JP3120534U - 合板パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 スギの間伐材を使用した構造用合板の有効利用。
【解決手段】 1枚の心板10aと、スギの間伐材を使用した2枚の添え心板10b−1、10b−2と、2枚の表板10c−1および裏板10c−2を接着剤(F☆☆☆☆)で積層接合した構造用合板10を備えた合板パネル1で、表板10c−1の表面に捨て単板20aを接着し、捨て単板20aの表面に板厚0.2〜0.5mmの化粧単板20bを接着する。この合板パネル1に板厚方向に貫通させて多数の吸音孔11を形成し、裏面に箱形の発泡スチロール製外囲材13を固定して、吸音材12を充填することで、音響調整パネルを構成する。
【選択図】図1
【解決手段】 1枚の心板10aと、スギの間伐材を使用した2枚の添え心板10b−1、10b−2と、2枚の表板10c−1および裏板10c−2を接着剤(F☆☆☆☆)で積層接合した構造用合板10を備えた合板パネル1で、表板10c−1の表面に捨て単板20aを接着し、捨て単板20aの表面に板厚0.2〜0.5mmの化粧単板20bを接着する。この合板パネル1に板厚方向に貫通させて多数の吸音孔11を形成し、裏面に箱形の発泡スチロール製外囲材13を固定して、吸音材12を充填することで、音響調整パネルを構成する。
【選択図】図1
Description
本考案は、壁や天井の下地材、表面材に使用される木質の合板パネルに関する。
体育館や音楽ホールなどの室内の壁や天井の下地材に使用される構造用合板は、シナやカラマツ、エゾマツ、ブナなどの国産材、また、ベイマツ、ラワンなどの外材の原木をスライスした薄い単板を接着剤を介してホットプレスなどで積層接合したものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。この構造用合板は、剛性に優れることから用途が多岐に亘っており、年間の需要量はますます増大する傾向にある。
特開平09−248803号公報
一般的な板厚12mmの5プライス構造用合板は、1枚の心板と2枚の添え心板、1枚ずつの表板と裏板を積層接合している。この構造用合板の単板の多くは、ベイスギ(米杉)やカラマツの原木をスライスしたものが使用され、希にスギの間伐材を使用したものがある。しかし、スギの間伐材は細くて、幅の小さい単板しか得られず、構造用合板の単板として使用するには幅の小さいものを何枚か並列に並べて製作しなければならず、製作に多くの手間を要して製作コストが高く付く。また、スギの間伐材で製作した合板は、表面にスギ単板の節が見えて外観に劣る。そのため、スギの間伐材を構造用合板の単板に使用することは、実用的でなくてほとんど行われてなく、日本のスギの人工林の荒廃を許している。即ち、近年の日本の山林の多くは、スギとヒノキの人工林であるが、特にスギの人工林の荒廃が目立っている。荒廃の原因は、工業材料による建材、外材製品の普及と、木材価格の低迷と共に、スギの除伐、間伐、枝打ちなどが推進されているが未だ不十分であることが挙げられる。
また、構造用合板は剛性に優れるが、音響調整機能に劣る。構造用合板に多数の吸音孔を形成した多孔パネル、吸音パネルが普及しているが、音響調整の実質的な効果は今一つであるのが現状である。
本考案は、かかる実情に鑑みてなされたもので、スギの間伐材を大量消費できる合板パネル、音響調整機能に優れた合板パネルを提供することを目的とする。
本考案は上記目的を達成するため、スギの間伐材を少なくとも添え心板に使用した板厚8.0〜15.0mmの構造用合板の表面側に、板厚1.0〜3.0mmの捨て単板を介して板厚0.2〜0.5mmの化粧単板を積層接合したことを特徴とする。この合板パネルにおいては、合板パネルに板厚方向に貫通させて複数の吸音孔を形成することができる。
また、本考案は上記目的を達成するため、構造用合板の裏面に、吸音孔のある有孔面積領域を覆う扁平な箱形で厚さ20.0〜25.0mmの発泡スチロール製外囲材を、構造用合板との間に吸音材を充填して固定したことを特徴とする。
本考案の合板パネルによれば、スギの間伐材を使用した構造用合板の実用的な価値を上げて、スギ間伐材の大量需要を図ることができ、スギの人工林の強力な間伐推進、荒廃抑制が可能となり、森林の復活が大いに期待できるという効果がある。また、構造用合板の表面に板厚1.0〜3.0mmの捨て単板を介して板厚0.2〜0.5mmの化粧単板を積層接合することで、外観に優れた表面材、スギ間伐材を使用した合板パネルが提供できる。さらに、構造用合板の裏面に吸音材を充填して発泡スチロール製外囲材を固定することで、吸音調整機能という実用的な価値に優れた合板パネルが提供できる。
以下、本考案の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1(A)に合板パネル1の平面図を、図1(B)に部分側面図を示す。この合板パネル1は、板厚9mmの5プライス構造用合板10と、構造用合板10の表面側に積層接合した表面材20を備える。表面材20は、板厚1.0〜3.0mmの捨て単板20aと、板厚0.2〜0.5mmの化粧単板20bを積層接合して構成される。
構造用合板10は、1枚の心板10aと、2枚の添え心板10b−1、10b−2と、2枚の表板10c−1および裏板10c−2を接着剤(F☆☆☆☆)で積層接合した構造で、心板10aと表板10c−1および裏板10c−2がカラマツの原木をスライスしたベニヤ(単板)であり、2枚の添え心板10b−1、10b−2がスギの間伐材をスライスしたベニヤで構成される。2枚の添え心板10b−1、10b−2のそれぞれは、スギの間伐材をスライスした複数枚の幅の小さいベニヤを並列に並べて構成される。なお、構造用合板10を構成する5枚の単板のそれぞれをスギの間伐材をスライスしたベニヤで構成することも可能であるが、製作が難しく、品質にばらつきが生じ易い。構造用合板10の板厚D1は8.0〜15.0mmが強度、重量、材料コストの点で望ましく、約9mmが後述する音響調整パネルとして使用する場合に望ましい。
表面材20の捨て単板20aは、例えば板厚1〜3mmのカラマツ、ベイスギなどのベニヤまたはMDFである。図3(A)に示すように、表板10c−1の表面をベルトサンダなどで研磨して、表板10c−1の表面に捨て単板20aを接着する。この捨て単板20aの表面に、板厚0.2〜0.5mmの化粧単板20bを接着して、合板パネル1が製作される。化粧単板20bは、ベイスギの原木をスライスして化粧仕上げされた薄ベニヤである。化粧単板20bは、シナやタモマサ、ナラマサ、サクラなどの国産材であってもよい。構造用合板10の板厚D1を約9mmにして、合板パネル1の板厚D2を概ね11mm、13mm、15mm、18mmの複数段階のいずれかに選択できるように捨て単板20aと化粧単板20bの厚さを選択する。このような合板パネル1は、表面が外観性に優れた化粧単板20bであることから、壁などの優れた面材、表面材としても使用できる。
また、本考案においては、図1(A)と図3(B)の断面図に示すように、矩形の合板パネル1に多数の吸音孔11a、11bを板厚方向に貫通させて形成する。図1(A)には、孔径の異なる2種類の吸音孔11a、11bが示される。一方の吸音孔11aは他方より小径であり、この小径の多数の吸音孔11aを同じ矩形の領域に碁盤の目状に配列させて形成する。他方の大径の吸音孔11bを、小径の吸音孔11aと異なる矩形の領域に碁盤の目状に配列させて形成する。孔径の異なる2種類の吸音孔11a、11bは異なる二帯域の音を効率的に吸音することから、1枚の合板パネル1で音響調整が多様に行え、機能的かつ実用的な音響調整パネルが提供できる。この音響調整パネルも、表面が外観性に優れた化粧単板20bであることから、優れた面材、表面材として使用できる。
さらに、本考案においては、図2に示すように、音響調整パネルである合板パネル1の裏面に、吸音孔11a、11bのある有孔面積領域を覆う扁平な箱形で厚さ20.0〜25.0mmの発泡スチロール製外囲材13、13を、構造用合板10との間に吸音材12、12を充填して固定する。吸音材12はグラスウールなどで、吸音性に優れ、音響調整機能を増大させる。外囲材13の厚さD3を20〜22mm、外囲材13の底板の厚さD4を5mm程度にすることで、音響調整パネル全体の薄型化、軽量化、発泡スチロール量の抑制ができ、吸音材12の充填量が十分に確保できる。
1 合板パネル
10 構造用合板
10a 心板
10b−1、10b−2 添え心板(スギの間伐材)
10c−1 表板
10c−2 裏板
20a 捨て単板
20b 化粧単板
11a、11b 吸音孔
12 吸音材
13 発泡スチロール製外囲材
10 構造用合板
10a 心板
10b−1、10b−2 添え心板(スギの間伐材)
10c−1 表板
10c−2 裏板
20a 捨て単板
20b 化粧単板
11a、11b 吸音孔
12 吸音材
13 発泡スチロール製外囲材
Claims (3)
- スギの間伐材を少なくとも添え心板に使用した板厚8.0〜15.0mmの構造用合板の表面側に、板厚1.0〜3.0mmの捨て単板を介して板厚0.2〜0.5mmの化粧単板を積層接合したことを特徴とする合板パネル。
- 板厚方向に貫通させて複数の吸音孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の合板パネル。
- 前記構造用合板の裏面に、前記吸音孔のある有孔面積領域を覆う扁平な箱形で厚さ20.0〜25.0mmの発泡スチロール製外囲材を、構造用合板との間に吸音材を充填して固定したことを特徴とする請求項2に記載の合板パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006000328U JP3120534U (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 合板パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006000328U JP3120534U (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 合板パネル |
Publications (1)
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---|---|
JP3120534U true JP3120534U (ja) | 2006-04-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3120534U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013181381A (ja) * | 2012-03-05 | 2013-09-12 | Kuraray Co Ltd | 吸音パネル並びに吸音方法及び音響改善方法 |
US20180245336A1 (en) * | 2015-08-20 | 2018-08-30 | Industrial Cooperation Foundation Chonbuk National University | Flame-retardant, fireproof, semi-incombustible plywood ceiling material, and method for manufacturing same |
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2006
- 2006-01-19 JP JP2006000328U patent/JP3120534U/ja not_active Expired - Fee Related
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