JP3121303B2 - 電磁弁駆動装置 - Google Patents

電磁弁駆動装置

Info

Publication number
JP3121303B2
JP3121303B2 JP09322009A JP32200997A JP3121303B2 JP 3121303 B2 JP3121303 B2 JP 3121303B2 JP 09322009 A JP09322009 A JP 09322009A JP 32200997 A JP32200997 A JP 32200997A JP 3121303 B2 JP3121303 B2 JP 3121303B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
solenoid valve
coil
capacitor
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09322009A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11141721A (ja
Inventor
弘三 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Bosch Corp
Bosch Automotive Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bosch Corp, Bosch Automotive Systems Corp filed Critical Bosch Corp
Priority to JP09322009A priority Critical patent/JP3121303B2/ja
Publication of JPH11141721A publication Critical patent/JPH11141721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3121303B2 publication Critical patent/JP3121303B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁の駆動初期
段階において電磁弁コイルに昇圧回路からの高電圧をハ
イサイドスイッチを介して印加し、これにより電磁弁コ
イルに大電流を通電して電磁弁を高速で作動させるよう
にした電磁弁駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両用燃料噴射システムにおい
て燃料噴射制御弁として用いられる電磁弁の動作を制御
する場合、電磁弁を高速に作動させることができ、電磁
弁のソレノイドコイルの焼付きを防止することができる
ようにした電磁弁駆動装置として、特開平6−2658
9号公報に開示されている構成が公知である。ここに開
示されている電磁弁駆動装置は、昇圧チョッパ回路によ
りバッテリ電圧よりも高い電圧を発生させてコンデンサ
に蓄えておき、コンデンサに蓄積された高電圧を電磁弁
の駆動初期に電磁弁のソレノイドコイルに印加し、電磁
弁を高速で作動させる構成となっている。高速で作動さ
せた後の電磁弁動作保持電流はバッテリより電流制限抵
抗器を介してソレノイドコイルに流される。
【0003】ところで、この種の電磁弁を上述の如く駆
動制御する場合、電磁弁への通電制御はハイサイドスイ
ッチにより行うことが望ましい。これは、自動車等のボ
ディーがバッテリの−端子に接続されているので、電磁
弁を内燃機関車両の燃料噴射制御システムに用いた場合
に、電磁弁駆動用の配線がボディーとショートした場合
であっても、電磁弁をハイサイドスイッチで駆動制御す
る構成としておけば電磁弁はオンとはならず、安全であ
るとの理由による。
【0004】電磁弁をハイサイドスイッチで駆動制御す
る構成を採用する場合、制御回路の構成が簡素化される
等の理由からそのハイサイドに設けられるスイッチ素子
をPNPトランジスタやPチャンネル電界効果トランジ
スタ(FET)とすることが考えられる。しかし、これ
らはNPNトランジスタやNチャンネルFETに比べて
耐圧が低く、若し高耐圧のものを使用しようとするとコ
ストが高くなってしまうといった問題点を有しているた
め、特開平6−26589号公報に記載されている電磁
弁駆動装置に見られるように、ハイサイドスイッチとし
てNPNトランジスタを用いた回路が広く採用されてい
る。この従来の回路は、公報の図3の(b)に示されて
いるように、電磁弁への駆動電流を制御するNPNトラ
ンジスタをPNPトランジスタによって駆動するように
構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の回路構
成によると、NPNトランジスタのコレクタ−エミッタ
間電圧VCEは、PNPトランジスタのコレクタ−エミッ
タ間電圧VCEとNPNトランジスタのベース−エミッタ
間電圧VBEとの和であるから約2.3Vとなる。ここ
で、電磁弁の電流を例えば2Aとすると、NPNトラン
ジスタでの消費電力は4.6Wとなり、この値が無駄に
消費されてしまうのでバッテリにとって好ましくないば
かりか、無駄な発熱という点でも好ましいものではな
い。
【0006】また、電磁弁の最低作動電圧も2.3V上
昇してしまうので、バッテリ電圧の有効利用という点か
らも好ましくない。つまり、電磁弁への印加電圧はバッ
テリ電圧よりも2.3V程度低くなってしまうので、バ
ッテリ電圧が何らかの理由で低下したときに、昇圧回路
の動作が不十分となり、電磁弁が作動しなくなるおそれ
があるためである。
【0007】このように、ハイサイドスイッチとして働
くNPNトランジスタ又はNチャンネルFETをPNP
トランジスタによって駆動させるようにした従来の回路
構成によると、消費電力の無駄を招いてしまうばかり
か、発熱という点で好ましいものではなく、しかも電磁
弁の最低作動電圧が上昇してしまうことにより、バッテ
リ電圧が低下したときに、電磁弁が作動しなくなる虞れ
があるといった種々の問題点を生じる。
【0008】本発明の目的は、昇圧回路からの高電圧を
電磁弁へ印加するのを制御する場合に、電磁弁のハイサ
イドに設けられたNPNトランジスタ又はNチャンネル
FETを用いてハイサイドスイッチを構成した場合にお
ける上述の問題点を解決することができるようにした、
電磁弁駆動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の特徴は、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路
と、NチャンネルFET又はNPNトランジスタがスイ
ッチング素子として用いられており該昇圧回路からの高
電圧を電磁弁のコイルのハイサイドに印加するのをオ
ン、オフ制御するためのハイサイドスイッチ部とを有
し、前記電磁弁の駆動初期段階において該ハイサイドス
イッチ部を介して前記高電圧を前記電磁弁のコイルに印
加し前記電磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆
動装置において、前記ハイサイドスイッチ部を駆動する
ための駆動回路を有し、該駆動回路には前記スイッチン
グ素子を駆動するために用いられる電圧を供給するため
のコンデンサが設けられており、該コンデンサが前記バ
ッテリ電圧と前記コイルのローサイド端に生じる逆起電
圧とのうち高い方の電圧によって充電されるようになっ
ている点にある。
【0010】この構成によると、コンデンサがバッテリ
電圧によって充電された場合、この充電された電圧がス
イッチング素子のオン、オフ駆動のために用いられる。
コンデンサは、また、電磁弁への電流遮断時にそのコイ
ルのローサイド端に生じるバッテリ電圧よりは充分に高
い逆起電圧によっても充電されるようになっている。し
たがって、バッテリ電圧が何らかの理由で低下してコン
デンサに充分なレベルの電圧を充電することができず、
そのままではハイサイドスイッチ部を駆動できないよう
な状況が生じても、コンデンサが別途、上記逆起電圧に
よって充電され、ハイサイドスイッチ部を確実にオン、
オフ駆動することができる。
【0011】なお、コンデンサの充電は、バッテリ電圧
及び逆起電圧のほか、昇圧回路に生じる高電圧を利用す
る構成とすることもできる。この場合、コンデンサの端
子電圧が過度に上昇するのを防止するため、その充電路
に適宜の値の抵抗器を挿入する構成としてもよいし、コ
ンデンサと並列に定電圧ダイオードを接続する構成とし
てもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面を参照して説明する。図1は、本発明の電磁弁駆
動装置の一実施の形態を示すブロック図である。図1に
示されている電磁弁駆動装置1は図示しない車両用燃料
噴射システムの燃料噴射制御用の電磁弁を駆動するため
のものであり、電源部10、ハイサイド通電制御部2
0、ローサイド通電制御部30、駆動電流検出部40、
タイミング制御部50を備えている。
【0013】電源部10は、端子10Aに接続される例
えば12Vのバッテリ12のバッテリ電圧VBを例えば
160Vまで昇圧して高圧出力HVを出力する昇圧回路
11を備えている。
【0014】昇圧回路11は、図2に示されるように、
昇圧用スイッチングFET素子11Aのオン/オフ動作
に伴い昇圧用コイル11Bにバッテリ12から蓄積され
る高電圧エネルギーを、ダイオード11Cを通して昇圧
用コンデンサ11Dに蓄積する公知の構成とされてい
る。
【0015】図1に戻ると、ハイサイド通電制御部20
には、ハイサイド駆動回路21、ハイサイド駆動回路2
1に応答して高圧出力HVを電磁弁のコイル2に与える
のをオン、オフするためのハイサイドスイッチ部22、
ホールドドライブ駆動回路23、ホールドドライブ駆動
回路23に応答してバッテリ電圧VBをコイル2に与え
るのをオン、オフするためのホールドドライブスイッチ
部24が設けられている。
【0016】ハイサイド駆動回路21は、タイミング制
御部50のハイサイドタイミング発生部51からのタイ
ミング信号PEAKに応答して、NチャンネルFETで
構成されるハイサイドスイッチ部22のオン、オフ動作
を制御するものである。ここで、ハイサイドスイッチ部
22は高耐圧特性に優れたNチャンネルFETで構成さ
れており、ハイサイドスイッチ部22を構成するNチャ
ンネルFETのオン、オフを駆動するために、ハイサイ
ド駆動回路21が設けられている。ハイサイド駆動回路
21は、後で図3を参照して詳細に説明されるように、
NチャンネルFETをオン、オフ駆動するために用いら
れる電圧を供給するためのコンデンサを具備しており、
このコンデンサが、バッテリ電圧VBとコイル2のロー
サイド端に生じる逆起電圧との少なくとも一方により充
電され、これによりハイサイドスイッチ部22の駆動を
確実に行うことができる構成となっている。
【0017】ホールドドライブ駆動回路23は、コイル
2の高速駆動のためにハイサイドスイッチ部22により
高圧出力HVをコイル2に印加してコイル2に大電流を
所定期間流すのが終了した後、コイル2にこの大電流よ
りも小さい所要の電流を電磁弁の動作保持のために供給
する目的で、ハイサイドスイッチ部22がオフとされた
後、電磁弁の保持駆動が必要な所要の期間だけホールド
ドライブスイッチ部24をオン状態とし、バッテリ電圧
VBをコイル2に印加させるための回路である。ホール
ドドライブ駆動回路23はタイミング制御部50のホー
ルドドライブタイミング発生部52から後述の如くして
出力されるタイミング信号HOLDに応答してホールド
ドライブスイッチ部24を構成するスイッチング素子で
あるPチャンネルFET24Aをオン、オフ制御する。
【0018】このPチャンネルFET24Aのドレイン
とアースとの間には、ダイオード3、4が図示の如く接
続されている。ダイオード4はフライホイールダイオー
ドであり、PチャンネルFET24Aが後述するように
してオフとなった場合、そのときコイル2に生じた逆起
電圧によりその直後にコイル2にフライホイール電流を
供給することができる公知の回路構成である。
【0019】ここで、ホールドドライブスイッチ部24
には、バッテリ電圧VBが低い場合でも確実に作動させ
るためにPチャンネル型のFETが用いられているが、
Nチャンネル型のFET素子を用いることもできる。
【0020】ローサイド通電制御部30には、ローサイ
ド駆動回路31、ローサイドスイッチ部32、及び逆起
電圧検出部33が設けられている。ローサイド駆動回路
31は、タイミング制御部50のローサイドタイミング
発生部53からのタイミング信号LOWのレベルが高レ
ベル状態になったことに応答して、ローサイドスイッチ
部32を構成するスイッチング素子であるNチャンネル
FET(図示せず)がオン状態となる。駆動電流検出部
40はコイル2を流れる電磁弁駆動電流IVのレベルを
検出するために設けられている。
【0021】コイル2に流れている電流が急激に遮断さ
れた場合にコイル2に生じる逆起電圧は逆起電圧検出部
33において検出され、逆起電圧の値が所定値(例えば
60V)以上となった場合にローサイドスイッチ部32
をオン状態とし、これにより逆起電圧の値が所定値以上
に上昇するのを防止している。
【0022】タイミング制御部50は、ハイサイドタイ
ミング発生部51、ホールドドライブタイミング発生部
52、ローサイドタイミング発生部53から成ってい
る。各タイミング発生部51、52、53は、電磁弁の
開弁期間を示すために外部から入力される電磁弁駆動信
号DRVに基づき、ハイサイド駆動回路21、ホールド
ドライブ駆動回路23、ローサイド駆動回路31に対し
タイミング信号PEAK、タイミング信号HOLD、及
びタイミング信号LOWを出力する。
【0023】ここで、タイミング信号PEAKは、コイ
ル2に高速駆動用の大きな電流を流すためのピーク期間
(図4参照)を規定するための信号である。タイミング
信号HOLDは、コイル2に上述のように大きな電流を
流して電磁弁を迅速に開弁完了させた後、電磁弁のこの
作動状態を保持するに足る比較的小さい電流をコイル2
に供給するのを制御するための信号である。タイミング
信号LOWは、コイル2に対する駆動電流の供給を停止
させるための制御を行うための信号である。なお、電磁
弁駆動信号DRVに応答して各タイミング信号PEA
K、HOLD及びLOWを発生させるための回路構成そ
れ自体は公知であるから、ここでは、タイミング制御部
50の回路構成についてのこれ以上詳しい説明を行うこ
とを省略する。
【0024】次に、ハイサイド駆動回路21及びハイサ
イドスイッチ部22のより具体的な構成について図3を
参照して説明する。
【0025】ハイサイド駆動回路21は、既に説明した
ように、スイッチング素子として働くNチャンネルFE
T22Aから構成され、そのドレインには高圧出力HV
が供給され、そのソースはコイル2のハイサイド端に接
続されている。そして、NチャンネルFET22Aのゲ
ートにハイサイド駆動回路21が設けられている。
【0026】ハイサイド駆動回路21は、タイミング信
号PEAKに応答してNチャンネルFET22Aをオ
ン、オフ制御するための回路であり、NチャンネルFE
T22Aの駆動のための電圧を蓄積しておくためのコン
デンサ211を有している。コンデンサ211の一端は
共通線212を介してコイル2のハイサイド端に接続さ
れ、コンデンサ211の他端は抵抗器213を介してダ
イオード214、215の各カソードに共通に接続され
ている。ダイオード214のアノードは端子21Aを介
してバッテリ電圧VBが供給されている端子10Aに接
続され、ダイオード215のアノードは端子21Bを介
してコイル2のローサイド端子に接続されている(図1
参照)。コンデンサ211と並列に接続されている定電
圧ダイオード216は、コンデンサ211の両端に過大
な充電電圧が印加されるのを防止するためのものであ
り、例えば180V程度のツェナー電圧のものが使用さ
れる。
【0027】217はPNP型トランジスタ、218〜
220は抵抗器であり、これらは図3に示されているよ
うに接続されている。PNP型トランジスタ217のベ
ースには抵抗器219を介してタイミング信号PEAK
が印加される構成となっている。
【0028】ハイサイド駆動回路21は上述の如く構成
されているので、端子21Aに印加されているバッテリ
電圧VBによりダイオード214及び抵抗器213を介
してコンデンサ211が充電される。これの経路によ
り、コンデンサ211に充電される電圧のレベルはバッ
テリ電圧VBまでである。
【0029】さらに、端子21Bには、コイル2に生じ
る逆起電圧(約60V程度)がそのローサイドから取り
込まれ、ダイオード215、抵抗器213を介してコン
デンサ211がこの逆起電圧によっても充電される。こ
のため、例えばバッテリ電圧VBが低下(最低6V程度
まで低下することがある)し、コンデンサ211のその
ときの充電電圧のレベルがNチャンネルFET22Aを
オンさせるに足りない場合であっても、バッテリ電圧V
Bよりは充分に高い逆起電圧による充電によってコンデ
ンサ211をNチャンネルFET22Aをオンさせるの
に充分なレベルにまで充電することが可能となる。この
結果、バッテリ電圧が低下してしまった場合であっても
NチャンネルFET22Aを確実に動作させることがで
きるようになっている。
【0030】定電圧ダイオード216は、ハイサイドス
イッチ部22のNチャンネルFET22Aのゲート−ソ
ース間電圧がその絶対最大定格を超えないようにコンデ
ンサ211の充電電圧を制限する。
【0031】そして、タイミング制御部50のハイサイ
ドタイミング発生部51から、タイミング信号PEAK
が抵抗器219を介してトランジスタ217のベースに
印加されると、トランジスタ217がオンされ、Nチャ
ンネルFET22Aのゲートにコンデンサ211の充電
電圧が印加されることで、NチャンネルFET22Aが
バッテリ電圧VBのいかんに拘らず、確実にオンするよ
うになっている。
【0032】ハイサイド駆動回路21を上述の如く構成
してNチャンネルFETをオン、オフ制御する回路構成
によれば、NチャンネルFET22Aのゲート−ソース
間の電圧Vgsを5V程度とすると、そのオン抵抗はNチ
ャンネルFET22Aの動作特性上、0.1Ωとなり損
失は低下する。このとき、5V程度の電位差をもってN
チャンネルFET22Aを駆動したとき、オン抵抗が
0.1Ω程度であることから、2Aの通電電流でも損失
は0.4W程度である。また、NPN型のスイッチング
トランジスタの場合、ベース−エミッタ間の電圧Vbeを
2V程度とすることで、コレクタ−エミッタ間の電圧V
ceが0.3V程度となり損失は低下する。
【0033】したがって、図1に示した構成によれば、
NチャンネルFET又はNPN型トランジスタをハイサ
イドスイッチ部22に用いるので、いずれにしても電力
損失が少なくて通電電流による発熱の点で有利となるほ
か、バッテリ電圧VB及び又はコイル2に生じる逆起電
圧によりコンデンサを充電してこの充電電圧を用いてハ
イサイドスイッチ部22を駆動するので、Nチャンネル
FET又はNPN型トランジスタをバッテリ電圧VBの
低下に拘らず確実にオン、オフ制御することができる。
【0034】次に、以上のように構成された電磁弁駆動
装置1の動作について説明する。まず、図4に示すよう
に、t=tlのタイミングで電磁弁駆動信号DRVが立
ち下がると同図(A)、図1のハイサイドタイミン
グ発生部51及びローサイドタイミング発生部53か
ら、ハイサイド駆動回路21、ローサイド駆動回路31
に対して、与えられるタイミング信号PEAK及びタイ
ミング信号LOWの各レベルが立ち上がる(同図(B)
〜(D))。
【0035】すなわち、電磁弁駆動信号DRVのレベル
の立ち下がり(電磁弁オン)に同期してタイミング信号
PEAK及びタイミング信号LOWの各レベルが立ち上
がる。この結果、t=t1において、タイミング信号P
EAKに応答して、ハイサイド駆動回路21がハイサイ
ドスイッチ部22をオン状態にすると共に、タイミング
信号LOWに応答してローサイド駆動回路31がローサ
イドスイッチ部32をオン状態にする。昇圧回路11か
らの高圧出力HVによるコイル2の両端の印加電圧VA
は、図4の(F)に示されるように、急激に大きくなっ
た後、タイミング信号PEAKがオフされるまで徐々に
下がる電圧波形となる。これは、t=t1において昇圧
回路11からの電圧が(この例では、約160V程度)
がコイル2に印加されることにより、コイル2に大きな
電流が流れ、昇圧回路11から電気エネルギーが放出さ
れるので、昇圧回路11からの高圧出力HVのレベルが
時間の経過と共に低下するからである。コイル2を流れ
る電磁弁駆動電流IVは、同図の(E)に示されるよう
に、一旦増大した後、t=t2のタイミング信号PEA
Kの立ち下がりに合わせてタイミング信号LOWも立ち
下がることで、急激に低下し、第2しきい値Lbよりも
小さくなる電流波形となる。
【0036】このとき、タイミング信号LOWの立ち下
がりに伴い電磁弁に生じる渦電流のために、電磁弁駆動
電流IVは、点線aで示されるように、第2しきい値L
bを下回った後に上昇しようとする。しかし、コイル2
に生じる逆起電力の大きさは逆起電圧検出部33におい
て検出されており、電磁弁コイル2に生じる逆起電力の
大きさが所定の値を超えた場合にローサイドスイッチ部
32がオフとなり、コイル2に流れる電磁弁駆動電流I
Vを遮断する構成となっている。t2直後にあっては第
2しきい値Lbを境として図1のローサイドスイッチ部
32がオン、オフ動作を繰返すことで、コイル2の逆起
電力による電磁弁駆動電流IVの上昇が抑制され、コイ
ル2の駆動電流が略一定の値に保たれる。この一定の値
は、t1〜t2において電磁弁を迅速に作動させるため
に与えられるコイル2への高電流よりも小さな値であ
る。図4の(D)にタイミング信号LOWの波形を示
す。
【0037】またこのとき、コイル2に生じる逆起電圧
VR(図4の(G))は、図1のハイサイド駆動回路2
1に与えられており、図3に示したコンデンサ211に
充電される。これにより、何らかの理由によりバッテリ
電圧VBが低下し、バッテリ電圧VBによるコンデンサ
211の充電電圧が低く、トランジスタ217での電圧
降下のためにハイサイドスイッチ部22のNチャンネル
FET22Aをオンさせるに足りない場合であっても、
コイル2に生じる逆起電力による充電により、コンデン
サ211の充電電圧をハイサイド駆動回路21及びハイ
サイドスイッチ部22を駆動するのに十分な程度にまで
高められることから、NチャンネルFET22Aを正常
に動作させることができることは既述の通りである。
【0038】次に、図5を参照し、コンデンサ211へ
の充電動作について詳細に説明する。タイミングT1に
おいてコンデンサ211がバッテリ電圧VB(この例で
は12V)にまで充電されており、ここでタイミング信
号PEAKの入力によりトランジスタ217がオンし、
ハイサイドスイッチ部22をオン状態とすると、図4の
(C)にしめされるように電磁弁駆動電流IVのレベル
は急激に上昇する。
【0039】ハイサイドスイッチ部22のオン動作のた
めにコンデンサ211に蓄積された電荷が放電するた
め、図4の(A)に示されるように、コンデンサ211
の充電電圧レベルは徐々に低下する。しかし、タイミン
グT2において電磁弁のコイル2の大電流駆動が終了す
ると、コイル2のローサイド端には逆起電圧VR1が生
じ、これによりコンデンサ211が充電される。この結
果、コンデンサ211の充電電圧レベルは12Vより大
きな値にまで戻る。さらに、タイミングT3において電
磁弁の駆動が終了することにより生じる別の逆起電圧V
R2によってコンデンサ211が再び充電され、コンデ
ンサ211の充電電圧は更に上昇する。
【0040】以上の説明から判るように、コンデンサ2
11はバッテリ電圧VBのみならず、コイル2の駆動に
よって生じる逆起電圧をも利用して充電されるので、バ
ッテリ電圧VBの低下によってハイサイドスイッチ部2
2のオン、オフ制御が不可能となることがなく、ハイサ
イドスイッチ部22を確実に駆動することができるよう
になる。
【0041】また、逆起電圧による充電は、電磁弁に与
えたエネルギーを回生することであるから、本来ならば
フライホイール素子の熱として消費しなければならなか
ったエネルギーを有効に利用することとなり、熱負荷が
軽減されるという利点も有している。
【0042】さらに、NチャンネルFETやNPNトラ
ンジスタをハイサイドスイッチ部22の素子として使用
するから、P型の素子の使用に比べて電力損失が少な
く、発熱も少ない。また、ハイサイドスイッチ部22に
おける電圧降下が小さくでき、電磁弁の最低動作電圧を
低くすることが可能である。
【0043】図4に戻ると、時間の経過により、コイル
2に生じた逆起電力が減少し、図4の(E)に示すよう
に電磁弁駆動電流IVが第1しきい値Laを下回ると、
タイミング信号HOLDのオン/オフによって電磁弁駆
動電流IVが略第1しきい値Laのレベルに維持され
る。これは、駆動電流検出部40において検出されたそ
の時の電磁弁駆動電流IVの値がホールドドライブタイ
ミング発生部52に入力されており、電磁弁駆動電流I
Vが第1しきい値Laよりも小さくなった場合にタイミ
ング信号HOLDのレベルを「H」とすることにより実
現される。
【0044】このようにして、電磁弁の駆動期間が終了
するt=t5のタイミングになると、電磁弁駆動信号D
RVのレベルが立ち上がり(電磁弁オフ)、タイミング
信号LOWのレベルが立ち下がる。この結果、コイル2
への電流供給が遮断され、電磁弁駆動電流IVは急速に
減少し、零となる。なお、この場合、図4の(G)に示
されるように、電磁弁駆動終了時であるt=t5におい
て、コイル2に逆起電力が生じることになるが、ハイサ
イドスイッチ部22及びローサイドスイッチ部32は両
方共オフとなっており、この逆起電力によりハイサイド
駆動回路21のコンデンサ211が充電される。
【0045】この実施の形態では、N型のスイッチング
素子として電界効果トランジスタ(FET)を用いた場
合について説明したが、この例に限らずNPNトランジ
スタ等の他のN型の半導体スイッチング素子を用いるこ
ともできる。
【0046】さらに、この実施の形態では、コイル2の
逆起電圧をハイサイド駆動回路21のコンデンサ211
の充電用電圧として用いた場合について説明したが、昇
圧回路11の高圧出力等をコンデンサ211の充電電圧
として用いるようにしてもよい。この場合には抵抗器を
介してコンデンサ211の充電を行うようにしてコンデ
ンサ211の充電電圧が過度に上昇するのを抑えるよう
にすることが望ましい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、スイッチング素子とし
てNチャンネルFET又はNPNトランジスタを用いて
電磁弁のコイルのハイサイドでコイルに印加する高電圧
のオン、オフを制御する構成において、ハイサイドスイ
ッチング素子のオン、オフ駆動のための電圧として、バ
ッテリ電圧又はコイルの逆起電圧を用いてコンデンサに
蓄積された電圧を用いる構成としたので、例えばバッテ
リ電圧が低下した場合であっても、ハイサイドのスイッ
チング素子の動作が確実に行われ、電磁弁を確実に作動
させることができる。
【0048】また、電磁弁に与えたエネルギーの一部を
コンデンサに充電することによりエネルギーの回生が行
われるので、従来全て熱エネルギーとして放出していた
エネルギーの有効利用が図られ、熱負荷の軽減に役立
つ。
【0049】このように、NチャンネルFET又はNP
Nトランジスタを用いてハイサイドスイッチング動作が
良好に行われるため、ハイサイドスイッチング素子での
損失が小さく、発熱の問題も解決することができる。
【0050】そして、NチャンネルFETを使用するこ
とにより、ハイサイドスイッチングでの電圧降下が小さ
くでき、電磁弁の最低作動電圧を低くすることができる
という利点を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁弁駆動装置の一実施の形態を示す
ブロック図。
【図2】図1の昇圧回路の詳細を示す回路図。
【図3】図1のハイサイド駆動回路及びハイサイドスイ
ッチ部の詳細を示す回路図。
【図4】図1の電磁弁駆動装置の動作を説明するための
波形図。
【図5】図1のハイサイド駆動回路の動作を説明するた
めの波形図。
【符号の説明】
1 電磁弁駆動装置 2 コイル 10 電源部 11 昇圧回路 12 バッテリ 20 ハイサイド通電制御部 21 ハイサイド駆動回路 22 ハイサイドスイッチ部 22A NチャンネルFET 50 タイミング制御部 211 コンデンサ 213 抵抗器 214、215 ダイオード 217 PNP型トランジスタ DRV 電磁弁駆動信号 HV 高圧出力 IV 電磁弁駆動電流 PEAK タイミング信号 VB バッテリ電圧 VR、VR1、VR2 逆起電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 31/06 310 F02D 41/20 310

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路と、N
    チャンネルFET又はNPNトランジスタがスイッチン
    グ素子として用いられており該昇圧回路からの高電圧を
    電磁弁のコイルのハイサイドに印加するのをオン、オフ
    制御するためのハイサイドスイッチ部とを有し、前記電
    磁弁の駆動初期段階において該ハイサイドスイッチ部を
    介して前記高電圧を前記電磁弁のコイルに印加し前記電
    磁弁を高速で作動させるようにした電磁弁駆動装置にお
    いて、 前記ハイサイドスイッチ部を駆動するための駆動回路を
    有し、 該駆動回路には前記スイッチング素子を駆動するために
    用いられる電圧を供給するためのコンデンサが設けられ
    ており、該コンデンサが前記バッテリ電圧と前記コイル
    のローサイド端に生じる逆起電圧とのうち高い方の電圧
    よって充電されるようになっていることを特徴とする
    電磁弁駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記スイッチング素子がNチャンネルF
    ETである請求項1記載の電磁弁駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記コンデンサが前記昇圧回路において
    生成される高電圧によっても充電される請求項1記載の
    電磁弁駆動装置。
JP09322009A 1997-11-10 1997-11-10 電磁弁駆動装置 Expired - Fee Related JP3121303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09322009A JP3121303B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 電磁弁駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09322009A JP3121303B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 電磁弁駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11141721A JPH11141721A (ja) 1999-05-28
JP3121303B2 true JP3121303B2 (ja) 2000-12-25

Family

ID=18138909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09322009A Expired - Fee Related JP3121303B2 (ja) 1997-11-10 1997-11-10 電磁弁駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3121303B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387486B1 (ko) * 2000-12-28 2003-06-18 현대자동차주식회사 쇼트 방지 회로
US6826455B1 (en) 2003-05-09 2004-11-30 Masco Corporation Booster-powered valve system
JP2020143871A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 空気調和機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11141721A (ja) 1999-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5938172A (en) Solenoid valve drive system
US7508255B2 (en) Power supply controller
US5975057A (en) Fuel injector control circuit and system with boost and battery switching, and method therefor
US8203857B2 (en) Booster device
JPS6056948B2 (ja) 電磁弁駆動装置
US10879894B2 (en) Driver circuit, corresponding device and method
US20210288643A1 (en) Apparatus for Driving a Switching Device and Method of Using the Same
US6862165B2 (en) Method and apparatus for valve control
JP5926159B2 (ja) 電磁弁駆動装置
US10569777B2 (en) Stabilizing power supply voltage to a load during auto start
JP3121303B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JP2001069667A (ja) 車両用ランプ点灯駆動装置
JP2019190307A (ja) 噴射制御装置
JP2019190453A (ja) 噴射制御装置
CN112840116B (zh) 电子控制装置
US6122158A (en) Wide voltage range driver circuit for a fuel injector
JPH1032940A (ja) 車両用交流発電機の制御装置
JP3121269B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JP3801336B2 (ja) 負荷駆動装置
JP2020188374A (ja) 電磁弁駆動装置
JP7489884B2 (ja) 電磁弁駆動装置
JP2020096125A (ja) ソレノイド駆動装置
CN112421594B (zh) 输入防护电路和车载发电机
JPH0833314A (ja) 負荷駆動装置
JPH089393Y2 (ja) 内燃機関用燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees