JP3118793B2 - 汚泥中の有害金属の分離方法 - Google Patents
汚泥中の有害金属の分離方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、下水汚泥等に含まれ
る人体等に有害な金属の分離方法に関する。
る人体等に有害な金属の分離方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、下水汚泥等に含まれている水銀や
カドニウム等が人体に有害なことはよく知られており、
大量に発生する下水汚泥は肥料分を含み農作物に有効で
あることが知られていながら使用できないのが現状であ
る。そして、この有害な金属を汚泥から分離する手段と
しては、その金属を含む汚泥を固結して有害金属が溶出
しないようにして投棄している。
カドニウム等が人体に有害なことはよく知られており、
大量に発生する下水汚泥は肥料分を含み農作物に有効で
あることが知られていながら使用できないのが現状であ
る。そして、この有害な金属を汚泥から分離する手段と
しては、その金属を含む汚泥を固結して有害金属が溶出
しないようにして投棄している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述のような有害金属
を含む汚泥は、その発生量が年々増加して、固結するに
も大量の固結材を要し、また、投棄場所にも限界があ
る。さらに、コンポストして利用できるようにする点に
おいても、上述のように有害金属の処理上に問題を残し
ている。
を含む汚泥は、その発生量が年々増加して、固結するに
も大量の固結材を要し、また、投棄場所にも限界があ
る。さらに、コンポストして利用できるようにする点に
おいても、上述のように有害金属の処理上に問題を残し
ている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述のよう
な課題を解決し得るものであって、その要旨とするとこ
ろは、カドニウム等の有害金属を含む汚泥に硫酸等を加
えてＰＨを低下させて有害金属をイオン化して溶出さ
せ、次いで、この汚泥を正負の極共に鉄の電極で電解し
たのち、この電解液を同じ電解槽で極性変換して電解
し、その電解液を磁気分離器で処理するようにしたもの
である。
な課題を解決し得るものであって、その要旨とするとこ
ろは、カドニウム等の有害金属を含む汚泥に硫酸等を加
えてＰＨを低下させて有害金属をイオン化して溶出さ
せ、次いで、この汚泥を正負の極共に鉄の電極で電解し
たのち、この電解液を同じ電解槽で極性変換して電解
し、その電解液を磁気分離器で処理するようにしたもの
である。
【０００５】
【作用】すなわち、この発明は、有害金属を含む汚泥を
酸処理して、有害金属を液中に溶出させ、その汚泥を鉄
電極で電解することによって、電極面に有害金属と鉄の
化合物（フエライト）を析出させ、このフエライトを極
性変換をすることによって電極から剥離し、この剥離し
た鉄の化合物を磁力を用いて他の夾雑物から分離するも
のである。以下図面に基づいてこの発明を具体的に説明
する。
酸処理して、有害金属を液中に溶出させ、その汚泥を鉄
電極で電解することによって、電極面に有害金属と鉄の
化合物（フエライト）を析出させ、このフエライトを極
性変換をすることによって電極から剥離し、この剥離し
た鉄の化合物を磁力を用いて他の夾雑物から分離するも
のである。以下図面に基づいてこの発明を具体的に説明
する。
【０００６】
【実施例】図１は、この発明に係る有害金属の処理方法
のブロック図であり、符号１は汚泥槽、２は有害金属の
溶出槽、３は電解槽、４は磁気分離槽、５は分離フエラ
イト槽、６は処理済の汚泥槽、７は添加する硫酸槽を示
すものであり、図例ではＰＨを低下させるのに硫酸を用
いている。
のブロック図であり、符号１は汚泥槽、２は有害金属の
溶出槽、３は電解槽、４は磁気分離槽、５は分離フエラ
イト槽、６は処理済の汚泥槽、７は添加する硫酸槽を示
すものであり、図例ではＰＨを低下させるのに硫酸を用
いている。
【０００７】図２は、上記電解槽３の模式斜面図であっ
て、電極３ａは、陽極、陰極共に鉄で構成してある。符
号８は極性の切換装置、９は電源、１０は電解用汚泥の
供給口、１１は電解処理済汚泥の取出口を示すものであ
る。
て、電極３ａは、陽極、陰極共に鉄で構成してある。符
号８は極性の切換装置、９は電源、１０は電解用汚泥の
供給口、１１は電解処理済汚泥の取出口を示すものであ
る。
【０００８】次に、上述装置を用いて汚泥から有害金属
を除去する方法について説明する。まず、溶出槽２に導
入した汚泥に、硫酸槽７の硫酸を添加して汚泥のＰＨを
低下させ、含まれる有害金属類をイオン化して溶出させ
る。
を除去する方法について説明する。まず、溶出槽２に導
入した汚泥に、硫酸槽７の硫酸を添加して汚泥のＰＨを
低下させ、含まれる有害金属類をイオン化して溶出させ
る。
【０００９】そして、この処理汚泥を電解槽３に導入し
て、通電し、電解する。斯くすることによって、陽極よ
り鉄イオンが溶出し、その一部が水和反応で水酸化鉄を
生成し、汚泥のＰＨを上昇させる。一方、鉄イオンの他
の一部は、有害金属イオンと共に陰極へ移動し、電解で
発生した酸素で酸化され、有害金属イオンを吸着しなが
ら、酸化成長するフエライト化反応を行ないフエライト
（鉄化合物）を形成する。
て、通電し、電解する。斯くすることによって、陽極よ
り鉄イオンが溶出し、その一部が水和反応で水酸化鉄を
生成し、汚泥のＰＨを上昇させる。一方、鉄イオンの他
の一部は、有害金属イオンと共に陰極へ移動し、電解で
発生した酸素で酸化され、有害金属イオンを吸着しなが
ら、酸化成長するフエライト化反応を行ないフエライト
（鉄化合物）を形成する。
【００１０】そして、形成されたフエライトは、陰極に
付着し、汚泥から分離される。陰極に付着したフエライ
トは再溶解しないので、電極の極変換をすることによっ
て、極板（陽極に変換されている）から剥離する。
付着し、汚泥から分離される。陰極に付着したフエライ
トは再溶解しないので、電極の極変換をすることによっ
て、極板（陽極に変換されている）から剥離する。
【００１１】このようにして、剥離されたフエライトは
磁性体であるので、次段の磁気分離手段によって汚泥中
から分離することができる。すなわち、この発明に係る
方法は、汚泥中に散在する有害金属を鉄電極で以て電解
することによって不溶性のフエライトに変え、電極の極
変換することによって電極から剥離し、磁石で回収する
ようにしたものであり、その回収操作は簡単で、且つ、
確実に有害金属のみを汚泥から分離できる。
磁性体であるので、次段の磁気分離手段によって汚泥中
から分離することができる。すなわち、この発明に係る
方法は、汚泥中に散在する有害金属を鉄電極で以て電解
することによって不溶性のフエライトに変え、電極の極
変換することによって電極から剥離し、磁石で回収する
ようにしたものであり、その回収操作は簡単で、且つ、
確実に有害金属のみを汚泥から分離できる。
【００１２】このようにして、有害金属が分離除去され
た汚泥は、有機物質を含んでいて農業等に使用して安全
なるは勿論のこと、電解によって生じた水酸化鉄が作用
して改質されているので、脱水性が向上しており、処理
後段における脱水作業を容易にすることができるもので
ある。
た汚泥は、有機物質を含んでいて農業等に使用して安全
なるは勿論のこと、電解によって生じた水酸化鉄が作用
して改質されているので、脱水性が向上しており、処理
後段における脱水作業を容易にすることができるもので
ある。
【００１３】以上のような処理操作をＺｎを含む汚泥に
ついて試験操作した結果は、次の通りであった。１Ｌ当
り８．７ｍｇのＺｎを含む汚泥を上述手段によって処理
したところ、処理汚泥中に含まれるＺｎ量は、２．２２
ｍｇであった。すなわち、除去できたＺｎ量は６．４８
ｍｇであり、原汚泥に含まれていたＺｎ量の７４．５％
を分離して除去することができた。
ついて試験操作した結果は、次の通りであった。１Ｌ当
り８．７ｍｇのＺｎを含む汚泥を上述手段によって処理
したところ、処理汚泥中に含まれるＺｎ量は、２．２２
ｍｇであった。すなわち、除去できたＺｎ量は６．４８
ｍｇであり、原汚泥に含まれていたＺｎ量の７４．５％
を分離して除去することができた。
【００１４】
【発明の効果】このように、この発明は、従来分離除去
することが困難であった下水汚泥等に含まれる有害金属
を簡単且つ、確実に除去することができ、農業用のコン
ポスト等として再利用できるようにするとともに、この
発明によって処理した汚泥は、事後の脱水処理性も向上
するものであり、従来のこの種汚泥の処理、処分上の課
題を完全に解決し得たものである。
することが困難であった下水汚泥等に含まれる有害金属
を簡単且つ、確実に除去することができ、農業用のコン
ポスト等として再利用できるようにするとともに、この
発明によって処理した汚泥は、事後の脱水処理性も向上
するものであり、従来のこの種汚泥の処理、処分上の課
題を完全に解決し得たものである。
【図１】この発明に係る汚泥の処理方法の工程を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図２】この発明に係る汚泥の処理に用いる電解装置の
斜面図である。
斜面図である。
３ 電解槽 ３ａ 電極
Claims (1)
- 【請求項１】 有害金属を含む汚泥に硫酸等を加えてＰ
Ｈを低下させて有害金属をイオン化して溶出させ、次い
で、この汚泥を正負の電極３ａが共に鉄の電極３ａで電
解したのち、この電解液を同じ電解槽３で極性変換して
電解し、その電解液を磁気分離器で処理することを特長
とする汚泥中の有害金属の分離方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06239573A JP3118793B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 汚泥中の有害金属の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06239573A JP3118793B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 汚泥中の有害金属の分離方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0871597A JPH0871597A (ja) | 1996-03-19 |
| JP3118793B2 true JP3118793B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=17046812
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06239573A Expired - Fee Related JP3118793B2 (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 汚泥中の有害金属の分離方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3118793B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100369711B1 (ko) * | 2000-09-15 | 2003-01-30 | 광주과학기술원 | 전기화학적 공정을 이용한 슬러지 내 유해 중금속의 제거방법 |
| WO2013063644A2 (en) * | 2011-10-31 | 2013-05-10 | Steelmore Holdings Pty Ltd | Method of removing metal from a cathode |
| JP2013217801A (ja) * | 2012-04-10 | 2013-10-24 | Kurita Engineering Co Ltd | 放射性廃樹脂の除染方法 |
| KR101333319B1 (ko) * | 2013-03-25 | 2013-11-27 | 신라대학교 산학협력단 | 전자기장을 이용한 중금속 제거장치 |
| JP6116733B1 (ja) * | 2016-04-25 | 2017-04-19 | 智治 竹内 | 重金属分離システム |
| CN107107073B (zh) * | 2015-12-03 | 2018-10-09 | 竹内智治 | 重金属分离系统 |
| JP5916936B1 (ja) * | 2015-12-03 | 2016-05-11 | 智治 竹内 | 重金属分離システム |
| CN114349228A (zh) * | 2020-06-10 | 2022-04-15 | 长沙维禹环保科技有限公司 | 一种污水电化学除硫方法 |
| CN112047588A (zh) * | 2020-09-02 | 2020-12-08 | 辽宁大学 | 一种磁化电动法去除城市污泥中重金属的方法 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP06239573A patent/JP3118793B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0871597A (ja) | 1996-03-19 |
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