JP3121436B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents

複写機用分離爪

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JP3121436B2 JP04138841A JP13884192A JP3121436B2 JP 3121436 B2 JP3121436 B2 JP 3121436B2 JP 04138841 A JP04138841 A JP 04138841A JP 13884192 A JP13884192 A JP 13884192A JP 3121436 B2 JP3121436 B2 JP 3121436B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複写機用分離爪に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】社会の情報化に伴って
急速な進歩発展をした乾式複写機は、原稿の文字、図形
等に対応して感光ドラムの表面に形成された静電荷潜像
をトナー像に変換した後、このトナー像を給紙カセット
から供給されてくる紙面に転写し、さらに転写されたト
ナー像を紙面に定着させるために、加熱された定着ロー
ラによって表面を加熱加圧し、トナー像と紙繊維とを融
着させて両者が容易に離れないようにする機構を有する
ものである。
【0003】しかし、このような装置の例えば最終の定
着工程において、定着ローラによって加熱加圧された紙
がローラ表面に密着したまま、回転し、紙詰りの原因と
なる危険が極めて多く、そのために定着ローラの表面に
先端を押し付けた分離爪を使ってローラに密着している
紙の縁を持ち上げて円滑に剥離させることが肝要であ
る。
【0004】従って、分離爪は先端部が変形しないよう
な耐熱性を必要とすることは当然であるが、それと同時
に先端の曲率半径(以下これを先端Rと略称する)を小
さく(例えば0.1mm以下、好ましくは0.05mm
以下)したり、分離爪に潤滑性を持たせたりして、定着
紙を定着ローラ側に送ってしまう分離不良(以下これを
分離方向不良と呼ぶ)または分離爪部での紙詰り(以下
これを単に紙詰りと呼ぶ)を防ぐことが大切である。
【0005】さらに、定着ローラの表面が170〜27
0℃の温度に上昇するため、紙に付着したトナーが分離
爪に融着し、この量が増加するとこの融着トナーによっ
て紙詰りが起きたり、紙に付着したトナーを掻き取るた
めに定着紙面のトナー定着部分に白い筋(以下これを爪
跡と呼ぶ)が入ることもしばしばあるので、これを避け
るために分離爪はトナーに対して非粘着性のものでなけ
ればならない。
【0006】このような分離爪の具備すべき条件を満た
すために、従来ポリイミド、ポリアミド、ポリアリーレ
ンサルファイド、芳香族ポリエーテルケトン、芳香族ポ
リサルホン、芳香族ポリエーテルイミド、芳香族ポリア
ミド、芳香族ポリエステル等の樹脂またはこれら樹脂に
四フッ化エチレン樹脂等フッ素樹脂もしくはグラファイ
トその他の固体潤滑剤を混入したもの、さらにはたとえ
ば実公昭54−18921号公報、特開昭57−111
569号公報に示されているように、上記のような樹脂
の表面にフッ素含有重合体を被膜して潤滑性および非粘
着性を向上させたものなどが実用化されてきた。
【0007】しかし、表面にフッ素含有重合体を被
た分離爪であっても、長期間の使用では被膜が表面から
離脱するため、期待する潤滑性も非粘着性も共に不充分
であり、長期の連続使用もしくはトナーの種類によって
は、紙詰まり、爪跡の問題が前の場合と同様に起こ
る。
【0008】一般に、分離爪先端の被覆膜の膜厚は潤滑
性、非粘着性の効力を発揮するためには平均30μm、
少なくとも10μm以上は必要であるから、被覆するこ
とによって折角小さい値に成形された分離爪の先端Rは
大きくなり、分離方向不良、紙詰りなどが起こりやすく
なる。分離爪の先端Rが、被覆膜の膜厚によって大きく
なることを避けるため、分離爪の成形時に先端Rを膜厚
分を勘案して小さくするという対策が採られることもあ
るが、このような処置では当然先端部が熱変形を受けや
すくなり、使用可能温度が低下する。また、合成樹脂製
の分離爪本体と、フッ素含有重合体とは通常強固に結合
しているわけではないので、被覆膜の界面剥離も起こり
やすい。フッ素含有重合体を被覆するには、通常極性溶
媒に分散させたフッ素含有重合体を、スプレーによって
20〜40μm程度に塗布する方法が使用されている
が、分離爪の周囲に飛沫が飛散して、製品歩留まりは低
下し、コストが非常に高くなるということもあって、多
くの問題がある。
【0009】なお、シリコーン油の薄膜を、たとえばデ
ィッピング法等によって分離爪の表面に形成させて、潤
滑性および非粘着性とを発現させようとする試みもある
が、短時間で表面から離脱するため、効果の長期維持は
不可能であった。
【0010】さらに、特開昭61−236577号公
報、特公平2−7067号に示されているように、上記
のような樹脂表面をフッ素含有樹脂でコーティングし、
しかる後に焼き付け被覆加工をして潤滑性および非粘着
性を向上させようとする試みもあるが、使用当初の短期
間は被覆として残っており、その間に摺動特性は維持で
きるのだが、長期間の使用では被膜が表面から離脱する
ため効果が全く無くなってしまうという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
問題点を解決し、複写機用分離爪を、熱変形分離方向不
良、紙詰り、爪跡の発生などといった使用に不都合な現
象を起こすことがなく、潤滑性および非粘着性を長期間
に亘って発揮する耐久性あるものとすることを課題とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、耐熱性合成樹脂を成形してな
る複写機用分離爪において、この分離爪にフッ素化ポリ
エーテル重合体を表面から0.3 μm以上含浸したのであ
る。
【0013】また、前記フッ素化ポリエーテル重合体が −Cx 2x−O− (式中、Xは1〜4の整数)を主要構造単位とする数平
均分子量1000〜5000の重合体であってよい。
【0014】さらにまた、前記フッ素化ポリエーテル重
合体が少なくとも一つの極性基で末端結合されている重
合体であってよい。
【0015】
【作用】この発明の複写機用分離爪は、自己潤滑性およ
び非粘着性に優れたフッ素化ポリエーテル重合体を、分
離爪の成形体である耐熱性合成樹脂の表面より内部の所
定の深さまで含浸したものであるから、分離爪先端R
必要以上に増大させることなく、所期した先端形状の
分離爪になり、また使用中にフッ素化ポリエーテル重合
が表面から離脱し難くなって、その潤滑性、非粘着性
が長期間に亘って発揮される。
【0016】
【実施例】まず、この発明における耐熱性樹脂は、15
0℃以上の雰囲気温度で、その機械的強度が定着紙分離
爪材として連続使用可能なもの、たとえば、芳香族ポリ
アミド樹脂(米国アモコ社製:TORLON)、ポリイ
ミド樹脂(米国デュポン社製:VESPEL−SP)、
ポリフェニレンサルファイド樹脂(米国フィリップス社
製:RYTON)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂
(米国アイ・シー・アイ社製:ビクトレックス−PEE
K)、ポリエーテルサルホン樹脂(英国アイ・シー・ア
イ社製:ビクトレックス−PES)、ポリエーテルイミ
ド樹脂(米国ゼネラル・エレクトリック社製:ULTE
M)、芳香族ポリエステル樹脂(米国カーボランダム社
製:EKONOL)、熱可塑性ポリイミド樹脂(三井東
圧化学社製:New−TPI)または液晶ポリマー(三
井東圧化学社製:ザイダー)などが挙げられる。
【0017】つぎに、この発明において使用するフッ素
化ポリエーテル重合体は、−Cx 2x−O−単位(ただ
しXは1〜4の整数)を主要構造単位とし、数平均分子
量約1000〜5000の重合体であって、たとえば
(Cx 4 O)m −(CF2 O)n で示される伊国モン
テヂソン社の登録商標Fomblin Z25として市
販されている数平均分子量約2000のフッ素化ポリエ
ーテル重合体などを例示することができる。また、この
発明に使用する少なくとも一つの極性末端基を有するフ
ッ素化ポリエーテル重合体としては、−Cx 2x−O−
単位(ただしXは1〜4の整数)を主要構造単位とし、
数平均分子量約1000〜5000の重合体であって、
例えば下記〔化1〕の式(I)〜(VI)で示すものが挙
げられる。
【0018】
【化1】
【0019】このうち、特に好ましくは、式(I)で示
される伊国モンテヂソン社製のFomblin Z−D
ISOC(平均分子量約2000)であり、以下、市販
例として式(II)で示される伊国モンテヂソン社製のF
omblin Z−DEAL(平均分子量約200
0)、式(III )で示される伊国モンテヂソン社製のF
omblin Z−DOL(平均分子量約2000)等
を例示することができる。
【0020】上記したフッ素化ポリエーテル重合体を分
離爪に含浸する方法としては、フッ素化ポリエーテル重
合体を高フッ化有機溶剤に溶解させて含浸する方法、溶
解させずにそのまま含浸する方法のどちらであってもよ
い。たとえば、高フッ化有機溶剤に溶解させる場合は、
フッ素化ポリエーテル重合体を0.1wt%以上の濃度
で溶解し分離爪を含浸させる。またその含浸時間は、前
記の濃度が0.1〜3wt%と薄い場合は5分間以上の
含浸時間が好ましく、15分間以上含浸させるのが特に
好ましい。しかし、3wt%より濃い場合や溶剤に溶解
させずにそのまま含浸する場合は、上記含浸時間以内に
限定されず減圧下で真空含浸させる方法をとってもよ
い。
【0021】含浸後の処理としては、そのまま何もしな
い。または余分なフッ素化ポリエーテル重合体を柔い布
などでふき取ってもよい。また、含浸速度を上げたり、
極性基をもつフッ素化ポリエーテル重合体の反応性を上
げるために、フッ素化ポリエーテル重合体を含浸した爪
を100〜250℃で0.5時間以上熱処理してもよ
く、溶媒に溶解させた場合は、熱処理の前に大気中ある
いは真空中で常温乾燥させてもよい。
【0022】〔実施例1〜8〕分離爪成形用耐熱性樹脂
として、下記組成のポリフェニレンサルファイド樹脂
(以下、PPSという)を用いた。
【0023】記 PPS(トープレン社製:PPST−4):50wt% ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製:ミルドファイバ
ー):15wt% チタン酸カリウム繊維(大塚化学社製:ティスモ):2
0wt% フェノール樹脂(鐘紡社製:ベルパール):15wt% 成形方法はヘンシェルミキサーで混合後、2軸溶融押出
機にて押出し、このストランドをカットしてペレットと
し、このペレットを射出成形し、分離爪形状成形品およ
び摩擦試験片を得た。
【0024】そして、フッ素化ポリエーテル重合体とし
て、次の伊国モンテヂソン社製Fomblin Z−D
ISOC、Fomblin Z25(数平均分子量は2
000)を選び、以下に示す手法により含浸を行なっ
た。
【0025】すなわち、実施例1においてはFombl
in Z−DISOCを0.5wt%溶解したフレオン
113溶液に、前記した試験片を5分間浸漬して取り出
した後、室温で1時間真空乾燥し、その後に、150℃
で1時間熱処理をした。実施例2においては、前記浸漬
する時間を、15分間に延長する以外は実施例1と全く
同じ操作を行ない、実施例3においては、同じく浸漬時
間を24時間として、実施例1と全く同じ操作を行なっ
た。
【0026】実施例4においては、Fomblin Z
−DISOC中に試験片を0.5Torr以下の真空状
態で1時間含浸した後、柔らかい布などで拭き、150
℃で1時間熱処理をした。
【0027】実施例5においては、Fomblin Z
−DISOC中に試験片を24時間浸け、取り出した後
150℃で1時間熱処理をした。
【0028】実施例6においては、Fomblin Z
−DISOCを0.5wt%溶解したフレオン113溶
液に試験片を24時間浸け、取り出した後150℃で1
時間熱処理をした。
【0029】実施例7においては、Fomblin Z
−DISOCのかわりにFomblin Z25を用い
て実施例4と同様の方法で試験片を得た。
【0030】実施例8においては、Fomblin Z
25を0.5wt%溶解したフレオン113溶液に試験
片を1時間浸け取り出した後、室温で1時間真空乾燥し
た。
【0031】試験片を上記の方法で処理後、潤滑性、非
粘着性および分離爪材としての機能性を評価した。な
お、各評価の方法はつぎのとおりである。
【0032】潤滑性:スラスト型摩擦試験機を使用し
て、荷重1kg/cm2 、速度1cm/秒の条件で軸受
鋼(SUJ2)を相手に試験した。
【0033】非粘着性:分離爪を試験片として、エルマ
光学社製ゴニオメーター式接触角試験機を用いて、水と
酢酸に対する接触角を求めた。
【0034】分離爪材としての機能性:シャープ社製乾
式複写機Z−60型を用い、同型の分離爪と同一形状の
試験片を定位置に取り付け、A4判の複写用紙10万枚
を連続通紙し、10万回の複写を繰り返し、5万回時と
10万回時終了後の定着ローラからの紙の分離不良(紙
詰り)の有無または分離不良発生時の複写枚数、爪跡に
よるトナー画像汚染発生の有無、分離爪へのトナー付着
量〔全く付着していないかまたは微量付着している(◎
印)、比較的少量付着している(○印)、少量付着して
いる(△印)、多量に付着している(×印)の4段階〕
で評価した。また、通紙試験後に分離爪に付着したトナ
ーをエチルアルコールで拭き取った後、水および酢酸に
対する接触角を測定した。
【0035】含浸深さ:SSI社製X線電子分光分析
(ESCA)S−probeを用い、上記で得た分離爪
形状の試験片先端部分を表面からフッ素ポリエーテル重
合体がどの深さまで含浸されているか調べた。分析面積
は2×3cm、X線源には単色化したAl−Ka線を用
いてX線電圧10kV、電流23mA、イオン銃による
アルゴン(Ar)イオンエッチングを行い、深さ方向を
分析した。エッチングの条件はAr圧力1.5×10-7
Torr、イオン銃電圧3kV、電流10mAとした。
【0036】得られた結果を表1にまとめた。なお、途
中で分離不良が発生した場合は、その不良発生時に試験
を中止し試験後の評価をした。
【0037】
【表1】
【0038】比較例1〜3:比較例1においてはFom
blin Z−DISOCを1.5wt%溶解したフレ
オン113溶液に試験片を10秒間浸け取り出した後1
50℃で1時間熱処理をした。
【0039】比較例2においては試験片の浸漬時間を3
0秒間とする以外は、比較例1と全く同様に処理した。
比較例3においてはフッ素化ポリエーテル重合体を含浸
しなかった。比較例1〜3も実施例と全く同様の方法で
測定を行いその結果を表1に併記した。
【0040】表1の結果から明らかなように、実施例1
〜8に示した分離爪は良好な潤滑性を有し、非粘着性に
おいてもフッ素樹脂単位に匹敵する接触角を示して非常
に優れたものであり、複写機の実用的機能も充分満足で
きる結果があった。また通紙試験後の接触角も試験前と
同様の大きい値を示し、比較例1〜3の接触角とは大き
な差があった。これらのことから、実施例1〜8の分離
爪に、試験後もなおフッ素化ポリエーテル重合体が含浸
していることが明らかであり、この発明のフッ素化ポリ
エーテル重合体含浸が良好な密着強度および耐摩耗性を
有していることがわかる。また5万回時、10万回時終
了後の接触角、分離不良、爪跡の有無、トナーの付着量
の違いから明らかなように、実施例1〜8は良好な耐久
性を示したが比較例1〜2は10万回時に特性が劣って
しまう。この結果は含浸深さのデータとも対応した。
【0041】〔実施例9〜16〕分離爪用耐熱性樹脂と
して、実施例9は芳香族ポリアミドイミド樹脂である米
国アモコ社製Torlon4203(3wt%二酸化チ
タン、0.5wt%四フッ化エチレン樹脂入り)、実施
例10は芳香族ポリアミド樹脂である米国アモコ社製T
orlon4301(12wt%グラファイト、3wt
%四フッ化エチレン樹脂)、実施例11はポリフェニレ
ンサルファイド樹脂である旭硝子社製RE101JA、
実施例12はポリフェニレンサルファイド樹脂である旭
硝子社製REG1530JA(15wt%四フッ化エチ
レン樹脂、30wt%ガラス繊維入り)実施例13は芳
香族ポリエーテルケトン樹脂である英国アイ・シー・ア
イ社製PEEK−150Pに大塚化学社製チタン酸カリ
ウムウィスカーであるティスモD101(30wt%)
を溶融ブレンドしたもの、実施例14は芳香族ポリイミ
ド樹脂である米国デュポン社製Vespel SP−1
を、実施例15は熱可塑性ポリイミド樹脂である三井東
圧化学社製のNew−TPIに大塚化学社製チタン酸カ
リウムウィスカーであるティスモD101(30wt
%)を溶融ブレンドしたものを、実施例16は液晶ポリ
マーである日本石油化学社製のザイダーに大塚化学社製
チタン酸カリウムウィスカーであるティスモD101
(30wt%)を溶融ブレンドしたものを用いた。
【0042】そして、成形方法は実施例9〜13および
15、16は実施例1と同様に射出成形し、実施例9お
よび10は成形品をさらに260℃、24時間熱処理
し、実施例14は丸棒から削り出して成形試験片を得
た。
【0043】これら成形品に実施例1と同様にフッ素化
ポリエーテル重合体に4分間含浸後室温、1時間真空乾
燥をしその後150℃1時間熱処理をし、前記した諸試
験を行った。その結果を表2にまとめた。
【0044】
【表2】
【0045】表2の結果から明らかなように、実施例9
〜16に示した分離爪も実施例1〜8に示した分離爪と
同様、潤滑性、非粘着性、実用的機能ともに非常に良好
な値を示した。さらに、通紙後の接触角の結果から、被
膜の密着強度、耐摩耗性とも満足すべき結果となった。
【0046】〔比較例4〜9〕分離爪用耐熱性樹脂とし
て、比較例4、5は実施例8と同じTorlon420
3を、比較例6は芳香族ポリアミドイミド樹脂である米
国アモコ社製Torlon4347(12wt%グラフ
ァイト、8wt%四フッ化エチレン樹脂)を、比較例7
は実施例11と同じRE101JAを、比較例8は実施
例12と同じREG1530JAを、比較例9は実施例
13と同じPEEK−150PとティスモD101Aを
重量比7:3の割合で溶融ブレンドしたものを用いた。
【0047】そしてこれらの樹脂は実施例1と同様に射
出成形し、比較例4、5および6については成形後26
0℃で24時間熱処理した。さらに比較例5および比較
例7はフッ素樹脂含有樹脂エナメルであるダイキン工業
社製ポリフロンタフコートエナメルTC7105GNお
よびTC7409BKを吸い上げ式スプレーガンで膜圧
30μm程度まで均一にコーティングし、これを100
℃で30分乾燥し、さらに比較例5即ちTC7105G
Nについては250℃で30分間、比較例7即ちTC7
409BKについては180℃で30分間熱処理した。
これらの試験片を用いて実施例1と同じ試験を行い、そ
の結果を表3に示した。
【0048】
【表3】
【0049】表3の結果より明らかなように、分離爪に
含浸を行っていない爪即ち比較例4、6、8および9は
潤滑性、非粘着性ともに悪く、また実機試験においても
良い結果が得られなかった。また、爪表面に被膜を形成
したものでも、比較例5および7のようにコーティング
によりフッ素含有樹脂エナメルを被覆したものは、潤滑
性がたりないために爪跡がはいったり、トナー付着量が
増加していた。
【0050】
【効果】この発明は、以上説明したように、耐熱性合成
樹脂製の複写機用分離爪の表面より内部にフッ素化ポリ
エーテル重合体を含浸保持したものとしたから、このよ
うな分離爪が、その使用中に熱変形、分離方向不良、爪
跡の発生などといった不都合な現象を起こすことなく、
潤滑性および非粘着性を極めて長期間発揮して耐久性あ
るものとなるという利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 106 G03G 15/14 101 B65H 3/59 310 B65H 29/54 G03G 15/00 510

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性合成樹脂を成形してなる複写機用
    分離爪において、この分離爪にフッ素化ポリエーテル重
    合体を表面から0.3 μm以上含浸したことを特徴とする
    複写機用分離爪。
  2. 【請求項2】 前記フッ素化ポリエーテル重合体が −Cx 2x−O− (式中、Xは1〜4の整数)を主要構造単位とする数平
    均分子量1000〜5000の重合体である請求項1記
    載の複写機用分離爪。
  3. 【請求項3】 前記フッ素化ポリエーテル重合体が少な
    くとも一つの極性基で末端結合されている重合体である
    請求項1記載の複写機用分離爪。
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