JP2008232624A - 電波イメージング方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電波の発生源と、その電波源からの出力信号を外部端子及び演算処理部へ誘導する線路と、外部端子で受入した外部の試料からの信号を演算処理部へ誘導する線路と、試料からの信号を基にしてそのイメージングを行なう演算処理部とを少なくとも備える測定器と、その測定器の外部端子に接続され、中心導体の突出したプラグの配設された同軸コネクターを備える2本のプローブとを有した構成において、その2本の中心導体の間隔を、電波源からの出力信号の波長以下に設定すると共に、2本の中心導体の間に試料を配置し、電波源からの出力信号の送出側のコネクターから射出された信号を、その信号が分散する前に試料へ照射し、試料を透過した信号を、検出側のコネクターで受入する。
【選択図】図1
Description
ミリ波より長波長のマイクロ波では、人体や物体の2次元や3次元画像を生成することができるマイクロ波イメージングシステムが、近年開発されている。
ファーフィールドイメージングは、空間伝搬させた電磁波を誘電体レンズ等で集光し、遠くにある試料をイメージすることが可能であるが、電磁波には回折限界があるため分解能は波長サイズが限界であり、電波においては高い分解能が望めない。
David M. Sheen, Douglas L. McMakin, and Thomas E. Hall, "Three-Dimensional Millimeter-WaveImaging for Concealed Weapon Detection," IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORYAND TECHNIQUES, Vol. 49, No. 9, p. 1581 (2001)
Tatsuo Nozokido, Jongsuck Bae and Koji Mizuno,"Scanning Near-Field Millimeter-Wave Microscopy Using a Metal Slit as aScanning Probe," IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES, Vol. 49,No. 3, p. 491 (2001)
特に、検出側プローブの中心導体に、電波源からの出力信号の波長以下のアパーチャーを付設すると、回折電波の干渉を抑止し分解能の向上が図れる。
図1は、本発明による電波イメージング装置の概要を示す模式図である。
本発明は、試料に電波を照射し、その透過信号によって試料のイメージングを行なうことを基本とする。
本発明による電波イメージング装置は、導波管やホーンアンテナ等を使用しないイメージング装置であるため周波数が限定されず、広帯域光源を使用することにより、様々な周波数でイメージングすることが可能である。
ネットワークアナライザーは、一般には、回路や素子にマイクロ波等の高周波を出力し、回路からの反射や通過状態を計測して回路や素子の電気的特性を求める装置である。
ネットワークアナライザー内部に備わる信号源は、測定する範囲の周波数を掃引する。
信号源と外部出力端子との間には、方向性結合器が備わる。試料は、2つの外部出力端子の間に配置される。信号源から試料に与えられた信号と、試料からの透過或いは反射信号が方向性結合器によって制御され、演算処理部で処理される。
信号線路に入力された全ての電力が信号線路から端子a1またはb1に導かれるわけでなく、通常1/100(-20dB)程度の電力が方向性をもって取り出される。実際のネットワークアナライザーでは測定精度を上げるために、端子a1、a2は方向性結合器を用いないで信号源の電力を分配して測り、また試料からの信号電力もできるだけ高い比率で端子b1、b2に導く方向性結合器を用いることが多い。
方向性結合器の端子a及びbに出力される信号は、振幅のみが検出されるタイプと振幅と位相の両方が検出されるタイプがある。位相も測れるタイプのベクトルネットワークアナライザーでは、試料の入出力部の透過或いは反射量と位相からSパラメータを求めることができる。
コネクターのタイプとしては、BNC、SMAタイプ、N型コネクタも利用可能である。
アパーチャーを検出側の中心導体に数mmまで接近させることで、回折電波の干渉を抑止し分解能を向上させられる。この際、アパーチャーに中心導体の先端を、どの程度接近させるか或いはどの程度差し込みかを調整することで、アパーチャーからの漏れ波を検出し、回折低減や検出効率向上や分解能向上を図れる。
トランス側のコネクターの端から約1mm 離れた位置で、アルミ板を用いてナイフエッジ法により35GHz ビーム(波長約8mm)の形状等を調べた。図3(a)は、アパーチャーを用いない場合のグラフ、図3(b)は、アパーチャーを用いた場合のグラフである。
図3(a)のように、アパーチャーを用いない場合は、ビーム径が約2 mm と、一見小さく見えるが、回折電波との干渉が大きい。それに対して、図3(b)のように、アパーチャーを用いた場合は、ビーム径が約3 mm であるが、干渉の影響が小さくなった。
図4(a)に示すカード(JR Suica) を、35 GHzビームによりイメージングした。図4(b)は、アパーチャーを用いない場合、図4(c)は、アパーチャーを用いた場合である。
いずれの場合も、カード内部における金属の分布が観察された。図4(b)のように、アパーチャーを用いない場合でも波長以下でイメージングすることが可能であるが、図4(c)のように、アパーチャーを用いた場合では、電波の回折による影響を抑えることができ、より鮮明なイメージが得られた。
ぶた肉の水分や脂肪、それに添加する溶液(DMSO)等の量によって、電波の吸収が異なる様子が観察できた。この実験結果から、イメージングによって生体試料の均一性を評価できる可能性があることが判明した。
Claims (9)
- 試料に電波を照射し、その透過信号によって試料のイメージングを行なう装置であって、
電波の発生源と、その電波源からの出力信号を外部端子及び演算処理部へ誘導する線路と、外部端子で受入した外部の試料からの信号を演算処理部へ誘導する線路と、試料からの信号を基にしてそのイメージングを行なう演算処理部とを少なくとも備える測定器と、
その測定器の外部端子に接続され、中心導体の突出したプラグの配設された同軸コネクターを備える2本のプローブとを有し、
その2本の中心導体の間隔を、電波源からの出力信号の波長以下に設定すると共に、2本の中心導体の間に試料を配置する
ことを特徴とする電波イメージング装置。 - 測定器がネットワークアナライザーである
請求項1に記載の電波イメージング装置。 - 検出側の中心導体に、電波源からの出力信号の波長以下のアパーチャーを付設した
請求項1または2に記載の電波イメージング装置。 - 試料を支持すると共に、信号の射出方向と略垂直な方向へ移動させる試料移動部材を有する
請求項1ないし3に記載の電波イメージング装置。 - 試料に電波を照射し、その透過信号によって試料のイメージングを行なう方法であって、
電波の発生源と、その電波源からの出力信号を外部端子及び演算処理部へ誘導する線路と、外部端子で受入した外部の試料からの信号を演算処理部へ誘導する線路と、試料からの信号を基にしてそのイメージングを行なう演算処理部とを少なくとも備える測定器と、
その測定器の外部端子に接続され、中心導体の突出したプラグの配設された同軸コネクターを備える2本のプローブとを有した構成において、
その2本の中心導体の間隔を、電波源からの出力信号の波長以下に設定すると共に、2本の中心導体の間に試料を配置し、
電波源からの出力信号の送出側のコネクターから射出された信号を、その信号が分散する前に試料へ照射し、試料を透過した信号を、検出側のコネクターで受入する
ことを特徴とする電波イメージング方法。 - 測定器にネットワークアナライザーを用いる
請求項5に記載の電波イメージング方法。 - 検出側の中心導体に、電波源からの出力信号の波長以下のアパーチャーを付設して、回折電波の干渉を抑止する
請求項5または6に記載の電波イメージング方法。 - 検出側の中心導体にアパーチャーを数mmまで接近させて、アパーチャーからの漏れ波を検出する
請求項7に記載の電波イメージング方法。 - 試料保持部材によって、試料を支持すると共に、信号の射出方向と略垂直な方向へ移動させて、電波源からの出力信号を試料の所望部位全体にわたって照射する
請求項5ないし8に記載の電波イメージング方法。
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