JP3121067B2 - エレベータシステムの制御信号の自動チェック及び調整方法 - Google Patents

エレベータシステムの制御信号の自動チェック及び調整方法

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JP3121067B2 JP03278737A JP27873791A JP3121067B2 JP 3121067 B2 JP3121067 B2 JP 3121067B2 JP 03278737 A JP03278737 A JP 03278737A JP 27873791 A JP27873791 A JP 27873791A JP 3121067 B2 JP3121067 B2 JP 3121067B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エレベータに関する
もので、特にエレベータの電子制御方法及び電子制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレベータを新規に設置した場合、その
設置過程においてエレベータの運転を最適化するため
に、エレベータの駆動制御装置の調整が必要となる。こ
の場合、エレベータの設計上のパラメータは既知であ
り、近代的なエレベータの制御システムを設置する場合
には建設技術者、調整技術者、メカニック技術者等に
は、どのようにして、またどのパラメータを調整すべき
かが簡単な作業指示書によって指示をすることが出来る
ようになっている。しかしながら、こうした設定作業に
より適切な設定を行う為には、オシロスコープ、ストリ
ップチャートレコーダ、スペクトラムアナライザ、プロ
トコルアナライザ等の高価な装置が必要となる。
【0003】エレベータシステムは複雑化してきてお
り、生産ラインの分化も一層進んでいる。また、設置に
使用するツールの種類も拡大し、設定する指示内容も膨
大なものとなっており、制御装置の設定にはシステムの
挙動に対する特殊な知識が必要となり、適切な知識を持
った適切な技術者を、必要に応じて設置現場に適正に派
遣することが困難となる場合がある。
【0004】こうした問題を解決する為に、ポータブル
のパーソナルコンピュータに設定手順等の必要な情報を
含むデータベースを格納し、調整技術者がこのコンピュ
ータに表示されるメニューを選択することにより、コン
ピュータが自動的に測定及び設定作業を行うようにする
試みがなされている。こうした試みの一つが、1990
年5月2日に公開されたヨーロッパ特許出願公開0 3
66 097に提案されている。この刊行物に記載され
た発明は、パーソナルコンピュータを一時的にマイクロ
コンピュータによって制御されるエレベータシステムに
接続して、設置作業や測定を行うように構成して、オシ
ロスコープ、ストリップチャートレコーダ、スペクトラ
ムアナライザといった機器の使用を不要とするものであ
る。また、この公報の開示によれば、コンピュータのプ
ログラムは交換可能であり、一台のパーソナルコンピュ
ータによって全てのエレベータシステムの設定、測定が
可能となる。また、開示された発明によれば、機械室に
入ること無く、電話回線を使用して遠隔監視が可能とな
り、また、未熟な技術者にも容易に取り扱うことが可能
となる。多数のエレベータのグループまたは相互に類似
したエレベータにおいては、調整パラメータを一つのエ
レベータから他のエレベータに転送できるので、設定作
業は容易となる。システムはコンピュータで構成され、
このコンピュータには、エレベータの各物理的な装置に
対応して、機能的に実際の装置の動作に対応するシンボ
ル化された例えばアイコンの形式で全ての必要な機能が
備えられているので、別個の測定装置は不要となる。こ
うした機能を行う為には、汎用コンピュータを使用する
よりもむしろ、これに適合して作られたコンピュータを
使用する方が設定作業が容易であり、作業段階毎のガイ
ダンスに従ってパーソナルコンピュータを操作すること
により自動的に測定と設定が行われるので、エレベータ
の制御装置に習熟していない技術者も容易に設定作業を
行うことが出来るものとなる。
【0005】他のコンピュータを用いてエレベータの設
定作業を容易にする試みが、1987年4月9日公開の
イギリス特許出願公開2,180,960に開示されて
いる。この公報の開示によれば、運行を開始する以前
に、テストプログラムが実行され、エレベータの各部に
試験信号を送出して、その反応に応じて現在の設置条件
における各部の動作を推定して全ての動作のマップを形
成する。テスト走行が行われて、建築物のジオメトリ及
び階床間の距離が推定される。全ての必要な情報はエレ
ベータを制御するための情報として記憶される。この技
術は、エレベータが設置された建築物のソフトウエアの
基本設定を変更するための保守作業の頻度を減少させる
ことを意図している。この公報の開示によれば、エレベ
ータが標準使用のものである場合、設置の為の特別のプ
ランニングに、全作業時間の20%が使われると説明さ
れている。しかしながら、それぞれの顧客はそれぞれの
建築物の性質に応じて、エレベータの運行、速度等に関
して独自の設定を要求するので、実際上は、上記のシス
テムによって、設定を変更する為の保守作業は減少しな
い。さらに、より困難な調整は、駆動装置の調整であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】駆動装置の設定の問題
は、特に旧型のエレベータ装置の駆動装置を最新のもの
に交換する場合等に困難となる。交換を最も経済的に行
う為に、いくつかの旧型の高価な、例えばエレベータの
駆動モータ、昇降路部材、ワイヤ類等の長寿命で交換を
必要としない構成部材は継続して使用される。こうした
古い構成部材の設計パラメータは、その製造者において
も情報を得られない場合が多い。こうした状況において
も、より近代的な設定が要求される。
【0007】そこで、本発明の目的は、エレベータのデ
ィジタル制御駆動装置における自己調整技術を提供する
ことにある。
【0008】また、本発明のもう一つの目的は、駆動装
置により自動的に自己調整を行い得るようにすることあ
る。
【0009】さらに、本発明のもう一つの目的は、内部
信号により得られる情報を使用して自己調整を行うよう
にしたエレベータの駆動装置を提供することにある。
【0010】またさらに、本発明のもう一つの目的は、
システムの内部信号より得られた情報を用いて、調整技
術者がハードウエアの調整状況を知るために十分な情報
をディスプレイに表示することにある。これは、パーソ
ナルコンピュータに内蔵されたディスプレイを使用し、
またはパーソナルコンピュータとエレベータ制御装置を
接続して表示する事が出来る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の第一の構成によれば、エレベータシステ
ムの制御信号の自動チェック及び調整方法であって、エ
レベータのかごを移動させるためにトルク指令信号を供
給し、かごの移動を示す検出信号を記録し、かごの移動
を停止させ、検出信号と予め記憶された基準信号テーブ
ルを比較して基準信号テーブルに記憶された符号と検出
信号の符号が不一致の場合、選択された検出信号の所要
の変更を示す変更信号を発生し、選択された検出信号の
符号を自動的に変更するようにしたことを特徴とする方
法が提供される。
【0012】また、本発明の第二の構成によれば、エレ
ベータシステムのモータフィールド電流の自動チェック
及び調整方法であって、定格速度に所定の比率を乗算し
て得られる、前記定格速度よりも小さい速度を指令する
速度指令信号を発生し、定格電流よりも小さい選択され
たモータフィールド電流を発生し、電動器の速度を示
検出されたアマチャ電圧信号をサンプリングし、前記定
格速度での定格アマチャ電圧に対して前記所定の比率を
乗算して得られる電圧を表す記憶信号の大きさと、サン
プリングされたアマチャ電圧の大きさと、を比較して、
比較結果に比例してモータフィールド電流を自動的に調
整するようにしたことを特徴とする方法が提供される
【0013】また、本発明の第三の構成によれば、エレ
ベータシステムのアマチャ制御のためのゲインの自動チ
ェック及び調整方法であって、アマチャ電流指令信号を
発生し、検出アマチャ電流信号を前記指令信号供給後の
選択された時間において判定し、前記アマチャ検出電流
信号と予め記憶された基準信号を比較して両信号の差に
比例する調整信号を発生し、前記ゲインを前記調整信号
に応じて自動的に調整するようにしたことを特徴とする
方法が提供される。
【0014】また、本発明の第四の構成によれば、エレ
ベータの速度調整器のフィードフォワードゲインの自動
チェック及び調整方法であって、速度制御装置に速度プ
ロファイル指令信号を供給し、該指令信号供給後の速度
制御装置の出力を測定し、測定された速度制御装置の出
力を記憶された基準信号と比較し、両者の差に比例した
調整信号を発生し、前記調整信号に応じてフィードフォ
ワードゲインを自動的に調整するようにしたことを特徴
とする方法が提供される
【0015】更に、本発明の第五の構成によれば、エレ
ベータの速度調整器のフィードフォワードゲインの自動
チェック及び調整方法であって、フィードフォワードゲ
インを所定の値に設定し、選択された速度プロファイル
指令信号を供給し、速度調整器の最大値及び最小値を記
録して、最大値と最小値の差を示す差信号を発生し、差
信号がゼロとなるように前記フィードフォワードゲイン
を自動的に調整するようにしたことを特徴とする方法が
提供される。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面を参照し
ながら説明する。
【0017】図1は、マイクロプロセッサで構成された
信号処理装置10を示している。この信号処理装置は、
マイクロプロセッサで構成するものに限定されるもので
はなく、同様の機能を行うことが出来る種々の回路構成
とすることが可能である。
【0018】信号処理装置10は、CPU12とRAM
16、EPROM18及び入出力装置(I/O)20で
構成され、これらはデータバス、アドレスバス、制御バ
ス(D,A,C)14で接続されている。
【0019】図1の信号処理装置10は、かご24、シ
ーブ28に巻回されたロープ26、ロープの、かごと反
対側の端部に連結されたカウンタウエイト30とで構成
され、昇降路内に配設されたエレベータ装置22にイン
ターフェイスされている。
【0020】シーブ28は駆動モータに接続されてい
る。図1の構成において、モータは、レオナード制御装
置で構成され、その直流電動機の出力軸にシーブ28が
取り付けられている。
【0021】直流電動機のアマチャは、交流電動機42
のモータ軸40によって駆動される直流発電機38によ
って給電線36に供給されるアマチャ電流IAによって
励磁される。
【0022】交流電動機42には、三相給電線44,4
6,48を介して三相交流電源が供給され、交流電動機
42はその周波数に対応する一定回転数で駆動される。
直流電動機32のフィールドコイル50は、入出力装置
20より信号線56に供給されるモータフィールド電流
設定信号によって制御されるSCR回路54より供給さ
れるモータフィールド電流IMFによって励磁される。モ
ータフィールド電流信号検出信号は信号線58を介し
て信号処理装置10に供給される。なお、この検出信号
は、信号線52に小さな抵抗器60を直列に挿入するこ
とによって得ることが出来る。この抵抗器による小さな
電圧降下から、モータフィールド電流が推定される。
【0023】同様に給電線36のアマチャ電流は、給電
線に抵抗器62を挿入することによって検出され、アマ
チャ電流検出信号は、信号線64を介して入出力装置2
0に供給される。また、同様に、信号線64を構成する
二本の導線64a,64bの一方が、アマチャ電圧(V
A)の大きさを示すために使用される。
【0024】直流発電機のフィールドコイル66は、入
出力装置20から信号線72を介して供給されるトルク
指令信号αGFによって制御されるSCR回路70から
信号線68に供給される信号によって励磁される。信号
線68に挿入された抵抗器74によって信号線76に電
圧降下が生じこれが入出力装置20に供給される。
【0025】タコメータ80は、リンクまたはシャフト
81によってシーブ28またはモータ軸34に取り付け
られ、信号線82を介して入出力装置20にシーブまた
はモータ軸の回転速度を示す検出速度信号を供給する。
勿論、このタコメータ80に換えて、位置センサを用い
て、信号線82を介して位置検出信号を供給し、信号処
理装置10の内部クロック83によって回転速度を推定
するように構成することも可能である。
【0026】図2に示すように、ブレーキ84は、抵抗
及びインダクタンスによって示されており、スイッチ8
4cの閉成により電圧源84bより給電線84aを介し
て供給されるブレーキ電流IBによって励磁される。図
11及び図18に示すようにブレーキの解除を円滑に行
うために、ブレーキ電流の変化勾配を指数変化をするた
めに、可変抵抗器85が設けられる。また、スイッチ8
6は、ブレーキ解除動作の初期状態では開放状態に保持
され、かごの移動が検出された時に閉成されるように構
成される。
【0027】ブレーキの円滑な動作は、ブレーキ電圧の
オープンループ制御またはブレーキ電流のクローズドル
ープ制御によっても達成することが出来る。なお、図2
に示すオープンループ制御が現段階においては好適であ
る。
【0028】例えば、ブレーキ84は信号線90の直流
ブレーキ電流IBによって、図1及び図3に示すように
クローズドループ制御によって励磁され、励磁によって
例えばシーブ28から拘束装置92を開放してシーブの
回転を可能とする。ブレーキ電流は、抵抗器94によっ
て検出され、信号線96を介して入出力装置20に供給
される。例えば、三相電源線の二つの導体44,46よ
り得られる単相交流電圧を給電線106によって受けて
駆動される変換器104によって線102に供給される
段階的に降下する交流電圧に応じて線90にブレーキ電
流を供給するSCR回路には、線98を介してブレーキ
解除信号(LB)が供給される。
【0029】例えば、位置センサ、呼びボタン、インジ
ケータ、かごボタン及びインジケータ等の昇降路に配設
される多数の装置からは、移動ケーブル(図示せず)を
介してそれぞれの信号が供給される。なお、これらの信
号は、信号線110より入力されるものとして示されて
いる。
【0030】保守ツール112として、端末機は保守技
術者によって使用され、本発明の方法が実施される。こ
の端末機またはエレベータ装置自体が、本発明の方法に
よるソフトウエア処理を実行する。
【0031】以下の説明においては、図3及び図4乃至
図9の構成はエレベータ制御装置に設けられるものとし
て説明するが、これと同様の構成をツール側に設けて本
発明の方法を実施することが可能である。
【0032】図3において、破線116は、ハードウエ
ア部分と、本発明を実施するソフトウエア部分とを分離
するために示されている。図3の破線116の右側に示
されているハードウエア部分の構成は図1の構成と同一
である。
【0033】上述したように、図3の破線116の左側
部分は図1の信号処理装置10のEPROM18に格納
されたソフトウエアによって実現される機能をブロック
構成で示したものである。これらのルーチンは、種々の
方法で実現されるもので、以下に詳述するものに限定さ
れるものではない。
【0034】周知のレオナード制御システムにおいて
は、直流発電器38は、信号線126に速度プロファイ
信号VREFを供給する速度発生器124によって与
えられる速度プロファイルに応じて直流電動器32を加
速するのに十分なアマチャ電流を発生するために励起さ
れたフィールド66を有している。速度プロファイル
生器124は、従来は、一乃至複数の制御装置に個別の
構成要素として設けられていたものである。こうした従
来の構成は、比較的大きな抵抗器と所望の加速度に応じ
て抵抗器を短絡して磁界強度を増減するリレースイッチ
とを有していた。これらの従来のハードウエア構成の速
プロファイル発生器の機能は、機能ブロック124の
ソフトウエア構成によって実現される。こうしたソフト
ウエア構成の速度プロファイル発生器は従来より周知で
ある。従来技術における、かごの発進時における一般的
な制御は、例えばエレベータの群管理制御システム(図
示せず)等の他の制御系から供給される、かごの発進指
令に応じた発進動作の初期から信号線126を通じて与
えられる速度基準信号を用いていた。
【0035】これに対して、本発明においては、速度基
準信号の使用をトルク指令信号とブレーキ解除信号によ
る、ブレーキ解除動作を相関させた電動機の駆動によ
り、かごが移動を開始した後に使用することにより、発
進時のかごの揺れや過剰加速を防止するようにしてい
る。なお、本発明の好適実施例においては、上記したよ
うに、速度基準信号の使用をかごの移動開始まで遅らせ
る構成としたが、この点は、本発明の必須の要素ではな
く、本発明の方法は、他の構成に対しても適用可能であ
る。
【0036】図示の実施例において、図3に示すよう
に、速度制御ループは、信号線128のフィルタされた
速度指令信号を有しており、この速度指令信号は、信号
82の検出速度信号と比較される。速度指令信号と検
出速度信号の差は、速度差信号として信号線130から
速度制御装置132に供給される。速度制御装置132
は、比例−積分型制御装置で構成され、この速度制御装
置の出力は信号線134を介して加算器136に供給さ
れる。加算器136にはさらに、加算器140からの加
算信号が信号線138を介して供給される。加算器13
6は、加算信号を信号線142を介して加算器144に
供給する。加算器144には、さらに信号線64を介し
て検出アマチャ電流が供給される。信号線146の差信
号は、アマチャ電流制御装置148に供給される。アマ
チャ電流制御装置148は、信号線158を介してSC
R回路70に制御信号を供給して、給電線68の発電機
のフィールド電流を制御する。給電線68の電流によっ
て、給電線36のアマチャ電流が制御されるので、直流
電動機32の回転数が制御される。この直流電動機32
の回転数はタコメータ80によって検出される。タコメ
ータの検出結果は、速度フィードバック信号線82に供
給される。上記の構成によって、速度のクローズドルー
プ制御システムが構成される。
【0037】前述したように、かごの発進動作過程で
は、速度ループは動作しているものの、信号線126の
速度基準特性、即ち速度基準プロファイルは使用され
ず、信号線162に小さな値のクリープ基準信号のみが
与えられる。このクリープ基準信号は、値ゼロの信号線
126の速度基準プロファイル信号に加算器164にお
いて加算されて、加算信号を信号線166を介してフィ
ルタ168に供給する。フィルタ168は、フィルタ信
号を信号線128を介して、加算器170に供給する。
これらが前述した信号線82,128の加算信号であ
る。
【0038】前述したように、信号線130の入力がゼ
ロとなるように制御を行う速度制御装置132の出力
は、信号線172のフィードフォワードゲイン信号と信
号線174の発進制御トルク信号の和を示す信号線13
8の加算信号に加算される。なお、フィードフォワード
ゲイン信号及び発進制御トルク信号は、それぞれフィー
ドフォワードゲイン機能ブロック176及び発進ロジッ
ク機能ブロック178より与えられる。発進ロジック機
能ブロック178は、前述したように速度基準プロファ
イルの使用をかごの移動検出まで禁止する機能を行う。
この発進ロジック機能ブロック178には、信号線18
0を介して速度プロファイル発生機124からブレーキ
解除信号が与えられ、これに応じて信号線174に発進
制御トルク信号を供給する。この発進制御トルク信号に
よって、経時的に増加するトルク指令信号が信号線17
4に供給される。このトルク指令信号の増加は、信号線
82にかごの速度検出信号が与えられた時に停止する。
その後は、信号線174のトルク指令信号の値は一定と
なる。信号線82にかごの速度検出信号が発生される
と、信号線182に発進プロファイル信号が供給され
る。速度プロファイル発生器124は、この発進プロフ
ァイル信号に応じて信号線126に速度プロファイル
供給を開始する。処理の初期において、信号線180に
供給されたものと同じブレーキ解除信号が、信号線96
に供給される。このブレーキ解除信号は、SCR回路1
00又はスイッチ84cに与えられ、ブレーキの解除動
作が開始される。信号線174の発進制御トルク信号の
発生タイミング及び変化勾配は、ブレーキ92がシーブ
28から完全に開放された時に、オープンループ制御に
よる発進トルクプロファイルをオフレベルとして速度
ロファイル指令信号により速度制御を行う速度制御クロ
ーズドループを開始するように設定される。この方法に
より、従来は解消し得なかった、かごの発進時の揺れ及
び過剰加速の問題が解消される。
【0039】フィードフォワードゲイン機能ブロック1
76は、信号線172の信号の大きさを推定する為に設
けられており、モータの加減速を制御する。このフィー
ドフォーワードゲイン機能ブロックの動作は、図に示
すように信号線172の信号を加算器140に加えるこ
とによって行われる。フィードフォワードゲイン機能ブ
ロック176は、速度プロファイル発生器124より信
号線186に与えられる加速度基準信号によって制御さ
れる。
【0040】いくつかのエレベータ製造業者において
は、フィールドコイル32が比較的大きな電流を長時間
オーバーヒートを生じること無く保持することができ、
従って直流電動機のフィールドを一定とする事が出来る
直流電動機32を使用し、線36のアマチャ電流のみに
よって直流電動機の速度を制御するものが採用されてい
る。また、他の製造業者は、直流電動機のコイルを小型
化して直流電動機のフィールドコイルを速度制御に効果
的に利用している。この場合、ブロック188で示すよ
うなモータフィールド推定機能ブロックが必要となり、
信号線166の加算信号に応じて、発進期間から定速走
行期間への移行までの間の加速期間及び速度が定速走行
速度の80%まで低下するまでの減速期間に、モータフ
ィールド推定電流を供給する。なお、減速期間の開始時
点で、アマチャ電流制御回路が速度制御ループを用いた
減速制御を開始する。制御信号は信号線190に供給さ
れ、モータのフィールド電流の大きさを指令し、その指
令値が加算器192において信号線58の検出モータフ
ィールド電流と比較される。この電流差を示す電流差信
号は、信号線194からPI制御装置196に供給され
て信号線198の制御信号によりSCR回路54を制御
する。
【0041】エレベータの運行を最適とするために、シ
ステムの設置にあたっていくつかのパラメータの調整が
必要となる。特に駆動装置を在来のものから最新のもの
に変更する場合、設置の基礎となるシステムのパラメー
タは、形式及び製造業者によって大きく異なるため、パ
ラメータの調整が必要となる。
【0042】システムの設定を行う為には、システムの
挙動やオシロスコープ、ストリップチャートレコーダ等
の高価なツールに関する知識が必要となる。
【0043】本発明は、駆動装置自体が重要なパラメー
タを自己調整する技術を提供するものである。
【0044】起動装置の設定の初期段階は、次の設定動
作に分類される。
【0045】1.矛盾を解消するためのフィードバック
信号の極性のチェック
【0046】エレベータを所望の方向に運行する為に
は、エレベータの走行方向に関与する因子の極性は所定
の組み合わせとなっていなければならない。例えば、モ
ータの回転の検出において、かごの移動方向はロープの
巻回された駆動シーブの回転方向によって決定される。
レオナード駆動の場合、モータの回転の検出を決定する
因子は、発電機の回転の検出と、モータフィールドの極
性及び発電機の極性である。
【0047】クローズドループ制御を行う為には、これ
に加えて、適切な極性を持つフィードバック値が必要と
なる。図示の実施例のレオナード駆動制御においては、
これらの値は、モータ速度と、アマチャ電流及びモータ
フィールド電流となる。
【0048】設置によって与えられた条件は、発電機の
回転の検出(発電機のレイアウトによる)、モータのフ
ィールド電流フィードバック信号の極性(制御レイアウ
トによる)及びかごの懸架である。従って、発電機の回
転の検出及びモータフィールド電流センサの正しい接続
が、目視によりチェックされなければならない。モータ
フィールドの極性、発電機フィールドの極性、モータ速
度フィードバック信号(速度V)の極性及びアマチャ電
流のフィードバック信号(Isensed)の極性が、所望の
走行方向において適切な組み合わせとなるように設定さ
れなければならない。
【0049】これは、ハードウエアの配線により、また
はソフトウエアにより行われる。コストの面で、ソフト
ウエアによる調整が望ましい。モータのフィールドの方
向はソフトウエアによっては変更できないので、モータ
のフィールドの極性は未調整のままとされる。図示の実
施例においては、かごの移動を実際に検出する装置は使
用されていない。従ってこれは、目視によりチェックさ
れ、手動で入力されなければならない。
【0050】駆動状態における下降方向への走行におけ
るオープンループにおいては、実速度(線84のV)及
びアマチャ電流(線64のIA(sensed))及びかご
動が測定される。符号に異常がある場合の振動の発生を
防止するためにオープンループが選択される。
【0051】アマチャ電流のフィードバック値及びモー
タフィールド電流のフィードバック値が0でないこと
は、システムが正常に動作していることを示している。
かごの移動または実速度若しくはアマチャ電流の極性の
相違は、符号異常として規定される。
【0052】これらの三つの値の符号異常の組み合わせ
は、速度エンコーダ信号、アマチャ電流信号及び発電機
フィールドの極性の相違の組み合わせによって生じる。
この結果がツール112にサービスマンによって入力さ
れると、ステップ200から図4のセットアッププログ
ラムが開始される。
【0053】図4を概説すれば、駆動装置は発電機フィ
ールドとモータフィールドの一定の点弧角を用いてエレ
ベータの動作を設定する。符号異常が無い場合には、全
てのフィードバック信号は同一極性となり、点弧角の極
性とも同一となる。アマチャ電流フィードバック信号の
実際の極性はモータのトルク状態に応じて決定される。
駆動トルクが駆動モードのトルクであることを確実とす
るために、走行方向とは独立に、またはかごの定常状態
の負荷とは独立に、駆動モータはエレベータをブレーキ
状態から引き出さなければならない。
【0054】これは、最初の点弧角と機械的保持ブレー
キ84の開放の遅延の設定によって達成される。ブレー
キ84の開放の遅延はブレーキのフィールドコイルの
の時定数によって与えられる。また、クローズドルー
プによって制御されるブレーキを使用することにより、
符号のテストのための時間遅れを付加する事が出来る。
ブレーキ状態から引き出すことによって、トルクは駆動
トルクとなり、アマチャ電流は走行方向の電流となる。
これによって、システムはアマチャ電流のフィードバッ
クにおける符号異常の判定を行うことが可能となる。経
験的に、かごが移動を開始する時点が、フィードバック
の極性の判定または測定に適していることが判る。
【0055】モータフィールド電流のフィードバックに
関しては、アクチュエータ及び電流センサをPCBに配
してフィールド位置において極性が変化しないようにす
ることで、ループが確実に適切に動作するようように出
来る。モータフィールドコイルの接続違いは、モータト
ルクの極性の相違によって判定され、速度の安定性に影
響する。
【0056】規定の2分間の運転の後に、ルーチンがフ
ィードバック信号の符号を測定し、記録する。この時点
で、エレベータが停止され、符号の異常の有無が判定さ
れる。符号の異常がある場合には、図10に示すEPR
OM18に記録されたソフトウエアテーブルを使用して
フィードバック信号またはアクチュエータの相違する極
性を修正する。符号の組み合わせ(速度、アマチャ電
流、かごの走行方向)の極性によりソフトウエアは対応
する入力(信号線64の検出アマチャ電流)の極性また
は信号線72の点弧角信号(αGF)の出力を内部的に
変更する。
【0057】速度フィードバック信号の符号異常の場合
にも、この異常はソフトウエア的に修正され、若しくは
ツール112(エンコーダの接続の変更)等の適切な情
報をディスプレイするように動作され、サービスマンに
よりリードの接続をチェックしまたは接続を変更したこ
とが示された場合に、再起動される。
【0058】信号極性テストが正常に完了すると、シス
テムはクローズドループモードでの動作が可能となり、
従ってエレベータが移動して、セットアップが継続され
る。
【0059】図に関しては、ステップ200でサービ
スマンの要求に応じて、設定動作が開始される。次いで
ステップ202が実行される。このステップ202で
は、信号線72の直流発電機フィールド制御信号及び信
号線56の直流モータフィールド制御信号が、信号処理
装置10によって与えられ、オープンループの要領で与
えられ、直流電動機32がかごを僅かに移動させ、移動
の方向が検出され、動き出される。
【0060】ステップ204においては、数秒後に検出
された線64のアマチャ電流の符号が信号処理装置10
のRAM16に記録される。また、線84の検出速度信
号の符号も記録される。フィードバック信号を記録した
後、ステップ206に示すように線72,56のオープ
ンループ指令信号が停止されて、エレベータが停止す
る。符号を変化させる前に、走行方向が検出される。
いで、ステップ208において、フィードバック信号の
符号の一致、不一致が判定される。これは図10のテー
ブルを参照することで行われる。符号の組み合わせに異
常がある場合には、入力される信号の符号を反転させま
たは発電機フィールド点弧角(αGF)の符号を反転さ
せるソフトウエア処理によって符号が変更される。
【0061】例えば、図10のテーブルによるソフトウ
エア処理で、前記のフィードバック信号の符号や点弧角
が変化した場合には、ステップ212が実行される。符
号の不一致が検出されなかった場合は、ステップ214
が実行され、速度信号の符号が観察されたエレベータの
走行方向と不一致であるか否かが判定される。不一致の
場合には、符号の解釈がソフトウエア上で反転される。
また、このときツールにサービスマンにタコメータ80
の結線を逆転させることを要求するプロンプトを表示す
ることも可能である。サービスマンが結線を逆転させる
とツール112を介して入力操作を行い線113に信号
を発生させ、信号処理装置10がステップ218で結線
が実際に逆転されたか否かの判定を行う。次いで、全工
程が再度実行され、符号の一致を確認する。ステップ2
14において、不一致が検出された場合には、処理はス
テップ220に移行する。
【0062】2.ブレーキの調整制御
【0063】本発明によれば、ブレーキの抵抗器は、発
進時の揺れを減少するために調整しなければならない。
図11は、ブレーキの開放の調整過程を示している。こ
のブレーキの開放調整は、電流の増加率をいくつかに段
階的に変化させて、所望の時間帯においてブレーキが解
除されるように行われる。例えば、この時間帯は約85
0msec乃至約950msecである。この時間はブ
レーキの解除動作が開始されてから、エンコーダ80の
最初のパルスが検出されるまでの時間によって規定され
る。ブレーキの調整は、ブレーキの円滑な開放がこの時
点で開始されるように調整される。計測された時間に応
じて、調整の指示がディスプレイに表示され、サービス
マンはこの指示に従って制御盤の可変ブレーキ抵抗器の
抵抗値を増減調整する。
【0064】図5は、サービスマンによりツール112
を介して線113に信号が供給された後の処理を示して
おり、ステップ224で処理が開始される。次いで、ス
テップ226が実行され、ブレーキ解除指令が線98か
らスイッチ84cに与えられる。この時点で、タイマ
が、ステップ228で起動され、ステップ230でかご
の移動が検出されるのを待つ。ステップ230でかごの
移動開始が検出されると、ステップ232でタイマが停
止され、ステップ234でブレーキ開放時間が読み出さ
れる。次いでステップ236において、ブレーキの開放
時間が図11の第一の選択されたレベル238よりも長
いかどうかの判定が行われる。長い場合には、ステップ
238で、図1、図2、図3に示す抵抗器85の抵抗値
がサービスマンによりツール112を介して行われる。
これは、ブレーキ抵抗値を小さな減分の分だけ減少させ
ることによって行われる。ステップ240においては、
サービスマンがツール112を介して抵抗値の調整終了
を入力すると、調整が行われステップ226,236が
再度実行される。
【0065】ステップ236において、ブレーキ開放時
間が第一の選択レベル238よりも長くないと判定され
た場合には、ステップ242において開放時間がレベル
238よりも短いか否かの判定が行われる。短くない場
合には、ステップ244で調整ルーチンを終了して処理
がメインルーチンに戻る。また、短い場合には、ステッ
プ246においてブレーキの開放時間が、図4の第二の
選択レベル248よりも長いか否かが判定される。長い
場合には、ステップ244で処理を終了する。長くない
場合には、ステップ250でサービスマンにプロンプト
が与えられ、抵抗値に増加調整が行われる。その後にプ
ログラムの全部の処理が再度実行される。この処理は、
ブレーキの開放時間が、第一及び第二のレベル238,
248で規定される時間帯内となるまで反復して行われ
る。
【0066】3.モータのフィールドの調整
【0067】モータフィールド電流は、電動機のフィー
ルド動作点を規定するパラメータである。モータの所要
フィールド電流には二つの異なる値がある。一つは定格
速度、アマチャの定格電圧を示す定格モータフィールド
電流(全負荷時)であり、他方は、エレベータが停止状
態であり定格値の約30%に減少された値で示されるア
イドリングモータフィールド電流である。
【0068】モータ速度とアマチャ電圧は線形的な関係
を有しているので、モータフィールド電流の設定は低速
で行われる。調整の当初において、モータは定格速度の
25%の速度で駆動されモータフィールド電流の起動ま
たは初期値が、例えば2Aのモータの速度範囲に対して
十分な値とされる。
【0069】図6の260で処理が開始されると、ステ
ップ262では、駆動系のチェックが行われ、設定速度
に達したかどうかが時点で行われる。この場合、調整の
第一段階が開始される。ステップ264,266で定格
速度の25%の速度となると、ステップ268でアマチ
ャ電圧が測定、チェックされる。このチェックは、測定
アマチャ電圧が定格アマチャ電圧の25%となっている
か否かを判定することで行われる。定格アマチャ電圧の
25%の値と測定アマチャ電圧の関係に基づいて、新た
なフィールド電流の設定値がステップ270で計算さ
れ、供給される。
【0070】第二段階において、ステップ272でモー
タに定格速度での駆動が指令される。ステップ274に
おいて、Imf=Imf+25%*Imfによりモータフィー
ルド電流が計算される。定格速度での駆動中に、アマチ
ャ電圧がステップ276で測定され、公称値と比較され
る。この比較結果に基づいて、演算されたモータフィー
ルド電流値 MF がステップ278で(V arm-rated /V
arm-measured )・I MF =I MF の式により補正されて、最
終定格フィールド電圧が供給される。
【0071】ステップ280では、電動機及び発電機の
所定の制御評価がなされる。ステップ282では、これ
ら電動機及び発電機の点弧角が所定の設定限界範囲内で
あれば、調整を終了する。例えば、ステップ280で
は、I mf 点弧角が85%以下、I gf 点弧角が60%以下
であるかどうかをチェックし、ステップ282では、上
記設定限界範囲内であれば調整が終了する。点弧角がこ
の設定限界範囲内に収まらない場合には、ステップ28
4で変換器のタップ調整が指示される。ステップ286
では、調整が完了するまで調整を続ける。このように、
測定値と点弧角の最大値は、ステップ280乃至286
における変換器のタップ設定に使用する情報となる。
尚、モータフィールド電流の調整と平行して、特別のル
ーチンを実行して、定格速度で低速駆動時における点弧
角のピーク値を測定することも可能である。
【0072】4.アマチャ電流制御の調整
【0073】アマチャ電流制御装置148は、PI制御
装置で構成される。調整を単純化するために、応答ゲイ
ン(Iarmtime−min,Iarm−time−ma
x)は、デフォルト値に設定される。
【0074】ゲイン(I arm −gain−min,I arm
−gain−max)は、動作点、即ち、システムが不
連続電流(I gf )によって制限されているときの動作点
に従って調整される。
【0075】パラメータI arm −gain−maxは、
不連続動作領域で調整され、連続動作領域では、パラメ
ータI arm −gain−minが用いられる。
【0076】これらの異なる動作領域での各パラメータ
の調整が行われる。これらの調整は、ツール112によ
り切り替えて行われる。
【0077】アマチャ制御ループの調整に使用される性
能基準は、ステップ応答である。実際上、図12に示す
ようにいくつかのステップが設けられる。
【0078】ステップ応答は、入力のステップ変化に対
して観測される制御システムの反応である。本発明はこ
れに限定されるものではないが、このステップ応答性に
は、好ましい特性がある。即ち、ステップ的な入力が容
易に発生できること、ステップ入力に対する時間領域応
答の記録にいくつかの測定技術があること、制御システ
ムの性能の基本特性がステップ応答により決定されるこ
とである。ステップ応答によって決定される性能の測定
結果が図13に示されている。即ち、ステップ応答の応
答時間は所望の初期出力レベルをシステムがいかに早く
達成するかであり、この実施例においては、最大時間が
T=80msec、最小時間が60msecに選択され
る。最大オーバシュート(ピーク値または過渡的状況に
おける最大値)が特定の入力に対する最大出力レベルの
相対的な測定値(4%)を与えることである。調整機能
は、システムを上述の不連続領域または連続領域に達っ
した状態として、設定領域に達したときに応答時間とオ
ーバーシュートの計測を開始するものである(図13参
照)。
【0079】これは、不連続電流信号(DCF)をチェ
ックすることによって行われる。測定された不連続電流
信号は、定常駆動状態における線76の検出発電器電流
信号の不連続を示している。DCF信号の大きさが所定
の動作領域外となっている場合は、システムは、所定の
領域内のDCFが検出されるまで調整される
【0080】信頼性のある結果を得るために、結果を表
示する前に、操作が4回反復して行われ、その都度評価
が行われる。二つのステップの間には、クローズドルー
プによる速度制御及び設定調整領域を再チェックするた
めに1秒の待ち時間がある。最終のステップ応答が終了
したのち、システムは0.2秒間待機し、結果のチェッ
クを行ってツール112に表示する。
【0081】結果に応じて、パラメータが内部的に増減
調整され、処理が自動的に再起動される。図14は、パ
ラメータに応じて主として評価される応答時間の変化を
示している。例えば応答時間が60msec以上80m
sec以下で、オーバーシュートが0乃至4%の範囲と
なった時に調整を終了する。調整が終了すると、システ
ムが停止される。図7には、上述の処理の流れが示され
ている。
【0082】5.フィードフォワードゲインの調整
【0083】フィードゲインのパラメータを調整する為
には、エレベータを速度プロファイルによって駆動する
ことが必要となる。速度0.4 m/s, 加速度1.0 m/s2,
ャーク1.5m/s2の時間プロファイルが速度及び加速度
のテーブル関数として設定される。エレベータは、0.
1m/sの速度となるまで停止している。1秒間の定速
走行の後に、エレベータが特別のプロファイル(図1
5)によって加減速される。
【0084】調整ルーチンは図8に示されており、速度
特性即ち速度プロファイルの発生ととともに開始され、
速度制御装置の出力の最大値と最小値の測定が行われ
る。最大値と最小値の差が調整結果として表示される。
処理は、実際の評価結果と以前の評価結果を比較して評
価結果の小さいものを判定することで行われる。最適な
調整は、評価結果が最小となったときに得られる。図1
7は、異なるゲインにおける設定速度制御装置出力の測
定結果のプロファイルを示し、図16の(a)はフォワ
ードゲインが小さすぎる場合、(b)は大きすぎる場
合、(c)は最適の場合を示している。
【0085】調整は、例えば500の高いゲインから開
始される。ゲインは、測定値の評価が減少傾向を示す
間、図17に矢印300で示す方向に20ずつステップ
的に減少される。調整はパラメータが適正に設定される
まで連続して行われる。調整が終了するとシステムは停
止する。
【0086】6.発進時間の調整
【0087】本発明による発進時間の調整により、各走
行における走行初期の揺れが減少される。この発進時間
は、ブレーキの解除動作の開始から、クリープ速度5m
m/sで走行方向のアマチャ電流を増加させる発進時揺
れ減少ルーチンの開始までの時間である。図18の
(a),(b),(c)は測定駆動信号(ブレーキ電
流、速度、アマチャ電流)の供給時間軸における変化を
示している。電流は、かごが移動を開始するまで徐々に
増加される。
【0088】調整は、1500msecの設定調整パラ
メータを使用して開始される。無負荷状態(乗客や荷物
がない状態での運転時)における下降方向の走行の場
合、この初期パラメータは主にアマチャ電流の開始の遅
延によって上方へのかごの変位を生じさせる。発進時間
は、測定結果に応じて変化するステップでかごの上方変
位が無くなるまで減少される。各かご発進時間の調整の
間には2秒のポーズ時間が設定され、このポーズ時間内
にブレーキが完全な制動状態に復帰される。調整は、発
進時の走行方向とは逆向きの変位がゼロとなったところ
で完了される。図19はパラメータに応じた調整結果を
示している。
【0089】図9は、上記発進時間の調整ルーチンを示
すもので、EPROM18に格納されている。発進時間
の調整の指令はツール112を介して線113に与えら
れ、ルーチンがステップ350で開始される。ステップ
352では、遅延時間(tsd)の初期値が図18の
(b)に示すように1500msecに設定される。こ
のブレーキ解除指令が発生される時点(t0)から発進
トルクプロファイルが開始される時点t1までの遅延時
間である。図18の(c)に示すように、かごは、時点
2で移動を開始する。図18の(c)の実速度はプロ
ット354で示されており、一方速度プロファイルは破
線356で示されている。
【0090】図9に戻って説明すれば、ステップ358
でブレーキの解除が指令されると、図18の(b)の発
進トルクプロファイル362は遅れ時間tsdの後時点t
1で発生される。ステップ364で移動が検出される
と、かごの変位量が測定され記憶される。変位量がゼロ
でないことがステップ366で検出されると、ステップ
368で遅延時間が減少され、ステップ358,36
0,364,366が、変位量がゼロとなるまで繰り返
される。変位量がゼロとなると、処理が370で終了さ
れる。
【0091】
【発明の効果】上記のように本発明によれば、エレベー
タのディジタル制御駆動装置における自己調整技術が提
供され、また、駆動装置による自動的に自己調整を行い
得るものとなる。さらに、本発明によれば、内部信号に
より得られる情報を使用して自己調整を行うようにした
エレベータの駆動装置が得られる。
【0092】またさらに、本発明によれば、システムの
内部信号より得られた情報を用いて、調整技術者がハー
ドウエアの調整状況を知るために十分な情報をディスプ
レイに表示することにある。これは、パーソナルコンピ
ュータに内蔵されたディスプレイを使用し、またはパー
ソナルコンピュータとエレベータ制御装置を接続して表
示する事が出来る。
【0093】なお、本発明は、上記の構成に限定される
ものではなく、種々の変更、変形が可能であり、上記に
示した実施例は、本発明を実施する為の一態様を示すも
のである。従って、本発明は、特許請求の範囲の記載か
ら逸脱しない一切の構成を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による調整方法の実施に用いられるエレ
ベータ装置の一例を示すブロック図である。
【図2】ブレーキの円滑な解除を行うための回路構成を
示す図である。
【図3】図1のブロック図の制御部の構成を詳細に示し
た図である。
【図4】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図5】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図6】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図7】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図8】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図9】本発明による調整方法を行うための各ルーチン
を示すフローチャートである。
【図10】図4のルーチンによって制御に使用されるテ
ーブルを示す図である。
【図11】図5のルーチンによって制御されるブレーキ
電流の変化プロファイルを示す図である。
【図12】アマチャ電流調整器のゲイン調整中の設定電
流を示す図である。
【図13】オーバーシュートを含む駆動のステップ応答
を示す図である。
【図14】ゲインに応じた駆動装置の応答時間変化を示
す図である。
【図15】フィードフォワードゲインに応じた速度調整
器の出力を示す図である。
【図16】速度プロファイルを示す図である。
【図17】フィードフォワードゲインが小さすぎる場
合、大きすぎる場合、最適な場合のそれぞれの速度調整
器の出力を示す図である。
【図18】発進時間調整に必要なブレーキ電流、アマチ
ャ電流及び測定速度を共通時間軸で示す図である。
【図19】図18の遅延時間を決定するためのかごの変
位量調整を示す図である。
【符号の説明】
10 信号処理装置 22 エレベータ装置 28 シーブ 38 直流発電器 42 交流電動器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルベルト カール ホルプルエッガー ドイツ連邦共和国,ベルリン 21,キル ヒシュトラーセ 19 (72)発明者 ムスターファ トウタオウィ ドイツ連邦共和国,ベルリン 31,リー フィアーエントイッシェ シュトラーセ 17 (56)参考文献 特開 昭61−249013(JP,A) 特開 昭62−146889(JP,A) 米国特許4602326(US,A) 欧州特許477976(EP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 1/00 - 5/28 G05B 13/00 - 13/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータシステムの制御信号の自動チ
    ェック及び調整方法であって、 エレベータのかごを移動させるためにトルク指令信号を
    供給し、 かご移動を示す検出信号を記録し、 かごの移動を停止させ、 検出信号と予め記憶された基準信号テーブルを比較して
    基準信号テーブルに記憶された符号と検出信号の符号が
    不一致の場合、選択された検出信号の所要の変更を示す
    変更信号を発生し、 選択された検出信号の符号を自動的に変更するようにし
    たことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 エレベータシステムのモータフィールド
    電流の自動チェック及び調整方法であって、 定格速度に所定の比率を乗算して得られる、前記定格速
    度よりも小さい速度を指令する速度指令信号を発生し、 定格電流よりも小さい選択されたモータフィールド電流
    を発生し、 電動器の速度を示す検出されたアマチャ電圧信号をサン
    プリングし、前記定格速度での定格アマチャ電圧に対して前記所定の
    比率を乗算して得られる電圧を表す記憶信号の大きさ
    と、サンプリングされたアマチャ電圧の大きさと、を比
    較して、 比較結果に比例してモータフィールド電流を
    動的に調整するようにしたことを特徴とする方法
  3. 【請求項3】 エレベータシステムのアマチャ制御のた
    めのゲインの自動チェック及び調整方法であって、 アマチャ電流指令信号を発生し、 検出アマチャ電流信号を前記指令信号供給後の選択され
    た時間において判定し、 前記アマチャ検出電流信号と予め記憶された基準信号を
    比較して両信号の差に比例する調整信号を発生し、前記
    ゲインを前記調整信号に応じて自動的に調整するように
    したことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 エレベータの速度調整器のフィードフォ
    ワードゲインの自動チェック及び調整方法であって、 速度制御装置に速度プロファイル指令信号を供給し、 該指令信号供給後の速度制御装置の出力を測定し、 測定された速度制御装置の出力を記憶された基準信号と
    比較し、両者の差に比例した調整信号を発生し、 前記調整信号に応じてフィードフォワードゲインを自動
    的に調整するようにしたことを特徴とする方法
  5. 【請求項5】 エレベータの速度調整器のフィードフォ
    ワードゲインの自動チェック及び調整方法であって、 フィードフォワードゲインを所定の値に設定し、 選択された速度プロファイル指令信号を供給し、 速度調整器の最大値及び最小値を記録して、最大値と最
    小値の差を示す差信号を発生し、 差信号がゼロとなるように前記フィードフォワードゲイ
    ンを自動的に調整するようにしたことを特徴とする方
    法。
JP03278737A 1990-09-28 1991-09-30 エレベータシステムの制御信号の自動チェック及び調整方法 Expired - Fee Related JP3121067B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2547616A4 (en) * 2010-03-15 2017-06-21 Kone Corporation Method and device for the startup of an electric drive of an elevator

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EP2547616A4 (en) * 2010-03-15 2017-06-21 Kone Corporation Method and device for the startup of an electric drive of an elevator

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