JP3121663B2 - 交流式放電型プラズマディスプレイパネルを用いた表示装置 - Google Patents

交流式放電型プラズマディスプレイパネルを用いた表示装置

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JP3121663B2
JP3121663B2 JP6031092A JP6031092A JP3121663B2 JP 3121663 B2 JP3121663 B2 JP 3121663B2 JP 6031092 A JP6031092 A JP 6031092A JP 6031092 A JP6031092 A JP 6031092A JP 3121663 B2 JP3121663 B2 JP 3121663B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示装置に関するもの
であり、更に詳しくは、交流式放電型プラズマディスプ
パネルを用いた表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラズマディスプレパネル
を使用した表示装置は、高輝度、広視野角、大容量表
示、更には長寿命とう利点を有する為、パーソナル
ンピュータ、ワードプロセッサ等のディスプレイ手段と
して広く使用されて来ている。中でも、交流式放電型プ
ラズマディスプレパネルを用いた表示装置は、メモリ
ー効果を有し、比較的低い放電維電圧(サスティン電
とよぶこともある)を印加する事により放電発光を継
続的に実行する事が可能であるので、経済的見地から注
目されて来ている。
【0003】しかしながら、係る交流式放電型プラズマ
ディスプレパネルに於いては、近年の大容量化、高精
細化に伴い、ライン毎の負荷率の違いにより、プラズマ
ディスプレパネル上の発光輝度にむらが発生し、画面
の鮮明さが低下するとか、画面が見難いという問題が発
生してきており、係る問題を解決する必要が生じてきて
いる。
【0004】ここで本発明に関連する交流式放電型プ
ラズマディスプレパネルを用いた表示装置の構造とそ
の表示原理を図4及び図5を参照しながら簡単に説明す
ると、先ず図4は、従来の交流式放電型プラズマディス
プレパネルの代表的な構成を説明する図であり、透明
な2枚のガラス基板61、62が互いに内部空間を形成
する為に所定の間隔設けて互いに平行に配置されてお
り、その一方のガラス基板61は該表示装置の前面を構
成する表示面として機能し、他方のガラス基板62は該
表示装置の裏面を構成する。
【0005】又該ガラス基板61の内部空間に面した表
面には、複数本の互いに並列に配置されている列電極6
3が設けられており、又該ガラス基板62の内部空間に
面した表面には、複数本の互いに並列に配置されている
行電極64が設けられており、該行電極64と列電極6
3とは互いに直交する方向に配置されている。係る行電
極64と列電極63は、それぞれ例えば絶縁ガラス等で
構成された適宜の誘電体層66と該誘電体層66を被覆
する保護層68により覆われており、完全に保護されて
いる。
【0006】又該保護層68に形成される空間部67
は、該ガラス基板61、62の両端部に設けられている
スペーサ70とシールガラス69とにより完全に外部か
ら隔離された空間を構成しており、該空間部内に例えば
ネオンガスに若干の希ガスを混合したガス体が封入され
ている。係る基本構成を持つ該プラズマディスプレ
ネルの表示動作原理を以下に説明すると、先ず該行電極
駆動手段2或いは列電極駆動手段3の何れかを駆動させ
て、所定の高電圧を該プラズマディスプレパネルの両
電極間に印加する事により当該両電極により特定される
空間部(画素とも言われる)に存在するガス体がイオン
化され放電電流が発生し、上記誘電体の表面を充電し、
この時瞬間的に光が放出される。
【0007】同時に、該ガス体から分離されたプラスイ
オンの荷電粒子はマイナス側の電極を被覆する保護層6
8の表面に堆積され一方の壁電荷を形成すると同時に、
該ガス体から分離されたマイナスイオンの荷電粒子はプ
ラス側の電極を被覆する保護層68の表面に堆積され他
方の壁電荷を形成する。この誘電体表面に形成された壁
電荷は長期間保持されメモリー効果を発揮する。
【0008】そして、次に上記の両電極に印加された電
圧の極性を反転させると、該壁電荷を構成している両荷
電粒子は、反対側に移動し、その時点で瞬間的に光が放
出される。係る時点に於ける放電は、該電極間に既に壁
電荷による電圧が形成されているので、初回に印加され
た電圧よりも低い電圧で放電が開始される。
【0009】図5は、上記した交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルからなる表示装置の全体の構成を示す
ものであり、該プラズマディスプレパネル10に接続
して該プラズマディスプレパネル10の行電極(Y電
極)を走査駆動させる行電極駆動手段(Y側駆動回路)
2、2’と列電極(X電極)を走査駆動させる列電極駆
動手段(X側駆動回路)3、3’とが設けられ、且つ該
行電極駆動手段2、2’と列電極駆動手段3、3’を所
定のプログラムシーケンスに従って駆動させるタイミン
グジェネレータ5と水平同期信号(Hsync)、及び
垂直同期信号(Vsync)に基づいて行電極(Y電
極)の走査を制御するスキャンコントローラ6及び水平
同期信号(Hsync)、及び垂直同期信号(Vsyn
c)、表示データ(DATA)及びクロック(CLK)
等を出力して該表示装置全体を制御する為の中央演算処
理手段4とから構成されている。
【0010】該交流式放電型プラズマディスプレイパネ
ル10に設けられた行電極(Y電極)102と列電極
(X電極)103との交差点104が表示セルを構成し
ており一つの画素を形成している。両駆動手段2及び3
はそれらの高圧出力パルスを制御する制御信号発生用の
タイミングジェネレータ5に接続されている。又、列電
極駆動手段(X側駆動回路)3は表示データで、又行電
極駆動手段(Y側駆動回路)2はスキャンコントローラ
6により発生されたスキャンデータによりそれぞれ高圧
出力パルスを選択的に出力し、任意の表示セルを示す交
差点104に各種文字,図形等の画像を形成する。
【0011】図8は、図5に示される該表示装置の該行
電極駆動手段2若しくは列電極駆動手段3の具体的構成
例を示すブロックダイアグラムであり、該電極駆動手段
2、3は何れもスキャンコントローラ6又はタイミング
ジェネレータ5から成る制御回路により制御されるもの
であって、例えば2個の直列に配列されたMOSFET
(TR1、TR2)で構成されているスイッチング素子
を基本として形成されているものである。
【0012】図8に於いては、該スキャンコントローラ
6が上記した構成を有する行電極駆動手段2を介して
プラズマディスプレパネルの行電極102の一つのラ
インを制御している状態を示している。尚、タイミング
ジェネレータ5やスキャンコントローラ6等からなる制
回路には、該中央演算処理手段4から制御信号とし
て、例えばTSC信号、SUS信号、STB信号、PO
R信号等が入力され、又該行電極駆動手段2或いは列電
極駆動手段3は、該中央演算処理手段4から直接表示
データ(DATA)及びクロック(CLK)等入力さ
れるのである。
【0013】係る構成を有する交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルにおける、該行電極駆動手段2或いは
列電極駆動手段3に於ける、該スキャンコントローラ6
又はタイミングジェネレータ5からなる制御回路に於け
真理値表を以下の表1に示しておく。
【0014】
【表1】
【0015】制御信号TSCはトライ・ステイト・コントロール(Try St
ate Control)信号、SUSはサステン(Sustain) 信
号、STBはストローブ(Strobe)信号、PORはポラリ
ティ(Polarity)信号、DATAはデータ信号と呼ばれて
いる。係る表示装置に於ける各駆動手段2、3は、上記
の5本の制御信号により該行電極駆動手段2若しくは該
列電極駆動手段3における出力用スイッチング素子をハ
イ・インピーダンス状態Z(TR1,2共にOFF)、GN
D状態(TR1がOFF 、TR2がON)、VDH(高圧電
源)状態(TR1がON、TR2がOFF)との何れかに設定
する7種の状態を選択的に指定する事が可能である。
【0016】ここで、上記従来に於ける表示装置の駆動
方法にいて簡単に説明する為、図6に示される様な
X,Y電極共2本から構成された交流式放電型プラズマ
ディスプレパネル10を用いて表示装置の駆動方法を
説明する。先ず、図2に於いて、X,Y電極の交点を表
示セルA,B,C,Dとし、今表示セルAのみ発光させ
るものとする。
【0017】図7は、該表示セルAのみ発光状態にする
駆動波形を示す。即ち、初めの水平同期信号(XHsync)A
1が出力されている期間、つまり第1のアドレス期間
(AD1)に於いて垂直同期信号(XVsync)と水平同期信
号(XHsync)により制御されたスキャンデータにより選択
状態にある電極Y1に書込パルスPw1が印加され、電
極Y1とX1,2の交点(表示セルA,B)を発光させ
(選択された1行全てを発光させる)と共に放電ガス空
間を挟んで対向する絶縁層面上に壁電荷を蓄積する。
【0018】次にX側電極側からサステンパルス(す
なわち、放電維持パルス)Ps1が印加されることによ
り再び放電が発生し、前とは逆極性の壁電荷が発生す
る。次に選択状態にある電極Y1に、該壁電荷を中和す
る為の消去パルスPe1を印加する。(消去パルスを印
加するとサステインパルスを印加しても発光しなく
る)この時壁電荷を中和しない表示セルAには電極X1
よりイレイズパルス(すなわち、消去パルスPe1を
相殺するキャンセルパルスPc1を印加する。このキャ
ンセルパルスは表示データにより選択される。
【0019】以上の動作により表示セルAはその後、Y
側電極とX側電極から交番するサステンパルスPsu
sを印加する度に発光して表示が継続される事になる。
次の水平同期信号(XHsync)により、スキャンコントロー
ラ6よりY2電極が選択状態になるようにスキャンデー
タがY側駆動回路に転送され、前と同様の一連の動作が
行われる。
【0020】係る動作の結果、図7(C)示される表示
セルA〜Dの入力信号波形と図7(D)示されるセル光
出力波形とから理解される様に、表示セルAに於いて
は、書き込み信号パルスPw1が出力された後、イレイ
ズパルスPe1とキャンセルパルスPcとが同時に印加
されるので、当該表示セルには所定の壁電荷が残存する
ので、それ以降に該表示セルに印加される交番的なサス
ティンパルスPsusにより発光動作が継続される。
(発光パルスH1〜H3)。
【0021】これに対して、表示セルB〜Dに於いて
は、何れも書き込み信号パルスPw1が出力された後、
イレイズパルスPe2のみ印加され、キャンセルパルス
Pcは印加されないので当該表示セルには壁電荷が残存
しなくなり、その結果、それ以降に該表示セルに印加さ
れる交番的なサスティンパルスPsusによっても発光
動作が行われない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、係る従来の
交流式放電型プラズマディスプレパネルを用いた表示
装置に於いては、表示装置の各セルの発光状態が一様で
ある事が望ましいが、実際の使用においては、各セルの
発光状態が該表示装置の全体を通じて均一ではなく、
又、特に行電極側に於ける各ライン毎にも表示画像の輝
度が異なって来て、画像全体が見にくくなったり、不鮮
明になったりするとう問題があった。
【0023】係る、問題点の発生原因を追求すると、行
電極駆動手段2によって該複数本の行電極が駆動されて
いる場合に、それぞれのラインに於ける発光セルの多少
によって、各行電極ライン間の表示輝度に差が発生する
事実が判明した。係る現象の原因を追求した結果、以下
に説明する様な基本的な原因が存在している事が判明し
た。
【0024】すなわち、従来に於ける該プラズマディス
プレパネルからなる表示装置の駆動方法を図9に示す
が、特に行電極駆動手段2側に於いては、各ラインL
1、L2に供給されるサスティンパルスPsusの電圧
は、それぞれ個別に設けられた駆動回路、即ちドライバ
回路DR1、DR2から供給されていた。その為、図9
に示す様に、表示装置に於ける該行電極側の各ラインL
1、L2に於ける点灯数が異なると、それぞれのライン
を駆動するドライバ回路が個別に設けられているので、
それぞれのラインに於ける電圧降下が相違してくる事か
ら、ラインL1、L2毎の輝度に変化が生じ、ラインL
1とL2の間の階調に差が発生する事になる。
【0025】今、図9における行電極側のラインL1の
点灯数をnとし、ラインL2の点灯数をmとし、n>m
であると仮定する。又、上記表示装置に於けるプラズマ
ディスプレパネルの表示セル一個が点灯する時に流れ
る電流をi、又該ラインL1が選択された場合に該ライ
ンL1を駆動するドライバDR1に流れる電流をIs
又該ラインL2が選択された場合に該ラインL2を駆動
するドライバDR2に流れる電流をIs’とすると、 Is = i × n Is’= i × m であるから、n>mの条件を勘案すると Is > Is’ となる。
【0026】更に、それぞれのドライバDR1、DR2
に設けられたFETをONした場合、それは擬似的に抵
抗体と見做しうるので、その時の抵抗値をRonとす
る。その時の該抵抗値RonによるドライバDR1の電
圧降下をVd、又該抵抗値RonによるドライバDR2
の電圧降下をVd’とし且つ該サスティン電圧の定格電
圧をVsとすると Vd = Ron × Is Vd’= Ron × Is’ であるから、n>mの条件を勘案すると Vd > Vd’・・・・・(2─1)となる。
【0027】一方、該ラインL1が選択され、且つ該ラ
インL1においてn個のセルを発光させる為のエネルギ
ーPaは、 Pa = (Vs−Vd)× (i×n) であり、又該ラインL2においてn個のセルを発光させ
る為のエネルギーPbは Pb = (Vs−Vd’)× (i×m) である。
【0028】又、該ラインL1に於いて、該表示セル1
個を発光させるエネルギーpaは、 pa = Pa/n = (Vs−Vd)×i・・・(2─2) であり、又該ラインL2に於いて、該表示セル1個を発
光させるエネルギーpbは、 pb = Pb/m = (Vs−Vd’)×i・・(2─3) となる。
【0029】そして、式(2─1)を勘案すると、 pa > pb・・・・(2─4) となる事が判る。つまり、式(2─4)から、上記の例
に於いては、該ラインL2の方が、輝度が高い、つまり
明るく見えると言う事を示している。
【0030】この様に、該サスティンパルスsusを
個別のドライバで駆動する場合には、各ドライバによる
電圧ドロップの影響により、ライン毎の点灯数の差によ
って、ライン間の輝度に差が生じて来る、所謂クロスト
ークとう欠点が発生する事が判った。本発明の目的
は、係る従来技術に於ける問題を解決し、近年の大容量
化、高精細化に伴い、ライン毎の負荷率の違いにより、
プラズマディスプレパネル上の発光輝度にむらが発生
したり、画面の鮮明さが低下して画面が見難いという欠
点を改良した交流式放電型プラズマディスプレパネル
を用いた表示装置を提供するものである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、以下に記載されたような技術構成を採用
するものである。すなわち、本発明の交流式放電型プラ
ズマディスプレイパネルを用いた表示装置は、少なくと
も全ての行電極に対して共通的に放電維持パルスを印加
させる第1の電源と、当該行電極に対して走査スキャン
信号を印加させる第2の電源とを備え、上記第2の電源
は、上記第1の電源が供給される一方の側の行電極端子
部とは反対側の行電極端子部から上記行電極に印加され
るように構成されている。
【0032】すなわち、図1に示す様に、発明の原理
は、従来は、1ライン毎に放電維持パルス(前述のよう
に、サステインパルスともよばれる)を印加する為に、
独立したドライバから電流或いは電力を供給していたた
め、そのライン毎に負荷が違うと発光輝度も違ってしま
った。しかし、本発明に於いては少なくとも行電極側の
ラインの一端部側に、それぞれのラインにサスティンパ
ルス(放電維持パルス)Psusを印加する為の電流
(電力)供給源、すなわち、ドライバ回路をまとめて1
つ設けると共に、走査スキャン信号の電圧すなわち書
き込み信号電圧Vwと消去信号電圧(イレイズ信号電
圧)Vsとを当該電極ラインの反対側から、ダイオード
を介して印加させる事によって、該サスティンパルス
susと実質的に分離されるように構成することによっ
て輝度差をなくしている。
【0033】つまり、本発明に於いては、図1に示す如
く、サスティンパルスPsusの供給源、ドライバ回路
を1つにまとめたドライバ回路K1(即ち第1の電源)
を使用しているため、ライン間の電圧ドロップ差がな
い。しかしこの時、従来と同様にサスティンパルスPs
usと同じ側からライトパルスPwを加えると、サステ
ィンパルスの供給源が1つの為全ラインにライトパルス
Pwが加わってしまうので、ライトパルスPwは該行電
極に於ける該第1の電源が接続されている端子部とは反
対側の行電極端子部から印加させる様に、該端子部とは
反対側の行電極端子部と接続して第2の電源K2を配置
したものである。
【0034】また、ダイオードDOを該第1と第2の電
源の間に挿入する事によって、一つの選択されたライン
に印加されたライトパルスVwが非選択の他ラインへ侵
入して電圧を高める事を防いでいる。
【0035】
【実施例】以下に、本発明に係る交流式放電型プラズマ
ディスプレイパネルを用いた表示装置の具体例を図面を
参照しながら詳細に説明する。即ち、図1は、本発明に
係る表示装置の一具体例の構成を説明する図であり、交
流式放電型プラズマディスプレイを用いた表示装置10
において、少なくとも全ての行電極L1〜Lnに対して
共通的にサスティンパルスPsusを印加させる第1の
共通電源(以下、第1の電源と称する)K1と、当該行
電極群に於ける選択された行電極に対して少なくとも書
き込み信号及び消去信号の何れか一方を印加させる第2
の電源K2とから構成されている行電極駆動制御手段が
設けられている交流式放電型プラズマディスプレイパネ
ルを用いた表示装置が示されている。
【0036】本具体例に於いては、該第1の電源K1
は、該パネル10の行方向の一端部に配置されており、
又該第2の電K2は、当該パネルの他方の端部に配置
されている事が望ましい。該第1の電源K1は、例えば
MOSFET201で構成され、その一端部は、放電維
持パルスの電圧、すなわち、サスティン電圧Vsusを
供給する電源と接続され、他方の端部は、該パネル10
の行電極の全ての端部と接続されている。
【0037】又、該MOSFET201のゲート端子に
は、サスティン電圧Vsusを制御するサスティン電圧
制御信号SsHが入力される。又第2の電源K2は、
当該パネル10の行電極のもう一方の端部のそれぞれと
個別に接続しているスキャンドライバDRnとDRn+
1が設けられており、該ドライバDRn、DRn+1は
何れも、例えば、直列に接続された2つのトランジス
タ、すなわちMOSFET202とMOSFET20
3、及びMOSFET202’とMOSFET203’
から構成され、両MOSFET202と203の接合部
が、該行電極の端部と接続されている。
【0038】又該各ドライバDRn、DRn+1の一方
の端部は、接地されており、又他方の端部は、書き込み
信号電圧Vw消去信号電圧Vsの出力を制御する為の
制御ドライバDRCが設けられており、該制御ドライバ
DRCは例えば、直列に接続された2つのトランジス
タ、すなわちMOSFET204とMOSFET205
とで構成されたものであり、該MOSFET204とM
OSFET205の接合部には、前記した各ドライバD
Rn、DRn+1の他方の端部が接続されている。
【0039】又、該制御ドライバDRCの内のMOSF
ET204の他端は、書き込み信号電圧Vwを発生させ
る電源に接続されており、又該MOSFET205の他
端は、消去信号電圧Vsを発生させる電源にそれぞれ接
続されている。即ち、本発明に係る該制御ドライバDR
Cは、2つの異なった電圧を発生させる電源に接続され
ているものである。
【0040】そして、該制御ドライバDRCに於けるM
OSFET204のゲート端子には、書き込み信号電圧
Vwを制御する書き込み信号電圧制御信号SVwが入力
され、また一方で、該MOSFET205のゲート端子
には、消去信号電圧Vsを制御する消去信号電圧制御信
号SVsが入力される。つまり、本具体例に於いては、
第2の電源は、かかるドライバDRn、DRn+1と制
御ドライバDRCとから構成されているものである。
【0041】又、本発明に於ける該表示装置に於いて
は、該第1の電源K1は、該パネルを構成している行電
極の一端部と接続され、又該第2の電源K2は当該行電
極のそれぞれに於ける該第1の電源が接続されていない
他方の端部と個別に接続されているものであって、然か
も該行電極のそれぞれに適宜のダイオードDOを設け、
第2の電源により、所定の選択された行電極に印加され
た書き込み信号電圧Vw或いは消去信号電圧Vsが、選
択されなかった他の行電極に影響を与える事がない様に
配慮されている。
【0042】又、本発明に係る該第1と第2の電源K
1、K2及び該ダイオードDOは、該パネルを構成する
ガラス基板上に、COG(chip on glass)技術を用いて
一体的に形成する事が出来、それによって当該交流式放
電型プラズマディスプレパネルのダウンサジング
化、省スペース化、並びにコストダウンを達成する事が
可能となる。
【0043】次に、図2及び3を参照しながら、図1に
示された本発明に係るプラズマディスプレパネルの駆
動回路の動作を説明する。即ち、図2に於いて波形a
放電維持パルスの電圧、すなわち、サスティン電圧
Vsusを発生させるために、サスティン電圧制御信号
端子から供給されるサスティン電圧制御信号SsHの
タイミングを示すものであり、1のパルスで立ち上がる
ことにより該パネル10の全ての行電極に該サスティン
電圧Vsusが印加されると同時に波形cのドライバD
Rnに於けるスキャン制御信号WLnが2のパルスで立
下り、それによってMOSFET203がOFFとなる
ので該選択された行電極L1のみ、その電圧が該サステ
ィン電圧Vsusに設定される。
【0044】その後、波形bに示される様に、ドライバ
DRnに於けるスキャン制御信号WHnが3のパルスで
立ち上がる事によって、MOSFET202がONとな
るのと同時に、該制御ドライバDRCの書き込み信号制
御パルスSVwが波形gに示す様に10のパルスで立ち
上がり、且つ該制御ドライバDRCの消去信号制御パル
スSVsが波形hに示す様に11のパルスで立ち下がる
事により、該制御ドライバDRCから、書き込み信号電
圧Vwが出力される。
【0045】したがって、該書き込み信号電圧Vwは、
該MOSFET202を介して該選択された行電極L1
に印加されるので、この時点では、該行電極L1の電圧
は、該書き込み信号電圧Vwと等しくなっている。又、
波形bにおいて該スキャン制御信号WHnが4のパルス
で立ち上がる事によりMOSFET202をONとする
時、波形cのスキャン制御信号WLnが5のパルスで立
下り、それによってMOSFET203がOFFとなる
のが、この時、該制御ドライバDRCに於いては、波形
gとhから判る様に、書き込み信号電圧VwはOFFと
なって、消去信号電圧Vsが出力れている状態である
から、該消去信号電圧Vsが、該MOSFET202を
介して選択された行電極L1に印加される。
【0046】一方、この状態に於いては、該選択された
行電極L1のサスティン電圧Vsusは既に除去され
て、該行電極には、壁電荷のみが存在している状態と
なっているので、該消去信号電圧Vsが該行電極に印加
される事により該壁電荷は消滅する事になる。なお、波
形(a)、(b)及び(d)が立ち上がっている時以外
は、波形(c)でWLをONする事により、GNDレベ
ルへ固定している。
【0047】一方、上記した工程が実行されている間、
他の行電極L2を制御するスキャンドライバDRn+1
に於いては、波形eで示す様に、スキャン制御信号WL
n+1が6のパルスで立下り、それによってMOSFE
T203’がOFFとなるので該選択された行電極L2
の電圧が該サスティン電圧Vsusに設定されるが、波
形dに示されるように、ドライバDRn+1に於けるス
キャン制御信号WHn+1は立ち上がる事がないので、
書き込み信号電圧Vwと消去信号電圧Vsの何れも該選
択された行電極L2には印加される事がない。
【0048】従って、この時点迄は、該行電極L2には
該壁電荷が形成される事がない。以上の操作が、本発明
に於ける該表示装置のアドレス1(AD1)の期間に於
けるタイミングであるが、それ以降のアドレス2(AD
2)の期間或いはアドレス3(AD3)の期間は、上記
の工程を交互に繰り返すことになる。又、図3は、従来
に於ける該表示装置の行電極駆動手段2側と列電極駆動
手段3側に於ける波形と、本発明に於ける表示装置の行
電極駆動手段2側と列電極駆動手段3側に於ける波形と
を比較したものであり、図3(A)の従来の波形に対し
て、図3(B)の本発明に於ける表示装置の波形は、波
形aと波形bが、従来の方法における行電極駆動手段2
の駆動波形を示すものであり、同図cの波形が従来の列
電極駆動手段3の駆動波形を示すものである。
【0049】つまり、列電極駆動手段3に関しては、本
発明の駆動波形は、従来の表示装置に於ける駆動波形と
同一であるが、行電極駆動手段2の駆動波形は、本発明
に於いては、パネルの左側から該行電極に印加される
スティン電圧Vsusの波形aと該パネルの右側から該
行電極に印加される書き込み信号電圧Vwと消去信号電
圧Vsとからなる波形の2本立てとなっている点が異な
っている。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る交流式放電型プラズマディ
スプレパネルを用いた表示装置においては、上記の様
な技術構成を採用しているので、ライン毎の負荷率の違
いにより、パネル上の発光輝度にむらが発生したり、画
面の鮮明さが低下して画面が見難いという欠点を改良し
た交流式放電型プラズマディスプレパネルを用いた表
示装置を提供する事が出来ると共に、プラズマディスプ
パネルのダウンサジング化、省スペース化、並び
にコストダウンを達成する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルを用いた表示装置の一具体例の構成を
説明するブロックダイアグラムである。
【図2】図2は、本発明に係る表示装置の駆動波形を説
明する図である。
【図3】図3は、本発明に係る表示装置の駆動波形を説
明する図である。
【図4】図4は、従来に於ける交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルの原理を説明する図である。
【図5】図5は、従来に於ける交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルを用いた表示装置の構成例を説明する
図である。
【図6】図6は、従来に於ける交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルを用いた表示装置の表示原理を説明す
る図である。
【図7】図7は、従来に於ける交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルを用いた表示装置の駆動波形を説明す
る図である。
【図8】図8は、従来に於ける交流式放電型プラズマデ
ィスプレパネルを用いた表示装置の電極駆動回路の動
作を説明する図である。
【図9】図9は、従来の交流式放電型プラズマディスプ
パネルを用いた表示装置に於ける問題点と説明する
図である。
【符号の説明】 1…交流式放電型プラズマディスプレパネル 2、2’…行電極駆動手段 3、3’…列電極駆動御手段 4…中央演算処理手段 5…タイミングジェネレータ 6…スキャンコントローラ 10…表示装置61…ガラス基板 62…ガラス基板 63…列電極 64…行電極 66…誘導体層67…空間部 68…保護層 69…シールガラス 70…スペーサ 102…行電極 103…列電極 104…交差点(表示セル) K1…第1の電源 K2…第2の電源 DO…ダイオード DRC…制御ドライバ DRn、DRn+1…スキャンドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−276187(JP,A) 特開 平4−73682(JP,A) 特開 昭49−129446(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/288 G09G 3/28 H01J 11/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流式放電型プラズマディスプレイを用
    いた表示装置において、少なくとも全ての行電極に対し
    て共通的に放電維持パルスを印加させる第1の電源と、
    当該行電極に対して走査スキャン信号を印加させる第2
    の電源とを備え 前記第2の電源は、前記第1の電源が供給される一方の
    側の行電極端子部とは反対側の行電極端子部から前記行
    電極に印加されるように構成されていること を特徴とす
    る交流式放電型プラズマディスプレイパネルを用いた表
    示装置。
  2. 【請求項2】 該第2の電源は、出力電圧を異にする少
    なくとも2種のトランジスタで構成されていることを特
    徴とする請求項記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 該第1の共通電源は、適宜の行電極選択
    手段を介して各行電極に接続されていることを特徴とす
    る請求項1記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 該第1の電源と該第2の電源は、それぞ
    れの行電極に於いてダイオードを介して互いに接続され
    ていることを特徴とする請求項記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 該第1の電源、該第2の電源及び該ダイ
    オードは、該プラズマディスプレイパネルを構成してい
    るガラス基板上に実装されているものであることを特徴
    とする請求項記載の表示装置。
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