JP3121064B2 - 二次繊維からポリ塩化ジベンゾダイオキシンとポリ塩化ジベンゾフラン及び粘着物を除去する方法 - Google Patents

二次繊維からポリ塩化ジベンゾダイオキシンとポリ塩化ジベンゾフラン及び粘着物を除去する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超臨界状態の、あるい
は超臨界状態に近い状態の二酸化炭素またはプロパンを
用いて、二次繊維からポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキ
シン(以下「PCDD」、あるいは、単に「ダイオキシ
ン」と呼ぶ)とポリ塩化ジベンゾフラン(以下「PCD
F」と呼ぶ)、および粘着性汚染物(以下「粘着物」と
呼ぶ)を除去する方法に関する。
【0002】本技術分野においてはよく知られているよ
うに、二次繊維(通常はセルロースをベースとする)は
少なくとも一回は本来の用途に用いられたものである
が、さらに、処理およびそれに続く再使用を行い得るも
のである。故紙、新聞用紙、レッジャーストック、包装
材、カートン、箱、コンピュータ用紙、電話帳、段ボー
ル紙などは二次繊維の原料としては適当である。再使用
の仕方(すなわち、二次繊維の用途)は一次繊維(バー
ジン繊維)の用途とは必ずしも類似するものではない。
【0003】セルロースがベースとなっている物質が大
部分(例えば、故紙が40%、ヤード廃棄物が18%)
を占める固形廃棄物の効果的な処理は現在では重要な社
会問題になっている。近年では、故紙をリサイクルしよ
うとする試みが多くなされており、原材料の使用率や、
産業界の共通した処理が環境に与え得る悪影響などに大
きな関心が集まっている。新しいスクリーンシステムや
精巧な浮動技術が出現し、これらの技術はインク抜きし
た印刷廃棄物の問題をおおいに上手く解決している。塩
素及び塩素化合物の使用を避け、過酸化水素、ジチオナ
イト、または、ホルムアミドスルフィン酸のみを用いて
所望のレベルの光輝度を得る新しい漂白法もまた出現し
ている。
【0004】しかしながら、故紙の再使用に関しては一
つの問題が残っている。すなわち、故紙中には少量の有
毒化合物、特にPCDDやPCDFが残存しているとい
う問題である。
【0005】ディーラーから購入した故紙の中には、色
々な姿(例えば、被覆された紙、レッジャー( ledger )
紙など)の漂白クラフト繊維が相当量含まれていること
がある。塩素処理を含む方法でクラフトパルプを漂白す
ると、少量ではあるが、検出可能のレベルのPCDDや
PCDFが含まれてしまうことがある。故紙を処理する
ために現在用いられている処理方法(例えば、パルプ化
/スクリーン処理/浮揚処理/漂白)は塩素漂白された
繊維を含むストックからPCDDやPCDFを除去する
のには効果的ではない。
【0006】PCDDやPCDFは、産業界では至る所
で見られる大きな集団の有機塩素化合物である。PCD
DやPCDFの構造は次のような化学式で表される。こ
こで、x+y=1〜8である。
【0007】
【化1】
【0008】PCDDやPCDFの各種異性体のうち、
最も有毒であると報告されているのは次のものである。 2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキ
シン(TCDD) 1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイ
オキシン(PCDD) 2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン(TCD
F) 1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン(P
CDF) 2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン(P
CDF)
【0009】有毒性が高いと報告されているものは次の
ものである。 1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン(HCDD) 1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン(HCDD) 1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン(HCDD) 1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン
(HCDF) 1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾフラン
(HCDF) 1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン
(HCDF) 2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン
(HCDF)
【0010】1985年に Butterworth 社が発行した
「総合的な環境における塩化ダイオキシンおよびジベン
ゾフラン2( Chlorinated Dioxins and Dibenzofurans
inthe Total Environment 2)」( Keith L.H. , Rap
pe C. , Choudhary G. 共著)の125〜126頁の
「生態サンプルにおけるポリ塩化ジベンゾフランおよび
ダイオキシンの分析( Analysis of Polychlorinated Di
benxofurans and Dioxins in Ecological Samples ) 」
を参照されたい。
【0011】つい最近になって、PCDDやPCDFに
起因する人体への有害性の問題がマスコミにおいて多く
の注目を集めている。PCDDやPCDFは、「クロロ
アクネ( chlor-acne )」として知られている皮膚疾患の
一時的な症状の原因になることが知られている。さら
に、実験室での研究によれば、PCDDやPCDF(特
に、2,3,7,8−TCDD)はある種の動物に対し
て、特にギニー豚(LD 50=0.6〜4.0マイクログ
ラム/キログラム)に対して極めて有毒であることが証
明されている。例えば、1984年に Vincente Boods
社が発行した「 The Dose Makes the Poison」( Ottob
oni A.著 )や、1980年に IndustrialEnvironment R
esearch Laboratory が発行したNTISレポート No.
PB82−136847の「 Dioxins」の第6章を参照
されたい。
【0012】実験室での実験動物(例えば、ギニー豚)
に対する高レベルの有毒性が報告されたことから、PC
DDやPCDFの人間に対する長期における影響への関
心が強まっている。このため、リサイクル工程の一部と
して、故紙ストックからPCDDやPCDFの含有量を
減らすか、あるいは完全に除去する必要性が高まってい
る。本発明の目的はこの必要性に応えることである。
【0013】さらに、故紙の再利用に関しては、機械の
操作性の問題と生産品の品質の問題とが残っている。こ
の問題は二次繊維の原料として用いるストックの中に含
まれる粘着性汚染物の存在に関するものである。
【0014】粘着物は、ホットメルト、感圧接着剤、ス
チロホーム、ラテックスなどの紙加工産業において用い
られる有機ポリマーから主に構成されている。代表的な
粘着物としては、ポリビニル・アセテート(PVA)ポ
リマー及びコポリマー、エチレン・ビニル・アセテート
(EVA)ポリマー及びコポリマー、ポリスチレン、ス
チレン−ブタジエン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリアミド、ラテックス及び他のゴム化合物、ワックス
などがある。これらの粘着物の主な供給源は、接着特性
を改良するために紙製品に付与される粘着性付与剤であ
る。
【0015】これらの接着剤/粘着性付与剤を含有する
故紙を解繊すると、粘着物は広範囲のサイズを有する粒
子、例えば、0.074mm以下から0.42mm以上
の範囲の粒子に分解される。粘着物を十分に除去しない
と紙質の低下(例えば、外観の悪さ、強度の低下、およ
び/または穴の発生など)や製紙機の非稼働時間の増加
の原因(例えば、ウェブの破損、滑りやすいシート、お
よび/または、ワイヤ、フェルト、プレス、ロール、お
よび/または乾燥シリンダーなどの機械部品上への粘着
物の堆積など)となる。
【0016】これらの問題を解決するため、様々な化学
的手段や機械的手段が考え出されてきた。例えば、タル
ク及びジルコニウムの酸化物が粘着物に対する鎮定剤と
して用いられている。あるいは、拡散技術として、高
圧、高温、および/または溶解剤の添加などが用いられ
てきた。あるいは、給送ストックから粘着物を分離およ
び/または除去するため、反転ハイドロクロン( hydroc
lone )や流れクリーナーなどが用いられている。
【0017】また、リサイクル用の原料ストックを選ぶ
ための試みもなされている(「原料の選り分け」)。し
かし、一般的には、この原料の選り分けはコスト的に効
率の良いものではない。また、繊維のリサイクルは環境
問題の観点から一層重要性を増してきたので、原料自体
も「バージン原料」であることは少なくなり、バージン
原料の二次または三次原料になることが多く、このこと
がまた、粘着物の問題をさらに悪化させる原因となって
いる。
【0018】以上のような広範囲の努力にもかかわら
ず、繊維リサイクルの分野においては粘着物の除去の問
題は未解決のままである。この分野では知られているよ
うに、どのような技術を用いても、いくらかの粘着物が
製紙機のヘッドボックス内部に残ってしまい、機械の作
動性や製品の品質に悪影響を及ぼす。このため、リサイ
クルしようとする故紙ストックに含まれる粘着物の量を
実質的に減らすか、あるいは粘着物そのものを除去する
必要性が未だに存在している。本発明の目的はこの必要
性に応えることである。
【0019】各種の産業的な汚染物処理方法において、
超臨界二酸化炭素およびプロパンなどの超臨界流体を用
いることが提案されている。この提案に関する文献とし
ては、1986年発行の「Environ.Sci.T
echnol.」Vol.20、319〜325頁の Ecker
t その他による「超臨界流体処理法( Supercriticalflu
id processing )」がある。様々な記述の中で、この著
者は、物質処理および汚染物処理に対して超臨界流体技
術を一般的に適用する可能性に関して述べている。特
に、著者は、ダイオキシンおよびポリ塩化ビフェニル
(PCB)の除去のモデルとして、超臨界エチレンを用
いてトリクロロフェノールを土壌から除去する研究を発
表している。ただし、ダイオキシンについてはいかなる
データも記載されていない。より詳細に言うと、超臨界
二酸化炭素またはプロパンを使用して、リサイクル紙か
らダイオキシンを除去することについては開示もしくは
示唆していない。
【0020】1985年発行の「Ind.Eng.Ch
em.Process.Des.Dev.」Vol.24、
1027〜1032頁の Pang その他による「芳香族炭
化水素固体およびタールおよびビチューメンの超臨界抽
出( Supercritical Extraction of Aromatic Hydrocarb
on Solids and Tar and Bitumens )」において、タール
砂から有機物質を抽出するために、二酸化炭素その他の
各種の超臨界流体を用いることが述べられている。この
文献では、PCBやダイオキシンなどの有害物質を土壌
から除去するために超臨界抽出法を用いることの可能性
が言及されている。ただし、この文献においても、ダイ
オキシンに関するデータは記載されておらず、また、超
臨界二酸化炭素を用いて二次繊維からダイオキシンを除
去することができるという示唆は全くなされていない。
さらに、タール砂に対するデータによれば、二酸化炭素
による抽出法では収率がよくないことが示されている。
【0021】土壌などの自然的な固体から有害有機物質
を除去するために、二酸化炭素その他の超臨界流体を用
いることに関する他の研究としては、1985年発行の
「CRC Critical Reviews in
EnvironmentalControl」Vol.1
5、237〜274頁の Groves その他による「有害廃
棄物からの有機物の超臨界抽出に関する現段階の技術
( State-of-the-art onthe supercritical extraction
of organics fromhazardous wastes ) 」、1987年
に「Anal.Chem.」が発行したVol.59、17
05〜1708頁の Hawthorne その他による「超臨界
流体を用いた環境土からの多環式芳香族炭化水素の抽出
と再生( Extraction and Recovery of Polycyclic Arom
atic Hydrocarbons from Environmental Solids Using
Supercritical Fluids )」、EPAレポートNo. 600
/9−87/018Fの383〜397頁の Dooley そ
の他による「土からの有害有機物質の超臨界流体抽出と
触媒による酸化( Supercritical Fluid Extraction an
d Catalytic oxidation of Toxic Organics from Soils
)」、1987年発行の「Ind.Eng.Chem.
Res.」Vol.26、261〜268頁の Brady その
他による「土からの有害有機物の超臨界抽出( Supercri
tical Extraction of Toxic Organics from Soils ) 」
がある。これらの文献においてもまた、超臨界二酸化炭
素またはプロパンを用いて二次繊維からPCDDおよび
PCDFを除去することについては開示もしくは示唆は
されていない。
【0022】同一ラインにあるものとして、米国特許第
4,338,199号及び4,543,190号は、超
臨界水の中で有機物質を酸化する方法を開示している。
米国特許第4,338,199号には、同米国特許に開
示されている方法は、森林製品廃棄物や紙およびパルプ
ミル廃棄物などの各種産業から排出される廃棄物から有
害性化学物質を除去するために用いることもできる、と
いうことが一般的見解として述べられている。ただ、ダ
イオキシンについては特別に言及はされていない。米国
特許第4,338,199号はダイオキシン以外の各種
塩化有機化合物を超臨界水で処理することが記述されて
おり、また、これらの物質の塩化ジベンゾ−p−ダイオ
キシンへの変換は観察されなかったと述べている(サン
プル6を参照されたい)。有機系廃棄物を処理するため
に超臨界水を用いることについては、PCT国際出願N
o.WO81/00854、米国特許第4,113,4
46号、米国特許第4,564,458号、および、米
国特許第4,594,164号にも記述がある。
【0023】Modell超臨界水処理方法を用いて、
Modar Inc.により行われた実験の概要が、1
989年にPergamon Pressが発行した
「化学圏−−塩化ダイオキシン及び関連化合物1987
(Chemoshere−−Chlorinated
Dioxins and Related Compo
unds 1987)」Vol.18,No. 1〜6の50頁
に載っている。そこに記載されているように、クロロベ
ンゼンおよびPCDDで汚染されている土および液体廃
棄物に対してベンチスケールの試験が行われた。超臨界
水による酸化によって、土壌からは2,3,7,8−T
CDDおよびクロロベンゼンが除去され、液体廃棄物か
らは2,3,7,8−TCDD、TCDD、OCDDが
除去されることがわかった。
【0024】物質処理において超臨界流体を用いること
が多くの文献に記載されている。例えば、超臨界二酸化
炭素を用いて針葉樹からタル油およびターペンタインを
除去することが米国特許第4,308,200号に開示
されており、超臨界二酸化炭素を用いてパルプ製造時の
クラフト法により発生したブラックリカーからリグニン
を抽出することが米国特許第4,493,797号に開
示されており、超臨界二酸化炭素を用いて精練スラッジ
を処理することがヨーロッパ特許公開第314,223
号に開示されており、排水処理システムに用いられた吸
収剤を超臨界二酸化炭素を用いて再生することが米国特
許第4,061,566号および4,147,624号
に開示されており、超臨界二酸化炭素を用いて薬を殺菌
することが米国特許第4,263,253号に開示され
ており、超臨界二酸化炭素を用いて人造野菜製品から非
芳香物質を除去することが米国特許第4,675,19
8号に開示されており、超臨界二酸化炭素を用いて果物
の種子からガンマリノレン酸を除去することが米国特許
第4,703,060号に開示されており、超臨界二酸
化炭素を用いてコーヒーからカフェインを抜くことが米
国特許4,472,442号、同第4,728,525
号、同4,767,634号に開示されている。これら
以外にも、米国特許第4、495,095号、同4,5
50,198号、同4,554,170号、同4,64
7,466号、1986年に「Biotechnolo
gy and Bioengineering Sym
p.」が発行したNo.17、179〜182頁の Rit
ter と Campbell による「松の木における超臨界二酸化
炭素抽出の効果( The Effect of Supercritical Carbon
Dioxide Extraction on Pine Wood Structure )」、1
987年に日本化学会社が発行したNo. 5、931〜9
33頁の畑田その他による「超臨界二酸化炭素を用いた
杉の抽出」、1988年「J.Jpn.Oil Che
m.Soc.」発行のVol.37、8〜12頁の Shi
shikura その他による「超臨界流体抽出法による大豆ス
ラッジからのトコフェロールの濃縮( Concentration of
Tocopherols from Soybean Sludge by Supercritical
Fluid Extraction )」、1988年に「Ind.En
g.Chem.Res.」が発行したVol.27、1
301〜1312頁の「超臨界流体とリグノセルロース
物質との相互作用( Interaction of Supercritical Flu
ids with Lignocellulosic Materials )」などを参照さ
れたい。
【0025】パルプ製造から生じる木チップやブラック
リカーを超臨界状態にある水または超臨界状態に近い状
態にある水で処理することはPCT出願 No.WO−81
/00855に記述されている。さらに、1985年発
行の「Fundam.Thermochem.Biom
ass Convers.」のModell M. による「超
臨界水における森林製品のガス化と液化( Gasificatio
n and Liquefaction of Forest Products in Supercrit
ical Water )」の95〜119頁、1987年発行の
「Can.J.Chem.Eng.」Vol.65の「 Pro
lysis of 1,3-butanediol as a model reaction for wo
od liquefaction in supercritical water」の645〜
650頁を参照されたい。
【0026】廃棄物処理や物質処理において使用するこ
とに加えて、超臨界流体は各種分析方法にも用いられて
きた。例えば、Suprex Corporation
が1989年に発行した「Suprex Public
ation」No.TN−022には、ダイオキシン分
析のための分析方法の一部として超臨界二酸化炭素を使
用することが記述されているが、セルロース基質中に含
まれるダイオキシンの除去のために超臨界二酸化炭素を
使用することについては記述がされていない。同様に、
1987年にJ.Chromatogrが発行したVo
l.433、63〜76頁の「環境物質からの多環式芳
香族炭化水素およびポリ塩化ビフェニルの超臨界流体抽
出とガスクロマトグラフィー解析の直接結合( Directl
y coupled supercritical fluid extraction-gas chrom
atographic analysis fo polycyclic aromatic hydroca
rbons and polychlorinated biphenyls from environme
ntal solids ) 」においては、超臨界流体抽出法をガス
クロマトグラフと結合させて使用して環境物質、例え
ば、都市ゴミを分析し、有機汚染物質、特に多環式芳香
族炭化水素に対する分析を論じている。ここでの抽出は
超臨界流体として亜酸化窒素を用いて行われた。同様の
ラインにあるものとして、1987年にJ.Chrom
atogrが発行したVol.409、343〜353
頁の Schneiderman その他による「超臨界流体抽出法お
よび電気化学検出による高性能液体クロマトグラフ法を
用いて行う紙および木におけるアントラキノン量の決定
(Determination of anthraquinone in paper and wood
using supercritical fluid extraction and high-per
formance liquid chromatogrphy with electrochemical
detection ) 」では、二酸化炭素を用いた超臨界流体抽
出法と、高性能液体クロマトグラフ法と、クラフト紙と
松の木の木屑におけるアントラキノンを分析するための
電気化学検出法との組み合わせについて論じている。
【0027】いずれにしても、以上掲げた文献において
は、PCDDおよびPCDFを除去することに関する問
題、あるいは二次繊維から粘着物を除去することに関す
る問題は、超臨界二酸化炭素または超臨界プロパンで繊
維を処理することによって、解決することができるとい
うことは開示もしくは示唆されていない。
【0028】液体媒体(例えば、ヘキサンなど)中に溶
解している状態のダイオキシンや、シリカゲルやクレー
などの物質中に存在するダイオキシンを光分解技術、例
えば紫外線放射によって分解しようとする研究に関して
はいくつかの文献がある。 Ottoboni による「supr
a」、1971年8月20日発行のCrosby D.G. その他
による「Science」,Vol.173,173〜17
4頁、 Plimmer J.R.による「Bull.Enviro
nm.Contam.Toxicol.」,Vol.20
(1978年)87〜92頁、 Borte, Claudio, Adria
na Memoil, Franco Alhaiqueによる「Environm
ental Science andTechno
l.」,Vol.12,No. 3(1978年3月)、335
〜336頁、Crosby D.G. その他による「Enviro
nmental Health Perspectiv
es」(1973年9月),259〜266頁、 Duli
n, David, Howard, Drossman, Theodore Mill による
「Environ.Sci.Technol.」,Vol.
20,No. 1(1986年),72〜77頁、 Podoll
R. Thomas, Helen M. Jaber, Theodore Mill による
「Environ.Sci.Technol.」, Vol.
20,No. 5(1986年),490〜492頁を参照
されたい。これらの文献に示される方法はある程度はう
まく行くものであるが、水素ドナー溶剤の存在、存在す
る不純物の種類や程度、基質などに大きく影響されるよ
うに思われる。さらに、2,3,7,8−TCDDの照
射の結果として生じる光化学生成物はトリクロロ−、お
よび、ジクロロ−ベンゾ−p−ダイオキシンであること
が報告されている。これらは2,3,7,8−TCDD
よりも有害性は低いが、望ましい物質ではない。
【0029】超臨界流体技術の分野に関しては、これら
の文献は二次繊維の問題に言及してはおらず、特に、こ
の問題は、超臨界二酸化炭素または超臨界プロパンを用
いて、PCDDおよびPCDFを抽出することによっ
て、あるいは、二次繊維から粘着物を除去することによ
って解決することができるということを示唆していな
い。
【0030】二次繊維からPCDDおよびPCDFを除
去する問題を考慮する際には、それらを除去する方法を
特に難しいものにしている、二次繊維およびPCDDや
PCDFの様々な性質に注意することが重要である。例
えば、二次繊維は1グラム当たりの表面積が比較的大き
い。この業界ではよく知られているように、表面積の大
きい物質はPCDDやPCDFなどの有機化合物を強力
に結合させることが可能である。1986年にLewi
s Publishers社が発行、Rappe C., Choudh
ary G., Keith L.H.らの編集による「 Chlorinated Dio
xins andDibenzofurans in Perspective 」における Sr
inivasan らの「OCDD、2,3,7,8−TCD
D、およびHCBのクレー土ベースの吸収剤への結合(
Binding ofOCDD, 2,3,7,8-TCDD and HCB to Clay-Based
Sorbents )」、532頁を参照されたい。
【0031】そのうえ、空気または水処理システムにお
いては、PCDDやPCDFは溶液中にそのまま遊離し
ているよりは固体吸収剤に付着しやすい。このため、ヒ
ドロキシアルミニウムクレーおよび活性炭を含む各種吸
収剤に対する2,3,7,8−TCDDの分離効率とし
て2.8〜67.1×103 の値が報告されている。こ
の化合物は水分の多い環境中ではガラスにもよく付着す
る。 Srinivasan その他の「supra」、531〜5
37頁を参照されたい。
【0032】表面積が大きいことと分離効率が大きいこ
ととの相乗効果によって、二次繊維からのPCDDおよ
びPCDFの効果的な除去が実施困難なものになってい
る。本発明の一実施例が目的とするものはこのことに対
する解決策を提供することである。また、本発明の第二
の実施例においては、本発明は二次繊維から粘着物を除
去することを目的としている。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】前述した技術に照らし
て、本発明は二次繊維からPCDD及びPCDFを除去
する方法を提供することを目的とする。より詳細には、
本発明は、二次繊維中のPCDD及びPCDFのレベル
を約70%以上、好ましくは約90%以上減少させる方
法を提供することを目的とする。さらに、本発明特有の
目的は、ペーパーミルスラッジから次に掲げるPCDD
およびPCDFの異性体のうちの一つまたは二つ以上を
除去することである。
【0034】2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−
p−ダイオキシン 1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイ
オキシン 2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラン 1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン 2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラン 1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン 1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン 1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−
ダイオキシン 1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン 1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾフラン 1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン 2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラン
【0035】さらに、本発明は、二次繊維からPCDD
およびPCDFを除去する方法であって、低コストであ
り、実行し易く、さらに、処理後の繊維の特性に悪影響
を与えない方法を提供することを目的とする。
【0036】さらに、本発明は、二次繊維から粘着物を
除去する方法を提供することをも目的とする。特に、本
発明は、二次繊維から粘着物を除去する方法であって、
低コストであり、実施しやすく、処理後の繊維の特性に
悪影響を与えない方法を提供することを目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る方法、すなわち、二次繊維からPCD
DおよびPCDFを除去する方法は、次の(1)および
(2)が達成されるような温度、圧力、および二酸化炭
素またはプロパン流量の下で所定の時間の間、二次繊維
を、超臨界状態または超臨界状態に近い状態にある二酸
化炭素またはプロパンに接触させる工程を備える。 (1)二次繊維に含有されるPCDDおよびPCDFの
レベルの実質的な低下がなされること (2)二次繊維の特性、例えば物理的および化学的特性
など、が実質的に低下しないこと また、本発明は他の態様として、二次繊維から粘着物を
除去する方法を提供する。この方法は、次の(1)およ
び(2)が達成されるような温度、圧力、および二酸化
炭素またはプロパン流量の下で所定の時間の間、二次繊
維を、超臨界状態または超臨界状態に近い状態にある二
酸化炭素またはプロパンに接触させる工程を備える。 (1)二次繊維に含有される粘着物のレベルの実質的な
低下がなされること (2)二次繊維の特性、例えば物理的および化学的特性
など、が実質的に低下しないこと
【0038】一般的に言って、繊維の質の低下を低レベ
ルにしつつ、高レベルのPCDDおよびPCDFの抽
出、あるいは粘着物の除去を行うことは、次のような条
件下でなされる。すなわち、二酸化炭素については約6
0気圧以上の圧力で、プロパンについては約30気圧以
上の圧力で行われ、好ましくは、二酸化炭素については
約73〜約300気圧で行われ、プロパンについては約
42〜約300気圧で行われ、最も好ましくは、二酸化
炭素については約80〜約200気圧で行われ、プロパ
ンについては約40〜約200気圧で行われる。温度に
ついては、二酸化炭素については摂氏約25以上の温度
で、プロパンについては摂氏約80度以上の温度で行わ
れ、好ましくは、二酸化炭素については摂氏約31度〜
約150度で行われ、プロパンについては摂氏約97度
〜約200度で行われ、最も好ましくは、二酸化炭素に
ついては摂氏約31度〜約90度で行われ、プロパンに
ついては摂氏約97度〜約150度で行われる。流量に
ついては、二酸化炭素またはプロパンの流量が約0.0
1〜約10標準リットル/分/乾燥二次繊維1グラムの
範囲で行われ、好ましくは、約0.1〜約1.0標準リ
ットル/分/乾燥二次繊維1グラムの範囲で行われる。
処理時間は、上記の流量に対して、約1分〜約3時間で
あり、好ましくは、約3分〜約1時間である。溶剤と給
送量との比率は、好ましい範囲は、乾燥二次繊維1グラ
ムに対してり約10〜約200グラムの二酸化炭素また
はプロパンである。ただし、これらの範囲は、浄化を行
うのに用いる装置や、処理すべき二次繊維の特性に応じ
て変えることができることは言うまでもない。様々なケ
ースの場合に用いるパラメータは当業者であれば本明細
書の記述から容易に決定することができる。
【0039】上述の範囲内の処理条件下において行った
実験のデータ(このデータは後述する)に示されるよう
に、あらゆるPCDD及びPCDFの中で最も有毒であ
ると報告されている2,3,7,8−TCDDに対して
95%以上の抽出を行うことができた。二次繊維に対す
る2,3,7,8−TCDD、および関連するPCDD
およびPCDFの強い粘着性を考えれば、超臨界状態の
二酸化炭素またはプロパンを用いて行った上記抽出のレ
ベルは予想外に高い数字であると考えることができる。
【0040】後に示す実験データに示されているよう
に、上述の範囲の処理条件を用いた本発明の他の実施例
においては、二次繊維の代表サンプルにおいて粘着物の
1/4から95%の範囲で粘着物を除去できた。廃棄物
から粘着物を除去する困難性を考えれば、この数字は極
めて効果的な抽出レベルであると考えられる。
【0041】添付図面は本発明の好適な実施例を示して
おり、この図面と本明細書の記述とによって、本発明の
原理を以下に説明する。なお、図面および明細書の記述
はともに例示的なものであり、本発明はこれらによって
限定されるものではない。
【0042】
【実施例】上述したように、本発明は二次繊維からPC
DDおよびPCDFを抽出することに関し、あるいは、
二次繊維から粘着物を除去することに関する。
【0043】本発明は、様々な原料、例えば、故紙、新
聞用紙、レッジャーストック、包装材料、カートン、
箱、コンピュータ用紙、電話帳、段ボール紙などからつ
くられる二次繊維に適用することができる。一般的に、
これらの二次繊維の主要成分はセルロースである。ま
た、これらの二次繊維は他の有機系物質を含有している
こともある。さらに、製紙産業において用いられるクレ
ーや他のフィラー物質を存在し得る。一般的には、PC
DDまたはPCDFを除去すべく処理される対象物は少
なくともいくらかの繊維を含んでいる。この繊維は塩素
漂白工程で処理されたものであり、このため少なくとも
いくらかのPCDDおよびPCDFを含有している。
【0044】本発明の抽出方法は、リサイクル工程中の
他の工程よりも前に、二次繊維に対して施すことが好ま
しい。ただし、必要ある場合には、本発明の抽出方法
は、二次繊維のインク抜きや漂白化などの工程が終了し
た後に施すことも可能である。なお、本明細書において
用いている「二次繊維」という用語は、リサイクル工程
中の全ての段階、すなわち生の廃棄物原料の段階から新
しい用途に使用するための準備を行う段階までの全ての
段階における繊維を含むものである。
【0045】抽出は超臨界状態、または超臨界状態に近
い状態にある二酸化炭素またはプロパンを用いて行われ
る。物質の状態は三つの相、すなわち、固体、液体、お
よび気体に分けられる。周囲の状況(例えば、圧力/温
度)に応じて、上記の三つの相は単独で存在し得るし、
あるいは他の相と平衡して存在する。第1図の相ダイア
グラムは純粋物質、すなわち、純粋な二酸化炭素または
プロパンに対する3相の間の関係を示している。曲線A
B、AC、ADは単一相ごとの境界を示している。これ
らの曲線上においては各相は平衡状態で存在しているこ
とから、これらの曲線は「共存線」として知られている
ものである。詳細には、曲線ABは固体と気体と間のの
平衡曲線であり、曲線ACは液体と気体と間のの平衡曲
線であり、曲線ADは固体と液体との間の平衡曲線であ
る。便宜上、これらの曲線は昇華曲線、蒸気圧曲線、お
よび溶解曲線としばしば呼ばれる。
【0046】図1の点Aは、三つの相が平衡状態で共存
する三重点として知られている。蒸気圧曲線の最終点で
ある点Cは、気体と液体との区別がなくなる気体−液体
臨界点として知られている。この臨界点における温度及
び圧力は各々臨界温度(TC )および臨界圧力(PC
として知られている。臨界温度TC 以上の温度では、圧
力をいくら高くしても気体は液化しない。図1の斜線部
分は超臨界流体領域として知られているものであり、こ
の領域内にある物質は(すなわち、臨界温度T C 以上の
温度に加熱され、臨界圧力PC 以上の圧力に加圧されて
いる物質)は超臨界流体(SCF)と呼ばれている。
【0047】超臨界状態においては、物質は部分的には
気体として、また部分的には液体として行動する。この
ような物質の密度は液体と同様になり得るが、拡散係数
および粘度の点については気体に類似している。超臨界
流体の密度は、圧力および/または温度の変化による相
分離を生じることなく、連続的に変化することがある。
溶解力などの密度に依存する特性もまた密度の変化に応
じて変化する。例えば、水が超臨界状態(臨界温度TC
=摂氏374度、臨界圧力PC =218気圧)に近づく
と、水はその水素結合特性を失いやすくなり、水の誘電
率も急激に小さくなることがあり、また、ベンゼンなど
の炭化水素と混和しやすくなる。
【0048】前述したように、本発明は、超臨界状態、
または超臨界状態に近い状態にある二酸化炭素またはプ
ロパンを用いて、二次繊維中のPCDDおよびPCDF
を除去するものである。純粋な二酸化炭素の臨界温度お
よび臨界圧力は各々摂氏31度および72.9気圧であ
り、純粋なプロパンの臨界温度および臨界圧力は各々摂
氏98.7度および41.9気圧である。当然のことな
がら、本発明において用いられているように、二酸化炭
素またはプロパンは純粋な状態で作動するのではなく、
複数成分システムの一部として作動するものである。し
たがって、ある特定のシステムにおいては、圧力および
/または温度が純粋な二酸化炭素またはプロパンに対す
る臨界値以上でなくても、場合によっては、本発明の効
果を発揮することが可能である。この意味で、本明細書
では「超臨界状態に近い状態」という語を用いている。
【0049】図2は、連続モードで本発明を実施する代
表的な装置を示している。この図2に示した装置以外の
装置によっても本発明を実施することができることは言
うまでもない。特に、前述した文献や特許明細書には、
超臨界流体を用いる方法において使用することができる
各種の装置が開示されている。本明細書の記載から、そ
れらの装置を本発明の実施に用いることができるという
ことは当業者にとっては自明である。なお、本発明は連
続モードのみならず、バッチモードで実施することも可
能である。
【0050】図2に示す装置において、供給源10から
供給される二酸化炭素またはプロパンは導管12を通っ
てコンプレッサー14に送られ、ここで二酸化炭素また
はプロパンの圧力はその臨界圧力以上に高められる。次
いで、加圧された二酸化炭素またはプロパンは導管16
内を送られ、この最中に加熱テープ18によってその臨
界温度以上の温度に加熱される。
【0051】次いで、超臨界状態の二酸化炭素またはプ
ロパンは抽出器13に入る。抽出器13には既に抽出さ
れるべき二次繊維が詰められている。抽出器13には、
二酸化炭素またはプロパンの温度をその臨界温度以上に
維持するための加熱手段(図示せず)が設けられてい
る。さらに、抽出器13は二酸化炭素またはプロパンの
臨界圧力以上の圧力で作動するようにつくられている。
【0052】超臨界状態の二酸化炭素またはプロパンが
抽出器13内部を通過すると、抽出器13によって二次
繊維からPCDDとPCDFおよび/または粘着物が抽
出される。クロロ有機物および/または粘着物の負荷を
有する、超臨界状態にある二酸化炭素またはプロパンは
導管20から抽出器13を出て、減圧バルブ22を通
り、ここで二酸化炭素またはプロパンの圧力が下げられ
る。この結果、PCDDとPCDFおよび/または粘着
物は二酸化炭素またはプロパンから沈澱して、集積器2
4の中に集積される。必要ある場合には、二酸化炭素ま
たはプロパンの気流中の粘着物および/またはPCDD
とPCDFは、二酸化炭素またはプロパンの気流を、例
えば、活性炭床、クレー床などを通過させることによっ
て、固形支持体中に捕獲することもできる。この場合、
粘着物および/またはPCDDとPCDFは、例えば、
活性炭床を粘着物および/またはPCDDとPCDFを
分解するのに十分な温度まで加熱することによって、活
性炭床から除去することができる。
【0053】粘着物および/またはPCDDとPCDF
が除去された後、二酸化炭素またはプロパンの気流は集
積器24を出て導管25を通り、流量計26および乾燥
試験メーター28を通過する。乾燥試験メーター28に
おいては、流れる気体の量が計測される。流量計26に
おいては、この装置を流れる二酸化炭素またはプロパン
の流量が計測される。上述したように、好適な流量は乾
燥二次繊維で約0.01〜約10標準リットル/分/グ
ラムである。流量計26から読み出された値に基づい
て、所望の流量を得られるように減圧バルブ22(ある
いは、別個の流量制御バルブ)が調整される。
【0054】図2に示すように、二酸化炭素またはプロ
パンは乾燥試験メーター28を通過した後、大気に放出
される。あるいは、二酸化炭素またはプロパンはコンプ
レッサー14を介して集積またはリサイクルすることも
できる。
【0055】以下に、本発明を例を用いてさらに説明す
る。ただし、本発明は以下の例に限定されるものではな
い。
【0056】(例1)概略的に言うと、超臨界状態にあ
る二酸化炭素が二次繊維からPCDDおよびPCDFを
除去する能力を示す実験には「注入( spiking ) 」工程
が含まれている。この注入工程とは、超臨界状態にある
二酸化炭素で実験サンプル(切断された故紙)からの抽
出を行う前に、サンプルに放射性の2,3,7,8−T
CDDを注入する工程である。抽出前後のTCDDのレ
ベルを測定することにより、除去効率を求めることがで
きる。
【0057】使用した故紙は白および色付きレッジャー
紙と被覆してあるクラフト紙の混合物であった。これに
より、軟木および硬木の双方が代表される。故紙のサン
プルは裁断され、さらに細分化するためウィリー( Wile
y ) ミルに送られる。
【0058】細分した故紙サンプル100グラムを30
0ミリリットルのヘキサンに浮遊させ、浮き上がった粒
子、すなわち、主に外生の非セルロース物質からなる粒
子(例えば、土の粒子など)をすくい取る。次いで、故
紙サンプルをロータリー蒸発器で乾燥させた。ついで、
サンプルに、30ナノグラム(ng)の放射性同位体で
置換したTCDD(1312 2,3,7,8−TCD
D)を含有する300ミリリットルのヘキサンを加え
る。この混合物が均一になるように攪拌する。次いで、
TCDDを注入したサンプルをロータリー蒸発器で乾燥
させた。別個に100グラムの第二の故紙サンプルをつ
くり、この第二のサンプルで同じ手順を繰り返し、第一
と第二のサンプルを混合させた。
【0059】抽出は図2に示す装置を用いて行った。抽
出器13は3.0リットルの容積を有しており、スティ
ンレススチール製であり、電気的に加熱されている。こ
の装置には、実験全体を通じて温度および圧力の測定を
行う適当な機器が設けられている。
【0060】TCDDを注入され、乾燥した二次繊維の
重量約77グラムのサンプルは、ダイオキシンを含有し
ていないガラスウールの層にサンドイッチ状にはさまれ
て抽出器13の中に置かれる。二酸化炭素は約14.5
標準リットル/分の割合で装置内部を通り、1グラム当
たりの流量は約0.2標準リットル/分/グラムであっ
た。圧力は4800〜5200psiaの範囲に、温度
は摂氏67度〜75度の範囲に維持された。上述したよ
うに、二酸化炭素に対する臨界温度TC および臨界圧力
C は各々摂氏31度および1072psiaである。
抽出は5時間にわたって行われた。溶剤と給送量の全体
的な比率は繊維1グラムにつき二酸化炭素105グラム
であった。
【0061】抽出後の物質のサンプルと抽出工程前の注
入された物質のサンプル(基準サンプル)は1312
2,3,7,8−TCDDに関して各々分析された。分
析はガスクロマトグラフと高分解能質量分光計とを用い
て行った。同じ分析を5回繰り返して行った。
【0062】この実験の結果を表1に示す。表1に示さ
れているように、超臨界状態にある二酸化炭素は「注
入」されたサンプルからTCDDを除去するのに非常に
効果的であった。特に、本発明に係る方法は約97%の
抽出効率を達成した。上述したように、この高いレベル
の抽出率は、固形有機物質に対するTCDDの高い分離
効率と二次繊維の大きい表面積とを考えると、驚くべき
数字である。
【0063】 表1 超臨界状態にある二酸化炭素によって二次繊維から2,3,7,8−TCDDを 除去する際の抽出効率の計算 サンプル 放射性同位体で置換した1312 2,3,7,8−TCDD(ppb) ─────────────────────────────────── a 0.24 b 0.24 (抽出前) c 0.23 d 0.23 e 0.22 平均 = 0.232 標準偏差 = 0.008 ─────────────────────────────────── a 0.01 b 0.01 (抽出後) c 0.01 d 非検出 e 0.01 平均 = 0.008 標準偏差 = 0.004 ─────────────────────────────────── 抽出効率 = (0.232−0.008)/(0.232)×100 = 97%
【0064】(例2)例1に示した実験方法を用いて超
臨界状態にあるプロパンが二次繊維からPCDDおよび
PCDFを除去する能力を示す。この二次繊維は、超臨
界状態にあるプロパンによるサンプルからの抽出に先立
って、裁断された故紙サンプルに放射性同位体で置換さ
れた2,3,7,8−TCDDの注入がなされたもので
ある。抽出前後のTCDDのレベルを測定することによ
り、除去効率を求めることができる。
【0065】使用した故紙は白および色付きレッジャー
紙と被覆してあるクラフト紙の混合物であった。これに
より、軟木および硬木の双方が代表される。故紙のサン
プルは裁断され、さらに細分化するため、ウィリー( Wi
ley )ミルに送られる。
【0066】細分した故紙サンプル100グラムを30
0ミリリットルのヘキサンに浮遊させ、浮き上がった粒
子、すなわち、主に外生の非セルロース物質からなる粒
子(例えば、土の粒子など)をすくい取る。次いで、故
紙サンプルをロータリー蒸発器で乾燥させた。ついで、
サンプルに、30ナノグラム(ng)の放射性同位体で
置換したTCDD(1312 2,3,7,8−TCD
D)を含有する300ミリリットルのヘキサンを加え
る。この混合物が均一になるように攪拌する。次いで、
TCDDを注入したサンプルをロータリー蒸発器で乾燥
させた。別個に100グラムの第二の故紙サンプルをつ
くり、この第二のサンプルで同じ手順を繰り返し、第一
と第二のサンプルを混合させた。
【0067】抽出は図2に示す装置を用いて行った。抽
出器13は3.0リットルの容積を有しており、スティ
ンレススチール製であり、電気的に加熱されている。こ
の装置には、実験全体を通じて温度および圧力の測定を
行う適当な機器が設けられている。
【0068】TCDDを注入され、乾燥した二次繊維の
重量約22グラムのサンプルは、ダイオキシンを含有し
ていないガラスウールの層にサンドイッチ状にはさまれ
て抽出器13の中に置かれる。プロパンは約6.0標準
リットル/分の割合で装置内部を通り、1グラム当たり
の流量は約0.27標準リットル/分/グラムであっ
た。圧力は4800〜5300psiaの範囲に、温度
は摂氏120度〜130度の範囲に維持された。上述し
たように、プロパンに対する臨界温度TC および臨界圧
力PC は各々摂氏96.7度および41.9psiaで
ある。抽出は1時間にわたって行われた。溶剤と給送量
の全体的な比率は繊維1グラムにつきプロパン30グラ
ムであった。
【0069】抽出後の物質のサンプルと抽出工程前の注
入された物質のサンプル(基準サンプル)は2,3,
7,8−TCDFと13122,3,7,8−TCDDに
関して各々分析された。分析はガスクロマトグラフと高
分解能質量分光計とを用いて行った。同じ分析を2回繰
り返して行った。
【0070】この実験の結果を表2に示す。表2に示さ
れているように、超臨界状態にあるプロパンは「注入」
されたサンプルからTCDDおよびTCDFを除去する
のに非常に効果的であった。特に、本発明に係る方法は
TCDDに対して約95%の抽出効率を達成した。上述
したように、この高いレベルの抽出率は、固形有機物質
に対するTCDDの高い分離効率と二次繊維の大きい表
面積とを考えると、驚くべき数字である。
【0071】 表2 超臨界状態にあるプロパンによって二次繊維からTCDD及びTCDFを除去す る際の抽出効率の計算 サンプル 放射性同位体で 2,3,7,8− 置換した1312 TCDF 2,3,7,8− TCDD(ppt) ─────────────────────────────────── (抽出前) a 281 20 b 244 19 平均 = 262 20 ─────────────────────────────────── (抽出後) a 17 4.2 b 7.4 2.7 平均 = 12 3.5 ─────────────────────────────────── 2,3,7,8−TCDD抽出効率 = (262−12)/(262)×100 = 95% 2,3,7,8−TCDF抽出効率 = (20−3.5)/(20) ×100 = 83%
【0072】(例3)概略的に言うと、超臨界状態にあ
る二酸化炭素が二次繊維から粘着物を除去する能力を示
す実験には、超臨界状態にある流体による抽出(SCF
E)の前後における、故紙サンプルに含まれるエタノー
ル/ベンゼン、アセトン、および、メチレン塩化物抽出
物のレベルを測定する工程が含まれている。
【0073】使用した故紙はキンバリー・クラーク社か
ら得たものであり、粘着物を含有する二次繊維のうちの
典型的なものである。この故紙は軟木と硬木とをほぼ半
々に含んでいた。故紙サンプルは抽出を行う前に裁断し
た。
【0074】抽出は図2に示す装置を用いて行った。抽
出器13は3.0リットルの容積を有しており、スティ
ンレススチール製であり、電気的に加熱されている。こ
の装置には、実験全体を通じて温度および圧力の測定を
行う適当な機器が設けられている。
【0075】重量約429グラムの裁断された故紙のサ
ンプルは、ガラスウールの層の間にサンドイッチ状には
さまれて抽出器13の中に置かれた。全体の抽出時間は
6時間であった。最初の3時間の間において、二酸化炭
素を約16標準リットル/分(摂氏21度、1.0気圧
において測定した値)の割合で装置内部を通過させ、1
グラム当たりの流量は約0.04標準リットル/分/グ
ラムになるようにした。後半の3時間の間において、二
酸化炭素の流量を約29標準リットル/分に増加させ
た。この値は1グラム当たりの流量としては約0.07
標準リットル/分/グラムに相当する。溶剤と給送量の
全体的な比率はサンプル1グラムにつき二酸化炭素約3
4グラムであった。実験全体を通して、圧力は4700
〜5000psiaの範囲に、温度は摂氏66度〜74
度の範囲に維持された。上述したように、二酸化炭素に
対する臨界温度TC および臨界圧力PC は各々摂氏31
度および1072psiaである。
【0076】超臨界状態にある流体で抽出した後の物質
(SCFE)のサンプルと抽出工程前の物質のサンプル
(基準サンプル)は、各種液体溶剤を用いてソックスレ
ー抽出法により分離し、超臨界状態流体抽出法により除
去された液体溶剤抽出物の割合(%)を求めた。次い
で、フーリエ変換赤外線(FTIR)分析法によって抽
出スペクトル(溶剤でキャストしたフィルム)を得て、
これにより、抽出物を同定した。各サンプルについて同
じ分析を2回繰り返して行った。
【0077】この実験の結果を表3に示す。表3に示さ
れているように、超臨界状態にある二酸化炭素はエタノ
ール−ベンゼン抽出物、アセトン抽出物、および、メチ
レン塩化物抽出物のほぼ4分の1から3分の1を除去し
た。
【0078】フーリエ変換赤外線(FTIR)分析法に
よって抽出物を調べたところ、そのほとんどはスチレン
−ブタジエン・ラバーとポリビニル・アセテートであっ
た。すなわち、それらは典型的な粘着物であることがわ
かった。このことから、この実験結果は、超臨界状態に
ある二酸化炭素による抽出法を用いると二次繊維中の粘
着物の含有レベルを実質的に減少させることができるこ
とを示している。
【0079】
【0080】(例4及び5)例3に示した実験方法を用
いて超臨界状態にあるプロパンが二次繊維から粘着物を
除去する能力を示す。さらに、それに関連して、超臨界
流体による抽出(SCFE)の前後における故紙サンプ
ルのエタノール/ベンゼン、アセトン、メチレン塩化
物、および、ヘキサン抽出物のレベルを測定する方法を
示す。
【0081】使用した故紙はキンバリー・クラーク社か
ら得たものであり、粘着物を含有する二次繊維のうちの
典型的なものである。この故紙サンプルは抽出を行う前
に裁断した。
【0082】二つの異なるプロパン圧力の下で二つの実
験を行った。抽出は図2に示す装置を用いて行った。抽
出器13は3.0リットルの容積を有しており、スティ
ンレススチール製であり、電気的に加熱されている。こ
の装置には、実験全体を通じて温度および圧力の測定を
行う適当な機器が設けられている。
【0083】第一の実験では、重量約40グラムの裁断
された故紙のサンプルは、ガラスウールの層の間にサン
ドイッチ状にはさまれて抽出器13の中に置かれた。全
体の抽出時間は1.25時間であった。プロパンを約9
標準リットル/分(摂氏21度、1.0気圧において測
定した値)の割合で装置内部を通過させ、1グラム当た
りの流量は約0.225標準リットル/分/グラムにな
るようにした。かくして、溶剤と給送量の全体的な比率
はサンプル1グラムにつきプロパン約30グラムであっ
た。実験全体を通して、圧力は4800〜5200ps
iaの範囲に、温度は摂氏120度〜130度の範囲に
維持された。上述したように、プロパンに対する臨界温
度TC および臨界圧力PC は各々摂氏96.7度および
615.7psiaである。
【0084】超臨界状態にある流体で抽出した後の物質
(SCFE)のサンプルと抽出工程前の物質のサンプル
(基準サンプル)は、各種液体溶剤を用いてソックスレ
ー抽出法により分離抽出し、超臨界状態流体抽出法によ
り除去された液体溶剤抽出物の割合(%)を求めた。次
いで、フーリエ変換赤外線(FTIR)分析法によって
抽出スペクトル(溶剤でキャストしたフィルム)を得
て、これにより、抽出物を同定した。各サンプルについ
て同じ分析を2回繰り返して行った。
【0085】この第一の実験の結果を表4の上半分に示
す。表4に示されているように、超臨界状態にあるプロ
パンは、エタノール−ベンゼン抽出物の約69%、アセ
トン抽出物の約86%、エチレン塩化物の約91%、お
よび、ヘキサン抽出物の98%を除去した。
【0086】第二の実験、すなわち例5は、圧力を11
00〜1300psiの間に維持した点を除いては第一
の実験と同じである。第二の実験の結果を表4の下半分
に示す。
【0087】フーリエ変換赤外線(FTIR)分析法に
よって抽出物を調べたところ、そのほとんどはスチレン
−ブタジエン・ラバー、ワックスおよびポリビニル・ア
セテートであった。すなわち、それらは典型的な粘着物
であることがわかった。このことから、この実験結果
は、超臨界状態にあるプロパンによる抽出法を用いると
二次繊維中の粘着物の含有レベルを実質的に減少させる
ことができることを示している。
【0088】
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】二酸化炭素およびプロパンの超臨界流体領域を
示す圧力−温度線図である。
【図2】本発明を実施する際に用いる装置のうちの代表
的なものを示す概略図である。
【符号の説明】
10 供給源 12 導管 13 抽出器 14 コンプレッサー 16 導管 18 加熱テープ 20 導管 22 減圧バルブ 24 集積器 25 導管 26 流量計 28 乾燥試験メーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャフィー ウル ホッセイン アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54952 メナシャ サンダウン コート エヌ−7753 (56)参考文献 特開 昭60−132997(JP,A) 国際公開90/2836(WO,A1) 紙パルプ技術協会誌,紙パルプ技術協 会,昭和62年8月,41巻8号第20−32頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 1/00 - 11/14 D21H 11/12

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースを含有する二次繊維を処理す
    る方法であって、 前記二次繊維を、超臨界状態にある流体または超臨界状
    態に近い状態にある流体となるような圧力及び温度条件
    の下にある二酸化炭素またはプロパンに接触させる工程
    を有する方法。
  2. 【請求項2】 前記処理によって前記二次繊維中のポリ
    塩化ジベンゾ−p−ダイオキシンおよび/またはポリ塩
    化ジベンゾフランの含有量が減少することを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記二次繊維中のポリ塩化ジベンゾ−p
    −ダイオキシンおよび/またはポリ塩化ジベンゾフラン
    の含有量は少なくとも70%減少することを特徴とする
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記二次繊維中のポリ塩化ジベンゾ−p
    −ダイオキシンおよび/またはポリ塩化ジベンゾフラン
    の含有量は少なくとも90%減少することを特徴とする
    請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシ
    ンおよび/またはポリ塩化ジベンゾフランは、2,3,
    7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、
    1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイ
    オキシン、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラ
    ン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
    ン、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
    ン、1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾ−
    p−ダイオキシン、1,2,3,7,8,9−ヘキサク
    ロロジベンゾ−p−ダイオキシン、1,2,3,4,
    7,8−ヘキサクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、
    1,2,3,6,7,8−ヘキサクロロジベンゾフラ
    ン、1,2,3,7,8,9−ヘキサクロロジベンゾフ
    ラン、1,2,3,4,7,8−ヘキサクロロジベンゾ
    フラン、2,3,4,6,7,8−ヘキサクロロジベン
    ゾフラン、およびこれらの混合物からなる族から選択さ
    れることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 前記ポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシ
    ンおよび/またはポリ塩化ジベンゾフランは、2,3,
    7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ダイオキシン、
    1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾ−p−ダイ
    オキシン、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾフラ
    ン、1,2,3,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
    ン、2,3,4,7,8−ペンタクロロジベンゾフラ
    ン、およびこれらの混合物からなる族から選択されるこ
    とを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記処理によって前記二次繊維中の粘着
    物のレベルを減少させることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 前記粘着物は接着剤であることを特徴と
    する請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記粘着物は粘着付与剤であることを特
    徴とする請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記粘着物は、ポリビニル・アセテー
    ト・ポリマー、ポリビニル・アセテート・コポリマー、
    エチレン・ビニル・アセテート・ポリマー、エチレン・
    ビニル・アセテート・コポリマー、ポリスチレン、スチ
    レン−ブタジエン・ポリマー、ポリプロピレン、ポリエ
    チレン、ポリアミド、ラバー化合物、ワックス、および
    これらの混合物からなる族から選択されることを特徴と
    する請求項7に記載の方法。
  11. 【請求項11】 セルロース含有二次繊維中の粘着物の
    レベルは前記二次繊維のインキ抜き工程の前に減少して
    いることを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 セルロース含有二次繊維中の粘着物の
    レベルは前記二次繊維の漂白工程の前に減少しているこ
    とを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 セルロースを含有する二次繊維を、超
    臨界状態にある流体または超臨界状態に近い状態にある
    流体となるような圧力及び温度条件の下にある二酸化炭
    素またはプロパンに接触させる方法によりつくられたセ
    ルロース含有製品。
  14. 【請求項14】 前記超臨界状態にある、または超臨界
    状態に近い状態にあるプロパンまたは二酸化炭素は前記
    二次繊維中を流れ、その流量は、0.01〜10標準リ
    ットル/分/乾燥二次繊維1グラムであることを特徴と
    する請求項1乃至12の何れかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記流量は0.1〜1.0標準リット
    ル/分/乾燥二次繊維1グラムであることを特徴とする
    請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記超臨界状態にある、または超臨界
    状態に近い状態にあるプロパンまたは二酸化炭素は1分
    〜3時間の間、前記二次繊維中を流れることを特徴とす
    る請求項1乃至12又は請求項14又は15の何れかに
    記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記超臨界状態にある、または超臨界
    状態に近い状態にあるプロパンまたは二酸化炭素は3分
    〜1時間の間、前記二次繊維中を流れることを特徴とす
    る請求項1乃至12又は請求項14乃至16の何れかに
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記超臨界状態にある、または超臨界
    状態に近い状態にあるプロパンまたは二酸化炭素のグラ
    ム数と、乾燥二次繊維のグラム数との比は10〜200
    であることを特徴とする請求項1乃至12又は請求項1
    4乃至17の何れかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 プロパンを用いること、およびその圧
    力は30気圧以上とすること、さらに、その温度は摂氏
    97度以上とすることを特徴とする請求項1乃至12又
    は請求項14乃至18の何れかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記圧力は42気圧以上であり、前記
    温度は摂氏97度以上であることを特徴とする請求項1
    9に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記圧力は300気圧以下であり、前
    記温度は摂氏200度以下であることを特徴とする請求
    項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記圧力は40〜200気圧であり、
    温度は摂氏90〜150度であることを特徴とする請求
    項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 二酸化炭素を用いること、およびその
    圧力は60気圧以上とすること、さらに、その温度は摂
    氏25度以上とすることを特徴とする請求項1乃至12
    又は請求項14乃至18の何れかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記圧力は73気圧以上であり、前記
    温度は摂氏31度以上であることを特徴とする請求項2
    3に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記圧力は300気圧以下であり、前
    記温度は摂氏150度以下であることを特徴とする請求
    項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記圧力は80〜200気圧であり、
    温度は摂氏31〜90度であることを特徴とする請求項
    25に記載の方法。
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Dyrssen Chlorinated and Brominated Lipophilic Substances in Spent Bleach Liquors from a Sulfite Pulp Mill

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