14
は、電動ステージ31を制御して第2の位置より所定距
離離れた第3の位置まで移動させ、この電動ステージ3
1の位置で固定された試料物体13上の一点を通過した
ミリ波の強度と位相に関するデータを、ロックインアン
プ15より受け取り第3のデータとして保持する。引き
続き、コンピュータ14は、第4の位置で第4のデータ
を得て保持し、第5の位置で第5のデータを得て保持
し、これら動作を第nの位置で第nのデータを得るまで
繰り返す。そして、コンピュータ14は、保持した第1
のデータから第nのデータを、第1の位置から第nの位
置までで形成される平面に対応させて組み合わせ、試料
物体13のミリ波偏光分布画像およびミリ波胸部分布画
像を形成する。
【0045】図9は、この実施の形態3のミリ波イメー
ジングシステムで得た試料物体のミリ波強度分布画像
(a)とミリ波偏光分布画像(b)とを示すコンピュー
タ画像(2×2mm/pixel)である。なお、試料物体に照
射したミリ波の周波数は、60.000064MHzと
した。試料物体は、厚い紙の間に挟まれた木の葉であ
る。木の葉を挟んだ紙は十分に厚いので、人間の目では
隠された葉を見ることはできない。一方、上記の60.
000064MHzのミリ波は紙を透過する。しかし、
このミリ波は、水分を含んだ木の葉によって減衰を受け
るので、木の葉の存在がミリ波の影としてはっきり認識
できる。
【0046】ところが、ミリ波強度分布画像(a)では
木の葉の葉脈などの形状は認識できない。これに対し、
ミリ波偏光分布画像(b)では、木の葉の葉脈も認識で
きる。この図9(a)と図9(b)の比較から明らかな
ように、従来のミリ波イメージングシステムでは観察で
きなかったものが、この発明のミリ波イメージングシス
テムでは観察可能になる。なお、上記の実施の形態1〜
3では、試料物体を透過したミリ波を電気光学結晶で受
信する構成としたが、試料物体を反射するミリ波を電気
光学結晶で受信する構成としてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、第
1の周波数の逆数の周期の第1のパルス光を出力するパ
ルス光源と、第1の周波数の自然数倍に第1の周波数と
異なる第2の周波数を加えたミリ波帯周波数の正弦波電
磁波を生成して測定対象の物体に放出する電磁波放出手
段と、この電磁波放出手段からの正弦波電磁波が物体を
透過もしくは反射した結果得られた測定電磁波を受け
て、この測定電磁波の電界変化に対応してパルス光源か
らの第1のパルス光を偏光変化して第2のパルス光とす
る光変調手段と、この光変調手段からの第2のパルス光
の偏光変化を強度変化に変換して第3のパルス光とする
強度変換手段と、この強度変換手段からの第3のパルス
光を第3のパルス光のパルス列の包絡線で示される電気
信号に光電変換する光電変換手段と、この光電変換手段
からの電気信号と第2の周波数の参照正弦波との間の位
相の差を検出するデータ抽出手段と、このデータ抽出手
段が検出した位相の差より物体の像を形成する画像検出
手段とを備えるようにした。
【0048】したがって、この発明によれば、光変調手
段で第1のパルス光を測定電磁波の電界変化に対応して
偏光変化して第2のパルス光とし、強度変換手段で第2
のパルス光を強度変化に変換した第3のパルス光とし、
この第3のパルス光のパルス列の包絡線で示される電気
信号を光電変換手段で得るようにしたので、光電変換手
段で得られた電気信号は、測定電磁波の周波数を第2の
周波数に変換したものに等しくなる。つまり、データ抽
出手段で得られる、光電変換手段で得られた電気信号と
第2の周波数の参照正弦波との間の位相の差は、測定電
磁波が測定対象の物体の誘電率分布により受けた位相変
化に対応する。この結果、この発明によれば、測定対象
の物体の誘電率分布を可視化できるので、生体試料など
のミリ波の透過・反射率分布が物体を構成する各部分で
ほとんど一定である対象であっても、より細部まで認識
可能なコントラストの高い像を得ることのできるように
なる。
【0049】また、この発明では、第1の周波数の逆数
の周期の第1のパルス光を出力するパルス光源と、第1
の周波数の自然数倍に第1の周波数と異なる第2の周波
数を加えたミリ波帯周波数の正弦波電磁波を生成して測
定対象の物体に放出する電磁波放出手段と、この電磁波
放出手段からの正弦波電磁波が物体を透過もしくは反射
した結果得られた測定電磁波を受けて、この測定電磁波
の電界変化に対応してパルス光源からの第1のパルス光
を偏光変化して第2のパルス光とする光変調手段と、こ
の光変調手段からの第2のパルス光を光変調器の偏光変
化により強度が減少した第1の偏光成分と、第1の偏光
成分と偏光方向が90°異なる第2の偏光成分とに分離
する偏光分離手段と、この偏光分離手段で分離された第
1の偏光成分を第1の偏光成分のパルス列の包絡線で示
される第1の電気信号に変換する第1の光電変換手段
と、偏光分離手段で分離された第2の偏光成分を第2の
偏光成分のパルス列の包絡線で示される第2の電気信号
に変換する第2の光電変換手段と、第1の光電変換手段
が変換した第1の電気信号と第2の光電変換手段が変換
した第2の電気信号を差動増幅して第3の電気信号とす
る増幅手段と、この増幅手段からの第3の電気信号と第
2の周波数の参照正弦波との間の位相の差を検出するデ
ータ抽出手段と、このデータ抽出手段が検出した位相の
差より物体の像を形成する画像検出手段とを備えるよう
にした。
【0050】したがって、この発明によれば、第2のパ
ルス光の第1の偏光成分と第1の偏光成分と偏光方向が
90°異なる第2の偏光成分とを、それぞれ第1の光電
変換手段と第2の光電変換手段とで第1と第2の電気信
号に変換し、増幅手段で第1の電気信号と第2の電気信
号を差動増幅して第3の電気信号としたので、この第3
の電気信号は、測定電磁波の周波数を第2の周波数に変
換したものに等しくなる。つまり、データ抽出手段で得
られる、光電変換手段で得られた第3の電気信号と第2
の周波数の参照正弦波との間の位相の差は、測定電磁波
が測定対象の物体の誘電率分布により受けた位相変化に
対応する。この結果、この発明によれば、測定対象の物
体の誘電率分布を可視化できるので、生体試料などのミ
リ波の透過・反射率分布が物体を構成する各部分でほと
んど一定である対象であっても、より細部まで認識可能
なコントラストの高い像を得ることのできるようにな
る。また、第3の電気信号は、測定電磁波が測定対象の
物体の誘電率分布により受けた位相変化に対応する信号
成分が増幅され、この信号成分以外の雑音が低減され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるミリ波イ
メージングシステムの構成を示す構成図である。
【図2】 試料物体の誘電率分布によりミリ波に発生す
る位相差を示す説明図である。
【図3】 図1のミリ波イメージングシステムにおけ
る、ミリ波とパルス光の変化とPD−L5から出力され
る電気信号を示す説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態におけるミリ波イ
メージングシステムの構成を示す構成図である。
【図5】 図4のミキサ18とバンドパスフィルタ19
を示す構成図である。
【図6】 本発明の第3の実施の形態におけるミリ波イ
メージングシステムの構成を示す構成図である。
【図7】 図6の偏光検出部26の構成を示す構成図で
ある。
【図8】 図6の差動アンプ29の出力信号をスペクト
ルアナライザで測定した結果を示す特性図である。
【図9】 実施の形態3のミリ波イメージングシステム
で検出した木の葉のコンピュータ画像である。
【図10】 従来のミリ波イメージングシステムの構成
を示す図である。
【符号の説明】
1…第1の正弦波発生器、2…第2の正弦波発生器2、
3…第3の正弦波発生器3、4…レーザ、5…フォトダ
イオード(PD−L)、6…偏光ビームスプリッタ(PB
S)、7…1/2波長板(HWP)、8…1/4波長板(Q
WP)、9…鏡、10…電気光学結晶、11…光反射
膜、12…アンテナ、13…試料物体、14…コンピュ
ータ、15…ロックインアンプ、16…ミリ波。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 品川 満 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2G059 AA05 AA10 EE05 EE11 GG01 GG04 GG08 GG09 JJ13 JJ20 JJ22 JJ30 KK01 KK04 MM01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の周波数の逆数の周期の第1のパル
    ス光を出力するパルス光源と、 前記第1の周波数の自然数倍に前記第1の周波数と異な
    る第2の周波数を加えたミリ波帯周波数の正弦波電磁波
    を生成して測定対象の物体に放出する電磁波放出手段
    と、 この電磁波放出手段からの正弦波電磁波が前記物体を透
    過もしくは反射した結果得られた測定電磁波を受けて、
    この測定電磁波の電界変化に対応して前記パルス光源か
    らの第1のパルス光を偏光変化して第2のパルス光とす
    る光変調手段と、 この光変調手段からの第2のパルス光の偏光変化を強度
    変化に変換して第3のパルス光とする強度変換手段と、 この強度変換手段からの第3のパルス光を前記第3のパ
    ルス光のパルス列の包絡線で示される電気信号に光電変
    換する光電変換手段と、 この光電変換手段からの電気信号と前記第2の周波数の
    参照正弦波との間の位相の差を検出するデータ抽出手段
    と、 このデータ抽出手段が検出した位相の差より前記物体の
    像を形成する画像検出手段とを備えたことを特徴とする
    ミリ波イメージングシステム。
  2. 【請求項2】 第1の周波数の逆数の周期の第1のパル
    ス光を出力するパルス光源と、 前記第1の周波数の自然数倍に前記第1の周波数と異な
    る第2の周波数を加えたミリ波帯周波数の正弦波電磁波
    を生成して測定対象の物体に放出する電磁波放出手段
    と、 この電磁波放出手段からの正弦波電磁波が前記物体を透
    過もしくは反射した結果得られた測定電磁波を受けて、
    この測定電磁波の電界変化に対応して前記パルス光源か
    らの第1のパルス光を偏光変化して第2のパルス光とす
    る光変調手段と、 この光変調手段からの第2のパルス光を前記光変調器の
    偏光変化により強度が減少した第1の偏光成分と、前記
    第1の偏光成分と偏光方向が90°異なる第2の偏光成
    分とに分離する偏光分離手段と、 この偏光分離手段で分離された第1の偏光成分を前記第
    1の偏光成分のパルス列の包絡線で示される第1の電気
    信号に変換する第1の光電変換手段と、 前記偏光分離手段で分離された第2の偏光成分を前記第
    2の偏光成分のパルス列の包絡線で示される第2の電気
    信号に変換する第2の光電変換手段と、 前記第1の光電変換手段が変換した第1の電気信号と前
    記第2の光電変換手段が変換した第2の電気信号を差動
    増幅して第3の電気信号とする増幅手段と、 この増幅手段からの第3の電気信号と前記第2の周波数
    の参照正弦波との間の位相の差を検出するデータ抽出手
    段と、 このデータ抽出手段が検出した位相の差より前記物体の
    像を形成する画像検出手段とを備えたことを特徴とする
    ミリ波イメージングシステム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のミリ波イメージ
    ングシステムにおいて、 前記第1の周波数の第1の正弦波を生成する第1の正弦
    波発生器と、 前記第1の周波数の自然数倍に前記第2の周波数を加え
    たミリ波帯周波数の第2の正弦波を前記第1の正弦波発
    生器に同期して生成する第2の正弦波発生器と、 前記参照正弦波を前記第1の正弦波発生器に同期して生
    成する第3の正弦波発生器とを備え、 前記パルス光源は前記第1の正弦波を用いて前記第1の
    周波数のパルス光を出力し、 前記電磁波放出手段は前記第2の正弦波を用いて前記正
    弦波電磁波を生成することを特徴とするミリ波イメージ
    ングシステム。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のミリ波イメージ
    ングシステムにおいて、 前記第1の周波数の第1の正弦波を生成する第1の正弦
    波発生器と、 前記第1の周波数の自然数倍に前記第2の周波数を加え
    たミリ波帯周波数の第2の正弦波を前記第1の正弦波発
    生器に同期して生成する第2の正弦波発生器と、 前記パルス光源からの第1のパルス光の一部を光電変換
    してパルス信号とする部分光電変換手段と、 この部分光電変換手段からのパルス信号と前記第2の正
    弦波発生器からの第1の正弦波とから前記第2の周期の
    参照正弦波を生成する参照正弦波生成手段とを備え、 前記パルス光源は前記第1の正弦波を用いて前記第1の
    周波数のパルス光を出力し、 前記電磁波放出手段は前記第2の正弦波を用いて前記正
    弦波電磁波を生成することを特徴とするミリ波イメージ
    ングシステム。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか一項に記載の
    ミリ波イメージングシステムにおいて、 前記第1および第2のパルス光は光ファイバで伝搬され
    ることを特徴とするミリ波イメージングシステム。
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Cited By (11)

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